JP6417166B2 - 屋根の支持構造 - Google Patents
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しかしながら、上階を構成する複数の建物ユニットのうち、一部の建物ユニットの上にのみ小屋パネルを設置すると、当該小屋パネルの上面と小屋パネルが設置されていない建物ユニットの上面との間に高さのずれが生じる。このため、そのままでは屋根束を立設することができない。ここで、屋根束が小屋パネルの上面にのみ立設されるように当該屋根束の取付け位置を変更すると、上階を構成する全ての建物ユニットの上に小屋パネルが設置された場合や小屋パネルが全く設置されていない場合との間で屋根束の取付け位置を共通化できず、結果としてコストが増大する。
略直方体フレーム状に形成された複数の建物ユニット11、21を組み合わせてなる建物本体100Aの上部に設けられ、屋根5を支持する屋根の支持構造10であって、
前記複数の建物ユニット21のうち、一部の建物ユニット(例えば長建物ユニット211b)の上面に設置され、複数本の小屋梁31によって矩形枠状に形成された小屋パネル3と、
前記複数の建物ユニット21のうち、前記小屋パネル3が設置されていない建物ユニット21の柱213に支持される補助部材(例えば補助金具9)と、
前記小屋梁31と前記補助部材(例えば補助金具9)とに跨って取り付けられる第1屋根束41と、を備えており、
前記補助部材(例えば補助金具9)は、前記柱213の上に載置されて前記第1屋根束41を支持する本体部91と、前記柱213を有する建物ユニット21に取り付けられる取付部92と、を有しており、
前記本体部91の上面(例えばフランジ913の上面)は、前記小屋梁31と共に前記第1屋根束41を受ける前記補助部材(例えば補助金具9)の上面を構成しており、
前記取付部92は、前記本体部91の下端部に隣接して設けられ、当該取付部92の下面は、前記本体部91の下面(例えばフランジ912の下面)と共に前記補助部材(例えば補助金具9)の下面を構成しており、
前記本体部91の上面によって構成される前記上面よりも、前記本体部91の下面と前記取付部92の下面によって構成される前記下面の方が面積が広く設定され、
前記取付部92には、前記柱213を有する建物ユニット21に前記補助部材を取り付けるためのボルト82aが挿通される通し孔が形成され、
前記通し孔は、平面視において、前記本体部91の上面からずれた位置に形成されていることを特徴とする。
また、補助金具9を介して第1屋根束41を建物ユニット21の柱213に支持させることができるため、屋根束の安定性が増し、屋根5を安定的に支持することができる。
さらに、補助金具9が、柱213の上に載置されて第1屋根束41を支持する本体部91と、柱213を有する建物ユニット21に取り付けられる取付部92と、を有するため、補助金具9の取付部分を当該建物ユニット21の梁を避けて配置させることができる。
前記補助部材(例えば補助金具9)は、略台形箱状に形成されており、前記本体部91の両側端部と前記取付部92の両側端部にそれぞれ接合されて前記補助部材(例えば補助金具9)の両側面を構成する側面補強部94を有することを特徴とする。
前記補助部材(例えば補助金具9)の前記本体部91の上面は、前記小屋パネル3の上面と同一の高さに設定されていることを特徴とする。
前記補助部材(例えば補助金具9)は、前記小屋パネル3の隅部の近傍に設けられ、
前記第1屋根束41は、前記隅部と前記補助部材(例えば補助金具9)とに跨って取り付けられていることを特徴とする。
前記小屋梁31の外側面に取り付けられるブラケット7と、
前記小屋梁31と前記ブラケット7とに跨って取り付けられる第2屋根束42と、を更に備えることを特徴とする。
前記小屋パネル3は、前記小屋梁31のうち対向する2本の小屋梁(例えば長小屋梁31a、31b)の間に架け渡される中間梁32を有し、
前記ブラケット7は、前記小屋梁31のうち前記中間梁32が設けられた位置の外側に取り付けられていることを特徴とする。
図1は、本実施形態のユニット式建物100を概略的に示す斜視図である。
また、建物本体100Aの上階部2を構成する複数の建物ユニット21のうち一部の建物ユニット21の上面に小屋パネル3が設置されている。
具体的には、下階部1は、互いの長辺同士を対向させて所定方向に隣接させた3つの長建物ユニット111と、互いの長辺同士を対向させて当該所定方向に隣接させた3つの短建物ユニット112とを有している。
ここで、3つの長建物ユニット111が隣接される方向をX方向とし、水平方向において当該X方向に直交する方向をY方向とする。
3つの長建物ユニット111と3つの短建物ユニット112とが、短辺同士を対向させるようにしてY方向に隣接させて配置されている。
また、上階部2は、下階部1と略同様の構成をなし、3つの長建物ユニット211a〜211cと3つの短建物ユニット212a〜212cとを有している。そして、3つの長建物ユニット211a〜211cと3つの短建物ユニット212a〜211cとが、短辺同士を対向させるようにしてY方向に隣接させて配置されている。また、各建物ユニット21の上端面の隅部には、複数の建物ユニット21に跨るようにシアープレート22が設けられている(図4及び図6参照)。シアープレート22は、各建物ユニット21のダイヤフラム(図示略)に対してボルト締結により接合されている。これにより、各建物ユニット21が互いに連結されている。また、小屋パネル3は、金物23を介してシアープレート22に固定されている。
屋根の支持構造10は、建物本体100Aの上階部2を構成する複数の建物ユニット21のうち一部の建物ユニット21の上部に設置され、複数本の小屋梁31によって矩形枠状に形成された小屋パネル3と、建物本体100Aの上階部2を構成する複数の建物ユニット21のうち、小屋パネル3が設置されていない建物ユニット21の柱213に支持される補助金具(補助部材)9と、小屋梁31と補助金具9とに跨って取り付けられる第1屋根束41と、小屋梁31の外側面に取り付けられるブラケット7と、小屋梁31とブラケット7とに跨って取り付けられる第2屋根束42と、を備えて構成されている。
また、小屋パネル3は、平面視形状が長建物ユニット211bと略等しく形成されている。
このように構成される小屋パネル3は、ブラケット7及び補助金具9と共に、第1屋根束41及び第2屋根束42を支持する。
中間梁32は、一対の短小屋梁31c、31dと略等しい方向に延在する長尺な部材であり、対向する一対の長小屋梁31a、31bの各々の中間部同士に架け渡されている。
中間梁32の長手方向の両端部の各々には、ボルト85aが挿通される取付用通し孔(図示略)が2つ形成され、一対の長小屋梁31a、31bには、ボルト85aが挿通される通し孔(図示略)が2つ形成されている。中間梁32の各端部にて、2つの取付用通し孔が各長小屋梁31a、31bの2つの通し孔にそれぞれ重ね合わされ、ボルト85aが当該取付用通し孔及び当該通し孔に通されてナット85bに螺合している。このようにして、一対の長小屋梁31a、31bの内側面に中間梁32が締結されている。
なお、中間梁32は、1本又は3本以上設けられていても良いし、短小屋梁31c、31dの間に架け渡されて設けられていても良い。
図3は、補助金具9を示す斜視図である。図4(a)は、図2の小屋パネル3の破線Aで囲まれた部分を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す部分に第1屋根束41が取り付けられた状態を示す平面図である。また、図5(a)は、図4(b)のVa−Va線に沿った面から見た側面図であり、図5(b)は、図4(b)をVb−Vb線に沿った面から見た側面図である。また、図6(a)は、図2の小屋パネル3の破線Bで囲まれた部分を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す部分に第1屋根束41が取り付けられた状態を示す平面図である。なお、図4(b)及び図6(b)では、ボルト81aの図示を省略しており、図5では、シアープレート22の図示を省略している。
また、図2中の破線Aに示す位置に配置される補強金具9と、破線Bの位置に配置される補強金具9とは、本体部91の形状が互いに異なっているものとしたが、両者は同じ形状に形成されているものとしても良い。
取付部92の通し孔が建物ユニット21の通し孔に重ね合わされ、ボルト82aがそれらの通し孔に通されてナット82bに螺合している。これにより、取付部92が建物ユニット21に対して取り付けられて、補助金具9が建物ユニット21に対して固定されている。
このように、補助金具9が取付部92を有し、当該取付部92が建物ユニット21に取り付けられていることで、補助金具9を建物ユニット21の梁以外の位置に取り付けることができる。
なお、本体部91と取付部92とが溶接等により接合されていても良い。
なお、補助金具9が設けられる位置は、図1に示す例に限られるものではなく、小屋パネル3が設置されていない建物ユニット21のいずれかの上端面上であって当該建物ユニット21を構成する柱に支持されれば、いずれであっても良い。
図7(a)は、図2の小屋パネル3の破線Cで囲まれた部分を示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す部分に第2屋根束42が取り付けられた状態を示す平面図である。また、図8(a)は、図7(b)を矢印A方向から見た側面図であり、図8(b)は、図7(b)を矢印B方向から見た側面図である。なお、図7(b)では、ボルト84aの図示を省略している。
また、取付面部71の上端に連続して支持面部72が形成されている。
また、支持面部72のY方向両端部には、ボルト84aが挿通される束用通し孔72aが形成されている。
また、補助金具9を介して第1屋根束41を建物ユニット21の柱213に支持させることができるため、屋根束の安定性が増し、屋根5を安定的に支持することができる。
更に、小屋パネル3にブレースを設ける代わりに、当該小屋パネル3が載置されている建物ユニット21の天井側にブレースが設けられているものとしても良い。また、小屋パネル3が配設されていない建物ユニット21の天井側にも、ブレースが設けられているものとしても良い。
2 上階部
3 小屋パネル
4 屋根束
5 屋根
6 小屋裏空間
7 ブラケット
9 補助金具(補助部材)
10 屋根の支持構造
11、12 建物ユニット
22 シアープレート
23 金物
31 小屋梁
31a、31b 長小屋梁
31c、31d 短小屋梁
31e、31f 束用通し孔
32 中間梁
41 第1屋根束
42 第2屋根束
71 取付面部
71a 取付用通し孔
72 支持面部
72a 束用通し孔
73 補強用フレーム部
81a、82a、84a、85a ボルト
81b、82b、84b、85b ナット
91 本体部
92 取付部
93 補強部
93a 通し孔
94 側面補強部
100 ユニット式建物
100A 建物本体
111 長建物ユニット
112 短建物ユニット
211a、211b、211c 長建物ユニット
212a、212b、212c 短建物ユニット
213 柱
411 ベース部
411a 通し孔
412 本体部
421 ベース部
421a 通し孔
422 本体部
911 ウェブ
912、913 フランジ
913a 束用通し孔
Claims (6)
- 略直方体フレーム状に形成された複数の建物ユニットを組み合わせてなる建物本体の上部に設けられ、屋根を支持する屋根の支持構造であって、
前記複数の建物ユニットのうち、一部の建物ユニットの上面に設置され、複数本の小屋梁によって矩形枠状に形成された小屋パネルと、
前記複数の建物ユニットのうち、前記小屋パネルが設置されていない建物ユニットの柱に支持される補助部材と、
前記小屋梁と前記補助部材とに跨って取り付けられる第1屋根束と、を備えており、
前記補助部材は、前記柱の上に載置されて前記第1屋根束を支持する本体部と、前記柱を有する建物ユニットに取り付けられる取付部と、を有しており、
前記本体部の上面は、前記小屋梁と共に前記第1屋根束を受ける前記補助部材の上面を構成しており、
前記取付部は、前記本体部の下端部に隣接して設けられ、当該取付部の下面は、前記本体部の下面と共に前記補助部材の下面を構成しており、
前記本体部の上面によって構成される前記上面よりも、前記本体部の下面と前記取付部の下面によって構成される前記下面の方が面積が広く設定され、
前記取付部には、前記柱を有する建物ユニットに前記補助部材を取り付けるためのボルトが挿通される通し孔が形成され、
前記通し孔は、平面視において、前記本体部の上面からずれた位置に形成されていることを特徴とする屋根の支持構造。 - 請求項1に記載の屋根の支持構造において、
前記補助部材は、略台形箱状に形成されており、前記本体部の両側端部と前記取付部の両側端部にそれぞれ接合されて前記補助部材の両側面を構成する側面補強部を有することを特徴とする屋根の支持構造。 - 請求項1又は2に記載の屋根の支持構造であって、
前記補助部材の前記本体部の上面は、前記小屋パネルの上面と同一の高さに設定されていることを特徴とする屋根の支持構造。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の屋根の支持構造であって、
前記補助部材は、前記小屋パネルの隅部の近傍に設けられ、
前記第1屋根束は、前記隅部と前記補助部材とに跨って取り付けられていることを特徴とする屋根の支持構造。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の屋根の支持構造であって、
前記小屋梁の外側面に取り付けられるブラケットと、
前記小屋梁と前記ブラケットとに跨って取り付けられる第2屋根束と、を更に備えることを特徴とする屋根の支持構造。 - 請求項5に記載の屋根の支持構造であって、
前記小屋パネルは、前記小屋梁のうち対向する2本の小屋梁の間に架け渡される中間梁を有し、
前記ブラケットは、前記小屋梁のうち前記中間梁が設けられた位置の外側に取り付けられていることを特徴とする屋根の支持構造。
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