JP5204059B2 - 光検出器の製造方法 - Google Patents

光検出器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5204059B2
JP5204059B2 JP2009204525A JP2009204525A JP5204059B2 JP 5204059 B2 JP5204059 B2 JP 5204059B2 JP 2009204525 A JP2009204525 A JP 2009204525A JP 2009204525 A JP2009204525 A JP 2009204525A JP 5204059 B2 JP5204059 B2 JP 5204059B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
silicon
germanium
forming
photodetector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009204525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011053593A (ja
Inventor
泰 土澤
俊文 渡辺
浩治 山田
聖一 板橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2009204525A priority Critical patent/JP5204059B2/ja
Publication of JP2011053593A publication Critical patent/JP2011053593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5204059B2 publication Critical patent/JP5204059B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とがモノリシックに形成された光検出器の製造方法に関するものである。
シリコン基板の上に形成された光導波路を基本とする平面導波型光回路は、作製プロセスに半導体装置の製造技術を利用できるため、まず、作製が容易であり、また、集積化および大規模化にも有利であるなどの特徴を有している。このため、この平面導波型光回路は、光分岐,光スイッチ,波長フィルターなどの光通信のキー部品に広く利用されている。現在の光通信システムに導入されている一般的な平面導波路型光回路は、導波路のコアおよびクラッドが、主に石英系材料で構成されている(非特許文献1参照)。
一方、光デバイスの大幅な小型化、高集積化、さらにはシリコン電子素子との融合を目的に、近年、導波路のコアを石英からシリコンに置き換えて比屈折率差を非常に高くしたシリコン細線導波路の研究が活発になっている(非特許文献2参照)。シリコン細線導波路は光の閉じ込めが強いため、曲げ半径を数ミクロンと小さくでき、非常に微小な光デバイスを実現することが可能となる。また、シリコンは電子回路で広く使われている材料であり、シリコン細線導波路はCMOSプロセスで形成できることから、シリコン細線導波路を使うことで光回路と電子回路と同一シリコン基板上に作製することも可能となる。さらにシリコン細線導波路はCMOSプロセスと親和性を持つゲルマニウム受光器とのモノリシック集積も可能である。シリコン細線導波路を用いることでオンチップ光−電子融合高機能デバイスの実現が期待されている。
光回路と電子回路を融合させるためには受光器の集積が不可欠であり、通信波長帯に感度を持つゲルマニウム受光器をシリコン細線導波路と集積させる試みが始まっている。一般的な、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とを同一基板上にモノリシック集積する作製方法を図8A〜図8E用いて説明する。
まず、図8Aに示すように、シリコン基板801と、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層802と、単結晶シリコン層803とを備えるSOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。次に、公知のリソグラフィ技術とエッチング技術により単結晶シリコン層803を選択的にエッチングし、図8Bに示すように、埋め込み絶縁層802よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア831およびシリコンコア832を形成する。ここで、シリコンコア832は、上部に光吸収層としてのゲルマニウム層が形成されて検出器となる部分である。
次に、シリコンコア832にイオン注入技術によりp型不純物を導入する。次に、図8Cに示すように、埋め込み絶縁層802の上に酸化シリコン膜806を形成し、形成した酸化シリコン膜806でシリコンコア831およびシリコンコア832が埋め込まれるようにする。この酸化シリコン膜806の形成は、例えば、プラズマCVD法が用いられる。
次に、図8Dに示すように、光検出部としたいシリコンコア832の上部領域の上部クラッド層となる酸化シリコン膜806に、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチング技術により、開口部861を形成する。次に、開口部861の底部に露出したシリコンコア832の上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することで、図8Eに示すように、シリコンコア832の上にゲルマニウム層807を形成する。例えば、GeH4をソースガスとした熱CVD法により、シリコンコア832の露出している上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することができる。ゲルマニウム層807は、一部のシリコンコア832の上に形成する。
次に、ゲルマニウム層807の上層に、イオン注入によりn型不純物を導入し、ゲルマニウム層807を、シリコンコア832に接しているi型の層と、このi型の上のn型の層との2層構造とする。この後、酸化シリコン層を基板全体に堆積させ、また、ゲルマニウム層807の下層のp型とされているシリコンコア832とゲルマニウム層807の上層のn型の層との間に通電できるように電極を形成する。これらのことにより、n−i−pフォトダイオード構造からなるゲルマニウム受光器が、シリコン細線導波路と結合された状態で作製できる。
川内 正夫、「プレーナ光波回路デバイス」、電子情報通信学会論文誌、C−II、Vol.J81−C−II、No.6、pp.513−523、1998年。 T.Tsuchizawa, et al. ,"Microphotonics Devices Based on Silicon Microfabrication Technology", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol.11, no.1, pp.232-240, 2005. 植松 真司、他、「新しい物理モデルに基づいたシリコン熱酸化のシミュレーション」、表面科学、vol.23、no.2、pp.104−110、2002年。
しかしながら、上述した作製方法で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成する場合、次に示すような問題が生じる。まず、シリコンコアを形成した後で高温下での熱CVDによるゲルマニウム膜成長工程を行うと、ゲルマニウムの成長で用いるガスに還元性があるため、ゲルマニウム膜成長工程中に導波路の上部クラッドである酸化シリコン膜806が損傷しやすい状態となる。また、酸化シリコン膜806に一部でも弱いところがあると、当該箇所にゲルマニウム成長プロセスガスが侵入してシリコンコアにゲルマニウムが付着するなど、シリコン細線導波路が損傷を受けることがある。このように損傷を受けると、導波路の伝搬損失が増加し、また、導波路デバイスの特性が低下するなどの問題が発生する。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコン導波路に対する損傷が抑制された状態で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光検出器の製造方法は、酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコン層を備える基板のシリコン層の一部に第1導電型の不純物が導入された第1導電型シリコン層を形成する工程と、第1導電型シリコン層の上にゲルマニウムからなるゲルマニウム層を形成する工程と、ゲルマニウム層の上に第2導電型の半導体層を形成し、第1導電型シリコン層,ゲルマニウム層,および第2導電型の半導体層より構成されたゲルマニウム受光器を形成する工程と、シリコン層をパターニングして一端が第1導電型シリコン層に接続するコアを形成する工程と、コアを覆う上部クラッド層を形成する工程とを少なくとも備え、コアの形成は、ゲルマニウム層を形成した後に行う。
上記光検出器の製造方法において、シリコン層の上に第1導電型シリコン層の上部に開口部を有するマスクパターンを形成し、マスクパターンをマスクとして第1導電型シリコン層の上に選択的にゲルマニウムを堆積してゲルマニウム層を形成する。また、シリコン層の上にゲルマニウムを堆積してゲルマニウム膜を形成し、ゲルマニウム膜をパターニングして第1導電型シリコン層の上にゲルマニウムからなるゲルマニウム層を形成する
上記光検出器の製造方法において、酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンをコアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で堆積することで上部クラッド層を形成するとよい。また、酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンの堆積は、ECRプラズマCVD法で行うとよい。
上記光検出器の製造方法において、第2導電型の半導体層は、シリコンもしくはゲルマニウム層の上層から構成すればよい。第2導電型の半導体層は、シリコンから構成する場合、ゲルマニウム層を形成した直後にゲルマニウム層の上に、第2導電型の半導体層を形成すればよい。また、第2導電型の半導体層は、ゲルマニウム層の上層から構成する場合、ゲルマニウム層を形成した直後にゲルマニウム層の上に、絶縁材料もしくはシリコンからなる保護層を形成すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、ゲルマニウム層を形成した後で、コアおよびコアを覆う上部クラッド層を形成するので、シリコン導波路に対する損傷が抑制された状態で、シリコン細線導波路とゲルマニウム受光器とをモノリシックに形成できるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための平面図である。 チャネル型導波路の構成を模式的に示す断面図である。 リブ型の導波路の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の方法で作製した集積デバイスの一例の平面を示す写真である。 図4に示した集積デバイスに波長1560nmの光を入射し、可変光減衰器への注入電流を変えることで変化させた光強度を、チップ内部のゲルマニウム受光器とチップ外のパワーメータとで検出して比較した結果を示す特性図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態2における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態3における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態3における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態3における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態3における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態3における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。 光検出器の製造方法を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1A〜図1Jは、本発明の実施の形態1における光検出器の製造方法を説明するための工程図である。
まず、図1Aに示すように、シリコン基板101上に酸化シリコン層102とシリコン層(表面シリコン層:SOI層)103とが積層された基板(SOI基板)を用意する。例えば、酸化シリコン層102は、層厚1〜3μm程度とされ、シリコン層103は、層厚150−300nm程度とされている。
次に、よく知られたリソグラフィ技術により酸化シリコン層103の上にレジストパターン121を形成する。レジストパターン121は、開口部122を備える。このレジストパターン121をマスクとし、イオン注入技術によりシリコン層103に選択的にp型不純物を導入し、図1Bに示すように、シリコン層103の一部にp型シリコン層132を形成する。
次に、レジストパターン121を除去した後、図1Cに示すように、シリコン層103の上に酸化シリコン層104を形成し、酸化シリコン層104の上にレジスト層105を形成する。次に、よく知られたフォトリソグラフィ技術によりレジスト層105をパターニングし、図1Dに示すように、酸化シリコン層104の上にレジストパターン151を形成する。レジストパターン151は、p型シリコン層132の一部領域に対応する開口部152を備える。
次いで、レジストパターン151をマスクとして酸化シリコン層104を選択的に除去(エッチング)し、図1Dに示すように、開口部181を形成し、この領域でシリコン層132の表面を露出させる。酸化シリコン層104の選択的な除去は例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチング(ドライエッチング)、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチング、ドライとウエットの組み合わせたエッチングなどを用いることができる。だたし、このエッチング処理で、シリコン層103が傷まないように注意する必要がある。開口部181の平面形状は、縦5〜20μm程度、横5〜100μm程度の矩形である。
次に、レジストパターン151を除去した後、図1Eに示すように、開口部181の底部に露出したp型シリコン層132の上に、選択的にゲルマニウム層107を層厚0.3〜1μm程度に形成する。言い換えると、開口部181を備える酸化シリコン層104をマスクパターンとして選択的にゲルマニウムを堆積する。例えば、基板温度を600℃程度に加熱してGeH4をソースガスとした熱CVD法に基づくエピタキシャル成長によってゲルマニウムを堆積すればよい。この結晶成長により、露出したp型シリコン層132の上に選択的にゲルマニウムを堆積することができる。形成するゲルマニウム層107としては、欠陥の少ない単結晶ゲルマニウムを用いた方が、ゲルマニウム受光器を構成するときの暗電流を小さくできるので望ましいが、多結晶ゲルマニウムでも構わない。
次に、図1Fに示すように、ゲルマニウム層107を保護するための保護層110を形成する。例えば、熱CVD法により膜厚20〜50nm程度にアモルファスシリコンを堆積することで、保護層110を形成すればよい。
次に、よく知られたリソグラフィ技術により、ゲルマニウム層107に対応する領域の保護層110の上にレジストパターン161を形成する。レジストパターン161は、ゲルマニウム層107の領域より広い面積に形成する。次いで、レジストパターン161をマスクにして、保護層110および酸化シリコン層104を選択的にエッチングすることで、図1Gに示すように、ゲルマニウム層107の上に保護層111が配置され、ゲルマニウム層107の側部が、残った酸化シリコン層104で覆われた状態とする。保護層111は、ゲルマニウム層107が形成された後で行われる基板洗浄工程で用いられる薬品から、ゲルマニウム層107を保護する機能を担う。従って、保護層111(保護層110)は、ゲルマニウム層107が形成された直後に配置(形成)されていることが重要となる。本実施の形態では、保護層111(保護層110)は、シリコン層である。また、p型シリコン層132に対応する領域以外のシリコン層103の表面が露出した状態とする。
例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いたドライエッチングを途中まで行うことで、保護層110および酸化シリコン層104の一部までを選択的にエッチング除去し、次いで、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチングにより、残っている酸化シリコン層104を選択的に除去すればよい。これらの処理によれば、シリコン層103にはドライエッチングにおけるプラズマが照射されることがなく、シリコン層103を傷めることがない。
この後、よく知られたアッシングや洗浄などの処理でレジストパターン161を除去する。この段階で、図2Aの平面図に示すように、シリコン層103上の一部のp型シリコン層132の上にゲルマニウム層107が形成された状態が得られる。なお、図1A〜図1Jは、図2Aおよび図2BのYY’線の断面を模式的に示している。ここで、図2Aでは、保護層111を示していないが、ゲルマニウム層107の上には、保護層111が形成されている。
次に、よく知られたリソグラフィ技術とエッチング技術を利用した従来と同様な作製方法を用いてシリコン層103をパターニングすることで、図1Hに示すように、シリコンコア131を形成する。なお、p型シリコン層132は、このまま残るようにする。ここで、シリコンコア131は、一部がゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132に接触するように形成する(図2B参照)。また、接触していなくても、微小な間隙を持って配置してもよい。これにより、シリコンコア131よりなる導波路を伝搬する光を、ゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132を通じてゲルマニウム層107に吸収させることができる。なお、シリコンコア131の断面サイズは、幅300〜600nm、高さ100〜300nm程度であればよい。
次に、図1Iに示すように、酸化シリコン層102の上に酸化シリコン層106を形成し、酸化シリコン層106により、シリコンコア131およびp型シリコン層132,ゲルマニウム層107,保護層111などを備えるゲルマニウム受光器の部分が埋め込まれるようにする。酸化シリコン層106は、シリコンコア131の上部クラッドとなり、これにより、シリコン導波路が形成された状態が得られる。
酸化シリコン層106の形成では、既に形成されているシリコンコア131が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン層106をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア131に生じない範囲の温度で行う。一般に、シリコンの酸化プロセスは、800〜1200℃で行われている(非特許文献3参照)。従って、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン層106を形成する場合、少なくとも800℃よりも低い温度を条件とすることが重要となる。また、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、低温での酸化シリコン層106形成には、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法を用いることができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコン層106を堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで酸化シリコン層106を形成することができる。従って、シリコンコア131の酸化を抑制することができる。形成される酸化シリコン層106は、屈折率が1.46程度となる。なお、ECRプラズマに限るものではなく、前述したように、シリコンコア131の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン層106を形成してもよい。
次に、リソグラフィ技術とエッチング技術により、保護層111に到達する貫通孔を形成する。次いで、よく知られたイオンインプラ技術により、上記貫通孔の形成に用いたマスクパターンを用い、貫通孔に露出した部分より保護層111にn型不純物を導入する。この処理により、保護層111をn型の半導体層とすることができ、p型シリコン層132−ゲルマニウム層107−保護層111よりなるp−i−nフォトダイオード構造のゲルマニウム受光器が形成されたことになる。この場合、不純物を導入していないゲルマニウム層107が、i型のゲルマニウム層となる。
なお、p型シリコン層132の代わりに、イオン注入技術により選択的にn型不純物を導入したn型シリコン層とし、この上に、上述同様にゲルマニウム層107および保護層111を形成してもよい。この場合、保護層111にp型不純物を導入すれば、n型シリコン層−ゲルマニウム層107−保護層111よりなるn−i−pフォトダイオード構造が得られる。この場合も、ゲルマニウム層107が、i型のゲルマニウム層となる。
また、保護層111は、必要なものではなく、保護層111を形成しない構成としてもよい。後述するように、ゲルマニウム層107を用いたPinフォトダイオード構造のゲルマニウム受光器が得られればよい。言い換えると、ゲルマニウム層107もしくはゲルマニウム層の一部を中心とし、この層が、シリコン層103で構成された第1導電型シリコン層と、第2導電型の半導体層とで挟まれていればよい。上述した保護層111は、第2導電型の半導体層に相当する。
また、保護層111を用いずに、ゲルマニウム層107の上層に不純物を導入して第2導電型の半導体層としてもよい。この場合、不純物が導入されないゲルマニウム層107の下層が、i型のゲルマニウム層となる。例えば、ゲルマニウム層107の下のシリコン層にp型もしくはn型の不純物を導入しておき、ゲルマニウム層107の上部にn型もしくはp形の不純物を導入すればよい。このようにすることで、「p型もしくはn型のシリコン層−ゲルマニウム層107の下層のi型領域−ゲルマニウム層107の上層のn型もしくはp型領域」による、いわゆるPinフォトダイオード構造が得られる。この構成は、第1導電型シリコン層の上にi型のゲルマニウム層および第2導電型のゲルマニウム層(半導体層)が形成されていることになる。
上述したように、保護層111に到達する貫通孔を形成して不純物を導入し、また、マスクパターンを除去した後、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術により、p型シリコン層132に到達する貫通孔を酸化シリコン層106に形成する。次いで、用いたマスクパターンを除去した後、形成した各貫通孔に充填するように金属層を形成し、この金属層をパターニングすることで、図1Jに示すように、保護層111(ゲルマニウム層107)に接続する電極141およびp型シリコン層132に接続する電極142を形成する。これにより、シリコンコア131よりなるシリコン細線導波路と連結された縦型のn−i−pフォトダイオード構造を持つゲルマニウム受光器を備える光検出器が完成する。
なお、上述したように、保護層111を用いずに「p型もしくはn型のシリコン層−ゲルマニウム層107の下層のi型領域−ゲルマニウム層107の上層のn型もしくはp型領域」によるPin型フォトダイオード構造とした場合、まず、ゲルマニウム層107の上層のn型もしくはp型領域に到達する貫通孔を酸化シリコン層106に形成する。この後、ゲルマニウム層107の上層に接続するように電極141を形成すればよい。
以上に説明した作製方法では、図2Bの平面図に示すように、酸化シリコン層102(シリコン基板101:図示せず)の上のゲルマニウム受光器となる領域に、先にゲルマニウム層107を形成し、この後でシリコンコア131よりなるシリコン導波路、シリコン導波路機能デバイス211および2分岐素子212などを形成するようにした。従って、ゲルマニウム層107の形成工程では、シリコン導波路のシリコンコア131やクラッドとなる酸化シリコン層106は形成されていない。このため、シリコン導波路に損傷を与えることがない。このように、本実施の形態によれば、シリコン導波路デバイスの優れた特性を維持したまま、ゲルマニウム受光器と集積させることが可能になる。
上述した実施の形態では、シリコンコアを、図3Aに示すようなチャネル型の導波路を例に作製方法を説明した。図3Aに示すように、チャネル型の導波路では、まず、基板301の上に下部クラッド層302を形成し、下部クラッド層303の上に、断面矩形のコア303を形成し、コア303を埋め込むように上部クラッド層305を形成している。なお、下部クラッド層に溝を形成し、この溝にコアを形成してもよい。
これに対し、リブ型の導波路では、図3Bに示すように、まず、基板301の上に下部クラッド層302を形成し、この上に,スラブ層314を備えるリブ型のコア313を形成し、この上に上部クラッド層315を形成している。本発明は、上述したチャネル型の導波路に限らず、図3Bに示すようなリブ型の導波路にも適用可能である。
また、上述した実施の形態では、断面サイズとして数100nm角のシリコン細線コアを用いる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、数μm角のサイズが大きい従来型のシリコンコアを用いた導波路でも、上述した実施の形態による製造方法により、特性のよい導波路デバイスとゲルマニウム受光器とが集積した光検出器が実現できる。
図4は、本発明の方法で作製した集積デバイスの例として、電流注入型のシリコン可変光減衰器、2分岐素子、ゲルマニウム受光器が集積されたデバイス(光検出器)の光顕微鏡写真を示す。この集積デバイスのサイズは、1.2×0.3mm程度であり、導波路を構成しているコアは、断面寸法が600×200nmである。また、このデバイスは、導波路をリブ型のコアから構成しており、スラブ層の層厚は100nmとしている。可変光減衰器とゲルマニウム受光器の特性を評価できるように、可変光減衰器とゲルマニウム受光器との間に多モード干渉型(MMI)の2分岐素子を配置し、可変光減衰器からの光を分けてチップ外の光ファイバーにも取り出せる構成としている。
図5は、上述した集積デバイスに波長1560nmの光を入射し、可変光減衰器への注入電流を変えることで変化させた光強度を、チップ内部のゲルマニウム受光器とチップ外のパワーメータとで検出し、比較した結果ある。黒四角がチップ外のパワーメータで検出した光パワーの変化を示している。また、黒丸が、ゲルマニウム受光器で検出した光電流の変化を示している。ゲルマニウム受光器で検出した光電流と、外部のパワーメータで検出した光パワーの変化がよく一致していることがわかる。これは、可変光減衰器でのキャリア注入による光強度減衰をゲルマニウム受光器が正しくモニターしていることを示しており、本発明の方法でモノリシックに作製したシリコン可変光減衰器とゲルマニウム受光器が、同時に良好に動作していることが確認された。
[実施の形態2]
次に、本発明における実施の形態2における光検出器の製造方法について説明する。まず、図6Aに示すように、シリコン基板101上に酸化シリコン層102とシリコン層103とが積層された基板を用意する。例えば、酸化シリコン層102は、層厚1−3μm程度とされ、シリコン層103は、層厚150−300nm程度とされている。
次に、よく知られたリソグラフィ技術により酸化シリコン層103の上にレジストパターン121を形成する。レジストパターン121は、開口部122を備える。このレジストパターン121をマスクとし、イオン注入技術によりシリコン層103に選択的にp型不純物を導入し、図6Bに示すように、シリコン層103の一部にp型シリコン層132を形成する。
次に、レジストパターン121を除去した後、図6Cに示すように、p型シリコン層132を含むシリコン層103の上に、ゲルマニウム層605を形成する。形成するゲルマニウム層605としては、欠陥の少ない単結晶ゲルマニウムが光検出器としたときの暗電流を小さくできるので望ましいが、多結晶ゲルマニウムでも構わない。
次に、図6Dに示すように、ゲルマニウム層605の上に保護層610を形成する。例えば、熱CVD法により膜厚20〜50nm程度にアモルファスシリコンを堆積することで、保護層610を形成すればよい。次に、図6Eに示すように、公知のフォトリソグラフィ技術により、保護層610の上にマスクパターン612を形成する。マスクパターン612は、酸化シリコンから構成すればよい。また、マスクパターン612は、感光性レジスト材料から構成してもよい。
次に、マスクパターン612をマスクとして保護層610およびゲルマニウム層605を選択的に除去し、図6Fに示すように、p型シリコン層132の上に、ゲルマニウム層107および保護層111を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で、保護層610およびゲルマニウム層605をエッチングし、これらにマスクパターン612の形状を転写することで、ゲルマニウム層107および保護層111を形成すればよい。ここで、本実施の形態においても、保護層111は、ゲルマニウム層107が形成された後で行われる基板洗浄工程で用いられる薬品から、ゲルマニウム層107を保護する機能を担う。従って、保護層111(保護層110)は、ゲルマニウム層107が形成された直後に配置されていることが重要となる。本実施の形態では、保護層111(保護層110)は、シリコン層である。
なお、図6Fでは、レジストパターン621を除去した後の状態を示している。この段階で、図2Aの平面図に示すように、シリコン層103上の一部にp型シリコン層132およびゲルマニウム層107が形成された状態が得られる。なお、図6A〜図6Iは、図2Aおよび図2BのYY’線の断面を模式的に示している。
次に、よく知られたリソグラフィ技術とエッチング技術を利用した従来と同様な作製方法を用いてシリコン層103をパターニングすることで、図6Gに示すように、シリコンコア131を形成する。なお、p型シリコン層132は、このまま残るようにする。ここで、シリコンコア131は、一部がゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132に接触するように形成する(図2B参照)。また、接触していなくても、微小な間隙を持って配置してもよい。これにより、シリコンコア131よりなる導波路を伝搬する光が、ゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132を通じてゲルマニウム層107に吸収させることができる。なお、シリコンコア131の断面サイズは、幅300〜600nm、高さ100〜300nm程度であればよい。
次に、図6Hに示すように、酸化シリコン層102の上に酸化シリコン層106を形成し、酸化シリコン層106により、シリコンコア131およびp型シリコン層132,ゲルマニウム層107,保護層111などを備える光検出器の部分が埋め込まれるようにする。酸化シリコン層106は、シリコンコア131の上部クラッドとなり、これにより、シリコン導波路が形成された状態が得られる。
酸化シリコン層106の形成では、既に形成されているシリコンコア131が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン層106をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア131に生じない範囲の温度で行う。一般に、シリコンの酸化プロセスは、800〜1200℃で行われている(非特許文献3参照)。従って、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン層106を形成する場合、少なくとも800℃よりも低い温度を条件とすることが重要となる。また、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、低温での酸化シリコン層106形成には、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法を用いることができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコン層106を堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで酸化シリコン層106を形成することができる。従って、シリコンコア131の酸化を抑制することができる。形成される酸化シリコン層106は、屈折率が1.46程度となる。なお、ECRプラズマに限るものではなく、前述したように、シリコンコア131の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン層106を形成してもよい。
次に、リソグラフィ技術とエッチング技術により、保護層111に到達する貫通孔を形成する。次いで、よく知られたイオンインプラ技術により、上記貫通孔の形成に用いたマスクパターンを用い、貫通孔に露出した部分より保護層111にn型不純物を導入する。この処理により、保護層111をn型の半導体層とすることができ、p型シリコン層132−ゲルマニウム層107−保護層111よりなるp−i−nフォトダイオード構造のゲルマニウム受光器が形成されたことになる。この場合、不純物を導入していないゲルマニウム層107が、i型のゲルマニウム層となる。
なお、本実施の形態においても、前述した実施の形態と同様であり、p型シリコン層132の代わりに、イオン注入技術により選択的にn型不純物を導入したn型シリコン層とし、この上に、上述同様にゲルマニウム層107および保護層111を形成してもよい。この場合、保護層111にp型不純物を導入すれば、n型シリコン層−ゲルマニウム層107−保護層111よりなるn−i−pフォトダイオード構造が得られる。
また、本実施の形態においても,保護層111は、必要なものではなく、保護層111を形成しない構成としてもよい。この場合、ゲルマニウム層107の下のシリコン層にp型もしくはn型の不純物を導入しておき、ゲルマニウム層107の上部にn型もしくはp形の不純物を導入すればよい。このようにすることで、「p型もしくはn型のシリコン層−ゲルマニウム層107の下層のi型領域−ゲルマニウム層107の上層のn型もしくはp型領域」による、いわゆるPinフォトダイオード構造が得られる。
上述したように、保護層111に到達する貫通孔を形成して不純物を導入し、また、マスクパターンを除去した後、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術により、p型シリコン層132に到達する貫通孔を酸化シリコン層106に形成する。次いで、用いたマスクパターンを除去した後、形成した各貫通孔に充填するように金属層を形成し、この金属層をパターニングすることで、図6Iに示すように、保護層111(ゲルマニウム層107)に接続する電極141およびp型シリコン層132に接続する電極142を形成する。これにより、シリコンコア131よりなるシリコン細線導波路と連結された縦型のn−i−pフォトダイオード構造を持つゲルマニウム受光器を備える光検出器が完成する。
以上に説明した作製方法では、図2Bの平面図に示すように、酸化シリコン層102(シリコン基板101:図示せず)の上のゲルマニウム受光器となる領域に、先にゲルマニウム層107(p型シリコン層132)を形成し、この後でシリコンコア131よりなるシリコン導波路、シリコン導波路機能デバイス211および2分岐素子212などを形成するようにした。従って、ゲルマニウム層107の形成工程では、シリコン導波路のシリコンコア131やクラッドとなる酸化シリコン層106は形成されていない。このため、シリコン導波路に損傷を与えることがない。このように、本実施の形態によれば、シリコン導波路デバイスの優れた特性を維持したまま、ゲルマニウム受光器と集積させることが可能になる。
また、本実施の形態においても、図3Aに示すようなチャネル型の導波路に限らず、図3Bに示すようなリブ型の導波路にも適用可能である。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。まず、前述した実施の形態1と同様にし、図1Eに示すように、開口部181の底部に露出したp型シリコン層132の上に、選択的にゲルマニウム層107を形成する。
次に、図7Aに示すように、ゲルマニウム層107を保護するための保護層710を形成する。例えば、CVD法により膜厚20〜50nm程度に酸化シリコンを堆積することで、保護層710を形成すればよい。
次に、よく知られたリソグラフィ技術により、ゲルマニウム層107に対応する領域の保護層710の上にレジストパターン161を形成する。レジストパターン161は、ゲルマニウム層107の領域より広い面積に形成する。次いで、レジストパターン161をマスクにして、保護層710および酸化シリコン層104を選択的にエッチングすることで、図7Bに示すように、ゲルマニウム層107の上に保護層711が配置され、ゲルマニウム層107の側部が、残った酸化シリコン層104で覆われた状態とする。また、p型シリコン層132に対応する領域以外のシリコン層103の表面が露出した状態とする。
例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いたドライエッチングを途中まで行うことで、保護層710および酸化シリコン層104の一部までを選択的にエッチング除去し、次いで、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチングにより、残っている酸化シリコン層104を選択的に除去すればよい。これらの処理によれば、シリコン層103にはドライエッチングにおけるプラズマが照射されることがなく、シリコン層103を傷めることがない。この後、よく知られたアッシングや洗浄などの処理でレジストパターン161を除去する。
次いで、よく知られたリソグラフィ技術で、ゲルマニウム層107の領域以外の部分にマスクを形成し、よく知られたイオンインプラ技術を用いて入射するエネルギーの分布を制御することで、保護層711が形成されている状態で、選択的にゲルマニウム層107にn型不純物を導入する。この処理により、ゲルマニウム層107の上部の層をn型の半導体層とすることができ、p型シリコン層132−ゲルマニウム層107の中層−ゲルマニウム層107の上層よりなるp−i−nフォトダイオード構造を形成することができる。また、不純物導入の処理の伴う洗浄などの処理においても、ゲルマニウム層107は、保護層711により保護された状態が維持できる。
保護層711は、上述したように、ゲルマニウム層107が形成された後で行われる基板洗浄工程で用いられる薬品から、ゲルマニウム層107を保護する機能を担う。従って、保護層711(保護層710)は、ゲルマニウム層107が形成された直後に配置されていることが重要となる。また、保護層711は、シリコンをベースとする本実施の形態における製造方法において、他のプロセスとの適合性の高い材料を用いればよい。例えば、本実施の形態では、保護層711(保護層710)は、酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁材料から構成されていればよい。また、保護層711(保護層710)は、ポリシリコンやアモルファスシリコンなどのシリコンから構成されていればよい。
次に、よく知られたリソグラフィ技術とエッチング技術を利用した従来と同様な作製方法を用いてシリコン層103をパターニングすることで、図7Cに示すように、シリコンコア131を形成する。なお、p型シリコン層132は、このまま残るようにする。ここで、シリコンコア131は、一部がゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132に接触するように形成する(図2B参照)。また、接触していなくても、微小な間隙を持って配置してもよい。これにより、シリコンコア131よりなる導波路を伝搬する光を、ゲルマニウム層107の下のp型シリコン層132を通じてゲルマニウム層107に吸収させることができる。なお、シリコンコア131の断面サイズは、幅300〜600nm、高さ100〜300nm程度であればよい。
次に、図7Dに示すように、酸化シリコン層102の上に酸化シリコン層106を形成し、酸化シリコン層106により、シリコンコア131およびp型シリコン層132,ゲルマニウム層107,保護層711などを備える光検出器の部分が埋め込まれるようにする。酸化シリコン層106は、シリコンコア131の上部クラッドとなり、これにより、シリコン導波路が形成された状態が得られる。
酸化シリコン層106の形成では、既に形成されているシリコンコア131が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン層106をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア131に生じない範囲の温度で行う。一般に、シリコンの酸化プロセスは、800〜1200℃で行われている(非特許文献3参照)。従って、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン層106を形成する場合、少なくとも800℃よりも低い温度を条件とすることが重要となる。また、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、低温での酸化シリコン層106形成には、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法を用いることができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコン層106を堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで酸化シリコン層106を形成することができる。従って、シリコンコア131の酸化を抑制することができる。形成される酸化シリコン層106は、屈折率が1.46程度となる。なお、ECRプラズマに限るものではなく、前述したように、シリコンコア131の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン層106を形成してもよい。
次に、リソグラフィ技術とエッチング技術により、保護層711を貫通してゲルマニウム層107に到達する貫通孔を形成する。このように、保護層711に到達する貫通孔を形成し、また、マスクパターンを除去した後、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術により、p型シリコン層132に到達する貫通孔を酸化シリコン層106に形成する。次いで、用いたマスクパターンを除去した後、形成した各貫通孔に充填するように金属層を形成し、この金属層をパターニングすることで、図7Eに示すように、n型とされているゲルマニウム層107の上層に接続する電極141およびp型シリコン層132に接続する電極142を形成する。これにより、シリコンコア131よりなるシリコン細線導波路と連結された縦型のn−i−pフォトダイオード構造を持つゲルマニウム受光器を備える光検出器が完成する。
なお、上述した実施の形態では、CVD法で酸化シリコン膜を堆積して上部クラッド層を形成する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、クラッド層として酸窒化シリコン膜を用いることもできる。SiH4,O2ガスにN2ガスを追加したガスを用いたECRプラズマCVD法により、酸化シリコン膜の場合と同じ方法を使って低温で酸窒化シリコン膜を堆積できる。この場合においても、前述同様に、シリコンコア131などにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で堆積することが重要となる。
また、CVD法に限らず、スパッタ法で堆積することで、上部クラッド層を形成する場合についても、本発明が適用可能である。スパッタ法によっても、シリコンコアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜を形成することができる。また、コアは、単結晶シリコンに限るものではなく、多結晶シリコン、アモルファスシリコンであってもよいことはいうまでもない。
101…シリコン基板、102…酸化シリコン層、103…シリコン層、104…酸化シリコン層、105…レジスト層、106…酸化シリコン層、107…ゲルマニウム層、110…保護層、111…保護層、121…レジストパターン、122…開口部、131…シリコンコア、132…p型シリコン層、141,142…電極、151…レジストパターン、152…開口部、161…レジストパターン、181…開口部。

Claims (7)

  1. 酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコン層を備える基板の前記シリコン層の一部に第1導電型の不純物が導入された第1導電型シリコン層を形成する工程と、
    前記第1導電型シリコン層の上にゲルマニウムからなるゲルマニウム層を形成する工程と、
    前記ゲルマニウム層の上に第2導電型の半導体層を形成し、前記第1導電型シリコン層,前記ゲルマニウム層,および前記第2導電型の半導体層より構成されたゲルマニウム光受光器を形成する工程と、
    前記シリコン層をパターニングして一端が前記第1導電型シリコン層に接続するコアを形成する工程と、
    前記コアを覆う上部クラッド層を形成する工程と
    を少なくとも備え、
    前記シリコン層の上に前記第1導電型シリコン層の上部に開口部を有するマスクパターンを形成し、
    前記マスクパターンをマスクとして前記第1導電型シリコン層の上に選択的にゲルマニウムを堆積して前記ゲルマニウム層を形成し、
    前記コアの形成は、前記ゲルマニウム層を形成した後に行うことを特徴とする光検出器の製造方法。
  2. 酸化シリコンからなる下部クラッド層の上にシリコン層を備える基板の前記シリコン層の一部に第1導電型の不純物が導入された第1導電型シリコン層を形成する工程と、
    前記第1導電型シリコン層の上にゲルマニウムからなるゲルマニウム層を形成する工程と、
    前記ゲルマニウム層の上に第2導電型の半導体層を形成し、前記第1導電型シリコン層,前記ゲルマニウム層,および前記第2導電型の半導体層より構成されたゲルマニウム光受光器を形成する工程と、
    前記シリコン層をパターニングして一端が前記第1導電型シリコン層に接続するコアを形成する工程と、
    前記コアを覆う上部クラッド層を形成する工程と
    を少なくとも備え、
    前記シリコン層の上にゲルマニウムを堆積してゲルマニウム膜を形成し、
    前記ゲルマニウム膜をパターニングして前記第1導電型シリコン層の上にゲルマニウムからなる前記ゲルマニウム層を形成し、
    前記コアの形成は、前記ゲルマニウム層を形成した後に行うことを特徴とする光検出器の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の光検出器の製造方法において、
    酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンを前記コアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で堆積することで前記上部クラッド層を形成する
    ことを特徴とする光検出器の製造方法。
  4. 請求項記載の光検出器の製造方法において、
    前記酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンの堆積は、ECRプラズマCVD法で行う
    ことを特徴とする光検出器の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光検出器の製造方法において、
    前記第2導電型の半導体層は、シリコンもしくは前記ゲルマニウム層の上層から構成することを特徴とする光検出器の製造方法。
  6. 請求項記載の光検出器の製造方法において、
    前記第2導電型の半導体層は、シリコンから構成し、
    前記ゲルマニウム層を形成した直後に前記ゲルマニウム層の上に、前記第2導電型の半導体層を形成する工程を備える
    ことを特徴とする光検出器の製造方法。
  7. 請求項記載の光検出器の製造方法において、
    前記第2導電型の半導体層は、前記ゲルマニウム層の上層から構成し、
    前記ゲルマニウム層を形成した直後に前記ゲルマニウム層の上に、絶縁材料もしくはシリコンからなる保護層を形成する工程を備える
    ことを特徴とする光検出器の製造方法。
JP2009204525A 2009-09-04 2009-09-04 光検出器の製造方法 Expired - Fee Related JP5204059B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009204525A JP5204059B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 光検出器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009204525A JP5204059B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 光検出器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011053593A JP2011053593A (ja) 2011-03-17
JP5204059B2 true JP5204059B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=43942627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009204525A Expired - Fee Related JP5204059B2 (ja) 2009-09-04 2009-09-04 光検出器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5204059B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5969811B2 (ja) * 2011-05-09 2016-08-17 アイメックImec シリコン・フォトニクスプラットフォーム上でのフォトニックデバイスの共集積化方法
US8995805B2 (en) * 2012-04-20 2015-03-31 Micron Technology, Inc. Method and apparatus providing a coupled photonic structure
US9684131B2 (en) * 2014-04-04 2017-06-20 Huawei Technologies., Ltd. Apparatus and method for an optical switch having a 2×1 multi-mode interferometer and photodetector
JP7318434B2 (ja) * 2019-09-09 2023-08-01 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社 光半導体素子、これを用いた光トランシーバ、及び光半導体素子の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4220421B2 (ja) * 2004-03-23 2009-02-04 日本電信電話株式会社 導波路型光源
JP2008014808A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Konica Minolta Medical & Graphic Inc シンチレータプレートの製造方法及びシンチレータプレート
JP2008140808A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kazumi Wada 光検出器
WO2009020432A1 (en) * 2007-08-08 2009-02-12 Agency For Science, Technology And Research An electro-optic device and a method for manufacturing the same
US8895958B2 (en) * 2009-12-01 2014-11-25 National University Corporation Hokkaido University Light emitting element and method for manufacturing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011053593A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6048578B2 (ja) 半導体受光素子及びその製造方法
JP5773410B2 (ja) シリコンベース電気光学装置
US8410566B2 (en) Application of electrical field power to light-transmitting medium
JP2748914B2 (ja) 光検出用半導体装置
JP6184539B2 (ja) 半導体受光素子、光電融合モジュール、半導体受光素子の製造方法
JP5370857B2 (ja) ゲルマニウム受光器およびその製造方法
JP5761754B2 (ja) 光モジュールおよびその製造方法
WO2007061986A1 (en) High speed and low loss gesi/si electro-absorption light modulator and method of fabrication using selective growth
JP6118834B2 (ja) モード変換素子及び光機能素子
CA2365499C (en) High speed and high efficiency si-based photodetectors using waveguides formed with silicides for near ir applications
JP6527611B1 (ja) 半導体受光素子、光電融合モジュール、半導体受光素子の製造方法
JP5152874B2 (ja) 光検出器の製造方法
JP5204059B2 (ja) 光検出器の製造方法
JP4914396B2 (ja) 光導波路の作製方法
JP6560153B2 (ja) 光モジュールおよびその製造方法
WO2008080428A1 (en) Waveguide photodetector in germanium on silicon
JP2004258119A (ja) 可変光減衰器
JP5065333B2 (ja) 可変光減衰器
JP2010212469A (ja) 光検出器およびそれを備えた光集積回路装置
JP6726248B2 (ja) 半導体受光素子、及び光電融合モジュール
JP7201082B2 (ja) 光モジュールおよびその製造方法
US11966078B2 (en) Optoelectronic device and method of manufacture thereof
CN108051972B (zh) 一种波长无关高消光比的硅光子调制器
JP4091476B2 (ja) 光検出器及び光検出器内蔵シリコン光導波路
US20090196546A1 (en) Optical Integrated Circuit, Opto-Electronic Integrated Circuit and Manufacturing Method Thereof

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111107

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20111107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5204059

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees