JP2015085722A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】コーナリングパワーの低下を抑えながら、車両の片流れを抑制する。【解決手段】ショルダー横溝は、タイヤ軸方向線と平行にのびる軸方向溝部を有し、そのタイヤ軸方向長さLyは、ショルダー陸部のタイヤ軸方向の陸部巾の10%以上である。一方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、先着側の溝壁面のみに面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられる。他方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、後着側の溝壁面のみに、面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、コーナリングパワー(CP)の低下を抑えながら、車両の片流れを抑制しうる空気入りタイヤに関する。
走行路面には、排水性の観点から、中央線側から路肩側に向かって下り勾配となる所謂カントと呼ばれる傾斜が設けられている。そして、前記カントを有する路面上を走行する場合には、タイヤが、路肩方向に向く力を路面から受けて車両の片流れを生じさせる。
そこで、前記路面から受ける力と対向する向きの横流れ力(PRCF)をタイヤに発生せしめ、この横流れ力(PRCF)と前記路面から受ける力とを釣り合わさせることにより、前記片流れを抑えることが行われている。
そして、タイヤに横流れ力(PRCF)を発生させる手段として、例えば、図5に示すように、タイヤ赤道面Co上に中心を有する点対称のトレッドパターンを採用するとともに、ショルダー陸部aに、タイヤ軸方向線に対して傾斜するショルダー横溝bを形成することが行われている。これにより、ショルダーブロックa1が平行四辺形状となり、ブロック変形時、左右のショルダーブロックa1に同方向の回転モーメントMが生じて、横流れ力(PRCF)を発生させることができる。なお回転モーメントMは、ショルダー横溝bの角度θの増加につれて大きくすることができる。
しかし前記角度θにより回転モーメントMを発生させる場合、ブロック剛性の低下に伴いコーナリングパワー(CP)の低下も大きくなり、操縦安定性に悪影響を与えるという問題がある。
なお本件に関係する先行技術文献として下記のものがある。
発明は、コーナリングパワー(CP)の低下を抑えながら、タイヤに回転モーメントを生じさせて横流れ力(PRCF)を発生させることができ、車両の片流れを抑制しうる空気入りタイヤを提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部に、タイヤ赤道面上に中心を有する点対称のトレッドパターンを具え、
しかも前記トレッド部が、最もトレッド接地端側に配される一対のショルダー主溝を含む複数の周方向主溝により、各前記ショルダー主溝とトレッド接地端との間に配されるショルダー陸部を含む複数の陸部に区分され、
かつ各前記ショルダー陸部に、該ショルダー陸部を横切る向きにのびるショルダー横溝を具えた空気入りタイヤであって、
前記ショルダー横溝は、その溝巾中心がタイヤ軸方向線と平行にのびる軸方向溝部を有し、かつ該軸方向溝部のタイヤ軸方向長さLyは、前記ショルダー陸部のタイヤ軸方向の陸部巾の10%以上であり、
しかも一方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向先着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられるとともに、
他方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向後着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられることを特徴としている。
しかも前記トレッド部が、最もトレッド接地端側に配される一対のショルダー主溝を含む複数の周方向主溝により、各前記ショルダー主溝とトレッド接地端との間に配されるショルダー陸部を含む複数の陸部に区分され、
かつ各前記ショルダー陸部に、該ショルダー陸部を横切る向きにのびるショルダー横溝を具えた空気入りタイヤであって、
前記ショルダー横溝は、その溝巾中心がタイヤ軸方向線と平行にのびる軸方向溝部を有し、かつ該軸方向溝部のタイヤ軸方向長さLyは、前記ショルダー陸部のタイヤ軸方向の陸部巾の10%以上であり、
しかも一方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向先着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられるとともに、
他方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向後着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられることを特徴としている。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、前記面取り部の面取り巾Waは、0.5mm以上2.0mm未満であり、前記面取り部の面取り深さHbは、0.5mm以上2.0mm未満であるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、前記面取り巾Waと面取り深さHbとの比Wa/Hbは、1.0以上であるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、各前記ショルダー陸部は、周方向で隣り合うショルダー横溝間に、該ショルダー横溝と平行な1〜2本のショルダー横サイプを具えることが好ましい。
なお前記「トレッド接地端」とは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した状態のタイヤに正規荷重を負荷した時に接地するトレッド接地面のタイヤ軸方向最外端の位置を意味する。前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。前記「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
本発明の空気入りタイヤは、叙上の如く、一方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝では、タイヤ回転方向先着側の溝壁面のみに面取り部が設けられ、他方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝では、タイヤ回転方向後着側の溝壁面のみに面取り部が設けられる。
空気入りタイヤでは、接地端側とタイヤ赤道面側とで接地長さが相違する。そのため、タイヤ転動時、ショルダー陸部には、進行方向と反対方向の制動力が作用する。他方、面取り部を設けることにより、ショルダー陸部に作用する制動力の大きさを変更することができる。即ち、先着側の溝壁面に面取り部を形成した一方側のショルダー陸部に作用する制動力と、後着側の溝壁面に面取り部を形成した他方側のショルダー陸部に作用する制動力とに差を設けることができる。そしてこの差に基づき、接地面内に、タイヤ赤道面上に中心を有する回転モーメントを生じさせることができる。即ち、タイヤに横流れ力(PRCF)を発生させることができる。
前記回転モーメントを効果的に発生させるためには、トレッドパターンを点対称パターンとすることが必要である。又ショルダー横溝が、できるだけタイヤ軸方向にのびることが、大きな制動力の差をうるために好ましい。そのため、ショルダー横溝に軸方向溝部を設けるとともに、この軸方向溝部のタイヤ軸方向長さLyをショルダー陸部の陸部巾の10%以上としている。
又このものは、従来の如くショルダーブロックを平行四辺形状に形成して、ブロック自体に回転モーメントMを生じさせるものとメカニズムが相違するため、ブロック剛性の大きな変化が伴わない。そのため、コーナリングパワー(CP)の低下を低く抑えることができ、優れた操縦安定性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2に、タイヤ赤道面Co上に中心を有する点対称のトレッドパターンを具える。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2に、タイヤ赤道面Co上に中心を有する点対称のトレッドパターンを具える。
前記トレッドパターンでは、前記トレッド部2に、最もトレッド接地端Te側に配される一対のショルダー主溝3sを含む複数の周方向主溝3を具える。これにより、前記トレッド部2は、各前記ショルダー主溝3sとトレッド接地端Teとの間に配されるショルダー陸部4sを含む複数の陸部4に区分される。
本例では、前記周方向主溝3は、前記一対のショルダー主溝3sと、その間に配される例えば1本のセンター主溝3cとから構成される。又前記陸部4は、前記一対のショルダー陸部4s、及び前記ショルダー主溝3sとセンター主溝3cとの間に配される一対のセンター陸部4cとから構成される。しかしこれに限定されるものでなく、一対のショルダー主溝3s、3s間に複数本(例えば2本)のセンター主溝を設けても良く、又一対のショルダー主溝3sのみで周方向主溝3を構成することもできる。
本例では、前記ショルダー主溝3s及びセンター主溝3cが、タイヤ周方向に直線状にのびる直線溝として形成される場合が示される。このような直線溝は、車両のふらつきなどの不安定な挙動を抑制する上で好ましく採用しうる。しかし前記直線溝以外に、ジグザグ溝(波状も含む)等を採用しても良い。
ショルダー主溝3s及びセンター主溝3cの溝巾W3s、W3c及び溝深さD3s、D3c(図示しない)については、慣例に従って種々定めることができる。例えば乗用車用タイヤの場合、前記溝巾W3cは、トレッド接地巾TWの2.5〜4.5%が好ましく、又溝巾W3sは、トレッド接地巾TWの4.0〜7.0%が好ましい。又溝深さD3s、D3cは6.0〜9.0mmが好ましい。なお溝巾W3s、W3cは、トレッド面2S上において、溝の長手方向と直角方向に測定した巾を意味し、以下、他の溝についても同様とする。
ショルダー主溝3s及びセンター主溝3cの配置位置についても、慣例に従って種々定めることができる。例えば、センター主溝3cが1本の場合には、その溝巾中心はタイヤ赤道面Co上を通る。又ショルダー主溝3sについては、その溝巾中心のタイヤ赤道面Coからのタイヤ軸方向距離Lsは、トレッド接地巾TWの15%〜30%が好ましく、このような範囲に設定されることにより、ショルダー陸部4s及びセンター陸部4cの剛性バランスが良くなり、操縦安定性に有利となる。
次に、各前記ショルダー陸部4sには、該ショルダー陸部4sを横切る向きにのびる複数のショルダー横溝5が、周方向ピッチPにて隔設される。各ショルダー横溝5は、トレッド接地端Teのタイヤ軸方向外側からタイヤ軸方向内側にのび、その内端は、本例ではショルダー主溝3sと交差することなく、ショルダー陸部4s内で終端している。なおショルダー横溝5の内端とショルダー主溝3sとは、ショルダー横溝5と同傾斜でのびる継ぎサイプ6によって連結される。これにより、本例のショルダー陸部4sは、前記ショルダー横溝5と継ぎサイプ6とにより、複数のショルダーブロック7に区分される。
図2に示すように、ショルダー陸部4s内において、ショルダー横溝5は、その溝巾中心がタイヤ軸方向線と平行にのびる軸方向溝部5Aを有する。この軸方向溝部5Aのタイヤ軸方向長さLyは、ショルダー陸部4sのタイヤ軸方向の陸部巾W4sの10%以上である。この軸方向溝部5Aは、トレッド接地端Teに隣接して配されるのが、回転モーメントを高める上で好ましい。又コーナリングパワー(CP)の低下を抑えるのにも役立つ。
なおショルダー陸部4s内におけるショルダー横溝5のタイヤ軸方向長さL5は、陸部巾W4sの75%以上が、排水性及びグリップ性の観点から好ましい。前記長さL5の上限は、陸部巾W4sの100%、即ち、ショルダー横溝5とショルダー主溝3sとを交差させても良い。しかしブロック剛性の観点から、前記長さL5を陸部巾W4sの90%以下とし、ショルダー横溝5とショルダー主溝3sとの間に、継ぎサイプ6を介在させるのが好ましい。
本例のショルダー横溝5は、前記軸方向溝部5Aのタイヤ軸方向内側に、タイヤ軸方向線に対して傾斜してのびる傾斜溝部5Bを具える。この傾斜溝部5Bは、排水性の向上に役立つ。前記傾斜溝部5Bのタイヤ軸方向に対する角度θ5が大きいと、ブロック剛性の低下傾向となり、又回転モーメントMの発生にも不利となる。このような観点から、前記角度θ5は25°以下さらには20°以下が好ましく、特に、タイヤ軸方向内側に向かって漸増させるのが好ましい。なおショルダー横溝5は、傾斜溝部5Bを設けることなく、軸方向溝部5Aのみで形成することもでき、この場合、Ly=L5となる。従って、軸方向溝部5Aのタイヤ軸方向長さLyの上限は、陸部巾W4sの100%まで許可される。
図1、3(A)、(B)に示すように、一方(図1において左側)のショルダー陸部4sLに配されるショルダー横溝5Lには、両側の溝壁面Swのうちのタイヤ回転方向先着側の溝壁面Swfのみに面取り部20fが形成される。これに対し、他方(図1において右側)のショルダー陸部4sRに配されるショルダー横溝5Rには、両側の溝壁面Swのうちのタイヤ回転方向後着側の溝壁面Swrのみに面取り部20rが形成される。
前記面取り部20fは、先着側の溝壁面Swfとトレッド面2Sとが交わるコーナ部Qfを切り欠く斜面Sを具え、前記軸方向溝部5Aを含む範囲に設けられる。又面取り部20rは、後着側の溝壁面Swrとトレッド面2Sとが交わるコーナ部Qrを切り欠く斜面Sを具え、前記軸方向溝部5Aを含む範囲に設けられる。
前記面取り部20f、20rは、互いに同寸法であって、又タイヤ赤道面Coを中心とした対称位置に形成される。本例では、面取り部20f、20rが、ショルダー横溝5の全長に亘って形成される好ましい場合が示される。しかし面取り部20f、20rは、軸方向溝部5Aのみに形成されても良い。
このような面取り部20f、20rを設けることにより、図4に示すように、接地面K内に、タイヤ赤道面Co上に中心を有する回転モーメントMを生じさせることができ、タイヤに横流れ力(PRCF)を発生させることができる。回転モーメントMの発生メカニズムは、以下のとうりである。
空気入りタイヤでは、接地長さKLが、接地端側よりタイヤ赤道面側で長くなる略楕円状の接地面形状を有する。そのため、この接地長さKLの差に起因して、タイヤ転動時、接地端側では路面との滑りが起こり、ショルダー陸部4sには、進行方向と反対方向の制動力Fが作用する。他方、面取り部20f、20rを設けることにより、ショルダー陸部4sに作用する制動力Fの大きさを変化させることができる。即ち、先着側に面取り部20fを形成した一方側のショルダー陸部4sLに作用する制動力FLと、後着側に面取り部20rを形成した他方側のショルダー陸部4sRに作用する制動力FRとに差を付けることができる。そしてこの差(FL−FR)に基づき、接地面K内に、タイヤ赤道面Co上に中心を有する回転モーメントMを生じさせることができる。
なおトレッドパターンが点対称パターンでない場合、回転モーメントMが有効に得られなくなる。又軸方向溝部のタイヤ軸方向長さLyが陸部巾W4sの10%を下回る場合にも、左右の制動力差(FL−FR)が小となって、回転モーメントMが有効に得られなくなる。
ここで、面取り部20f、20rにおける面取り巾Wa及び面取り深さHb(図3(A)、(B)に示す。)が、それぞれ0.5mmを下回る場合、回転モーメントMを十分に発生させることができなくなる。又面取り部20f、20rによる前記回転モーメントMへの前記効果は、面取り巾Wa及び面取り深さHbがそれぞれ1.5mmを越えても上昇が見込めなくなる。しかも面取り巾Wa及び面取り深さHbがそれぞれ2.0mm以上になると、ブロック剛性が減じてコーナリングパワー(CP)の低下が大きくなる。このような観点から、面取り巾Waは、0.5mm以上かつ2.0mm未満が好ましく、又面取り深さHbは、0.5mm以上かつ2.0mm未満が好ましい。特に、面取り巾Waと面取り深さHbとの比Wa/Hbが、1.0以上さらには1.5以上であるのが、回転モーメントMを高く確保しながら、コーナリングパワー(CP)を減じる上で好ましい。
又面取り巾Waは、前記ショルダー横溝5、5間の周方向ピッチPの0.1倍未満であるのも好ましい。周方向ピッチPがバリアブルピッチなどによって変化する場合には、最小の周方向ピッチPを採用する。又面取り深さHbは、ショルダー横溝5の溝深さD5の0.5倍未満であるのも好ましい。面取り巾Waが周方向ピッチPの0.1倍以上になる場合、及び面取り深さHbが溝深さD5の0.5倍以上になる場合、ブロック剛性が減じてコーナリングパワー(CP)の低下が大きくなる。
なおショルダー横溝5の溝巾W5や溝深さD5については、慣例に従って種々定めることができる。例えば乗用車用タイヤの場合、溝巾W5は、2.0〜6.0mmが好ましく、また溝深さD5は、4.0〜7.5mmが好ましい。
本例では、周方向で隣り合うショルダー横溝5、5間に、該ショルダー横溝5と平行な1〜2本のショルダー横サイプ8が形成される。このショルダー横サイプ8は、その両端がショルダー陸部4s内で途切れる所謂クローズドサイプであるのが好ましい。前記ショルダー横サイプ8は、ブロック剛性を均一化し、ショルダー陸部4sが路面と局部的に滑って制動力の差(FL−FR)が減じるのを抑えるのに役立つ。なおショルダー横サイプ8は、他のサイプと同様、接地時にサイプが閉じる程度の巾、具体的には、1.0mm以下の巾を具える。なお他のサイプについても同様とする。
次に、センター陸部4cには、図2に示すように、ショルダー主溝3sからタイヤ軸方向内側に傾斜してのびる該センター横溝9が形成されている。センター横溝9のタイヤ軸方向線に対する角度θ9は、前記傾斜溝部5Bの角度θ5よりも大であり、好ましくは25〜60°の範囲に設定される。本例では、センター横溝9の内端は、センター主溝3cと交差することなく、センター陸部3s内で終端している。又センター横溝9の内端とセンター主溝3cとは、センター横溝9と同傾斜でのびる継ぎサイプ10によって連結される。これにより、本例のセンター陸部4cは、前記センター横溝9と継ぎサイプ10とにより、複数のセンターブロック11に区分される。
又センター横溝9の外端部には、溝底から隆起するタイバー12が設けられる。本例では、前記継ぎサイプ10及びタイバー12の形成により、排水性を十分に確保しながらセンター陸部4cのブロック剛性を高く維持している。なおタイバー12の底面には、摩耗時の排水性を確保するための底サイプ12aが配される。
前記センター横溝9には、ショルダー横溝5のような面取り部の形成はない。その理由は、センター横溝9はタイヤ赤道面Coの近くに形成されるため、回転モーメントMへの影響が少ない。その反面、タイヤ赤道面Co側は接地圧が高いため、面取り部を設けた場合、偏摩耗等への悪影響が大きくなるためである。
なおセンター陸部4cには、ブロック剛性の均一化のために、周方向で隣り合うセンター横溝9、9間に、該センター横溝9と平行な1〜2本のセンター横サイプ13が形成される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1のトレッドパターンを基本パターンとした空気入りタイヤ(215/60R16)が表1の仕様に基づき試作され、それらの横流れ力(PRCF)及びコーナリングパワー(CP)が測定された。
共通仕様は以下の通りである。
トレッド接地巾TW=150mm
<センター主溝>
溝巾W3c/トレッド接地巾TW=2.8%
溝深さD3c=7.4mm
<ショルダー主溝>
溝巾W3s/トレッド接地巾TW=4.8%
溝深さD3s=7.4mm
配設位置Ls/トレッド接地巾TW=23%
<センター横溝>
溝巾W9=2.0〜3.0mm
溝深さD9=5.2mm
角度θ9=35〜50°
<ショルダー横溝>
溝巾W5=4.0mm
溝深さD5=6.0mm
軸方向長さL5/ショルダー陸部巾W4s=85%
トレッド接地巾TW=150mm
<センター主溝>
溝巾W3c/トレッド接地巾TW=2.8%
溝深さD3c=7.4mm
<ショルダー主溝>
溝巾W3s/トレッド接地巾TW=4.8%
溝深さD3s=7.4mm
配設位置Ls/トレッド接地巾TW=23%
<センター横溝>
溝巾W9=2.0〜3.0mm
溝深さD9=5.2mm
角度θ9=35〜50°
<ショルダー横溝>
溝巾W5=4.0mm
溝深さD5=6.0mm
軸方向長さL5/ショルダー陸部巾W4s=85%
比較例3及び実施例1〜17では、面取り部は、軸方向一方側に配されるショルダー横溝には、先着側の溝壁面のみに形成され、軸方向他方側に配されるショルダー横溝には、後着側の溝壁面のみに形成される。又面取り部は、ショルダー横溝の全長に亘って形成されている。又比較例2、3のショルダー横溝は、軸方向溝部がなく、横溝全体が約20°の角度θ5で傾斜している。
(1)横流れ力(PRCF)及びコーナリングパワー(CP)
フラットベルト試験機を用い、リム(16×7JJ)、内圧(210kPa)、縦荷重(4.55kN)、キャンバー角(0°)の条件にて、ベルト上を速度80km/hにて走行させ、その時発生した横流れ力(PRCF)及びコーナリングパワー(CP)を測定した。
・ 横流れ力は、比較例1を基準とし、比較例1からの増加量をプラス(+)表示した。横流れ力が大きい方が、カントに起因する車両の片流れの抑制に好ましい。
・ コーナリングパワーは、比較例1を基準とし、比較例1からの低下量をマイナス(−)表示した。コーナリングパワーが大きい方が、操縦安定性に好ましい。
フラットベルト試験機を用い、リム(16×7JJ)、内圧(210kPa)、縦荷重(4.55kN)、キャンバー角(0°)の条件にて、ベルト上を速度80km/hにて走行させ、その時発生した横流れ力(PRCF)及びコーナリングパワー(CP)を測定した。
・ 横流れ力は、比較例1を基準とし、比較例1からの増加量をプラス(+)表示した。横流れ力が大きい方が、カントに起因する車両の片流れの抑制に好ましい。
・ コーナリングパワーは、比較例1を基準とし、比較例1からの低下量をマイナス(−)表示した。コーナリングパワーが大きい方が、操縦安定性に好ましい。
表に示すように実施例のタイヤは、コーナリングパワー(CP)の低下を抑えながら、大きな横流れ力を確保でき、カントに起因する車両の片流れを抑制しうるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2S トレッド面
3 周方向主溝
3s ショルダー主溝
4 陸部
4s ショルダー陸部
5 ショルダー横溝
5A 軸方向溝部
8 ショルダー横サイプ
20f、20r 面取り部
Co タイヤ赤道面
Qf、Qr コーナ部
S 斜面
Sw 溝壁面
Swf 先着側の溝壁面
Swr 後着側の溝壁面
Te トレッド接地端
2 トレッド部
2S トレッド面
3 周方向主溝
3s ショルダー主溝
4 陸部
4s ショルダー陸部
5 ショルダー横溝
5A 軸方向溝部
8 ショルダー横サイプ
20f、20r 面取り部
Co タイヤ赤道面
Qf、Qr コーナ部
S 斜面
Sw 溝壁面
Swf 先着側の溝壁面
Swr 後着側の溝壁面
Te トレッド接地端
Claims (4)
- トレッド部に、タイヤ赤道面上に中心を有する点対称のトレッドパターンを具え、
しかも前記トレッド部が、最もトレッド接地端側に配される一対のショルダー主溝を含む複数の周方向主溝により、各前記ショルダー主溝とトレッド接地端との間に配されるショルダー陸部を含む複数の陸部に区分され、
かつ各前記ショルダー陸部に、該ショルダー陸部を横切る向きにのびるショルダー横溝を具えた空気入りタイヤであって、
前記ショルダー横溝は、その溝巾中心がタイヤ軸方向線と平行にのびる軸方向溝部を有し、かつ該軸方向溝部のタイヤ軸方向長さLyは、前記ショルダー陸部のタイヤ軸方向の陸部巾の10%以上であり、
しかも一方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向先着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられるとともに、
他方のショルダー陸部に配されるショルダー横溝には、両側の溝壁面のうちのタイヤ回転方向後着側の溝壁面のみに、該溝壁面とトレッド面とが交わるコーナ部を斜面で切り欠く面取り部が、前記軸方向溝部を含む範囲に設けられることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記面取り部の面取り巾Waは、0.5mm以上2.0mm未満であり、前記面取り部の面取り深さHbは、0.5mm以上2.0mm未満であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記面取り巾Waと面取り深さHbとの比Wa/Hbは、1.0以上であることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
- 各前記ショルダー陸部は、周方向で隣り合うショルダー横溝間に、該ショルダー横溝と平行な1〜2本のショルダー横サイプを具えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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