JP2015085792A - 車両の制動力制御方法 - Google Patents

車両の制動力制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015085792A
JP2015085792A JP2013225717A JP2013225717A JP2015085792A JP 2015085792 A JP2015085792 A JP 2015085792A JP 2013225717 A JP2013225717 A JP 2013225717A JP 2013225717 A JP2013225717 A JP 2013225717A JP 2015085792 A JP2015085792 A JP 2015085792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking force
front wheels
friction
regenerative
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013225717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6164045B2 (ja
Inventor
理央 須田
Michihisa Suda
理央 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013225717A priority Critical patent/JP6164045B2/ja
Priority to PCT/JP2014/079654 priority patent/WO2015064771A1/en
Priority to CN201480059275.0A priority patent/CN105683006B/zh
Priority to US15/028,493 priority patent/US9895978B2/en
Publication of JP2015085792A publication Critical patent/JP2015085792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6164045B2 publication Critical patent/JP6164045B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60LPROPULSION OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; SUPPLYING ELECTRIC POWER FOR AUXILIARY EQUIPMENT OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRODYNAMIC BRAKE SYSTEMS FOR VEHICLES IN GENERAL; MAGNETIC SUSPENSION OR LEVITATION FOR VEHICLES; MONITORING OPERATING VARIABLES OF ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES; ELECTRIC SAFETY DEVICES FOR ELECTRICALLY-PROPELLED VEHICLES
    • B60L7/00Electrodynamic brake systems for vehicles in general
    • B60L7/24Electrodynamic brake systems for vehicles in general with additional mechanical or electromagnetic braking
    • B60L7/26Controlling the braking effect
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T1/00Arrangements of braking elements, i.e. of those parts where braking effect occurs specially for vehicles
    • B60T1/02Arrangements of braking elements, i.e. of those parts where braking effect occurs specially for vehicles acting by retarding wheels
    • B60T1/10Arrangements of braking elements, i.e. of those parts where braking effect occurs specially for vehicles acting by retarding wheels by utilising wheel movement for accumulating energy, e.g. driving air compressors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1761Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to wheel or brake dynamics, e.g. wheel slip, wheel acceleration or rate of change of brake fluid pressure
    • B60T8/17616Microprocessor-based systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2270/00Further aspects of brake control systems not otherwise provided for
    • B60T2270/60Regenerative braking
    • B60T2270/602ABS features related thereto

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】前輪に回生制動力が付与されている状況において制動力のすり替えが行われる場合に、車両の減速度が違和感を惹起すほどに低下する虞れを低減しつつ、車両がアンダーステア状態になる虞れを低減する。
【解決手段】回生制動力が付与されている前輪の制動スリップ量が基準値を越えると(S20又は40)、当該時点を基準時点として基準時点における前輪の回生制動力よりも所定値低い暫定の目標回生制動力(S30又は50)になるように前輪の回生制動力を制御しつつ、前輪の摩擦制動力が増大するように摩擦制動力を制御し(S80、90)、基準時点以降の摩擦制動力の増大量が上記所定値以上になったと判定されると(S100)、回生制動力を漸次低下させると共に摩擦制動力を漸次増大させる(S100〜160)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両操舵輪である前輪に回生制動力及び摩擦制動力が付与される車両の制動力制御方法に係る。
回生制動が行われる車両に於いては、回生制動力が付与されている車輪の制動スリップが過大になると、アンチスキッド制御(ABS制御)による制動力の制御の開始に先立って、いわゆる「制動力のすり替え」が行われる。すなわち、回生制動力が0になるまで漸減されると共に摩擦制動力が漸増されることにより、回生制動力が摩擦制動力にすり替えられる。そして、制動力のすり替えが完了した後に、アンチスキッド制御の開始条件が成立すると、アンチスキッド制御によって摩擦制動力が車輪の制動スリップに応じて増減されることにより、制動スリップが低減される。
この制動力のすり替えにおいて、摩擦制動力が0より増大される場合には、摩擦制動力の増大指令が出力されても、摩擦制動力はすぐには増大せず、摩擦制動力の増大率は増大指令の増大率よりも低くなる。その要因として、ブレーキアクチュエータによりホイールシリンダへのブレーキオイルの供給が開始されても、ホイールシリンダ内の圧力が実際に上昇するまでに時間を要すること、ブレーキアクチュエータに応答遅れがあること、ノックバック等がある。
制動力のすり替え時における摩擦制動力の増大遅れに起因して車両全体の制動力が低下すると、車両の減速度が低下するため、車両の乗員は違和感を覚える。この問題に対処すべく、例えば下記の特許文献1には、摩擦制動力の増大遅れに起因する制動力の不足分を回生制動力にて補填することが提案されている。特許文献1に記載された構成によれば、制動力のすり替え時に車両全体の制動力が不足する虞れ及びその制動力の不足に起因して車両の減速度が低下する虞れを低減することができる。
特開2013−56587号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
上記特許文献1においては、制動力のすり替えは、車両の停止直前の車速低下時に行われるよう説明されているが、アンチスキッド制御による制動力の制御に備えて上記特許文献1に記載された制動力のすり替えを行うことが考えられる。
しかし、操舵輪である前輪に回生制動力が付与され、車両が旋回している状況において、アンチスキッド制御に備えて上記制動力のすり替えが行われると、前輪の制動力が低減されないため、前輪の横力不足に起因して車両がアンダーステア状態になることがある。特に、前輪の制動スリップ量が大きくその増大率が大きいほど、車両がアンダーステア状態になり易い。
本発明は、回生制動力が操舵輪である前輪に付与されている状況においてアンチスキッド制御による制動力の制御に備えて制動力のすり替えが行われる場合における上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして本発明の主要な課題は、前輪に回生制動力が付与されている状況において制動力のすり替えが行われる場合に、車両の減速度が違和感を惹起すほどに低下する虞れを低減しつつ、車両がアンダーステア状態になる虞れを低減することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、操舵輪である前輪に回生制動力及び摩擦制動力が付与される車両に適用され、前輪の目標制動力を演算し、該目標制動力に基づいて回生制動力及び摩擦制動力を制御する車両の制動力制御方法において、前輪に回生制動力が付与されている状況にて少なくとも一方の前輪の制動スリップの度合が基準値を越えると、当該時点を基準時点として、前記基準時点における前輪の回生制動力よりも所定値低い暫定の目標回生制動力になるように前輪の回生制動力を制御しつつ、前輪の摩擦制動力が増大するように前輪の摩擦制動力を制御し、前記基準時点より所定の時間が経過した時点において、前輪の回生制動力が漸次低下すると共に前輪の摩擦制動力が漸次増大するように、回生制動力を低下させる制御及び摩擦制動力を増大させる制御を開始することを特徴とする車両の制動力制御方法によって達成される。
上記の構成によれば、少なくとも一方の前輪の制動スリップの度合が基準値を越えると、その時点(基準時点)における前輪の回生制動力よりも所定値低い暫定の目標回生制動力になるように前輪の回生制動力が制御され、その状況にて、前輪の摩擦制動力が増大するように制御される。
よって、基準時点の直後には前輪の回生制動力が暫定の目標回生制動力になって前輪の制動力が目標制動力よりも低い値になるので、前輪の制動スリップの度合が増大することを抑制することができる。従って、車両が旋回していても、前輪の横力が不足することに起因して車両がアンダーステア状態になる虞れを低減することができる。
また、摩擦制動力は遅れを伴いながらも増大するので、前輪の制動力が目標制動力よりも低い状況が過剰に長く継続することはない。従って、車両全体の制動力が過剰に長く低下することはないので、車両の減速度の低下に起因して車両の乗員が違和感を覚える虞れを低減することができる。
更に、制動力のすり替え時における摩擦制動力の増大遅れは、基準時点よりの経過時間が長くなるほど小さくなる。換言すれば、増大指令に対する摩擦制動力の増大の応答性は、基準時点よりの経過時間が長くなるほど高くなる。
上記の構成によれば、基準時点より所定の時間が経過すると、前輪の回生制動力が漸次低下されると共に、前輪の摩擦制動力が漸次増大されることにより、回生制動力が漸次摩擦制動力にすり替えられる。よって、基準時点において制動力のすり替えが開始される場合に比して、摩擦制動力の応答性が向上しているので、制動力のすり替えに必要とされる摩擦制動力の増大率と実際の摩擦制動力の増大率との差を小さくすることができる。従って、制動力のすり替えが行われる過程において、摩擦制動力の増大率が不足することに起因して前輪の制動力が目標制動力よりも低くなる虞れを低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記所定値は、前記基準時点における前輪の目標制動力と、前輪の制動スリップの度合が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力との差であってよい。
上記の構成によれば、暫定の目標回生制動力は、前輪の制動スリップの度合が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力と基準時点における摩擦制動力との差である。よって、暫定の目標回生制動力になるように前輪の回生制動力を制御することにより、前輪の暫定の目標制動力になるよう、前輪の制動力を制御することができる。従って、前輪の制動スリップの度合が増大することを抑制することができるので、車両が旋回していても、前輪の横力が不足することに起因して車両がアンダーステア状態になる虞れを低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記基準時点以降における前輪の摩擦制動力の増大量が前記所定値以上になったと判定したときに、前記基準時点より所定の時間が経過したと判定するようになっていてよい。
上記の構成によれば、基準時点以降における前輪の摩擦制動力の増大量が所定値以上になったと判定したときに、制動力のすり替え、すなわち、回生制動力の漸次低下及び摩擦制動力の漸次増大を開始させることができる。よって、制動力のすり替えに必要とされる摩擦制動力の増大率と制動力のすり替えが開始される際の摩擦制動力の増大率との差をできるだけ小さくすることができる。また、前輪の摩擦制動力の増大量が所定値になったと判定したときに、基準時点より所定の時間が経過したと判定し、すり替えを開始すれば、すり替えが開始されるまでに摩擦制動力が過剰に増大することを回避することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記所定の時間は予め設定された値であってよい。
上記の構成によれば、基準時点以降における前輪の摩擦制動力の増大量を求めたり、摩擦制動力の増大量が所定値以上になったか否かを判定したりする必要がない。よって、基準時点以降における前輪の摩擦制動力の増大量が所定値以上になったか否かが判定される場合に比して、制動力のすり替えを容易に行うことができる。なお、予め設定された値は、制動力のすり替えが開始されるまでに摩擦制動力の増大遅れが解消され、摩擦制動力の増大率ができるだけ必要とされる増大率に近くなると共に、すり替えが開始されるまでに摩擦制動力が過剰に増大することを防止できるよう、例えば実験により求められてよい。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記暫定の目標制動力は、現在の前輪の制動スリップの度合に基づいて演算されることにより、現在の前輪の制動スリップの度合に応じて可変設定されてよい。
上記の構成によれば、基準時点以降の前輪の制動スリップの度合の変化に応じて暫定の目標制動力を可変設定することができる。よって、基準時点以降の前輪の制動スリップの度合の変化に応じて暫定の目標回生制動力を可変設定することができる。従って、暫定の目標制動力が一定の値に演算される場合に比して、基準時点以降の前輪の制動スリップの度合が変化する場合にも、制動力のすり替えが開始される前の回生制動力を制動スリップの度合の変化に応じて適正に制御することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記暫定の目標制動力は、前記基準時点における前輪の制動スリップの度合に基づいて一定の値に演算されてよい。
上記の構成によれば、暫定の目標制動力は、基準時点における前輪の制動スリップの度合に基づいて一定の値に演算されるので、基準時点における前輪の制動スリップの度合に応じて暫定の目標回生制動力を一定の値に設定することができる。よって、基準時点以降の前輪の制動スリップの度合の変化に応じて暫定の目標制動力が可変設定される場合に比して、制動力のすり替えが開始される前の回生制動力の制御を単純化することができる。
ハイブリッドシステムが搭載された車両に適用され、本発明による制動力制御方法の一つの実施形態を実行する制動力制御装置を示す概略構成図である。 実施形態においてアンチスキッド制御による制動力の制御に備えて前輪の回生制動力を摩擦制動力にすり替える制御ルーチンを示すフローチャートである。 前輪に回生制動力のみが付与されている状況において、実施形態に従って制動力のすり替えが行われる場合の回生制動力及び摩擦制動力の変化を示すタイムチャートである。 前輪に回生制動力及び摩擦制動力が付与されている状況において、実施形態に従って制動力のすり替えが行われる場合の制動力の変化を示すタイムチャートである。 前輪に回生制動力のみが付与されている状況において、回生制動力による制動力の補填が行われない従来技術に従って制動力のすり替えが行われる場合の回生制動力及び摩擦制動力の変化を示すタイムチャートである。 実施形態及び上記特許文献1の制動力制御装置の場合について、車両が制動により減速されつつ直進走行状態より旋回走行状態へ移行する際の車両の走行挙動を示す説明図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、車両102に搭載された制動力制御装置であって、本発明による制動力制御方法の一つの実施形態を実行する制動力制御装置100を全体的に示している。制動力制御装置100は、前輪及び後輪に摩擦制動力を付与する液圧式の摩擦制動装置12と、前輪に回生制動力を付与する回生制動装置14とを有している。従って、前輪の制動力は、摩擦制動装置12による摩擦制動及び回生制動装置14による回生制動の協調制御により制御される。
また、図1において、18は前輪を駆動するハイブリッドシステムを示しており、ハイブリッドシステム18はガソリンエンジン20と電動発電機22とを含んでいる。ガソリンエンジン20の出力軸24は、クラッチを内蔵する無段変速機26の入力軸に連結されており、無段変速機26の入力軸は電動発電機22の出力軸28にも連結されている。無段変速機26の出力軸30の回転は、フロントディファレンシャル32を介して左右前輪用車軸34FL及び34FRへ伝達され、これにより左右の前輪36FL及び36FRが回転駆動される。
ハイブリッドシステム18のガソリンエンジン20及び電動発電機22により発生される駆動力は、エンジン制御装置38により運転者による図には示されていないアクセルペダルの踏み込み量及び車両の走行状況に応じて制御される。また、電動発電機22は回生制動装置14の回生発電機としても機能し、回生発電機としての機能(回生制動)もエンジン制御装置38により制御される。
左右の前輪36FL、36FR及び左右の後輪36RL、36RRの摩擦制動力は、後に詳細に説明する如く液圧式の摩擦制動装置12のホイールシリンダ40FL、40FR、40RL、40RRの制動圧が油圧回路42によって制御されることにより制御される。油圧回路42は、運転者によるブレーキペダル46に対する制動操作量に応じて制動制御装置44により制御され、ブレーキアクチュエータとして機能する。図には示されていないが、油圧回路42はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含んでいる。油圧回路42は運転者によるブレーキペダル46の踏み込み操作により駆動されるマスタシリンダ48内の圧力、すなわちマスタシリンダ圧力Pm等に基づいて制御される。
車輪36FL〜36RRには、それぞれ対応する車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を検出する車輪速度センサ50FR〜50RL及び制動圧Pi(i=fl、fr、rl、rr)を検出する圧力センサ52FR〜52RLが設けられている。マスタシリンダ48にはマスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ54が設けられている。各センサにより検出された値を示す信号は制動制御装置44に入力される。各車輪の制動圧Piは、各車輪の摩擦制動力を推定したり、各車輪の摩擦制動力を目標値に正確に制御するために使用されるが、油圧回路42の種々の弁装置の作動に基づいて推定されてもよい。なお、fl、fr、rl、rrは、それぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪を意味する。
制動制御装置44は、運転者の制動操作量を示すマスタシリンダ圧力Pmに基づいて車両全体の目標制動力Fvbtを演算する。そして、制動制御装置44は、車両全体の目標制動力Fvbt及び予め設定された制動力の前後輪配分比に基づいて、前輪(2輪)の目標制動力Ffbt及び後輪(2輪)の目標制動力Frbtの和が目標制動力Fvbtになるよう、目標制動力Ffbt及びFrbtを演算する。
回生制動装置14により発生可能な回生制動力の最大値をFfbrmaxとする。前輪の目標制動力Ffbtが回生制動力の最大値Ffbrmax以下であるときには、制動制御装置44は、回生制動装置14の目標回生制動力FfbrtをFfbtに設定し、前輪の目標摩擦制動力Ffbftを0に設定する。これに対し、前輪の目標制動力Ffbtが回生制動力の最大値Ffbrmaxよりも大きいときには、制動制御装置44は、回生制動装置14の目標回生制動力FfbrtをFfbrmaxに設定し、前輪の目標摩擦制動力FfbftをFfbt−Ffbrmaxに設定する。
また、制動制御装置44は、前輪の目標摩擦制動力Ffbftの2分の1を左右前輪の目標摩擦制動力Fflbft、Ffrbftに設定すると共に、後輪の目標制動力Frbtの2分の1を左右後輪の目標摩擦制動力Frlbft、Frrbftに設定する。そして、後述のアンチスキッド制御の如き制動力の個別制御が行われないときには、制動制御装置44は、左右前輪及び左右後輪の摩擦制動力がそれぞれ対応する目標摩擦制動力Fibft(i=fl、fr、rl、rr)になるよう、摩擦制動装置12を制御する。
エンジン制御装置38には、アクセル開度センサ56よりアクセル開度φ、すなわち図には示されていないアクセルペダルの踏み込み量を示す信号が入力され、無段変速機26よりそのギヤ比を示す信号が入力される。また、エンジン制御装置38には制動制御装置44より目標回生制動力Ffbrtを示す信号が入力される。エンジン制御装置38は、運転者の運転操作が駆動操作であるときには、アクセル開度φに基づいてガソリンエンジン20及び電動発電機22の出力及び無段変速機26のギヤ比を制御することにより車両の駆動力を制御する。
これに対し、運転者の運転操作が制動操作であるときには、エンジン制御装置38は車両全体の駆動力が0になるよう、ガソリンエンジン20及び電動発電機22を制御する。特に、制動制御装置44より目標回生制動力Ffbrtを示す信号が入力されているときには、エンジン制御装置38は目標回生制動力Ffbrtに基づいて回生制動力を制御する。すなわち、エンジン制御装置38は回生制動装置14の回生制動力Ffbrが目標回生制動力Ffbrtになるよう、回生制動装置14を制御する。よって、左右の前輪にはそれぞれ目標回生制動力Ffbrtの2分の1に対応する回生制動力が付与される。
なお、エンジン制御装置38及び制動制御装置44は、実際にはそれぞれ例えばCPU、ROM、RAM、入出力装置を含むマイクロコンピュータと、駆動回路とを有する一般的な構成のものであってよい。
制動制御装置44は、図には示されていないアンチスキッド制御ルーチンに従って、各車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vbを推定する。そして、制動制御装置44は、各車輪について推定車体速度Vbと車輪速度Vwiとの偏差を演算することにより、制動スリップの度合を示す値として制動スリップ量SLi(i=fl、fr、rl、rr)を演算する。さらに、制動制御装置44は、制動スリップ量SLiに基づいて各車輪についてアンチスキッド制御による制動力の制御の要否を判定する。なお、制動スリップの度合を示す値は、例えば制動スリップ率、すなわち推定車体速度Vbに対する制動スリップ量SLiの比であってもよい。
特に、制動制御装置44は、左右の前輪36FL、36FRに回生制動力が付与されている状況において、アンチスキッド制御による制動力の制御が開始される可能性があるときには、それに備えて前輪の回生制動力を摩擦制動力にすり替えるための制御を行う。この制動力のすり替え制御は、図2に示されたフローチャートに従って行われる。
後に詳細に説明する如く、前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrの何れかが基準値SLp(正の定数)を越えると、制動制御装置44は、その時点を基準時点として、基準時点における制動スリップ量等に基づいて暫定の目標回生制動力Ffbrptを演算する。この場合、暫定の目標回生制動力Ffbrptは、前輪の制動スリップ量が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力Ffbptに対応する目標回生制動力であり、基準時点における目標回生制動力Ffbrt0よりも所定値低い値である。この場合、所定値は、基準時点における前輪の目標制動力Ffbt0と前輪の暫定の目標制動力Ffbptとの差である。
そして、制動制御装置44は、回生制動力を暫定の目標回生制動力Ffbrptに低減して保持し、前輪の摩擦制動力を漸増させる。さらに、制動制御装置44は、制動力のすり替え開始後の摩擦制動力の増大量が所定値ΔFfbrp(=Ffbrt0−Ffbrpt)以上になると、好ましくは所定値ΔFfbrpと一致すると、回生制動力を0になるまで漸減し、摩擦制動力を目標制動力になるまで漸増させる。この場合、回生制動力の漸減及び摩擦制動力の漸増は、回生制動力と摩擦制動力との和が基準時点における前輪の目標制動力になるよう、行われる。
また、前輪の回生制動力が0になった後に、前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrの何れかが基準値SLs(SLpよりも大きい正の定数)を越えると、制動制御装置44は、アンチスキッド制御による当該車輪の摩擦制動力の個別制御を開始する。そして、制動制御装置44は、当該車輪の制動スリップ量SLfl又はSLfが終了基準値SLe(SLsよりも小さい正の定数)以下になると、アンチスキッド制御による摩擦制動力の制御を終了する。
また、前輪の回生制動力が0になる前に、前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrの何れかが基準値SLsを越えると、制動制御装置44は、前輪の回生制動力が0になるようエンジン制御装置38に対し0の目標回生制動力Ffbrtを示す信号を出力する。また、制動制御装置44は、回生制動力の低下量に対応する増大量にて前輪の摩擦制動力を増大させる。そして、制動制御装置44は、アンチスキッド制御による当該車輪の摩擦制動力の個別制御を開始する。
なお、前輪の回生制動力が0になった後に、予め設定された基準時間が経過してもアンチスキッド制御の開始条件が成立しない等の予め設定された復帰条件が成立すると、上記制動力のすり替えとは逆のすり替えが行われる。すなわち、回生制動力が増大され、摩擦制動力が低減されることにより、前輪の制動力の制御は通常の制御に復帰し、回生制動力Ffbrは目標回生制動力Ffbrtになるよう制御され、前輪の摩擦制動力Ffbは目標摩擦制動力Ffbftになるよう制御される。
また、回生制動力は左右の後輪36RL、36RRに付与されないので、後輪の制動スリップ量SLrl及びSLrrの何れかが基準値SLsを越えると、制動制御装置44は、当該車輪についてアンチスキッド制御による摩擦制動力の個別制御を開始する。そして、制動制御装置44は、当該車輪の制動スリップ量SLrl又はSLrrが終了基準値SLe以下になると、アンチスキッド制御による摩擦制動力の制御を終了する。
次に、図2に示されたフローチャートを参照して実施形態においてアンチスキッド制御による制動力の制御に備えて行われる制動力のすり替え制御ルーチンについて説明する。なお、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御は、左右の前輪36FL、36FRに回生制動力が付与されている状況において、所定の時間毎に繰返し実行される。また、以下の説明においては、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御を必要に応じて単に「制御」と呼ぶこととする。
まず、ステップ10においては、図には示されていないアンチスキッド制御ルーチンに従って演算された左右の前輪36FL及び36FRの制動スリップ量SLfl及びSLfrについて、SLflがSLfrよりも大きいか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ40へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ20へ進む。
ステップ20においては、左前輪36FLの制動スリップ量SLflが基準値SLpを越えているか否かの判別、すなわちアンチスキッド制御による左前輪の制動力の制御に備えて前輪の回生制動力を摩擦制動力にすり替えるべきであるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ60へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ30へ進む。
ステップ30においては、左前輪の制動スリップ量SLflが増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力Ffbfptに対応する暫定の目標回生制動力Ffbrptが、下記の式(1)に従って演算される。なお、下記の式(1)の関数fxの変数は以下の通りであり、Izfは前輪の慣性モーメント(既知の一定値)である。また、左前輪の接地荷重Fflz及び路面の推定摩擦係数μは、当技術分野において公知の要領にて推定された値であってよい。
Ffbrpt=fx(SLfl,SLfld,Ffbr,Fflbf,Izf,Fflz,μ) …(1)
SLfld=左前輪の制動スリップ量SLflの変化率(例えば時間微分値)
Ffbr=現在の回生制動力
Fflbf=左前輪の摩擦制動力
Fflz=左前輪の接地荷重
μ=路面の推定摩擦係数
ステップ40においては、右前輪36FRの制動スリップ量SLfrが基準値SLpを越えているか否かの判別、すなわちアンチスキッド制御による右前輪の制動力の制御に備えて前輪の回生制動力を摩擦制動力にすり替えるべきであるか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ60へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ50へ進む。
ステップ50においては、右前輪の制動スリップ量SLfrが増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力Ffbfptに対応する暫定の目標回生制動力Ffbrptが、下記の式(2)に従って演算される。なお、下記の式(2)の関数fyの変数は以下の通りである。また、右前輪の接地荷重Ffrzは当技術分野において公知の要領にて推定された値であってよく、Izf及びμは上記式(1)の場合と同一である。
Ffbrpt=fy(SLfr,SLfrd,Ffbr,Ffrbf,Izf,Ffrz,μ) …(2)
SLfrd=右前輪の制動スリップ量SLfrの変化率(例えば時間微分値)
Ffbr=現在の回生制動力
Ffrbf=右前輪の摩擦制動力
Ffrz=右前輪の接地荷重
μ=路面の推定摩擦係数
ステップ60においては、非制御処理、すなわち、制動力のすり替えが実行されないようにする処理が行われる。具体的には、暫定の目標回生制動力Ffbrpt、後述の摩擦制動力の暫定の目標増大勾配Ffbfpdt及び摩擦制動力の目標増大勾配Ffbfdtが、それぞれ0にリセットされ、しかる後制御はステップ10へ戻る。
ステップ70においては、暫定の目標回生制動力Ffbrptを示す信号がエンジン制御装置38へ出力され、これにより回生制動力Ffbrが暫定の目標回生制動力Ffbrptになるよう、回生制動装置14が制御される。
ステップ80においては、基準時点より予め設定された時間Ts(1秒程度の正の定数)が経過する時点において制動力のすり替えを完了させるための前輪の摩擦制動力の暫定の目標増大率Ffbfpdtが、下記の式(3)に従って演算される。なお、「基準時点」は、制動スリップ量SLfl又はSLfrが基準値SLpを越えた時点、すなわちステップ20又は40において最初に肯定判別が行われた時点である。また、下記の式(3)において、Ffbrt0は基準時点における前輪の目標制動力Ffbtであり、Ffbf0は基準時点における前輪の摩擦制動力であり、Tspは基準時点からの経過時間である。
Ffbfpdt=(Ffbt0−Ffbf0)/(Ts−Tsp) …(3)
ステップ90においては、前輪の摩擦制動力Ffbfが暫定の目標増大率Ffbfpdtにて増大するよう、摩擦制動装置12が制御される。例えば、前輪の暫定の目標摩擦制動力Ffbfptが下記の式(4)に従って演算され、前輪の摩擦制動力Ffbfが暫定の目標摩擦制動力Ffbfptになるよう、摩擦制動装置12が制御される。なお、下記の式(4)及び後述の式(7)、(8)において、Ffbffは前輪の摩擦制動力の前回値であり、ΔTは図2に示されたフローチャートのサイクルタイムである。
Ffbfpt=Ffbff+Ffbfpdt*ΔT …(4)
ステップ100においては、基準時点における目標回生制動力Ffbrt0と暫定の目標回生制動力Ffbrptとの差Ffbrt0−Ffbrptが、回生制動力Ffbrの暫定低減量、すなわち所定値ΔFfbrpとして演算される。また、前輪の現在の摩擦制動力Ffbfと基準時点における前輪の摩擦制動力Ffbf0との差Ffbf−Ffbf0が、基準時点以降の前輪の摩擦制動力Ffbfの総増大量ΔFfbfとして演算される。そして、摩擦制動力の総増大量ΔFfbfが所定値ΔFfbrp以上になったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ80へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ110へ進む。
ステップ110においては、基準時点より予め設定された時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えを完了させるための前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdtが、上記式(3)と同様の下記の式(5)に従って演算される。
Ffbfdt=(Ffbt0−Ffbf0)/(Ts−Tsp) …(5)
ステップ120においては、基準時点より予め設定された時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えを完了させるための前輪の回生制動力の目標減少率Ffbrdtが、下記の式(6)に従って演算される。
Ffbrdt=−(Ffbrt0−ΔFfbrp)/(Ts−Tsp) …(6)
ステップ130においては、前輪の摩擦制動力Ffbfが目標増大率Ffbfdtにて増大するよう、摩擦制動装置12が制御される。例えば、前輪の目標摩擦制動力Ffbftが下記の式(7)に従って演算され、前輪の摩擦制動力Ffbfが目標摩擦制動力Ffbftになるよう、摩擦制動装置12が制御される。
Ffbft=Ffbff+Ffbfdt*ΔT …(7)
ステップ140においては、前輪の目標回生制動力Ffbrtが下記の式(8)に従って演算される。そして、目標回生制動力Ffbrtを示す信号がエンジン制御装置38へ出力され、これにより回生制動力Ffbrが目標回生制動力Ffbrtになるよう、回生制動装置14が制御される。なお、下記の式(8)において、Ffbrfは前輪の回生制動力の前回値である。
Ffbrt=Ffbrf+Ffbrdt*ΔT …(8)
ステップ150においては、ステップ130において演算された前輪の目標摩擦制動力Ffbftが基準時点における前輪の目標制動力Ffbt0以上であるか否かの判別、すなわち制動力のすり替えが完了したか否かの判別が行われる。そして、否定判別が行われたときには制御はステップ110へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ160へ進む。
ステップ160においては、前輪の目標摩擦制動力Ffbftが前輪の目標制動力Ffbtに設定されると共に、目標回生制動力Ffbrtが0に設定され、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御が終了する。なお、これ以降においては、前輪に回生制動力が付与されることなく、前輪の目標摩擦制動力Ffbftが前輪の目標制動力Ffbtに設定され、左右前輪の目標摩擦制動力Fflbft、Ffrbftがそれぞれ前輪の目標摩擦制動力Ffbftの2分の1に制御される。そして、必要に応じてアンチスキッド制御による摩擦制動力の制御が実行される。また、予め設定された復帰条件が成立すると、制動力の制御は左右前輪に回生制動力を付与する通常時の制動力の制御に復帰する。
以上の説明より解る如く、ステップ20又は40及びステップ70〜90により、回生制動力を摩擦制動力にすり替えるための予備制御が行われる。また、ステップ110〜160により、回生制動力を摩擦制動力にすり替えるための本制御が行われる。制動力のすり替えの本制御は、基準時点より所定の時間が経過した時点において開始されるので、「所定の時間」は制動力のすり替えの予備制御の継続時間と同一である。
<前輪に回生制動力のみが付与されている場合>
次に、前輪に回生制動力のみが付与されている場合について、図2に示されたフローチャート及び図3に示されたタイムチャートを参照して実施形態の作動を説明する。また、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている場合について、図2に示されたフローチャート及び図4に示されたタイムチャートを参照して実施形態の作動を説明する。
なお、図3及び図4において、実線は前輪の回生制動力Ffbrを示し、破線は前輪の摩擦制動力Ffbfを示している。また、一点鎖線は暫定目標摩擦制動力Ffbfptによる前輪の摩擦制動力Ffbfの変化を示し、二点鎖線は前輪の制動力Ffb、すなわち前輪の回生制動力Ffbrと摩擦制動力Ffbfとの和を示している。これらのことは、従来技術の場合について、図3と同様のタイムチャートを示す図5においても同様である。
また、一般に、アンチスキッド制御による制動力の制御に備えて制動力のすり替えが行われるのは、運転者の制動操作量が増大され、前輪の目標制動力Ffbtが増大するときである。しかし、基準時点より制動力のすり替えが完了するまでの時間Tsは前述の如く1秒程度の短い時間である。よって、実施形態の作動の説明においては、前輪の目標制動力Ffbtは一定であると考えられてもよいので、図3乃至図5においては、前輪の目標制動力Ffbtは一定の値として示されている。
まず、左右前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrのうちの大きい方の値が基準値SLpを越えると、ステップ20又は40において肯定判別が行われることにより、前輪の制動力のすり替えの予備制御が開始される。かくして制動力のすり替えの予備制御が開始される時点、すなわち基準時点は、図3に示されたタイムチャートの時点t1である。そして、ステップ30又は50において、前輪の制動スリップ量が増大することを抑制するための暫定の目標回生制動力Ffbrptが、前輪の制動スリップ量SLfl及びLfrのうちの大きい方の値等に基づいて演算される。また、ステップ70において、前輪の回生制動力Ffbrが暫定の目標回生制動力Ffbrptになるよう、回生制動装置14が制御される。
基準時点t1以降においては、回生制動力Ffbrが暫定の目標回生制動力Ffbrptに制御されている状況にて、ステップ80及び90が繰り返し実行されることにより、前輪の摩擦制動力Ffbfが暫定の目標増大率Ffbfpdtにて増大するよう、摩擦制動装置12が制御される。暫定の目標増大率Ffbfpdtは基準時点より予め設定された時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えを完了させるための前輪の摩擦制動力の目標増大率である。しかし、図3に示された一点鎖線及び破線の傾きの比較より解る如く、摩擦制動力が0より増大される場合の実際の増大率は、ホイールシリンダ内の圧力の上昇遅れ等に起因して暫定の目標増大率Ffbfpdtよりも小さくなる。
前輪の摩擦制動力Ffbfが増大し、基準時点t1以降の前輪の摩擦制動力Ffbfの総増大量ΔFfbf(Ffbf−Ffbf0)が所定値ΔFfbrp(=Ffbrt0−Ffbrpt)以上になると、ステップ100において肯定判別が行われる。この肯定判別が行われるのは時点t2であるとすると、時点t2以降において、制動力のすり替えの予備制御が終了する。そして、時点t2以降においてはステップ110及びステップ140〜160が繰り返し実行されることにより、制動力のすり替えの本制御、すなわち実質的な制動力のすり替えが行われる。
特に、ステップ110において、基準時点より予め設定された時間Tsが経過する時点t3において制動力のすり替えを完了させるための前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdtが演算される。また、ステップ120において、時点t3において制動力のすり替えを完了させるための前輪の回生制動力の目標減少率Ffbrdtが演算される。そして、ステップ130及び140において、前輪の摩擦制動力Ffbfが目標増大率Ffbfdtにて漸次増大されると共に、回生制動力Ffbrが減少率Ffbrdtにて漸次低下される。
前輪の摩擦制動力Ffbfが基準時点における前輪の目標制動力Ffbt0以上になると、ステップ150において肯定判別が行われる。この肯定判別が行われるのは時点t3であるとすると、時点t3においてはステップ160が実行されることにより、制動力のすり替えが完了する。よって、時点t3以降においては、前輪には摩擦制動力のみが付与される。
かくして、実施形態によれば、図3において二点鎖線にて示されている如く、前輪の制動力Ffb(=Ffbr+Ffbf)は、制動力のすり替えの予備制御が開始された直後には基準時点における前輪の目標制動力Ffbt0よりも低い値になる。しかし、前輪の制動力Ffbは、時点t2になるまで漸次増大し、時点t2以降において制動力のすり替えの本制御が行われる。よって、制動力の実質的なすり替えに先立って前輪の制動力を一時的に低下させて、前輪のスリップ量の増大を抑制することができるので、車両が旋回状態にあっても車両がアンダーステア状態になる虞れを低減することができる。また、前輪の制動力Ffbが長い時間にわたり目標制動力Ffbtよりも低い値になることを回避し、これにより車両の減速度が低下することに起因して車両の乗員が違和感を覚える虞れも低減することができる。
図5は、前輪に回生制動力のみが付与されている状況において、回生制動力による制動力の補填が行われない従来技術に従って制動力のすり替えが行われる場合の回生制動力及び摩擦制動力の変化を示すタイムチャートである。図示の従来技術においては、時点t1において制動力のすり替えの開始条件が成立したとすると、時点t1において回生制動力の低下及び摩擦制動力の増大が開始される。
しかし、図5において破線にて示されている如く、前輪の摩擦制動力Ffbfが0より増大される場合の増大率は、図5において一点鎖線にて示された本来の目標摩擦制動力Ffbftの増大率よりも小さくなる。時点t2において前輪の摩擦制動力Ffbfが本来の目標摩擦制動力Ffbftの増大率にて増大し得るようになるとすると、時点t2以降における前輪の摩擦制動力Ffbfは本来の目標摩擦制動力FfbftよりもΔFfbf(=Ffbft−Ffbf)低い値になる。
よって、前輪の摩擦制動力Ffbfは、時点t2から制動力のすり替えが完了すべき時点t3までの長い時間、目標制動力FfbtよりもΔFfbf低い値になる。そのため、車両全体の制動力が低下することに対処すべく運転者が制動操作量を増大させると、制動力の増大により早期にアンチスキッド制御の開始条件が成立し易くなると共に、車両の旋回時には車両がアンダーステア状態になり易い。
これに対し、実施形態によれば、上述の如く前輪の制動力Ffbは時点t2以降においては基準時点t1における前輪の目標制動力Ffbt0と同一になるので、従来技術の場合に比して、運転者により制動操作量が増大される虞れを低減することができる。よって、運転者による制動力の増大に起因して早期にアンチスキッド制御の開始条件が成立する虞れや、車両がアンダーステア状態になる虞れを低減することができる。
また、制動力のすり替えが完了する前にアンチスキッド制御による制動力の制御の開始条件が成立すると、回生制動力を速やかに0にすると共に、摩擦制動力を速やかに前輪の目標制動力に増大させなければならない。しかるに、従来技術の場合には、図5に示されている如く、制動力のすり替えはそれが完了すべき時点t3よりも遅い時点t4にならないと完了しない。そのため、制動力のすり替えが完了する前にアンチスキッド制御による制動力の制御の開始条件が成立すると、回生制動力を0にするための回生制動力の低減量及び摩擦制動力を前輪の目標制動力に増大させるための増大量が大きくなる。そのため、アンチスキッド制御による制動力の制御が開始される直前における車両全体の制動力が不必要に変動すること及びこれに起因して車両の減速度が不自然に変動する虞れが高くなる。
これに対し、実施形態によれば、上述の如く制動力のすり替えはすり替えが完了すべき時点t3において完了する。よって、制動力のすり替えが完了する前にアンチスキッド制御による制動力の制御の開始条件が成立しても、回生制動力を0にするための回生制動力の低減量及び摩擦制動力を前輪の目標制動力に増大させるための増大量は、従来技術の場合ほどには大きくならない。従って、アンチスキッド制御による制動力の制御が開始される直前における車両全体の制動力が不必要に変動すること及びこれに起因して車両の減速度が不自然に変動する虞れを低減することができる。
図6は、実施形態及び上記特許文献1の制動力制御装置の場合について、車両が制動により減速されつつ直進走行状態より旋回走行状態へ移行する際の車両の走行挙動を示す説明図である。なお、図6において、110は車両102の走行に伴って直線領域から旋回領域へ変化する走行路を示し、一点鎖線112は走行路110に沿う車両102の好ましい走行軌跡を示している。
走行路110の直線領域の終点近傍の点P1において制動が開始され、車両102が減速しながら走行路110の旋回領域を走行し、点P2において左右前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrのうちの大きい方の値が基準値SLpを越えるものとする。
上記特許文献1の制動力制御装置の場合には、点P2において左右前輪の制動スリップ量SLfl及びSLfrのうちの大きい方の値が基準値SLpを越えた後にも、前輪の制動力は目標制動力に制御され、低下されない。そのため、車両が走行路110の旋回領域を走行する状況において、前輪の横力が不足することに起因して車両がアンダーステア状態になり易い。
なお、回生制動力による制動力の補填が行われない従来技術の場合には、点P2において制動力のすり替えが開始され、車両全体の制動力が低下する。よって、運転者が車両の減速度の不足を感じ、制動操作量を過剰に増大させると、前輪の制動スリップ量が増大する。その結果、図6において二点鎖線114にて示されている如く、車両はアンダーステア挙動を示し、またアンチスキッド制御が早期に開始される。
これに対し、実施形態によれば、車両が点P2を通過した直後に前輪の制動力は前輪の制動スリップ量が増大することを抑制する値に低下され、しかる後前輪の目標制動力になるよう増大される。よって、前輪の制動スリップ量の増大が抑制されると共に、運転者により制動操作量が過剰に増大される虞れも低いので、車両がアンダーステア挙動を示したり、アンチスキッド制御が早期に開始されたりする虞れも低い。従って、図6において一点鎖線112にて示されている如く、車両は好ましい走行軌跡に沿って走行する。
<前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている場合>
前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている場合にも、図2に示されたフローチャートの各ステップは、前輪に回生制動力しか付与されていない場合と同様に実行される。しかし、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている場合には、ホイールシリンダ内の圧力は既に有効な制動力を発生できる程度に上昇している。よって、この状況において摩擦制動力が増大される場合の実際の増大率は、摩擦制動力が0より増大される場合の増大率よりも大きくなる。
そのため、制動力のすり替え開始後の前輪の摩擦制動力Ffbfの総増大量ΔFfbf(Ffbf−Ffbf0)は、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に比して早く、所定値ΔFfbrp(=Ffbrt0−Ffbrpt)以上になる。その結果、ステップ100における判別が肯定判別になる時点t2′は、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に於ける時点t2よりも基準時点t1に近い時点になる。そして、時点t2′以降においては、前輪の制動力Ffbは前輪の目標制動力Ffbt0と同一になる。
よって、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に比して、前輪の摩擦制動力Ffbfが目標制動力Ffbt0よりも低い値になる期間を短くすることができる。このことにより、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に比して、制動力のすり替えの本制御を早期に開始することができ、また運転者の制動操作量が増大される虞れを低減することができる。
また、時点t2′における前輪の暫定の目標摩擦制動力Ffbfptと実際の摩擦制動力Ffbfとの差は、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に比して小さくなる。よって、時点t2′から時点t3までにおける実際の摩擦制動力Ffbfの増大率は、暫定の目標回生制動力Ffbrptの増大率に近い値になる。従って、前輪に回生制動力しか付与されていない場合に比して、実際の摩擦制動力の増大率及び前輪の回生制動力の減少率を小さくすることができる。
また、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている場合にも、制動力のすり替えはそれが完了すべき時点t3において完了する。従って、回生制動力による制動力の補填が行われない従来技術の場合に比して、アンチスキッド制御による制動力の制御が時点t3よりも早く開始される状況において車両全体の制動力が不必要に変動すること及びこれに起因して車両の減速度が不自然に変動する虞れを低減することができる。
なお、回生制動装置14の異常などにより前輪に回生制動力が付与されていない場合には、制動力のすり替えは不要であり、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御は実行されない。
特に、実施形態によれば、基準時点から時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えが完了するよう、前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdt及び回生制動力の目標増大率Ffbrdtが演算される。よって、基準時点(時点t1)から摩擦制動力の総増大量ΔFfbfが所定値ΔFfbrp以上になったと判定される時点(時点t2)までの時間の長さに関係なく、基準時点から時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えを完了させることができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態においては、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御は、前輪に回生制動力が付与されている状況において実行されるので、前輪に回生制動力及び摩擦制動力が付与されている状況においても実行される。しかし、図2に示されたフローチャートによる制動力のすり替え制御は、前輪に回生制動力のみが付与されている状況において実行されるよう修正されてもよい。
その場合には、暫定の目標回生制動力Ffbrptは、前輪の制動スリップ量が増大することを抑制するための暫定の目標回生制動力として、それぞれ上記式(1)及び(2)に対応する下記の式(1′)又は(2′)に従って演算される。式(1′)及び(2′)は、それぞれ式(1)及び(2)との比較より解る如く、摩擦制動力Fflbf、Ffrbfを変数に含んでいない。
Ffbrpt=fx(SLfl,SLfld,Ffbr,Izf,Fflz,μ) …(1′)
Ffbrpt=fy(SLfr,SLfrd,Ffbr,Izf,Ffrz,μ) …(2′)
また、上述の実施形態においては、暫定の目標回生制動力Ffbrptは上記式(1)又は(2)に従って演算される。しかし、暫定の目標回生制動力Ffbrptは、前輪の制動スリップ量が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力Ffbptに対応する暫定の目標回生制動力として演算される限り、上記式(1)、(2)以外の式に従って演算されてもよい。例えば、暫定の目標回生制動力Ffbrptは、前輪の制動スリップ量が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力Ffbptが演算され、暫定の目標制動力Ffbptより前輪の摩擦制動力Ffbfを減算することにより演算されてもよい。
また、上述の如く、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている状況において摩擦制動力が増大される場合における予備制御中の摩擦制動力の増大率は、前輪に回生制動力しか付与されていない状況における摩擦制動力の増大率よりも大きい。よって、前輪に回生制動力しか付与されていない状況における暫定の目標回生制動力Ffbrptは、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている状況において摩擦制動力が増大される場合における暫定の目標回生制動力よりも高い値に設定されてもよい。
また、暫定の目標回生制動力Ffbrptは、基準時点の回生制動力Ffbr0よりも所定値ΔFfbrp小さい回生制動力に設定され、所定値ΔFfbrpは基準時点の前輪のスリップ量等に応じて可変設定されるようになっている。しかし、所定値ΔFfbrpは予め設定された値であってもよい。その場合には、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている状況における所定値ΔFfbrpは、前輪に回生制動力のみが付与されている状況における所定値よりも小さい値に設定されてよい。
また、上述の実施形態においては、基準時点以降の前輪の摩擦制動力Ffbfの総増大量ΔFfbfが所定値ΔFfbrp以上になったと判定されたときに、基準時点より所定の時間が経過したと判定され、制動力すり替えの本制御が開始される。しかし、所定の時間(制動力すり替えの予備制御の継続時間)は、実験等に基づいて総増大量ΔFfbfが所定値ΔFfbrpになる時間として予め求められた一定の値に設定されてもよい。その場合には、前輪に回生制動力に加えて摩擦制動力が付与されている状況における所定の時間は、前輪に回生制動力しか付与されていない状況における所定の時間よりも短い時間に設定されてよい。
また、上述の実施形態においては、時間Tsは基準時点から制動力のすり替えが完了するまでの時間として予め設定されている。しかし、時間Tsはステップ100において肯定判別が行われた時点から制動力のすり替えが完了するまでの時間、すなわち本制御の継続時間として予め設定されてもよい。
また、上述の実施形態においては、ステップ100において肯定判別が行われると、ステップ110において、基準時点から時間Tsが経過する時点において制動力のすり替えが完了するよう、前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdt及び回生制動力の目標増大率Ffbrdtが演算される。しかし、前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdt及び回生制動力の目標増大率Ffbrdtは予め設定された値であってもよく、基準時点の回生制動力Ffbrに応じて可変設定されてもよい。
また、前輪の摩擦制動力の目標増大率Ffbfdt及び回生制動力の目標増大率Ffbrdtは、基準時点より所定の時間が経過した時点(時点t2)の前輪の目標制動力及び回生制動力に基づいて演算されてもよい。さらに、前輪の摩擦制動力の目標増大率及び回生制動力の目標増大率は、基準時点より所定の時間が経過した時点以降の現在の前輪の目標制動力及び回生制動力に基づいて演算されることにより、逐次更新されてもよい。
また、上述の実施形態においては、暫定の目標回生制動力Ffbrptはステップ100において肯定判別が行われるまで一定の値である。しかし、暫定の目標回生制動力Ffbrptは例えば前輪の目標制動力Ffbtに応じて可変設定されてもよい。
また、上述の実施形態においては、ハイブリッドシステム18の電動発電機22が回生制動装置14の回生発電機として機能するようになっている。しかし、回生制動装置14は前輪に回生制動力を付与することができる限り、任意の構成のものであってよい。
12…摩擦制動装置、14…回生制動装置、18…ハイブリッドシステム、20…ガソリンエンジン、22…電動発電機、38…エンジン制御装置、44…制動制御装置、50FR〜50RL…車輪速度センサ、52FR〜52RL,54…圧力センサ

Claims (6)

  1. 操舵輪である前輪に回生制動力及び摩擦制動力が付与される車両に適用され、前輪の目標制動力を演算し、該目標制動力に基づいて回生制動力及び摩擦制動力を制御する車両の制動力制御方法において、
    前輪に回生制動力が付与されている状況にて少なくとも一方の前輪の制動スリップの度合が基準値を越えると、当該時点を基準時点として、前記基準時点における前輪の回生制動力よりも所定値低い暫定の目標回生制動力になるように前輪の回生制動力を制御しつつ、前輪の摩擦制動力が増大するように前輪の摩擦制動力を制御し、
    前記基準時点より所定の時間が経過した時点において、前輪の回生制動力が漸次低下すると共に前輪の摩擦制動力が漸次増大するように、回生制動力を低下させる制御及び摩擦制動力を増大させる制御を開始する
    ことを特徴とする車両の制動力制御方法。
  2. 請求項1に記載の車両の制動力制御方法において、前記所定値は、前記基準時点における前輪の目標制動力と、前輪の制動スリップの度合が増大することを抑制するための前輪の暫定の目標制動力との差であることを特徴とする車両の制動力制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の制動力制御方法において、前記基準時点以降における前輪の摩擦制動力の増大量が前記所定値以上になったと判定したときに、前記基準時点より所定の時間が経過したと判定することを特徴とする車両の制動力制御方法。
  4. 請求項1又は2に記載の車両の制動力制御方法において、前記所定の時間は予め設定された値であることを特徴とする車両の制動力制御方法。
  5. 請求項2に記載の車両の制動力制御方法において、前記暫定の目標制動力は、現在の前輪の制動スリップの度合に基づいて演算されることにより、現在の前輪の制動スリップの度合に応じて可変設定されることを特徴とする車両の制動力制御方法。
  6. 請求項2に記載の車両の制動力制御方法において、前記暫定の目標制動力は、前記基準時点における前輪の制動スリップの度合に基づいて一定の値に演算されることを特徴とする車両の制動力制御方法。
JP2013225717A 2013-10-30 2013-10-30 車両の制動力制御方法 Expired - Fee Related JP6164045B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013225717A JP6164045B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 車両の制動力制御方法
PCT/JP2014/079654 WO2015064771A1 (en) 2013-10-30 2014-10-30 Braking force control method for vehicle
CN201480059275.0A CN105683006B (zh) 2013-10-30 2014-10-30 用于车辆的制动力控制方法
US15/028,493 US9895978B2 (en) 2013-10-30 2014-10-30 Braking force control method for vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013225717A JP6164045B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 車両の制動力制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015085792A true JP2015085792A (ja) 2015-05-07
JP6164045B2 JP6164045B2 (ja) 2017-07-19

Family

ID=52278696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013225717A Expired - Fee Related JP6164045B2 (ja) 2013-10-30 2013-10-30 車両の制動力制御方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9895978B2 (ja)
JP (1) JP6164045B2 (ja)
CN (1) CN105683006B (ja)
WO (1) WO2015064771A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018043543A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 株式会社Subaru 車両の制動力制御装置
KR20180097899A (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 현대자동차주식회사 자동차용 후륜 회생제동 제어 시스템 및 방법
JP2020183177A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 トヨタ自動車株式会社 車両の制動制御装置

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5979101B2 (ja) * 2013-08-26 2016-08-24 トヨタ自動車株式会社 車両
JP6411980B2 (ja) * 2015-09-29 2018-10-24 株式会社アドヴィックス 車両用制動装置
JP6595417B2 (ja) * 2016-08-10 2019-10-23 株式会社アドヴィックス 車両用制動装置
KR102603002B1 (ko) * 2018-11-16 2023-11-15 현대자동차주식회사 차량의 제동력 제어 시스템
JP2021087235A (ja) * 2019-11-25 2021-06-03 トヨタ自動車株式会社 電動車両の制動装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179742A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2013056587A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Toyota Motor Corp 車両の制動制御装置
JP2014061794A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2014100999A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Nissan Motor Co Ltd 制動制御装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4058932B2 (ja) * 2001-10-25 2008-03-12 トヨタ自動車株式会社 車輌用制動制御装置
JP2004142687A (ja) 2002-10-28 2004-05-20 Hitachi Constr Mach Co Ltd 降坂速度制御装置
EP1557331B1 (en) * 2002-10-28 2011-02-23 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd Downhill speed controller
JP2006311791A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Advics:Kk 車両用ブレーキ制御装置
JP4765487B2 (ja) * 2005-08-29 2011-09-07 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ装置
JP5222329B2 (ja) * 2010-08-05 2013-06-26 本田技研工業株式会社 車両用制動装置
JP2013035509A (ja) 2011-08-10 2013-02-21 Toyota Motor Corp 車両用制動力制御装置
DE102011111899A1 (de) * 2011-08-30 2013-02-28 Gm Global Technology Operations, Llc Detektionsvorrichtung und Verfahren zur Detektion eines Trägers eines Sende-/Empfangsgeräts, Kraftfahrzeug

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179742A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2013056587A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Toyota Motor Corp 車両の制動制御装置
JP2014061794A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Nissan Motor Co Ltd 車両用制動制御装置
JP2014100999A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Nissan Motor Co Ltd 制動制御装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018043543A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 株式会社Subaru 車両の制動力制御装置
KR20180097899A (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 현대자동차주식회사 자동차용 후륜 회생제동 제어 시스템 및 방법
KR102224145B1 (ko) 2017-02-24 2021-03-05 현대자동차주식회사 자동차용 후륜 회생제동 제어 시스템 및 방법
US11325573B2 (en) 2017-02-24 2022-05-10 Hyundai Motor Company Rear wheel regenerative braking control system for vehicle and method therefor
JP2020183177A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 トヨタ自動車株式会社 車両の制動制御装置
JP7059980B2 (ja) 2019-05-08 2022-04-26 トヨタ自動車株式会社 車両の制動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN105683006B (zh) 2018-09-11
JP6164045B2 (ja) 2017-07-19
CN105683006A (zh) 2016-06-15
WO2015064771A1 (en) 2015-05-07
US9895978B2 (en) 2018-02-20
US20160264002A1 (en) 2016-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6164045B2 (ja) 車両の制動力制御方法
JP6261154B2 (ja) インホイールモータを利用した車両制御方法
JP4984822B2 (ja) 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法
JP5720789B2 (ja) 車両の制動力制御装置
JP5999047B2 (ja) 車両制御装置
JP2013035509A (ja) 車両用制動力制御装置
JP6056340B2 (ja) 制動制御装置
WO2015016325A1 (ja) 車両制御装置
JP2017109664A (ja) 制動力制御装置
JP6497359B2 (ja) 車両の運転支援装置
JP4983270B2 (ja) ブレーキ装置
EP3529113B1 (en) Lateral dynamic control for regenerative and friction brake blending
JP5766240B2 (ja) 車両用制動装置
WO2014081016A1 (ja) 車両質量推定装置
JP7303736B2 (ja) 車両の制御装置
JP2015030314A (ja) 車両制御装置
JP4224824B2 (ja) 制駆動力制御装置
JP6387949B2 (ja) 車両のブレーキ制御装置
JP2016190607A (ja) 車両の制御装置
JP6225563B2 (ja) 車両制御装置
JP5966994B2 (ja) 車両用ブレーキ制御装置
KR20180049576A (ko) 트랙션 컨트롤시스템 및 그의 제어방법
WO2020045566A1 (ja) 車両制御装置
JP6387675B2 (ja) 車両のトラクション制御装置
JP6122833B2 (ja) 車両の制動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170605

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6164045

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees