JP4453534B2 - 摩擦制動手段の保守を図りつつ回生制動を最大限に生かす車輌用制動装置 - Google Patents

摩擦制動手段の保守を図りつつ回生制動を最大限に生かす車輌用制動装置 Download PDF

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Description

本発明は、車輌用制動装置に係り、特に摩擦制動手段と回生制動手段とを組み合わせた車輌用制動装置に係る。
自動車等の車輌を制動する手段としては、ブレーキドラムまたはブレーキディスクにブレーキパッドを押し付ける摩擦制動手段と、車輌の走行に伴って発電機のロータを回転させ、車輌の走行慣性エネルギを電力に変換することにより車輌に制動効果を与える回生制動手段とが知られている。また、かかる摩擦制動手段と回生制動手段とを組み合わせた車輌用制動装置として、摩擦制動手段には或る制動力の範囲で「鳴き」と称される高音階の騒音が発生することに対処し、摩擦制動手段に鳴きが生ずる制動力の領域では回生制動手段の制動力を増大させ、その分摩擦制動手段の制動力を低減させるか、或は逆に回生制動手段の制動力を低減させ、その分摩擦制動手段の制動力を増大させ、鳴きの発生を回避することが下記の特許文献1に記載されている。
特開平10−329681号公報
摩擦制動手段にはその作動時間にほぼ比例して寿命を制限する磨耗が伴うのに対し、回生制動手段にはそのような作動時間に比例する顕著な寿命制限事項はなく、また車輌の走行慣性を電力として回収するという摩擦制動手段にはない機能があるので、車輌用制動装置が摩擦制動手段と回生制動手段とを組み合わせたものであるときには、制動性能上許される限り回生制動手段を作動させることが有利であるように考えられる。
しかし、摩擦制動手段の摩擦係合面は、制動作動時に研削されることにより良好な状態を維持するものであり、摩擦制動手段は、常時適度に使用されていないと、摩擦係合面に錆が生じ、また摩耗粉やダストの固着が生じ、制動性能が劣化し、また作動時に騒音や振動を発生するようになる虞れのあるものである。
本発明は、かかる観点から改良された車輌用制動装置を提供すること課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、摩擦制動手段と回生制動手段とを備え、運転者によるブレーキペダルの踏込みに応じて車輪の回転を制動する車輌用制動装置にして、ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減開始時期を決定し、当該時期が到来した時点より時間の経過と共に前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を漸減させるようになっていることを特徴とする車輌用制動装置を提案するものである。更にまた、ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期をも決定し、当該時期が到来した時点にて前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減を終了するようになっていてよい。
ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減開始時期までの時間および摩擦制動低減終了時期までの時間はブレーキペダルの踏込み量が大きいほど、また車速が大きいほど短くされてよい。
更にまた、車輌用制動装置は、ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させるようになっていてよい。この場合、全制動力を次第に増大させるのは前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減が終了したときから開始されてよい。
摩擦制動手段と回生制動手段とを備え、運転者によるブレーキペダルの踏込みに応じて車輪の回転を制動する車輌用制動装置に於いて、ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減開始時期を決定し、当該時期が到来した時点より時間の経過と共に前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を漸減させるようになっていれば、摩擦制動手段を制動の度毎に摩擦係合面の状態を良好に維持するに必要して十分な程度に作動させ、それ以外の制動は回生制動により賄い、摩擦制動手段の磨耗を抑制すると共に制動時に車輌の走行慣性より電力を回収して燃費を改善することができる。この場合、摩擦制動手段が主として制動の初期に作動されることにより、摩擦制動の後期に発生しやすい「鳴き」と称される高音階の騒音や振動の発生を確実に回避することができる。
ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減開始時期を決定し、当該時期が到来した時点より時間の経過と共に前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を漸減させるようになっていれば、該摩擦制動低減開始時期を適当に決定することにより摩擦制動手段の作動時間を摩擦係合面の状態を良好に維持するために必要して十分な値に適切に制御することができる。更にブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期をも決定し、当該時期が到来した時点にて前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減を終了するようになっていれば、摩擦制動手段の作動時間をより適切に制御することができる。この場合、ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減開始時期までの時間、また更にブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期までの時間がブレーキペダルの踏込み量が大きいほど短くされ、また車速が大きいほど短くされれば、ブレーキペダルの踏込み量が大きく、運転者がより迅速な車輌の制動を望んでいるほど、また車速が大きく、客観的により迅速な車輌の制動が望まれるほど、より短い時間にて制動が終了すると考えられるので、ブレーキペダルの踏込み量や車速の大小による制動時間の長さの変化に対し摩擦制動手段の作動時期を適切に合わせることができる。
また、ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させるようになっていれば、制動感覚と安全性の観点から好ましい制動態様が得られる。この場合、全制動力を次第に増大させるのは摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減が終了したときから開始されるものとされれば、それまで行われてきた摩擦制動手段による制動力の低減を補償する回生制動の増大制御を摩擦制動力の低減終了後にも持続する制御によって全制動力の漸増をより簡単に達成することができる。
図1は、摩擦制動手段と回生制動手段とを備え、運転者によるブレーキペダルの踏込みに応じて車輪の回転を制動する本発明の車輌用制動装置に於いて、摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を制動の初期から制動の後期へ向けて低減させる要領の一例を、運転者が一定の制動力を得ることを求めてブレーキペダルの踏込み量を一定に保持しているときについて示すマップである。図に於いて、下側にある濃い影線の部分が摩擦制動手段による制動力の大きさを示し、上側にある薄い影線の部分が回生制動手段による制動力の大きさを示している。時間Tは制動開始からの時間であり、図示の例は、一定のブレーキペダルの踏込み量に対し摩擦制動と回生制動よりなる全制動力を制動期間中がほぼ一定に維持する場合として示されている。Ts1は摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合が低減され始める時期を示す時間であり、Ts2は摩擦制動手段による制動力の全制動力中に占める割合の低減が終了する時期を示す時間である。
制動装置はブレーキペダルの踏込み量が大きいほどよく効くので、制動期間は一般にブレーキペダルの踏込み量が大きいほど短いと考えられる。また制動操作は車速が速いほど機敏に行われるので、制動期間は一般に車速が大きいほど短いと考えられる。従って、ブレーキペダルの踏込み量と車速による制動期間の変化は、制動期間中全制動力がほぼ一定に維持される場合、図2に示す如き態様を呈するものと考えられる。図2に於いて、上段、中段、下段のマップは、それぞれ車速が小さいとき、中程のとき、大きいときのマップであり、各マップに於ける各曲線は上に行くに従ってブレーキペダル踏み込み量がより大きいときのマップである。図1の例は、図2で見れば、車速が中程でブレーキペダルの踏込み量が中程の場合である。
図3は、図1に例示した如く、摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の低減が、制動開始から所定時間が経過したときから開始されて漸減されるようになっている場合の、摩擦制動力低減開始時期Ts1と、摩擦制動力の漸減が終了する時期Ts2をブレーキペダル踏込み量Dpと車速Vとに基づいて定める3次元マップの一例を示す斜視図である。図示の如く、摩擦制動力漸減開始時期Ts1および摩擦制動力漸減終了時期Ts2は、いずれもブレーキペダル踏込み量Dpが大きいほど早く(Ts1,Ts2は小さく)され、また車速Vが大きいほど早く(Ts1,Ts2は小さく)される。
図4は、本発明による車輌用制動装置を4輪自動車に組み込まれた状態にて示す概略図である。図に於いて、10FL、10FR,10RL,10RRはそれぞれ自動車の左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、図には示されていない車体に図には示されていない車輪懸架装置により懸架されている。これら各輪は、それぞれディスクブレーキユニット12FL,12FR,12RL,12RR、ブレーキペダル14、マスターシリンダ16、油圧管路18F,18FL,18FR,18R,18RL,18RRにより構成された摩擦制動手段により運転者によるブレーキペダル14の踏込みに応じて制動されると共に、電動発電機20FL、20FR,20RL,20RR、バッテリ22、インバータ24により構成された回生制動手段によりマイクロコンピュータを備えた車輌の電子式制御装置26による制御の下に制動されるようになっている。電子式制御装置26には、ブレーキペダル踏込み量センサ28よりブレーキペダル踏込み量Dpを示す信号およびマスターシリンダ油圧センサ30よりマスターシリンダ油圧Pmを示す信号が供給される他、図には示されていない車速センサより車速Vを示す信号が供給される。ブレーキペダルの踏込み量はブレーキペダルの踏込みに対する反力の強さとして検出されてもよい。32はマスターシリンダ油圧を低減調整する油圧調整手段であり、その作動は電子式制御装置26により制御されるようになっている。
図5は、図4に示した如き車輌用制動装置により、図1および2に示した如きマップを用いて、車輌の制動制御を行う要領を、一例について示すフローチャートである。かかるフローチャートによる制御は、自動車の運転開始と同時に開始され、自動車の運転中、数ミリセカンド〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返される。
制御が開始されると、ステップ10に於いて、フラグF1が0であるか否かが判断される。この種のフラグは制御の開始時に0にリセットされるものであり、制御が後述のステップ60に至ったとき1にセットされるので、当分の間、答はイエス(Y)であり、その間制御はステップ20へ進む。
ステップ20に於いては、ブレーキペダル踏込み量Dpが所定のしきい値D1以上であるか否かが判断される。このしきい値D1は、ブレーキペダルが実質的に踏み込まれことを示すブレーキペダル踏込み量Dpの最低値である。ブレーキペダルが実質的に踏み込まれておらず、答がノー(N)である間、制御はステップ30へ進み、ブレーキペダル踏込み量Dpが0であるか否かが判断される。Dpが0であれば、制御はステップ40へ進み、タイマーがリセットされ、ステップ50にてフラグF1が0にリセットされる。Dpが0でなければ、ステップ40および50はバイパスされる。ステップ20の答がまだ一度もイエスになっていない状態では、Dpが0でなくてもタイマーは制御開始時にリセットされており、フラグF1も0にリセットされているので、ステップ40および50はバイパスされても、タイマーはリセットされたままである。ステップ20の答が一度イエスとなり、タイマーがセットされた後は、途中のどのような状態からでも、制御がステップ30へ進むこととなったときには、Dpが0となった時点でタイマーがリセットされ、フラグF1が0にリセットされ、制御は開始前の状態に戻る。
ブレーキペダルが実質的に踏み込まれ、ステップ20の答がイエスになると、制御はステップ60へ進み、フラグF1を1にセットした後、ステップ70に於いて上記のタイマーがセットされる。タイマーのセットにより、これより経過時間の計測がなされる。またフラグF1が1にセットされることにより、これ以後制御はステップ10よりステップ80へ進むようになる。
ステップ80に於いては、フラグF2が0であるか否かが判断される。フラグF2もまた制御の開始時に0にリセットされており、後述のステップ130にて1にセットされるので、それまでステップ80の答はイエスであり、制御はステップ90へ進む。ステップ90に於いては、タイマーにより計測された時間Tに対応して各時点に於けるブレーキペダル踏込み量Dp(T)の追跡記録(プロット)が行われる。更にステップ10に於いて、図1および2に例示した如きマップを参照して、ブレーキペダル踏込み量Dpの値に応じて回生制動手段により発生すべき制動力PgがDpの関数Pg(Dp)として算出される。図示の例では制動の開始時より摩擦制動手段と回生制動手段の両方が作動されるようになっているが、回生制動手段は摩擦制動力の低減が開始される時点Ts1より作動されるようになっていてもよい。
次いで制御はステップと110へ進み、ブレーキペダル踏込み量Dpの時間的変化率dDp/dTが所定の正のしきい値δ1以下であるか否かが判断される。このステップは、ブレーキペダル踏込み量Dpの上昇が一定値に達した時点、即ち、図1に示す如き摩擦制動手段による制動圧上昇の曲線が水平となる時点、を検出するためのものであり、しきい値δ1はそのことを判断するための0に近い或る小さな正の値である。当初は答はノーであり、その間制御はこれよりステップ30へ進み、ステップ40および50をバイパスしてリターンし、時間の経過を待つ。やがてブレーキペダル踏込み量Dpが一定値に近づき、ステップ110の答がノーからイエスに転ずると、制御はステップ120へ進み、ここでその時のブレーキペダル踏込み量Dpの値とそのときの車速Vとに基づき、図3に示す如き3次元マップを参照して、上述の摩擦制動力低減開始時期Ts1と摩擦制動力低減終了時期Ts2がDpとVの関数Ts1(Dp,V)およびTs2(Dp,V)として求められる。次いで制御はステップ130へ進み、フラグF2が1にセットされ、これ以後制御はステップ80よりステップ140へ進むようになる。
ステップ140に於いては、ブレーキペダル踏込み量Dpの時間的変化率dDp/dTが或る負の所定値−δ2と或る正の所定値δ3の間にあるか否かが判断される。これは、ブレーキペダル踏込み量Dpが急速に低下し始めたか、或は急速に上昇し始めたときそれを検出し、そのときには制御をステップ30へ逸らせるものである。答がイエスのとき、制御はステップ160へ進む。
ステップ150に於いては、ステップ70にてセットされタイマーによる計測時間Tがステップ120に於いて求められた摩擦制動力低減開始時期Ts1を越えたか否かが判断される。答がノーである間、制御はこれよりリターンして時間の経過を待つが、答がイエスに転ずると、制御はステップ160へ進み、ブレーキペダル踏込み量Dpの時間的変化率dDp/dTが所定の負のしきい値−δ4より小さいか否かが判断される。これは、摩擦制動手段による制動力が急降下し始める点、即ち、制動が終了し、運転者がブレーキペダルの踏込みを解除し始めたことを検出するためのものである。答がノーである間、即ち、実質的な制動開始から計測した時間Tが摩擦制動力低減開始時期Ts1過ぎた時点以降、制御はステップ170へ進み、ステップ70にてセットされてタイマーによる計測時間Tがステップ120に於いて求められた摩擦制動力低減終了時期Ts2を越えたか否かが判断される。答がノーである間制御はステップ180へ進み、ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されていても、各時点に於いてブレーキペダル踏込み量Dpと車速Vと制動開始後の経過時間Tとに基づいて、図1に例示した如きマップに従って摩擦制動力を漸減すべく、油圧調整手段30により、マスターシリンダ油圧Pmが、ブレーキペダル踏込み量Dpと車速Vと経過時間Tの関数Pm(Dp,V,T)として漸減され、次いでステップ190にて摩擦制動力の漸減を補償すべく、回生制動による制動力がDp,V,Tの関数Pg(Dp,V,T)として漸増するよう求められ、またこれに基づいて回生制動手段が作動される。
運転者がブレーキペダルの踏込みを解除し始め、そのことを示すようにdDp/dTが或る負の所定値−δ4より小さくなると、制御はステップ20へ進み、この例では、現在の回生制動による制動力Pgより現在のブレーキペダル踏込み量Dpに或る適当な比例定数kを乗じた値を差し引いた値Xが求められる。これは、運転者がブレーキペダルの踏込みを解除し始めたときには、それ迄実行していた回生制動力を各時点に於けるブレーキペダル踏込み量Dpの大きさに比例して低減するものである。次いで、ステップ20に於いて、Xが正であるか否かが判断され、Xが正であればステップ220へ進んでXの値をそのまま回生制動力Pgとして回生制動が実行され、Xが負であればステップ230へ進んで回生制動力Pgは0、即ち、回生制動は終了とされる。
上に説明した通り、本発明は、摩擦制動手段と回生制動手段とを備えた車輌用制動装置に於いて、摩擦制動手段を制動の度毎に主として制動の初期に於いて作動させ、摩擦係合面の状態を良好に維持しつつ、制動をできるだけ回生制動により行って摩擦制動手段の磨耗を抑制すると共に制動時に車輌の走行慣性より電力を回収し、燃費を改善せんとするものである。従って、ブレーキペダルが一度踏込まれ、それが一定値に達し、ステップ110の答が一度イエスとなり、ステップ120にてTs1およびTs2が算出されても、ステップ150にてT>Ts1と判断される前にブレーキペダルの踏込みが解除されたり、或は逆にブレーキペダルが更に踏み込まれたときには、−δ2<dDp/dT<δ3の答はノーとなるので、制御はステップ140よりノーの側へ逸れ、ステップ150以降の制御は行われない。このときには、いずれブレーキペダルの踏込みが解除され、Dpが0に戻るので、そのときステップ30,40,50が実行され、制動装置は作動前の状態に戻される。
図6は、制動感覚と安全性の観点から好ましい制動態様が得られるよう、ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させる場合を示す図1と同様のマップである。このマップに於いてもTs1は摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合が漸減により低減され始める時期を示す時間であり、Ts2は摩擦制動手段による制動力の全制動力中に占める割合の漸減による低減が終了する時期を示す時間である。図示の例では、ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させるのは、摩擦制動力の低減が終了したとき、即ちTs2の時点から開始されるようになっている。このように全制動力を次第に増大させる場合にも、図1について説明したのと同様の理由により、制動期間は一般にブレーキペダルの踏込み量が大きいほど短く、また車速が大きいほど短いと考えられるので、制動期間はブレーキペダルの踏込み量と車速に応じて図7に示す如き態様を呈するものと考えられる。
図8は、ブレーキペダルの踏込み量と車速に応じて全制動力および摩擦制動力を図6および7に示す態様に制御する制御の態様を、図5に示すフローチャートの一部に修正を加えた形にて示すフローチャートである。図8のフローチャートに於いて、図5のフローチャートに於ける各ステップに対応するステップは、図5に於けると同じステップ番号により示されている。
この場合、経過時間TがTs2を越え、ステップ170の答がノーからイエスに転ずると、制御はステップ180をバイパスしてステップ190に進むようにされ、これによって時点Ts2にて摩擦制動力の漸減が終了した後、回生制動力の漸増のみが続けられ、全制動力を次第に増大させることが行われる。尚、回生制動力の漸増の度合はTの各時点に於いて適当なマップに基づいて変えられてよいので、時点Ts1〜Ts2間と時点Ts2以降とで変えられてよいことは勿論である。
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌用制動装置に於いて摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を制動の初期から制動の後期へ向けて低減させる要領をブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているときの例について示すマップ。 図1のマップに於ける制動期間がブレーキペダル踏込み量と車速とに応じて変わる要領を示すマップ。 摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の低減が、制動開始から所定時間Ts1が経過したときから開始されて所定時間Ts1が経過したとき終了する漸減によって行われる場合の所定時間Ts1およびTs2とをブレーキペダル踏込み量Dpと車速Vとに基づいて定める3次元マップの一例を示す斜視図。 本発明による車輌用制動装置を4輪自動車に組み込まれた状態にて示す概略図。 図4に示した車輌用制動装置により、図1および2に示す如きマップを用いて、車輌の制動制御を行う要領を一例について示すフローチャート。 ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させるようになっている場合を示す図1と同様のマップ。 図6に示す如く制動力が次第に増大される場合の制動期間がブレーキペダル踏込み量と車速とに応じて変わる要領を示す図2と同様のマップ。 ブレーキペダルの踏込み量と車速に応じて全制動力および摩擦制動力を図6および7に示す態様に制御する制御の態様を、図5に示すフローチャートの一部に修正を加えた形にて示すフローチャート。
符号の説明
10FL、10FR,10RL,10RR…車輪、12FL,12FR,12RL,12RR…ディスクブレーキユニット、14…ブレーキペダル、16…マスターシリンダ、18F,18FL,18FR,18R,18RL,18RR…油圧管路、20FL、20FR,20RL,20RR…電動発電機、22…バッテリ、24…インバータ、26…電子式制御装置、28…ブレーキペダル踏込み量センサ、30…マスターシリンダ油圧センサ、32…油圧調整手段

Claims (8)

  1. 摩擦制動手段と回生制動手段とを備え、運転者によるブレーキペダルの踏込みに応じて車輪の回転を制動する車輌用制動装置にして、ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減開始時期を決定し、当該時期が到来した時点より時間の経過と共に前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合を漸減させるようになっていることを特徴とする車輌用制動装置。
  2. ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期をも決定し、当該時期が到来した時点にて前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減を終了するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動装置。
  3. ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減開始時期までの時間はブレーキペダルの踏込み量が大きいほど短くされることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用制動装置。
  4. ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減開始時期までの時間は車速が大きいほど短くされることを特徴とする請求項1または2または3に記載の車輌用制動装置。
  5. ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期をも決定し、当該時期が到来した時点にて前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減を終了するようになっており、ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減終了時期までの時間はブレーキペダルの踏込み量が大きいほど短くされることを特徴とする請求項1,3または4に記載の車輌用制動装置。
  6. ブレーキペダルの踏込み増大が停止した時点で摩擦制動低減終了時期をも決定し、当該時期が到来した時点にて前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減を終了するようになっており、ブレーキペダル踏込み開始より前記摩擦制動低減終了時期までの時間は車速が大きいほど短くされることを特徴とする請求項1,3,4または5に記載の車輌用制動装置。
  7. ブレーキペダルの踏込み量が一定に保持されているとき全制動力を次第に増大させるようになっていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の車輌用制動装置。
  8. 全制動力を次第に増大させるのは前記摩擦制動手段による制動力が全制動力中に占める割合の漸減が終了したときから開始されることを特徴とする請求項に記載の車輌用制動装置。
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