JP2015087509A - 光導波路の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンコアの形状崩れなどが抑制できる低温条件で形成した上部クラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにする。
【解決手段】平坦化された上部クラッド層104の上に酸化膜105を形成する。酸化膜105は、平坦な面に形成されるので、例えば、段差による脆弱な部分が発生しないなど、高品質な状態で形成される。このとき、既に形成されているコア131の形状崩れが抑制される温度条件の範囲で、酸化膜105を形成する。また、不純物がコア131へ拡散することが抑制される温度条件の範囲で、酸化膜105を形成する。
【選択図】 図1E

Description

本発明は、オプトエレクトロニクス分野、光通信分野において使用されている光導波路型フィルターなどの平面光回路において、SOI基板上に構築されるシリコンをコアとした光導波路の作製方法に関するものである。
シリコン基板の上に形成する光導波路を基本とする平面導波型光回路は、作製プロセスに半導体装置の製造技術を利用できるため、作製が容易であり、集積化および大規模化にも有利である。このため、上記平面導波型光回路は、光分岐,光スイッチ,波長フィルターなどの光通信のキー部品に広く利用されている。現在の光通信システムに導入されている平面導波路型光回路は、光導波路のコアおよびクラッドが、主に石英系材料で構成されている。
石英導波路は、コアとクラッドの比屈折率差が0.7〜1.5%程度の光導波路のため、波長1.5ミクロン程度の通信波長帯では、光導波路の曲げ半径は、数ミリメータオーダとなる。このため、石英導波路は、素子集積度をあげようとすると、光デバイスサイズが大きくなるという問題がある。
この問題を解消するために、近年、光デバイスの大幅な小型化,高集積化を目的に、光導波路のコアを石英からシリコンに置き換え、比屈折率差を非常に高くしたシリコン光導波路に基づく平面光回路の研究開発が活発になっている。シリコン光導波路は、光閉じ込めが強いため、曲げ半径を数ミクロンに小さくでき、光デバイスの大幅な小型化、高集積化が可能となる。さらには、シリコン光導波路による光回路は、材料と製造工程が整合するためシリコン電子回路と集積しやすく、光デバイスの高機能化を低コストで実現できるという利点もある。
ここで、シリコン光導波路に基づく平面導波型光回路の作製方法について、図4A〜図4Cを用いて簡単に説明する。まず、図4Aに示すように、シリコン基板401と、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層402と、単結晶シリコン層403とを備えるSOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。例えば、層厚1〜3μmの埋めみ絶縁層402と、層厚200〜300nm程度の単結晶シリコン層403とを備えるSOI基板であればよい。
次に、紫外光や電子線を用いたリソグラフィ技術およびエッチング技術により、単結晶シリコン層403をパターニングし、図4Bに示すように、埋め込み絶縁層402よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア431を形成する。シリコンコア431は、例えば、断面矩形であり、この寸法が、幅400nm,高さ200nm程度となるように形成する。
次に、図4Cに示すように、埋め込み絶縁層402の上に、酸化シリコン膜404を形成し、形成した酸化シリコン膜404でシリコンコア431を埋め込む。このようにして形成した酸化シリコン膜404が上部クラッド層となり、シリコン光導波路が完成する。
ここで、酸化シリコン膜404の形成では、既に形成されているシリコンコア431が、酸化されることで形状が崩れることなく、また、成膜前にコア周辺に注入した不純物がシリコンコア431に拡散しない温度条件で行うことが重要となる。例えば、石英導波路作製で実績のある火炎堆積法などの熱CVD法では、1000℃程度の高温プロセスのため、シリコンコア上の成膜プロセスには適用できない。このため、酸化シリコン膜404の形成には、プラズマCVD法が用いられることが多い。
プラズマCVD法は、300℃程度以下の低温で高品質な酸化膜が形成でき、LSI(Large Scale Integration)などの電子回路作製にも応用されている。しかしながら、コアの上にプラズマCVD法で酸化膜または酸窒化膜を堆積した場合、堆積したままの状態で使用すると、これより後のデバイス集積作製プロセスにおいて実施される薬液洗浄などの工程において、コアを覆って堆積した酸化膜に、コアの形状に縁に沿って侵食されたように損傷が発生するという問題がある。
このプラズマCVD法による堆積膜の損傷は、シリコンコア431などの段差を有するパターンの上に、膜が粘性流動しない低温条件のCVD法で酸化シリコン膜404を形成する場合、図5に示すように、段差構造の影響でコア上面縁部を基点とし、膜質が脆弱な領域である脆弱部501が形成されることが原因となる。脆弱部501は、他の領域に比較して薬品やガス耐性が低く、洗浄薬液やプロセスガスにより選択的に速くエッチングされるので、損傷となりやすい。
上述した段差構造に起因する脆弱部501の膜質改善のためには、酸化シリコン膜を成膜した後に、酸化シリコンの粘性流動が起こり始める高温条件、例えば1000℃で、酸化シリコン膜404(シリコン基板401)を加熱する処理を行うことが考えられる(特許文献1参照)。この処理により、酸化シリコン膜404を、後の洗浄工程等で膜の損傷が発生しない状態とし、この状態の酸化シリコン膜404を、シリコン光導波路の上部クラッドとしていた。この加熱処理は、シリコンコア431が酸化シリコン膜404で覆われた状他で実施されるため、シリコンコア431の形状が崩れるなどの問題は発生しない。
特許第4681644号公報
しかしながら、成膜後の1000℃程度の高温加熱処理により膜質を改善する上述した方法は、光導波路のみで構成される構造では問題ないが、デバイスの高機能,高性能化のために様々な光素子あるいは電気素子が1チップ内に集積されている場合、次のような不具合が生じ、使用できないという問題がある。
まず、高機能光デバイスでは、フィルターなどのパッシブな光導波路デバイスだけでなく、PIN構造を付加した光導波路からなる光強度変調デバイス、導波路結合型の受光用のPINフォトダイオードなど、アクティブデバイスが集積される。PINダイオード構造素子を集積するためには、シリコン光導波路の上部クラッド形成前に、シリコンコアやこの周辺に不純物が注入される。
このため、酸化シリコン膜あるいは酸窒化シリコン膜をプラズマCVD法でコア上に形成し、この後に1000℃程度の高温の加熱処理がなされると、加熱処理中に上記不純物が拡散し、PINダイオードデバイスの特性が劣化し、機能しなくなるという問題が発生する。また、高機能光デバイスでは、電気デバイスが作られた基板の上に光導波路デバイスをモノリシックに集積する場合がある。この場合においても、上部クラッド家形成における高温処理により、電気デバイスが壊れるという問題が発生する。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、PIN構造付加光デバイスあるいは電気デバイスなどとモノリシックに集積されるシリコン導波路において、シリコンコアの形状崩れなどが抑制できる低温条件で形成した上部クラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにすることを目的とする。
本発明に係る光導波路の作製方法は、酸化シリコンよりなる下部クラッド層の上にシリコンよりなるコアを形成する第1工程と、下部クラッド層の上に、コアを覆う酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる上部クラッド層を形成する第2工程と、上部クラッド層の表面を平坦化する第3工程と、上部クラッド層の上に酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる酸化膜を形成する第4工程とを備え、第2工程では、コアの形状崩れもしくはコアへの不純物拡散が抑制される温度条件の範囲で上部クラッド層を形成し、第4工程では、コアへの不純物拡散が抑制される温度条件の範囲で酸化膜を形成する。
上記光導波路の作製方法において、上部クラッド層および酸化膜は、プラズマCVD法により形成すればよい。特に、上部クラッド層および酸化膜は、ECRプラズマCVD法により形成するとよい。なお、酸化膜は、コアの上側のクラッドとして機能する。
以上説明したことにより、本発明によれば、PIN構造付加光デバイスあるいは電気デバイスなどとモノリシックに集積されるシリコン導波路において、シリコンコアの形状崩れなどが抑制できる低温条件で形成した上部クラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにすることができるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図1Dは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図1Eは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法で形成された光導波路の構成を示す断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Cは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Dは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Eは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Fは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Gは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Hは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Iは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図3Jは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図4Aは、光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図4Bは、光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図4Cは、光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。 図5は、光導波路の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について、図1A〜図1Eを用いて説明する。図1A〜図1Eは、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。
まず、図1Aに示すように、シリコン基板101上に、下部クラッド層102を介してシリコン層103が形成された状態とする。例えば、シリコン基部,酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層,および単結晶シリコンからなる表面シリコン層を備えるSOI(Silicon on Insulator)基板を用いればよい。例えば、層厚1〜3μmの埋めみ絶縁層と、層厚200〜300nm程度の表面シリコン層とを備えるSOI基板を用いればよい。埋め込み絶縁層が下部クラッド層102となる。
次に、公知のリソグラフィおよびエッチング技術によりシリコン層103をパターニングすることで、図1Bに示すように、下部クラッド層102の上に、シリコンよりなるコア131を形成する。例えば、コア131は、断面の形状が矩形であり、幅300〜600nm,高さ200〜400nm程度であればよい。
次に、例えば、よく知られたプラズマCVD法により酸化シリコンを堆積することで、図1Cに示すように、上部クラッド層104を形成する。例えば、層厚1〜1.5μm程度に上部クラッド層104を形成し、コア131が埋め込まれる状態とする。このとき、既に形成されているコア131の形状崩れが抑制される温度条件の範囲で、上部クラッド層104を形成する。また、このようなシリコンによるコア131を用いた光導波路では、不純物を導入している領域が形成されている場合がある。このような場合、上述した不純物がコア131へ拡散することが抑制される温度条件の範囲で、上部クラッド層104を形成する。
次に、例えば、よく知られた化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)法により、図1Dに示すように、上部クラッド層104の表面を平坦化する。前述したように、堆積して形成した上部クラッド層104の上面は、下部クラッド層102上に形成されているコア131の形状を反映し、段差が形成されている。この段差を解消するように、上部クラッド層104の表面を平坦化する。
次に、例えば、よく知られたプラズマCVD法により酸化シリコンを堆積することで、図1Eに示すように、平坦化された上部クラッド層104の上に酸化膜105を形成する。酸化膜105は、平坦な面に形成されるので、例えば、段差による脆弱な部分が発生しないなど、高品質な状態で形成される。
ここで、このようなシリコンによるコア131を用いた光導波路では、不純物を導入している領域が形成されている場合もあるので、このような不純物がコア131へ拡散することが抑制される温度条件の範囲で、酸化膜105を形成する。また、不純物がコア131へ拡散することが抑制される温度条件であれば、シリコン光導波路とモノリシックに集積される電気デバイスの破損も抑制できる。以上のことにより、コア131による光導波路が得られる。なお、この光導波路は、電気デバイスなどが作られた基板の上に、モノリシックに形成されるものである。
上述したように酸化膜105を形成することで、図2に示すように、上部クラッド層104に形成される脆弱部201が、高品質な酸化膜105で覆われることになる。脆弱部201は、下層の段差の影響を受けるなどにより発生した膜質が脆弱な領域である。この結果、後工程における様々な処理で用いられる薬品やガスに、脆弱部201が触れることがないため、損傷が発生することはない。
上部クラッド層104の上面を平坦にし、この後で酸化膜105を形成することで、粘性流動を起こさせるような高温の処理をせずに低温で成膜しただけの状態でも、薬品やガスに耐性が強い酸化膜105で、下層が保護できるようになる。このように、実施の形態1によれば、PIN構造付加光デバイスあるいは電気デバイスなどとモノリシックに集積されるシリコン導波路において、コア131の形状崩れなど抑制できる低温条件で形成した上部クラッド層104に、この後の工程において損傷が発生しないようにすることができる。なお、酸化膜105は、コア131の上部側のクラッドの一部として機能させることができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図3A〜図3Jを用いて説明する。図3A〜図3Jは、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法を説明する、各工程における状態を示す断面図である。
まず、図3Aに示すように、シリコン基板301の上に、下部クラッド層302を介してシリコン層303が形成された状態とする。例えば、シリコン基部,酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層,および単結晶シリコンからなる表面シリコン層を備えるSOI基板を用いればよい。例えば、層厚1〜3μmの埋めみ絶縁層と、層厚200〜300nm程度の表面シリコン層とを備えるSOI基板であればよい。埋め込み絶縁層が下部クラッド層302となる。また、この場合、シリコン層303は、単結晶シリコンから構成されるものとなる。
次に、図3Bに示すように、シリコン層303の上に酸化シリコン層304を形成し、酸化シリコン層304の上にレジスト層305を形成する。酸化シリコン層304は、例えば、SiH4およびO2をソースガスとしたよく知られたプラズマCVD法により形成できる。レジスト層305は、紫外線感光レジストや電子線感光レジストなどを、回転塗布法などにより塗布して形成すればよい。
次に、よく知られたフォトリソグラフィ技術もしくは電子線リソグラフィ技術によりレジスト層305をパターニングし、図3Cに示すように、酸化シリコン層304の上にレジストパターン351を形成する。レジストパターン351は、所定の方向に延在する短冊状に形成する。
例えば、レジスト層305が紫外線感光レジストである場合、紫外線露光装置を用いて所望の形状のパターンを露光してこの潜像を形成する。次いで、所定の現像液を用いて現像することで、潜像を出現させることでレジストパターン351が形成できる。また、レジスト層305が電子線感光レジストである場合、電子線露光装置を用いて所望の形状のパターンを露光してこの潜像を形成する。次いで、所定の現像液を用いて現像することで、潜像を出現させることでレジストパターン351が形成できる。なお、現像により形成したレジストパターン351は、例えば、300℃程度の加熱処理(ポストベーク)を施しておく。
次に、レジストパターン351をマスクとしたエッチングにより酸化シリコン層304を選択的に除去してパターニングし、図3Dに示すように、マスクパターン341を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で酸化シリコン層304をエッチングし、レジストパターン351の形状を酸化シリコン層304に転写することで、マスクパターン341を形成すればよい。
次に、レジストパターン351を除去した後、マスクパターン341をマスクとしてシリコン層303を選択的に除去してパターニングすることで、図3Eに示すように、単結晶シリコンよりなるコア331を形成する。例えば、塩素系またはフッ素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態でシリコン層303をエッチングし、マスクパターン341の形状を酸化シリコン層304に転写することで、コア331を形成すればよい。
このエッチングにおいては、加工するシリコン層303を元の厚さの1/4〜1/2程度残るように途中止めエッチングし、スラブ層332が残る状態とする。これにより、図3Eに示すように、下部クラッド層302の上に、リブ型のコア331が形成された状態が得られる。コア331の断面形状の幅は、例えば、300〜600nm程度に形成されればよい。
次に、フォトリソグラフィによるレジストパターン形成技術、およびレジストパターンをマスクとしたイオン注入技術によって、図3Fに示すように、コア331の一方の側方のスラブ層332に不純物のPイオンを注入して不純物領域361を形成し、コア331の他方の側方のスラブ層332に不純物のBイオンを注入して不純物領域362を形成する。なお、レジストを除去した後、加熱処理して不純物の活性化とシリコン欠陥回復を行う。図3Fは、レジストを除去して加熱処理をした後の状態を示している。この結果、コア131を挟んでPINダイオード構造が得られる。
次に、コア131およびスラブ層332の上に、酸化シリコンを堆積することで、図3Gに示すように、層厚1.5μm程度の上部クラッド層307を形成し、コア331が埋め込まれる状態とする。このとき、既に形成されているコア331の形状崩れが抑制される温度条件の範囲で、上部クラッド層307を形成する。また、前述したように、不純物領域361,不純物領域362を形成しているので、これらより不純物がコア331へ拡散し、当初の濃度が変化することが抑制される温度条件の範囲で、上部クラッド層307を形成する。例えば、CVD法で酸化シリコンを堆積する場合、熱酸化反応がコア331に生じず、かつ不純物拡散が無視できる400℃程度以下の温度条件とすることが望ましい。
ここで、低温条件による酸化シリコンの堆積は、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法により形成するとよい。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコンを堆積し、上部クラッド層307を形成すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで、酸化シリコンを堆積することができる。また、形成される上部クラッド層307は、屈折率が1.46程度となる。なお、ECRプラズマに限るものではなく、前述したように、コア331の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコンを堆積して上部クラッド層307を形成してもよい。
ここで、上述したように上部クラッド層307を形成すると、コア331の段差構造に起因して上部クラッド層307の上面に段差構造371が形成される。この段差構造371を除去し、図3Hに示すように、上部クラッド層307の表面を平坦化する。例えば、CMPあるいはバイアススパッタ法によって上部クラッド層307を加工することで、平坦化すればよい。例えば、段差構造371の高さの3倍以上の厚みを加工することで上部クラッド層307を平坦にできる。例えば、コア331の高さが200〜300nmであれば、上部クラッド層307を1μm程度加工すれば段差は解消される。
次に,図3Iに示すように、平坦化した上部クラッド層307の上に酸化シリコンからなる酸化膜308を形成する。このとき、酸化膜308の厚さは、平坦化した上部クラッド層307と合わせた全層厚が、シリコン光導波路の上部クラッドとして機能するように設定すればよい。例えば、酸化膜308は、厚さ1μm程度に形成すればよい。
酸化膜308の成膜では、成膜中に、不純物領域361および不純物領域362より不純物がコア331へ拡散するのが抑制される必要があり、上部クラッド層307の形成と同様に低温条件で行う。酸化膜308の成膜は、例えば、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法が適する。ECRプラズマCVD法は、適度のエネルギーを持ったイオンが成膜面に照射され、照射されるイオンのアシスト効果により、200℃程度以下の低温で緻密な高品質の酸化シリコン膜が形成できる。特に、段差構造のない平坦な面上にECRプラズマCVD法で酸化シリコン膜形成した場合、イオンが均等に膜に照射されるため、熱酸化膜に近い高品質の酸化シリコン膜が形成できる。
このように酸化膜308を形成するので、段差を起因として発生している上部クラッド層307の脆弱部が、高品質な酸化膜308で覆われるようになる。酸化膜308で覆われているため、脆弱部は薬品やガスに触れることがないため損傷が発生することはない。上部クラッド層307を平坦にし、この後でECRプラズマCVD法などにより酸化膜308を形成することで、高温処理せずに低温で成膜しただけの状態でも、薬品やガスに耐性が強い酸化シリコン膜で、コア331が覆われた状態が得られる。
次に、図3Jに示すように、コンタクトホール309は、不純物領域361,不純物領域362に到達するコンタクトホール309を形成する。例えば、公知のリソグラフィ技術により形成したレジストマスクパターンを用い、例えば、希弗酸などのエッチング液を用いてエッチング処理することで、コンタクトホール309が形成できる。コア331より発生している上部クラッド層307の脆弱部は、酸化膜308で覆われているため、上述した処理に追いても、エッチング液が脆弱部に接触することがなく、損傷が発生することがない。
この後、コンタクトホール309内にアルミニウムのなどの電極材料を充填するなどにより、コンタクトプラグなどを含む配線構造(不図示)を形成すれば、PIN構造付き光デバイスが完成する。なお、コア形状形成に用いたマスクパターン341は、除去せずに残しているが、これは、酸化シリコンから構成されたものであり、上部クラッドの一部として機能する。
以上に説明したように、実施の形態2によれば、低温条件のCVD法で形成した上部クラッド層307の段差構造を除去して平坦にし、この上に、ECRプラズマCVD法により低温でも緻密な酸化シリコンによる酸化膜308を形成した。この結果、コア331の不純物濃度や形状に変化を与えない酸化シリコン膜の低温形成と、他のデバイスとの集積プロセスにおいて必要となる洗浄工程や加工工程において損傷を受けない高品質シリコン酸化膜形成が両立でき、良好な高機能光集積デバイスが作製できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述した実施の形態では、上部クラッド層および酸化膜を酸化シリコンから構成する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、例えば、酸窒化シリコンから構成してもよい。また、酸化シリコンは、SiO2に限るものではなく、酸素の組成比が少ないSiOxでもよい。また、コアは、単結晶シリコンに限るものではなく、多結晶シリコン、アモルファスシリコンであってもよいことはいうまでもない。また、プラズマCVD法に限らず、スパッタ法でシリコン酸化膜を堆積しても同じ効果が得られる。
101…シリコン基板、102…下部クラッド層、103…シリコン層、104…上部クラッド層、105…酸化膜、131…コア、201…脆弱部。

Claims (4)

  1. 酸化シリコンよりなる下部クラッド層の上にシリコンよりなるコアを形成する第1工程と、
    前記下部クラッド層の上に、前記コアを覆う酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる上部クラッド層を形成する第2工程と、
    前記上部クラッド層の表面を平坦化する第3工程と、
    前記上部クラッド層の上に酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる酸化膜を形成する第4工程と
    を備え、
    前記第2工程では、前記コアの形状崩れもしくは前記コアへの不純物拡散が抑制される温度条件の範囲で前記上部クラッド層を形成し、
    前記第4工程では、前記コアへの不純物拡散が抑制される温度条件の範囲で前記酸化膜を形成する
    ことを特徴とする光導波路の作製方法。
  2. 請求項1記載の光導波路の作製方法において、
    前記上部クラッド層および前記酸化膜は、プラズマCVD法により形成することを特徴とする光導波路の作製方法。
  3. 請求項2記載の光導波路の作製方法において、
    前記上部クラッド層および前記酸化膜は、ECRプラズマCVD法により形成することを特徴とする光導波路の作製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の作製方法において、
    前記酸化膜は、前記コアの上側のクラッドとして機能することを特徴とする光導波路の作製方法。
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