JP6978759B2 - 空気極用ガス拡散層 - Google Patents

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Description

本発明は、空気極用ガス拡散層に関する。
金属空気電池は、亜鉛、鉄、アルミニウム等をはじめとする金属を負極に使用し、空気極を正極に使用した電池である。これらの電池は、正極側活物質として空気中の酸素を利用することができ、電池容量は負極容量のみで決まるため、高いエネルギー密度を実現できる。
金属空気電池の金属負極に亜鉛を用いた亜鉛空気電池を例に挙げると、電池反応は(1)〜(3)式:
(負極) Zn + 2OH- → ZnO + H2O + 2e- (1)
(正極) O2 + 2H2O + 4e- → 4OH- (2)
(全反応)Zn + 1/2O2 → ZnO (3)
と表すことができる。各反応式において、右向きは放電反応、左向きは充電反応である。つまり、金属空気電池における空気正極側の反応は(2)式に表されるとおりであり、放電時には酸素還元反応、充電時には酸素発生反応となる。
金属空気電池の空気極には、(2)式に示すように、放電時には酸素還元反応、充電時には酸素発生反応を行うための反応場を提供することが求められる。同様に、燃料電池用空気極では酸素還元反応を、水電解装置用空気極では酸素発生反応を行うための反応場を提供することが求められる。このような空気極は、集電体又は給電体(金属空気電池の放電モード及び燃料電池では集電体、金属空気電池の充電モード及び水電解では給電体と呼ぶ)、ガス拡散層及び触媒層で構成されている。従来の空気極では、通常、ガス拡散層には導電性を有する炭素材料(カーボンブラック等)が使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
J. Electrochem. Soc., 137, 3430 (1990).
以上のように、従来の空気極においては、ガス拡散層中に少なからず炭素材料が使用される。しかしながら、炭素材料は、熱力学的には、(4)式:
C + 2H2O → CO2+ 4H+ + 4e- (4)
のように、一定(0.207 V vs. 標準水素電極(RHE))以上の電位では酸化されてCO2となってしまう。
室温程度の温度や1 V vs. RHE以下程度の電位であれば、反応速度が遅いため、炭素材料の腐食劣化は初期活性を検討する上では問題にならないことが多い。しかしながら、金属空気電池の空気極においては、充電時の酸素発生反応の電位が1.5 V vs. RHEを超えることが多い。また、燃料電池の空気極においても、起動停止時に瞬間的に1.3〜1.5 V vs. RHE程度の電位になることがあり、その繰り返しにより炭素材料の腐食劣化が進行する。室温での反応であれば、空気極中のガス拡散層と電解質との間には触媒層が介在しており、ガス拡散層中の炭素材料は劣化しにくいが、高温(例えば35℃以上)での反応を行う際には電解質が触媒層を通過してガス拡散層中に染み込み、炭素材料が劣化する。このように、高温で反応を行わせる場合には、空気極のガス拡散層中の炭素材料の劣化が問題となることが多い。この課題は、水電解装置に空気極を設ける場合には水電解による酸素発生で炭素材料が腐食するため同様に有する。
このため、本発明は、炭素材料を含まずとも、金属空気電池、燃料電池、水電解装置用空気極のガス拡散層として機能でき、充放電繰り返し又は連続作動における耐久性を向上させることができるガス拡散層を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、炭素材料を含まずとも、金属空気電池、燃料電池、水電解装置用空気極のガス拡散層に所望の酸素還元活性及び/又は酸素発生活性を付与すべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、導電性酸化物を含有し、炭素材料を含有しないことで、上記課題を解決したガス拡散層が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づきさらに研究を重ね完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.導電性酸化物を含有し、炭素材料を含有しない、空気極用ガス拡散層。
項2.前記導電性酸化物が、異種元素をドープした酸化スズ又は酸化インジウムである、項1に記載の空気極用ガス拡散層。
項3.さらに、樹脂を含有する、項1又は2に記載の空気極用ガス拡散層。
項4.前記樹脂が撥水性樹脂である、項3に記載の空気極用ガス拡散層。
項5.多孔質金属基材の上に配置されている、項1〜4のいずれか1項に記載の空気極用ガス拡散層。
項6.項1〜5のいずれか1項に記載の空気極用ガス拡散層の上に触媒層が配置された空気極であって、
前記触媒層は、貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を含有する、空気極。
項7.前記酸化物触媒が、ペロブスカイト型酸化物である、項6に記載の空気極。
項8.前記酸化物触媒が、炭素材料以外の導電性担体上に担持されている、項6又は7に記載の空気極。
項9.前記導電性担体が、ドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウムである、項8に記載の空気極。
項10.金属空気電池、燃料電池又は水電解装置用空気極である、項6〜9のいずれか1項に記載の空気極。
項11.項6〜10のいずれか1項に記載の空気極を正極として用いた、金属空気電池。
項12.項6〜10のいずれか1項に記載の空気極を正極として用いた、燃料電池。
項13.項6〜10のいずれか1項に記載の空気極を正極として用いた、水電解装置。
本発明によれば、炭素材料を含まずとも、金属空気電池、燃料電池、水電解装置用空気極のガス拡散層を提供することができる。このような本発明の空気極用ガス拡散層は、炭素材料を含む従来のガス拡散層と比較し、充放電繰り返しや連続作動における耐久性を飛躍的に向上させることができる。
なお、本発明においては、炭素材料を一切使用しない、いわゆるカーボンフリーの空気極を構成することも可能である。
実施例1〜4及び比較例1の空気極を使用した充放電初期性能の結果(試験例1)を示すグラフである。 実施例5〜7及び比較例2の空気極を使用した充放電初期性能の結果(試験例2)を示すグラフである。 実施例8〜9及び比較例2の空気極を使用した充放電初期性能の結果(試験例2)を示すグラフである。 実施例5並びに比較例3〜5の空気極を使用した充放電サイクル特性の結果(試験例3)を示すグラフである。 実施例8〜9及び比較例6〜8の空気極を使用した充放電サイクル特性の結果(試験例3)を示すグラフである。
1.空気極用ガス拡散層
本発明の空気極用ガス拡散層は、導電性酸化物を含有し、炭素材料を含有しない。炭素材料を含有しないことにより、炭素材料の腐食劣化による充放電繰り返しや連続作動における性能低下を抑制することができる。なお、本発明において、炭素材料とは、非晶質炭素、結晶性炭素又は無定形炭素を意味し、樹脂等の高分子化合物は包含しない概念である。
本発明では、空気極用ガス拡散層が導電性酸化物を含有するため、炭素材料を含有せずとも、電解液の侵入を防ぎ、反応に必要な酸素又は生成した酸素を効率よく拡散させることができるため、酸素還元活性及び酸素発生活性の双方を有する空気極を得ることができる。また、従来の炭素材料を含む空気極用ガス拡散層を使用した場合と比較して、充放電繰り返しや連続作動における耐久性を飛躍的に向上させた空気極を得ることができる。
(1−1)導電性酸化物
導電性酸化物としては、放電(酸素還元)時及び充電(酸素発生)時のいずれにおいても安定な導電性酸化物が好ましい。このような導電性酸化物としては、異種元素をドープした酸化スズ(SnO、SnO2、SnO3等)又は酸化インジウム(In2O3)が好ましい。
導電性酸化物にドープされる異種元素としては、例えば、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、Nb、In、Sn、Sb、F、P、Fe等が好ましく、Nb、Sn、Sb等がより好ましい。これらの異種元素は、1種のみをドープすることもでき、2種以上をドープすることもできる。
このような導電性酸化物としては、具体的には、アンチモンドープ酸化スズ(IV)(ATO; SbドープSnO2)、スズドープ酸化インジウム(ITO; In2O3-SnO2)等が挙げられる。
導電性酸化物に異種元素がドープされている場合、そのドープ量は、特に制限されず、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、導電性酸化物の総重量を100質量%として、0.1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ドープ量は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法を用いた元素分析により測定する。
導電性酸化物の平均粒子径は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、0.005〜10μmが好ましく、0.01〜0.1μmがより好ましい。導電性酸化物の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM)により測定する。
このような導電性酸化物は、公知又は市販品を使用することができる。また、異種元素ドープ導電性酸化物を使用する場合には、公知又は市販品を使用することもできるし、公知又は市販の非ドープ導電性酸化物に常法で所望の異種元素をドープすることもできる。
本発明の空気極用ガス拡散層において、導電性酸化物の含有量は、空気極用ガス拡散層の総重量を100質量%として、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、50〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましい。
(1−2)樹脂
本発明の空気極用ガス拡散層には、上記導電性酸化物により層を形成するためにバインダーとして樹脂を使用することが好ましい。樹脂としては、公知又は市販の材料を使用できる。本発明の空気極用ガス拡散層へ撥水性を付与するため、フッ素樹脂等の撥水性樹脂が好ましい。フッ素樹脂は、フッ素原子を含有し、重量平均分子量が10万〜1000万程度のポリマーであれば特に限定されない。このような樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエーテル共重合体(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロオエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
また、上記樹脂は、樹脂ディスパージョン(樹脂粒子を分散させた分散液)を使用することもできる。この場合、分散媒に樹脂を分散させて調製するか、市販品を使用することが好ましい。分散媒としては、例えば、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル等の界面活性剤を含む水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。
本発明の空気極用ガス拡散層において、樹脂の含有量は、空気極用ガス拡散層の総重量を100質量%として、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
(1−3)空気極用ガス拡散層
本発明の空気極用ガス拡散層は、上記した導電性酸化物を含有し、炭素材料を含有していない。
本発明の空気極用ガス拡散層は、上記した導電性酸化物及び必要に応じて樹脂のみから構成されていてもよいが、他の成分が含まれていてもよい。このような他の成分としては、例えば、導電性を向上するための金属(金、白金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ニッケル、チタン、銅)粉末等が挙げられる。これら他の成分の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲とすることが好ましく、例えば、空気極用ガス拡散層の総重量を100質量%として、0.1〜10質量%が好ましい。
このような本発明の空気極用ガス拡散層の厚みは、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、1〜500μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
このような本発明の空気極用ガス拡散層を支持する他層として、例えば、多孔質金属基材を使用することができる。この多孔質金属基材は、集電体又は給電体(金属空気電池の放電モード及び燃料電池では集電体、金属空気電池の充電モード及び水電解では給電体と呼ぶ)としても機能する。具体的には、上記した本発明の空気極用ガス拡散層と多孔質金属基材とを一体化させて使用することができる。このような構成を採用することにより、導電性、酸素の拡散性の向上により酸素還元性能及び酸素発生性能をより向上させることができる。
多孔質金属基材としては、多孔質である金属基材である限り特に限定されず、公知又は市販の材料を使用することができる。多孔質金属基材の材質としては、例えば、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。ニッケル合金としては、例えば、バナジウム、クロム、アルミニウム、チタン、モリブデン、マンガン、亜鉛、スズ、銅、コバルト、鉄等の金属と、ニッケルとの合金が挙げられ、チタン合金としては、例えば、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、クロム、ジルコニウム、スズ、銅、鉄等の金属と、チタンとの合金が挙げられる。
一方、多孔質金属基材の形状についても特に制限されない。例えば、スクリーン、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡状多孔体、ラス板、金属繊維焼結体等を採用できる。
また、耐食性及び導電性を向上するために、上記多孔質金属基材表面にめっき処理を行ってもよい。めっきの材質は、特に制限されず、白金、ルテニウム、ロジウム、タングステン、タンタル、金等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。
多孔質金属基材は、予め撥水処理が施された基材であることが好ましい。これにより、さらに一段と、多孔質金属基材の撥水性を向上させることができる。
撥水処理としては、例えば、上記の多孔質金属基材をフッ素樹脂等の撥水性樹脂が分散した水分散体中に浸漬する方法等が挙げられる。フッ素樹脂等の撥水性樹脂としては、上述した樹脂等が挙げられる。なお、この際には、水中にフッ素樹脂等の撥水性樹脂を分散させるために、分散剤を用い、フッ素樹脂等の撥水性樹脂及び分散剤を含む懸濁液として使用することが好ましい。
水分散体中のフッ素樹脂等の撥水性樹脂の含有量は、例えば、水100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
このような多孔質金属基材の厚みは、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10〜1000μmが好ましく、30〜500μmがより好ましい。
2.空気極用ガス拡散層の製造方法
本発明の空気極用ガス拡散層は、例えば、
(I)基材上に、上記導電性酸化物及び必要に応じて上記樹脂を含むガス拡散層形成用組成物を用いて空気極用ガス拡散層を形成する工程
を備える方法により製造することができる。
本発明において、ガス拡散層形成用組成物には、上記の導電性酸化物及び必要に応じて樹脂以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、分散媒等を含ませることができる。分散剤及び分散媒としては、従来から空気極用ガス拡散層の製造に使用されるものを使用することができる。この場合の分散剤及び分散媒の使用量は、従来から空気極用ガス拡散層の製造に使用される程度とすることができる。
なお、上記樹脂として樹脂が分散した分散液(ディスパージョン)を使用することもできる。この場合は、分散媒を使用しなくてもよい。
ガス拡散層形成用組成物において、上記各成分の配合割合は、上記した空気極用ガス拡散層における含有量となるように調整することができる。
ガス拡散層形成用組成物は、例えば、上記の導電性酸化物、必要に応じて樹脂、及び必要に応じて他の成分を混合、分散させて得ることができる。分散方法としては、例えば公知の超音波分散、ホモジナイザー、メディア分散、スターラー分散等を用いることができる。
基材は、ガス拡散層形成用組成物を用いて本発明の空気極用ガス拡散層を形成できる基材であれば特に限定されず、公知又は市販の基材を広く使用することができる。なお、基材として上記した多孔質金属基材を使用すれば、容易に多孔質金属基材−ガス拡散層積層体を得ることができる。
ガス拡散層形成用組成物を用いて、基材上に空気極用ガス拡散層を形成する方法としては、例えば、塗布法、スプレー法、浸漬法等を採用し得るが、より均一な空気極用ガス拡散層が得られるとともに、空気極用ガス拡散層としてより良好な性能が得られる観点から、本発明では塗布法が好ましい。具体的には、基材上にガス拡散層形成用組成物を、塗布及び乾燥することにより、空気極用ガス拡散層を形成することが好ましい。
ガス拡散層形成用組成物の塗布方法としては、公知又は市販のドクターブレード等のブレード、ワイヤーバー、スキージ等の器具やアプリケーター、ダイコート、ロールプレス等を用いて塗布することが好ましい。
塗布法を採用する場合、ガス拡散層形成用組成物の塗布量は、例えば、乾燥後の導電性多孔質層の厚みが5〜300μm、特に10〜100μmとなるように塗布することが好ましい。
また、塗布法を採用する場合、乾燥温度も、例えば、使用する溶剤(分散媒等)の揮発温度等の条件により適宜変更することが好ましい。
さらに、空気極用ガス拡散層は、他部材との密着性向上や、撥水性付与等のため、その表面に、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、金属ブラシ、サンドブラスト等で物理的に表面凹凸をつける機械的処理、マット処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、火炎処理等が挙げられる。
3.空気極
本発明の空気極は、上記した本発明の空気極用ガス拡散層の上に、触媒層が配置されている。また、上記触媒層は、貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を含有する。なお、この触媒層は、炭素材料の腐食劣化による充放電繰り返しや連続作動における性能低下をより抑制する観点から炭素材料を含まないことが好ましい。
(3−1)貴金属触媒
本発明の空気極において、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性をより向上させるためには、貴金属触媒が使用され得る。つまり、従来の触媒における炭素材料の代替品として使用することも可能である。これにより、炭素材料の使用量をさらに低減し、耐久性(充放電サイクル特性等)を向上させることができる。具体的には、炭素材料を一切使用しないカーボンフリーの触媒を提供することも可能である。
貴金属触媒としては、特に制限されず、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、白金、白金合金、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム等の触媒金属等が挙げられ、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム等が好ましい。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルト等の金属と、白金との合金等が挙げられる。なお、後述の酸化物触媒は高い触媒活性を有しているため、貴金属触媒の使用量は少なくすることができ、より安価な触媒とすることもできる。
貴金属触媒の平均粒子径は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、1〜100nmが好ましい。貴金属触媒の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM又はTEM)により測定する。
(3−2)酸化物触媒
酸化物触媒としては、酸素還元活性及び酸素発生活性が高いものを採用することが好ましい。特に、従来の酸素還元用触媒においては、担体である炭素材料が酸素から過酸化水素への2電子還元も行っていたが、本発明では、この炭素材料の使用量を低減することから、酸化物触媒には、酸素から過酸化水素を経由した水酸化物イオンへの逐次的還元反応、又は酸素から水酸化物イオンへの4電子還元を行い得るペロブスカイト型酸化物が好ましい。
このようなペロブスカイト型酸化物としては、A、B及び酸素からなり、前記Aはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、及び希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、前記Bは少なくとも1種の遷移金属元素であるものが好ましい。
このうち、A元素としては、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素等であれば特に制限はなく、例えば、Na、K、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Pr、Sm等が挙げられ、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、アルカリ土類金属元素、希土類元素等が好ましく、Ca、Sr、Ba、Y、La、Pr、Sm等がより好ましく、La、Ca、Sr等がさらに好ましい。A元素としては、特に、La、又はLaの一部をCa若しくはSrで置換したものが好ましい。このようなA元素は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
また、B元素としては、遷移金属元素であれば特に制限はなく、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W等が挙げられ、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等が好ましく、Mn、Fe、Co、Ni等がより好ましい。このようなB元素は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
ペロブスカイト型酸化物の組成としては、酸素還元活性及び酸素発生活性が高いものであれば特に制限はなく、単純ペロブスカイト型酸化物(ABO3)、欠陥ペロブスカイト型酸化物(ブラウンミラーライト型であるA2B2O5等)、層状ペロブスカイト型酸化物(A2BO4、A3B2O7、A4B3O10等のRuddlesden-Popper型An+1BnO3n+1等)、ダブルペロブスカイト型酸化物(A2B2O6)等が挙げられ、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、単純ペロブスカイト型酸化物(ABO3+δ, -0.3≦δ≦0.3)が好ましい。
このような条件を満たす好ましいペロブスカイト型酸化物としては、La1-vCavCoO3 (0≦v<1)、La1-wSrwCoO3(0≦w<1)、La1-v-wCavSrwCoO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<v+w<1)、La1-vCavMnO3 (0≦v<1)、La1-wSrwMnO3(0≦w<1)、La1-v-wCavSrwMnO3(0≦v<1; 0≦w<1: 0<v+w<1)、La1-vCavFeO3 (0≦v<1)、La1-wSrwFeO3(0≦w<1)、La1-v-wCavSrwFeO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<v+w<1)、La1-vCavNiO3 (0≦v<1)、La1-wSrwNiO3(0≦w<1)、La1-v-wCavSrwNiO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<v+w<1)、La1-vCavCo1-xMnxO3(0≦v<1; 0<x<1)、La1-wSrwCo1-xMnxO3(0≦w<1; 0<x<1)、La1-v-wCavSrwCo1-xMnxO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<x<1; 0<v+w<1)、La1-vCavCo1-yFeyO3(0≦v<1; 0<y<1)、La1-wSrwCo1-yFeyO3(0≦w<1; 0<y<1)、La1-v-wCavSrwCo1-yFeyO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<y<1; 0<v+w<1)、La1-vCavCo1-zNizO3(0≦v<1; 0<z<1)、La1-wSrwCo1-zNizO3(0≦w<1; 0<z<1)、La1-v-wCavSrwCo1-zNizO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<z<1; 0<v+w<1)、La1-vCavMn1-yFeyO3(0≦v<1; 0<y<1)、La1-wSrwMn1-yFeyO3(0≦w<1; 0<y<1)、La1-v-wCavSrwMn1-yFeyO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<y<1; 0<v+w<1)、La1-vCavMn1-zNizO3(0≦v<1; 0<z<1)、La1-wSrwMn1-zNizO3(0≦w<1; 0<z<1)、La1-v-wCavSrwMn1-zNizO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<z<1; 0<v+w<1)、La1-vCavCo1-x-yMnxFeyO3(0≦v<1; 0<x<1; 0<y<1; 0<x+y<1)、La1-wSrwCo1-x-yMnxFeyO3(0≦w<1; 0<x<1; 0<y<1; 0<x+y<1)、La1-v-wCavSrwCo1-x-yMnxFeyO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<x<1; 0<y<1; 0<v+w<1; 0<x+y<1)、La1-vCavCo1-x-zMnxNizO3(0≦v<1; 0<x<1; 0<z<1; 0<x+z<1)、La1-wSrwCo1-x-zMnxNizO3(0≦w<1; 0<x<1; 0<z<1; 0<x+z<1)、La1-v-wCavSrwCo1-x-zMnxNizO3(0≦v<1; 0≦w<1; 0<x<1; 0<z<1; 0<v+w<1; 0<x+z<1)等が挙げられる。上記組成式のうち、v、w、x、y及びzはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。上記のようなペロブスカイト型酸化物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
このような好ましいペロブスカイト型酸化物のなかでも、B元素としてMnの量が多いほど酸素還元活性が高く、B元素としてCo、Ni等の量が多いほど酸素発生活性が高い。
ペロブスカイト型酸化物の平均粒子径は、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10nm〜500μmが好ましく、10nm〜100μmがより好ましく、10nm〜50μmがさらに好ましい。ペロブスカイト型酸化物の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM又はTEM)により測定する。
ペロブスカイト型酸化物の比表面積は、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、0.1〜100m2/gが好ましく、1〜100m2/gがより好ましい。ペロブスカイト型酸化物の比表面積は、BET法により測定する。
上記説明したようなペロブスカイト型酸化物は、例えば、各種の金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属炭酸塩等を、所望の割合で水性溶媒中に溶解し、蒸発乾固させた後、空気中で焼成すること等により得られる。なお、水性溶媒としては、水(特に超純水)が好ましく使用される。また、蒸発乾固及び焼成の条件は、従来から常法にて採用されている条件を採用すればよい。
ただし、上記方法のみに限定されず、他の方法によりペロブスカイト型酸化物を得ることもできるし、市販又は公知のペロブスカイト型酸化物を使用することもできる。
本発明においては、上記酸化物触媒を単独で使用することもできるが、導電性をより向上させるため、上記酸化物触媒を炭素材料以外の導電性担体上に担持することもできる。このような導電性担体としては、特に制限されないが、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、ドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウムが好ましい。このような構成を採用することにより、酸化物触媒(特にペロブスカイト型酸化物)により酸素から過酸化水素を経由した水酸化物イオンへの逐次的還元反応、又は酸素から水酸化物イオンへの直接的な4電子還元を行わせ得る。また、炭素材料の使用量を低減しても優れた酸素還元活性及び/又は酸素発生活性が得られ得る。このように、炭素材料の使用量を低減することができるため、触媒の耐久性(充放電サイクル特性等)をより向上させることができる。特に、適切な材料を選択すれば、炭素材料を一切使用しないカーボンフリーの触媒を提供することも可能である。
酸化スズとしては、特に制限されず、酸化スズ(II)(SnO)、酸化スズ(IV)(SnO2)、酸化スズ(VI)(SnO3)等が挙げられ、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、酸化スズ(IV)(SnO2)が好ましい。また、酸化インジウムとしては、特に制限されず、酸化インジウム(III)(In2O3)等が挙げられる。
このような酸化スズ及び酸化インジウムとしては、異種元素がドープされていてもよいし、非ドープであってもよいが、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、異種金属元素がドープされていることが好ましい。このような異種金属元素としては、特に制限されず、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、Nb、In、Sn、Sb、F、P、Fe等が好ましく、Sb、Sn、Nbがより好ましい。これらの異種金属元素は、1種のみがドープされていてもよいし、2種以上がドープされていてもよい。なかでも、ドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウムとしては、アンチモンドープ酸化スズ(IV)(ATO; SbドープSnO2)、スズドープ酸化インジウム(III)(ITO; SnドープIn2O3)が特に好ましい。
酸化スズ又は酸化インジウムに異種元素がドープされている場合、そのドープ量は、特に制限されず、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、異種元素ドープ酸化スズ又は酸化インジウムの総重量を100質量%として、0.1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ドープ量は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定する。
導電性担体の平均粒子径は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10nm〜100μmが好ましく、10nm〜10μmがより好ましい。導電性担体の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM又はTEM)により測定する。
導電性担体の比表面積は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10〜500m2/gが好ましく、30〜500m2/gがより好ましい。導電性担体の比表面積は、BET法により測定する。
このようなドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウムは、公知又は市販品を使用することができる。また、ドープ酸化スズ又は酸化インジウムを使用する場合には、公知又は市販品を使用することもできるし、公知又は市販の非ドープ酸化スズ又は酸化インジウムに常法で所望の異種元素をドープすることもできる。
上記酸化物触媒を導電性担体上に担持する場合、本発明で使用する触媒を100質量%として、酸化物触媒(特にペロブスカイト型酸化物)の含有量は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10〜90質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。また、本発明で使用する触媒を100質量%として、導電性担体(特に酸化スズ又は酸化インジウム)の含有量は、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、10〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
本発明で使用する触媒は、上記した酸化物触媒及び導電性担体以外に、他の成分が含まれていてもよい。貴金属触媒を触媒中に担持させる方法は特に制限はなく、常法を採用することができる。例えば、酸化物触媒(特にペロブスカイト型酸化物)に貴金属触媒を常法で担持させた後に、導電性担体(特にドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウム)と常法で混合することができる。このような他の成分としては、例えば、貴金属触媒等が挙げられる。このような貴金属触媒としては、上記したものを採用できる。他の成分の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲内において、触媒中に含ませることができる。具体的には、本発明で使用する触媒を100質量%として、他の成分の使用量は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
本発明で使用する触媒の形状は特に制限はなく、粉末状、粒子状、繊維状、板状等種々多様な形状を採用することができる。
本発明で使用する触媒の比表面積は、特に制限されず、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、5〜500m2/gが好ましく、10〜500m2/gがより好ましい。比表面積は、BET法により測定する。
上記したような触媒の製造方法は、特に制限されることはなく、上記各成分を常法で混合することにより得ることができる。
混合する際の酸化物触媒(特にペロブスカイト型酸化物)と、必要に応じて導電性担体(特にドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウム)と、必要に応じて貴金属材触媒等の他の成分との混合比は特に制限されず、上記した組成範囲となるように投入することができる。
混合方法は特に制限されず、乳鉢混合、メカニカルミリング処理(ボールミル混合等)、各成分を溶媒中に分散させた後に混合する方法、各成分を溶媒中で一度に分散させて混合する方法等を採用することができる。各成分の溶媒への分散及び混合を行う場合には、対象物に超音波を照射する方法が、分散性の向上と均一な混合の観点からより好ましい。
また、本発明において、触媒中に貴金属触媒を含ませる場合には、まず、酸化物触媒(特にペロブスカイト型酸化物)に貴金属触媒を担持した後に、当該貴金属担持物と導電性担体(特にドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウム)とを混合することが好ましい。
また、触媒を作製する際に、上記成分以外の導電性酸化物を添加すること等により、導電性酸化物への担持触媒を作製することも可能である。例えば、金属硝酸塩等の前駆体を所定の割合で混合し、焼成することもできる。この方法では、触媒と導電性酸化物担体とのミクロレベルでの複合化も可能となり、さらなる活性向上も期待できる。
(3−3)空気極
上記したような触媒は、酸素を水酸化物イオンに還元する酸素還元活性のみならず、その逆反応である酸素発生活性も有し得るため、酸素を活物質として使用する空気極用触媒として好適に使用され得る。具体的には、金属空気電池、燃料電池又は水電解装置用空気極触媒として好適に使用され得る。
本発明の空気極は、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を用いた空気極(特に、金属空気電池、燃料電池又は水電解装置用の空気極)である。
このような空気極は、本発明のガス拡散層と、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を用いた触媒層(空気極触媒層)とを有し得る。
触媒層(空気極触媒層)中の成分については、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を含むこと以外は公知の触媒層(空気極触媒層)と同様とすることができる。例えば、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒と、樹脂とを含有することができる。樹脂としては、上記した樹脂を採用することができる。触媒層(空気極触媒層)中の各種成分の含有量については、導電性、酸素還元活性及び酸素発生活性の観点から、触媒層(空気極触媒層)の総重量を100質量%として、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒の含有量が60〜99質量%(特に70〜97質量%)が好ましく、樹脂の含有量が1〜40質量%(特に3〜30質量%)が好ましい。
触媒層(空気極触媒層)の厚さについては特に限定的ではなく、通常、0.1〜100μm程度とすることができる。また、触媒量としても特に制限はなく、例えば、0.01〜20mg/cm2程度とすることができる。
このような触媒層(空気極触媒層)の形成方法としては、特に制限されず、本発明のガス拡散層の表面に、上記した貴金属触媒及び/又は酸化物触媒と樹脂溶液とを混合して作製した触媒インクを塗布及び乾燥する方法等によって作製し得る。この際、上記のように、本発明のガス拡散層は、多孔質金属基材上に形成されていることが好ましい。
4.金属空気電池、燃料電池及び水電解装置
(4−1)金属空気電池
上記した本発明の空気極の上(触媒層の上)には、電解質(電解液)であるアルカリ水溶液を介して、金属負極が設置され得る。本発明のガス拡散層には炭素材料を含んでいないため、高温(例えば35℃以上)での反応を行う際に電解質であるアルカリ水溶液がガス拡散層中にまで染み込んだ場合でも、炭素材料の劣化を要因とする充放電サイクル特性の悪化を抑制することができる。
電解質(電解液)として用いられるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液を用い得る。アルカリ水溶液の濃度については特に限定的ではなく、例えば、アルカリ水溶液の総重量を100質量%として、アルカリ金属水酸化物を0.1〜40質量%程度とすることができる。
また、電解質(電解液)には、金属負極の材質となる金属の酸化物が含まれていることが好ましい。この金属酸化物の含有量は、従来から使用されている程度とすることができる。
金属空気電池における金属負極としては、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄等の金属を使用し得る。具体的な金属負極の構造は、公知の金属空気電池と同様とすることができる。
また、本発明の酸素還元電極及び空気極と上記金属負極との間の隔膜として、各種イオン交換膜(アニオン交換膜、カチオン交換膜等)を使用することもできる。
上記した構造の金属空気電池では、空気極側には酸素又は空気を供給又は自然拡散させ得る。
(4−2)燃料電池
上記した本発明の空気極を、例えばアルカリ形燃料電池用の空気極として使用する場合、本発明の空気極の上(触媒層の上)には、電解質(電解液)であるアルカリ水溶液を介して、燃料極が設置され得る。本発明のガス拡散層には炭素材料を含んでいないため、高温(例えば35℃以上)での反応を行う際に電解質であるアルカリ水溶液がガス拡散層中にまで染み込んだ場合でも、炭素材料の劣化を要因とする発電性能の低下を抑制することができる。
電解質(電解液)として用いられるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を含む水溶液を用い得る。アルカリ水溶液の濃度については特に限定的ではなく、例えば、アルカリ水溶液の総重量を100質量%として、アルカリ金属水酸化物を0.1〜40質量%程度とすることができる。
燃料極の構造についても特に限定はなく、公知の燃料電池(アルカリ形燃料電池等)の構造と同様とすることができる。燃料極用の触媒としても、従来から知られている種々の金属、金属合金、金属錯体等を使用することができる。使用できる金属種としては、従来から使用される白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、金等の貴金属の他、ニッケル、銀、コバルト、鉄、銅、亜鉛等の卑金属等も挙げられる。これらの金属のなかから選ばれた単一の金属触媒や金属錯体、二種以上の金属の任意の組合せからなる合金や金属錯体の複合体を使用し得る。また、上記から選ばれる金属触媒と別の金属酸化物との複合触媒、触媒微粒子を金属酸化物等の担体上に分散させた担持触媒として使用することもできる。
一方、電解質として電解液(特にアルカリ電解液)ではなく電解質膜(特に高分子電解質膜)を使用する場合には、上記触媒層(空気極触媒層)と電解質膜(特に高分子電解質膜)とを公知の方法により一体化させて使用することができる。その他成分は上記したものを採用することができる。
電解質膜(特に高分子電解質膜)としては、例えば、パーフルオロカーボン系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系、ポリベンズイミダゾール系をはじめとする各種イオン交換樹脂膜、無機高分子イオン交換膜、有機−無機複合体高分子イオン交換膜等を使用することができる。
また、本発明の空気極と上記金属負極との間の隔膜として、各種イオン交換膜(アニオン交換膜、カチオン交換膜等)を使用することもできる。
上記した構造の燃料電池では、空気極側には酸素又は空気を供給又は自然拡散させ得る。また、燃料極側に燃料となる物質を供給し得る。燃料物質としては、水素ガスの他、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ギ酸、水素化ホウ素塩、ヒドラジン、糖等の溶液を使用し得る。
本発明の燃料電池の作動温度は、使用する電解質によって異なるが、通常0〜100℃程度が好ましく、10〜80℃程度がより好ましい。
(4−3)水電解装置
水電解装置には、本来、本発明のガス拡散層は必要ではないが、上記燃料電池を逆反応の水電解装置としても利用する可逆型燃料電池のように、水電解モードで水の電気分解により水素ガスを製造し、製造された水素ガスを燃料電池に供給することによって発電を行うこともある(例えば、特開2002−135911号公報等参照)。この場合には、水電解装置であってもガス拡散層を形成する必要があるため、本発明のガス拡散層を好適に使用し得る。
上記した本発明の空気極を水電解装置に使用する場合、本発明の空気極の上(触媒層の上)には、電解質膜を介して、水素発生極が設置され得る。本発明のガス拡散層には炭素材料を含んでいないため、高温(例えば35℃以上)での反応を行う際にも、炭素材料の劣化を要因とする性能低下を抑制することができる。この際、上記触媒層(空気極触媒層)と電解質膜(特に高分子電解質膜)とを公知の方法により一体化させて使用することができる。その他成分は上記したものを採用することができる。
電解質膜(特に高分子電解質膜)としては、例えば、パーフルオロカーボン系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系、ポリベンズイミダゾール系をはじめとする各種イオン交換樹脂膜、無機高分子イオン交換膜、有機−無機複合体高分子イオン交換膜等を使用することができる。
また、本発明の空気極と上記金属負極との間の隔膜として、各種イオン交換膜(アニオン交換膜、カチオン交換膜等)を使用することもできる。
水素発生極の構造についても特に限定はなく、公知の水電解装置の構造と同様とすることができる。水素発生極は水を還元して水素を発生させる反応を促進する役割を有しており、その材質としては例えば、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、金等の貴金属の他、ニッケル、銀、コバルト、鉄、銅、亜鉛等の卑金属等も挙げられる。これらの金属のなかから選ばれた単一の金属触媒や金属錯体、二種以上の金属の任意の組合せからなる合金や金属錯体の複合体を使用し得る。また、上記から選ばれる金属触媒と別の金属酸化物との複合触媒、触媒微粒子を金属酸化物等の担体上に分散させた担持触媒として使用することもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下で用いた各成分のうち、スズドープ酸化インジウム(ITO)、カーボンブラック、硝酸ランタン六水和物、硝酸カルシウム四水和物、硝酸マンガン六水和物、硝酸コバルト六水和物、白金黒等は市販品を使用した。また、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)は空気中、800℃で7時間加熱(焼成)して使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO):平均粒子径20nm、比表面積62m2/g
スズドープ酸化インジウム(ITO):平均粒子径30nm、比表面積50m2/g
カーボンブラック(Denkablack; DB):平均粒子径35nm、比表面積63m2/g
黒鉛化カーボンブラック(Tokablack#3855; TB):平均粒子径25nm、比表面積75m2/g。
[合成例1:La0.6Ca0.4Co0.7Mn0.3O3+δ(LCCMO; -0.3≦δ≦0.3)の合成]
硝酸ランタン六水和物La(NO3)3・6H2O、硝酸カルシウム四水和物Ca(NO3)2・4H2O、硝酸マンガン六水和物Mn(NO3)2・6H2O、及び硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2Oを各金属のモル比が6: 4: 7: 3となるように混合して2mol/Lクエン酸水溶液に溶解し、80℃で8時間撹拌して溶媒を蒸発させた。その後、空気中、700℃で7時間加熱(焼成)し、La0.6Ca0.4Co0.7Mn0.3O3+δ(LCCMO)を得た。得られたLCCMOの比表面積は26m2/gであった。
[合成例2:La0.6Ca0.4MnO3+δ(LCMO; -0.3≦δ≦0.3)の合成]
硝酸ランタン六水和物La(NO3)3・6H2O、硝酸カルシウム四水和物Ca(NO3)2・4H2O、及び硝酸マンガン六水和物Mn(NO3)2・6H2Oを各金属のモル比が6: 4: 10となるように混合して2mol/Lクエン酸水溶液に溶解し、80℃で8時間撹拌して溶媒を蒸発させた。その後、空気中、700℃で7時間加熱(焼成)し、La0.6Ca0.4MnO3+δ(LCMO)を得た。得られたLCMOの比表面積は28m2/gであった。
[合成例3:La0.6Ca0.4CoO3+δ(LCCO; -0.3≦δ≦0.3)の合成]
硝酸ランタン六水和物La(NO3)3・6H2O、硝酸カルシウム四水和物Ca(NO3)2・4H2O、及び硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2Oを各金属のモル比が6: 4: 10となるように混合して2mol/Lクエン酸水溶液に溶解し、80℃で8時間撹拌して溶媒を蒸発させた。その後、空気中、700℃で7時間加熱(焼成)し、La0.6Ca0.4CoO3+δ(LCCO)を得た。得られたLCCOの比表面積は16m2/gであった。
[実施例1:LCCMO+ATO (1: 2)/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例1で得たLCCMOとATOとを質量比1: 2になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCCMOとATOの質量比は1: 2、PTFE含量は質量比で5%)、実施例1の空気極を得た。
[実施例2:LCCMO+ATO (1: 1)/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例1で得たLCCMOとATOとを質量比1: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCCMOとATOの質量比は1: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例2の空気極を得た。
[実施例3:LCCMO+ATO (5: 1)/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例1で得たLCCMOとATOとを質量比5: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCCMOとATOの質量比は5: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例3の空気極を得た。
[実施例4:Pt/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
白金黒を純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(PTFE含量は質量比で5%)、実施例4の空気極を得た。
[比較例1:LCCMO+ATO (1: 2)空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
合成例1で得たLCCMOとATOとを質量比1: 2になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクを上記集電体又は給電体上に直接塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することにより集電体又は給電体の上に触媒層を形成し(LCCMOとATOの質量比は1: 2、PTFE含量は質量比で5%)、比較例1の空気極を得た。
[試験例1:充放電初期性能(その1)]
作用極に実施例1〜4及び比較例1にて作製した空気極、対極に亜鉛板、参照極に水銀/酸化水銀(Hg/HgO)を用い、アニオン交換膜を隔膜、0.25mol/L酸化亜鉛を含む4mol/L水酸化カリウム水溶液を電解液とし、亜鉛空気電池を作製した。この亜鉛空気電池を60℃に保温しつつ放電中には空気極側から酸素を50mL/minで供給し、定電流で3分保持後の電位をプロットして充放電初期性能を得た。結果を図1に示す。
図1に示す結果では、充電電位が低く、放電電位が高いほど高性能であることを示している。PTFEで撥水化処理されたATOで作製されたガス拡散層を使用した空気極(実施例1〜4)では、触媒としてLCCMOとATOの二成分混合触媒、又は白金黒触媒を使用した場合、触媒の種類や組成により性能に違いがあるものの、いずれも比較的良好な充放電性能を示している。これに対して、触媒組成が実施例1と同様の場合でも、ガス拡散層を有しない空気極(比較例1)では、その放電特性は実施例に比べて著しく劣ることから、本発明のガス拡散層の有効性が明らかである。
[実施例5:LCMO+LCCO+ATO (1: 1: 2)/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比1: 1: 2になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は1: 1: 2、PTFE含量は質量比で5%)、実施例5の空気極を得た。
[実施例6:LCMO+LCCO+ATO (2: 2: 1)/ATO空気極(その1)]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例6の空気極を得た。
[実施例7:LCMO+LCCO+ATO (5: 5: 1)/ATO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比5: 5: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は5: 5: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例7の空気極を得た。
[実施例8:LCMO+LCCO+ATO (2: 2: 1)/ITO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
スズドープ酸化インジウム(ITO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例8の空気極を得た。
[実施例9:LCMO+LCCO+ITO (2: 2: 1)/ITO空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
スズドープ酸化インジウム(ITO)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとITOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとITOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、実施例9の空気極を得た。
[比較例2:LCMO+LCCO+ATO (2: 2: 1)空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクを上記集電体又は給電体上に直接塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することにより集電体又は給電体の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、比較例2の空気極を得た。
[試験例2:充放電初期性能(その2)]
作用極に実施例5〜9及び比較例2にて作製した空気極、対極に亜鉛板、参照極に水銀/酸化水銀(Hg/HgO)を用い、アニオン交換膜を隔膜、0.25mol/L酸化亜鉛を含む4mol/L水酸化カリウム水溶液を電解液とし、亜鉛空気電池を作製した。この亜鉛空気電池を40℃に保温しつつ放電中には空気極側から酸素を50mL/minで供給し、定電流で3分保持後の電位をプロットして充放電初期性能を得た。結果を図2及び3に示す。
図2に示す結果では、充電電位が低く、放電電位が高いほど高性能であることを示している。PTFEで撥水化処理されたATOで作製されたガス拡散層を使用した空気極(実施例5〜7)では、触媒としてLCMOとLCCOとATOの三成分混合触媒を使用したいずれの場合にも、比較的良好な充放電性能を示している。これに対して、触媒組成が実施例6と同様の場合でも、ガス拡散層を有しない空気極(比較例2)では、その放電特性は実施例に比べて著しく劣ることから、本発明のガス拡散層の有効性が明らかである。
図3に示す結果では、充電電位が低く、放電電位が高いほど高性能であることを示している。PTFEで撥水化処理されたITOで作製されたガス拡散層と、LCMOとLCCOとATO又はITOの三成分混合触媒とからなる空気極(実施例8〜9)では、いずれも比較的良好な充放電性能を示している。これに対して、ガス拡散層を有しない空気極(比較例2)では、その放電特性は実施例に比べて著しく劣ることから、本発明のガス拡散層の有効性が明らかである。
[比較例3:LCCO+DB (2: 1)/DB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
カーボンブラック(Denkablack; DB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例3で得たLCCOとDBとを質量比2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCCOとDBの質量比は2: 1、PTFE含量は質量比で20%)、比較例3の空気極を得た。
[比較例4:LCMO+LCCO+DB (1: 1: 1)/DB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
カーボンブラック(Denkablack; DB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとDBとを質量比1: 1: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとDBの質量比は1: 1: 1、PTFE含量は質量比で20%)、比較例4の空気極を得た。
[比較例5:LCMO+LCCO+ATO (2: 2: 1)/DB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
カーボンブラック(Denkablack; DB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、比較例5の空気極を得た。
[比較例6:LCCO+TB (2: 1)/TB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
黒鉛化カーボンブラック(Tokablack#3855; TB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例3で得たLCCOとTBとを質量比2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCCOとTBの質量比は2: 1、PTFE含量は質量比で20%)、比較例6の空気極を得た。
[比較例7:LCMO+LCCO+TB (1: 1: 1)/TB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
黒鉛化カーボンブラック(Tokablack#3855; TB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとTBとを質量比1: 1: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとTBの質量比は1: 1: 1、PTFE含量は質量比で20%)、比較例7の空気極を得た。
[比較例8:LCMO+LCCO+ATO (2: 2: 1)/TB空気極]
発泡NiをPTFEディスパージョンにより撥水化処理し、集電体又は給電体として使用した。
黒鉛化カーボンブラック(Tokablack#3855; TB)とPTFEディスパージョンとを混合して作製したスラリーを上記集電体又は給電体上に塗布し、ガス拡散層を作製した(PTFE含量は質量比で30%)。
合成例2で得たLCMOと合成例3で得たLCCOとATOとを質量比2: 2: 1になるように乳鉢で混合して純水中に分散させた後、PTFEディスパージョンを添加し、80℃で加熱攪拌して触媒インクを作製した。この触媒インクをガス拡散層上に塗布、乾燥後、窒素雰囲気中360℃で1時間熱処理することによりガス拡散層の上に触媒層を形成し(LCMOとLCCOとATOの質量比は2: 2: 1、PTFE含量は質量比で5%)、比較例8の空気極を得た。
[試験例3:充放電サイクル特性]
作用極に実施例5及び8〜9並びに比較例3〜8にて作製した空気極、対極に亜鉛板、参照極に水銀/酸化水銀(Hg/HgO)を用い、アニオン交換膜を隔膜、0.25mol/L酸化亜鉛を含む4mol/L水酸化カリウム水溶液を電解液とし、亜鉛空気電池を作製した。この亜鉛空気電池を40℃に保温しつつ放電中には空気極側から酸素を50mL/minで供給し、電流密度10mA/cm2で1時間ずつ充電及び放電を繰り返し、1時間経過時の電位を充放電回数に対してプロットした。結果を図4及び5に示す。
図4及び5に示す結果では、充電電位が低く、放電電位が高いほど高性能であることを示している。ガス拡散層に導電性酸化物の代わりにカーボンブラック又は黒鉛化カーボンブラックを用い、触媒にLCCO又はLCMOとLCCOの混合触媒に導電性担体としてカーボンブラックを用いた空気極(比較例3〜4)や黒鉛化カーボンブラックを用いた空気極(比較例6〜7)では、初期性能は優れているものの、充放電の繰り返しにより、充電電位の上昇と放電電位の急低下が認められ、明らかに電極が劣化することが確認された。また、LCMOとLCCOの混合触媒に導電性担体として耐酸化性のATOを加えて作製した触媒を使用しても、ガス拡散層に導電性酸化物の代わりにカーボンブラック又は黒鉛化カーボンブラックを用いた空気極(比較例5及び8)では、充電初期からの高電位による炭素の劣化が激しく、充電電位の急上昇と放電電位の急低下が生じるため、わずか5サイクル程度しか充放電を繰り返すことができない。これに対して、比較例5及び8と同じ組成の触媒を用いた場合でも、ガス拡散層に本発明の非炭素系の導電性酸化物であるATO、ITO等を使用した空気極(実施例5、8)では、充放電試験を60サイクル実施した後も充放電ともに一定の電位を維持しており、電極の顕著な劣化は認められなかった。また、ガス拡散層にPTFE処理を施したITO、触媒としてLCMOとLCCOとITOの三成分混合触媒を使用して作製した空気極(実施例9)でも充放電の繰り返しに対して60サイクル以上の耐久性が認められたことから、ガス拡散層に非炭素系の導電性酸化物を使用した空気極において、亜鉛空気電池の充放電サイクル特性が劇的に向上することが明らかである。

Claims (8)

  1. 炭素材料を含有する空気極用ガス拡散層を除く、金属空気電池又は水電解装置の空気極用ガス拡散層と、前記空気極用ガス拡散層の上に触媒層とが配置された空気極であって、
    前記空気極用ガス拡散層は、異種元素をドープした酸化スズ又は酸化インジウムである導電性酸化物と、樹脂とを含有し、
    前記触媒層は、貴金属触媒及び/又は酸化物触媒を含有する、金属空気電池又は水電解装置の空気極。
  2. 前記樹脂が撥水性樹脂である、請求項1に記載の金属空気電池又は水電解装置の空気極。
  3. 多孔質金属基材の上に配置されている、請求項1又は2に記載の金属空気電池又は水電解装置の空気極。
  4. 前記酸化物触媒が、ペロブスカイト型酸化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属空気電池又は水電解装置用空気極。
  5. 前記酸化物触媒が、炭素材料以外の導電性担体上に担持されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属空気電池又は水電解装置用空気極。
  6. 前記導電性担体が、ドープ若しくは非ドープ酸化スズ、又はドープ若しくは非ドープ酸化インジウムである、請求項に記載の金属空気電池又は水電解装置用空気極。
  7. 請求項のいずれか1項に記載の金属空気電池又は水電解装置用空気極を正極として用いた、金属空気電池。
  8. 請求項のいずれか1項に記載の金属空気電池又は水電解装置用空気極を正極として用いた、水電解装置。
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