JP2015090023A - 支柱支持器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物において溝形鋼よりなる梁に対して組み付けるのに好適な支柱支持器具の実現を可能とする。
【解決手段】支柱支持器具13は、溝形鋼よりなる天井大梁12が躯体として用いられるユニット式建物においてその施工時に使用され、親綱を取り付けるための親綱支柱14を支持するものである。支柱支持器具13は、親綱支柱14が取り付けられてこれを支持する支持部21と、天井大梁12の上フランジ12bを上下から挟んだ状態で当該上フランジ12bに固定される固定部22と、天井大梁12において上フランジ12bの下方の溝部12d内に延び、天井大梁12のウエブ面に対して当接する当接部23と、を備えている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建物の施工時に用いる親綱支柱を支持するための支柱支持器具に関するものである。
建物の施工時において、高所作業の安全性を高めるべく、建物上方に延びる親綱支柱を立てるとともに、その親綱支柱に親綱を張ることが行われている。例えば建物の鋼材に親綱支柱を立てるために使用する支柱支持器具として、特許文献1に記載された技術が知られている。かかる技術では、H形鋼等よりなる梁のフランジを支持器具の開口部に挿し入れ、その状態で圧着ネジによる締め付けを行うことで、支持器具を梁のフランジに固定するものとしていた。
特開2007−284941号公報
しかしながら、上記のように梁のフランジに対して支持器具を固定する場合には、そのフランジに作用する力により変形等の不具合が生じることが懸念される。また、例えば板厚が比較的小さい鋼材に支持器具を取り付ける場合には、フランジが変形する等の不具合が生じやすくなることが懸念される。それゆえ、こうした不具合を解消するべく改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、建物において溝形鋼よりなる梁に対して組み付けるのに好適な支柱支持器具の実現を可能とすることを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成の符号を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
第1の発明は、
溝形鋼よりなる梁(12)が躯体として用いられる建物においてその施工時に使用され、親綱(15)を取り付けるための親綱支柱(14)を支持する支柱支持器具(13)であって、
前記親綱支柱が取り付けられてその親綱支柱を支持する支持部(21)と、
前記梁の上側フランジ(12b)を上下から挟んだ状態で当該上側フランジに固定される固定部(22)と、
前記梁において前記上側フランジの下方の溝部(12d)内に延び、前記梁のウエブ面に対して当接する当接部(23)と、
を備えることを特徴とする。
上記構成では、梁の上側フランジに対する固定と、梁のウエブ面に対する当接とにより、梁に対して支柱支持器具が取り付けられる構成とした。この場合、支柱支持器具の取り付け相手である梁には、支柱支持器具やその支柱支持器具に取り付けられる親綱支柱から荷重が作用し、その荷重を上側フランジだけで受けると、強度上の懸念が生じるが、上記構成によれば、荷重負担を上側フランジとウエブとで分担でき、強度上の懸念を解消できる。そのため、仮にフランジの板厚が比較的小さい鋼材が用いられる場合であっても、その鋼材に対しての支柱支持器具の取り付けが可能となる。その結果、建物において溝形鋼よりなる梁に対して組み付けるのに好適な支柱支持器具の実現が可能となる。
第2の発明は、前記当接部は、前記梁のウエブ面において上下方向の下側となる部分に当接するものであることを特徴とする。
梁のウエブでは、その上下方向において中央部分よりも端部付近の方が水平荷重に対する抗力が大きいと考えられる。この点、当接部を、梁のウエブ面において上下方向の下側となる部分(下端部付近)に当接させる構成としたため、ウエブ面に当接部が当接している状態でそのウエブ面における変形をより生じにくくすることができる。
また、梁のウエブ面における上端部付近でなく、下端部付近に当接部を当接させる構成としたため、固定部による固定箇所(梁の上側フランジ)と当接部による当接箇所(ウエブ下端部付近)との距離を極力大きくすることができ、支柱支持器具の梁取付状態における安定性を高めることができる。
第3の発明は、前記支持部は、上下方向に延び、前記親綱支柱が上方より挿し入れられる筒状体よりなり、前記当接部は、前記支持部の下端部から、前記ウエブ面において上下方向の下側となる当接位置に対して斜め下向きに延びるよう形成されるものであることを特徴とする。
上記構成の支柱支持器具では、支持部の上下長さを小さくすることができ、それによる重量軽減を図りつつ、さらに加えて梁のウエブにおける変形防止を図ることができるものとなる。
第4の発明は、前記固定部は、前記上側フランジに対する当該固定部の取付位置を規定する位置決め部(27b,27c)と、前記上側フランジを締め付け固定する締付手段(28)とを有し、前記当接部は、前記ウエブ面に当接する当接面を有する当接プレート(32)を有し、前記位置決め部により前記固定部の取付位置が規定され、かつ前記上側フランジが前記締付手段により締め付け固定されることで、前記当接プレートの当接面の全体が前記ウエブ面に当接した状態になるように構成されていることを特徴とする。
上記構成の支柱支持器具によれば、固定部の位置決め部により上側フランジに対する位置決めを行わせ、かつ上側フランジを締付手段により締め付け固定するという作業を行えば、当接プレートの当接面の全体がウエブ面に当接した状態になる。この場合、当接プレートの当接面の全体がウエブ面に当接した状態にすることは、支柱支持器具側からの梁に対する荷重による不具合(梁の変形等)を抑制する上で好ましいと言える。そして、かかる好ましい状態にする上において、簡易な作業が要求されるだけであるため(複雑な調整作業が強いられないため)、作業負担を考慮しても好適な構成であると言える。
第5の発明は、前記当接プレートは、前記梁の長手方向において前記固定部の幅寸法よりも大きい幅寸法を有していることを特徴とする。
上記構成では、梁の長手方向における当接プレートの幅寸法が、固定部の幅寸法よりも大きいため、梁のウエブ面に対して作用する水平力が広域に分散される。これにより、梁の変形等の不具合を抑制する上で好ましい構成を実現できる。
第6の発明は、前記支持部は、前記親綱支柱が上方より挿し入れられる筒状体よりなり、前記当接部は、前記支持部を挟んで設けられる一対の延出プレート(31)を有し、その一対の延出プレートが、前記支持部を貫通して設けられるボルト(33)により前記支持部に対して固定されており、前記ボルトは、前記支持部内に挿し入れられる前記親綱支柱の下端部を支える支柱支え部となっていることを特徴とする。
支持部に対してボルトにより当接部(延出プレート)が組み付けられる構成にしたため、例えば長期の使用等により支柱支持器具の一部に欠損が生じても、欠損部分の差し替えを容易に実施できる。また、ボルトが、親綱支柱の下端部を支える支柱支え部となっているため、これとは別に支柱支え部材を要することはなく、構成の簡素化を図る上でも好適であると言える。
第7の発明は、前記建物は、複数の建物ユニット(11)を組み合わせて構築されるユニット式建物であり、前記建物ユニットの天井大梁(12)として用いられる前記梁に対して取り付けられるものであることを特徴とする。
複数の建物ユニットを使用するユニット式建物の場合、工業化率を高める工夫が種々行われており、ユニット製造工場では、建物ユニットを構築する躯体(柱、天井大梁、床大梁)に対して天井面材や床面材の取り付けが行われ、その状態で建物ユニットが施工現場に輸送され、所定の据え付け場所に据え付けられる。かかる場合、建物の施工時(ユニット据え付け時)には、天井大梁に用いられる溝形鋼(C型溝形鋼)の上下のフランジのうち下側フランジの直下に天井面材が既に取り付けられていることが考えられるが、上記構成の支柱支持器具は、下側フランジを使わず、上側フランジとウエブとを利用して天井大梁に取り付けられるものであるため、工業化率の高いユニット式建物への適用に好都合であると言える。
建物施工現場で施工中の建物を示す略図。 溝形鋼を説明するための断面図。 支柱支持器具の構成を示す図。 支柱支持器具を建物ユニットの梁に取り付けた状態を示す図。 変形例において支柱支持器具の構成を示す図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、複数の建物ユニットを用いて構築される二階建てユニット式建物の施工時に、本発明の支柱支持器具を使用することとしており、まずは建物施工時における支柱支持器具の使用について概要を説明する。
図1は、建物施工現場で施工中の建物を示す略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図示の構成では、一階部分及び二階部分にそれぞれ4つの建物ユニット11を用いて建物本体が構築されることとしており、上下両階の建物ユニット11の設置が行われた状態となっている。
なお、建物ユニット11の構成は周知であるため、図示による説明は割愛するが、簡単に説明をしておく。建物ユニット11は、四隅の柱と、それら各柱の上端部を連結する天井大梁と、各柱の下端部を連結する床大梁とを有し、全体として直方体状に形成されている。柱は角形鋼を用いて構成され、各大梁はC型溝形鋼を用いて構成されており、これら柱及び各大梁により建物の躯体(構造体)が構築されている。そして、隣接する建物ユニット11の柱同士を連結部材(ドッキングプレート等)により連結することで一体の建物本体が構築されるようになっている。また、建物ユニット11は、工業化率を高めるべく、トラック等の輸送手段による輸送の妨げとならず、かつ現場施工が強いられない構成については極力工場付けにするようにしており、基本的に次のものは工場付けされるようになっている。つまり、ユニット床部には床小梁と床面材とが取り付けられ、ユニット天井部には天井小梁と天井面材とが取り付けられ、外壁部に該当する部位には外壁パネルが取り付けられる。
図2はC型溝形鋼よりなる天井大梁12を説明する縦断面図である。天井大梁12は、ウエブ12aと、その上端部及び下端部の上フランジ12b及び下フランジ12cとを有しており、上下のフランジ12b,12cの間が溝部12dとなっている。なお、天井大梁12としては一般に板厚が2〜6mm程度のC型溝形鋼が使用され、本実施形態では板厚が約3mmのC型溝形鋼を使用するものとしている。
ユニット式建物の施工時には、トラック等の輸送手段により施工現場に複数の建物ユニット11が輸送され、その建物ユニット11がクレーン等の吊り下げ移送手段により吊り下げ移送されることで、図示のとおり各建物ユニット11が配置される。
各建物ユニット11の設置後には、二階部分の建物ユニット11の天井大梁12に複数の支柱支持器具13が固定され、それら各支柱支持器具13に立設されるようにして親綱支柱14が取り付けられる。また、各親綱支柱14の間に親綱15が架け渡して設けられる。例えば、平面視における建物本体の四隅付近に支柱支持器具13と親綱支柱14とが設けられ、妻方向及び桁方向の少なくともいずれかにおける建物本体の各周縁部に沿って延びる向きで親綱15が張られるようになっている。
また一方で、作業者Pによる高所作業に際しては作業者Pに安全帯16が取り付けられ、その安全帯16の一端に設けられたフック17が親綱15に引っ掛けられる。これにより、万が一の場合の作業者Pの転落防止が図られている。作業者Pによる高所作業としては、隣り合う上階建物ユニット同士を連結する作業(ドッキング作業)、屋根パネルを下方より支持する束やブラケット(軒先ブラケット)を天井大梁上の各所に取り付ける作業(束立て作業)、クレーンにより吊り下げられる吊り具について荷掛けや荷外しを行う作業(玉掛け作業)等が挙げられる。
次に、支柱支持器具13の構成について詳述する。図3は、支柱支持器具13の構成を示す図面であり、図4は、支柱支持器具13を建物ユニット11の天井大梁12に取り付けた状態を示す図面である。図3では、図4に示す梁取り付けの状態を基準として、平面図を(a)とし、正面図を(b)としている。なお、図4において、天井大梁12のウエブ外側に取り付けられているのは、下地フレーム及び外壁面材よりなる外壁パネル41であり、下フランジ12cの下側に取り付けられているのは、石膏ボード等からなる天井面材42である。
図3に示すように、支柱支持器具13は大別して、親綱支柱14が取り付けられてこれを支持する支持部21と、天井大梁12の上フランジ12bを上下から挟んだ状態で当該上フランジ12bに固定される固定部22と、天井大梁12の溝部12d内に延び、天井大梁12のウエブ面に対して当接する当接部23と、を備えている。これら各部はいずれも鉄鋼材料により構成されている。
支持部21は、親綱支柱14を挿通可能な内径寸法を有する円筒状の管材よりなり、その中間部には、親綱支柱14に当接してこの親綱支柱14を固定する支柱固定ボルト24が取り付けられている。この場合、支柱固定ボルト24は、支持部21の外周部に固定されたナット部材25(ウエルドナット)に螺着され、回転により支持部21内における先端突出量が調整可能となっている。
固定部22は、支持部21の上端部に、その支持部21の長手方向(軸線方向)に直交する向きに延びるようにして固定されている。固定部22は、断面が略U字状をなすベースプレート26と、そのベースプレート26を側方から挟むようして設けられる一対の側方プレート27とを有している。一対の側方プレート27は、天井大梁12の上フランジ12bが挿入される挿入溝27aを有している。一対の側方プレート27において、挿入溝27aの底部となる溝面は上フランジ12bの下面が押し当てられるフランジ当たり面27b、挿入溝27aの最奥部は上フランジ12bの先端部が当たる先端当たり面27cとなっている。これら当たり面27b,27cが、上フランジ12bに対する固定部22の取付位置を規定する位置決め部に相当する。
また、ベースプレート26の上側の板部(すなわち挿入溝27aを挟んで上側の板部)にはネジ孔26aが形成されており、そのネジ孔26aには締付手段としての梁固定ボルト28が取り付けられている。この場合、梁固定ボルト28は回転により上下方向に移動可能であり、その移動により梁固定ボルト28の先端部と側方プレート27の挿入溝27aの底部(フランジ当たり面27b)との間の離間距離L1が調整されるようになっている。つまり、梁固定ボルト28の回転により、上フランジ12bに対して固定部22が締め付け固定される。なお、支持部21とベースプレート26と側方プレート27とは溶接により互いに強固に接合されている。
当接部23は、支持部21の下端部に、その支持部21の長手方向(軸線方向)に直交する向きに延びるようにして固定されている。この場合、当接部23は、水平方向において固定部22と同じ方向に延びるようにして設けられている。当接部23は、支持部21を挟んで設けられる、板材よりなる一対の延出プレート31と、その延出プレート31の先端部(支持部21とは反対側の端部)に固定される当接プレート32とを有している。延出プレート31は、ボルト33及びナット34により支持部21に対して上下2カ所で固定されている。ボルト33は支持部21内を貫通して設けられており、支持部21内に親綱支柱14が挿し入れられた場合には親綱支柱14の下端部がボルト33により支えられるようになっている。ボルト33が支柱支え部に相当する。
ここで、延出プレート31は、支持部21の下端部から斜め下方に延びる形状を有している。つまり、支持部21の下端部は、固定部22を上フランジ12bに取り付けた状態でウエブ12aの上下方向の略中央部に位置し、そのウエブ中央部とウエブ下端部との間で斜めに延びるようにして延出プレート31が構成されている。この場合、天井大梁12のウエブ12aにおいて上下方向中央部と下端部とを比べると、そのうち後者の方が、水平荷重に対する強度が大きいと考えられることから、延出プレート31を斜め下方に延ばす構成は天井大梁12の荷重負担を減らす上で有効であると言える。なお、支持部21の下端部をウエブ中央付近とした構成(支持部21を過剰に長くしていない構成)は、支柱支持器具13の重量軽減を図る上で有効であると考えられる。
当接プレート32は、互いに直交する2つの板部を有するアングル材(L型鋼)よりなり、一方の縦板部32aにより当接面としての鉛直面が形成され、他方の横板部32bにより水平面が形成されている。当接プレート32は、天井大梁12の長手方向において固定部22の幅寸法よりも大きい幅寸法を有しており、一対の延出プレート31よりも外方に延出するものとなっている(図3(a)参照)。これにより、天井大梁12のウエブ12aに対する当接面を形成する縦板部32aについて、ウエブ面に対する当接状態の安定感が強化されるようになっている。
支柱支持器具13は、図4に示すようにして天井大梁12に取り付けられる。この場合、支柱支持器具13の側方プレート27の挿入溝27aに天井大梁12の上フランジ12bを挿入し、それと同時に当接部23を天井大梁12の溝部12d内に配置する。これにより、当接プレート32の鉛直面がウエブ面に当接する。そして、固定部22の梁固定ボルト28について締め付け作業を行うことで、天井大梁12に対する支柱支持器具13の取り付けが完了する。
ここで、本実施形態の支柱支持器具13は、挿入溝27aの位置決め部(27b,27c)で固定部22が位置決めされ、かつ上フランジ12bが梁固定ボルト28により締め付け固定されることにより、当接プレート32の当接面(縦板部32aの鉛直面)の全体がウエブ面に当接した状態になるように構成されており、この点について補足する。
図4に示すように、固定部22において支持部21の中心線と側方プレート27の先端当たり面27cとの間の距離をL2、当接プレート32において支持部21の中心線から縦板部32aの鉛直面(当接面)までの距離をL3、天井大梁12のフランジ長さ(ウエブ内側面からの長さ)をL4とした場合、これらL2〜L4には、
L2=L3−L4
の関係が成立するようになっている。この場合、作業者が、挿入溝27aの最も奥まで上フランジ12bを挿入し、かつ当接部23を溝部12d内に配置し、その状態で梁固定ボルト28を締め付けるという作業を行うだけで、当接プレート32の当接面が鉛直方向に延びる向きとなり、その結果、当接プレート32の当接面の全体がウエブ面に当接した状態になるようになっている。こうして当接プレート32の当接面の全体がウエブ面に当接した状態にすることは、支柱支持器具13側からの天井大梁12に対する荷重による不具合(梁の変形等)を抑制する上で好ましいと言える。
そして、支柱支持器具13の取り付け後には、支持部21の筒内に親綱支柱14を挿し入れ、その状態で支柱固定ボルト24の締め付けを実施する。これにより親綱支柱14の取り付けが完了する。そしてさらに親綱15を張ることで、図1(b)に示すとおり建物本体の上部に転落防止用の安全設備を所望のとおりに構築できる。
なお本実施形態では、上記のとおり挿入溝27aの位置決め部(27b,27c)で支柱支持器具13の位置決めがなされ、かつ上フランジ12bが梁固定ボルト28により締め付け固定されることで、支持部21の長手方向(軸線方向)が概ね鉛直方向となるように構成されている。これにより、親綱支柱14の傾き(鉛直方向に対する傾き)が生じないようにしている。
ちなみに、親綱支柱14に親綱15が張られる方向は、支柱支持器具13が取り付けられる相手側の天井大梁12の長手方向に直交する向きであるとよい。これにより、親綱15から親綱支柱14に力が作用しても支柱支持器具13の位置ずれ、すなわち親綱支柱14の傾き(天井大梁12の長手方向への傾き)が生じにくいものとなる。図1で言えば、例えば、桁方向(図の左右方向)に親綱15を張る場合には、ユニット妻面に沿って延びる建物両サイドの天井大梁12(図の上下方向に延びる天井大梁12)に支柱支持器具13を設けるとよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
支柱支持器具13を、上フランジ12bに対する固定と、ウエブ面に対する当接とにより天井大梁12に対して取り付けられる構成を有するものとした。この場合、支柱支持器具13の取り付け相手である天井大梁12には、支柱支持器具13や親綱支柱14から荷重が作用し、その荷重を上フランジ12bだけで受けると、強度上の懸念が生じるが、上記構成によれば、荷重負担を上フランジ12bとウエブ12aとで分担でき、強度上の懸念を解消できる。そのため、仮に上フランジ12bの板厚が比較的小さい鋼材が用いられる場合であっても、その鋼材に対しての支柱支持器具13の取り付けが可能となる。その結果、建物において溝形鋼よりなる天井大梁12に対して組み付けるのに好適な支柱支持器具13の実現が可能となっている。
支柱支持器具13の当接部23を、天井大梁12のウエブ面において上下方向の下側となる部分(下端部付近)に当接させる構成とした。この場合、ウエブ面の各部における耐力の違いを考慮することで、ウエブ面に当接部23が当接している状態でのウエブ面の変形を生じにくくすることができる。
また、天井大梁12のウエブ面における上端部付近でなく、下端部付近に当接部23を当接させる構成としたため、固定部22による固定箇所(上フランジ12b)と当接部23による当接箇所(ウエブ下端部付近)との距離を極力大きくすることができ、支柱支持器具13の梁取付状態における安定性を高めることができる。
支持部21は、その下端部が当接部23の当接位置よりも上方に位置するものであり、当接部23は、支持部21の下端部からウエブ面において上下方向の下側となる当接位置に対して斜め下向きに延びるよう形成されるものとした。これにより、支柱支持器具13において、支持部21の上下長さを小さくすることで重量軽減を図りつつ、さらに加えて天井大梁12のウエブ12aにおける変形防止を図ることができる。
上記構成の支柱支持器具13によれば、作業者が、固定部22の位置決め部(27b,27c)により上フランジ12bに対する位置決めを行い、かつ梁固定ボルト28を締め付けるという作業を行えば、当接プレート32の当接面の全体がウエブ面に当接した状態になる。この場合、天井大梁12の変形防止を図りつつも、複雑な調整作業が強いられない構成を実現できる。
天井大梁12の長手方向における当接プレート32の幅寸法を、固定部22の幅寸法よりも大きくしたため、天井大梁12のウエブ面に対して作用する水平力が広域に分散される。これにより、天井大梁12の変形等の不具合を抑制する上で好ましい構成を実現できる。
支持部21に対してボルト33により当接部23(延出プレート31)が組み付けられる構成にしたため、例えば長期の使用等により支柱支持器具13の一部に欠損が生じても、欠損部分の差し替えを容易に実施できる。また、ボルト33が、親綱支柱14の下端部を支える支柱支え部となっているため、これとは別に支柱支え部材を要することはなく、構成の簡素化を図る上でも好適であると言える。
ユニット式建物の施工時(ユニット据え付け時)には、天井大梁12に用いられる溝形鋼(C型溝形鋼)の下フランジ12cの直下に天井面材42が既に取り付けられているが、上記構成の支柱支持器具13は、下フランジ12cを使わず、上フランジ12bとウエブ12aとを利用して天井大梁12に取り付けられるものである。そのため、天井面材42の存在にもかかわらず、天井大梁12に対して支柱支持器具13を取り付けることができ、工業化率の高いユニット式建物への適用に好都合であると言える。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・支柱支持器具13の構成を図5のように変更してもよい。図5の支柱支持器具13では、上述した図3の構成に比べて、固定部の構成と当接部の構成とが変更されている。図5に示す構成では、支柱支持器具13は、支持部51と固定部52と当接部53とを有している。固定部52は、断面が略U字状をなすベースプレート54を有し、そのベースプレート54の上側の板部に形成されたネジ孔54aには梁固定ボルト55が取り付けられている。本構成では、ベースプレート54の下側の板部の上面が、上フランジ12bの下面が押し当てられるフランジ当たり面54bであり、その下側の板部の上面には、上フランジ12bの先端部が当たる先端当たり面54cが形成された突起部が設けられている。これら当たり面54b,54cが、上フランジ12bに対する固定部52の取付位置を規定する位置決め部に相当する。なお、支持部51とベースプレート54とは溶接等により互いに強固に接合されている。
当接部53は、板材よりなる一対の延出プレート56と、その先端部に固定される当接プレート57とを有している。延出プレート56は、支持部51に形成されたスリット51a(支持部51の軸線方向に延びるスリット)に挿し入れられ、その状態で溶接等により固定されている。本構成では、延出プレート56が支柱支え部に相当する。当接プレート57は、板面が鉛直方向に延びる平板材よりなる。
図5の構成の支柱支持器具13においても、上記図3の構成の支柱支持器具13と同様に、建物において溝形鋼よりなる天井大梁12に対して組み付けるのに好適な支柱支持器具13の実現が可能となっている。
・支柱支持器具13の支持部21は円筒状の管材でなくてもよく、他の形態の筒状体よりなるものであってもよい。例えば角管状の管材でもよい。また、親綱支柱14と支持部21とがいずれも角管状の管材でもよい。
・上記実施形態では、上フランジ12bに対する固定部22の取付位置が位置決め部(27b、27c)により規定され、かつ当接部23が天井大梁12のウエブ面に当接した状態で、支持部21により支持された親綱支柱14の延びる向きが鉛直方向となるよう構成したが、これを変更し、親綱支柱14の延びる向きが鉛直方向以外であってもよい。例えば、図4に示す状態において図の右方向又は左方向に親綱支柱14が傾いている構成であってもよい。
・建物ユニット11の製造工場にて建物ユニット11に支柱支持器具13を組み付けておく構成としてもよい。つまり本構成では、建物ユニット11は支柱支持器具13を組み付けた状態で工場から施工現場に輸送される。この場合、建物ユニット11の天井大梁12に支柱支持器具13を取り付けた状態では、天井大梁12の上フランジ12bよりも上方に支柱支持器具13が突出するものとなるが、その突出量は大きくても数cm程度であり、多くの場合は建物ユニット11の輸送に支障が生じないと考えられる。
・上記実施形態では、ユニット式建物の施工時に用いる支柱支持器具13について説明したが、これに限定されず、他の工法の建物にも適用できる。例えば、鉄骨軸組工法で構築された建物において、溝形鋼としてのH型鋼よりなる梁に対して取り付けられる支柱支持器具として具体化することも可能である。
11…建物ユニット、12…天井大梁、12b…上フランジ(上側フランジ)、12d…溝部、13…支柱支持器具、14…親綱支柱、15…親綱、21…支持部、22…固定部、23…当接部、27b…フランジ当たり面(位置決め部)、27c…先端当たり面(位置決め部)、28…固定ボルト(締付手段)、31…延出プレート、32…当接プレート、33…ボルト、51…支持部、52…固定部、53…当接部。

Claims (7)

  1. 溝形鋼よりなる梁が躯体として用いられる建物においてその施工時に使用され、親綱を取り付けるための親綱支柱を支持する支柱支持器具であって、
    前記親綱支柱が取り付けられてその親綱支柱を支持する支持部と、
    前記梁の上側フランジを上下から挟んだ状態で当該上側フランジに固定される固定部と、
    前記梁において前記上側フランジの下方の溝部内に延び、前記梁のウエブ面に対して当接する当接部と、
    を備えることを特徴とする支柱支持器具。
  2. 前記当接部は、前記梁のウエブ面において上下方向の下側となる部分に当接するものであることを特徴とする請求項1に記載の支柱支持器具。
  3. 前記支持部は、上下方向に延び、前記親綱支柱が上方より挿し入れられる筒状体よりなり、
    前記当接部は、前記支持部の下端部から、前記ウエブ面において上下方向の下側となる当接位置に対して斜め下向きに延びるよう形成されるものであることを特徴とする請求項2に記載の支柱支持器具。
  4. 前記固定部は、前記上側フランジに対する当該固定部の取付位置を規定する位置決め部と、前記上側フランジを締め付け固定する締付手段とを有し、
    前記当接部は、前記ウエブ面に当接する当接面を有する当接プレートを有し、
    前記位置決め部により前記固定部の取付位置が規定され、かつ前記上側フランジが前記締付手段により締め付け固定されることで、前記当接プレートの当接面の全体が前記ウエブ面に当接した状態になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の支柱支持器具。
  5. 前記当接プレートは、前記梁の長手方向において前記固定部の幅寸法よりも大きい幅寸法を有していることを特徴とする請求項4に記載の支柱支持器具。
  6. 前記支持部は、前記親綱支柱が上方より挿し入れられる筒状体よりなり、
    前記当接部は、前記支持部を挟んで設けられる一対の延出プレートを有し、その一対の延出プレートが、前記支持部を貫通して設けられるボルトにより前記支持部に対して固定されており、
    前記ボルトは、前記支持部内に挿し入れられる前記親綱支柱の下端部を支える支柱支え部となっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の支柱支持器具。
  7. 前記建物は、複数の建物ユニットを組み合わせて構築されるユニット式建物であり、
    前記建物ユニットの天井大梁として用いられる前記梁に対して取り付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の支柱支持器具。
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