JP2019192018A - 山分け計画作成装置、山分け計画作成方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
鋼材置き場でサイズや次工程(圧延工程の加熱炉)での処理順序が異なる複数枚の鋼材を複数の山に分けて山積みする山分け問題を解決するには、対象鋼材により生成可能な全ての山分け候補の中から、ヤードへの受入時の山分け負荷や圧延工程の加熱炉への払出時の作業負荷などの評価関数を最適化する山分けの組み合わせを求めることが不可欠である。
また、列生成法は、これを用いることで線形計画問題の最適解を得られることは保証されているが、本発明で適用しようとする集合分割問題の様な0−1計画問題に対しては、実行可能解は得られる(最小化問題の場合は解の上限が求まる)が、最適解を得られることは必ずしも保証されていない。事実先の特許文献2でもこの点は課題として残されたままである。
(原問題P(C))
まず、本実施形態で解くべき問題である原問題P(C)について説明する。本実施形態では、原問題P(C)を集合分割問題とする。集合分割問題は、全体集合Nの任意の部分集合Sjが、その列コストcjを持つという前提で、以下の(1)式に示すように、全体集合Nの要素iを、重複なく且つ漏れなく部分集合m1,m2,・・・,mkに分割する問題である。このとき、部分集合m1,m2,・・・,mkに対する列コストc1,c2,・・・,ckの総和が最小となるようにする。以下の(1)式は、全体集合Nの要素iを重複なく且つ漏れなく部分集合m1,m2,・・・,mkに分割することを表す。
原問題P(C)の決定変数x[j]は、実現可能山mjを採用する場合に「1」、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数である。
<制約式>
原問題P(C)の制約式は、鋼材i∈Nのそれぞれについて、当該鋼材iを含む集合族(部分集合mjの集合)Mj(i)⊆Cの中から、一つの部分集合mjだけが選択されなければならないことを表す制約式であり、以下の(2)式で表される。
尚、鋼材iは、1つの鋼材であっても、1つの搬送機器(クレーン1A、1B、2A、2B)で搬送することができる鋼材の纏まり(搬送ロット)であってもよい。搬送ロットを決定する方法は、例えば、特許文献3に記載されているので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
原問題P(C)の目的関数は、列コストcjの総和が最小になるように実現可能山mjを選択することを目的とする関数であり、以下の(3)式で表される。
次に、鋼材の山分け計画作成装置の一例について説明する。図1は、鋼材の山分け計画作成装置100の機能的な構成の一例を示す図である。鋼材の山分け計画作成装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置や、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
((鋼材情報取得部110))
鋼材情報取得部110は、山分け計画の作成対象となる鋼材i∈Nのそれぞれの情報を取得する。以下の説明では、この情報を必要に応じて鋼材情報と称する。鋼材情報には、例えば、鋼材のID(識別情報)と、当該鋼材のサイズ(幅、長さ)と、当該鋼材のヤードへの到着順と、当該鋼材の次工程への払出順とが含まれる。尚、到着順および払出順は、鋼材情報に含まれる鋼材の中での相対的な順序である。
前処理部120では、原問題Pである0−1整数計画問題として定式化された集合分割問題(原問題P(C))の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題D(C)を、列生成法を用いて解く。そこで、まず、列生成法の概要を説明する。
<<双対問題の最適解の導出>>
列生成法では、原問題P(C)(集合分割問題)の最適解の候補となる実現可能山mjの集合Cの初期値に基づいて、当該原問題P(C)の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題D(C)の最適解を導出する(以下の説明では、この双対問題D(C)の最適解を必要に応じて双対解と称する)。
<<列生成子問題の最適解の導出>>
そして、当該双対解を使って列生成子問題Sの最適解を導出して、原問題P(C)の最適解の候補となる実現可能山mjを生成する。
<<収束要件の判定>>
そして、生成した実現可能山mjが収束要件を満足するか否かを判定する。ここでの収束要件とは、生成した実現可能山mjに対する前記列コストcjと当該実現可能山mjに含まれる鋼材に対する後述の双対変数の値の総和(以下、必要に応じて双対コストと称する)とを比較し、双対コストが列コストcjを超える、或いは生成した実現可能山mjが既に実現可能山mjの集合Cに含まれておれば収束と判定するものである。
この判定の結果、実現可能山mjが収束要件を満足しない場合には、生成した実現可能山mjを実現可能山mjの集合Cに追加し、前記<<双対問題の最適解の導出>>に戻る。収束要件を満足する場合には、繰り返し処理を終了し、前処理が終了する。
尚、列生成法と総称される技術には幾つかの異なる手法があり、以上の手法はその一つであるが、当該列生成法自体は、非特許文献1に記載されているように公知の技術である。
<初期列集合設定部121>
初期列集合設定部121は、山分け計画の作成対象となる鋼材iの全体集合N={1,2,・・・,i,・・・,n}、即ち、鋼材情報に含まれる鋼材iから、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。このとき、初期列集合設定部121は、鋼材情報に含まれる鋼材iを重複なく且つ漏れなく含み、更に、後述する上載せ禁止制約((17)式を参照)および山高さ制約((18)式を参照)を満足するように、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。その一例として、本実施形態では、初期列集合設定部121は、以下の(5)式のように、それぞれの実現可能山mjが、相互に異なる任意の1つの鋼材iのみを要素として持つように、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。
双対解導出部122は、前述した原問題P(C)(集合分割問題)の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題D(C)の最適解である双対解を導出する。原問題P(C)自体は0−1整数計画問題であるが、双対問題D(C)は線形緩和問題(線形計画問題)になる。0−1整数計画問題である原問題P(C)の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題D(C)は、主問題と双対問題との関係から、以下のように定式化できる。
本実施形態では、双対変数p[i]を双対問題D(C)の決定変数とする。
双対変数p[i]は、鋼材i毎に定められる連続変数(−∞<p[i]<∞)である。双対変数p[i]の数は、n個(鋼材情報に含まれる鋼材iの数)である。
双対問題D(C)の制約式は、前述した(6)式で表される。ここで、行列Aは、双対解導出部122の計算の際に生成されている実現可能山mjの集合Cに対応する。双対解導出部122の最初の計算においては、行列Aは、初期列集合設定部121により設定された実現可能山mjの集合Cの初期値に対応する。
(6)式を要素毎に表記すると、双対問題D(C)の制約式は、以下の(9)式で表される。尚、(9)式の左辺(Σp[i]・mj[i](=Pj))は前述の「双対コスト」と同じものである。(9)式に示すように、双対コストPjは、鋼材iに対する双対変数p[i]の値と、行列Aの列jの値であって、該鋼材iに対応する行iにおける値(「0(ゼロ)」または「1」)との積の、鋼材情報に含まれる鋼材iについての総和で表される。
(6)式の条件下では、(7)式および(8)式より以下の(10)式が成り立つので、(8)式のΣp[i]は、cxの下限値となる((3−1)式に示したようにc、xはベクトルである)。できるだけ大きいΣp[i]を求めれば、原問題P(C)の目的関数Jのより良い下限値が得られることになる。従って、双対問題D(C)の目的関数Jは最大化問題となり、以下の(11)式のようになる。
双対解導出部122は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
列生成部123は、列生成子問題Sを解くことにより、原問題Pの最適解の候補、即ち、実現可能山mjの集合Cに追加される実現可能山mjの候補を導出する。前述したように行列Aの列jが実現可能山mjに対応するので、列生成部123は、行列Aに追加される列jの要素を導出することになる。
本実施形態では、山構成鋼材有無変数mj[i]と鋼材上下関係変数y[i1][i2]と仮置き有無変数t[i]とを列生成子問題Sの決定変数とする。
山構成鋼材有無変数mj[i]は、(9)式に示すmj[i]と同じ変数である。山構成鋼材有無変数mj[i]は、鋼材i毎に定められ、実現可能山mjに鋼材iが含まれる場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数である。
鋼材上下関係変数y[i1][i2]は、同一の実現可能山mj(払出山)において、鋼材i1を相対的に上に配置し、鋼材i2を相対的に下に配置する場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数である。
仮置き有無変数t[i]は、鋼材iを仮置きする場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数である。
本実施形態では、鋼材上下関係変数定義制約式、仮置き変数定義制約式、上載せ禁止制約式、および山高さ制約式を列生成子問題Sの制約式とする。
鋼材上下関係変数定義制約式は、鋼材上下関係変数y[i1][i2]を定義するための制約式であり、以下の(13)式〜(15)式で表される。
主問題と双対問題の関係(弱双対定理)から、本来は、主問題の目的関数の値は、主問題が最小化問題の場合、双対問題の目的関数の値以上になる。本実施形態では、主問題の目的関数は(3)式であり、双対問題の目的関数は(11)式である。従って、本来は、実現可能山mjの列コストcjは、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以上(cj≧Pj)になる。また、実現可能山mjの列コストcjと、当該実現可能山mjに対する双対コストPjとが等しい(cj=Pj)ときの主問題および双対問題の解はそれぞれ最適解となる。
ところで、列生成子問題Sは0−1整数計画問題であり、且つ、繰り返し解かれるものである。従って、列生成子問題Sの計算時間が全体の計算時間に大きく依存することになる。そこで、列生成子問題Sの高速化を行うために、本実施形態では、以下の手法を採用する。
そこで、本実施形態では、(13)式〜(18)式の制約式に、実現可能山mjの列コストcjが、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以下(cj≦Pj)であるという制約式を更に追加する。即ち、以下の(22)式の制約式を追加する。
従って、本実施形態では、列生成部123は、CPLEX(登録商標)等の公知のソルバーを用いて0−1整数計画法による最適化計算を行うことにより、(13)式〜(18)式、(22)式の制約式を満足する範囲で(21)式の目的関数JSの値を最小にする決定変数(山構成鋼材有無変数mj[i]、鋼材上下関係変数y[i1][i2]、および仮置き有無変数t[i])を導出する。そして、列生成部123は、導出した決定変数(山構成鋼材有無変数mj[i]、鋼材上下関係変数y[i1][i2]、および仮置き有無変数t[i])から、(19)式および(20)式により、実現可能山mjの列コストcjと、当該実現可能山mjに対する双対コストPjとを導出する。尚、後述するように双対ギャップが残った状態で列生成子問題Sの計算を打ち切っても(22)式により、生成された列の最適性条件である被約費用(=cj−Pj)が0以下の条件は満たされる。
列生成部123は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
前述したように、実現可能山mjの列コストcjが、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以下(cj≦Pj)である場合には、実現可能山mjの集合C(行列A)に実現可能山mjが十分に追加されていない。そこで、列判定部124は、被約費用(=cj−Pj)が「0(ゼロ)」以下であるか否かを判定する。(22)式の制約がある場合には、実行可能解が得られておれば、被約費用(=cj−Pj)は「0(ゼロ)」以下であることになるので、実行可能解が得られたか否かが前記判定条件と一致する。
列判定部124は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
列追加部125は、列判定部124により、実現可能山mjの列コストcjから、当該実現可能山mjに対する双対コストPjを減算した値(=cj−Pj)が「0(ゼロ)」以下であると判定されると、列生成部123により導出された(最新の)山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjを、実現可能山mjの集合C(行列A)に追加する。例えば、列追加部125は、現在の行列Aの最後の列の次の列に、列生成部123により導出された(最新の)山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjの情報を追加する。
列追加部125は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
以上のようにして列追加部125により実現可能山mjが追加されると、(6)式の行列Aの列が増える。そこで、双対解導出部122は、新たな行列Aを用いて、(6)式または(9)式の制約式を満足する範囲で(11)式の目的関数Jの値を最大にする双対変数p[i]を導出する。
本発明者らは、以上の前処理部120を実問題に適用すると、被約費用(=cj−Pj)が「0(ゼロ)」を上回る前に、列生成子問題Sの最適解mj_opt[i](i∈N)(山構成鋼材有無変数mj[i]の最適解)が、実現可能山mjの集合Ccgに既に含まれていることが起こりやすくなり、この実現可能山mjの集合Ccgに対する原問題P(Ccg)を解くと((2)式の制約式を満足する範囲で(4)式の目的関数Jの値を最小にする決定変数x[j](最適解)を求めると)、目的関数Jの最適値の誤差が大きくなることを見出した。図2は、鋼材の数nが50(n=50)である10通りの鋼材情報を用いて、前処理部120における処理を行った結果の一例を表形式で示す図である。
列生成法は本来、線形計画問題に対する解法であるが、前処理部120では、0−1整数計画問題である原問題P(C)に列生成法を適用する。このことから図2に示すような相対誤差が生じると考えられる。相対誤差がこのような原因で生じることは、図2において、原問題最適値VP(Ccg)が、真の最適値VP(Call)以下となっていることから、双対問題D(Ccg)の双対最適解VD(Ccg)は、線形計画問題として0−1条件を緩和した最適値VP(Call)と一致していると推察されることからも窺える。
双対最適値取得部131は、双対最適値VD(Ccg)を取得する。前述したように、双対最適値VD(Ccg)は、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに対する双対問題D(Ccg)の最適値((9)式の制約式を満足する範囲で最小となる(11)式の目的関数の値)である。
双対最適値取得部131は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
前処理原問題導出部132は、原問題最適値VP(Ccg)および原問題最適解x[j]を導出する。前述したように、原問題最適値VP(Ccg)は、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに対する原問題P(Ccg)を解いたときの((2)式の制約式を満足する範囲で(4)式の目的関数Jの値を最小にする決定変数x[j](原問題最適解)を求めたときの)目的関数J((4)式)の値である。
前処理原問題導出部132は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
本処理実施判定部133は、前処理原問題導出部132により導出された原問題最適値VP(Ccg)から、双対最適値取得部131により取得された双対最適値VD(Ccg)を減算した値が「1」を下回るか否か(VP(Ccg)−VD(Ccg)<1が成り立つか否か)を判定する。この判定の結果、原問題最適値VP(Ccg)から双対最適値VD(Ccg)を減算した値が「1」を下回る場合、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgにより、全ての実現可能山mjの集合Callに対する原問題P(Call)の最適解の求解に十分な列が得られていると判断される。一方、原問題最適値VP(Ccg)から双対最適値VD(Ccg)を減算した値が「1」を下回らない場合、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgでは、前処理部120により、全ての実現可能山mjの集合Callに対する原問題P(Call)の最適解の求解に十分な列が得られていないと判断される。
本処理実施判定部133は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
近傍探索部134は、本処理実施判定部133が、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgにより、全ての実現可能山mjの集合Callに対する原問題P(Call)の最適解の求解に十分な列が得られていないと判定すると起動する。近傍探索部134は、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに基づいて、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに含まれていない列(実現可能山mj)を探索し、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに追加する。
近傍探索部134は、以上のようにして前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに含まれる実現可能山mjのそれぞれについて、実現可能山mjの「0(ゼロ)」の要素の何れか1つを「1」に変更した山mj'が、1増近傍山集合Cnb_pに追加することができるか否かを判定して、追加できる山mj'を1増近傍山集合Cnb_pに追加することと、実現可能山mjの「1(ゼロ)」の要素の何れか1つを「0(ゼロ)」に変更した山mj'が、1減近傍山集合Cnb_mに追加することができるか否かを判定して、追加できる山mj'を1減近傍山集合Cnb_mに追加することを行う。そして、近傍探索部134は、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに含まれる全ての実現可能山mjについて、以上の処理を行った時点で1増近傍山集合Cnb_pおよび1減近傍山集合Cnb_mに含まれる1増近傍山mj_npおよび1減近傍山mj_nmを、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに追加する。以下の説明では、以上の処理を行った時点で1増近傍山集合Cnb_pおよび1減近傍山集合Cnb_mに含まれる1増近傍山mj_npおよび1減近傍山mj_nmを、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに追加して得られる実現可能山mjの集合Cを、必要に応じて本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1と称する。
近傍探索部134は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
本処理原問題導出部135は、原問題最適値VP(CLS1)と原問題最適解x[j]を導出する。前述したように、原問題最適値VP(CLS1)は、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1に対する原問題P(CLS1)を解いたときの((2)式の制約式を満足する範囲で(4)式の目的関数Jの値を最小にする決定変数x[j](原問題最適解)を求めたときの)目的関数J((4)式)の値である。
本処理原問題導出部135は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
出力部140は、本処理実施判定部133が、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgにより、全ての実現可能山mjの集合Callに対する原問題P(Call)の最適解の求解に十分な列が得られていると判定した場合には、前処理原問題導出部132により導出された原問題最適解x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。
一方、出力部140は、本処理実施判定部133が、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgにより、全ての実現可能山mjの集合Callに対する原問題P(Call)の最適解の求解に十分な列が得られていないと判定した場合には、本処理原問題導出部135により導出された原問題最適解x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。
出力部140は、例えば、CPU、ROM、RAM、および通信インターフェース(または記憶媒体とのインターフェース)を用いることにより実現される。
次に、図5−1および図5−2のフローチャートを参照しながら、本実施形態の鋼材の山分け計画作成方法の一例を説明する。
まず、ステップS501において、鋼材情報取得部110は、鋼材情報を取得する。
次に、ステップS502において、初期列集合設定部121は、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。
次に、ステップS513において、出力部140は、原問題最適解x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。ステップS510でYESと判定されてステップS513に進んだ場合、出力部140は、ステップS509で導出された原問題最適解x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。一方、ステップS510でNOと判定されてステップS513に進んだ場合、出力部140は、ステップS512で導出された原問題最適解x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。そして、図5−1および図5−2のフローチャートによる処理が終了する。
まず、ステップS601において、近傍探索部134は、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに含まれる実現可能山mj(行列Aの列)のうち最初の実現可能山mj(行列Aの第1列(j=1))を指定する。また、近傍探索部134は、1増近傍山集合Cnb_pをφ(空集合)とする。
次に、ステップS603において、近傍探索部134は、ステップS602で設定した1増近傍山mj_npの初期値の先頭の要素mj_np[1](鋼材、i=1)を指定する。例えば、鋼材の全体集合Nが、N={1,2,3,4,5}である場合に、全体集合Nの部分集合SjとしてSj={1,3,5}が得られた場合、前処理部120で得られた実現可能山mj(列)は、mj=[1,0,1,0,1]Tになる(Tは転置を表す)。ステップS602において、この前処理部120で得られた実現可能山mj(列)が、1増近傍山mj_npの初期値として設定され、ステップS604において、mj_np=[1,0,1,0,1]Tの先頭の要素(i=1の要素)として、「1」が指定される。この場合、i=1、2、3、4、5の要素の値は、それぞれ、1、0、1、0、1となる。
次に、ステップS616において、近傍探索部134は、ステップS615で設定した1減近傍山mj_nmの初期値の先頭の要素mj_nm[1](鋼材、i=1)を指定する。例えば、鋼材の全体集合Nが、N={1,2,3,4,5}である場合に、全体集合Nの部分集合SjとしてSj={1,3,5}が得られた場合、前処理部120で得られた実現可能山mj(列)は、mj=[1,0,1,0,1]Tになる(Tは転置を表す)。ステップS615において、この前処理部120で得られた実現可能山mj(列)が、1減近傍山mj_nmの初期値として設定され、ステップS617において、mj_nm=[1,0,1,0,1]Tの先頭の要素(i=1の要素)として、「1」が指定される。この場合、i=1、2、3、4、5の要素の値は、それぞれ、1、0、1、0、1となる。
以上のように本実施形態では、前処理部120は、被約費用(cj−Pi)が「0(ゼロ)」以下である場合に、実現可能山mjの集合C(行列A)に実現可能山mjを追加する。かかる実現可能山mjの追加を、被約費用(cj−Pi)が「0(ゼロ)」を上回るまで繰り返し行う。
<変形例1>
本実施形態では、近傍探索部134は、1増近傍山mj_npおよび1減近傍山mj_nmを探索し、探索した1増近傍山mj_npおよび1減近傍山mj_nmを、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgに追加して、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1とする場合を例に挙げて説明した。近傍探索部134における局所探索法は、生成された列(実現可能山mj)に対し、何度も適用することができる。
図7において、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS2は、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1に対する1増近傍山集合Cnb_pおよび1減近傍山集合Cnb_mを探索して、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1に追加することにより得られる。具体的に、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS2は、<近傍探索部134>および図6−1、図6−2のフローチャートの説明において、前処理部120で得られた実現可能山mjの集合Ccgを、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1に、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1を、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS2にそれぞれ置き替えることにより得られる。同様に、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLSnは、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLSn-1に対する1増近傍山集合Cnb_pおよび1減近傍山集合Cnb_mを探索して、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLSn-1に追加することにより得られる。
列生成法では、繰り返し処理(ステップS503〜S507)があるので、この繰り返し処理を高速に行うことが全体の処理時間を短くすることにつながる。この繰り返し処理内での主たる計算は、双対問題D(C)を解くための計算(ステップS503)と列生成子問題Sを解くための計算(ステップS504)である。列生成子問題Sは、0−1整数計画問題であるので、線形計画問題である双対問題D(C)よりも一般的に計算時間を要する。
例えば、列生成部123は、列生成子問題Sの計算の打ち切りの条件となる双対ギャップの値GS[%]を、(25)式に従って設定する。そして、列生成部123は、被約費用の絶対値|rcprv/k1|が、予め定められた閾値THSを上回る場合には、列生成子問題Sの計算を打ち切るための双対ギャップの値GSとして「1(=100%)」を用い、被約費用の絶対値|rcprv/k1|が、予め定められた閾値THS以下である場合には、列生成子問題Sの計算を打ち切るための双対ギャップの値GSとして、α・|rcprv/k1|を用いる。
尚、被約費用(=cj−Pj)が「0(ゼロ)」を超える状態で列生成子問題Sの計算が完了しないように、(22)式の制約式を加えた上で、本変形例2で説明した処理を行ってもよい。
前述したように、仮置き有無変数t[i]を用いれば、仮置き数を厳密に評価することができるので好ましい。しかしながら、仮置き有無変数t[i]を用いずに、鋼材上下関係変数y[i1][i2]により、仮置き数を評価してもよい。このようにする場合、例えば、(16)式(仮置き変数定義制約式)は不要になる。また、(19)式の右辺第2項、(21)式の右辺第1項、および(22)式の左辺第2項の「k2・Σi∈Nt[i]」を「k2・Σ[i1,i2]∈Ry[i1][i2]」とする。
本実施形態では、原問題P(C)が最小化問題である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、原問題Pは、最大化問題であってもよい。原問題P(C)を最小化問題から最大化問題に変更することは、本実施形態の説明から容易に類推することができるが、以下に概要を説明する。
本実施形態では、鋼材を搬送の対象とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、対象材は、必ずしも鋼材である必要はない。例えば、鋼材の代わりに、アルミニウム、チタン、または銅等の金属材を製造する金属製造プロセスに本実施形態を適用することができる。この場合、前述した説明において「鋼材」を「アルミニウム材」等の「金属材」に置き換えることができる。
また、工程間の置場として、2つの製造工程間の置場を対象とし、金属材として、半製品を対象としてもよいし、工程間の置場として、製造工程と出荷工程の間の置場を対象とし、金属材として、最終製品を対象としてもよい。この際に、複数の金属材をコンテナに収容して輸送、配置する場合には、金属材が収容されたコンテナを1つの鋼材として取り扱ってもよい。さらに、工程間の置場としては、金属製造プロセスにおける置場に限定されるものでなく、一般的な工程間の物流、搬送を対象としてもよい。物流分野では内容物に限定されずコンテナの搬送、配置でも適用できる。
次に、実施例を説明する。本実施例では、特許文献1に記載の技術を用いた場合には、実現可能山を列挙できないような問題、および、実現可能山は列挙できるが、その後の集合分割問題が求解できないような問題について、本実施形態の手法を適用し、その効果を調べた。ここで、実現可能山を列挙できないとは、実現可能山を列挙する計算過程で主メモリの容量が上限に達し、計算続行が不可能になることを指す。また、集合分割問題が求解できないとは、最適解の計算過程で主メモリの容量が上限に達し、計算続行が不可能になることを指す。
プロセッサ:Intel(登録商標)Xeon(登録商標)CPU E5-2687W@3.1GHz(2プロセッサ)
実装メモリ(RAM):128GB
OS:Windows7(登録商標) Professional 64ビットオペレーションシステム
最適計算ソフト:ILOG CPLEX(登録商標) Cplex11.0 Concert25
以上のように本実施形態の手法では、山分け問題に集合分割問題を適用する際、メモリ不足等により、実現可能山mj(列)の列挙すらできない様な大規模な問題に対し、列生成法を適用することが分かる。また、前述したように、列生成法を、山分け問題のような0−1整数計画問題に適用する際には、0−1条件に起因する誤差が避けられない(図2に示した相対誤差を参照)。これに対し、本実施形態の手法では、列生成処理で得られた列群の近傍にある最適解候補列を効率的に探索することにより、実操業の規模の問題にも対応することができ、大規模な問題に対しても、最適な山分け計画を立案することができる。
図10において、「Data」は、鋼材情報の識別番号であり、図9に示した「Data」に対応する。発明例1は、本実施形態の手法における計算時間(秒)を示す。即ち、発明例1では、(25)式を用いていない。発明例2は、<変形例2>に記載の手法における計算時間(秒)を示す。発明例2では、双対ギャップが(25)式に示すGSとなった時点で、列生成子問題Sの計算を打ち切る。
図10に示すように、<変形例2>に記載の手法を適用することで、計算時間を半分程度に短縮することができることが分かる。
以上説明した本実施形態及び各変形例は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本実施形態及び各変形例として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本実施形態及び各変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
以下に、請求項と実施形態との対応関係の一例について説明する。請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは、変形例等において説明した通りである。
<請求項1、2>
所定の制約は、例えば、(17)式、(18)式により実現される。
決定変数(2値変数)は、例えば、決定変数x[j]により実現される。
実現可能山に対する前記対象材の山立てについての評価値である列コストは、例えば、列コストcj(山数c1j、仮置き数c2j)により実現される。
原問題の目的関数は、例えば、(4)式により実現される。
列生成手段は、例えば、列生成部123により実現される。候補山は、例えば、列生成部123により導出される山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjにより実現される。
探索手段は、例えば、近傍探索部134により実現される。
当該集合に含まれる各候補山について、対象材の一部が異なる構成からなる近傍の前記実現可能山は、例えば、1増近傍山集合Cnb_p、1減近傍山集合Cnb_mに追加される1増近傍山mj_np、1減近傍山mj_nbにより実現される(<変形例1>等も参照)。
第1の原問題導出手段は、例えば、本処理原問題導出部135により実現される。
出力手段は、例えば、出力部140により実現される。
<請求項3>
増近傍山は、例えば、1増近傍山集合Cnb_pに追加される1増近傍山mj_npにより実現され、減近傍山は、例えば、1減近傍山集合Cnb_mに追加される1減近傍山mj_nbにより実現される。
<請求項4>
請求項4は、<変形例1>に基づくものである。
第1の増近傍山〜第nの増近傍山は、例えば、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1〜CLSnに含まれる1増近傍山集合Cnb_pにより実現される。
第1の減近傍山〜第nの減近傍山は、例えば、本処理部130で得られた実現可能山mjの集合CLS1〜CLSnに含まれる1減近傍山集合Cnb_mにより実現される。
<請求項5>
制約式は、例えば、(2)式の制約式により実現される。
目的関数は、例えば、(3)式により実現される。
前記実現可能山に対する列コストは、例えば、列コストcjにより実現され、実現可能山の数は、例えば、山数c1jにより実現され、仮置き数は、例えば、仮置き数c2jにより実現される。
<請求項6>
双対解導出手段は、例えば、双対解導出部122により実現される。
双対解は、例えば、双対解psol[i]により実現される。
列判定手段は、例えば、列判定部124により実現される。
列追加手段は、例えば、列追加部125により実現される。
<請求項7>
第2の原問題導出手段は、例えば、前処理原問題導出部132により実現される。
処理実施判定手段は、例えば、本処理実施判定部133により実現される。
前記第2の原問題導出手段により導出された前記原問題の最適値は、例えば、原問題最適値VP(Ccg)により実現される。
前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であることが前記列判定手段により判定された時点で前記双対解導出手段により導出されている前記双対解が得られたときの前記双対問題の目的関数の値である双対最適値は、例えば、双対最適値VD(Ccg)により実現される。
<請求項8>
前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山と異なる構成の前記実現可能山に対する列コストと、当該実現可能山に対する双対コストとを比較することは、例えば、本処理実施判定部133が、原問題最適値VP(Ccg)から双対最適値VD(Ccg)を減算することにより実現される(ステップS510も参照)。
前記実現可能山に対する双対コストは、例えば、双対コストPjにより実現される((9)式の左辺等も参照)。
前記山構成対象材有無変数は、例えば、山構成鋼材有無変数mj[i]により実現される。
<請求項9>
制約式は、例えば、(9)式により実現される。
目的関数は、例えば、(11)式により実現される。
前記実現可能山に対する双対コストは、例えば、双対コストPjにより実現される((9)式の左辺等も参照)。
当該実現可能山に対応する山構成対象材有無変数は、例えば、山構成鋼材有無変数mj[i]により実現される。
双対変数は、例えば、p[i]により実現される。
<請求項10>
制約式は、例えば、(13)式〜(18)式により実現される(<変形例3>等も参照)。
目的関数は、例えば、(21)式により実現される。
前記対象材上下関係変数は、例えば、鋼材上下関係変数y[i1][i2]により実現される。
前記山構成対象材有無変数は、例えば、山構成鋼材有無変数mj[i]により実現される。
<請求項11>
制約式は、例えば、(22)式により実現される(<変形例3>等も参照)。
<請求項12>
請求項12は、<変形例2>に基づくものである。
制限値は、例えば、GSにより実現される。
前記列生成子問題の前回の解である前記山構成対象材有無変数に基づく前記候補山である前記実現可能山のコストから当該実現可能山に対する前記双対コストを減算した値の絶対値は、例えば、|rcprv|により実現される。
所定値は、例えば、「1」により実現される。
<請求項13>
仮置き有無変数は、例えば、仮置き有無変数t[i]により実現される。
前記候補山となる前記実現可能山の列コストは、仮置き有無変数を用いて表されることは、例えば、(19)式により実現される。
前記所定の制約を表す制約式が、仮置き有無変数を更に用いて表されることは、例えば、(16)式により実現される。
<請求項14>
初期解として与えられた実現可能山の集合は、例えば、初期列集合設定部121により設定される実現可能山mjの集合Cの初期値により実現される。
Claims (16)
- 複数の対象材に対して山分け計画を作成する問題を集合分割問題とし、当該集合分割問題を、列生成法を用いて解くことにより山分け計画を作成する山分け計画作成装置であって、
所定の制約を満たす様に積まれた実現可能山を解として採用するか否か決定する2値変数を決定変数として、当該実現可能山に対する前記対象材の山立てについての評価値である列コストを含む目的関数の値が最小または最大になる前記決定変数を求めることにより、前記複数の対象材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせを求める問題を原問題とし、
前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補である候補山を生成する列生成子問題の最適解を導出する列生成手段と、
前記列生成手段により導出された前記候補山の集合が、所定の収束要件を満足しない場合には、当該集合に含まれる各候補山について、対象材の一部が異なる構成からなる近傍の前記実現可能山を探索し、当該探索した近傍の実現可能山を、前記候補山として追加する探索手段と、
前記列生成手段により導出された候補山と、前記探索手段により追加された候補山とを含む前記実現可能山の集合に基づいて前記原問題を解くことにより、当該原問題の最適値を導出する第1の原問題導出手段と、
前記第1の原問題導出手段により導出された前記原問題の最適値に対応する前記実現可能山の組み合わせを示す情報を、前記原問題の最適解を示す情報として出力する出力手段と、
を有することを特徴とする山分け計画作成装置。 - 前記探索手段は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山のそれぞれについて、少なくとも1つの増近傍山と、少なくとも1つの減近傍山との、少なくとも何れか一方を探索し、
前記増近傍山は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山の最上段、最下段、および、隣接する2つの対象材の間の少なくとも1つのうち、少なくとも何れか1つに、対象材を少なくとも1つ追加した前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であり、
前記減近傍山は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山を構成する対象材の少なくとも1つを取り除いた前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であることを特徴とする請求項1に記載の山分け計画作成装置。 - 前記増近傍山は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山の最上段、最下段、または、隣接する2つの対象材の間の何れか1つに、対象材を1つ追加した前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であり、
前記減近傍山は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山を構成する対象材の1つを取り除いた前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であることを特徴とする請求項2に記載の山分け計画作成装置。 - 前記探索手段は、前記増近傍山として、第1の増近傍山〜第nの増近傍山を探索すると共に、前記減近傍山として、第1の減近傍山〜第nの減近傍山を探索し、
nは、2以上の整数であり、
前記第1の増近傍山は、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山になった時点における前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山の最上段、最下段、または、隣接する2つの対象材の間の何れか1つに、対象材を1つ追加した前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であり、
前記第nの増近傍山は、第n−1増近傍山が追加された時点における前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山の最上段、最下段、または、隣接する2つの対象材の間の何れか1つに、対象材を1つ追加した前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であり、
前記第1の減近傍山は、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山になった時点における前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山を構成する対象材の1つを取り除いた前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であり、
前記第nの減近傍山は、第n−1減近傍山が追加された時点における前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山を構成する対象材の1つを取り除いた前記実現可能山であって、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であることを特徴とする請求項3に記載の山分け計画作成装置。 - 前記原問題は、前記複数の対象材のそれぞれについて、前記実現可能山の集合の中から、当該対象材を含む前記実現可能山が必ず1つ選択されるという制約を表す制約式であって、前記決定変数を用いて表される制約式と、当該原問題の前記目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最小になる前記決定変数を決定する0−1整数計画問題であり、
前記2値変数は、複数の前記実現可能山のそれぞれについて、当該実現可能山を解として採用する場合に「1」となり、当該実現可能山を解として採用しない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数であり、
前記原問題の前記目的関数は、前記実現可能山の集合に含まれる前記実現可能山に対する前記列コストの総和を求める目的関数であって、前記決定変数および前記実現可能山の列コストを用いて表される目的関数であり、
前記実現可能山に対する列コストは、当該実現可能山の数および仮置き数を含み、
前記仮置き数は、払出山に配置する前に、仮置場に仮置きする前記対象材の数であり、
前記払出山は、前記対象材により構成される山であって、次工程に払い出す最終的な山姿となった山であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の山分け計画作成装置。 - 前記原問題の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題の最適解である双対解を導出する双対解導出手段と、
前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であるか否かの判定である列判定を行う列判定手段と、
前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山でないことが前記列判定手段により判定されると、前記列生成手段により生成された前記候補山を前記実現可能山の集合に追加する列追加手段と、を更に有し、
前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であることが前記列判定手段により判定されるまで、前記双対解導出手段による前記双対解の導出と、前記列生成手段による前記列生成子問題の最適解の導出と、前記列判定と、前記列追加手段による前記候補山の追加と、を繰り返す収束計算が実行され、
前記探索手段は、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であることが前記列判定手段により判定された後に、前記列生成手段により導出された前記候補山の集合に含まれる各候補山について、対象材の一部が異なる構成からなる近傍の前記実現可能山を探索し、当該探索した近傍の実現可能山を、前記候補山として追加し、
前記列生成子問題は、前記双対解と、前記所定の制約とを用いて、前記実現可能山の集合に追加する前記候補山を求める問題であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の山分け計画作成装置。 - 前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であることが前記列判定手段により判定された時点における前記実現可能山の集合に基づいて前記原問題を解くことにより、当該原問題の最適値を導出する第2の原問題導出手段と、
前記第2の原問題導出手段により導出された前記原問題の最適値と、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足する山であることが前記列判定手段により判定された時点で前記双対解導出手段により導出されている前記双対解が得られたときの前記双対問題の目的関数の値である双対最適値と、を比較した結果に基づいて、前記探索手段による処理を実行するか否かを判定する処理実施判定手段と、
前記探索手段は、前記処理実施判定手段により、前記探索手段による処理を実行すると判定された場合に、前記探索および前記追加を行い、
前記出力手段は、前記処理実施判定手段により、前記探索手段による処理を実行しないことが前記列判定手段により判定された場合には、前記第2の原問題導出手段により導出された前記原問題の最適値に対応する前記実現可能山の組み合わせを示す情報を、前記原問題の最適解を示す情報として出力することを特徴とする請求項6に記載の山分け計画作成装置。 - 前記探索手段は、前記実現可能山の集合に含まれる前記候補山と異なる構成の前記実現可能山に対する前記列コストと、当該実現可能山に対する双対コストとを比較した結果に基づいて、当該実現可能山が、前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補となり得る前記実現可能山であるか否かを判定し、
前記実現可能山に対する双対コストは、前記対象材に対する双対変数の値と、当該対象材と当該実現可能山に対応する山構成対象材有無変数との積の、前記複数の対象材についての総和で表され、
前記双対変数は、前記双対問題における決定変数であり、
前記山構成対象材有無変数は、前記対象材毎に定められる0−1変数であって、前記実現可能山に前記対象材が含まれる場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数であることを特徴とする請求項6または7に記載の山分け計画作成装置。 - 前記双対問題は、前記実現可能山の集合に含まれる前記実現可能山のそれぞれのコストが、当該実現可能山に対する双対コスト以上であるという制約を表す制約式であって、当該実現可能山の列コスト、当該実現可能山に対応する山構成対象材有無変数、および双対変数を用いて表される制約式と、当該双対問題の前記目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最大になる当該双対変数の値を前記双対解として決定する線形計画問題であり、
前記双対問題の目的関数は、前記複数の対象材についての当該双対変数の総和を求める目的関数であって、当該双対変数を用いて表される目的関数であり、
前記双対変数は、前記対象材毎に定められる変数であり、
前記実現可能山に対する双対コストは、前記対象材に対する前記双対変数の値と、当該対象材と当該実現可能山に対応する山構成対象材有無変数との積の、前記複数の対象材についての総和で表され、
前記山構成対象材有無変数は、前記対象材毎に定められる0−1変数であって、前記実現可能山に前記対象材が含まれる場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数であることを特徴とする請求項8に記載の山分け計画作成装置。 - 前記列生成子問題は、前記所定の制約を表す制約式であって、前記山構成対象材有無変数および対象材上下関係変数を用いて表される制約式と、前記候補山となる前記実現可能山の列コストから、当該実現可能山に対する前記双対コストを減算した値を求める目的関数であって、前記双対変数、当該山構成対象材有無変数、および当該対象材上下関係変数を用いて表される目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最小になる当該山構成対象材有無変数および当該対象材上下関係変数を決定する0−1整数計画問題であり、
前記対象材上下関係変数は、2つの前記対象材の組み合わせにより定まる0−1変数であって、同一の払出山における2つの前記対象材の上下関係を表す0−1変数であり、
前記払出山は、前記対象材により構成される山であって、次工程に払い出す最終的な山姿となった山であることを特徴とする請求項9に記載の山分け計画作成装置。 - 前記列生成子問題は、前記候補山となる前記実現可能山のコストが、当該実現可能山に対する前記双対コスト以下であることを表す制約式を更に有する問題であり、
前記列生成手段は、前記列生成子問題の実行可能解が得られた時点で、当該列生成子問題に対する計算を打ち切り、当該実行可能解である前記山構成対象材有無変数に基づいて、前記候補山を生成することを特徴とする請求項10に記載の山分け計画作成装置。 - 前記列生成手段は、前記列生成子問題における上界値および下界値に基づいて双対ギャップを導出し、当該双対ギャップが、制限値以下であると判定すると、当該列生成子問題に対する計算を打ち切り、その時点で得られている前記列生成子問題の解である前記山構成対象材有無変数に基づいて、前記候補山を生成し、
前記制限値は、前記列生成子問題の前回の解である前記山構成対象材有無変数に基づく前記候補山である前記実現可能山のコストから当該実現可能山に対する前記双対コストを減算した値の絶対値に応じて、所定値、または、当該絶対値に応じた値をとることを特徴とする請求項10または11に記載の山分け計画作成装置。 - 前記所定の制約を表す制約式は、仮置き有無変数を更に用いて表され、
前記候補山となる前記実現可能山に対する前記列コストは、仮置き有無変数を用いて表され、
前記仮置き有無変数は、前記対象材毎に定められる0−1変数であって、前記対象材を、前記払出山に配置する前に、仮置場に仮置きする場合に「1」となり、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数であることを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載の山分け計画作成装置。 - 前記原問題は、前記2値変数を決定変数として、前記列コストと、初期解として与えられた実現可能山の集合とを用いて、前記決定変数および前記列コストを含む目的関数の値が最小または最大になる前記決定変数を求めることにより、前記複数の対象材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせを求める問題であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の山分け計画作成装置。
- 複数の対象材に対して山分け計画を作成する問題を集合分割問題とし、当該集合分割問題を、列生成法を用いて解くことにより山分け計画を作成する山分け計画作成方法であって、
所定の制約を満たす様に積まれた実現可能山を解として採用するか否か決定する2値変数を決定変数として、当該実現可能山に対する前記対象材の山立てについての評価値である列コストを含む目的関数の値が最小または最大になる前記決定変数を求めることにより、前記複数の対象材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせを求める問題を原問題とし、
前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補である候補山を生成する列生成子問題の最適解を導出する列生成ステップと、
前記列生成ステップにより導出された前記候補山の集合が、所定の収束要件を満足しない場合には、当該集合に含まれる各候補山について、対象材の一部が異なる構成からなる近傍の前記実現可能山を探索し、当該探索した近傍の実現可能山を、前記候補山として追加する探索ステップと、
前記列生成ステップにより導出された候補山と、前記探索ステップにより追加された候補山とを含む前記実現可能山の集合に基づいて前記原問題を解くことにより、当該原問題の最適値を導出する第1の原問題導出ステップと、
前記第1の原問題導出ステップにより導出された前記原問題の最適値に対応する前記実現可能山の組み合わせを示す情報を、前記原問題の最適解を示す情報として出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする山分け計画作成方法。 - 請求項1〜14の何れか1項に記載の山分け計画作成装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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