JP2015086270A - フィラー分散有機樹脂複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であり、繊維状アルミナフィラーが分散していることによって、十分な機械的物性を有するとともに、熱伝導性の向上したフィラー分散有機樹脂複合体を提供すること。
【解決手段】 本発明のフィラー分散有機樹脂複合体は、有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であって、フィラー分散有機樹脂複合体は厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明はフィラー分散有機樹脂複合体に関する。本発明のフィラー分散有機樹脂複合体は熱伝導性に優れているため、放熱材料として好適に使用できる。例えば、半導体デバイス用途、サーマルプリンタ用途、接着剤用途、太陽電池用途、などの用途に、好適に使用することができる。
例えば、半導体素子等から生じた熱を効率よく放散させるために、樹脂に熱伝導性フィラーを複合することが行われている。そのフィラーとして、粒子状、板状、或いは繊維状の形状を有するものが知られている。これらフィラーの中でも、高熱伝導性を得るために広く一般的に用いられている手法は、粒子状フィラーを樹脂中に均一に分散させ、高充填する方法である。このように、均一分散させ、高充填することでパーコレーション(伝熱路)を確保でき、熱を効率よく放散することができる。
例えば、特開2012−033638号公報(特許文献1)には、効率よく熱を放散できるフィルムとして、「被着体上にフリップチップ接続される半導体素子の裏面に配設されるフリップチップ型半導体裏面用フィルムであって、樹脂及び熱伝導性フィラーを含み、この熱伝導性フィラーの含有量が50体積%以上であり、前記フィルムの厚みに対して、前記熱伝導性フィラーの平均粒径が30%以下の値であり、かつ最大粒径が80%以下の値であることを特徴とするフリップチップ型半導体裏面用フィルム。」が開示されている。しかしながら、50体積%以上と、多量の熱伝導性フィラーを含んでいるため、樹脂の粘度が上がったり、熱伝導性フィラーが凝集したりして、フィルムの強度が低下する、成形性が悪くなる、などの問題点があった。
一方、粒子状フィラーと比較して高アスペクト比の繊維状フィラーを樹脂と複合することによって、粒子状又は板状のフィラーを複合した場合よりも少ない含有量で、パーコレーションを確保することができるため、フィルムの強度や成形性を損なうことなく、効率よく熱を放散できるフィルムとすることが可能である。
このような熱伝導性の繊維状フィラーとして使用できると考えられるアルミナファイバーとして、「ポリビニルアルコール(PVA)水溶液にベーマイト粒子を分散させた紡糸液を、静電紡糸して、PVA−ベーマイトナノ複合体を形成した後、熱処理してアルミナナノファイバーを作製したもの」(非特許文献1)が報告されている。しかしながら、このように、ベーマイト粒子等の粒子を焼き固めて作製したアルミナナノファイバーは粒界の影響があるため、フィラーとして用いたとしても、成形時に加わる圧力やせん断力によって、アルミナナノファイバーが破砕され、フィラーとしての機械的物性又は熱伝導性の向上作用を、十分に発揮できないものであった。
特開2012−033638号公報
中根幸治、外3名,「有機無機複合体を前駆体としたアルミナナノ繊維の形成と利用」,機能紙研究会誌,2012年10月
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であり、繊維状アルミナフィラーが分散していることによって、十分な機械的物性を有するとともに、熱伝導性の向上したフィラー分散有機樹脂複合体を提供することを目的とする。
[1]本発明は、「有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であって、フィラー分散有機樹脂複合体は厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上であることを特徴とする、フィラー分散有機樹脂複合体。」である。
[2]また、本発明は、「前記繊維状アルミナフィラーが下記物性を満たすことを特徴とする、請求項1記載のフィラー分散有機樹脂複合体。

1.平均繊維径:3μm以下、2.アスペクト比:1000以下、3.繊維長のCV値:0.7以下、4.次の式(1)から算出される繊維長変化率(Lr):30%以下
Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
Lbは繊維状アルミナフィラーの平均繊維長、Laは繊維状アルミナフィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する」である。
[3]更に、本発明は、「繊維状アルミナフィラーのアスペクト比が5以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。」である。
[4]更に、本発明は、「フィラー分散有機樹脂複合体における繊維状アルミナフィラーの割合が50体積%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。」である。
[5]更に、本発明は、「繊維状アルミナフィラーに加えて、非繊維状アルミナフィラーを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。」である。
[1]にかかる発明は、有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散した、機械的強度の優れるフィラー分散有機樹脂複合体であり、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上と、熱伝導性に優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。
[2]にかかる発明は、繊維状アルミナフィラーは繊維長変化率が30%以下と、圧力やせん断力によって変形しにくく、しかも繊維長のCV値が0.7以下と繊維長が揃っているため、パーコレーションを確保でき、機械的強度及び熱伝導性に優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。
[3]にかかる発明は、繊維状アルミナフィラーのアスペクト比が5以上と、繊維径に比して繊維長が長いため、少ない量しか繊維状アルミナフィラーが分散していない場合であっても、機械的強度及び熱伝導性の優れるフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。
[4]にかかる発明は、フィラー分散有機樹脂複合体における繊維状アルミナフィラーの割合が50体積%以下と、繊維状アルミナフィラーの分散量が少ないにもかかわらず、機械的強度及び熱伝導性の優れるフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。また、繊維状アルミナフィラーの分散量が少ないことによって、フィラー分散有機樹脂複合体製造時における粘度の増加や凝集を抑えることができるため、繊維状アルミナフィラーが均一に分散していることができ、結果として、均一な物性を有するフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。
[5]にかかる発明は、繊維状アルミナフィラーに加えて、非繊維状アルミナフィラーを含有しているため、更に熱伝導性に優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。
静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図 静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図 静電紡糸装置の模式的断面図
本発明のフィラー分散有機樹脂複合体(以下、単に「分散樹脂複合体」と表記することがある)は、有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したものであるため、機械的強度の優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。また、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上であるため、熱伝導性に優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。
本発明の分散樹脂複合体を構成する繊維状アルミナフィラーは、分散樹脂複合体の機械的物性及び熱伝導性が向上するように、細く、繊維長が均一、かつ機械的強度の優れる繊維状アルミナフィラーであるのが好ましい。なお、繊維状アルミナフィラーが細いと、厚さの薄い分散樹脂複合体であることができ、また、繊維状アルミナフィラーが細いため、分散樹脂複合体から突出しにくいという効果もある。
具体的には、繊維状アルミナフィラーは、3μm以下の平均繊維径を有すると、薄く、均一な物性(機械的強度及び熱伝導性)を有する分散樹脂複合体であることができる。繊維状アルミナフィラーの平均繊維径が小さければ小さい程、薄く、均一な物性を有する分散樹脂複合体であることができ、近年の軽薄短小化に対応できるため、平均繊維径は2μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましい。なお、平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当であり、0.05μm以上であるのが好ましい。
本発明における「平均繊維径」は繊維状アルミナフィラー50点における繊維径の算術平均値をいい、「繊維径」は繊維状アルミナフィラーを撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、繊維状アルミナフィラーの長さ方向に対して直交する方向における長さをいう。
また、本発明の分散樹脂複合体を構成する繊維状アルミナフィラーは、アスペクト比が1000以下であるのが好ましい。このようなアスペクト比であることによって、繊維状アルミナフィラーが凝集しにくく、有機樹脂全体に均一に分散した分散樹脂複合体であることができるためである。繊維状アルミナフィラーの分散性を考慮すると、アスペクト比は750以下であるのが好ましく、500以下であるのがより好ましく、300以下であるのが更に好ましく、200以下であるのが更に好ましく、100以下であるのが更に好ましい。
一方で、繊維状アルミナフィラーのアスペクト比は5以上であるのが好ましい。アスペクト比が5以上であれば、繊維径に比して繊維長が長いため、繊維状アルミナフィラー量が少なくても、機械的強度及び熱伝導性に優れる分散樹脂複合体であることができるためである。より好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上であり、更に好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。なお、「アスペクト比」は、繊維状アルミナフィラーの平均繊維径の平均繊維長に対する比率であり、繊維状アルミナフィラーの平均繊維長を平均繊維径で除した値である。
なお、本発明の分散樹脂複合体を構成する繊維状アルミナフィラーの平均繊維長は、特に限定するものではない。
本発明における「平均繊維長」は繊維状アルミナフィラー50本における繊維長の算術平均値をいい、「繊維長」は繊維状アルミナフィラーを撮影した50〜5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、繊維状アルミナフィラーの長さ方向における長さをいう。
本発明の分散樹脂複合体を構成する繊維状アルミナフィラーは上述のようなアスペクト比1000以下で、繊維長のCV値が0.7以下と繊維長が揃っているのが好ましい。このように繊維長が揃っていることによって、繊維状アルミナフィラーが凝集しにくく、有機樹脂全体に均一に分散していることによって、パーコレーションを確保でき、熱伝導性に優れているためである。この繊維長のCV値が小さければ小さい程、繊維長が揃っていることを意味するため、繊維長のCV値は0.6以下であるのが好ましく、0.5以下であるのがより好ましく、0.4以下であるのが更に好ましく、0.3以下であるのが更に好ましく、0.2以下であるのが更に好ましく、理想としては0である。この繊維長のCV値は、繊維長の標準偏差を平均繊維長で除した値、つまり、(繊維長の標準偏差/平均繊維長)である。なお、「標準偏差」は平均繊維長測定時の繊維状アルミナフィラー50本の繊維長から得られる値である。
更に、本発明の分散樹脂複合体を構成する繊維状アルミナフィラーは繊維長変化率が30%以下であるのが好ましい。このような繊維状アルミナフィラーは機械的強度が優れているため、成形時にかかる圧力やせん断力によって破壊されにくいため、パーコレーションを確保でき、高い熱伝導性を発揮することができるためである。つまり、繊維長変化率が小さいということは、後述の式から理解できるように、圧力を加えても平均繊維長が変化しにくい、すなわち繊維状アルミナフィラーが破壊されにくいことを意味するため、繊維状アルミナフィラー自体の機械的強度が優れ、結果として、分散樹脂複合体はパーコレーションを確保できるため、高い熱伝導性を発揮することができる。この繊維長変化率が小さければ小さい程、繊維状アルミナフィラー自体の機械的強度が優れ、分散樹脂複合体がパーコレーションを確保できることを意味するため、繊維長変化率は20%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましく、理想的には0%である。
この繊維長変化率(Lr)は次の式(1)から算出される値である。
Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
Lbは繊維状アルミナフィラーの平均繊維長、Laは繊維状アルミナフィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する。なお、繊維状アルミナフィラーに対する加圧は、約1g量り取った繊維状アルミナフィラーに対して、プレス機を用いて、室温下、10MPaの加圧を3秒間行う。
なお、繊維状アルミナフィラーの状態は特に限定するものではないが、繊維状アルミナフィラーが機械的強度及び熱伝導性に優れ、分散樹脂複合体の機械的物性及び熱伝導性を向上させることができるように、焼結した状態にあるのが好ましい。
また、繊維状アルミナフィラーは文字通り、酸化アルミニウム(Al)から構成されているが、繊維状アルミナフィラーと有機樹脂との親和性を高めるために、繊維状アルミナフィラー表面がシランカップリング剤などの表面処理剤によって、改質されていても良い。
このような好適である繊維状アルミナフィラーは、例えば、曳糸性ゾルを静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径3μm以下のアルミナ系繊維からなるアルミナ系繊維シートを形成し、焼結してアルミナ繊維シートとした後、アルミナ繊維シートをプレス機で加圧し、粉砕して、アスペクト比1000以下、繊維長のCV値0.7以下、かつ繊維長変化率30%以下の繊維状アルミナフィラーを製造することができる。
より具体的には、まず、曳糸性ゾル溶液を静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径3μm以下のアルミナ系繊維からなるアルミナ系繊維シートを形成する。曳糸性ゾル溶液を紡糸することによって、アルミナ成分間に界面の少ないアルミナ系繊維を紡糸でき、機械的強度の優れる繊維状アルミナフィラーを製造できるため、成形時にかかる圧力やせん断力によって破壊されず、パーコレーションを確保できるため、熱伝導性の高い分散樹脂複合体とすることができる。また、静電紡糸法によれば、平均繊維径が3μm以下と細く、平均孔径が小さく、しかも孔径の揃ったアルミナ系繊維シートを形成できる。つまり、平均孔径が小さく、しかも孔径が揃っているということは、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っていることを意味する。
この点について、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図1と、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図2をもとに説明すると、静電紡糸法によれば、図1に示すように、平均孔径が小さく、かつ孔径の揃ったアルミナ系繊維シートを形成できるため、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っている。例えば、繊維同士の交差点であるc5を基準として見た場合、c5に隣接するアルミナ系繊維同士の交差点であるb5、c4、c6及びd4との距離は比較的短く、しかも距離がほぼ同じである。
これに対して、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートは、図2に示すように、孔径のバラツキが大きい。例えば、繊維同士の交差点であるC5を基準として見た場合、C5に隣接するアルミナ系繊維同士の交差点であるB5、C4、C6及びD4との距離はバラツキが大きい。
この静電紡糸法は紡糸原液(曳糸性ゾル)に対して電界を作用させることにより、紡糸原液を延伸し、繊維化する方法である。静電紡糸法について、特開2005−194675号公報に開示の静電紡糸装置の模式的断面図である図3をもとに、簡単に説明する。
図3の静電紡糸装置は、紡糸原液をノズル2へ供給できる紡糸原液供給装置1、紡糸原液供給装置1から供給された紡糸原液を吐出できるノズル2、ノズル2から吐出され、電界によって延伸されたアルミナ系繊維を捕集できるアースされた捕集体3、ノズル2とアースされた捕集体3との間に電界を形成するために、ノズル2に電圧を印加できる電圧印加装置4、ノズル2と捕集体3とを収納した紡糸容器6、紡糸容器6へ所定相対湿度の気体を供給できる気体供給装置7、及び紡糸容器6内の気体を排気できる排気装置8を備えている。
このような静電紡糸装置の場合、紡糸原液は紡糸原液供給装置1によってノズル2へ供給される。この供給された紡糸原液はノズル2から吐出されるとともに、アースされた捕集体3と電圧印加装置4によって印加されたノズル2との間の電界による延伸作用を受け、繊維化しながら捕集体3へ向かって飛翔する。そして、この飛翔したアルミナ系繊維は直接、捕集体3上に集積し、アルミナ系繊維シートを形成する。
この紡糸原液として、曳糸性ゾル溶液を使用するのが好ましい。この曳糸性ゾル溶液は、例えば、アルミニウムアルコキシドを含む溶液(原料溶液)を、100℃以下程度の温度で加水分解させ、縮重合させることによって得ることができる。前記原料溶液の溶媒は、例えば、有機溶媒(例えば、アルコール)及び/又は水であることができる。
なお、「曳糸性」は、以下に示す条件で静電紡糸を行い、以下の判断基準によって判断する。
(判定法)
アースした金属板に対し、水平方向に配置した金属ノズル(内径:0.4mm)から曳糸性を判断する溶液(固形分濃度:10〜50mass%)を吐出する(吐出量:0.5〜1.0g/hr)と共に、ノズルに電圧を印加(電界強度:1〜3kV/cm、極性:プラス印加又はマイナス印加)し、ノズルの先端に溶液の固化を生じさせることなく、1分間以上、連続して紡糸し、金属板上に繊維を集積させる。
この集積した繊維の走査電子顕微鏡写真を撮り、観察し、液滴がなく、繊維の平均繊維径(50点の算術平均値)が5μm以下、アスペクト比が100以上の繊維を製造できる条件が存在する場合、その溶液は「曳糸性あり」と判断する。これに対して、前記条件(すなわち、濃度、押出量、電界強度、及び/又は極性)を変え、いかに組み合わせても、液滴がある場合、オイル状で一定した繊維形態でない場合、平均繊維径が5μmを超える場合、あるいは、アスペクト比が100未満の場合(例えば、粒子状)で、前記繊維を製造できる条件が存在しない場合、その溶液は「曳糸性なし」と判断する。
この曳糸性ゾル溶液は、静電紡糸できるように、粘度が0.01〜10Pa・sであるのが好ましく、0.05〜5Pa・sであるのがより好ましく、0.1〜3Pa・sであるのが更に好ましい。粘度が10Pa・sを超えると平均繊維径が3μm以下のアルミナ系繊維を紡糸することが困難となり、0.01Pa・s未満になると繊維形状自体が得られなくなる傾向があるためである。なお、曳糸性ゾル溶液の紡糸を、ノズルを用いて行う場合には、ノズル先端部分における雰囲気を原料溶液の溶媒と同様の溶媒ガス雰囲気とすることにより、粘度が10Pa・sを超える曳糸性ゾル溶液であっても紡糸可能な場合がある。
この曳糸性ゾル溶液は上述のようなアルミナ成分以外に、有機成分を含んでいることもできる。例えば、シランカップリング剤、染料などの有機低分子化合物、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子化合物などを含んでいても良い。
前記原料溶液は、原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを安定化する溶媒[例えば、有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド)又は水]、前記原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを加水分解するための水、及び加水分解反応を円滑に進行させる触媒(例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなど)を含んでいることができる。
また、前記原料溶液は、例えば、アルミニウムアルコキシドを安定化させるキレート剤、アルミニウムアルコキシドの安定化のためのシランカップリング剤、圧電性などの各種機能を付与することができる化合物、透明性、接着性改善、柔軟性、硬度(もろさ)調整のための有機化合物(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ヒドロキシアパタイトなどの無機成分、あるいは染料などの添加剤を含んでいることができる。なお、これらの添加剤は、加水分解を行う前、加水分解を行う際、或いは加水分解後に添加することができる。
また、前記原料溶液は、無機系又は有機系の微粒子を含んでいることができる。前記無機系微粒子としては、例えば、酸化チタン、二酸化マンガン、酸化銅、二酸化珪素、活性炭、金属(例えば、白金)を挙げることができ、有機系微粒子として、色素又は顔料などを挙げることができる。また、微粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは0.002〜0.1μmである。
原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを加水分解するための水の量は、アルミニウムアルコキシドによって異なり、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウムsec−ブトキシドの場合、曳糸性ゾル溶液とすることができるように、水の量はアルコキシドの4倍以下であるのが好ましい。
また、反応温度は使用溶媒の沸点未満であれば良いが、低い方が、適度に反応速度が遅く、曳糸性ゾル溶液を形成しやすい。あまり低すぎても反応が進行しにくいため、10℃以上であるのが好ましい。
なお、紡糸原液供給装置1としては、例えば、シリンジポンプ、チューブポンプ、ディスペンサ等を使用することができる。また、ノズル2に替えて、ノコギリ状歯車、ワイヤー、スリットなどを使用することもできる。更に、図3における捕集体3はドラム形態であるが、コンベア形態であっても良い。更に、図3においては、捕集体3がアースされているが、ノズル2をアースし、捕集体3に対して電圧を印加しても良いし、ノズル2と捕集体3のいずれに対しても電圧を印加するものの、電位差を有するように電圧を印加しても良い。
更に、電圧印加装置4としては、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機を用いることができ、空気の絶縁破壊を生じることなく、曳糸性ゾル溶液を紡糸して繊維化できるように、印加電圧は適宜調整する。また、印加する電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良いが、アルミナ系繊維の拡がりを抑制し、アルミナ系繊維が均一に分散し、孔径が揃ったアルミナ系繊維シートを製造できるように、曳糸性ゾル溶液の特性に合わせて適宜、極性を選択する。
図3の静電紡糸装置においては、紡糸容器6に気体供給装置7(例えば、プロペラファン、シロッコファン、エアコンプレッサー、温湿度調整機能を備えた送風機など)及び排気装置8(例えば、ファン)が接続されているため、紡糸容器6内の雰囲気を一定にすることができるため、繊維径の揃ったアルミナ系繊維シートを製造することができる。
このように曳糸性ゾル溶液を静電紡糸法により紡糸して形成したアルミナ系繊維シートを構成するアルミナ系繊維は、曳糸性ゾル溶液がゲル化した状態にある。そのため、繊維長の揃ったアルミナ繊維を製造できるように、また、機械的強度の優れるアルミナ繊維を製造できるように、更には、アルミナ系繊維シートの取り扱い性を高めるために、ゲル状のアルミナ系繊維を焼結してアルミナ繊維からなるアルミナ繊維シートとする。
この焼結は、例えば、オーブン、焼結炉等を用いて実施することができ、その温度、時間は焼結できれば良く、特に限定するものではないが、焼結温度は熱伝導性の優れるα−アルミナとすることができるように、1200〜1600℃で焼結するのが好ましい。また、焼結時間は、十分に焼結させて、優れた熱伝導性を発揮できるように、2時間以上であるのが好ましい。
次いで、このアルミナ繊維シートをプレス機により加圧し、粉砕して、アスペクト比が1000以下、繊維長のCV値が0.7以下、かつ繊維長変化率が30%以下の繊維状アルミナフィラーを製造することができる。つまり、曳糸性ゾル溶液を紡糸することによって、アルミナ成分間に界面の少ないアルミナ系繊維を紡糸できるため、焼結したアルミナ繊維を粉砕した繊維状アルミナフィラーは機械的強度及び熱伝導性が優れている。また、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートは、前述の通り、平均繊維径3μm以下と細く、平均孔径が小さく、しかも孔径の揃った、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃った状態にあるため、このアルミナ系繊維シートを焼結したアルミナ繊維シートも同様の状態にある。そのため、アルミナ繊維シートに対して、アルミナ繊維の配向を変えないように、プレス機により加圧すると、アルミナ繊維同士の交差点が強く加圧され、焼結して形成したアルミナ繊維は剛性が高く、変形しにくいことも相俟って、アルミナ繊維同士の交差点で破断されやすいため、繊維長の揃った繊維状アルミナフィラーを製造できる。つまり、アルミナ繊維同士の交差点はアルミナ繊維同士が重なって、微視的には、アルミナ繊維シートの厚さが厚くなった箇所に相当するため、プレス機による圧力はアルミナ繊維同士の交差点に対して優先的に作用する。したがって、繊維長の揃った繊維状アルミナフィラーを製造できる。
この点について、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後のアルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図1と、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後のアルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図2をもとに説明すると、例えば、図1における、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5では、2本のアルミナ繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図1のアルミナ繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5に対して優先的に圧力が加わり、焼結したアルミナ繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5でアルミナ繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)繊維状アルミナフィラーを製造することができる。
これに対して、図2のように、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ繊維シートも同様に、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5では、2本のアルミナ繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図2のようなアルミナ繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5に対して優先的に圧力が加わり、焼結したアルミナ繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5でアルミナ繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)繊維状アルミナフィラーを製造することができない。
なお、プレス機によりプレスする際の加圧力は、アスペクト比1000以下、かつ繊維長のCV値が0.7以下の繊維状アルミナフィラーとすることができるように、適宜設定するのが好ましく、実験により、加圧力とアスペクト比及び繊維長のCV値を確認し、適切な加圧力を選択することができる。
図1、2をアルミナ繊維シートの平面図とした場合、図1、2においては、アルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表しており、アルミナ繊維同士の交差点が2本のアルミナ繊維が交差した状態を表しているが、実際には、3本のアルミナ繊維が交差した交差点もあれば、4本以上のアルミナ繊維が交差した交差点もあるため、交差点によって、厚さが異なる。そのため、アルミナ繊維の交差数の多い交差点ほど、強い圧力が作用するため、弱い圧力を作用させた場合には、アルミナ繊維の交差数の多い交差点でアルミナ繊維が粉砕し、作用させる圧力を強くするにしたがってアルミナ繊維の交差数の少ない交差点でアルミナ繊維が粉砕することになる。そのため、作用させる圧力によって、ある程度、繊維状アルミナフィラーの繊維長を制御できる。また、静電紡糸法によれば、ある程度繊維径の揃ったアルミナ系繊維を紡糸できる。そのため、静電紡糸条件と粉砕条件(特に圧力)を制御することによって、所望のアスペクト比を有する繊維状アルミナフィラーを製造することができる。
本発明の分散樹脂複合体は、繊維状アルミナフィラーが有機樹脂中に分散した機械的強度の優れるものであることに加えて、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上の熱伝導性に優れるものであり、好ましくは3.1W/m・K以上であり、より好ましくは3.2W/m・K以上であり、更に好ましくは3.3W/m・K以上であり、更に好ましくは3.4W/m・K以上である。
なお、本発明では、熱伝導率を厚さ0.3mmでの熱伝導率としているが、これは後述の熱伝導率測定装置で高分子材料の熱伝導率を測定できるのが、厚さ0.3mm以上であるためである。
この熱伝導率は、次のようにして測定した値をいう。
(1)分散樹脂複合体から、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試料片を採取する。なお、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試料片を採取することができない場合には、たて1mm以上、よこ1mm以上、厚さ0.3mmの試料片で代用する。但し、試料片のたて・よこ方向には、平滑な部分がある必要がある。
(2)この試料片の熱拡散率、比熱及び密度を次の方法により測定した後、下記式(A)により、試料片(分散樹脂複合体)の熱伝導率を求める。
<熱拡散率>
熱伝導率測定装置(登録商標:ai-Phase Mobile、株式会社アイフェイズ社製)を用いて、温度波熱分析法により、室温で測定する。なお、分散樹脂複合体の厚さが0.3mm未満で、厚さが0.3mmの試料片を採取できない場合には、熱伝導率測定装置により、厚さ0.3mmに換算した値を測定する。
<比熱>
示差走査熱量計(DSC)を用い、サファイア標準物質との比較により測定する。
<密度>
アルキメデス法を用いて測定する。
<熱伝導率>
熱伝導率=(熱拡散率)×(比熱)×(密度) ・・ (A)
本発明の分散樹脂複合体は繊維状アルミナフィラーを含むものであるが、繊維状アルミナフィラーに加えて、非繊維状アルミナフィラーを含有していても良い。例えば、粒子状、板状、針状、燐片状のアルミナフィラーを含有していても良い。前述のような繊維状アルミナフィラーの量を多くして、熱伝導性を更に高めようとしても、繊維状アルミナフィラー量が多くなると分散性が低下し、凝集しやすくなる傾向があるが、このような非繊維状アルミナフィラーであれば、混合しても均一に分散しやすく、繊維状アルミナフィラー間に、繊維状アルミナフィラー同士を橋渡すように存在して、パーコレーションが確保されて、更に、熱伝導性が向上するためである。
本発明の分散樹脂複合体においては、分散樹脂複合体における繊維状アルミナフィラーの割合が50体積%以下であるのが好ましい。繊維状アルミナフィラーの割合が50体積%を超えると、繊維状アルミナフィラーが凝集して、機械的強度や熱伝導性にバラツキが生じやすくなる傾向があるためで、より好ましくは48体積%以下であり、更に好ましくは45体積%以下であり、更に好ましくは40体積%以下であり、更に好ましくは30体積%以下であり、更に好ましくは20体積%以下である。一方で、繊維状アルミナフィラーは分散樹脂複合体の機械的強度が優れているように、3体積%以上であるのが好ましく、5体積%以上であるのがより好ましく、8体積%以上であるのが更に好ましく、10体積%以上であるのが更に好ましい。
なお、前述の通り、非繊維状アルミナフィラーを含んでいる場合であっても、機械的物性及び熱伝導性に優れているように、繊維状アルミナフィラーは前記体積量含まれているのが好ましい。また、非繊維状アルミナフィラーを含む場合には、有機樹脂の流動性及び成形性を損なうことがないように、繊維状アルミナフィラーと非繊維状アルミナフィラーの合計量が、分散樹脂複合体における体積の80%以下であるのが好ましい。
この分散樹脂複合体におけるアルミナフィラーの体積割合(P)は、次の式(2)によって算出される値である。
P=(F/H)×100 (2)
式中、Fはアルミナフィラーの体積、Hは分散樹脂複合体の体積をそれぞれ意味する。
本発明の分散樹脂複合体を構成する有機樹脂は用途によって異なるため、特に限定するものではないが、例えば、分散樹脂複合体を半導体デバイス用途やサーマルプリンタ用途に使用する場合には、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコンポリエステル系樹脂、などを例示することができる。また、接着剤用途に使用する場合には、スチレン系エラストマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、などを例示することができる。更に、太陽電池用途に使用する場合には、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリイミド、ポリエステル系樹脂などを例示することができる。
本発明の分散樹脂複合体は有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したものである限り、その形態は特に限定するものではないが、例えば、厚さが1mm以下であるような薄膜、又は厚さが1mmを超えるようなプレートのような二次元的形態であることができる。また、球体、円柱、角柱などの柱状体、円錐、角錐などの錐体、中空部を有する円柱又は角柱などの中空柱状体、などの三次元的形態であることもできる。特に、本発明の分散樹脂複合体が、平均繊維径が3μm以下で、アスペクト比が1000以下の繊維状アルミナフィラーを含んでいると、平均繊維長が短い繊維状アルミナフィラーであるため、厚さが1mm以下であるような薄膜であることもできる。
このような本発明の分散樹脂複合体は常法により製造することができる。例えば、有機樹脂を溶解させた溶解液に、繊維状アルミナフィラーを添加し、必要であれば非繊維状アルミナフィラーも添加して、繊維状アルミナフィラー分散液を調製した後、繊維状アルミナフィラー分散液を支持体に塗工し、乾燥し、続いて、支持体から剥離して、二次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することができる。
また、有機樹脂を溶融させた溶融液に、繊維状アルミナフィラーを添加し、必要であれば非繊維状アルミナフィラーも添加して、繊維状アルミナフィラー分散融液を調製した後、成形して、二次元的態様又は三次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することもできる。なお、二次元的態様を有する分散樹脂複合体を更に成形して、三次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することもできる。
以下、具体例によって本発明を説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
<繊維状アルミナフィラーAの調製>
アルミニウムsec−ブトキシド、乳酸エチル、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水、2−プロパノールを1:5:0.0025:1:5のモル比で混合し、温度70℃で15時間加熱撹拌し、縮重合させた。そして、エバポレータにより、アルミナ濃度が15mass%になるまで濃縮した後、粘度が2000〜3000mPa・sになるまで増粘させて、曳糸性アルミナゾル溶液を得た。
その後、前記曳糸性アルミナゾル溶液を用い、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の静電紡糸条件で紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径0.7μmのアルミナ繊維からなるアルミナ繊維シートを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼成条件)
・1600℃/2時間
次いで、このアルミナ繊維シートから、質量約1gのアルミナ繊維シート片を複数枚採取した。続いて、このアルミナ繊維シートを重ねて、1.5cmの厚さとした後、プレス機により、50MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーAを調製した。
<繊維状アルミナフィラーBの調製>
アルミナ繊維(登録商標:デンカアルセンバルク、グレード:B−100、電気化学工業株式会社製)を質量約1g量り取り、1.5cmの厚さとした後、プレス機により、10MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーBを調製した。
<繊維状アルミナフィラーCの調製>
繊維状アルミナフィラーAと同様にして調製したアルミナ繊維シートを、自動乳鉢を用いて粉砕した。つまり、アルミナ繊維シート1gを量り取り、水を適量加えた後に、自動乳鉢を用いて、2時間粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーCを調製した。
<アルミナ粉体の準備>
アルミナ粉体として、α−アルミナ粉体(品番:RA−30、平均粒径:1μm、岩谷化学工業株式会社製)を準備した。
Figure 2015086270
(フィラー分散ポリイミドフィルムの調製)
前記方法で調製した各アルミナフィラー又は粉体を、ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物のフィラー分散ポリイミドフィルムにおけるアルミナフィラー又は粉体の割合が10mass%となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、平らなガラス板上にバーコーターで製膜し、温度80℃で180分間の乾燥を実施し、更に180℃で60分間の乾燥を行い、アルミナフィラーA分散ポリイミドフィルム(実験例1)、アルミナフィラーB分散ポリイミドフィルム(実験例2)、アルミナフィラーC分散ポリイミドフィルム(実験例3)、及びアルミナ粉体分散ポリイミドフィルム(実験例4)を、それぞれ調製した。
そして、これら実験例1〜4の引張試験と線膨張率測定を、次の方法により行った。この結果は表2に示す通りであった。なお、無機フィラーを混合していないポリイミドフィルムも同様に製造し、実験例5として、表2にその物性を併記した。
(引張試験)
定速伸長型引張試験機(オリエンテック製、UCT−100)を用いて、次の条件により、サンプルが破断するまでの最大荷重を測定した。この最大荷重の測定を5枚のサンプルについて行い、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとした。
(測定条件)
チャック間距離:5cm
引張り速度:50mm/min.
サンプルサイズ:幅5mm、長さ7cm
(平均線膨張係数の測定)
JIS K 7197に規定するTMA法により、次の条件により測定した。
(測定条件)
温度範囲:30℃〜80℃
昇温速度:5℃/min.
サンプルサイズ:幅5mm、長さ10mm
Figure 2015086270
#1:括弧内は、実験例5に対する向上率
#2:括弧内は、平均線膨張係数の実験例5に対する低下率
表2の実験例1と実験例2、3との比較から、繊維長変化率の小さい繊維状アルミナフィラーを使用すると、フィラー分散ポリイミドフィルムの引張り強さをより高めることができることがわかった。
また、実験例1と実験例4との比較から、繊維状のアルミナフィラーを使用すると、フィラー分散ポリイミドフィルムの引張り強さをより高めることができることがわかった。
(実施例1〜2)
前記繊維状アルミナフィラーAを、ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物の繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムにおける繊維状アルミナフィラーAの割合が10体積%(実施例1)又は12.5体積%(実施例2)となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、シャーレ中に5g流し込んで製膜し、温度80℃で300分間の真空乾燥を実施して、繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムをそれぞれ製造した。
(比較例1、2)
前記繊維状アルミナフィラーBを、ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物の繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムにおける繊維状アルミナフィラーBの割合が10体積%(比較例1)又は12.5体積%(比較例2)となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、シャーレ中に5g流し込んで製膜し、温度80℃で300分間の真空乾燥を実施して、繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムをそれぞれ製造した。
(比較例3)
前記繊維状アルミナフィラーCを、ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物の繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムにおける繊維状アルミナフィラーCの割合が15体積%となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、シャーレ中に5g流し込んで製膜し、温度80℃で300分間の真空乾燥を実施して、繊維状アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムを製造した。
(比較例4、5)
前記アルミナ粉体をポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物のアルミナフィラー分散ポリイミドフィルムにおけるアルミナ粉体の割合が10体積%(比較例4)、又は12.5体積%(比較例5)となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、シャーレ中に5g流し込んで製膜し、温度80℃で300分間の真空乾燥を実施して、アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムを製造した。
(参考例1)
ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)をシャーレ中に5g流し込んで製膜し、温度80℃で300分間の真空乾燥を実施して、ポリイミドフィルムを製造した。
(熱伝導率の測定)
参考例1、実施例1〜2及び比較例1〜5のアルミナフィラー分散ポリイミドフィルムの熱伝導率の測定を、各アルミナフィラー分散ポリイミドフィルムから、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試験片を採取した後、前述の方法により、厚さ方向における熱伝導率の測定をそれぞれ行った。この結果は表3に示す通りであった。
Figure 2015086270
表3の結果から、有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体は、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上の熱伝導性に優れるものであった。
また、実施例1と比較例1との対比、及び実施例2と比較例2との対比から、繊維状アルミナフィラーの繊維長変化率が30%以下であることによって、熱伝導率が著しく向上することがわかった。これは、繊維状アルミナフィラーの機械的強度が優れており、製膜時に破壊しにくいために、パーコレーションを確保できたためであると考えられた。
更に、実施例1、2と比較例3との対比から、繊維長のCV値が0.7以下であることによって、熱伝導率が著しく向上することがわかった。これは、繊維長が揃っていることによって、パーコレーションを確保できたためであると考えられた。
更に、実施例1、2と比較例4、5との対比から、フィラーが繊維状であることによって、熱伝導率が著しく向上することがわかった。これは、ある程度、連続的に熱伝導できることによって、パーコレーションを確保できたためであると考えられた。
本発明のフィラー分散有機樹脂複合体は、繊維状アルミナフィラーが分散した機械的強度の優れるものであり、しかも厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上の熱伝導性に優れるものである。そのため、熱伝導性を必要とする用途、例えば、半導体デバイス用途、サーマルプリンタ用途、接着剤用途、太陽電池用途などの用途に、好適に使用することができる。
1 紡糸原液供給装置
2 ノズル
3 捕集体
4 電圧印加装置
5 紡糸空間
6 紡糸容器
7 気体供給装置
8 排気装置
a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6、e1〜e5 繊維同士の交差点
A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6、E1〜E5 繊維同士の交差点

Claims (5)

  1. 有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であって、フィラー分散有機樹脂複合体は厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上であることを特徴とする、フィラー分散有機樹脂複合体。
  2. 前記繊維状アルミナフィラーが下記物性を満たすことを特徴とする、請求項1記載のフィラー分散有機樹脂複合体。

    1.平均繊維径:3μm以下
    2.アスペクト比:1000以下
    3.繊維長のCV値:0.7以下
    4.次の式(1)から算出される繊維長変化率(Lr):30%以下
    Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
    Lbは繊維状アルミナフィラーの平均繊維長、Laは繊維状アルミナフィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する
  3. 繊維状アルミナフィラーのアスペクト比が5以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。
  4. フィラー分散有機樹脂複合体における繊維状アルミナフィラーの割合が50体積%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。
  5. 繊維状アルミナフィラーに加えて、非繊維状アルミナフィラーを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィラー分散有機樹脂複合体。
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