JP6122833B2 - 車両の制動システム - Google Patents
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Description
このように、車速が十分に低くなった場合に回生制動を停止するときには、所定の速度まで車速が低下した時点から回生制動力の低減を開始して回生制動力を漸次低減して最終的にはゼロにし、一方で、不足する回生制動力の分を摩擦制動力で補うことが考えられる。
そこで、本発明の目的は、車速が低くなると回生制動力の低減を開始して最終的に停止する場合に、車両の電費や燃費を向上させることができる車両の制動システムを提供することである。
本発明によれば、回生制動力の上限値を漸次低減させることで回生制動力を低減させるので、第1車速に達した時点の回生制動力の上限値より、現実に低減を開始した時点の回生制動力が低ければ、不必要に回生制動力を低減することなく、十分な回生制動力を発生させることができる。
本発明によれば、回生制動力を確実に低減させることができる。
本発明によれば、回生制動力の上限値の低減を開始して以降に運転者によるブレーキペダルの踏み増し等が生じても、回生制動力の上限値を低減させる勾配の変化を抑えることができ、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
本発明によれば、車両の減速度に応じた適正な第1車速を設定して、第1車速から第2車速までの時間を十分に確保し、車速の低下に応じて回生制動の制御量を緩やかに減少させることができる。
図1は、本実施形態にかかる車両用制動システムを備えた車両100の要部系統図である。この車両100は、例えば、電気自動車であり、車両100の前側に設けられた左右一対の前輪2aR、2aLと、車両100の後側に設けられた左右一対の後輪2bR、2bLと、を有する。左右の前輪2aR、2aLに連結された前輪車軸4には、モータ・ジェネレータ3がトルク伝達機構で連結されている。また、車両100は、4輪駆動、後輪駆動でもよく、モータ・ジェネレータ3の他にエンジンも駆動源として備えたハイブリッド車などとして構成してもよい。なお、前輪車軸4に設けられる差動機構は図示を省略する。
車速センサ8は、車両100の車速を検出し、検出した車速情報を制御装置7に伝達する。
制御装置7は、前記のとおり、摩擦制動装置10による摩擦制動、及びモータ・ジェネレータ3等による回生制動の両方を制御する制動用の制御装置である。車両100の制動は、様々な条件に応じて、摩擦制動のみを行う場合、回生制動のみを行う場合、摩擦制動と回生制動との協調制御を行う場合とがある。以下では、主に回生制動について説明する。
制御装置7は、運転者が図示しないブレーキペダルを操作することによる制動操作に基づいた減速度となるように摩擦制動と回生制動を制御する。
特に、制御装置7は、回生制動低減制御部71、回生制動停止制御部72、勾配維持部73の各機能を実現する。これらの各部の機能の詳細は後述する。
このように、車速が十分に低くなった場合に回生制動を停止するときには、所定の速度まで車速が低下した時点から回生制動力の低減を開始して回生制動力を漸次低減して最終的にゼロにし、一方で、不足する回生制動力の分を摩擦制動装置10による摩擦制動力で補う。
そこで、車速が十分に低くなると回生制動力の低減を開始して最終的に停止する制御を行う場合に、車両の電費を向上させることができるような、制御装置7が実行する制御の内容について説明する。
本実施形態において、運転者がブレーキペダルで制動操作を開始してから車両が停止するまでに発生する回生制動力の積算値は、図3(b)に斜線で示す領域a1となる。
回生上限値設定部73は、ONになるタイミングの前には、目標制御量C1等により変化させる。これは、ブレーキペダルが踏み増される等して減速度が増加した場合にも第1車速S1を高速に修正することで、前記の時間t1(図3(a))を確保するためである。
回生上限値設定部73は、このONになるタイミング以降は、OFFになるまで(図3(c))、第1車速S1を保持する(変更を禁止する)とともに、回生制動量の増加を禁止する。これは、ブレーキペダルの踏み増しがなされた際にも、上限値CM(CMb)の低下の勾配が急変してしまうのを抑制するためである。
図5(a)において、車速S2は図3の第2車速S2と同様である。しかし、本比較例では、図3の第1車速S1に代えて車速S3を用いている。車速S3は車速S2より高い所定の値であり、常に一定の値である。
図5(c)に示すように、回生制動力の低減を開始するタイミングは車速S3になったときで(ONのタイミング)、回生制動力の低減を終了するタイミングは目標制御量C1がゼロになったときである(OFFのタイミング)。
よって、本実施形態によれば、回生制動力の上限値CMの低減を開始して以降(車速S1になって以降)に運転者によるブレーキペダルの踏み増し等が生じても、回生制動力の上限値CMbの急変はなく、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
71 回生制動低減制御部
72 回生制動停止制御部
73 回生上限値設定部
8 車速センサ
100 車両
Claims (2)
- 制動操作に基づいた回生制動を行うように当該回生制動を制御する車両の制動システムであって、
前記回生制動の実行中に、前記車両の車速を検出する車速センサで検出した車速が第1車速まで低下したときには、当該低下前に比べて回生制動力が低下するように当該回生制動力の漸次の低減を開始する回生制動低減制御部と、
前記回生制動低減制御部による前記回生制動力の低減の開始後、前記車速が前記第1車速より低い第2車速まで低下した際には前記回生制動を停止する回生制動停止制御部と、
を備え、
前記回生制動低減制御部は、前記車速が前記第1車速から前記第2車速になるまでの間、前記回生制動力の上限値を前記車速の低下に応じて漸次低減させることにより前記回生制動力の低減を行い、
前記回生制動低減制御部で前記回生制動力の低減を開始した場合は、前記車速が前記第2車速になるまで前記車速に応じて漸次低減させる前記上限値の増加及び前記第1車速の変更を禁止する回生上限値設定部を備えたことを特徴とする車両の制動システム。 - 前記回生制動低減制御部は、前記車両に発生する減速度又は減速度と相関のある制動力若しくは減速力に基づいて前記第1車速を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両の制動システム。
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