JP5152874B2 - 光検出器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とがモノリシックに形成された光検出器の製造方法に関するものである。
シリコン基板の上に形成された光導波路を基本とする平面導波型光回路は、作製プロセスに半導体電子デバイスの製造技術を利用できるため、まず、作製が容易であり、また、集積化および大規模化にも有利であるなどの特徴を有している。このため、この平面導波型光回路は、光分岐,光スイッチ,波長フィルターなどの光通信のキー部品に広く利用されている。現在の光通信システムに導入されている一般的な平面導波路型光回路は、導波路のコアおよびクラッドが、主に石英系材料で構成されている(非特許文献1参照)。
一方、光デバイスの大幅な小型化、高集積化、さらにはシリコン電子素子との融合を目的に、近年、導波路のコアを石英からシリコンに置き換えて比屈折率差を非常に高くしたシリコン細線導波路の研究が活発になっている(非特許文献2参照)。シリコン細線導波路は光の閉じ込めが強いため、曲げ半径を数ミクロンと小さくでき、非常に微小な光デバイスを実現することが可能となる。また、シリコンは電子回路で広く使われている材料であり、シリコン細線導波路はCMOSプロセスで形成できることから、シリコン細線導波路を使うことで光回路と電子回路とを同一シリコン基板上に作製することも可能となる。さらにシリコン細線導波路はCMOSプロセスと親和性を持つゲルマニウム受光器とのモノリシック集積も可能である。シリコン細線導波路を用いることでオンチップ光−電子融合高機能デバイスの実現が期待されている。
光回路と電子回路を融合させるためには受光器の集積が不可欠であり、通信波長帯に感度を持つゲルマニウム受光器をシリコン細線導波路と集積させる試みが始まっている。一般的な、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とを同一基板上にモノリシック集積する作製方法を図5A〜図5E用いて説明する。
まず、図5Aに示すように、シリコン基板501と、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層502と、単結晶シリコン層503とを備えるSOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。次に、公知のリソグラフィ技術とエッチング技術により単結晶シリコン層503を選択的にエッチングし、図5Bに示すように、埋め込み絶縁層502よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア531およびシリコンコア532を形成する。ここで、シリコンコア532は、上部に光吸収層としてのゲルマニウム層が形成されて受光器(光検出器)となる部分である。
次に、シリコンコア532にイオン注入技術によりp型不純物を導入する。次に、図5Cに示すように、埋め込み絶縁層502の上に酸化シリコン膜506を形成し、形成した酸化シリコン膜506でシリコンコア531およびシリコンコア532が埋め込まれるようにする。この酸化シリコン膜506の形成は、例えば、プラズマCVD法が用いられる。
次に、図5Dに示すように、光検出部としたいシリコンコア532の上部領域の上部クラッド層となる酸化シリコン膜506に、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、開口部561を形成する。次に、開口部561の底部に露出したシリコンコア532の上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することで、図5Eに示すように、シリコンコア532の上にゲルマニウム層507を形成する。例えば、GeH4をソースガスとした熱CVD法により、シリコンコア532の露出している上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することができる。ゲルマニウム層507は、一部のシリコンコア532の上に形成する。
次に、ゲルマニウム層507の上層に、イオン注入によりn型不純物を導入し、ゲルマニウム層507を、シリコンコア532に接しているi型の層と、このi型の上のn型の層との2層構造とする。この後、酸化シリコン層を基板全体に堆積させ、また、ゲルマニウム層507の下層のp型とされているシリコンコア532とゲルマニウム層507の上層のn型の層との間に通電できるように電極を形成する。これらのことにより、n−i−pフォトダイオード構造からなるゲルマニウム受光器が、シリコン細線導波路と結合された状態で作製できる。
川内 正夫、「プレーナ光波回路デバイス」、電子情報通信学会論文誌、C−II、Vol.J81−C−II、No.6、pp.513−523、1998年。 T.Tsuchizawa, et al. ,"Microphotonics Devices Based on Silicon Microfabrication Technology", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol.11, no.1, pp.232-240, 2005. B.Cunningham et al. ,"Heteroepitaxial growth of Ge on (100) Si by ultrahigh vacuum chemical vapor deposition", Applied Physics Letters, vol.59, no.27, pp.3574-3576, 1991. 植松 真司、他、「新しい物理モデルに基づいたシリコン熱酸化のシミュレーション」、表面科学、vol.23、no.2、pp.104−110、2002年。
しかしながら、上述した作製方法で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成する場合、次に示すような問題が生じる。
ゲルマニウム成長させる方法として、酸化シリコン膜の上には成長させず、シリコン上にのみゲルマニウムを成長させる選択成長CVD法が知られている(非特許文献3)。この方法を利用することで、開口部561に露出しているシリコンコア532の上のみにゲルマニウム成長させることができる。これにより、酸化シリコン膜506に覆われているシリコンコア531にはゲルマニウムが成長しないようにすることが可能になる。
ここで、上述したようになゲルマニウム選択成長を良好に行うためには、マスクとして働く酸化シリコン膜506の膜質が重要となる。
一般に、高温反応を用いる熱酸化法または熱CVD法で形成された酸化シリコン膜は膜質が良いことが知られており、ゲルマニウム選択成長のマスクに適している。しかしこれらの方法では、酸化シリコン膜の形成中に酸化雰囲気となるため、基板上に形成されている構造物が酸化されることになる。構造物がシリコンコアである場合、酸化シリコン膜の形成中にシリコンコアが酸化されてしまい、シリコンコアの形状が崩れて屈折率が変化し、導波路としての機能を維持することができなくなるという問題がある。このため、シリコンコアの上に酸化シリコンを形成する場合、低温プロセスで行うことが重要となる。
ところが、図6に示すように、酸化シリコン膜506を低温CVDで形成すると、シリコンコア531による微小な段差があっても、この段差を基点として、膜が脆弱でエッチング耐性がない脆弱領域601が形成されてしまうという現象がある。このため、低温CVD法の膜でシリコンコアを覆いゲルマニウム選択成長のマスクとした場合、段差により形成された脆弱領域が、ゲルマニウム成長プロセス中にGeH4によって選択的にエッチングされて穴が開き、この下のシリコンコアが損傷し、また、シリコンコアにゲルマニウムが付着するなどの問題が発生する。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコン導波路に対する損傷が抑制された状態で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光検出器の製造方法は、酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコンからなるシリコンコアを形成する第1工程と、一部のシリコンコアに第1導電型の不純物を導入して第1導電型領域を形成する第2工程と、シリコンコアの表面を熱酸化することで、シリコンコアの表面に熱酸化膜を形成する第3工程と、下部クラッド層の上に熱酸化膜が形成されたシリコンコアを覆うように酸化シリコンおよび酸窒化シリコンより選択された材料から構成された上部クラッド層を形成する第4工程と、シリコンコアの第1導電型領域の一部が露出する開口部を上部クラッド層および熱酸化膜に形成する第5工程と、第1導電型領域の露出部に接してゲルマニウム層を選択的に形成する第6工程と、ゲルマニウム層の上層に第2導電型の不純物を導入して第2導電型領域を形成し、第1導電型領域,ゲルマニウム層,および第2導電型領域より構成されたゲルマニウム受光器を形成する第7工程とを少なくとも備え、上部クラッド層は、シリコンコアの熱酸化が抑制される温度条件の範囲で形成する。
上記光検出器の製造方法において、第2工程における第1導電型領域の活性化のための加熱処理と、第3工程における熱酸化のための加熱処理とを、同一の装置内で連続的に行うようにしてもよい。また、上部クラッド層は、CVD法で形成すればよい。この場合、CVD法は、ECRプラズマCVD法であるとよい。
以上説明したように、本発明によれば、シリコンコアの表面に熱酸化膜を形成し、この上に上部クラッド層を形成した後で、シリコンコアの一部の第1導電型領域の露出部に接してゲルマニウム層を選択的に形成するようにしたので、シリコン導波路に対する損傷が抑制された状態で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成できるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本実施の形態における光検出器の製造方法を他の例を説明するための断面図である。 本実施の形態における光検出器の製造方法に形成した光検出器の顕微鏡写真である。 実施の形態の製造方法によるゲルマニウム受光器の電流電圧特性を、導波路に光を入射した場合としない場合とで比較した結果を示す特性図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 膜が脆弱でエッチング耐性がない脆弱領域601を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1A〜図1Kは、本発明の実施の形態における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。
まず、図1Aに示すように、シリコン基板101上に酸化シリコン層102とシリコン層(表面シリコン層:SOI層)103とが積層された基板(SOI基板)を用意する。例えば、酸化シリコン層102は、層厚1〜4μm程度とされ、シリコン層103は、層厚200−300nm程度とされている。
次に、図1Bに示すように、シリコン層103の上に酸化シリコン層104を形成し、酸化シリコン層104の上にレジスト層105を形成する。例えば、SiH4およびO2をソースガスとしたよく知られたプラズマCVD法により、酸化シリコン層104が形成できる。また、紫外線感光レジストや電子線感光レジストなどを、回転塗布法などにより塗布することで、レジスト層105が形成できる。
次に、よく知られたリソグラフィ技術によりレジスト層105をパターニングし、図1Cに示すように、酸化シリコン層104の上に、レジストパターン151およびレジストパターン152を形成する。例えば、レジスト層105が紫外線感光レジストである場合、紫外線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン151およびレジストパターン152が形成できる。また、レジスト層105が電子線感光レジストである場合、電子線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン151およびレジストパターン152が形成できる。
次に、レジストパターン151およびレジストパターン152をマスクとして酸化シリコン層104を選択的に除去し、図1Dに示すように、マスクパターン141およびマスクパターン142を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で酸化シリコン層104をエッチングし、レジストパターン151およびレジストパターン152の形状を酸化シリコン層104に転写すれば、マスクパターン141およびマスクパターン142が形成できる。
次に、レジストパターン151およびレジストパターン152を除去した後、図1Eに示すように、マスクパターン141およびマスクパターン142をマスクとしてシリコン層103を選択的に除去し、シリコンコア131およびシリコンコア132を形成する。例えば、塩素系またはフッ素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態でシリコン層103をエッチングし、マスクパターン141およびマスクパターン142の形状を酸化シリコン層104に転写すれば、シリコンコア131およびシリコンコア132が形成できる。シリコンコア131,シリコンコア132は、例えば、断面の形状が、幅300〜600nm,高さ200〜300nm程度に形成されればよい。
この後、マスクパターン141およびマスクパターン142を除去することで、図1Fに示すように、酸化シリコン層102よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア131およびシリコンコア132が形成された状態が得られる。ここで、シリコンコア132は、上部に光吸収層としてのゲルマニウム層が形成されて受光器(光検出器)となる部分である。
なお、マスクパターン141,142の除去は、例えば、濃度1%程度の薄いフッ酸溶液によるウエットエッチにより行えばよい。このとき、下層の酸化シリコン層102もある程度エッチングされる。マスクパターン141,142はシリコンコア131,132のエッチング後には数十nmと薄くなっているので、マスクパターン141,142のエッチングにおいて、酸化シリコン層102も厚さ数十nm程度エッチングされる。しかしながら、この程度の量であれば、酸化シリコン層102がエッチングされても影響はない。
次に、よく知られたリソグラフィ技術により基板上に、一部のシリコンコア132が露出するレジストマスクを形成し、これをマスクにしたイオン注入技術により、一部のシリコンコア132にp型不純物を導入し、図1Gに示すように、酸化シリコン層102の上に、p型シリコンコア(第1導電型領域)132aを形成する。p型シリコンコア132aは、光検出部とする領域である。なお、図示されていないが、他の領域においては、p型シリコンコア132aに連続してシリコンコア132が形成されている。
次に、酸素雰囲気で、900℃・10分程度の条件で加熱処理することで、図1Hに示すように、層厚5nm程度の薄い熱酸化膜107,107aを、シリコンコア131およびp型シリコンコア132aに形成する。なお、図示されていないが、他の領域においては、p型シリコンコア132aに連続するシリコンコア132の表面にも、酸化膜が形成される。
この程度の酸化であれば、シリコンからなるコアの形状を崩すことはなく、屈折率への影響はほとんどない。このようにして、酸化膜を形成した後、イオン注入したp型不純物の活性化および拡散のための熱処理を900℃〜1000℃程度の温度条件で行う。熱酸化による薄い酸化膜の形成とp型不純物の活性化熱処理とは、別々に行ってもよいが、ほぼ同じ温度の処理になるので、同じ装置内で酸素ガスと窒素ガスを切り替えることで連続的に行うと効率的である。熱酸化による薄い酸化膜の形成およびp型不純物の活性化熱処理の順序は、入れ替わってもよい。
次に、酸化シリコン層102の上に酸化シリコン膜106を形成し、形成した酸化シリコン膜106でシリコンコア131およびp型シリコンコア132a(シリコンコア132)が埋め込まれるようにする。酸化シリコン膜106は、上部クラッドとなる。
酸化シリコン膜106の形成は、既に形成されているシリコンコア131およびp型シリコンコア132a(シリコンコア132)が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン膜106をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア131およびp型シリコンコア132a(シリコンコア132)に生じない範囲の温度で行う。
一般に、シリコンの酸化プロセスは、800−1200℃ で行われている(非特許文献4参照)ので、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン膜106を形成する場合、少なくとも800℃ よりも低い温度を条件とすることが重要となる。この条件においても、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃ 以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、低温での酸化シリコン膜106形成は、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法により形成することができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスおよびO2ガスを1:2程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコンを堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/min程度で、酸化シリコン膜106を形成することができる。また、形成される酸化シリコン膜106は、屈折率が1.46程度となる。なお、本実施の形態においても、前述したように、シリコンコア131およびp型シリコンコア132a(シリコンコア132)の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン膜106を形成してもよい。
次に、図1Iに示すように、酸化シリコン膜106および熱酸化膜107aに、p型シリコンコア132aにまで貫通する開口部161を形成する。例えば、公知のフォトリソグラフィ技術により、該当部に開口部を有するマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして酸化シリコン膜106を選択的にエッチング除去することで、開口部161が形成できる。開口部161を形成した後に、上記マスクパターンは除去する。
次に、開口部161の底部に露出したp型シリコンコア132aの上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することで、図1Jに示すように、一部のp型シリコンコア132aの上にゲルマニウム層108を形成する。例えば、GeH4をソースガスとしたCVD法により、基板温度600℃の条件でゲルマニウムを堆積することで、p型シリコンコア132aの露出している上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することができる。ゲルマニウム層108は、層厚1μm程度とすればよい。
次に、よく知られたリソグラフィ技術でゲルマニウム層108の上面以外の部分にマスクを形成し、ゲルマニウム層108の上層のみにイオンインプラ技術を用いてn型不純物を導入し、n型ゲルマニウム層(第2導電型領域)108aを形成する。この結果、p型シリコンコア132a−ゲルマニウム層108−n型ゲルマニウム層108aにより、いわゆるpin構造が形成される。
次に、図1Kに示すように、まず、ECRCVD法などにより酸化シリコン膜109を形成する。酸化シリコン膜109は、ゲルマニウム層108,n型ゲルマニウム層108aを覆うように形成する。次に、酸化シリコン膜109に、n型ゲルマニウム層108aにまで到達する貫通孔および、p型シリコンコア132aにまで貫通する貫通孔を形成し、これら貫通孔に導電性材料を充填することで、電極111,112を形成する。電極111は、p型シリコンコア132aに接続し、電極112は、n型ゲルマニウム層108aに接続する。これらのプロセスにより、p型シリコンコア132a,ゲルマニウム層108,およびn型ゲルマニウム層108aより構成されたゲルマニウム受光器を備える光検出器が、シリコン細線導波路と共に形成される。
なお、上述した説明ではシリコン導波路として図2の(a)に示すようなチャネル型のシリコン細線導波路を例に作製方法を説明したが、これに限るものではない。例えば、図2の(b)に示すようなリブ型のシリコン細線導波路でも同様な方法で作製することができる。
シリコンコア131を覆うように形成される酸化シリコン膜106はシリコンコア131の段差形状をほぼそのまま引き継ぐ。このため、実際には、図2の(a)に示すようにシリコンコア131と同じ程度の100nmから300nmの段差形状が表面に形成された状態となる。しかし、シリコンコア131を熱酸化膜107で覆った後であれば、下地の組成が同じ酸化シリコンとなるので低温CVDによる酸化シリコン膜の形成において、段差があっても図6を用いて説明したような脆弱な部分ができにくい。
また、たとえ段差をもとに脆弱領域が形成され、ゲルマニウム膜形成工程で形成された脆弱領域が選択的にエッチングされても、高い膜質の熱酸化膜によって守られているため、シリコンコアに損傷が入り、また、ゲルマニウムが付着するなどのことが抑制されるようになる。
従って、以上に説明した本実施の形態によれば、シリコン導波路デバイスの優れた特性を維持したまま、ゲルマニウム光受光器と集積させることができるようになる。
なお、シリコンコアの断面サイズとして数100nm角のシリコン細線導波路で作製方法を説明したが、数μm角のサイズが大きいコア形状のシリコン導波路でもこの作製方法を使うことで特性のよい導波路デバイスとゲルマニウム光受光器の集積が実現できる。
図3は、上述した実施の形態の製造方法により、シリコン導波路(Si wire WG)の一部のシリコンコア上にゲルマニウム層を形成したゲルマニウム受光器(Ge-PD)近傍の光学顕微鏡写真である。ゲルマニウム層がシリコンコアの所望の部分に選択的に形成できていることがわかる。また、シリコンコアも損傷無く形成できていることがわかる。
図4は、上述した実施の形態の製造方法によるゲルマニウム受光器の電流電圧特性を、導波路に光を入射した場合としない場合とで比較したものである。光を入射しない場合(b)、逆電圧を印加したときにゲルマニウム受光器から得られる電流(暗電流)は60nAと非常に小さい値を示した。暗電流が小さいことは、作製された光検出器が微弱な光も検出できる高い検出感度を持っていることを示している。
一方、導波路の片端から光ファイバーを使って光を導入した場合(a)は、ゲルマニウム受光器からの電流が約3桁以上増加している。入射した光が導波路を伝わってゲルマニウム受光器に到達し、これによって光検出器で大きい光電流が発生したことを示している。
図3,4の結果から、本実施の形態によれば、ゲルマニウム受光器を作製集積してもシリコン導波路が傷むことがなくなったので、導波路の導波する光が損失することなくゲルマニウム受光器に到達し、かつゲルマニウム受光器が感度よくその光を検出できていることが確認された。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、シリコンコアを薄い熱酸化シリコン膜と低温CVDによる酸化シリコン膜の2層構造で覆ってゲルマニウム選択成長のマスクとすることにしたので、ゲルマニウム成長工程においてシリコンコアに損傷が発生し、またゲルマニウムが付着するなどの問題が発生しない。このため、ゲルマニウム受光器との集積プロセスにおいても、シリコンコアよりなる光導波路が損傷を受けることなく、また、導波路特性を損ねることなく、良好な集積でバイスが作製できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。
例えば、上述の実施の形態では、CVD法で酸化シリコン膜を堆積して上部クラッド層を形成する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、クラッド層として酸窒化シリコン膜を用いることもできる。SiH4,O2ガスにN2を追加したガスを用いることで、酸化シリコン膜の場合と同じ方法を使って低温で酸窒化シリコン膜を堆積できる。
また、CVD法に限らず、スパッタ法で堆積することで、上部クラッド層を形成する場合についても、本発明が適用可能である。スパッタ法によっても、シリコンコアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜を形成することができる。また、コアは、単結晶シリコンに限るものではなく、多結晶シリコン、アモルファスシリコンであってもよいことはいうまでもない。また、上述では、一部のシリコンコア132をp型シリコンコア132aとし、また、一部のゲルマニウム層108をn型ゲルマニウム層108aとしたが、一部のシリコンコア132をn型シリコンコアとし、また、一部のゲルマニウム層108のp型ゲルマニウム層としてもよい。
101…シリコン基板、102…酸化シリコン層、103…シリコン層、104…酸化シリコン層、105…レジスト層、106…酸化シリコン膜、107,107a…熱酸化膜、108…ゲルマニウム層、109…酸化シリコン膜、111,112…電極、131,132…シリコンコア、132a…p型シリコンコア、141,142…マスクパターン、151,152…レジストパターン。

Claims (4)

  1. 酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコンからなるシリコンコアを形成する第1工程と、
    一部の前記シリコンコアに第1導電型の不純物を導入して第1導電型領域を形成する第2工程と、
    前記シリコンコアの表面を熱酸化することで、前記シリコンコアの表面に熱酸化膜を形成する第3工程と、
    前記下部クラッド層の上に前記熱酸化膜が形成された前記シリコンコアを覆うように酸化シリコンおよび酸窒化シリコンより選択された材料から構成された上部クラッド層を形成する第4工程と、
    前記シリコンコアの前記第1導電型領域の一部が露出する開口部を前記上部クラッド層および前記熱酸化膜に形成する第5工程と、
    前記第1導電型領域の露出部に接してゲルマニウム層を選択的に形成する第6工程と、
    前記ゲルマニウム層の上層に第2導電型の不純物を導入して第2導電型領域を形成し、前記第1導電型領域,前記ゲルマニウム層,および前記第2導電型領域より構成されたゲルマニウム受光器を形成する第7工程と
    を少なくとも備え、
    前記上部クラッド層は、前記シリコンコアの熱酸化が抑制される温度条件の範囲で形成する
    ことを特徴とする光検出器の製造方法。
  2. 請求項1記載の光検出器の製造方法において、
    前記第2工程における第1導電型領域の活性化のための加熱処理と、前記第3工程における熱酸化のための加熱処理とを、同一の装置内で連続的に行うことを特徴とする光検出器の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の光検出器の製造方法において、
    前記上部クラッド層は、CVD法で形成することを特徴とする光検出器の製造方法。
  4. 請求項3記載の光検出器の製造方法において、
    前記CVD法は、ECRプラズマCVD法であることを特徴とする光検出器の製造方法。
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