JP2015090532A - キャスト計画立案装置、方法及びプログラム - Google Patents

キャスト計画立案装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2015090532A
JP2015090532A JP2013229478A JP2013229478A JP2015090532A JP 2015090532 A JP2015090532 A JP 2015090532A JP 2013229478 A JP2013229478 A JP 2013229478A JP 2013229478 A JP2013229478 A JP 2013229478A JP 2015090532 A JP2015090532 A JP 2015090532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
production
steel output
cast
date
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013229478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6299155B2 (ja
Inventor
政典 塩谷
Masanori Shiotani
政典 塩谷
森 純一
Junichi Mori
純一 森
邦春 伊藤
Kuniharu Ito
邦春 伊藤
水谷 泰
Yasushi Mizutani
泰 水谷
悠 内田
Hisashi Uchida
悠 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2013229478A priority Critical patent/JP6299155B2/ja
Publication of JP2015090532A publication Critical patent/JP2015090532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6299155B2 publication Critical patent/JP6299155B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Landscapes

  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】全立案期間に対して、ロット集約、工程負荷の平準化及び納期の最適性に優れ、しかも、数理最適化手法では解くことが難しい複雑な鋳造制約も満足した良質のキャスト計画を実用的な時間で立案できるようにする。
【解決手段】第1の最適化計算手段106では、工程負荷の平準化に関する評価値等の重み付き線形和で表わされる評価関数を出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出する。第2の最適化計算手段108では、製品品質に関する鋳造制約の違反回数等の重み付き線形和で表わされる評価関数を出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記製造品種別充当枠を基に作成されたキャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するキャスト計画立案装置、方法及びプログラムに関する。
鉄鋼製造業では、製品の規格やサイズ等が極めて多岐に渡る上、顧客側の製品使用予定に合わせた納期遵守と納期短縮の要求が強くなっている。一方、製造業においては、大量生産による生産性向上の観点から製鋼設備における製品の化学的成分が同一の注文を複数まとめてロット単位で生産することが求められており、鉄鋼製造業においても、製鋼設備は基本的に同一成分の鋼の大量生産を目指した設備である。しかしながら、製造工程は製鋼、圧延、精整、出荷等の複数の製造設備からなり、製鋼工程でのロットの生産性の追及が他の製造設備の生産性を低下させたり、製鋼設備でのロットまとめが下流工程での製造負荷集中につながり仕掛増や製造工期増を引き起こしたりすること等から、製造工程間でのトレードオフを考慮した出鋼ロットを作成することが求められる。また、ロットを作るための先作りは余分な製品在庫や、それに応じた工期増を引き起こす。すなわち、各製造工程の負荷の均等化と納期管理を達成しつつ、製鋼設備においてなるべく同一成分の鋼をまとめて鋳造できる出鋼枠配置計画を作成する必要がある。
さらに近年では、更なる製造コストの削減及び製品品質の向上のため、出鋼ロットの切り替わりに伴うコストを最小化し、鋳片品質向上のために鋳造位置や連続鋳造数を規制する等、複雑な鋳造制約も満足したキャスト計画を立案しなければならない。例えば異なる出鋼成分の溶鋼を連続鋳造しなければならない場合でも、異鋼種混合部を最小化して屑化コストを削減するため、なるべく化学的成分が似通った溶鋼を連続鋳造したり、比重が重い順番に連続鋳造したりする制約や、鋳片品質を向上させるため、指定された出鋼成分のチャージは連続鋳造の先頭での鋳造を禁止する制約、1つのキャストでの連続鋳造チャージ数を制限する制約等を考慮したキャスト計画を立案しなければならない。
特許文献1には、製造品種の注文情報、製造品種別の工程処理発生確率、及び立案方針に関する情報を取り込む入力手段と、複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する注文データベース格納手段と、それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する製造品種モデル格納手段と、注文データベースの情報を基に、前記注文マトリクスを作成する注文マトリクス作成手段と、工程能力上限値と、前記遅れ出鋼量と前記先行出鋼量との加算値に対する重みと、前記工程処理発生確率と出鋼量とから計算される工程負荷と前記工程能力との差の絶対値で表される工程負荷平準度に対する重みと、前記出鋼ロット拡大に関する評価値に対する重みと、を少なくとも設定する立案方針設定手段と、少なくとも前記遅れ出鋼量と前記先行出鋼量との加算値と、前記工程負荷平準度と、前記出鋼ロット拡大に関する評価値と、の重み付き線形和で表される評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという制約の満たす範囲内で最小又は最大にして、前記出鋼枠配置計画及び前記製造品種別充当枠を算出する最適化計算手段と、前記出鋼枠配置計画及び前記製造品種別充当枠からなる出鋼計画立案結果を表示する出鋼計画立案結果表示手段と、前記出鋼計画立案結果を登録する出鋼計画立案結果登録手段と、を備えた出鋼枠配置計画立案手法が開示されている。
また、特許文献2には、注文群を最終工程から順次通過工程を遡って上工程まで生産計画を作成し、それによって得られた注文群全体を元にして取り合わせ制約に基づいて上工程の製造ロットの生産計画を作成して、それによって得られた注文群のうち至近の着手分を元に詳細な取り合わせ制約に基づいて上工程の製造ロットの生産計画を作成し、前記の処理によって作成された上工程の製造ロットの処理理終了時間情報を時間調整しながら一つの時間軸上に接続し、その接続された上工程処理終了時間情報を元に通過工程を順次下って最終工程まで生産計画を立案する鉄鋼製品の生産計画作成手法が開示されている。
特許第5000547号公報 特開2003−256020号公報
特許文献1に開示されている手法は、日別の製造品種別の出鋼量を決定する手法であり、チャージの鋳造順番までは考えていない。また、多目的混合整数計画法という数理最適化手法を用いるため、全ての制約を線形式で表わさなければならない。しかしながら、複雑な鋳造制約の中には線形式で表わすことが困難な制約や、たとえ線形式で表わせたとしても最適化計算に時間が掛かり過ぎてしまう制約もあり、特許文献1の手法では、複雑な鋳造制約を満足したキャスト計画を実用的な時間で立案することが困難である。
また、特許文献2に開示されている手法は、粗計画として、日別の設備毎の能力制約と納期制約のみを考慮して、日別の出鋼チャージを決定し、精計画として、全ての操業制約を考慮して、日内の出鋼チャージの鋳造順やキャストを決定する手法である。このように、精計画の立案は粗計画の一部を修正するのみのため、粗計画の立案結果が精計画の精度に大きく影響を及ぼす方式である。しかしながら、粗計画では操業制約を全く考慮せずに立案しており、得られた粗計画が精計画の立案にとって良好である可能性は乏しく、しかも精計画は粗計画の至近の一部を将来方向へ順次修正することで、粗計画と精計画の乖離が将来の精計画に累積されてしまうため、全立案期間で評価値の優れた精計画を立案することは困難である。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、全立案期間に対して、ロット集約、工程負荷の平準化及び納期の最適性に優れ、しかも、数理最適化手法では解くことが難しい複雑な鋳造制約も満足した良質のキャスト計画を実用的な時間で立案できるようにすることを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するキャスト計画立案装置であって、
複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する注文データベース格納手段と、
前記注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成する注文マトリクス作成手段と、
それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する製造品種モデル格納手段と、
少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定する立案方針設定手段と、
前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出する第1の最適化計算手段と、
前記第1の最適化計算手段で算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成する初期キャスト計画作成手段と、
少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する第2の最適化計算手段と、
前記第2の最適化計算手段で算出したキャスト計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするキャスト計画立案装置。
(2)前記第1の最適化計算手段では、数理最適化手法として多目的混合整数計画法を用いることを特徴とする(1)に記載のキャスト計画立案装置。
(3)前記初期キャスト計画作成手段では、立案期間の各日のキャスト数と各キャストのチャージ数を決定し、各チャージに製造品種を割り付けることを特徴とする(1)又は(2)に記載のキャスト計画立案装置。
(4)前記第2の最適化計算手段では、前記初期キャスト計画作成手段で作成したキャスト計画の初期値を現在解及び最適解として、
現在解の一部を修正した近傍解を作成して所定の評価値を計算し、前記所定の評価値に応じて該近傍解を現在解とするか否かを判定し、該近傍解を現在解とした場合に、さらに該近傍解の前記所定の評価値が最適解のものよりも良かったならば該近傍解を最適解とする、ことを所定の収束判定のルール下で繰り返すことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のキャスト計画立案装置。
(5)前記第2の最適化計算手段では、現在解の中からチャージの入れ替えを行うことにより近傍解を作成することを特徴とする(4)に記載のキャスト計画立案装置。
(6)前記第2の最適化手段では、前記製品品質に関する鋳造制約のうち、遵守することが必須である鋳造制約について、違反回数を前記評価関数に重み付き線形和として加える替わりに、前記制約条件に加えることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一つに記載のキャスト計画立案装置。
(7)転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するキャスト計画立案方法であって、
複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を格納する注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成するステップと、
少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定するステップと、
前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出するステップと、
前記算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成するステップと、
少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出するステップと、
前記算出したキャスト計画を出力するステップとを有することを特徴とするキャスト計画立案方法。
(8)転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するためのプログラムであって、
複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する注文データベース格納手段と、
前記注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成する注文マトリクス作成手段と、
それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する製造品種モデル格納手段と、
少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定する立案方針設定手段と、
前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出する第1の最適化計算手段と、
前記第1の最適化計算手段で算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成する初期キャスト計画作成手段と、
少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する第2の最適化計算手段と、
前記第2の最適化計算手段で算出したキャスト計画を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
本発明によれば、全立案期間に対して、ロット集約、工程負荷の平準化及び納期の最適性に優れ、しかも、数理最適化手法では解くことが難しい複雑な鋳造制約も満足した良質のキャスト計画を実用的な時間で立案することができる。
実施形態に係るキャスト計画立案装置の概略構成を示す図である。 実施形態に係るキャスト計画立案装置によるキャスト計画立案方法の概略を示すフローチャートである。 評価関数に付与する重み関数の一例を示す特性図である。 初期キャスト計画作成手段における各チャージと製造品種との割り付けを説明するための図である。 第2の最適化計算手段での処理を示すフローチャートである。 第2の最適化計算手段における近傍解の作成方法の一例を説明するための図である。 本発明のキャスト計画を示す図である。 従来のキャスト計画を示す図である。 鉄鋼業における厚板製造工程の一例の概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、鉄鋼業における代表的な製品である厚鋼板(厚板)の製造プロセス(製鋼プロセス)の概略構成の一例を図9を用いて説明する。図9において矢印は仕掛かり品の流れを示す。
転炉301では高温溶融状態の鉄鋼中間製品(溶鋼)の化学的成分である出鋼成分を例えば約300ton単位で調整し、溶鋼鍋に出鋼する。この転炉301での出鋼単位をチャージと呼ぶ。
連続鋳造設備302では転炉301で製造された溶鋼を複数チャージ分連続して鋳造し、その後、規定の長さに切断することで、例えば約20ton単位のスラブと呼ばれる板状の中間製品を製造する。この連続鋳造設備302での一連の製造単位をキャストと呼ぶ。製造仕様にもよるが、概ね8〜12チャージを1キャストとして製造する。
圧延設備303ではスラブを加熱後、所定の厚みや幅まで成形する。
精整(切断)設備304では注文仕様のサイズに切断を、精整(矯正)設備305では形状等の品質を確保するための矯正を、精整(手入)設備306では品質確保のための手入れを行い、すべての処理を終えた製品は倉庫307に配置される。なお、注文仕様のサイズに切断された製品をプレートと呼ぶ。
厚板製造プロセスの各製造設備での代表的な最小製造ロットの大きさ(単位)の一例を表1に示す。当例においては、転炉301では最終製品(倉庫での最小製造ロット)の大きさ3tonの約100倍の大きさを、連続鋳造設備302では最終製品の約800倍の大きさを最小製造ロット単位として製造することが生産性や歩留の観点で必要である。しかし、転炉や連続鋳造設備の生産性や歩留を優先し、納期が先の注文までを先作りし製造ロットを大きくすると、製品在庫が増えてしまうという問題がある。また、精整設備304〜306の製造負荷を考慮せずに転炉や連続鋳造設備の製造ロットを大きくすると、製造負荷集中による仕掛増、製造工期増へ繋がることとなる。すなわち、各製造装置における製造負荷を平準化することも重要である。このように、製造ロットの拡大、製造負荷の平準化、及び納期遵守という、相反する課題を両立するように製造着手タイミングを決定したキャスト計画を立案することが重要である。
Figure 2015090532
キャスト計画を立案する際の狙いとしては、投入された未出鋼注文に対して、製造ロット拡大、納期遵守、及び製造工程平準化という、互いに相反する要求を同時に満たすことであり、また、これらの相反する要求を同時に満たすことが課題でもある。この課題を解決するために、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群とすることで注文データを簡素化・低次元化して取り扱い、製造ロット拡大、納期遵守、及び製造工程平準化といった要件を満たすキャスト計画を立案する。
また、連続鋳造設備302は液体状の鋼(溶鋼)を固体状の鋼(スラブ)に変える製鉄所にとって最も重要な工程であり、製造コスト及び製品品質を大きく左右する。例えば連続鋳造設備302では、転炉301で成分調整された溶鋼を冷却しながら連続してスラブにするが、溶鋼成分が切り替わる部分では溶鋼が混ざり合ってしまうため、製品としては使用できず、屑(スクラップ)となってしまう。また、溶鋼成分が切り替わる異鋼種混合部(屑化部分)の大きさは、前後チャージの成分と比重によって異なり、基本的には成分が似通っており、比重順に(比重の高い方を先に)鋳込むと異鋼種混合部は小さくなる。一方、品質の観点では、連続鋳造設備302の鋳造を始める先頭のチャージは設備が安定しておらず、どうしてもスラブ品質が低下するため、高品質スラブをキャストの先頭で鋳造できない。また、特別な成分のチャージを鋳造する場合、その次に鋳造するチャージの品質低下の問題から、キャストの最後で鋳込む必要がある。このような鋳造制約が多数存在し、製造コストの低減及び製品品質の向上のためには、このような鋳造制約を守ったキャスト計画を立案することが重要である。
本実施形態に係るキャスト計画立案装置の概略構成を図1に示す。このキャスト計画立案装置は、注文データベース格納手段101、注文マトリクス作成手段102、製造品種モデル格納手段104、立案方針設定手段105、第1の最適化計算手段106、初期キャスト計画作成手段107、第2の最適化計算手段108、出力手段であるキャスト計画立案結果表示手段109及びキャスト計画立案結果登録手段110を備えている。注文データベース格納手段101は、複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する。製造品種モデル格納手段104は、それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する。
以下、各手段の機能を詳細に説明する。
図2に、本実施形態に係るキャスト計画立案装置によるキャスト計画立案方法の概略を示す。
まず、注文マトリクス作成手段102において、注文データベース格納手段101から製造品種の注文情報を読み込み(ステップS201)、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクス103を作成する(ステップS202)。
次に、立案方針設定手段105において、立案方針に関する情報からキャスト計画を立案する上での各種条件である立案方針パラメタを設定する(ステップS204)。立案方針パラメタとしてより詳しくは、例えば工程能力上限値(工程負荷上限値)、第1と第2の最適化計算時間、第1と第2の最適化計算収束条件、及び各評価指標の優先度(工程負荷の平準化に関する重み、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重み、出鋼ロット拡大に関する重み、製品品質に関する重み等)等がある。
次に、第1の最適化計算手段106において、製造品種モデル格納手段104から製造品種モデルを読み込み、また、注文マトリクス作成手段102から注文マトリクス103を読み込む(ステップS203)。そして、製造品種モデル、注文マトリクス103及び立案方針設定手段105から読み込んだ立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数と、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を数式で表わした制約式を作成する(ステップS205)。そして、多目的混合整数計画法により評価関数を最小又は最大にして最適化計算を行い(ステップS206)、日別の製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を算出する。
次に、初期キャスト計画作成手段107において、ステップS206で算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値である初期キャスト計画を作成する(ステップS207)。
次に、第2の最適化計算手段108において、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、線形式で表わすことが難しい製品品質に関する鋳造制約の違反回数に関する評価値の重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう(最小値又は最大値が変化しなくなるまで)、ステップS207で作成したキャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する(ステップS208)。
次に、ステップS208で算出したキャスト計画を、ディスプレイ等の表示装置からなるキャスト計画立案結果表示手段109により表示する(ステップS209)。
立案者はキャスト計画立案結果をチェックし(ステップS210)、キャスト計画立案結果が好ましければキャスト計画立案結果登録手段110によりキャスト計画立案結果を登録して(ステップS211)終了し、キャスト計画立案結果が好ましくなければ立案方針設定手段105において立案方針の再設定を行い、処理ステップS204〜S210を繰り返す。
以下、主要部である第1の最適化計算手段106で実行される処理(ステップS206)、初期キャスト計画作成手段107で実行される処理(ステップS207)、第2の最適化計算手段108で実行される処理(ステップS208)について詳細に説明する。
下記に記載の製造品種とは、転炉の出鋼成分が同一で、精整工程の負荷が類似した注文のまとまりを意味し、厚板製品や鋼管製品の製造ラインでは、精整工程の負荷平準化が重要であるため、出鋼成分と精整の通過工程パターンが同じ注文のまとまりを製造品種としている。例えば、出鋼成分Aで通過工程パターンが100・・・1の製造品種は「A_100・・・1」という記号で表される。このように、製造品種は出鋼成分を精整の通過工程パターンで細分化した構成(出鋼成分を大分類、通過工程パターンを小分類とした区分け)となっているが、精整工程の負荷が類似した注文をまとめることができれば良く、例えば分野毎(造船分野や建築分野、産業機械分野等)に精整工程の負荷がほぼ同じであり、塗装有無が違う程度であれば、出鋼成分を大分類、分野を中分類、塗装有無を小分類と区分けした製造品種を用いても構わない。また、上記の通過工程パターンとは、それぞれの精整工程の通過有無の予測値(0:通過し難い、1:通過し易い)を精整工程の順番に並べたコードである。予測値の算出方法は、過去の製造実績データを学習データとして、注文の製造仕様からそれぞれの精整工程の通過有無を予測するモデルを決定木等の手法を用いて構築すれば良い。ただし、上記では通過工程パターンは、それぞれの精整工程の通過有無の予測値を順番に並べた記号としているが、通過有無の代わりに通過頻度を離散化した記号を用いても構わない。例えば精整工程の通過頻度をA(低頻度)、B(中頻度)、C(高頻度)の3つの記号で表すこととし、過去の製造実績データを学習データとして、それぞれの精整工程の通過頻度の記号(A,B,C)を、注文の製造仕様から予測するモデルを構築、その予測モデルの予測値を精整工程の順番に並べて通過工程パターンとしても良い。
表2は、製造品種モデル格納手段104に格納されている製造品種モデル(r[i][j][l])の一例を示す。また、製造品種モデルr[i][j][l]とは、それぞれの製造品種についての精整工程の処理発生確率である。製造品種モデルの品種区分として、出鋼成分iがI種類あり、それぞれの出鋼成分iごとにJ[i]種類の通過工程パターンjが存在する。精整工程lの数はL工程存在し、ガス(l=1)、矯正(l=2)、手入(l=3)、・・・、試験(l=L)の順番となっている。製造品種は出鋼成分と通過工程パターンの組合せであり、製造品種の種類の数は、J[1]からJ[I]の値の合計となる。製造品種ごとに精整工程の発生率が異なる。例えば出鋼成分A(i=1)、通過工程パターン100・・・1(j=2)(以下A_100・・・1)の製造品種は、ガス工程の発生確率が0.3、矯正工程の発生確率が0.1、手入工程の発生確率が0.1であることを示している。
Figure 2015090532
表3は、注文マトリクス作成手段102で作成した注文マトリクス(xr[i][j][k])103の一例を示す。注文マトリクス103は、納期を基準にして精整工程から下工程を遡って、どの日(k)にどの製造品種(i,j)をどれだけの量出鋼して欲しいと要望されている出鋼要望量を、製造品種(行)及び出鋼要望日(列)の升目に配列して表記したものである。ここで、kは日付を表す番号であり、現在の立案日を1とし、立案期間をK日(k=1〜K)としている。
Figure 2015090532
表4は、立案方針設定手段105で設定した立案方針パラメタの一つである工程能力上限値(yr[l][k])の一例を示す。表4では、全ての工程の全ての処理日の能力が300tonとなっているが、定修等で工程が停止するときには処理能力が少なくなる。
Figure 2015090532
第1の最適化計算手段106では、線形で記述可能な制約式と評価関数を用いて、表5に示すような製造品種別充当枠x[i][j][k]を決定する。製造品種別充当枠x[i][j][k]とは、出鋼成分iの通過パターンjの製造品種を日付kに出鋼する量である。注文の納期と通過工程が様々であるため、表3に示した注文マトリクス103では様々な日に様々な出鋼成分の鋼を鋳造しなければならないが、表5の太枠で囲まれた部分のように、出鋼成分Aであれば、4月2日と4月3日、出鋼成分Bであれば、4月2日と4月14日、出鋼成分Xであれば、4月1日と4月14日のように、日別に鋳造する出鋼成分がまとまっていることが判る。このように、日別に鋳造する出鋼成分の種類の数が少ない(同鋼種連々数が多い)製造品種別充当枠を計算することが第1の最適化計算手段106での目的となる。ただし、製造品種別充当枠を計算する際には、上記出鋼成分の種類の数以外にも考慮しなければならない制約や評価関数があり、それらに関して説明する。
Figure 2015090532
まず、出鋼量には限界があり、第k日の日別出鋼量S[k]は式(1)で示される出鋼量制約を受ける。ここで、S_maxは1日の出鋼能力上限値を表わす。
Figure 2015090532
第k日、出鋼成分iの出鋼量C[i][k]と第k日、出鋼成分iの工程パターンj(=1、2・・・J[i])に対する製造品種別充当枠x[i][j][k]の合計値、及び第k日、出鋼成分iの請求余材β[i][k]が式(2)の関係で表わされる。ここで、J[i]は出鋼成分iの通過工程パターンの種類の数である。
Figure 2015090532
注文マトリクス103の出鋼要望日の通りに出鋼する必要はなく、出鋼要望日との乖離が大きくない範囲で出鋼すれば良い。ある日の出鋼量には異なる出鋼要望日のものが含まれている。第k日、出鋼成分i、通過工程パターンjの製造品種別充当枠x[i][j][k]は、第k日、出鋼成分i、通過工程パターンj、出鋼要望日tの製造品種別出鋼要望日別充当枠xt[i][j][t][k]の立案期間(K日間)内の累積値として式(3)で表わされる。
Figure 2015090532
全体としての注文量と生産量は釣り合っているので、立案期間(K日間)内において、出鋼成分i、通過工程パターンj、出鋼要望日tの注文マトリクスxr[i][j][t]と第k日、出鋼成分i、通過工程パターンjの製造品種別充当枠x[i][j][k]との関係は式(4)で表わされる。
Figure 2015090532
工程負荷は工程の発生率に左右されるので、第k日、工程番号lの工程負荷y[l][k]は、第k日、出鋼成分i、通過工程パターンjの製造品種別充当枠x[i][j][k]と、出鋼成分i、通過工程パターンj、工程番号lの工程発生率である製造品種モデルr[i][j][l]により式(5)により関係付けられる。ここで、Iは出鋼成分の種類の数である。
Figure 2015090532
ロットサイズLOT_SIZEは転炉での1ロット(1チャージ)の処理量であり、第k日の出鋼成分iの出鋼量C[i][k]と、第k日の出鋼成分iのロット数δL[i][k]を用いて式(6)により関係付けられる。
Figure 2015090532
第k日、出鋼成分iの出鋼があるか否かを式(7)表わす。第k日に出鋼成分iの出鋼があればδc[i][k]は1をとり、そうでなければ0をとるとする。
Figure 2015090532
ただし、C[i][k]の最大値をMとする。すなわち、式(7)は、下式(8)を定式化したものである。
Figure 2015090532
出鋼成分毎に設定される出鋼日の最小の間隔日数span[i]を用いて、出鋼成分毎の出鋼計画日に関する制約は式(9)のように表される。
Figure 2015090532
工程l毎に設定された日数achieve_day[l]以降の精整工程の仕掛をある一定以上確保する。初期仕掛stock_0、第k日、工程lの仕掛stock[l][k]の関係を式(10)に表わす。
Figure 2015090532
安全仕掛を確保する制約式はsafety_stock[l]を用いて式(11)のように表される。
Figure 2015090532
出鋼成分毎に設定される1キャスト単位の出鋼杯数H[i]、キャスト数h[i][k]を用いて、キャストの整数倍で出鋼する制約は式(12)のように表される。
Figure 2015090532
式(13)は立案者により設定された日別出鋼成分別出鋼計画量waku[i][k]に関する制約である。
Figure 2015090532
次に、評価関数(14)〜(19)を定義する。式(14)は、先行出鋼量、遅れ出鋼量の最小化、即ち、出鋼要望日と出鋼日との差異の最小化を志向する評価指標である。
Figure 2015090532
ただし、ref[i][j][k]は、第k日までの出鋼成分i、通過工程パターンjの製造品種の出鋼充当量の累積値Σxt[i][j][t][q](q=1〜k)に対する目標値であり、下式(15)のように表わされる。
Figure 2015090532
式(16)は第k日の総出鋼量S[k]と第k日の出鋼能力目標値Sr[k]との差の最小化を志向する評価関数である。
Figure 2015090532
式(17)は工程負荷の平準化を志向した評価関数であり、3日間の工程負荷の移動平均と工程能力上限値との差の最小化を志向する評価関数である。
Figure 2015090532
式(18)は請求余材の最小化を志向した評価関数である。
Figure 2015090532
式(19)は鋳造時の異鋼種継目の数の最小化(出鋼ロット拡大)を志向した評価関数である。
Figure 2015090532
また、遅れ出鋼量最小、先行出鋼量最小においては、過度の先行出鋼、遅れ出鋼を抑制するために、式(20)で表される図3に示すような重み関数を式(14)の評価関数に付与する。
Figure 2015090532
例えばa=2、b=5、c=100とする。この重み関数をW(k,t)と表わす。W(k,t)を式(14)に追加し、式(14)〜(19)の重み付き線形和を取ると各指標のバランスを取った総合評価指標(21)を得る。
Figure 2015090532
ここで、W1、W2、W3、W4、W5はそれぞれ、出鋼要望日遵守度すなわち出鋼要望日と出鋼日との差異の程度、出鋼目標量達成度、工程負荷平準度、請求余材最小度及びロットまとめ達成度すなわち出鋼ロット拡大の程度に対する相対的な評価重みである。すなわち、立案方針設定手段105における各評価指標の優先度の設定とは評価重みW1〜W5を設定することである。
以上をまとめると、第1の最適化計算手段106は、注文マトリクス103、製造品種モデル及び立案方針設定手段105によって設定される工程能力の上限値と各評価指標の評価重みW1〜W5を用いて、制約式(1)〜(13)と評価関数(14)〜(19)を作成し、立案方針設定手段105において設定される第1の最適化計算時間と第1の最適化計算収束条件に従って混合整数計画法により最適化計算を行い、製造品種別充当枠x[i][j][k]を算出する。なお、混合整数計画法による最適化計算は市販の数理計画法のソルバー等を適宜用いれば良い。
なお、工程負荷の平準化のための評価関数として、式(17)のように、3日間の工程負荷の移動平均と工程能力上限値との差の絶対値を用いているが、式(17')のように、3日間の工程負荷の移動平均と工程能力上限値との差の2乗としても良いし、式(17'')のように、3日間の工程負荷の移動平均が工程能力上限値を超えた値としても良い。また、移動平均日数は3日間に限定されるものではなく、3日より長くても、短くても良く、移動平均を用いることに限定せず、日別の工程負荷と工程能力上限との差に応じた評価関数としても良い。
Figure 2015090532
工程負荷平準化と同様に、先行出鋼量、遅れ出鋼量の最小化、すなわち出鋼要望日と出鋼日との差異の最小化を志向する評価指標は式(14)に限定されるものではなく、例えば式(14')のように2次関数としても良い。また、W(k,t)は図3では左右対称となっているが、左右非対称(遅れ出鋼量には大きな重み、先行出鋼量には小さな重み)でも良い。
Figure 2015090532
また、式(14)〜(19)の5つの評価指標を最小化するようにしたが、このうち式(14)、(17)、(19)は良いキャスト計画を立案するためには必要であるが、式(16)、(18)は省略可能である。なぜなら、式(16)に関しては、現実としては出鋼能力上限値まで出鋼することが多いため、式(1)の制約式のみを考慮すれば良いからである。また、式(18)に関しては、注文量が出鋼能力と比べて同量以上の場合が多いため、先行出鋼量と遅れ出鋼量を最小化することで、請求余材が少ない計画が得られるからである。また、評価指標は式(14)〜(19)に限定されるものではなく、上記以外の評価指標を式(21)に追加しても構わない。
以上のような手順により、日別の製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠x[i][j][k]を算出することができ、日別の出鋼成分別の出鋼量C[i][k]も得られる。
しかしながら、出鋼成分ごとの鋳造順や、キャスト(どこからどこまでが同一キャストか)が決定されておらず、このままでは製造指示に繋げることができない。多くの場合、生産管制担当者が鋳造制約を満足するように、鋳造順やキャストを人手で決定しているが、第1の最適化計算手段106で最適化した納期遵守や精整負荷平準化等を無視して、鋳造制約と鋳造ロット拡大のみ考えて、キャストを計画してしまうこともあり、折角の最適化効果が無くなってしまうことも多い。
そこで、初期キャスト計画作成手段107でキャスト計画の初期値を作成し、第2の最適化計算手段108で工程負荷平準化、出鋼要望日と出鋼日との差異の最小化、出鋼ロット拡大、鋳造制約を総合的に考えたキャスト計画を立案する。
初期キャスト計画作成手段107では、第1の最適化計算手段106で算出した製造品種別充当枠x[i][j][k]を基に、キャスト計画の初期値を作成する。
まず、式(22)で計算される第k日のチャージ数D[k]から、第k日のキャスト数E[k]及び各キャストのチャージ数F[k][m]を式(23)、式(24)で計算する。
Figure 2015090532
ここで、Ceiling(・)は小数点以下を整数に切り上げる関数、Round(・)は四捨五入する関数、CAST_SIZEは1つのキャストにおける連々可能な最大のチャージ数であり、F[k][m]は第k日の第m番目のキャストのチャージ数を意味する(m=1、・・・、E[k])。式(24)で全てのキャストのチャージ数を計算した結果、F[k][l]からF[k][E[k]]までの合計値がD[k]と異なる場合は、F[k][l]から順に1を加算もしくは減算して調整する。例えば、D[k]=28、CAST_SIZE=12のときには、E[k]=3、F[k][1]=F[k][2]=F[k][3]=9となるが、F[k][1]+F[k][2]+F[k][3]=27(≠D[k])であるため、F[k][1]=10と調整する。
式(22)〜(24)で示される方法は連続鋳造機が1基の場合の計算方法であるが、連続鋳造機が複数存在する場合にも容易に拡張することができる。例えば2台の連続鋳造機が有り、その能力差が3:4の場合、式(22)で計算されたチャージ数D[k]を3:4に分割し、それぞれのキャスト数とそのチャージ数を式(23)と式(24)で計算すれば良い。
上記のようにして、立案期間の各日のキャスト数E[k]と各キャストのチャージ数F[k][m]を決定した後、各チャージ(第k日の第m番目のキャストの第n番目のチャージ)に、製造品種を割り付ける(n=1、・・・、F[k][m])。各チャージと製造品種との割り付けは、図4に示すように、各チャージの出鋼成分と、通過工程パターン別の出鋼量、及び出鋼要望日別注文量を決定する処理である。
まず、製造品種別充当枠(x[i][j][k])より、日付順、製造品種番号順、通過工程パターン番号順に出鋼成分と通過工程パターン別の出鋼量を決定する。例えば表5の製造品種別充当枠で4月1日が出鋼成分Xのみ出鋼する場合には、図4のような割り付けとなる。ここでは、転炉での1ロットの処理量(LOT_SIZE)を200tonとしている。表5の製造品種別充当枠によれば4月1日の出鋼成分Xで通過工程パターン000・・・0の製造品種の出鋼量が440tonとなっており、図4の「出鋼量」の欄に示すように、キャスト1の1チャージ目に200ton、2チャージ目に200ton、3チャージ目に40tonに割り付けられている。また、表5の製造品種別充当枠によれば4月1日の出鋼成分Xで通過工程パターン100・・・0の製造品種の出鋼量が230tonとなっており、図4の「出鋼量」の欄に示すように、キャスト1の3チャージ目に、通過工程パターン000・・・0での40tonと合わせてLOT_SIZE200tonとなるように160tonに割り付けられている。
次に、製造品種別の出鋼量と見合う出鋼要望日別注文量を出鋼要望日が早い順番に割り付ける。例えば、図4に示すように、キャスト1の1チャージ目では、出鋼成分Xで通過工程パターン000・・・0の製造品種を200ton出鋼することになるが、表3の出鋼要望日別注文量によれば、出鋼成分Xで通過工程パターン000・・・0の製造品種の注文の中で出鋼要望日の早い注文は、4月1日の230tonであるため、図4に示すように、そのうち200tonをキャスト1の1チャージ目に割り付ける。2チャージ目も該製造品種を200ton出鋼することになるが、4月1日の該製造品種の注文量の残30tonを割り付け、残りの170tonを4月2日と4月3日の注文に、それぞれ50ton、120tonに分けて割り付けている。
これにより、チャージと製造品種との割り付けを行うことができるが、製造品種別出鋼要望日別充当枠xt[i][j][t][k]を用いて、通過パターン別の出鋼量と見合う出鋼要望日別注文量を決定しても良い。
このようにして、立案期間の各日のキャストとそのチャージ数、各チャージの出鋼成分と製造品種別出鋼量、及び出鋼要望日別注文量が決定され、これがキャスト計画の初期値となる。
第2の最適化計算手段108では、探索手法を用いて、複雑な鋳造制約も考慮したキャスト計画を立案する。
図5に、第2の最適化計算手段108での処理を示す。以下では製品品質に関する鋳造制約として、重点的に守らなければならない3つの重制約と、できれば守った方が良い2つの軽制約を例として説明する。なお、鋳造制約の内容と重制約と軽制約の区別は連続鋳造設備や製品品種毎に異なり、以下に示すのはあくまで一例である。
(鋳造制約1:重制約)指定した出鋼成分のチャージはキャストの先頭で鋳造してはならない(スタート不可)。
(鋳造制約2:重制約)指定した出鋼成分のチャージはキャストの最後で鋳造しなければならない(ラスト指定)。
(鋳造制約3:重制約)指定した出鋼成分は1つのキャスト内で指定したチャージ数以下でなければならない(連々数制限)。
(鋳造制約4:軽制約)指定した2つの出鋼成分のチャージは連続して鋳造しない方が良い(異鋼種継目相性)。
(鋳造制約5:軽制約)キャスト内でチャージは比重が大きい順に鋳造した方が良い(比重順)。
まず、初期キャスト計画作成手段107で作成した初期キャスト計画を現在解及び最適解とし、評価値を計算する(ステップS501)。評価関数は式(21)と下式(25)で計算される評価値JSとの合計値を返す関数である下式(26)とする。
ここで、JHは、製品品質に関する重制約を遵守したキャスト計画を立案するための評価指標である。JLは、製品品質に関する軽制約を遵守したキャスト計画を立案するための評価指標である。v1〜v5は、それぞれ鋳造制約1〜5を違反したチャージ数(制約違反回数)、W6〜W10はそれらの評価重みである。W6〜W10の値の大きさは、鋳造制約の重要度に依存して決まり、重点的に守る必要がある重制約の評価重みは軽制約より大きな値が設定される。これらの評価重みの値は、数ケースの条件で最適化計算のテストを行い、望ましい立案結果となるよう調整し、鋳造制約1〜4の出鋼成分の指定や鋳造制約5の出鋼成分毎の比重と共に、立案方針設定手段105で読み込まれる。
Figure 2015090532
鋳造制約1〜5はチャージの鋳造順に関する制約であり、それぞれを線形式で表わすことは難しいが(不可能ではないが、変数の数が膨大になる)、図4に示すように、キャストと鋳造するチャージが決まれば、鋳造制約1〜5を違反しているか否かは容易に判断することができ、式(25)の評価値JSを計算することができる。なお、重点的に守る必要がある重制約を評価関数に組み込んだ場合は、評価重みの値に依っては重制約を違反するキャスト計画が立案されることもあるが、重制約を遵守することが必須の場合には、重制約を評価関数に組み込む替わりに(式(25)で評価値JSを求める際、重制約の評価値JHを加えないことに相当)、近傍解を求める際、重制約を違反するチャージ群の交換は禁止することで、重制約を必ず守るキャスト計画を立案できるようにしても良い。ここで、鋳造制約1〜3のうち、少なくとも1つの製品品質に関する鋳造制約は第2の最適化計算手段108で上記のように考慮する必要があるが、製品品質に関する鋳造制約4、5は、必要に応じていずれかもしくは両方を評価指標として式(25)に加えれば良い。また、製造コストに関する評価指標等を式(25)に加えても構わない。また、第1の最適化計算手段106と同様に、式(21)の評価関数には、少なくとも式(14)、(17)、(19)は必要であるが、式(16)、(18)は省略可能である。また、評価指標は式(14)〜(19)以外の評価指標を式(21)に追加しても構わない。
次に、現在解の一部を修正した近傍解を作成し、その評価値を計算する(ステップS502)。近傍解の作成方法は幾つも考えられるが、その一例を図6に示す。図6に示すように、現在解の中から2つのチャージ群を乱数や順番等で選び、両者を交換する(入れ替える)ことで近傍解を作成すれば良い。2つのチャージ群は、図6(a)に示すように異なるキャストから選んでも良いし、図6(b)に示すように同一チャージから選んでも良い(ただし、2つのチャージ群が重なることは不可)。また、図6では連続鋳造機が1基の場合を示しているが、複数基ある場合も、異なる連続鋳造機から2つのチャージ群を選び交換しても良い。また、図6ではチャージ数が同じチャージ群のみ交換しているが、チャージ数が異なるチャージ群を交換しても構わない。
このような方法で近傍解を生成して、その評価値を算出する。近傍解の評価値と現在解の評価値の大小関係より、近傍解を受理するか否かを判定する(ステップS503)。ローカルサーチ(山登り法)の場合、近傍解の評価値が現在解のものより良い場合のみ受理するが、シミュレーティッド・アニーリング法(SA法)等は、局所最適解に陥りにくくするため、近傍解の評価値が現在解のものより悪い場合でも、ある確率で受理する。
近傍解を受理しない場合、収束判定(ステップS506)に進む。近傍解を受理する場合、近傍解を現在解とし(ステップS504)、さらに近傍解の評価値が最適解のものよりも良かったならば、近傍解を最適解とする(ステップS505)。
探索手法では真の最適解が得られたか否かの判断ができないため、事前に定められたルールに従い収束判定を行い、収束したと判断する場合には探索を停止する(ステップS506)。収束判定のルールとしては、指定繰り返し回数の計算を行ったか、指定時間の計算を行ったか、最適解の更新が定められた繰り返し回数以上行われなかったか等が用いられる。収束していないと判断された場合には、ステップS502に戻り、探索を繰り返す。収束したと判定された場合には、現在までに得られた最適解をキャスト計画として出力する(ステップS507)。
このようにして、詳細な鋳造制約も考慮したキャスト計画が得られ、計算されたキャスト計画がキャスト計画立案結果表示手段109により出力される(ステップS209)。立案者は立案結果を確認し、問題があれば、立案方針を再設定指定し、最適化計算を繰り返すことで、高精度なキャスト計画を立案することができる。
なお、上記では精整負荷の単位を重量としているが、製造品種毎に平均的な単位重量当たりの枚数を予め設定しておき、精整負荷の単位を枚数に変換して取り扱っても良い。
上述した実施形態に係るキャスト計画立案装置により、表6に示す条件で、キャスト計画を立案した。第2の最適化計算手段108では、鋳造制約1〜5を考慮して最適化計算を行った。
Figure 2015090532
本発明を適用して最終的に得られたキャスト計画(本発明のキャスト計画と呼ぶ)を図7に、評価値を表7に示す。図7は、各日におけるキャスト、チャージ、鋼種を表わす。本発明のキャスト計画では、鋳造制約1〜5を全て満たすキャスト計画が立案されているので、実行可能な計画となっている。また、表7の「精整処理能力超過量」の評価値から、精整負荷は工程能力の2倍以内となっており、工程に負荷が集中する状況ではなく、荷揃達成率(全注文のうち、出鋼要望日までに出鋼できなかった割合)も95%以上であり、かつ、先行出鋼量(在庫)も約1万tonレベルであるため、良好なキャスト計画が作成されている。なお、本実施例では1つのキャスト内のチャージ数は8チャージに固定しているため、図6のように2つのチャージ群を交換する際、同数のチャージ数のチャージ群を交換することで近傍解を作成している。
Figure 2015090532
一方、第2の最適化計算手段108を用いず、初期キャスト計画作成手段107で得られたキャスト計画(従来のキャスト計画と呼ぶ)を図8に、その評価値を表8に示す。図8は、各日におけるキャスト、チャージ、鋼種を表わす。従来のキャスト計画では、太線部分のチャージが鋳造制約を違反しており、このままでは生産指示に繋げることができない。一方、第1の最適化計算手段106の効果により、表8の評価値は、本発明のキャスト計画と同等もしくは若干良いが、本発明のキャスト計画とほとんど差がなく、本発明のキャスト計画が評価値を過度に犠牲にして鋳造制約を満足さている訳ではないことが確認できた。また、計算時間も227秒であり、従来のキャスト計画と比べ12秒(=227−215秒)しか延びておらず、実用的な時間でキャスト計画が立案することができた。
Figure 2015090532
以上述べたように、数理最適化手法は厳密な最適解を算出することが可能であるが、制約式や評価関数が線形式で表わされる問題に限定される。一方、探索手法は線形式で表わせない複雑な制約や評価関数を持つ問題にも適用できるが、初期値の依存性が高く、初期値が悪い場合には最適解が得られないという問題がある。そこで、まず、数理最適化手法により、線形式で表わすことが可能な主要な制約(出鋼能力制約)と主要な評価関数(工程負荷の平準化、出鋼要望日と出鋼日との差異の最小化、出鋼ロット拡大)を用いて数理計画手法により、日別の製造品種別出鋼量である製造品種別充当枠を計算する。得られた製造品種別充当枠から全立案期間のキャスト計画の初期値を算出することで、線形式で表現できない複雑な鋳造制約は考慮していないものの、出鋼能力のような主要な制約、工程負荷、納期・在庫(出鋼要望日と出鋼日との差異)、出鋼ロット等の主要な指標は考慮しているので、次の探索手法でのキャスト計画の立案にとって、良質な初期値が得られる。そして、このような良質な初期値を用いて、探索手法によりキャスト計画を求めることで、複雑な鋳造制約をも満足し、全立案期間に渡って評価値の優れたキャスト計画が実用的な時間で立案することができる。
本発明を適用することにより、以下のような効果が得られる。
1)数理最適化により厳密な最適解を算出するため、キャスト計画の骨格は最適性が保証された計画となる。
2)このキャスト計画を初期値として、探索手法により複雑な鋳造制約を満足したキャスト計画を立案することにより、複雑な鋳造制約を満足し、かつ、最適性に優れた計画が得られる。
3)探索手法は初期解(初期計画)の依存性が強く、評価値の悪い局所最適解に陥り易いが、数理最適化手法で得られたキャスト計画を初期解としているため、評価値の良い(最適解に近い)初期解を用いるため、最適性に優れた計画を得られる。
4)探索手法のみで最適性に優れた解を得るためには、複数の初期解(例えば100個)を用いて最適化計算を行い、得られた局所最適解の中で最も評価値の優れた計画を採用するという多スタート探索手法が用いられることが多いが、初期解の個数だけ計算時間が延びてしまい、キャスト計画が得られるまでの時間が膨大に掛ってしまう。本発明を適用することにより、複数の初期解を用いないため、短時間で最適性の優れたキャスト計画が得られる。
本発明を適用したキャスト計画立案装置の各手段は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により実現される。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
101:注文データベース格納手段、102:注文マトリクス作成手段、104:製造品種モデル格納手段、105:立案方針設定手段、106:第1の最適化計算手段、107:初期キャスト計画作成手段、108:第2の最適化計算手段、109:キャスト計画立案結果表示手段、110:キャスト計画立案結果登録手段

Claims (8)

  1. 転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するキャスト計画立案装置であって、
    複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する注文データベース格納手段と、
    前記注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成する注文マトリクス作成手段と、
    それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する製造品種モデル格納手段と、
    少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定する立案方針設定手段と、
    前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出する第1の最適化計算手段と、
    前記第1の最適化計算手段で算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成する初期キャスト計画作成手段と、
    少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する第2の最適化計算手段と、
    前記第2の最適化計算手段で算出したキャスト計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするキャスト計画立案装置。
  2. 前記第1の最適化計算手段では、数理最適化手法として多目的混合整数計画法を用いることを特徴とする請求項1に記載のキャスト計画立案装置。
  3. 前記初期キャスト計画作成手段では、立案期間の各日のキャスト数と各キャストのチャージ数を決定し、各チャージに製造品種を割り付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャスト計画立案装置。
  4. 前記第2の最適化計算手段では、前記初期キャスト計画作成手段で作成したキャスト計画の初期値を現在解及び最適解として、
    現在解の一部を修正した近傍解を作成して所定の評価値を計算し、前記所定の評価値に応じて該近傍解を現在解とするか否かを判定し、該近傍解を現在解とした場合に、さらに該近傍解の前記所定の評価値が最適解のものよりも良かったならば該近傍解を最適解とする、ことを所定の収束判定のルール下で繰り返すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキャスト計画立案装置。
  5. 前記第2の最適化計算手段では、現在解の中からチャージの入れ替えを行うことにより近傍解を作成することを特徴とする請求項4に記載のキャスト計画立案装置。
  6. 前記第2の最適化手段では、前記製品品質に関する鋳造制約のうち、遵守することが必須である鋳造制約について、違反回数を前記評価関数に重み付き線形和として加える替わりに、前記制約条件に加えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキャスト計画立案装置。
  7. 転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するキャスト計画立案方法であって、
    複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を格納する注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成するステップと、
    少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定するステップと、
    前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出するステップと、
    前記算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成するステップと、
    少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出するステップと、
    前記算出したキャスト計画を出力するステップとを有することを特徴とするキャスト計画立案方法。
  8. 転炉及び連続鋳造設備を含む設備による製鋼プロセスにおけるキャスト計画を立案するためのプログラムであって、
    複数の注文についての、重量と製造品種と出鋼要望日とを少なくとも含む注文情報を注文データベースに格納する注文データベース格納手段と、
    前記注文データベースの情報を基に、製造仕様が類似した鋼材の品種を一つの製造品種として集約し、製造品種と出鋼要望日とがそれぞれ一致する注文を同一の注文群として重量で集約した注文マトリクスを作成する注文マトリクス作成手段と、
    それぞれの製造品種についての工程処理発生確率である製造品種モデルを格納する製造品種モデル格納手段と、
    少なくとも工程能力上限値と、工程負荷の平準化に関する重みと、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する重みと、出鋼ロット拡大に関する重みと、製品品質に関する重みとを立案方針パラメタとして設定する立案方針設定手段と、
    前記注文マトリクス、前記製造品種モデル及び前記立案方針パラメタを用いて、少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を満たす範囲内で最小又は最大にして、日別の前記製造品種別の出鋼量である製造品種別充当枠を数理最適化手法により算出する第1の最適化計算手段と、
    前記第1の最適化計算手段で算出した製造品種別充当枠を基に、キャスト計画の初期値を作成する初期キャスト計画作成手段と、
    少なくとも工程負荷の平準化に関する評価値と、出鋼要望日と出鋼日との差異に関する評価値と、出鋼ロット拡大に関する評価値と、製品品質に関する鋳造制約の違反回数との重み付き線形和で表わされる評価関数を、出鋼量が出鋼能力上限値以下になるという出鋼量制約を含む制約条件を満たす範囲内で最小又は最大となるよう、前記キャスト計画の初期値を用いて探索手法によりキャスト計画を算出する第2の最適化計算手段と、
    前記第2の最適化計算手段で算出したキャスト計画を出力する出力手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
JP2013229478A 2013-11-05 2013-11-05 キャスト計画立案装置、方法及びプログラム Active JP6299155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013229478A JP6299155B2 (ja) 2013-11-05 2013-11-05 キャスト計画立案装置、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013229478A JP6299155B2 (ja) 2013-11-05 2013-11-05 キャスト計画立案装置、方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015090532A true JP2015090532A (ja) 2015-05-11
JP6299155B2 JP6299155B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=53194041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013229478A Active JP6299155B2 (ja) 2013-11-05 2013-11-05 キャスト計画立案装置、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6299155B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016161962A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 新日鐵住金株式会社 チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2017068788A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 新日鐵住金株式会社 製鋼圧延計画立案装置、製鋼圧延計画立案方法、およびプログラム
JP2018034198A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2018101389A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 新日鐵住金株式会社 計画作成装置、計画作成方法、およびプログラム
WO2018198246A1 (ja) * 2017-04-26 2018-11-01 富士通株式会社 生産計画生成装置、生産計画生成プログラム及び生産計画生成方法
JP2019192018A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 日本製鉄株式会社 山分け計画作成装置、山分け計画作成方法、およびプログラム
JP2020166548A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 川崎重工業株式会社 生産管理システム及び生産管理方法
CN114298567A (zh) * 2021-12-30 2022-04-08 重庆大学 连铸机浇次计划排程及开浇时间动态决策方法及系统
CN114418464A (zh) * 2022-03-29 2022-04-29 北京科技大学 一种基于案例推理的二步法冶金流程能源评价方法及系统
CN115007828A (zh) * 2022-05-30 2022-09-06 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 连铸混浇板坯的确定方法、装置、介质和电子设备

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105483310B (zh) * 2015-11-23 2017-05-10 东北大学 一种面向全流程生产的炼钢组批与排产方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003256020A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Jfe Steel Kk 鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の生産計画作成方法、その装置、その方法又は装置を実現するためのプログラム並びに鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の製造方法
JP2009223848A (ja) * 2008-03-19 2009-10-01 Sumitomo Metal Ind Ltd 製鋼プロセスの操業計画作成方法及び操業計画作成装置、並びに、鋼材の製造方法
JP5000547B2 (ja) * 2007-04-27 2012-08-15 新日本製鐵株式会社 出鋼枠配置計画立案装置、方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003256020A (ja) * 2002-03-01 2003-09-10 Jfe Steel Kk 鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の生産計画作成方法、その装置、その方法又は装置を実現するためのプログラム並びに鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の製造方法
JP5000547B2 (ja) * 2007-04-27 2012-08-15 新日本製鐵株式会社 出鋼枠配置計画立案装置、方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2009223848A (ja) * 2008-03-19 2009-10-01 Sumitomo Metal Ind Ltd 製鋼プロセスの操業計画作成方法及び操業計画作成装置、並びに、鋼材の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016161962A (ja) * 2015-02-26 2016-09-05 新日鐵住金株式会社 チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2017068788A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 新日鐵住金株式会社 製鋼圧延計画立案装置、製鋼圧延計画立案方法、およびプログラム
JP2018034198A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2018101389A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 新日鐵住金株式会社 計画作成装置、計画作成方法、およびプログラム
JPWO2018198246A1 (ja) * 2017-04-26 2019-12-12 富士通株式会社 生産計画生成装置、生産計画生成プログラム及び生産計画生成方法
WO2018198246A1 (ja) * 2017-04-26 2018-11-01 富士通株式会社 生産計画生成装置、生産計画生成プログラム及び生産計画生成方法
US10824782B2 (en) 2017-04-26 2020-11-03 Fujitsu Limited Information processing device, recording medium recording production plan generation program, and production plan generation method
JP2019192018A (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 日本製鉄株式会社 山分け計画作成装置、山分け計画作成方法、およびプログラム
JP2020166548A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 川崎重工業株式会社 生産管理システム及び生産管理方法
JP7261639B2 (ja) 2019-03-29 2023-04-20 川崎重工業株式会社 生産管理システム及び生産管理方法
CN114298567A (zh) * 2021-12-30 2022-04-08 重庆大学 连铸机浇次计划排程及开浇时间动态决策方法及系统
CN114418464A (zh) * 2022-03-29 2022-04-29 北京科技大学 一种基于案例推理的二步法冶金流程能源评价方法及系统
CN115007828A (zh) * 2022-05-30 2022-09-06 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 连铸混浇板坯的确定方法、装置、介质和电子设备
CN115007828B (zh) * 2022-05-30 2024-03-19 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 连铸混浇板坯的确定方法、装置、介质和电子设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6299155B2 (ja) 2018-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6299155B2 (ja) キャスト計画立案装置、方法及びプログラム
WO2017088674A1 (zh) 一种面向全流程生产的炼钢组批与排产方法
JP5000547B2 (ja) 出鋼枠配置計画立案装置、方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP6593080B2 (ja) 製鋼圧延計画立案装置、製鋼圧延計画立案方法、およびプログラム
JP6428375B2 (ja) チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2011048778A (ja) 生産スケジュール作成装置
JP5000369B2 (ja) 納期調整支援装置、納期交渉支援装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2003256020A (ja) 鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の生産計画作成方法、その装置、その方法又は装置を実現するためのプログラム並びに鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の製造方法
JP2002149223A (ja) 生産管理支援システム
JP2007115169A (ja) 生産計画作成装置及び生産計画作成方法、並びにプログラム
JP4492332B2 (ja) キャスト編成装置及びキャスト編成方法
Witt et al. Application of a mathematical model to an intermediate-to long-term real-world steel production planning problem based on standard software
JP6477309B2 (ja) 製鋼生産スケジュール作成装置、製鋼生産スケジュール作成方法、操業方法、及び製鋼製品の製造方法
Van Voorhis et al. Developing software for generating pouring schedules for steel foundries
JP4525093B2 (ja) 生産計画作成システム、生産計画作成方法及びプログラム
CN112926828B (zh) 一种面向中厚板产线的炼钢生产数据解析与优化排程方法
JP7156024B2 (ja) 計画作成装置、計画作成方法、及びプログラム
JP5454479B2 (ja) 出鋼圧延計画立案装置、出鋼圧延計画立案方法、及びコンピュータプログラム
JP2006155011A (ja) 生産計画立案装置及び生産計画立案方法
Zhang et al. A mixed integer programming model and improved genetic algorithm for order planning of iron-steel plants
de Souza et al. Models for scheduling charges in continuous casting: application to a Brazilian steel plant
RU43384U1 (ru) Автоматизированная система управления в реальном времени производством продукции по заказам клиентов на предприятии (варианты)
Pan et al. Application of extremal optimization approach to the integrated scheduling problem of continuous casting and hot rolling process
JP6711215B2 (ja) チャージ編成装置、チャージ編成方法、およびプログラム
JP2964866B2 (ja) 鋳込−圧延操業計画作成方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180212

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6299155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350