JP2017053078A - アルミナ繊維、アルミナ繊維シート、アルミナ繊維−有機樹脂複合シート、及びアルミナ繊維の製造方法 - Google Patents

アルミナ繊維、アルミナ繊維シート、アルミナ繊維−有機樹脂複合シート、及びアルミナ繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度及び柔軟性に優れるアルミナ繊維、アルミナ繊維シート、アルミナ繊維−有機樹脂複合シート及びアルミナ繊維の製造方法を提供する。【解決手段】アルミナ繊維は、αアルミナ95vol%以上からなるアルミナ繊維であり、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下である。アルミナ繊維シートは、前記アルミナ繊維からなり、曲げ強度が5MPa以上であるか、あるいは、曲げたわみ量が0.6mm以上である。複合シートは、有機樹脂中に前記アルミナ繊維が分散しているか、あるいは、有機樹脂中に前記アルミナ繊維シートを含有する。製造方法は、(i)アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることにより調製した曳糸性ゾル溶液を紡糸する工程、(ii)前記工程(i)で紡糸した繊維を温度1100℃以下で焼結する工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミナ繊維、アルミナ繊維シート、アルミナ繊維−有機樹脂複合シート、及びアルミナ繊維の製造方法に関する。本発明のアルミナ繊維−有機樹脂複合シートは、熱伝導性を必要とする用途、例えば、半導体デバイス用途、サーマルプリンタ用途、接着剤用途、太陽電池用途などに使用することができる。
例えば、半導体素子等から生じた熱を効率よく放散させるために、樹脂に熱伝導性フィラーを複合することが行われている。そのフィラーとして、粒子状、板状、或いは繊維状の形状を有するものが知られている。これらフィラーの中でも、高熱伝導性を得るために広く一般的に用いられている手法は、粒子状フィラーを樹脂中に均一に分散させ、高充填する方法である。このように、均一分散させ、高充填することでパーコレーション(伝熱路)を確保でき、熱を効率よく放散することができる。
例えば、特開2012−033638号公報(特許文献1)には、効率よく熱を放散できるフィルムとして、「被着体上にフリップチップ接続される半導体素子の裏面に配設されるフリップチップ型半導体裏面用フィルムであって、樹脂及び熱伝導性フィラーを含み、この熱伝導性フィラーの含有量が50体積%以上であり、前記フィルムの厚みに対して、前記熱伝導性フィラーの平均粒径が30%以下の値であり、かつ最大粒径が80%以下の値であることを特徴とするフリップチップ型半導体裏面用フィルム。」が開示されている。しかしながら、50体積%以上と、多量の熱伝導性フィラーを含んでいるため、樹脂の粘度が上がったり、熱伝導性フィラーが凝集したりして、フィルムの強度が低下する、成形性が悪くなる、などの問題点があった。
一方、粒子状フィラーと比較して高アスペクト比の繊維状フィラーを樹脂と複合することによって、粒子状又は板状のフィラーを複合した場合よりも少ない含有量で、パーコレーションを確保することができるため、フィルムの強度や成形性を損なうことなく、効率よく熱を放散できるフィルムとすることが可能である。
このような熱伝導性の繊維状フィラーとして使用できると考えられるアルミナファイバーとして、「ポリビニルアルコール(PVA)水溶液にベーマイト粒子を分散させた紡糸液を、静電紡糸して、PVA−ベーマイトナノ複合体を形成した後、熱処理してアルミナナノファイバーを作製したもの」(非特許文献1)が報告されている。しかしながら、このように、ベーマイト粒子等の粒子を焼き固めて作製したアルミナナノファイバーは粒界の影響があるため、フィラーとして用いたとしても、成形時に加わる圧力やせん断力によって、アルミナナノファイバーが破砕され、フィラーとしての機械的物性又は熱伝導性の向上作用を、十分に発揮できないものであった。
また、特開2015−086270号公報(特許文献2)には、熱伝導性の向上を目指した、「有機樹脂中に繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であって、フィラー分散有機樹脂複合体は厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上であることを特徴とする、フィラー分散有機樹脂複合体」が開示されている。しかしながら、前記公報に記載の繊維状アルミナフィラー(アルミナ繊維)は、機械的強度および熱伝導性に優れているものの、柔軟性を考慮して設計されたものではなかった。また、より熱伝導性に優れるアルミナ繊維が待望されていた。
特開2012−033638号公報 特開2015−086270号公報
中根幸治、外3名,「有機無機複合体を前駆体としたアルミナナノ繊維の形成と利用」,機能紙研究会誌,2012年10月
このような状況下、本発明の課題は、強度及び柔軟性に優れるアルミナ繊維、アルミナ繊維シート、アルミナ繊維−有機樹脂複合シート及びアルミナ繊維の製造方法を提供することにある。
本発明は、
[1]αアルミナ95vol%以上からなるアルミナ繊維であり、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下であるアルミナ繊維、
[2]前記[1]記載のアルミナ繊維からなる繊維シートであり、曲げ強度が5MPa以上であるアルミナ繊維シート、
[3]前記[1]記載のアルミナ繊維からなる繊維シートであり、曲げたわみ量が0.6mm以上であるアルミナ繊維シート、
[4]有機樹脂中に、前記[1]記載のアルミナ繊維が分散したアルミナ繊維−有機樹脂複合シート、
[5]有機樹脂中に、前記[2]又は[3]記載のアルミナ繊維シートを含有するアルミナ繊維−有機樹脂複合シート、
[6](i)アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることにより調製した曳糸性ゾル溶液を紡糸する工程、
(ii)前記工程(i)で紡糸した繊維を温度1100℃以下で焼結する工程、
を含む、アルミナ繊維の製造方法
に関する。
前記[1]のアルミナ繊維は、αアルミナ95vol%以上からなり、αアルミナの結晶子サイズが500Å以下と粒界が小さいため、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れている。
前記[2]のアルミナ繊維シートは、前記[1]のアルミナ繊維からなる繊維シートであるため、曲げ強度が5MPa以上と強度が優れている。
前記[3]のアルミナ繊維シートは、前記[1]のアルミナ繊維からなる繊維シートであるため、曲げたわみ量が0.6mm以上と柔軟性に優れている。
前記[4]のアルミナ繊維−有機樹脂複合シート(以下、単に複合シートと称することがある)は、有機樹脂中に、前記アルミナ繊維が分散しているため、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れる複合シートである。
前記[5]のアルミナ繊維−有機樹脂複合シートは、有機樹脂中に、前記アルミナ繊維シートを含有しているため、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れる複合シートである。
前記[6]のアルミナ繊維の製造方法は、(i)アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させることによって、加水分解時の縮重合を抑制し、三次元的な構造の形成を抑制して、一次元的な構造を形成しやすいため、温度1100℃以下という低温で焼結して、αアルミナ繊維を作製することができる。このように、温度1100℃以下という低温で焼結してαアルミナ化でき、αアルミナの結晶子の成長を抑制することができるため、αアルミナの結晶子サイズが500Å以下と粒界が小さく、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れるアルミナ繊維を製造できる。
静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である。 静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である。 実施例1及び比較例1〜3で用いた静電紡糸装置の模式的断面図である。
(本発明のアルミナ繊維)
本発明のアルミナ繊維は、αアルミナ95vol%以上からなるアルミナ繊維であり、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下である。
本発明のアルミナ繊維におけるαアルミナ比率は、熱伝導性に優れるように、より好ましくは97vol%以上であり、更に好ましくは99vol%以上であり、最も好ましくは100vol%である。
また、本発明のアルミナ繊維におけるαアルミナの結晶子サイズは、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れるように、より好ましくは450Å以下であり、更に好ましくは400Å以下である。
本明細書における「αアルミナ比率」は、X線回折装置(例えば、卓上X線回折装置MiniFlex600、リガク株式会社製)を使用して測定した結果(測定条件:2θ測定範囲 +3〜140°、管電圧:30kV、管電流:15mA)から、参照強度比(RIR)を用いて定量した値を意味する。
本明細書における「αアルミナの結晶子サイズ」は、前記測定装置および測定条件で得られた測定結果に基づいて、Scherrer法を用いて、半価幅から求めた結晶子サイズを意味する。つまり、αアルミナで最も強度が強く、均一性の高い(116)面の半価幅を次に示すScherrerの式に代入して、結晶子サイズを求める。なお、標準物質には、LaBを使用する。
Scherrerの式:D=K×λ/(β×cosθ)
D:結晶子サイズ(Å)
K:Scherrer定数(K=0.94)
λ:測定X線波長(Å)
β:結晶子の大きさによる回折線の拡がり(rad)
θ:回折線のブラッグ角
本発明のアルミナ繊維を使用して複合シートを製造する場合、アルミナ繊維が細いと、厚さの薄い複合シートを製造しやすく、また、複合シートから突出しにくいため、アルミナ繊維は細いのが好ましい。
例えば、アルミナ繊維の平均繊維径が3μm以下である程度に細いと、薄く、均一な物性(機械的強度及び熱伝導性)を有する複合シートを製造しやすい。アルミナ繊維の平均繊維径が小さければ小さい程、薄く、均一な物性を有する複合シートを製造しやすく、近年の軽薄短小化に対応しやすいため、複合シートを製造する場合には、平均繊維径は2μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが更に好ましい。一方、平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当であり、0.05μm以上であるのが好ましい。なお、複合シートを作製せず、アルミナ繊維単体又はアルミナ繊維シートの状態で使用する場合には、アルミナ繊維の平均繊維径は特に限定するものではない。
本発明における「平均繊維径」はアルミナ繊維50点における繊維径の算術平均値をいい、「繊維径」はアルミナ繊維を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、アルミナ繊維の長さ方向に対して直交する方向における長さをいう。
また、本発明のアルミナ繊維は熱伝導性に優れるように、実質的に連続繊維であっても良いし、複合シートとした場合に、均一に分散しやすい短繊維であっても良い。なお、アルミナ繊維が「実質的に連続繊維」であるとは、アルミナ繊維が実質的に連続繊維である場合、アルミナ繊維が集合した繊維シート状態にあるため、このアルミナ繊維シートの外縁部を含まないように、以下に定義する任意の領域を設定し、前記領域の一部分について、アルミナ繊維を認識できる倍率で電子顕微鏡写真を撮影し、同様に、前記領域の他の部分について、アルミナ繊維を認識できる倍率で電子顕微鏡写真を撮影することを繰り返して、前記領域の全領域を網羅するだけの電子顕微鏡写真を撮影し、これら撮影した電子顕微鏡写真を観察して、アルミナ繊維の両方の端部を確認できないことを意味する。つまり、一方の端部を観察できても、両方の端部を観察できなければ、実質的に連続繊維であると看做す。
(任意の領域);
アルミナ繊維のアスペクト比[=(平均繊維長)/(平均繊維径)]が1500である繊維長と同じ長さを一辺の長さとする正方形の領域。例えば、平均繊維径が3μmである場合、一辺の長さが4500μmの正方形の領域。
後者のように、アルミナ繊維が短繊維である場合には、アスペクト比が1000以下であるのが好ましい。このようなアスペクト比であると、複合シートを製造する場合、アルミナ繊維が凝集しにくく、全体に均一に分散した複合シートを製造しやすいためである。アルミナ繊維の分散性を考慮すると、アスペクト比は750以下であるのが好ましく、500以下であるのがより好ましく、300以下であるのが更に好ましく、200以下であるのが更に好ましく、100以下であるのが更に好ましい。
一方で、アルミナ繊維が短繊維である場合には、アスペクト比は5以上であるのが好ましい。アスペクト比が5以上であると、複合シートを製造する場合、繊維径に比して繊維長が長いため、アルミナ繊維量が少なくても、機械的強度及び熱伝導性に優れる複合シートを製造しやすいためである。より好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上であり、更に好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。なお、「アスペクト比」は、アルミナ繊維の平均繊維径の平均繊維長に対する比率であり、アルミナ繊維の平均繊維長(単位:μm)を平均繊維径(単位:μm)で除した値である。更に、「平均繊維長」はアルミナ繊維50本における繊維長の算術平均値をいい、「繊維長」はアルミナ繊維を撮影した50〜5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、アルミナ繊維の長さ方向における長さをいう。
本発明のアルミナ繊維が上述のようなアスペクト比1000以下である場合、繊維長のCV値が0.7以下と繊維長が揃っているのが好ましい。このように繊維長が揃っていると、複合シートを製造する場合、アルミナ繊維が凝集しにくく、複合シート全体に均一に分散していることによって、パーコレーションを確保でき、熱伝導性に優れる複合シートを製造しやすいためである。この繊維長のCV値が小さければ小さい程、繊維長が揃っていることを意味するため、繊維長のCV値は0.6以下であるのが好ましく、0.5以下であるのがより好ましく、0.4以下であるのが更に好ましく、0.3以下であるのが更に好ましく、0.2以下であるのが更に好ましく、理想としては0である。この繊維長のCV値は、繊維長の標準偏差を平均繊維長で除した値、つまり、(繊維長の標準偏差/平均繊維長)である。なお、「標準偏差」は平均繊維長測定時のアルミナ繊維50本の繊維長から得られる値である。
更に、本発明のアルミナ繊維が短繊維である場合、繊維長変化率が30%以下であるのが好ましい。このようなアルミナ繊維は機械的強度が優れており、圧力やせん断力によって破壊されにくいため、複合シートを作製した場合であってもパーコレーションを確保でき、高い熱伝導性を発揮しやすいためである。つまり、繊維長変化率が小さいということは、後述の式から理解できるように、圧力を加えても平均繊維長が変化しにくい、すなわちアルミナ繊維が破壊されにくいことを意味するため、アルミナ繊維自体の機械的強度が優れており、複合シートを作製した場合であってもパーコレーションを確保できるため、高い熱伝導性を発揮する複合シートを作製しやすい。この繊維長変化率が小さければ小さい程、アルミナ繊維自体の機械的強度が優れていることを意味するため、繊維長変化率は20%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましく、理想的には0%である。
この繊維長変化率(Lr)は次の式(1)から算出される値である。
Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
Lbはアルミナ繊維の平均繊維長、Laはアルミナ繊維に10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する。なお、アルミナ繊維に対する加圧は、約1g量り取ったアルミナ繊維に対して、プレス機を用いて、室温下、10MPaの加圧を3秒間行う。
なお、アルミナ繊維は機械的強度及び熱伝導性に優れているように、焼結した状態にある。
また、アルミナ繊維は文字通り、酸化アルミニウム(Al)から構成されているが、有機樹脂と複合して複合シートとする場合には、アルミナ繊維と有機樹脂との親和性を高めるために、アルミナ繊維表面がシランカップリング剤などの表面処理剤によって、改質されていても良い。
本発明のアルミナ繊維は、例えば、本発明による、アルミナ繊維の製造方法により製造することができる。
(本発明のアルミナ繊維シート)
本発明のアルミナ繊維シートは、本発明のアルミナ繊維からなる繊維シートである。本発明のアルミナ繊維シートは、強度が優れているように、少なくとも、曲げ強度が5MPa以上であるか、あるいは、柔軟性に優れているように、曲げたわみ量が0.6mm以上であり、好ましくは、曲げ強度が5MPa以上、且つ、曲げたわみ量が0.6mm以上である。
本発明のアルミナ繊維シートにおける曲げ強度は5MPa以上であり、好ましくは8MPa以上であり、より好ましくは10MPa以上であるので、本発明のアルミナ繊維シートは強度が優れている。
また、本発明のアルミナ繊維シートにおける曲げたわみ量は、0.6mm以上であり、好ましくは0.8mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上であるので、本発明のアルミナ繊維シートは柔軟性が優れている。
本明細書における「曲げ強度」及び「曲げたわみ量」は、測定装置として、荷重変位測定装置(例えば、荷重変位測定ユニット FSA−1KE−5N、株式会社イマダ製)を使用して、以下の手順で決定した値を意味する:
(1)アルミナ繊維シートを裁断し、40mm×7mmの試験片を5枚採取する。
(2)先端が2±0.2mmの丸みを有する金属製棒状支点を用意し、棒状支点間距離が16mmとなるように、棒状支点を配置する。
(3)棒状支点間を跨ぐように、試験片を配置する。
(4)試験片の棒状支点間の中央部(一方の棒状支点から8mmの中央地点)に対して、先端が5±0.1mmの丸みを有する金属製棒状加圧くさびを用いて、速度1mm/min.で加圧し、試験片の中央部が折れたときの荷重を0.001Nまで測定する。
(5)上記結果をもとに、次の式から曲げ強度(S、単位:MPa)を算出する。
S=3PL/(2Wh
ここで、Pは試験片が折れた時の荷重(単位:N)、Lは棒状支点間距離(=16mm)、Wは試験片の幅(=7mm)、hは試験片の厚さ(単位:mm)を、それぞれ意味する。
(6)前記曲げ強度の測定を5枚の試験片に対して行ない、その算術平均値を「曲げ強度」とする。
(7)上記曲げ強度の測定において、試験片が折れた時の棒状加圧くさびによる押し込み量(=試験片の上面又は下面の初期位置と折れた位置との距離)を曲げたわみ量(mm)とする。
(8)前記曲げたわみ量の測定を5枚の試験片に対して行ない、その算術平均値を「曲げたわみ量」とする。
本発明のアルミナ繊維シートは、例えば、本発明による、短繊維のアルミナ繊維の製造方法における中間生産物として得ることができる。
(本発明のアルミナ繊維−有機樹脂複合シート)
本発明のアルミナ繊維−有機樹脂複合シート(以下、本発明の複合シート)には、有機樹脂中に、本発明のアルミナ繊維が分散した複合シートが含まれる。また、本発明の複合シートには、有機樹脂中に、本発明のアルミナ繊維シートを含有する複合シートが含まれる。更に、本発明の複合シートには、有機樹脂中に、本発明のアルミナ繊維シートを含有し、且つ、本発明のアルミナ繊維が分散した複合シートが含まれる。
本発明の複合シートを構成する有機樹脂は用途によって異なるため、特に限定するものではないが、例えば、複合シートを半導体デバイス用途やサーマルプリンタ用途に使用する場合には、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコンポリエステル系樹脂、などを例示することができる。また、接着剤用途に使用する場合には、スチレン系エラストマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、などを例示することができる。更に、太陽電池用途に使用する場合には、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリイミド、ポリエステル系樹脂などを例示することができる。
本発明の複合シートにおいては、アルミナ繊維が分散した複合シートである場合、複合シートにおけるアルミナ繊維の割合が50体積%以下であるのが好ましい。アルミナ繊維の割合が50体積%を超えると、アルミナ繊維が凝集して、機械的強度や熱伝導性にバラツキが生じやすくなる傾向があるためで、より好ましくは48体積%以下であり、更に好ましくは45体積%以下であり、更に好ましくは40体積%以下であり、更に好ましくは30体積%以下であり、更に好ましくは20体積%以下である。一方で、アルミナ繊維は複合シートの機械的強度が優れているように、3体積%以上であるのが好ましく、5体積%以上であるのがより好ましく、8体積%以上であるのが更に好ましく、10体積%以上であるのが更に好ましい。
本発明の複合シートがアルミナ繊維シートを含有する場合、複合シートにおけるアルミナ繊維シートの割合が50体積%以下であるのが好ましい。アルミナ繊維シートの割合が50体積%を超えると、複合シート全体に均一に有機樹脂を存在させるのが難しくなる傾向があるためで、より好ましくは48体積%以下であり、更に好ましくは45体積%以下であり、更に好ましくは40体積%以下であり、更に好ましくは30体積%以下であり、更に好ましくは20体積%以下である。一方で、アルミナ繊維シートは複合シートの機械的強度が優れているように、1体積%以上であるのが好ましく、3体積%以上であるのがより好ましく、5体積%以上であるのが更に好ましい。
本発明の複合シートはアルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートと、有機樹脂とを含むものであるが、アルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートに加えて、非繊維状のアルミナを含有していても良い。例えば、粒子状、板状、針状、燐片状のアルミナを含有していても良い。このような非繊維状のアルミナはアルミナ繊維間を橋渡すように存在し、更に、熱伝導性を向上させることができるためである。
なお、前述の通り、非繊維状のアルミナを含んでいる場合であっても、機械的物性及び熱伝導性に優れているように、アルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートは前記体積量含まれているのが好ましい。また、非繊維状のアルミナを含む場合には、有機樹脂の流動性や成形性を損なうことがないように、アルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートと非繊維状のアルミナの合計量が、複合シートにおける体積の80%以下であるのが好ましい。
この複合シートにおけるアルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートの体積割合(P)は、次の式(2)によって算出される値である。
P=(F/H)×100 (2)
式中、Fはアルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートの体積、Hは複合シートの体積をそれぞれ意味する。
本発明の複合シートは、アルミナ繊維及び/又はアルミナ繊維シートを有する機械的強度の優れるものであることに加えて、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上の熱伝導性に優れるものであることが好ましく、より好ましくは3.1W/m・K以上であり、更に好ましくは3.2W/m・K以上であり、更に好ましくは3.3W/m・K以上であり、更に好ましくは3.4W/m・K以上である。
なお、本発明では、熱伝導率を厚さ0.3mmでの熱伝導率としているが、これは後述の熱伝導率測定装置で高分子材料の熱伝導率を測定できるのが、厚さ0.3mm以上であるためである。
この熱伝導率は、次のようにして測定した値をいう。
(1)複合シートから、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試料片を採取する。なお、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試料片を採取することができない場合には、たて1mm以上、よこ1mm以上、厚さ0.3mmの試料片で代用する。但し、試料片のたて・よこ方向には、平滑な部分がある必要がある。
(2)この試料片の熱拡散率、比熱及び密度を次の方法により測定した後、下記式(A)により、試料片(複合シート)の熱伝導率を求める。
<熱拡散率>
熱伝導率測定装置(登録商標:ai-Phase Mobile、株式会社アイフェイズ社製)を用いて、温度波熱分析法により、室温で測定する。なお、複合シートの厚さが0.3mm未満で、厚さが0.3mmの試料片を採取できない場合には、熱伝導率測定装置により、厚さ0.3mmに換算した値を測定する。
<比熱>
示差走査熱量計(DSC)を用い、サファイア標準物質との比較により測定する。
<密度>
アルキメデス法を用いて測定する。
<熱伝導率>
熱伝導率=(熱拡散率)×(比熱)×(密度)・・ (A)
本発明の複合シートは、有機樹脂中にアルミナ繊維が分散したもの、あるいは、有機樹脂中にアルミナ繊維シートを含有するものであって、且つ、シート状である限り、その形態は特に限定するものではないが、例えば、厚さが1mm以下であるような薄膜、又は厚さが1mmを超えるようなプレートのような二次元的形態であることができる。特に、本発明の複合シートが、平均繊維径が3μm以下である程度に細いアルミナ繊維、又は平均繊維径が3μm以下である程度に細いアルミナ繊維からなるアルミナ繊維シートを含んでいると、厚さが1mm以下であるような薄膜であることができる。
このような本発明の複合シートは常法により製造することができる。例えば、有機樹脂を溶解させた溶解液に、短繊維のアルミナ繊維を添加し、必要であれば非繊維状態のアルミナも添加して、アルミナ繊維分散液を調製した後、アルミナ繊維分散液を支持体に塗工し、乾燥し、続いて、支持体から剥離して、二次元的態様を有する複合シートを製造することができる。
また、有機樹脂を溶融させた溶融液に、短繊維のアルミナ繊維を添加し、必要であれば非繊維状態のアルミナも添加して、アルミナ繊維分散融液を調製した後、成形して、二次元的態様を有する複合シートを製造することもできる。
更に、有機樹脂を溶解させた溶解液を、必要であれば、短繊維のアルミナ繊維及び/又は非繊維状態のアルミナを添加した溶解液を、アルミナ繊維シートに含浸又は塗布し、乾燥して、二次元的態様を有する複合シートを製造することができる。或いは、前記と同様の溶解液を支持体に塗布した後、塗布液上にアルミナ繊維シートを積層し、必要であれば、アルミナ繊維シートに前記と同様の溶解液を塗布し、乾燥して、二次元的態様を有する複合シートを製造することができる。
(本発明の製造方法)
本発明における、アルミナ繊維の製造方法は、
(i)アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることにより調製した曳糸性ゾル溶液を紡糸する工程、
(ii)前記(i)で紡糸した繊維を温度1100℃以下で焼結する工程、
を含む。
本発明の製造方法によれば、例えば、アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることにより調製した曳糸性ゾル溶液を紡糸して、アルミナ系繊維からなるアルミナ系繊維シートを形成し、紡糸した繊維を温度1100℃以下で焼結して、シート状態のアルミナ繊維を製造することができる。つまり、αアルミナ95vol%以上からなり、且つ、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下であるアルミナ繊維を製造することができる。なお、短繊維のアルミナ繊維を製造する場合には、続いて、アルミナ繊維シートをプレス機で加圧し、粉砕して得ることができる。
より具体的には、まず、曳糸性ゾル溶液を紡糸して、アルミナ系繊維からなるアルミナ系繊維シートを形成する。なお、紡糸方法は特に限定するものではないが、例えば、静電紡糸法、特開2009−287138号公報に開示されているような、液吐出部から吐出された紡糸液に対してガスを平行に吐出し、紡糸液に1本の直線状に剪断力を作用させて繊維化する方法、を挙げることができる。これらの中でも静電紡糸法によれば、平均繊維径が3μm以下である程度に細い連続繊維を紡糸できる。また、静電紡糸法によれば、平均孔径が小さく、孔径の揃ったアルミナ系繊維シートを形成できるため、短繊維のアルミナ繊維を製造する場合に好適である。つまり、平均孔径が小さく、孔径が揃ったアルミナ系繊維シートは、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っているため、焼結後のアルミナ繊維シートを粉砕することによって、前述のような繊維長のCV値が0.7以下の繊維長の揃った、短繊維のアルミナ繊維を製造しやすい。
この点について、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図1と、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図2をもとに説明すると、静電紡糸法によれば、図1に示すように、平均孔径が小さく、かつ孔径の揃ったアルミナ系繊維シートを形成できるため、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っている。例えば、繊維同士の交差点であるc5を基準として見た場合、c5に隣接するアルミナ系繊維同士の交差点であるb5、c4、c6及びd4との距離は比較的短く、しかも距離がほぼ同じである。
これに対して、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートは、図2に示すように、孔径のバラツキが大きい。例えば、繊維同士の交差点であるC5を基準として見た場合、C5に隣接するアルミナ系繊維同士の交差点であるB5、C4、C6及びD4との距離はバラツキが大きい。
この好適である静電紡糸法は紡糸原液(曳糸性ゾル溶液)に対して電界を作用させることにより、紡糸原液を延伸し、繊維化する方法である。静電紡糸法について、特開2005−194675号公報に開示の静電紡糸装置の模式的断面図である図3をもとに、簡単に説明する。
図3の静電紡糸装置は、紡糸原液をノズル2へ供給できる紡糸原液供給装置1、紡糸原液供給装置1から供給された紡糸原液を吐出できるノズル2、ノズル2から吐出され、電界によって延伸されたアルミナ系繊維を捕集できるアースされた捕集体3、ノズル2とアースされた捕集体3との間に電界を形成するために、ノズル2に電圧を印加できる電圧印加装置4、ノズル2と捕集体3とを収納した紡糸容器6、紡糸容器6へ所定相対湿度の気体を供給できる気体供給装置7、及び紡糸容器6内の気体を排気できる排気装置8を備えている。
このような静電紡糸装置の場合、紡糸原液は紡糸原液供給装置1によってノズル2へ供給される。この供給された紡糸原液はノズル2から吐出されるとともに、アースされた捕集体3と電圧印加装置4によって印加されたノズル2との間の電界による延伸作用を受け、繊維化しながら捕集体3へ向かって飛翔する。そして、この飛翔したアルミナ系繊維は直接、捕集体3上に集積し、アルミナ系繊維シートを形成する。
この紡糸原液として、曳糸性ゾル溶液を使用する。この曳糸性ゾル溶液は、例えば、アルミニウムアルコキシドを含む溶液(原料溶液)を、5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることによって得ることができる。前記原料溶液の溶媒は、例えば、有機溶媒(例えば、アルコール)及び/又は水であることができる。
なお、「曳糸性」は、以下に示す条件で静電紡糸を行い、以下の判断基準によって判断する。
(判定法)
アースした金属板に対し、水平方向に配置した金属ノズル(内径:0.4mm)から曳糸性を判断する溶液(固形分濃度:10〜50mass%)を吐出する(吐出量:0.5〜1.0g/hr)と共に、ノズルに電圧を印加(電界強度:1〜3kV/cm、極性:プラス印加又はマイナス印加)し、ノズルの先端に溶液の固化を生じさせることなく、1分間以上、連続して紡糸し、金属板上に繊維を集積させる。
この集積した繊維の走査電子顕微鏡写真を撮り、観察し、液滴がなく、繊維の平均繊維径(50点の算術平均値)が5μm以下、アスペクト比が100以上の繊維を製造できる条件が存在する場合、その溶液は「曳糸性あり」と判断する。これに対して、前記条件(すなわち、濃度、押出量、電界強度、及び/又は極性)を変え、いかに組み合わせても、液滴がある場合、オイル状で一定した繊維形態でない場合、平均繊維径が5μmを超える場合、あるいは、アスペクト比が100未満の場合(例えば、粒子状)で、前記繊維を製造できる条件が存在しない場合、その溶液は「曳糸性なし」と判断する。
この曳糸性ゾル溶液は、静電紡糸できるように、粘度が0.01〜10Pa・sであるのが好ましく、0.05〜5Pa・sであるのがより好ましく、0.1〜3Pa・sであるのが更に好ましい。粘度が10Pa・sを超えると細いアルミナ系繊維を紡糸しにくく、0.01Pa・s未満になると繊維形状自体が得られなくなる傾向があるためである。なお、曳糸性ゾル溶液の紡糸を、ノズルを用いて行う場合には、ノズル先端部分における雰囲気を原料溶液の溶媒と同様の溶媒ガス雰囲気とすることにより、粘度が10Pa・sを超える曳糸性ゾル溶液であっても紡糸可能な場合がある。
この曳糸性ゾル溶液は上述のようなアルミナ成分以外に、有機成分を含んでいることもできる。例えば、シランカップリング剤、染料などの有機低分子化合物、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子化合物などを含んでいても良い。
前記原料溶液は、原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを安定化する溶媒[例えば、有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド)又は水]、前記原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを加水分解するための水、及び加水分解反応を円滑に進行させる触媒(例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなど)を含んでいることができる。
また、前記原料溶液は、例えば、アルミニウムアルコキシドを安定化させるキレート剤、アルミニウムアルコキシドの安定化のためのシランカップリング剤、圧電性などの各種機能を付与することができる化合物、透明性、接着性改善、柔軟性、硬度(もろさ)調整のための有機化合物(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ヒドロキシアパタイトなどの無機成分、あるいは染料などの添加剤を含んでいることができる。なお、これらの添加剤は、加水分解を行う前、加水分解を行う際、或いは加水分解後に添加することができる。
また、前記原料溶液は、無機系又は有機系の微粒子を含んでいることができる。前記無機系微粒子としては、例えば、酸化チタン、二酸化マンガン、酸化銅、二酸化珪素、活性炭、金属(例えば、白金)を挙げることができ、有機系微粒子として、色素又は顔料などを挙げることができる。また、微粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは0.002〜0.1μmである。
原料溶液に含まれるアルミニウムアルコキシドを加水分解するための水の量は、アルミニウムアルコキシドによって異なり、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートの場合、曳糸性ゾル溶液とすることができるように、水の量はアルコキシドの4倍モル以下であるのが好ましい。
また、反応温度は、加水分解時の縮重合を抑制し、三次元的な構造の形成を抑制して、一次元的な構造を形成しやすいように、5℃以下で実施し、好ましくは3℃以下で実施し、より好ましくは0℃以下で実施する。
なお、加水分解に続く縮重合は加水分解時の温度よりも高ければ良く、特に限定するものではないが、温度25℃以上で実施すれば、効率的に縮重合させることができる。
紡糸原液供給装置1としては、例えば、シリンジポンプ、チューブポンプ、ディスペンサ等を使用することができる。また、ノズル2に替えて、ノコギリ状歯車、ワイヤー、スリットなどを使用することもできる。更に、図3における捕集体3はドラム形態であるが、コンベア形態であっても良い。更に、図3においては、捕集体3がアースされているが、ノズル2をアースし、捕集体3に対して電圧を印加しても良いし、ノズル2と捕集体3のいずれに対しても電圧を印加するものの、電位差を有するように電圧を印加しても良い。
更に、電圧印加装置4としては、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機を用いることができ、空気の絶縁破壊を生じることなく、曳糸性ゾル溶液を紡糸して繊維化できるように、印加電圧は適宜調整する。また、印加する電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良いが、アルミナ系繊維の拡がりを抑制し、アルミナ系繊維が均一に分散し、孔径が揃ったアルミナ系繊維シートを製造できるように、曳糸性ゾル溶液の特性に合わせて適宜、極性を選択する。
図3の静電紡糸装置においては、紡糸容器6に気体供給装置7(例えば、プロペラファン、シロッコファン、エアコンプレッサー、温湿度調整機能を備えた送風機など)及び排気装置8(例えば、ファン)が接続されているため、紡糸容器6内の雰囲気を一定にすることができるため、繊維径の揃ったアルミナ系繊維シートを製造することができる。
このように曳糸性ゾル溶液を紡糸したアルミナ系繊維シートを構成するアルミナ系繊維は、未だαアルミナ化しておらず、熱伝導性の低い状態にある。そのため、アルミナ系繊維を焼結してαアルミナ化して、アルミナ繊維からなるアルミナ繊維シートとする。
この焼結は、例えば、オーブン、焼結炉等を用いて実施することができ、1100℃以下の温度、好ましくは1050℃以下、より好ましくは1000℃以下で実施する。このように、温度1100℃以下という低温であっても、加水分解により一次元的な構造としているためαアルミナ化でき、αアルミナの結晶子の成長を抑制することができるため、αアルミナの結晶子サイズが500Å以下と粒界が小さく、強度、柔軟性及び熱伝導性に優れるアルミナ繊維を製造できる。また、焼結時間は、十分にαアルミナ化させて、優れた熱伝導性を発揮できるように、また、結晶が成長しすぎて結晶子サイズが500Åを超えることがないように、1〜5時間であるのが好ましく、1〜3時間であるのがより好ましい。
アルミナ繊維が短繊維である場合、次いで、このアルミナ繊維シートをプレス機により加圧し、粉砕して、αアルミナ95vol%以上からなり、且つ、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下である、短繊維のアルミナ繊維を製造することができる。
前述のような静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートに由来する、アルミナ繊維シートをプレス機により加圧し、粉砕すると、アスペクト比が1000以下、繊維長のCV値が0.7以下、かつ繊維長変化率が30%以下のアルミナ繊維を製造しやすいため好適である。つまり、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートは、前述の通り、平均孔径が小さく、孔径が揃った、アルミナ系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃った状態にあるため、このアルミナ系繊維シートを焼結したアルミナ繊維シートも同様の状態にある。そのため、アルミナ繊維シートに対して、アルミナ繊維の配向を変えないように、プレス機により加圧すると、アルミナ繊維同士の交差点が強く加圧され、焼結して形成したアルミナ繊維は剛性が高く、変形しにくいことも相俟って、アルミナ繊維同士の交差点で破断されやすいため、繊維長の揃ったアルミナ繊維を製造できる。つまり、アルミナ繊維同士の交差点はアルミナ繊維同士が重なって、微視的には、アルミナ繊維シートの厚さが厚くなった箇所に相当するため、プレス機による圧力はアルミナ繊維同士の交差点に対して優先的に作用する。したがって、繊維長の揃ったアルミナ繊維を製造できる。
この点について、静電紡糸法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後のアルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図1と、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ系繊維シートにおけるアルミナ系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後のアルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図2をもとに説明すると、例えば、図1における、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5では、2本のアルミナ繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図1のアルミナ繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5に対して優先的に圧力が加わり、焼結したアルミナ繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5でアルミナ繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)アルミナ繊維を製造しやすい。
これに対して、図2のように、静電紡糸法以外の方法により形成したアルミナ繊維シートも同様に、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5では、2本のアルミナ繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図2のようなアルミナ繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5に対して優先的に圧力が加わり、焼結したアルミナ繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5でアルミナ繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)アルミナ繊維を製造しにくい。
なお、図1、2をアルミナ繊維シートの平面図とした場合、図1、2においては、アルミナ繊維シートにおけるアルミナ繊維の配置状態を模式的に表しており、アルミナ繊維同士の交差点が2本のアルミナ繊維が交差した状態を表しているが、実際には、3本のアルミナ繊維が交差した交差点もあれば、4本以上のアルミナ繊維が交差した交差点もあるため、交差点によって、厚さが異なる。そのため、アルミナ繊維の交差数の多い交差点ほど、強い圧力が作用するため、弱い圧力を作用させた場合には、アルミナ繊維の交差数の多い交差点でアルミナ繊維が粉砕し、作用させる圧力を強くするにしたがってアルミナ繊維の交差数の少ない交差点でもアルミナ繊維が粉砕することになる。そのため、作用させる圧力によって、ある程度、アルミナ繊維の繊維長を制御できる。また、静電紡糸法により紡糸した場合、ある程度繊維径の揃ったアルミナ系繊維を紡糸できる。そのため、静電紡糸条件と粉砕条件(特に圧力)を制御することによって、所望繊維長又は所望アスペクト比を有するアルミナ繊維を製造することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:アルミナ連続繊維シートAの調製》
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水、2−プロパノールを1:0.005:1.5:20のモル比になるように温度0℃で混合し、温度0℃で24時間攪拌して加水分解させた後、温度80℃で24時間加熱撹拌して、縮重合させた。そして、エバポレータにより、アルミナ濃度が20mass%になるまで濃縮した後、粘度が2000〜3000mPa・sになるまで増粘させて、曳糸性アルミナゾル溶液を得た。
その後、前記曳糸性アルミナゾル溶液を用い、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、以下に示す静電紡糸条件で紡糸した後、以下に示す焼結条件で焼結して、平均繊維径0.6μmのアルミナ連続繊維からなるアルミナ連続繊維シートAを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:1.0g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・1000℃/2時間(アルミナ連続繊維シートA)
《実施例1−2:繊維状アルミナフィラーAの調製》
アルミナ連続繊維シートAから、質量約1gのアルミナ繊維シート片を複数枚採取した。続いて、これらのアルミナ繊維シート片を重ねて、1.5cmの厚さとした後、プレス機により、5.5MPaの圧力で30秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーAを調製した。
Figure 2017053078
《実施例1−3:繊維状アルミナフィラーA分散エポキシフィルムの調製》
前記繊維状アルミナフィラーAを、エポキシ樹脂に、最終物の繊維状アルミナフィラーA分散エポキシフィルムにおける繊維状アルミナフィラーAの割合が10体積%となるように混合し、攪拌機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、平らなガラス板上にバーコーターで製膜し、温度145℃で30分間の乾燥を行い、繊維状アルミナフィラーA分散エポキシフィルムを作製した。
《比較例1:アルミナ連続繊維シートA’の調製》
以下に示す焼結条件で焼結したこと以外は、前記実施例1の操作を繰り返し、平均繊維径0.6μmのアルミナ連続繊維からなるアルミナ連続繊維シートA’を得た。
(焼結炉での焼結条件)
・1600℃/2時間(アルミナ連続繊維シートA’)
《比較例2:アルミナ連続繊維シートB、B’の調製》
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水、2−プロパノールを1:0.005:1.5:20のモル比になるように温度10℃で混合し、温度10℃で24時間攪拌して加水分解させたこと以外は、アルミナ連続繊維シートA、A’と同様に、縮重合、濃縮して曳糸性アルミナゾル溶液を調製し、次いで静電紡糸法により紡糸した後に焼結して、平均繊維径0.6μmのアルミナ連続繊維からなるアルミナ連続繊維シートB、B’を得た。
《比較例2−2:繊維状アルミナフィラーBの調製》
アルミナ連続繊維シートBから、質量約1gのアルミナ繊維シート片を複数枚採取した。続いて、これらのアルミナ繊維シート片を重ねて、1.5cmの厚さとした後、プレス機により、5.5MPaの圧力で30秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーBを調製した。
《比較例2−3:繊維状アルミナフィラーB分散エポキシフィルムの調製》
繊維状アルミナフィラーAに代えて繊維状アルミナフィラーBを用いたこと以外は、前記実施例1−3の操作を繰り返し、繊維状アルミナフィラーB分散エポキシフィルムを作製した。
《比較例3:アルミナ連続繊維シートC、C’の調製》
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水、2−プロパノールを1:0.005:1.5:20のモル比になるように温度25℃で混合し、温度25℃で24時間攪拌して加水分解させたこと以外は、アルミナ連続繊維シートA、A’と同様に、縮重合、濃縮して曳糸性アルミナゾル溶液を調製し、次いで静電紡糸法により紡糸した後に焼結したところ、焼結時の収縮による変形によって粉砕してしまい、アルミナ連続繊維シートC、C’を作製することができなかった。
《比較例3−2:繊維状アルミナフィラーCの調製》
アルミナ連続繊維シートCを作成する際に、焼結時の収縮による変形によって粉砕してしまった繊維状アルミナ粉末を質量約1g採取した。一方で、上方部のみが開口した外形5cm、内径3.4cm、高さ6.5cmのステンレス製の円柱状筒と、外形3.4cm、高さ7.5cmのフッ素樹脂製の円柱状棒とを用意した。
次いで、前記筒の中空部の底に1.5cmの厚さとなるまで繊維状アルミナ粉末を充填した後、前記棒を前記筒の中空部に挿入し、その状態でプレス機にセットして、5.5MPaの圧力で30秒間、前記棒を加圧することにより繊維状アルミナ粉末を粉砕して、表1に示す物性を有する繊維状アルミナフィラーCを調製した。
《比較例3−3:繊維状アルミナフィラーC分散エポキシフィルムの調製》
繊維状アルミナフィラーAに代えて繊維状アルミナフィラーCを用いたこと以外は、前記実施例1−3の操作を繰り返し、繊維状アルミナフィラーC分散エポキシフィルムを作製した。
《試験例1:アルミナ連続繊維シートの評価》
得られた各アルミナ連続繊維シートについて、αアルミナ比率、αアルミナの結晶子サイズ、曲げ強度、曲げたわみ量をそれぞれ測定した。加水分解温度および焼結温度と共に、結果を表2に示す。
Figure 2017053078
表2の結果より、本発明のアルミナ繊維はαアルミナの割合が95vol%以上であることから、優れた熱伝導性をもち、かつ結晶子サイズ500Å以下であることから、機械的強度および柔軟性に優れるものであることがわかった。
また、加水分解温度を5℃以下とし、焼結温度を1100℃以下とすることによって、αアルミナの割合が95vol%以上、かつ結晶子サイズが500Å以下のアルミナ繊維を製造できることもわかった。
《試験例2:熱伝導率の測定》
エポキシフィルム(参考例)、繊維状アルミナフィラーA分散エポキシフィルム(実施例1−3)、繊維状アルミナフィラーB分散エポキシフィルム(比較例2−3)、繊維状アルミナフィラーC分散エポキシフィルム(比較例3−3)の熱伝導率の測定を、各フィルムから、たて10mm、よこ10mm、厚さ0.3mmの試験片を採取した後、(本発明のアルミナ繊維−有機樹脂複合シート)欄に記載の熱伝導率の測定方法に従って、厚さ方向における熱伝導率の測定をそれぞれ行った。結果を表3に示す。
Figure 2017053078
表3の結果から、有機樹脂中に、αアルミナ95vol%以上からなり、αアルミナの結晶子サイズが500Å以下の繊維状アルミナフィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合シートは、厚さ0.3mmでの熱伝導率が3W/m・K以上の熱伝導率に優れるものであった。
本発明のアルミナ繊維、アルミナ繊維シート、又はアルミナ繊維−有機樹脂複合シートは熱伝導性に優れているため、熱伝導性を必要とする用途、例えば、半導体デバイス用途、サーマルプリンタ用途、接着剤用途、太陽電池用途などに使用することができる。
1・・・紡糸原液供給装置;2・・・ノズル;3・・・捕集体;
4・・・電圧印加装置;5・・・紡糸空間;6・・・紡糸容器;
7・・・気体供給装置;8・・・排気装置。

Claims (6)

  1. αアルミナ95vol%以上からなるアルミナ繊維であり、前記αアルミナの結晶子サイズが500Å以下であるアルミナ繊維。
  2. 請求項1に記載のアルミナ繊維からなる繊維シートであり、曲げ強度が5MPa以上であるアルミナ繊維シート。
  3. 請求項1に記載のアルミナ繊維からなる繊維シートであり、曲げたわみ量が0.6mm以上であるアルミナ繊維シート。
  4. 有機樹脂中に、請求項1に記載のアルミナ繊維が分散したアルミナ繊維−有機樹脂複合シート。
  5. 有機樹脂中に、請求項2又は3に記載のアルミナ繊維シートを含有するアルミナ繊維−有機樹脂複合シート。
  6. (i)アルミニウムアルコキシドを含む溶液を5℃以下の温度で加水分解させた後、縮重合させることにより調製した曳糸性ゾル溶液を紡糸する工程、
    (ii)前記工程(i)で紡糸した繊維を温度1100℃以下で焼結する工程
    を含む、アルミナ繊維の製造方法。
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