JP6076225B2 - フィラー分散有機樹脂複合体 - Google Patents

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本発明はフィラー分散有機樹脂複合体に関する。本発明のフィラー分散有機樹脂複合体は、例えば、ディスプレイ、太陽電池基板、表面保護膜、層間絶縁膜などの用途に、好適に使用することができる。
例えば、有機樹脂フィルムの機械的物性の向上又は温度変化に対する形態安定性の向上を目的として、従来から、有機樹脂に無機フィラーを添加してフィラー分散有機樹脂フィルムとすることが行われている。その無機フィラーの形状として、粒子状、針状、鱗片状又は繊維状のものが知られている。この無機フィラーの中で、粒子状、針状又は鱗片状の無機フィラーを添加してフィラー分散有機樹脂フィルムとする場合、フィラー分散有機樹脂フィルムにおける無機フィラーの割合を約30〜50mass%と多量に添加しないと、機械的物性又は温度変化に対する形態安定性の向上が期待できない傾向がある。
例えば、特開2002−069309号公報(特許文献1)では、複合材料組成物における鱗片状無機フィラーの割合を20〜50重量%とすることによって、成形収縮率を低くし、また、機械的強度を向上させることができることを開示している。しかしながら、鱗片状無機フィラーの量が多くなると、複合材料組成物の粘度が上がり、また、鱗片状無機フィラーが凝集したりして分散性が悪くなる傾向があるため、複合材料組成物の成形性が低下し、また、鱗片状無機フィラーの凝集によって、成形物の機械的強度が低下する、などの悪影響が懸念された。
一方、有機樹脂に繊維状の無機フィラーを添加したフィラー分散有機樹脂フィルムの場合、繊維状の無機フィラーのアスペクト比が高いため、粒子状、針状又は鱗片状の無機フィラーを添加した場合と比較して、少ない添加量で、機械的強度の向上などの効果が期待できる。
このような、フィラーとして使用できる無機繊維として、「平均繊維径が50nm以上1000nm以下であり、繊維全体の質量に対してニオブ元素を酸化ニオブ換算で0.1質量%以上10質量%以下含むチタニア繊維」(特許文献2)が提案されている。
このチタニア繊維は、チタン酸アルキル、チタン酸アルキルとの錯体形成性化合物、および、ニオブアルコキシドを含む混合物、水、ならびに、繊維形成性溶質を含む繊維形成用組成物を調製する繊維形成用組成物を、静電紡糸法して繊維集合体を得た後、繊維集合体を焼成して製造した繊維であり、化合物間に界面が存在しているため、チタニア繊維自体の機械的強度が低く、フィラーとして用いても、成形時における圧力やせん断力によって、チタニア繊維が破砕され、フィラーとしての機械的物性又は温度変化に対する形態安定性の向上作用を、十分に発揮できないものであった。
特開2002−069309号公報 特開2008−038314号公報
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、有機樹脂中に繊維状の無機フィラーが分散したフィラー分散有機樹脂複合体であり、無機フィラーが分散していることによって、十分に機械的物性又は温度変化に対する形態安定性が向上したフィラー分散有機樹脂複合体の製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明は、「(1)有機樹脂を溶解させた溶解液に、下記物性を満たす無機繊維状フィラーを添加し、無機繊維状フィラー分散液を調製した後、無機繊維状フィラー分散液を塗工し、乾燥する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、二次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体、(2)有機樹脂を溶融させた溶融液に、下記物性を満たす無機繊維状フィラーを添加し、無機繊維状フィラー分散融液を調製した後、成形する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、二次元的態様又は三次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体、又は(3)前記二次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体を成形する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、三次元的態様を有するフィラー分散樹脂複合体の製造方法であって、前記無機繊維状フィラーは、曳糸性ゾルを静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径2μm以下の無機系繊維からなる無機系繊維シートを形成し、焼結して無機繊維シートとした後、無機繊維シートをプレス機で加圧し、粉砕して製造したものであることを特徴とする、フィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。

1.平均繊維径:2μm以下
2.アスペクト比:1000以下
3.繊維長のCV値:0.7以下
4.次の式(1)から算出される繊維長変化率(Lr):30%以下
Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
Lbは無機繊維状フィラーの平均繊維長、Laは無機繊維状フィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する」である。
[2]また、本発明は、「無機繊維状フィラーのアスペクト比が5以上であることを特徴とする、請求項1記載のフィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。」である。
[3]更に、本発明は、「フィラー分散有機樹脂複合体における無機繊維状フィラーの割合が30mass%以下となるように、無機繊維状フィラーを添加することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のフィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。」である。
[1]にかかる発明は、繊維長変化率が30%以下と、圧力やせん断力によって変形しにくい機械的強度の優れる無機繊維状フィラーが分散しているため、機械的強度に優れ、温度が変化しても形態が変化しにくい、形態安定性に優れるフィラー分散有機樹脂複合体である。
[2]にかかる発明は、無機繊維状フィラーのアスペクト比が5以上と、繊維径に比して繊維長が長いため、少ない量しか無機繊維状フィラーが分散していないにもかかわらず、機械的強度に優れ、温度変化に対する形態安定性の優れるフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。
[3]にかかる発明は、フィラー分散有機樹脂複合体における無機繊維状フィラーの割合が30mass%以下と、少ない量の無機繊維状フィラーが分散しているにもかかわらず、機械的強度に優れ、温度変化に対する形態安定性の優れるフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。また、少ない量の無機繊維状フィラーであることによって、フィラー分散有機樹脂複合体製造時における粘度が高くなりすぎず、また、無機繊維状フィラーの分散性にも優れているため、均一な物性を有するフィラー分散有機樹脂複合体であることができる。
静電紡糸法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図 静電紡糸法以外の方法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図 静電紡糸装置の模式的断面図
本発明のフィラー分散有機樹脂複合体(以下、単に「分散樹脂複合体」と表記することがある)は、細く、繊維長が均一、かつ機械的強度の優れる無機繊維状フィラー(以下、単に「無機フィラー」と表記することがある)が分散したものであるため、機械的物性又は温度変化に対する形態安定性に優れるものである。なお、無機フィラーが細いため、厚さの薄いフィラー分散樹脂複合体であることができる。また、無機フィラーが細いため、分散樹脂複合体から突出しにくいという効果もある。
具体的には、無機フィラーは、2μm以下の平均繊維径を有するため、薄く、均一な物性を有する分散樹脂複合体であることができる。無機フィラーの平均繊維径が小さければ小さい程、薄く、均一な物性を有する分散樹脂複合体であることができ、近年の軽薄短小化に対応できるため、平均繊維径は1μm以下であるのが好ましい。なお、平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当であり、0.05μm以上であるのが好ましい。
本発明における「平均繊維径」は無機フィラー50点における繊維径の算術平均値をいい、「繊維径」は無機フィラーを撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、無機フィラーの長さ方向に対して直交する方向における長さをいう。
また、本発明の分散樹脂複合体を構成する無機フィラーは、アスペクト比が1000以下であるため、無機フィラーが凝集しにくく、有機樹脂全体に均一に分散した分散樹脂複合体であることができる。分散性を考慮すると、アスペクト比は750以下であるのが好ましく、500以下であるのがより好ましく、300以下であるのが更に好ましい。
一方で、無機フィラーのアスペクト比は5以上であるのが好ましい。アスペクト比が5以上であると、繊維径に比して繊維長が長いため、少ない量の無機フィラーで、機械的強度に優れ、温度変化に対する形態安定性に優れる分散樹脂複合体であることができるためである。より好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上であり、更に好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。なお、「アスペクト比」は、無機フィラーの平均繊維径の平均繊維長に対する比率であり、無機フィラーの平均繊維長を平均繊維径で除した値である。
また、本発明の分散樹脂複合体を構成する無機フィラーの平均繊維長は、前記アスペクト比を満たす限り、特に限定するものではないが、分散樹脂複合体の機械的物性又は温度変化に対する形態安定性を向上させることができるように、また、分散性を考慮すると、例えば、平均繊維径が100nm以下の場合には、平均繊維長は0.5〜100μmであるのが好ましく、1〜30μmであるのがより好ましい。また、平均繊維径が1〜2μmの場合には、平均繊維長が5〜1000μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
本発明における「平均繊維長」は無機フィラー50本における繊維長の算術平均値をいい、「繊維長」は無機フィラーを撮影した50〜5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、無機フィラーの長さ方向における長さをいう。
本発明の分散樹脂複合体を構成する無機フィラーは上述のようなアスペクト比1000以下で、繊維長のCV値が0.7以下と繊維長が揃っており、品質が安定しているため、無機フィラーが凝集しにくく、有機樹脂全体に均一に分散した分散樹脂複合体である。この繊維長のCV値が小さければ小さい程、繊維長が揃っていることを意味するため、繊維長のCV値は0.6以下であるのが好ましく、0.5以下であるのがより好ましく、0.4以下であるのが更に好ましく、0.3以下であるのが更に好ましく、理想としては0である。この繊維長のCV値は、繊維長の標準偏差を平均繊維長で除した値、つまり、(繊維長の標準偏差/平均繊維長)である。なお、「標準偏差」は平均繊維長測定時の無機フィラー50本の繊維長から得られる値である。
更に、本発明の分散樹脂複合体を構成する無機フィラーは繊維長変化率が30%以下で、無機フィラー自体の機械的強度が優れているため、この無機フィラーが分散した分散樹脂複合体は機械的強度に優れている。つまり、繊維長変化率が小さいということは、後述の式から理解できるように、圧力を加えても平均繊維長が変化しにくい、すなわち無機フィラーが破壊されにくいことを意味するため、無機フィラー自体の機械的強度が優れ、結果として、分散樹脂複合体は機械的強度に優れている。この繊維長変化率が小さければ小さい程、無機フィラー自体の機械的強度が優れているため、20%以下であるのが好ましく、15%以下であるのがより好ましく、10%以下であるのが更に好ましく、5%以下であるのが更に好ましく、4%以下であるのが更に好ましく、3%以下であるのが更に好ましく、2%以下であるのが更に好ましく、1%以下であるのが更に好ましい。
この繊維長変化率(Lr)は次の式(1)から算出される値である。
Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
Lbは無機フィラーの平均繊維長、Laは無機フィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する。なお、無機フィラーに対する加圧は、約1g量り取った無機フィラーに対して、プレス機を用いて、室温下、10MPaの加圧を3秒間行う。
なお、無機フィラーの状態は特に限定するものではないが、機械的強度が優れ、分散樹脂複合体の機械的物性を向上させることができるように、焼結した状態にあるのが好ましい。
また、無機フィラーの無機成分も特に限定するものではないが、次に例示するような元素の酸化物であることができる。
(元素)リチウム、ベリリウム、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、タングステン、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、又はルテチウムなど。
より具体的には、SiO、Al、B、TiO、ZrO、CeO、FeO、Fe、Fe、VO、V、SnO、CdO、LiO、WO、Nb、Ta、In、GeO、PbTi、LiNbO、BaTiO、PbZrO、KTaO、Li、NiFe、SrTiOなどを挙げることができる。なお、前記無機成分は、一成分の酸化物から構成されていても、二成分以上の酸化物から構成されていても良い。例えば、SiO−Alの二成分から構成されていても良い。
なお、無機フィラーと分散樹脂複合体を構成する有機樹脂との親和性を高めるために、無機フィラー表面がシランカップリング剤などの表面処理剤によって、改質されていても良い。
このような本発明の無機フィラーは、例えば、曳糸性ゾルを静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径2μm以下の無機系繊維からなる無機系繊維シートを形成し、焼結して無機繊維シートとした後、無機繊維シートをプレス機で加圧し、粉砕して、アスペクト比1000以下、繊維長のCV値0.7以下、かつ繊維長変化率30%以下の無機フィラーを製造することができる。
より具体的には、まず、曳糸性ゾル溶液を静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径2μm以下の無機系繊維からなる無機系繊維シートを形成する。曳糸性ゾル溶液を紡糸することによって、無機成分間に界面の少ない無機系繊維を紡糸できるため、最終的に機械的強度の優れる無機フィラーを製造することができる。また、静電紡糸法によれば、平均繊維径2μm以下と細く、平均孔径が小さく、しかも孔径の揃った無機系繊維シートを形成できる。つまり、平均孔径が小さく、しかも孔径が揃っているということは、無機系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っていることを意味する。
この点について、静電紡糸法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図1と、静電紡糸法以外の方法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図である図2をもとに説明すると、静電紡糸法によれば、図1に示すように、平均孔径が小さく、かつ孔径の揃った無機系繊維シートを形成できるため、無機系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃っている。例えば、繊維同士の交差点であるc5を基準として見た場合、c5に隣接する無機系繊維同士の交差点であるb5、c4、c6及びd4との距離は比較的短く、しかも距離がほぼ同じである。
これに対して、静電紡糸法以外の方法により形成した無機系繊維シートは、図2に示すように、孔径のバラツキが大きい。例えば、繊維同士の交差点であるC5を基準として見た場合、C5に隣接する無機系繊維同士の交差点であるB5、C4、C6及びD4との距離はバラツキが大きい。
この静電紡糸法は紡糸原液(曳糸性ゾル)に対して電界を作用させることにより、紡糸原液を延伸し、繊維化する方法である。静電紡糸法について、特開2005−194675号公報に開示の静電紡糸装置の模式的断面図である図3をもとに、簡単に説明する。
図3の静電紡糸装置は、紡糸原液をノズル2へ供給できる紡糸原液供給装置1、紡糸原液供給装置1から供給された紡糸原液を吐出するノズル2、ノズル2から吐出され、電界によって延伸された無機系繊維を捕集するアースされた捕集体3、ノズル2とアースされた捕集体3との間に電界を形成するために、ノズル2に電圧を印加できる電圧印加装置4、ノズル2と捕集体3とを収納した紡糸容器6、紡糸容器6へ所定相対湿度の気体を供給できる気体供給装置7、及び紡糸容器6内の気体を排気できる排気装置8を備えている。
このような静電紡糸装置の場合、紡糸原液は紡糸原液供給装置1によってノズル2へ供給される。この供給された紡糸原液はノズル2から吐出されるとともに、アースされた捕集体3と電圧印加装置4によって印加されたノズル2との間の電界による延伸作用を受け、繊維化しながら捕集体3へ向かって飛翔する。そして、この飛翔した無機系繊維は直接、捕集体3上に集積し、無機系繊維シートを形成する。
この紡糸原液として、曳糸性ゾル溶液を使用するのが好ましい。この曳糸性ゾル溶液は、最終的に得られる無機繊維を構成する元素を含む化合物を含む溶液(原料溶液)を、100℃以下程度の温度で加水分解させ、縮重合させることによって得ることができる。前記原料溶液の溶媒は、例えば、有機溶媒(例えば、アルコール)及び/又は水であることができる。
なお、「曳糸性」は、以下に示す条件で静電紡糸を行い、以下の判断基準によって判断する。
(判定法)
アースした金属板に対し、水平方向に配置した金属ノズル(内径:0.4mm)から曳糸性を判断する溶液(固形分濃度:20〜50mass%)を吐出する(吐出量:0.5〜1.0g/hr)と共に、ノズルに電圧を印加(電界強度:1〜3kV/cm、極性:プラス印加又はマイナス印加)し、ノズルの先端に溶液の固化を生じさせることなく、1分間以上、連続して紡糸し、金属板上に繊維を集積させる。この集積した繊維の走査電子顕微鏡写真を撮り、観察し、液滴がなく、繊維の平均繊維径(50点の算術平均値)が5μm以下、アスペクト比が100以上の繊維を製造できる条件が存在する場合、その溶液は「曳糸性あり」と判断する。これに対して、前記条件(すなわち、濃度、押出量、電界強度、及び/又は極性)を変え、いかに組み合わせても、液滴がある場合、オイル状で一定した繊維形態でない場合、平均繊維径が5μmを超える場合、あるいは、アスペクト比が100未満の場合(例えば、粒子状)で、前記繊維を製造できる条件が存在しない場合、その溶液は「曳糸性なし」と判断する。
この最終的に得られる無機繊維を構成する元素としては、特に限定するものではないが、例えば、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、タングステン、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、又はルテチウムなどを挙げることができる。
また、前記化合物としては、例えば、前記元素の酸化物を挙げることができ、具体的には、SiO、Al、B、TiO、ZrO、CeO、FeO、Fe、Fe、VO、V、SnO、CdO、LiO、WO、Nb、Ta、In、GeO、PbTi、LiNbO、BaTiO、PbZrO、KTaO、Li、NiFe、SrTiOなどを挙げることができる。前記無機成分は、一成分の酸化物から構成されていても、二成分以上の酸化物から構成されていても良い。例えば、SiO−Alの二成分から構成されていても良い。
この曳糸性ゾル溶液は、静電紡糸できるように、粘度が0.01〜10Pa・sであるのが好ましく、0.05〜5Pa・sであるのがより好ましく、0.1〜3Pa・sであるのが更に好ましい。粘度が10Pa・sを超えると平均繊維径が2μm以下の無機系繊維を紡糸することが困難となり、0.01Pa・s未満になると繊維形状自体が得られなくなる傾向があるためである。なお、曳糸性ゾル溶液の紡糸を、ノズルを用いて行う場合には、ノズル先端部分における雰囲気を原料溶液の溶媒と同様の溶媒ガス雰囲気とすることにより、粘度が10Pa・sを超える曳糸性ゾル溶液であっても紡糸可能な場合がある。
この曳糸性ゾル溶液は上述のような無機成分以外に、有機成分を含んでいることもできる。例えば、シランカップリング剤、染料などの有機低分子化合物、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子化合物などを含んでいても良い。より具体的には、前記原料溶液に含まれる化合物がシラン系化合物である場合には、メチル基やエポキシ基で有機修飾されたシラン系化合物が縮重合したものを含んでいることができる。
前記原料溶液は、原料溶液に含まれる化合物を安定化する溶媒[例えば、有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド)又は水]、前記原料溶液に含まれる化合物を加水分解するための水、及び加水分解反応を円滑に進行させる触媒(例えば、塩酸、硝酸など)を含んでいることができる。また、前記原料溶液は、例えば、化合物を安定化させるキレート剤、化合物の安定化のためのシランカップリング剤、圧電性などの各種機能を付与することができる化合物、透明性、接着性改善、柔軟性、硬度(もろさ)調整のための有機化合物(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ヒドロキシアパタイトなどの細胞親和性のある無機成分、あるいは染料などの添加剤を含んでいることができる。なお、これらの添加剤は、加水分解を行う前、加水分解を行う際、或いは加水分解後に添加することができる。
また、前記原料溶液は、無機系又は有機系の微粒子を含んでいることができる。前記無機系微粒子としては、例えば、酸化チタン、二酸化マンガン、酸化銅、二酸化珪素、活性炭、金属(例えば、白金)を挙げることができ、有機系微粒子として、色素又は顔料などを挙げることができる。また、微粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは0.002〜0.1μmである。このような微粒子を含んでいることによって、光学機能、多孔性、細胞親和性、触媒機能、タンパク質吸着機能、或いはイオン交換機能などを付与することができる。
原料溶液に含まれる化合物を加水分解するための水は原料によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、化合物がテトラエトキシシランの場合、水の量がアルコキシドの4倍(モル比)を超えると曳糸性ゾル溶液とすることが困難になる傾向があるため、アルコキシドの4倍以下であるのが好ましい。
また、反応温度は使用溶媒の沸点未満であれば良いが、低い方が、適度に反応速度が遅く、曳糸性ゾル溶液を形成しやすい。あまり低すぎても反応が進行しにくいため、10℃以上であるのが好ましい。
なお、紡糸原液供給装置1としては、例えば、シリンジポンプ、チューブポンプ、ディスペンサ等を使用することができる。また、ノズル2に替えて、ノコギリ状歯車、ワイヤー、スリットなどを使用することもできる。更に、図3における捕集体3はドラム形態であるが、コンベア形態であっても良い。更に、図3においては、捕集体3がアースされているが、ノズル2をアースし、捕集体3に対して電圧を印加しても良いし、ノズル2と捕集体3のいずれに対しても電圧を印加するものの、電位差を有するように電圧を印加しても良い。
更に、電圧印加装置4としては、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機を用いることができ、空気の絶縁破壊を生じることなく、曳糸性ゾル溶液を紡糸して繊維化できるように、印加電圧は適宜調整する。また、印加する電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良いが、無機系繊維の拡がりを抑制し、無機系繊維が均一に分散し、孔径が揃った無機系繊維シートを製造できるように、曳糸性ゾル溶液の特性に合わせて適宜、極性を選択する。
図3の静電紡糸装置においては、紡糸容器6に気体供給装置7(例えば、プロペラファン、シロッコファン、エアコンプレッサー、温湿度調整機能を備えた送風機など)及び排気装置8(例えば、ファン)が接続されているため、紡糸容器6内の雰囲気を一定にすることができるため、繊維径の揃った無機系繊維シートを製造することができる。
このように曳糸性ゾル溶液を静電紡糸法により紡糸して形成した無機系繊維シートを構成する無機系繊維は、曳糸性ゾル溶液がゲル化した状態にある。そのため、繊維長の揃った無機繊維を製造できるように、また、機械的強度の優れる無機繊維を製造できるように、更には、無機系繊維シートの取り扱い性を高めるために、ゲル状の無機系繊維を焼結して無機繊維からなる無機繊維シートとする。
この焼結は、例えば、オーブン、焼結炉等を用いて実施することができ、その温度、時間は無機系繊維を構成する無機成分によって適宜設定する。
次いで、この無機繊維シートをプレス機により加圧し、粉砕して、アスペクト比が1000以下、繊維長のCV値が0.7以下、かつ繊維長変化率が30%以下の無機フィラーを製造することができる。つまり、曳糸性ゾル溶液を紡糸することによって、無機成分間に界面の少ない無機系繊維を紡糸できるため、焼結した無機繊維を粉砕した無機フィラーは機械的強度が優れている。また、静電紡糸法により形成した無機系繊維シートは、前述の通り、平均繊維径2μm以下と細く、平均孔径が小さく、しかも孔径の揃った、無機系繊維同士の交差点間の距離が短く、かつ交差点間の距離が揃った状態にあるため、この無機系繊維シートを焼結した無機繊維シートも同様の状態にある。そのため、無機繊維シートに対して、無機繊維の配向を変動させないように、プレス機により加圧すると、無機繊維同士の交差点が強く加圧され、焼結して形成した無機繊維は剛性が高く、変形しにくいことも相俟って、無機繊維同士の交差点で破断されやすいため、繊維長の揃った無機フィラーを製造できる。つまり、無機繊維同士の交差点は無機繊維同士が重なって、微視的には、無機繊維シートの厚さが厚くなった箇所に相当するため、プレス機による圧力は無機繊維同士の交差点に対して優先的に作用する。したがって、繊維長の揃った無機フィラーを製造できる。
この点について、静電紡糸法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後の無機繊維シートにおける無機繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図1と、静電紡糸法以外の方法により形成した無機系繊維シートにおける無機系繊維の配置状態を模式的に表す平面図ではあるが、焼結後の無機繊維シートにおける無機繊維の配置状態を模式的に表す平面図と考えることもできる図2をもとに説明すると、例えば、図1における、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5では、2本の無機繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図1の無機繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5に対して優先的に圧力が加わり、焼結した無機繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6及びe1〜e5で無機繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)無機フィラーを製造することができる。
これに対して、図2のように、静電紡糸法以外の方法により形成した無機繊維シートも同様に、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5では、2本の無機繊維が交差した状態にあるため、交差していない箇所と比較すると、約2倍の厚さを有する。そのため、図2のような無機繊維シートに対してプレス機により加圧すると、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5に対して優先的に圧力が加わり、焼結した無機繊維の剛性も相俟って、繊維同士の交差点A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6及びE1〜E5で無機繊維が破断する。そのため、繊維長のCV値の揃った(0.7以下)無機フィラーを製造することができない。
なお、プレス機によりプレスする際の加圧力は、アスペクト比1000以下、かつ繊維長のCV値が0.7以下の無機フィラーとすることができる限り、特に限定するものではなく、実験により、加圧力とアスペクト比及び繊維長のCV値を確認し、適切な加圧力を選択する。
図1、2を無機繊維シートの平面図とした場合、図1、2においては、無機繊維シートにおける無機繊維の配置状態を模式的に表しており、無機繊維同士の交差点が2本の無機繊維が交差した状態を表しているが、実際には、3本の無機繊維が交差した交差点もあれば、4本以上の無機繊維が交差した交差点もあるため、交差点によって、厚さが異なる。そのため、無機繊維の交差数の多い交差点ほど、強い圧力が作用するため、弱い圧力を作用させた場合には、無機繊維の交差数の多い交差点で無機繊維が粉砕し、作用させる圧力を強くするにしたがって無機繊維の交差数の少ない交差点で無機繊維が粉砕することになる。そのため、作用させる圧力によって、ある程度、無機フィラーの繊維長を制御できる。また、静電紡糸法によれば、ある程度繊維径の揃った無機系繊維を紡糸できる。そのため、静電紡糸条件と粉砕条件(特に圧力)を制御することによって、所望のアスペクト比を有する無機フィラーを製造することができる。
本発明の分散樹脂複合体は、有機樹脂中に前記無機フィラーが分散したものである。前述の通り、無機フィラーは細く、揃っており、しかも機械的強度の優れるものであるため、分散樹脂複合体は機械的物性及び温度変化に対する形態安定性に優れ、均一な物性を有するものである。
本発明の分散樹脂複合体の形態は特に限定するものではないが、例えば、厚さが1mm以下であるような薄膜、又は厚さが1mmを超えるようなプレートのような二次元的形態、或いは円柱、角柱などの柱状体、円錐、角錐などの錐体、球体、中空部を有する円柱又は角柱などの中空柱状体、などの三次元的形態であることができる。特に、本発明の分散樹脂複合体においては、平均繊維径が2μm以下で、アスペクト比が1000以下の無機フィラーを含んでおり、平均繊維長が短い無機フィラーであることができるため、厚さが1mm以下であるような薄膜であることが可能である。
本発明における分散樹脂複合体において、分散樹脂複合体における無機フィラーの割合が30mass%以下であるのが好ましい。無機フィラーの割合が30mass%を超えると、無機フィラーが凝集して機械的強度が低下するなど、物性にバラツキが生じやすくなる傾向があるためで、より好ましくは20mass%以下であり、更に好ましくは15mass%以下であり、更に好ましくは10mass%以下である。一方で、無機フィラーは分散樹脂複合体の機械的物性及び温度変化に対する形態安定性を向上させることができるように、0.1mass%以上含まれているのが好ましい。
なお、分散樹脂複合体における無機フィラーの割合(P)は、次の式(2)によって算出される値である。
P=[F/(F+O)]×100 (2)
式中、Fは無機フィラーの質量、Oは有機樹脂の質量をそれぞれ意味する。
また、分散樹脂複合体を構成する有機樹脂は分散樹脂複合体の適用用途によって異なるため、特に限定するものではないが、例えば、分散樹脂複合体をフレキシブル回路基板用基材として使用する場合には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、これら熱硬化性樹脂を適宜2種類以上、配合及び/又は反応させてなる熱硬化性樹脂組成物、更に前記熱硬化性樹脂1種又はそれ以上をポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又は多官能性アクリレート化合物や添加剤等で変性したもの、架橋ポリエチレン、架橋ポリエチレン/エポキシ樹脂、架橋ポリエチレン/シアナート樹脂、ポリフェニレンエーテル/シアナート樹脂、その他の熱可塑性樹脂で変性した架橋硬化性樹脂(IPN又はセミIPN)を用いてなるもの、などを挙げることができる。
また、分散樹脂複合体をイオン伝導材として使用する場合の有機樹脂としては、パーフルオロスルホン酸、金属イオンを含有するポリエチレンオキシドゲルなどを挙げることができる。更に、用途によって、低誘電率樹脂、高誘電率樹脂、イオン交換樹脂、ホール及び電子伝導性樹脂、有機半導体、紫外線硬化性樹脂、シリコーンゴム又はゲル、導電性や研磨性などを有する超微粒子複合樹脂、ポリエチレンワックス等の低強度樹脂、圧電性高分子、圧電性無機粒子を含む複合圧電性樹脂などを使用することができる。
このような本発明の分散樹脂複合体は常法により製造することができる。例えば、有機樹脂を溶解させた溶解液に、無機フィラーを添加し、無機フィラー分散液を調製した後、無機フィラー分散液を塗工し、乾燥して、二次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することができる。また、有機樹脂を溶融させた溶融液、無機フィラーを添加し、無機フィラー分散融液を調製した後、成形して、二次元的態様又は三次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することができる。なお、二次元的態様を有する分散樹脂複合体を更に成形して、三次元的態様を有する分散樹脂複合体を製造することもできる。
以下、具体例によって本発明を説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
(シリカフィラーAの調製)
オルトケイ酸テトラエチル、水及び塩酸、エタノールを1:2:0.0025:5のモル比で混合し、温度80℃で15時間加熱撹拌し、縮重合させた。そして、エバポレータにより、シリカ濃度が44mass%になるまで濃縮した後、粘度が200〜300mPa・sになるまで増粘させて、曳糸性シリカゾル溶液を得た。
その後、前記曳糸性シリカゾル溶液を用い、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の静電紡糸条件で紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径1μmのシリカ繊維Aからなるシリカ繊維シートAを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:1g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・800℃/2時間
次いで、このシリカ繊維シートAから、質量約1gのシリカ繊維シートA片を複数枚採取した。続いて、このシリカ繊維シートA片を重ねて、1.5cmの厚さとした後、プレス機により、200MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するシリカフィラーAを作製した。
(ジルコニアフィラーの調製)
ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド[Zr(OnBu)]、アセト酢酸エチル、塩化ヒドラキシルアンモニウム、水、2−プロパノール、硝酸イットリウム六水和物を、1:2:0.025:2:22:0.033のモル比で混合し、15時間、室温で攪拌し、縮重合させた。そして、エバポレータにより、ジルコニア濃度が30mass%になるまで濃縮した後、粘度が2100〜2800mPa・sになるまで増粘させて、曳糸性ジルコニアゾル溶液を得た。なお、Zr(OnBu)が無機原料として、アセト酢酸エチルが配位子として、塩化ヒドラキシルアンモニウムが触媒として、それぞれ機能する。
その後、前記曳糸性ジルコニアゾル溶液を用い、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の静電紡糸条件で紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径0.3μmのジルコニア繊維からなるジルコニア繊維シートを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:1g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・800℃/2時間
次いで、このジルコニア繊維シートから、質量約1gのジルコニア繊維シート片を複数枚採取した。続いて、このジルコニア繊維シート片を重ねて1.5cmの厚さとした後、プレス機により、40MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するジルコニアフィラーを作製した。
(アルミナフィラーAの調製)
アルミニウムsec−ブトキシド、乳酸エチル、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水、2−プロパノールを1:5:0.0025:1:5のモル比で混合し、温度70℃で15時間加熱撹拌し、縮重合させた。そして、エバポレータにより、アルミナ濃度が30mass%になるまで濃縮した後、粘度が2000〜3000mPa・sになるまで増粘させて、曳糸性アルミナゾル溶液を得た。
その後、前記曳糸性アルミナゾル溶液を用い、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の条件で静電紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径0.7μmのアルミナ繊維Aからなるアルミナ繊維シートAを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・1200℃/2時間
次いで、このアルミナ繊維シートAから、質量約1gのアルミナ繊維シートA片を複数枚採取した。続いて、このアルミナ繊維シートA片を重ねて1.5cmの厚さとした後、プレス機により、20MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するアルミナフィラーAを作製した。
(シリカフィラーBの調製)
シリカ粒子(扶桑化学工業株式会社製、製品名:PL−3、粒子径:30nm)は曳糸性ではなかったため、このシリカ粒子をポリビニルアルコール溶液(平均重合度:1000、固形分濃度:10mass%、溶媒:水)中に、固形分質量比でシリカ粒子対ポリビニルアルコールが3対7となるように分散させて、紡糸原液を調製した。
次いで、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の静電紡糸条件で紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径1μmのシリカ繊維Bからなるシリカ繊維シートBを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・800℃/2時間
次いで、このシリカ繊維シートBから、質量約1gのシリカ繊維シートB片を複数枚採取した。続いて、このシリカ繊維シートB片を重ねて1.5cmの厚さとした後、プレス機により、10MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するシリカフィラーBを作製した。
(アルミナフィラーBの調製)
アルミナ粒子(川研ファインケミカル製、製品名:アルミナゾル−10A、平均粒子径:100nm)は曳糸性ではなかったため、このアルミナ粒子をポリビニルアルコール溶液(平均重合度:1000、固形分濃度:10mass%、溶媒:水)中に、固形分質量比でアルミナ粒子対ポリビニルアルコールが3対7となるように分散させて、紡糸原液を調製した。
次いで、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の条件で静電紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径1μmのアルミナ繊維Bからなるアルミナ繊維シートBを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・1200℃/2時間
次いで、このアルミナ繊維シートBから、質量約1gのアルミナ繊維シートB片を複数枚採取した。続いて、このアルミナ繊維シートB片を重ねて1.5cmの厚さとした後、プレス機により、10MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するアルミナフィラーBを作製した。
(チタニアフィラーAの調製)
チタンテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業株式会社製、一級)1質量部に、酢酸(和光純薬工業株式会社製、特級)1.3質量部を添加混合することにより、均一な溶液S1を調製した。また、イオン交換水1質量部に、ポリエチレンオキシド(和光純薬工業株式会社製、一級、平均分子量:300,000〜500,000)0.016質量部を混合した溶液S2を調製した。
次いで、溶液S2を攪拌しながら、溶液S1に添加したところ、溶液中にゲルが生成した。更に攪拌を続けることにより、生成したゲルは解離し、透明な溶液S3となったため、溶液S3を紡糸原液とした。
次いで、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の条件で静電紡糸しようとしたが、繊維を得ることができなかった。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(チタニアフィラーBの調製)
チタンテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業株式会社製、一級)1質量部に、酢酸(和光純薬工業株式会社製、特級)1.3質量部を添加混合することにより、均一な溶液S4を調製した。この溶液S4に対して、イオン交換水1質量部を混合した溶液を、攪拌しながら添加したところ、溶液中にゲルが生成した。更に攪拌を続けることにより、生成したゲルは解離し、透明な溶液S5を得た。
次いで、溶液S5とポリビニルピロリドン溶液(平均分子量:630000、固形分濃度:20mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)とを、質量比で3:2となるように混合して、紡糸原液を調製した。
次いで、図3に示すような静電紡糸装置を用いて、次の条件で静電紡糸した後、次の焼結条件で焼結して、平均繊維径0.5μmのチタニア繊維からなるチタニア繊維シートを得た。
(紡糸条件)
・ノズルからの吐出量:0.5g/時間
・ノズル先端とドラム捕集体との距離:10cm
・紡糸容器内の温湿度:25℃/30%RH
・ノズルへの印加電圧:+10kV
(焼結炉での焼結条件)
・600℃/2時間
次いで、このチタニア繊維シートから、質量約1gのチタニア繊維シート片を複数枚採取した。続いて、このチタニア繊維シート片を重ねて1.5cmの厚さとした後、プレス機により、10MPaの圧力で3秒間加圧することにより粉砕して、表1に示す物性を有するチタニアフィラーを作製した。
Figure 0006076225
(実施例1〜3、比較例1〜3、参考例1)
前記方法で調製した各無機フィラーを、ポリイミド溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物のフィラー分散ポリイミドフィルムにおける無機フィラーの割合が9mass%となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、平らなガラス板上にバーコーターで製膜し、温度80℃で180分間の乾燥を実施して、それぞれフィラー分散ポリイミドフィルムを製造した。
そして、これらフィラー分散ポリイミドフィルムの引張試験と線膨張率測定 を、次の方法により行った。この結果は表2に示す通りであった。なお、無機フィラーを混合していないポリイミドフィルムも同様に製造し、参考例1として表2にその物性を表記した。
(引張試験)
定速伸長型引張試験機(オリエンテック製、UCT−100)を用いて、次の条件により、サンプルが破断するまでの最大荷重を測定した。この最大荷重の測定を5枚のサンプルについて行い、これら最大荷重を算術平均し、引張り強さとした。
(測定条件)
チャック間距離:5cm
引張り速度:50mm/min.
サンプルサイズ:幅5mm、長さ7cm
(平均線膨張係数の測定)
JIS K 7197に規定するTMA法により、次の条件により測定した。
(測定条件)
温度範囲:30℃〜80℃
昇温速度:5℃/min.
サンプルサイズ:幅5mm、長さ10mm
Figure 0006076225
#1:括弧内は、引張り強さの参考例1(ポリイミドフィルム)に対する向上率
#2:括弧内は、平均線膨張係数の参考例1(ポリイミドフィルム)に対する低下率
(実施例4、参考例2)
前記方法で調製したシリカフィラーAを、ポリアクリロニトリル溶液(SIGMA−ALDRICH製、平均分子量:150,000、固形分濃度:15mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物のシリカフィラーA分散ポリアクリロニトリルフィルムにおけるシリカフィラーAの割合が9mass%となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、平らなガラス板上にバーコーターで製膜し、温度80℃で180分間の乾燥を実施して、シリカフィラーA分散ポリアクリロニトリルフィルムを製造した。
そして、このシリカフィラーA分散ポリアクリロニトリルフィルムの引張試験と線膨張率測定を、実施例1と同様に行った。この結果は表3に示す通りであった。なお、シリカフィラーAを混合していないポリアクリロニトリルフィルムも同様に製造し、参考例2として表3にその物性を表記した。
Figure 0006076225
#1:括弧内は、引張り強さの参考例2(ポリアクリロニトリルフィルム)に対する向上率
#2:括弧内は、平均線膨張係数の参考例2(ポリアクリロニトリルフィルム)に対する低下率
(実施例5、参考例3)
前記方法で調製したシリカフィラーAを、ポリフッ化ビニリデン溶液(固形分濃度:10mass%、溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)に、最終物のシリカフィラーA分散ポリフッ化ビニリデンフィルムにおけるシリカフィラーAの割合が9mass%となるように混合し、脱泡機で10分間の攪拌(回転数:2000rpm)を行った後、平らなガラス板上にバーコーターで製膜し、温度80℃で180分間の乾燥を実施して、シリカフィラーA分散ポリフッ化ビニリデンフィルムを製造した。
そして、このシリカフィラーA分散ポリフッ化ビニリデンフィルムの引張試験と線膨張率測定を、実施例1と同様に行った。この結果は表4に示す通りであった。なお、シリカフィラーAを混合していないポリフッ化ビニリデンフィルムも同様に製造し、参考例3として表4にその物性を表記した。
Figure 0006076225
#1:括弧内は、引張り強さの参考例3(ポリフッ化ビニリデンフィルム)に対する向上率
#2:括弧内は、平均線膨張係数の参考例3(ポリフッ化ビニリデンフィルム)に対する低下率
表2〜4の結果から、有機樹脂の種類に関係なく、平均繊維径2μm以下、アスペクト比1000以下、繊維長のCV値0.7以下、かつ繊維長変化率30%以下の無機繊維状フィラーを含むフィラー分散有機樹脂フィルムは、機械的強度、及び温度が変化しても形態が変化しにくい、形態安定性に優れるものであることがわかった。
本発明のフィラー分散有機樹脂複合体は、平均繊維径が2μm以下と細く、アスペクト比が1000以下で、繊維長のCV値が0.7以下と繊維長が揃っており、しかも繊維長変化率が30%以下と機械的強度の優れる無機フィラーが分散しているため、機械的強度及び温度変化に対する形態安定性に優れている。そのため、例えば、ディスプレイ、太陽電池基板、表面保護膜、層間絶縁膜などの用途に、好適に使用することができる。
1 紡糸原液供給装置
2 ノズル
3 捕集体
4 電圧印加装置
5 紡糸空間
6 紡糸容器
7 気体供給装置
8 排気装置
a1〜a3、b1〜b5、c1〜c6、d1〜d6、e1〜e5 繊維同士の交差点
A1〜A3、B1〜B5、C1〜C7、D1〜D6、E1〜E5 繊維同士の交差点

Claims (3)

  1. (1)有機樹脂を溶解させた溶解液に、下記物性を満たす無機繊維状フィラーを添加し、無機繊維状フィラー分散液を調製した後、無機繊維状フィラー分散液を塗工し、乾燥する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、二次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体、(2)有機樹脂を溶融させた溶融液に、下記物性を満たす無機繊維状フィラーを添加し、無機繊維状フィラー分散融液を調製した後、成形する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、二次元的態様又は三次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体、又は(3)前記二次元的態様を有するフィラー分散有機樹脂複合体を成形する、有機樹脂中に無機繊維状フィラーが分散した、三次元的態様を有するフィラー分散樹脂複合体の製造方法であって、前記無機繊維状フィラーは、曳糸性ゾルを静電紡糸法により紡糸して、平均繊維径2μm以下の無機系繊維からなる無機系繊維シートを形成し、焼結して無機繊維シートとした後、無機繊維シートをプレス機で加圧し、粉砕して製造したものであることを特徴とする、フィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。

    1.平均繊維径:2μm以下
    2.アスペクト比:1000以下
    3.繊維長のCV値:0.7以下
    4.次の式(1)から算出される繊維長変化率(Lr):30%以下
    Lr=[(Lb−La)/Lb]×100 (1)
    Lbは無機繊維状フィラーの平均繊維長、Laは無機繊維状フィラーに10MPaの圧力を加えた後の平均繊維長、をそれぞれ意味する
  2. 無機繊維状フィラーのアスペクト比が5以上であることを特徴とする、請求項1記載のフィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。
  3. フィラー分散有機樹脂複合体における無機繊維状フィラーの割合が30mass%以下となるように、無機繊維状フィラーを添加することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のフィラー分散有機樹脂複合体の製造方法。
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