JP6954218B2 - 鋼材の山分け計画作成装置、鋼材の山分け計画作成方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
鋼材置き場でサイズや次工程(圧延工程の加熱炉)での処理順序が異なる複数枚の鋼材を複数の山に分けて山積みする山分け問題を解決するには、対象鋼材により生成可能な全ての山分け候補の中から、ヤードへの受入時の山分け負荷や圧延工程の加熱炉への払出時の作業負荷などの評価関数を最適化する山分けの組み合わせを求めることが不可欠である。
(原問題P)
まず、本実施形態で解くべき問題である原問題Pについて説明する。本実施形態では、原問題Pを集合分割問題とする。集合分割問題は、全体集合Nの任意の部分集合Sjが、その列コストcjを持つという前提で、以下の(1)式に示すように、全体集合Nの要素iを、重複なく且つ漏れなく部分集合m1,m2,・・・,mkに分割する問題である。このとき、部分集合m1,m2,・・・,mkに対する列コストc1,c2,・・・,ckの総和が最小となるようにする。以下の(1)式は、全体集合Nの要素iを重複なく且つ漏れなく部分集合m1,m2,・・・,mkに分割することを表す。
原問題Pの決定変数x[j]は、実現可能山mjを採用する場合に「1」、そうでない場合に「0(ゼロ)」となる0−1変数である。
<制約式>
原問題Pの制約式は、鋼材i∈Nのそれぞれについて、当該鋼材iを含む集合族(部分集合mjの集合)Mj(i)⊆Cの中から、一つの部分集合mjだけが選択されなければならないことを表す制約式であり、以下の(2)式で表される。
尚、鋼材iは、1つの鋼材であっても、1つの搬送機器(クレーン1A、1B、2A、2B)で搬送することができる鋼材の纏まり(搬送ロット)であってもよい。搬送ロットを決定する方法は、例えば、特許文献3に記載されているので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
原問題Pの目的関数は、列コストcjの総和が最小になるように実現可能山mjを選択することを目的とする関数であり、以下の(3)式で表される。
次に、鋼材の山分け計画作成装置の一例について説明する。図1は、鋼材の山分け計画作成装置100の機能的な構成の一例を示す図である。鋼材の山分け計画作成装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置や、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
((鋼材情報取得部110))
鋼材情報取得部110は、山分け計画の作成対象となる鋼材i∈Nのそれぞれの情報を取得する。以下の説明では、この情報を必要に応じて鋼材情報と称する。鋼材情報には、例えば、鋼材のID(識別情報)と、当該鋼材のサイズ(幅、長さ)と、当該鋼材のヤードへの到着順と、当該鋼材の次工程への払出順とが含まれる。尚、到着順および払出順は、鋼材情報に含まれる鋼材の中での相対的な順序である。
前処理部120では、原問題Pである0−1計画問題として定式化された集合分割問題の線形緩和問題の双対問題を、列生成法を用いて解く。そこで、まず、列生成法の概要を説明する。
<<双対問題の最適解の導出>>
列生成法では、原問題P(集合分割問題)の最適解の候補となる実現可能山mjの集合Cの初期値に基づいて、当該原問題Pの線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題Dの最適解を導出する(以下の説明では、この双対問題Dの最適解を必要に応じて双対解と称する)。
<<列生成子問題の最適解の導出>>
そして、当該双対解を使って列生成子問題Sの最適解を導出して、原問題Pの最適解の候補となる実現可能山mjを生成する。
<<収束要件の判定>>
そして、生成した実現可能山mjが収束要件を満足するか否かを判定する。ここでの収束要件とは、生成した実現可能山mjに対する前記列コストcjと当該実現可能山mjに含まれる鋼材に対する後述の双対変数の値の総和(以下、必要に応じて双対コストと称する)とを比較し、双対コストが列コストcjを超える、或いは生成した実現可能山mjが既に実現可能山mjの集合Cに含まれておれば収束と判定するものである。
この判定の結果、実現可能山mjが収束要件を満足しない場合には、生成した実現可能山mjを実現可能山mjの集合Cに追加し、前記<<双対問題の最適解の導出>>に戻る。収束要件を満足する場合には、繰り返し処理を終了し、前処理が終了する。
尚、列生成法と総称される技術には幾つかの異なる手法があり、以上の手法はその一つであるが、当該列生成法自体は、非特許文献1に記載されているように公知の技術である。
<初期列集合設定部121>
初期列集合設定部121は、山分け計画の作成対象となる鋼材iの全体集合N={1,2,・・・,i,・・・,n}、即ち、鋼材情報に含まれる鋼材iから、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。このとき、初期列集合設定部121は、鋼材情報に含まれる鋼材iを重複なく且つ漏れなく含み、更に、後述する上載せ禁止制約((16)式を参照)および山高さ制約((17)式を参照)を満足するように、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。その一例として、本実施形態では、初期列集合設定部121は、以下の(5)式のように、それぞれの実現可能山mjが、相互に異なる任意の1つの鋼材iのみを要素として持つように、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。
双対解導出部122は、前述した原問題P(集合分割問題)の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題Dの最適解である双対解を導出する。原問題P自体は0−1整数計画問題であるが、双対問題Dは線形緩和問題(線形計画問題)になる。0−1整数計画問題である原問題Pの線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題Dは、主問題と双対問題との関係から、以下のように定式化できる。
本実施形態では、双対変数p[i]を双対問題Dの決定変数とする。
双対変数p[i]は、鋼材i毎に定められる連続変数(−∞<p[i]<∞)である。双対変数p[i]の数は、n個(鋼材情報に含まれる鋼材iの数)である。
双対問題Dの制約式は、前述した(6)式で表される。ここで、行列Aは、双対解導出部122の計算の際に生成されている実現可能山mjの集合Cに対応する。双対解導出部122の最初の計算においては、行列Aは、初期列集合設定部121により設定された実現可能山mjの集合Cの初期値に対応する。
(6)式を要素毎に表記すると、双対問題Dの制約式は、以下の(9)式で表される。尚、(9)式の左辺(Σp[i]・mj[i](=Pj))は前述の「双対コスト」と同じものである。(9)式に示すように、双対コストPjは、鋼材iに対する双対変数p[i]の値と、行列Aの列jの値であって、該鋼材iに対応する行iにおける値(「0」または「1」)との積の、鋼材情報に含まれる鋼材iについての総和で表される。
(6)式の条件下では、(7)式および(8)式より以下の(10)式が成り立つので、(8)式のΣp[i]は、cxの下限値となる((3−1)式に示したようにc、xはベクトルである)。できるだけ大きいΣp[i]を求めれば、原問題Pの目的関数Jのより良い下限値が得られることになる。従って、双対問題Dの目的関数Jは最大化問題となり、以下の(11)式のようになる。
双対解導出部122は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
列生成部123は、列生成子問題Sを解くことにより、原問題Pの最適解の候補、即ち、実現可能山mjの集合Cに追加される実現可能山mjの候補を導出する。前述したように行列Aの列jが実現可能山mjに対応するので、列生成部123は、行列Aに追加される列jの要素を導出することになる。
本実施形態では、山構成鋼材有無変数mj[i]と鋼材上下関係変数y[i1][i2]を列生成子問題Sの決定変数とする。
山構成鋼材有無変数mj[i]は、(9)式に示すmj[i]と同じ変数である。山構成鋼材有無変数mj[i]は、鋼材i毎に定められ、実現可能山mjに鋼材iが含まれる場合に「1」となり、そうでない場合に「0」となる0−1変数である。
鋼材上下関係変数y[i1][i2]は、同一の実現可能山mj(払出山)において、鋼材i1を相対的に下に配置し、鋼材i2を相対的に上に配置する場合に「1」となり、そうでない場合に「0」となる0−1変数である。
本実施形態では、鋼材上下関係変数定義制約式、上載せ禁止制約式、および山高さ制約式を列生成子問題Sの制約式とする。
鋼材上下関係変数定義制約式は、鋼材上下関係変数y[i1][i2]を定義するための制約式であり、以下の(13)式〜(15)式で表される。
主問題と双対問題の関係(弱双対定理)から、本来は、主問題の目的関数の値は、主問題が最小化問題の場合、双対問題の目的関数の値以上になる。本実施形態では、主問題の目的関数は(3)式であり、双対問題の目的関数は(11)式である。従って、本来は、実現可能山mjの列コストcjは、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以上(cj≧Pj)になる。また、実現可能山mjの列コストcjと、当該実現可能山mjに対する双対コストPjとが等しい(cj=Pj)ときの主問題および双対問題の解はそれぞれ最適解となる。
ところで、列生成子問題Sは0−1整数計画問題であり、且つ、繰り返し解かれるものである。従って、列生成子問題Sの計算時間が全体の計算時間に大きく依存することになる。そこで、列生成子問題Sの高速化を行うために、本実施形態では、以下の手法を採用する。
そこで、本実施形態では、(13)式〜(17)式の制約式に、実現可能山mjの列コストcjが、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以下(cj≦Pj)であるという制約式を更に追加する。即ち、以下の(21)式の制約式を追加する。
従って、本実施形態では、列生成部123は、CPLEX(登録商標)等の公知のソルバーを用いて0−1整数計画法による最適化計算を行うことにより、(13)式〜(17)式、(21)式の制約式を満足する範囲で(20)式の目的関数JSの値を最小にする決定変数(山構成鋼材有無変数mj[i]および鋼材上下関係変数y[i1][i2])を導出する。そして、列生成部123は、導出した決定変数(山構成鋼材有無変数mj[i]および鋼材上下関係変数y[i1][i2])から、(18)式および(19)式により、実現可能山mjの列コストcjと、当該実現可能山mjに対する双対コストPjとを導出する。尚、実行可能解が求まり次第、計算を終了させることにより、実質的に(20)式の目的関数JSは考慮されることなく、実行可能解が導出されることになる。
列生成部123は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
前述したように、実現可能山mjの列コストcjが、当該実現可能山mjに対する双対コストPj以下(cj≦Pj)である場合には、実現可能山mjの集合C(行列A)に実現可能山mjが十分に追加されていない。そこで、列判定部124は、列生成部123で導出された、実現可能山mjの列コストcjから、当該実現可能山mjに対する双対コストPjを減算した値(=cj−Pj)が「0」以下であるか否かを判定する。(21)式の制約がある場合には、実行可能解が得られておれば、実現可能山mjの列コストcjから、当該実現可能山mjに対する双対コストPjを減算した値(=cj−Pj)は「0」以下であることになるので、実行可能解が得られたか否かが前記判定条件と一致する。
列判定部124は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
列追加部125は、列判定部124により、実現可能山mjの列コストcjから、当該実現可能山mjに対する双対コストPjを減算した値(=cj−Pj)が「0」以下であると判定されると、列生成部123により導出された(最新の)山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjを、実現可能山mjの集合C(行列A)に追加する。例えば、列追加部125は、現在の行列Aの最後の列の次の列に、列生成部123により導出された(最新の)山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjの情報を追加する。
列追加部125は、例えば、CPU、ROM、RAM、およびHDDを用いることにより実現される。
以上のようにして列追加部125により実現可能山mjが追加されると、(6)式の行列Aの列が増える。そこで、双対解導出部122は、新たな行列Aを用いて、(6)式または(9)式の制約式を満足する範囲で(11)式の目的関数Jの値を最大にする双対変数p[i]を導出する。
以上の処理を、列判定部124により、実現可能山mjの列コストcjから、当該実現可能山mjに対する双対コストPjを減算した値(=cj−Pj)が「0」を上回ると判定するまで、或いは実現可能山mjがその時点での集合C(行列A)に既に含まれていると判定するまで繰り返し行う。以下の説明では、列判定部124にて実現可能山mjを行列Aの列に追加不要と判定される直前に双対解導出部122により導出された双対問題Dの最適解p[i]を、必要に応じて、双対最適解p[i]と称する。また、当該双対問題Dの最適解p[i]を得たときの(11)式の目的関数Jの値を、必要に応じて、双対最適値JDと称する。
本処理部130は、前処理部120で得られた双対最適解p[i]および双対最適値JDを用いて、最適解の構成要素となり得る列(実現可能山)を隈なく抽出し、抽出した列に対する集合分割問題(原問題Pの部分問題)を解くことにより、双対ギャップのない原問題Pの最適解を得る。ここで、双対ギャップは、上界値JUから下界値JLを減算した値(=JU−JL)である。上界値JUは、原問題Pの最適解(実現可能山群の最適解{mj_opt})に対応する原問題Pの目的関数J((4)式)の値(前処理部120で導出された列群に対し(処理としては不要であるが)集合分割問題を解いた際の最適値)である。下界値JLは、双対最適値JDである。
列生成法で双対ギャップが残る理由を説明する。列生成の初期段階では、双対解p[i](i∈N)が最適値から離れた状態で列生成子問題Sを解いているので、そこで得られた最適解となる列mj[i](i∈N)は、列双対ギャップz[j]が残った状態(z[j]>0)であると推察される。ここで、列双対ギャップz[j]は、列j毎の双対ギャップを表し、本実施形態では、以下の(22)式で定められる。
『閾値THがn+fD(n:0(ゼロ)以上の整数)のとき、列双対ギャップz[j]が当該閾値TH以下の列jによる列群CTHにより得られた部分問題P(n+fD)の最適値J(n+fD)optがceil(JD)+n+1以下なら、当該最適値J(n+fD)optは、原問題Pの最適値Joptである』
ここで、ceil(x)は、天井関数(実数xに対してx以上の最小の整数を対応付ける関数)である。
閾値THをn+fDとして得られた部分問題P(TH)の最適値J(n+fD)optがceil(JD)+n+1であるとし、これが原問題Pの最適値ではないとする。即ち、原問題Pの最適値Joptは、ceil(JD)+n以下であり、それを得るために最適解の構成要素となり得る列を抽出するための閾値THを、n+fDよりも拡張する(大きくする)必要があると仮定する。
列生成法を整数計画問題に適用した場合、最適解を構成する最適列集合には、(線形問題ではあり得ない)列双対ギャップz[j](誤差)が非0(正)の列の要素が含まれることが想定される。その際、どの程度の列双対ギャップz[j]を持つ列までが最適解の構成要素の候補となり得るかを見極めることが望ましい。メモリの超過をより確実に防ぎ、最適化計算をより効率化することができるからである。この指針を定理Iによって与える。つまり、本処理部130は、閾値THを0(ゼロ)から順次に大きくしながら、その際に得られる部分問題P(TH)の最適解と原問題Pの最適解との一致の有無を、定理Iに従い判断する。この計算過程において、以下の<1>および<2>が要請される。
<2>閾値THを順次増加させる際の、計算上有効なステップ幅ST(TH=TH+ST)の設定
まず、<1>について説明する。
任意の実行可能な列j(山構成鋼材有無変数mj[i])を隈なく列挙(生成)することと、それが生成された場合、その列jの列双対ギャップz[j]を算出することとができれば、z[j]≦THとなる列のみを抽出すればよい。本実施形態では、原問題Pが山分け問題であるので、このような列の列挙法としては、例えば、特許文献1の実現可能山抽出工程に記載の方法を用いればよい。また、列双対ギャップz[j](誤差)を計算するには、前処理部120で導出された双対最適解p[i]を利用する。
まず、ステップ幅STの計算に対する影響について述べる。ステップ幅STが大き過ぎる場合には、閾値THを拡張することにより抽出される列jの数が増えるので、部分問題P(TH)が解きにくくなる。一方、ステップ幅STが小さ過ぎると、閾値THを拡張することにより新たに抽出される列jの数が少なく、列jの抽出(閾値THの変更)の繰り返し回数が増える。この様にステップ幅STは、計算の効率性を高める上で重要となる。そこで、本実施形態では、想定される原問題Pの双対ギャップに同期して閾値THを定める。ここでは、整数計画問題の目的関数の値は整数となることを前提としているので、その最小変動量は1とみなせる。よって、双対ギャップは、n+fD(n=0,1,2,・・・)となる。従って、閾値THを、fD,1+fD,2+fD,3+fD,・・・のようにして順次大きくする方法、即ち、ステップ幅STを「1」(ST=1)とする方法を採用するのが好ましい。閾値THをfDから徐々に(1ずつ)大きくし、部分問題P(TH)を拡張しながら求解する際、定理Iによると、閾値TH(=n+fD)が大きくなるに従い、その部分問題P(TH)の最適値J(TH)optを原問題Pの最適値Joptと判定できる条件が緩和されることを意味する。このような条件の緩和を、部分問題P(TH)の最適値が原問題Pの最適値Joptと一致すると判断されるまで行う。
次に、本処理部130が有する機能の一例を説明する。
前提として、本処理部130が起動する前に、前処理部120において、双対最適解p[i]および双対最適値JDが導出されていることとする。即ち、本処理部130は、前処理部120において、双対最適解p[i]および双対最適値JDが導出されると起動する。また、本処理部130は、実行可能な列を列挙するアルゴリズムを有しているものとする。実行可能な列を列挙する方法として、本実施形態では、特許文献1の実現可能山抽出工程に記載の方法を用いる場合を例に挙げて説明する。尚、以下の説明では、実行可能列を列挙するアルゴリズムを必要に応じて実行可能列列挙アルゴリズムと称する。
図1において、本処理部130は、双対最適解・最適値取得部131、閾値・仮想最適値設定部132、最適列抽出部133、部分問題最適値導出部134、実行可能解有無判定部135、最適値判定部136、および閾値・仮想最適値更新部137を有する。
双対最適解・最適値取得部131は、双対最適解p[i]および双対最適値JDを取得する。前述したように、双対最適解p[i]は、前記列判定部124にて実現可能山mjを行列Aの列に追加不要と判定される直前に双対解導出部122により導出された双対問題Dの最適解p[i]である。また、双対最適値JDは、双対最適解p[i]を得たときの(11)式の目的関数Jの値である。
閾値・仮想最適値設定部132は、前記列コストcjと前記双対最適解p[i]による前記双対コストとの差を実現可能山mjごとに評価した値である列双対ギャップz[j]に対する閾値THと、原問題Pの最適解としての適否を判定する指標となる値である仮想最適値JVとを設定する。本実施形態では、閾値・仮想最適値設定部132は、以下の(27)式、(28)式により、閾値THの初期値、仮想最適値JVの初期値を算出する。
最適列抽出部133は、実行可能列列挙アルゴリズムに従って列j(実現可能山mj[i])を列挙する毎に、当該実現可能山mj[i]と、当該実現可能山mj[i]の列コストcj((18)式を参照)と、双対最適解・最適値取得部131により取得された双対最適解p[i]と、閾値THの現在値とを用いて、以下の(29)式を満たすか否かを判定する(尚、以下の(29)式は、前述した(23)式と同じであるが、説明の便宜のため改めて示す)。そして、最適列抽出部133は、(29)式を満たす列j(実現可能山mj[i])のみを抽出し、最適列候補列群CTHに加える。このように、最適列抽出部133の処理によって、最適列候補列群CTHには、実行可能列列挙アルゴリズムに従い列挙し得る全ての列j(実現可能山mj[i])ではなく、列j(実現可能山mj[i])のうちで、(29)式を満たすもののみが含まれる。
通常の列生成法では、全体集合Nの各要素のみを部分集合とする列を初期抽出列として抽出するが、(29)式の条件のみで列を抽出すると、例えば、集合分割問題の場合の(2)式の条件などを満たすことができず、抽出した列から最適解を求める際に求解不能(infeasible)となることがあり得る。しかしながら、以下の理由で、(29)式の条件のみで列を抽出しても問題はない。
部分問題最適値導出部134は、最適列抽出部133により得られた最適列候補列群CTHを用いて、部分問題P(TH)を解き、部分問題P(TH)の最適値J(TH)optを求める。具体的には、(2)式のMj(i)⊆CのCを最適列候補列群CTHとしたうえで、(2)式の制約式を満足する範囲で(4)式の目的関数Jの値を最小にする決定変数x[j]を求める。この最小となる目的関数Jの値が、部分問題P(TH)の最適値J(TH)optとなる。
実行可能解有無判定部135は、部分問題最適値導出部134により実行可能解が求められたか否かを判定する。
<最適値判定部136>
最適値判定部136は、部分問題最適値導出部134により実行可能解が求められたことが実行可能解有無判定部135により判定されると、部分問題最適値導出部134で導出された部分問題P(TH)の最適値J(TH)optが、仮想最適値JVの現在値以下(J(TH)opt≦JV)であるか否かを判定する。
<最適列抽出部133>の項で説明したように、部分問題最適値導出部134により実行可能解が求められない場合(例えば(2)式を満たさない場合)には、閾値THおよび仮想最適値JVを現在値よりも大きくする必要がある。そこで、閾値・仮想最適値更新部137は、部分問題最適値導出部134により実行可能解が求められなかったことが実行可能解有無判定部135により判定されると、閾値THおよび仮想最適値JVの現在値に対し、それぞれ「1」を加算する。ここでは、(4)式の目的関数Jの係数を整数としているので、その最小変動量は「1」である。尚、ここでの閾値THおよび仮想最適値JVの更新に際しても、それらの初期値を設定する場合と同様に、定理Iに従い、部分問題P(TH)の最適値J(TH)optが仮想最適値JV以下であれば、部分問題P(TH)の最適値J(TH)optが原問題Pの最適値Joptであるという条件(JV=TH+JD+1)を保持させる。
部分問題最適値導出部134で導出された部分問題P(TH)の最適値J(TH)optが、仮想最適値JVの現在値以下(J(TH)opt≦JV)であることが最適値判定部136により判定されると、その判定の直前に部分問題最適値導出部134で導出された部分問題P(TH)の最適値J(TH)optが原問題Pの最適解Joptとなる。そこで、出力部140は、当該部分問題P(TH)の最適値J(TH)optを得たときの決定変数x[j]の値が「1」となる実現可能山mjを特定し、特定した実現可能山mjの情報を山分け計画の情報として出力する。出力部140は、例えば、実現可能山のIDと、当該IDの実現可能山に属する鋼材のIDとを含む情報を山分け計画の情報とすることができる。ここで、鋼材のIDは、鋼材情報に含まれるIDである。また、出力部140は、鋼材情報に含まれる鋼材のサイズと、上載せ禁止制約式とに基づいて、実現可能山に属する鋼材の当該実現可能山における積順を導出し、当該積順の情報を山分け計画の情報に含めて出力してもよい。
次に、図2−1および図2−2のフローチャートを参照しながら、本実施形態の鋼材の山分け計画作成方法の一例を説明する。
まず、ステップS201において、鋼材情報取得部110は、鋼材情報を取得する。
次に、ステップS202において、初期列集合設定部121は、実現可能山mjの集合Cの初期値を設定する。
次に、ステップS213において、最適列抽出部133は、最適列候補列群CTHを抽出する。最適列候補列群CTHには、実行可能列列挙アルゴリズムに従い列挙し得る全ての列j(実現可能山mj[i])ではなく、列j(実現可能山mj[i])のうちで(29)式を満たすもののみが含まれる。
次に、ステップS215において、実行可能解有無判定部135は、ステップS214で実行可能解が求められたか否かを判定する。この判定の結果、ステップS214で実行可能解が求められなかった場合、処理は、ステップS216に進む。
次に、ステップS217において、閾値・仮想最適値更新部137は、仮想最適値JVの現在値に対し閾値THへの加算と同じ値である「1」を加算する(尚、図2−2のS217の欄において、右辺に示すTHは、ステップS216において更新後のTHを示す)。
次に、実施例を説明する。本実施例では、特許文献1に記載の技術を用いた場合には、実現可能山を列挙できないような問題、および、実現可能山は列挙できるが、その後の集合分割問題が求解できないような問題について、本実施形態の手法を適用し、その効果を調べた。ここで、実現可能山を列挙できないとは、実現可能山を列挙する計算過程で主メモリの容量が上限に達し、計算続行が不可能になることを指す。また、集合分割問題が求解できないとは、最適解の計算過程で主メモリの容量が上限に達し、計算続行が不可能になることを指す。
プロセッサ:Intel(登録商標)Xeon(登録商標)CPU E5-2687W@3.1GHz(2プロセッサ)
実装メモリ(RAM):128GB
OS:Windows7(登録商標) Professional 64ビットオペレーションシステム
最適計算ソフト:ILOG CPLEX(登録商標) Cplex11.0 Concert25
「総計算時間」は、前処理部120での計算時間と本処理部130での計算時間tの和である。
以上のように本実施形態では、前処理部120は、実現可能山mjの列コストcjから当該実現可能山mjに対する双対コストPiを減算した値が「0」以下である場合に、実現可能山mjの集合C(行列A)に実現可能山mjを追加する。かかる実現可能山mjの追加を、実現可能山mjの列コストcjから当該実現可能山mjに対する双対コストPiを減算した値が「0」を上回るまで繰り返し行う。
<変形例1>
本実施形態では、列生成子問題Sを解く際に、(21)式の制約式を追加することにより、列生成子問題Sの計算時間を短縮する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、列生成子問題Sの計算時間を短縮する手法は、このような手法に限定されない。例えば、列生成子問題Sの計算の打ち切りの条件となる双対ギャップを、列生成子問題S(ステップS204)を実行する度に調整してもよい。
尚、(21)式の制約式を加えた上で、本変形例1で説明した処理を行ってもよい。
本実施形態では、原問題Pが最小化問題である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、原問題Pは、最大化問題であってもよい。原問題Pを最小化問題から最大化問題に変更することは、本実施形態の説明から容易に類推することができるが、以下に概要を説明する。
閾値THに基づき、以下の(23´)式の条件より抽出された列jによる列群CTHに対する部分問題P(TH)の最適解が、原問題Pの最適解と一致する十分条件は、以下の定理IIにより与えられる。ここで、前処理部120で導出された双対最適値JDと、当該双対最適値JD以下の整数値のうち最大の整数値floor(JD)との差分をfD(=JD−floor(JD))とする。また、ここでは、原問題Pを最大化問題であり、その目的関数Jの値は整数値をとるものとする((3´)式を参照)。
『閾値THがn+fD(n:0(ゼロ)以上の整数)のとき、列双対ギャップz[j]が当該閾値TH以下の列jによる列群CTHにより得られた部分問題P(n+fD)の最適値J(n+fD)optがfloor(JD)−n−1以上なら、当該最適値J(n+fD)optは、原問題Pの最適値Joptである』
ここで、floor(x)は、床関数(実数xに対してx以下の最大の整数を対応付ける関数)である。
閾値THをn+fDとして得られた部分問題P(TH)の最適値J(n+fD)optがfloor(JD)−n−1であるとし、これが原問題Pの最適値でないとする。即ち、原問題Pの最適値Joptは、floor(JD)−n以上であり、それを得るため最適解の構成要素となり得る列を抽出するための閾値THを、n+fDより拡張する(大きくする)必要があると仮定する。
以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
以下に、請求項と実施形態との対応関係の一例について説明する。請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは、変形例等において説明した通りである。
<請求項1、5〜7>
決定変数は、例えば、決定変数x[j]により実現される。
実現可能山に対する前記鋼材の山立てについての評価値である列コストは、例えば、列コストcj(山数c1j、逆転対数c2j)により実現される。
初期解として与えられた実現可能山の集合は、例えば、初期列集合設定部121により設定される実現可能山mjの集合Cの初期値により実現される。
双対解導出手段は、例えば、双対解導出部122により実現される。
列生成手段は、例えば、列生成部123により実現される。候補山は、例えば、列生成部123により導出される山構成鋼材有無変数mj[i]に基づく実現可能山mjにより実現される。
列判定手段は、例えば、列判定部124により実現される。
列追加手段は、例えば、列追加部125により実現される。
双対最適解・最適値取得手段は、例えば、双対最適解・最適値取得部131により実現される。
閾値・仮想最適値設定手段は、例えば、閾値・仮想最適値設定部132により実現される。
最適列抽出手段は、例えば、最適列抽出部133により実現される。
部分問題最適値導出手段は、例えば、部分問題最適値導出部134により実現される。
実行可能解有無判定手段は、例えば、実行可能解有無判定部135により実現される。
最適値判定手段は、例えば、最適値判定部136により実現される。
閾値・仮想最適値更新手段は、例えば、閾値・仮想最適値更新部137により実現される。
出力手段は、例えば、出力部140により実現される。
山積み制約は、例えば、(16)式、(17)式により実現される。
原問題の目的関数は、例えば、(4)式により実現される。
双対解は、例えば、双対解psol[i]により実現される。
双対問題の目的関数は、例えば、(11)式により実現される。
閾値の初期値は、例えば、(27)式または(27´)式により表される。また、仮想最適値の初期値は、例えば、(28)式または(28´)式により表される。
実現可能山ごとの評価値は、例えば、列双対ギャップz[j]により実現される。
列列挙条件は、例えば、(23)式((29)式)または(23´)式により実現される。
部分問題は、例えば、部分問題P(TH)に対応し、原問題Pに対し(2)式のMj(i)⊆CのCを最適列候補列群CTHとした問題により実現される。
部分問題の目的関数は、例えば、(4)式により実現される。
<請求項2>
制約式は、例えば、(2)式の制約式により実現される。
目的関数は、例えば、(3)式により実現される。
実現可能山の列コストは、例えば、列コストcjにより実現され、実現可能山の数は、例えば、山数c1jにより実現され、逆転対の数は、例えば、逆転対数c2jにより実現される。
<請求項3>
制約式は、例えば、(9)式により実現される。
目的関数は、例えば、(11)式により実現される。
前記実現可能山に対する双対コストは、例えば、双対コストPjにより実現される((9)式の左辺も参照のこと)。
該鋼材と該実現可能山に対応する山構成鋼材有無変数は、例えば、山構成鋼材有無変数mj[i]により実現される。
双対変数は、例えば、p[i]により実現される。
<請求項4>
制約式は、例えば、(13)式〜(17)式により実現される。
目的関数は、例えば、(20)式により実現される。
鋼材上下関係変数は、例えば、y[i1][i2]により実現される。
Claims (9)
- 鉄鋼プロセスにおける工程間の置場として鋼材を配置するヤードに搬入される複数の鋼材を、所定の山積み制約を満たすように山積みして、次工程に払い出す最終的な山姿となった複数の払出山に山分けするための山分け計画を作成する問題を集合分割問題とし、当該集合分割問題を、列生成法を用いて解くことにより山分け計画を作成する鋼材の山分け計画作成装置であって、
前記鋼材を、前記山積み制約を満たす様に積んだ山である複数の実現可能山のそれぞれについて、当該実現可能山を解として採用する場合に「1」となり、当該実現可能山を解として採用しない場合に「0」となる0−1変数を決定変数として、当該実現可能山に対する前記鋼材の山立てについての評価値である列コストと、初期解として与えられた実現可能山の集合とを用いて、前記決定変数および前記列コストを含む目的関数の値が最小または最大になる前記決定変数を求めることにより、前記複数の鋼材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせを求める問題を原問題とし、
前記原問題の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題の最適解である双対解を導出する双対解導出手段と、
前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補である候補山を生成する列生成子問題の最適解を導出する列生成手段と、
前記列生成手段により導出された前記候補山が、収束要件を満足するか否かの判定である列判定を行う列判定手段と、
前記列判定手段により、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足しないと判定されると、前記列生成手段により生成された前記候補山を前記実現可能山の集合に追加する列追加手段と、
前記列判定手段により、前記列生成手段により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足すると判定されると、その時点で前記双対解導出手段により導出されている前記双対解である双対最適解と、当該双対最適解が得られたときの当該双対問題の目的関数の値である双対最適値とを取得する双対最適解・最適値取得手段と、
前記実現可能山を新たに抽出するための条件である閾値および仮想最適値であって、前記実現可能山ごとの評価値に対して設定される閾値の初期値と、抽出された当該実現可能山の前記原問題の最適解としての適否を判定する指標となる値である仮想最適値の初期値とを、前記双対最適値に基づいて設定する閾値・仮想最適値設定手段と、
前記閾値と前記実現可能山ごとの評価値とを用いて表現される列列挙条件を満たす前記実現可能山を抽出する最適列抽出手段と、
前記最適列抽出手段により抽出された前記実現可能山の集合に対する前記原問題の部分問題を解くことにより、前記複数の鋼材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせと、そのときの当該部分問題の目的関数の値である部分問題の最適値とを導出する部分問題最適値導出手段と、
前記部分問題最適値導出手段により前記部分問題の実行可能な解が導出されたか否かを判定する実行可能解有無判定手段と、
前記実行可能解有無判定手段により、前記部分問題の実行可能な解が導出されたと判定されると、前記部分問題最適値導出手段により導出された前記部分問題の最適値と、前記仮想最適値の現在値とに基づいて、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値となるか否かの判定である最適値判定を行う最適値判定手段と、
前記実行可能解有無判定手段により、前記部分問題の実行可能な解が導出されなかったと判定された場合と、前記最適値判定手段により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値にならないと判定された場合に、前記閾値の現在値と前記仮想最適値の現在値とを更新する閾値・仮想最適値更新手段と、
前記最適値判定手段により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値になると判定されると、当該部分問題の最適値に対応する前記実現可能山の組み合わせを示す情報を、前記原問題の最適解を示す情報として出力する出力手段と、を有し、
前記列判定手段は、前記双対解導出手段による前記双対解の導出と、前記列生成手段による前記列生成子問題の最適解の導出と、前記列判定と、前記列追加手段による前記候補山の追加と、を繰り返す収束計算を、前記収束要件を満足すると判定するまで実行し、
前記列生成子問題は、前記双対解と、前記山積み制約とを用いて、前記実現可能山の集合に追加する前記候補山を求める問題であり、
前記実現可能山ごとの評価値は、前記原問題の最適解と前記双対最適解との差を前記実現可能山ごとに評価した値であり、
前記最適列抽出手段による前記実現可能山の抽出と、前記部分問題最適値導出手段による前記部分問題の最適値の導出と、前記実行可能解有無判定手段による前記判定と、前記最適値判定とを繰り返す計算は、前記最適値判定手段により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値となると判定されるまで実行され、
前記部分問題は、前記列コストと、前記最適列抽出手段により抽出された前記実現可能山の集合とを用いて、前記決定変数および前記列コストを含む前記目的関数の値が最小または最大になるときの前記決定変数を求める問題であることを特徴とする鋼材の山分け計画作成装置。 - 前記原問題は、前記複数の鋼材のそれぞれについて、前記実現可能山の集合の中から、当該鋼材を含む前記実現可能山が必ず1つ選択されるという制約を表す制約式であって、前記決定変数を用いて表される制約式と、当該原問題の前記目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最小になる前記決定変数を決定する0−1整数計画問題であり、
前記原問題の前記目的関数は、前記実現可能山の集合に含まれる前記実現可能山の前記列コストの総和を求める目的関数であって、前記決定変数および前記実現可能山の列コストを用いて表される目的関数であり、
前記実現可能山の列コストは、当該実現可能山の数および逆転対の数を含み、
前記逆転対は、同一の前記実現可能山において前記ヤードへの到着順が早い方の前記鋼材が遅い方の前記鋼材よりも上に積まれる逆転の関係にある前記鋼材の対であることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の山分け計画作成装置。 - 前記双対問題は、前記実現可能山の集合に含まれる前記実現可能山のそれぞれのコストが、当該実現可能山に対する双対コスト以上であるという制約を表す制約式であって、当該実現可能山の列コスト、当該実現可能山に対応する山構成鋼材有無変数、および双対変数を用いて表される制約式と、当該双対問題の前記目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最大になる当該双対変数の値を前記双対解として決定する線形計画問題であり、
前記双対問題の目的関数は、前記複数の鋼材についての当該双対変数の総和を求める目的関数であって、当該双対変数を用いて表される目的関数であり、
前記双対変数は、前記鋼材毎に定められる変数であり、
前記実現可能山に対する双対コストは、前記鋼材に対する前記双対変数の値と、当該鋼材と当該実現可能山に対応する山構成鋼材有無変数との積の、前記複数の鋼材についての総和で表され、
前記山構成鋼材有無変数は、前記鋼材毎に定められる0−1変数であって、前記実現可能山に前記鋼材が含まれる場合に「1」となり、そうでない場合に「0」となる0−1変数であることを特徴とする請求項2に記載の鋼材の山分け計画作成装置。 - 前記列生成子問題は、前記山積み制約を表す制約式であって、前記山構成鋼材有無変数および鋼材上下関係変数を用いて表される制約式と、前記候補山となる前記実現可能山の列コストから、当該実現可能山に対する前記双対コストを減算した値を求める目的関数であって、前記双対変数、当該山構成鋼材有無変数、および当該鋼材上下関係変数を用いて表される目的関数と、を用いて、当該制約式を満足する範囲で当該目的関数の値が最小になる当該山構成鋼材有無変数および当該鋼材上下関係変数を決定する0−1整数計画問題であり、
前記鋼材上下関係変数は、2つの前記鋼材の組み合わせにより定まる0−1変数であって、同一の前記払出山における2つの前記鋼材の上下関係を表す0−1変数であることを特徴とする請求項3に記載の鋼材の山分け計画作成装置。 - 前記実現可能山ごとの評価値は、当該実現可能山の列コストと、当該実現可能山に対する前記双対コストであって、前記鋼材に対する前記双対変数の値が前記双対最適解であるときの前記双対コストとの差分であり、
前記列列挙条件は、前記実現可能山ごとの評価値が、前記閾値以下であるという条件であり、
前記最適値判定手段は、前記部分問題最適値導出手段により導出された前記部分問題の最適値が、前記仮想最適値の現在値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項3または4に記載の鋼材の山分け計画作成装置。 - 前記閾値・仮想最適値更新手段は、前記実行可能解有無判定手段により、前記部分問題の実行可能な解が導出されなかったと判定された場合と、前記最適値判定手段により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値にならないと判定された場合に、前記閾値の現在値と前記仮想最適値の現在値とを、前記原問題の目的関数の値の最小変動量だけ増加させることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の鋼材の山分け計画作成装置。
- 前記閾値・仮想最適値設定手段は、前記双対最適値以上の最小の整数値から前記双対最適値を減算した値を、前記閾値の初期値として設定すると共に、前記双対最適値以上の最小の整数値に1を加算した値を前記仮想最適値の初期値として設定することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の鋼材の山分け計画作成装置。
- 鉄鋼プロセスにおける工程間の置場として鋼材を配置するヤードに搬入される複数の鋼材を、所定の山積み制約を満たすように山積みして、次工程に払い出す最終的な山姿となった複数の払出山に山分けするための山分け計画を作成する問題を集合分割問題とし、当該集合分割問題を、列生成法を用いて解くことにより山分け計画を作成する鋼材の山分け計画作成方法であって、
前記鋼材を、前記山積み制約を満たす様に積んだ山である複数の実現可能山のそれぞれについて、当該実現可能山を解として採用する場合に「1」となり、当該実現可能山を解として採用しない場合に「0」となる0−1変数を決定変数として、当該実現可能山に対する前記鋼材の山立てについての評価値である列コストと、初期解として与えられた実現可能山の集合とを用いて、前記決定変数および前記列コストを含む目的関数の値が最小または最大になる前記決定変数を求めることにより、前記複数の鋼材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせを求める問題を原問題とし、
前記原問題の線形緩和問題を主問題とした場合の双対問題の最適解である双対解を導出する双対解導出工程と、
前記原問題の最適解を構成する実現可能山の候補である候補山を生成する列生成子問題の最適解を導出する列生成工程と、
前記列生成工程により導出された前記候補山が、収束要件を満足するか否かの判定である列判定を行う列判定工程と、
前記列判定工程により、前記列生成工程により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足しないと判定されると、前記列生成工程により生成された前記候補山を前記実現可能山の集合に追加する列追加工程と、
前記列判定工程により、前記列生成工程により導出された前記候補山が、前記収束要件を満足すると判定されると、その時点で前記双対解導出工程により導出されている前記双対解である双対最適解と、当該双対最適解が得られたときの当該双対問題の目的関数の値である双対最適値とを取得する双対最適解・最適値取得工程と、
前記実現可能山を新たに抽出するための条件である閾値および仮想最適値であって、前記実現可能山ごとの評価値に対して設定される閾値の初期値と、抽出された当該実現可能山の前記原問題の最適解としての適否を判定する指標となる値である仮想最適値の初期値とを、前記双対最適値に基づいて設定する閾値・仮想最適値設定工程と、
前記閾値と前記実現可能山ごとの評価値とを用いて表現される列列挙条件を満たす前記実現可能山を抽出する最適列抽出工程と、
前記最適列抽出工程により抽出された前記実現可能山の集合に対する前記原問題の部分問題を解くことにより、前記複数の鋼材を重複することなく且つ漏れなく含む前記実現可能山の最適な組み合わせと、そのときの当該部分問題の目的関数の値である部分問題の最適値とを導出する部分問題最適値導出工程と、
前記部分問題最適値導出工程により前記部分問題の実行可能な解が導出されたか否かを判定する実行可能解有無判定工程と、
前記実行可能解有無判定工程により、前記部分問題の実行可能な解が導出されたと判定されると、前記部分問題最適値導出工程により導出された前記部分問題の最適値と、前記仮想最適値の現在値とに基づいて、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値となるか否かの判定である最適値判定を行う最適値判定工程と、
前記実行可能解有無判定工程により、前記部分問題の実行可能な解が導出されなかったと判定された場合と、前記最適値判定工程により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値にならないと判定された場合に、前記閾値の現在値と前記仮想最適値の現在値とを更新する閾値・仮想最適値更新工程と、
前記最適値判定工程により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値になると判定されると、当該部分問題の最適値に対応する前記実現可能山の組み合わせを示す情報を、前記原問題の最適解を示す情報として出力する出力工程と、を有し、
前記列判定工程は、前記双対解導出工程による前記双対解の導出と、前記列生成工程による前記列生成子問題の最適解の導出と、前記列判定と、前記列追加工程による前記候補山の追加と、を繰り返す収束計算を、前記収束要件を満足すると判定するまで実行し、
前記列生成子問題は、前記双対解と、前記山積み制約とを用いて、前記実現可能山の集合に追加する前記候補山を求める問題であり、
前記実現可能山ごとの評価値は、前記原問題の最適解と前記双対最適解との差を前記実現可能山ごとに評価した値であり、
前記最適列抽出工程による前記実現可能山の抽出と、前記部分問題最適値導出工程による前記部分問題の最適値の導出と、前記実行可能解有無判定工程による前記判定と、前記最適値判定とを繰り返す計算は、前記最適値判定工程により、前記部分問題の最適値が前記原問題の最適値となると判定されるまで実行され、
前記部分問題は、前記列コストと、前記最適列抽出工程により抽出された前記実現可能山の集合とを用いて、前記決定変数および前記列コストを含む前記目的関数の値が最小または最大になるときの前記決定変数を求める問題であることを特徴とする鋼材の山分け計画作成方法。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の鋼材の山分け計画作成装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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