JP2015085395A - 加工誤差量予測装置および加工誤差量予測プログラム - Google Patents

加工誤差量予測装置および加工誤差量予測プログラム Download PDF

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友弥 青木
Tomoya Aoki
友弥 青木
義正 桑野
Yoshimasa Kuwano
義正 桑野
良介 片岡
Ryosuke Kataoka
良介 片岡
貫一 角田
Kanichi Tsunoda
貫一 角田
広司 宮下
Koji Miyashita
広司 宮下
元浩 島田
Motohiro Shimada
元浩 島田
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Abstract

【課題】びびり振動に起因する加工誤差量を精度良く予測する加工誤差量予測装置等を提供する。
【解決手段】加工誤差量予測装置1は、加工条件を入力し(ステップS1)、加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出する(ステップS2)。次に、加工誤差量予測装置1は、時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測し(ステップS3)、時間領域表現の振動波形に基づいて加工誤差量を予測する(ステップS4)。
【選択図】図3

Description

本発明は、実加工前に、びびり振動に起因する加工誤差量を予測する加工誤差量予測装置等に関するものである。
従来から、エンドミル加工等の切削加工においては、実加工中のびびり振動によって、製品の加工精度の低下が課題となっている。これを改善するための一般的な手法としては、(1)切込量や送り量を小さくして切削力を低減する、または、(2)びびり振動が励起されにくい主軸回転数に変更してびびり振動を抑制する、等である。
特許文献1に記載の技術では、振動を検出するセンサ(加速度センサ、回転センサ、変位センサ)を用いてびびり振動を検出し、びびり振動を低減することができるエンドミルの回転数を演算したり、びびり振動の種類を特定したりする。特許文献1に記載の技術によれば、びびり振動を低減するための加工条件(特に、エンドミルの回転数)への定性的な変更指針を得ることができる。
特開2010−105160号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、加工誤差量を予測できないので、所望の加工精度を達成するためには、実加工と寸法計測を複数回繰り返す必要がある。従って、特許文献1に記載の技術では、高精度かつ高能率の加工を実現しているとは言えない。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、びびり振動に起因する加工誤差量を精度良く予測する加工誤差量予測装置等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、加工条件を入力する加工条件入力手段と、前記加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出する切削力算出手段と、前記時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と前記周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、前記周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測する振動波形予測手段と、前記時間領域表現の振動波形に基づいて加工誤差量を予測する加工誤差量予測手段と、を具備することを特徴とする加工誤差量予測装置である。第1の発明によって、びびり振動に起因する加工誤差量を精度良く予測することが可能となる。
第1の発明は、前記加工誤差量に基づいて、前記加工条件に含まれる切込量を補正する切込量補正手段、を更に具備することが望ましい。これによって、能率を落とさずに加工精度を向上することが可能な加工条件を得ることができる。
第1の発明は、前記加工誤差量が閾値以下になるまで、前記切削力算出手段と、前記振動波形予測手段と、前記加工誤差量予測手段と、前記切込量補正手段と、による処理を繰り返すことが望ましい。これによって、所望の加工誤差が1度の加工で実現可能な切込量を得ることができる。ひいては、高精度かつ高能率の加工を実現することができる。
第2の発明は、コンピュータを、加工条件を入力する加工条件入力手段と、前記加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出する切削力算出手段と、前記時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と前記周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、前記周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測する振動波形予測手段と、前記時間領域表現の振動波形に基づいて加工誤差量を予測する加工誤差量予測手段、として機能させるための加工誤差量予測プログラムである。
本発明により、びびり振動に起因する加工誤差量を精度良く予測することが可能となり、高精度かつ高能率の加工を実現することができる。
びびり振動に起因する加工誤差を説明する模式図 加工誤差量予測装置のハードウエア構成図 加工誤差量予測装置の処理の流れを示すフローチャート 時間領域表現の切削力F(t)の算出処理を説明する図 時間領域表現の振動波形V(t)の予測処理を説明する図 実施例における時間領域表現の切削力F(t)を示す図 実施例における周波数領域表現の切削力F(s)を示す図 実施例における周波数領域表現の伝達関数G(s)を示す図 実施例における周波数領域表現の振動応答V(s)を示す図 実施例における時間領域表現の振動波形V(t)を示す図 実施例における加工誤差予測結果ならびに実施例および比較例における加工結果を示す図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。最初に、びびり振動について説明する。びびり振動は、自励振動に起因する「自励型」と、強制振動に起因する「強制型」に大別される。「強制型」は、更に、断続切削や切取り厚さ変動に基づく切削力変動等による「力外乱」と、モータや歯車等に起因する振動、地面から伝わる振動、作動流体の脈動、暗振動等による「変位外乱」に分別できる。本発明は、特に、「強制型」の「力外乱」に対して有効な手法であり、切削力変動によって生じる加工誤差の定量的な予測を行う手法である。
図1は、びびり振動に起因する加工誤差を説明する模式図である。図1(a)は、被削材3を工具2によって加工する様子を示す斜視図である。図1(b)は、被削材上面31を真上から見た図である。図1(a)に示すように、工具2は、回転方向に回転するとともに、送り方向に進みながら、被削材3を切削する。ここで、工具2は、回転軸と直交する方向(半径方向)に振動している。そのため、図1(b)に示すように、設定切込量と実切込量に差が生じてしまい、この差が加工誤差量となる。本発明の実施の形態における加工誤差量予測装置は、この加工誤差量を予測するとともに、1度の加工によって所望の加工精度となるように、予測結果に基づいて加工条件を補正する。
図2は、加工誤差量予測装置のハードウエア構成図である。尚、図2のハードウエア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
図2に示すように、加工誤差量予測装置1は、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、表示部16、周辺機器I/F部17等が、バス18を介して接続される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。
CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各装置を駆動制御し、加工誤差量予測装置1が行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)等であり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるための加工誤差量予測プログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部13(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)等のメディア入出力装置を有する。通信制御部14は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。ネットワークは、有線、無線を問わない。
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。表示部16は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。尚、入力部15及び表示部16は、タッチパネルディスプレイのように、一体となっていても良い。
周辺機器I/F(Interface)部17は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部17を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部17は、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394やRS−232C等によって構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。バス18は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
図3は、加工誤差量予測装置の処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、加工誤差量予測装置1の制御部11は、加工条件を入力する(ステップS1)。入力される加工条件は、例えば、エンドミルによる加工の場合、工具直径、刃数、ねじれ角、主軸回転数、一刃送り量、軸方向切込量、半径方向切込量、周方向比切削抵抗、半径方向比切削抵抗等である。
ここで、加工条件の入力とは、加工誤差量予測装置1が備える各種の外部入力手段(メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、周辺機器I/F部17)によって、加工誤差量予測装置1の外部から加工条件を入力することに加えて、制御部11が前処理として加工条件を算出し、その算出結果としての加工条件をRAM上のメモリ領域に展開することや、記憶部12に記憶されている加工条件をRAM上のメモリ領域に展開することも含む。
次に、制御部11は、ステップS1において入力される加工条件に基づいて、時間領域表現の切削力F(t)を算出する(ステップS2)。制御部11は、例えば、切削面積に対して切削力が生じると仮定することで、比切削抵抗によって切削力を算出する。
図4は、時間領域表現の切削力F(t)の算出処理を説明する図である。以下、工具2の例としてエンドミルの場合を説明する。エンドミルの切削力は、被削材3と接触している微小要素の切削力を積算することで求められる。ここで、工具2の回転中心軸をZ軸とし、回転角φに対する回転座標系を考える。エンドミルの周方向切削力F(φ)、半径方向切削力F(φ)、軸方向切削力F(φ)は、軸方向切込量a、高さzにおける被削材切取り厚さh(φ、z)、比切削抵抗K、K、Kを用いて、次式のように表される。
Figure 2015085395
ここで、切取り厚さh(φ、z)は、図4に示すように、幾何形状から求めることができ、Z軸方向に積分することで、エンドミル全体の切削面積が求まる。また、固定座標系(X、Y、Z)における切削力は、式(1)〜式(3)より、次式のように表される。
Figure 2015085395
図3の説明に戻る。次に、制御部11は、ステップS2によって算出される時間領域表現の切削力F(t)に基づいて、時間領域表現の振動波形V(t)を予測する(ステップS3)。
図5は、時間領域表現の振動波形V(t)の予測処理を説明する図である。図5に示すように、制御部11は、時間領域表現の切削力F(t)に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力F(s)を算出する(ステップS31)。
次に、制御部11は、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数G(s)の情報を記憶部12から読み出し、周波数領域表現の伝達関数G(s)と周波数領域表現の切削力F(s)を掛け合わせることによって(周波数応答解析によって)、周波数領域表現の振動応答V(s)を算出する(ステップS32)。
ここで、加工系とは、工具2、ホルダ、加工機を含む、工具2まわりの振動特性(伝達関数)、もしくは、被削材3の振動特性のいずれかが異なる場合に特性の違いを区別する単位とする。記憶部12には、加工系ごとに、支配的な振動源の周波数領域表現の伝達関数G(s)の情報が予め記憶されている。
周波数領域表現の伝達関数G(s)の情報は、後述する表2のように、モーダルパラメータ(質量、減衰係数、ばね定数)の値であっても良いし、図8のように、伝達関数(コンプライアンス)の生データであっても良い。いずれにしても、周波数領域表現の伝達関数G(s)の情報は、加工系ごとに、例えば、ハンマリング試験によって予め測定されるものである。
周波数領域表現の伝達関数G(s)と周波数領域表現の切削力F(s)を掛け合わせる算出式は、次式のように表される。
Figure 2015085395
ここで、V(s)、F(s)の添え字は、各方向成分を示している。また、G(s)の添え字は、各方向の力に対する感度を示している。例えば、x方向の切削力の入力に対するy方向の伝達関数(感度)は、Gyxとなる。
周波数領域表現の伝達関数G(s)と周波数領域表現の切削力F(s)を掛け合わせることによって、切削力変動によって生じる周波数領域表現の振動応答V(s)を得ることができる。
次に、制御部11は、周波数領域表現の振動応答V(s)に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形V(t)を予測する(ステップS33)。
図3の説明に戻る。次に、制御部11は、時間領域表現の振動波形V(t)に基づいて加工誤差量を予測する(ステップS4)。具体的には、制御部11は、加工する瞬間、すなわち切削力F(t)が値を有する時点{t、t、・・・、t}を算出し、時間領域表現の振動波形の所定方向pの成分{V(t)、V(t)、・・・、V(t)}を、各時点{t、t、・・・、t}の加工誤差量とする。所定方向pとは、加工精度を決める方向である。例えば、図1の例であれば、切込み方向が、加工精度を決める方向である。
次に、制御部11は、ステップS4において予測される加工誤差量が閾値以下か否か確認する(ステップS5)。具体的には、制御部11は、各時点{t、t、・・・、t}の加工誤差量が、全て閾値以下か否かを確認する。なお、強制振動の場合は定常状態となるため、1点のみ評価すれば良い。
閾値より大きい場合(ステップS5のNo)、制御部11は、ステップS4において予測される加工誤差量に基づいて、加工条件に含まれる切込量を補正する(ステップS6)。具体的には、制御部11は、ステップS1において入力される切込量(既にステップS6を実行済の場合、前回のステップS6において補正される切込量)に対して、ステップS4において予測される加工誤差量分を加えることによって、補正後の切込量とする。例えば、図1の例であれば、切込み方向と加工精度を決める方向が同一なので、補正前の切込量と加工誤差量のスカラー和を、補正後の切込量とする。
次に、制御部11は、ステップS6において補正される切込量に基づいて、ステップS2〜ステップS5の処理を繰り返す。処理を繰り返す理由は、切込量を補正することによって切削力にも変動が生じ、新たな加工誤差量が生じることとなるが、その新たに生じる加工誤差量を閾値以下に収束させるためである。なお、補正を加えた以後の振動波形は誤差補正切込量分オフセットされるため、補正を繰り返す度に誤差は減少する。
閾値以下の場合(ステップS5のYes)、制御部11は、予測結果を出力し(ステップS7)、処理を終了する。予測結果は、例えば、補正前の切込量を適用して加工する場合の加工誤差量、補正後の切込量、補正後の切込量を適用して加工する場合の加工誤差量等である。
ここで、予測結果の出力とは、加工誤差量予測装置1が備える各種の外部出力手段(メディア入出力部13、通信制御部14、表示部16、周辺機器I/F部17)によって、加工誤差量予測装置1の外部に予測結果を出力することに加えて、制御部11が後処理として予測結果を利用するために、その予測結果をRAM上のメモリ領域に展開することや、記憶部12に予測結果を記憶することも含む。
以上の通り、加工誤差量予測装置1は、加工条件を入力し、加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出し、時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測する。これによって、びびり振動に起因する加工誤差量、特に、加工系の振動特性を考慮した加工誤差量を精度良く予測することが可能となる。また、演算が容易な周波数領域において伝達関数と切削力を掛け合わせるので、演算時間を短縮することができる。
また、加工誤差量予測装置1は、予測される加工誤差量に基づいて、加工条件に含まれる切込量を補正する。従来技術では、主軸回転数や送り速度などを変更していたので、加工精度を向上するためには、能率を落とす加工条件への変更が必要であった。一方、本発明の実施の形態では、能率を落とさずに加工精度を向上することが可能な加工条件を得ることができる。
また、加工誤差量予測装置1は、加工誤差量が閾値以下になるまで、切削力算出処理と、振動波形予測処理と、加工誤差量予測処理と、切込量補正処理と、を繰り返す。これによって、所望の加工誤差が1度の加工で実現可能な切込量を得ることができる。従来技術では、加工精度を確保するために、能率を落とす加工条件への変更とともに、所望の加工精度を満たすまで実加工と寸法計測を複数回繰り返す必要があった。一方、本発明の実施の形態では、1度の加工によって所望の加工精度を達成できるので、リードタイムの大幅な短縮を実現できる。
以下、図6〜図11を参照しながら本発明の実施例を説明する。本実施例では、主な振動変位の発生は被削材3、振動方向は一方向、加工精度を決める方向は振動方向と同一とした。表1、表2は、本実施例の加工条件、モーダルパラメータの値を示している。
Figure 2015085395
Figure 2015085395
加工誤差量予測装置1は、表1に示す加工条件を入力し、時間領域表現の切削力F(t)を算出した。図6が、実施例における時間領域表現の切削力F(t)を示す図である。
次に、加工誤差量予測装置1は、時間領域表現の切削力F(t)に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力F(s)を算出した。図7が、実施例における周波数領域表現の切削力F(s)を示す図である。
次に、加工誤差量予測装置1は、表2に示すモーダルパラメータの値から周波数領域表現の伝達関数G(s)を算出した。図8が、実施例における周波数領域表現の伝達関数G(s)のうち、コンプライアンスを示す図である。なお、一般的に、モーダルパラメータからコンプライアンスと位相が求まることは知られており、図8にはこのうち前者のみを示している。
次に、加工誤差量予測装置1は、周波数領域表現の伝達関数G(s)と周波数領域表現の切削力F(s)を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答V(s)を算出した。図9が、実施例における周波数領域表現の振動応答V(s)を示す図である。
次に、加工誤差量予測装置1は、周波数領域表現の振動応答V(s)に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形V(t)を算出した。図10は、実施例のうち主軸回転数5000min−1における時間領域表現の振動波形V(t)を示す図である。図10の記号Eが、加工誤差量を示している。
次に、加工誤差量予測装置1は、時間領域表現の振動波形V(t)に基づいて加工誤差量を予測した。また、加工誤差量予測装置1は、加工誤差量が閾値以下になるまで、切削力算出処理と、振動波形予測処理と、加工誤差量予測処理と、切込量補正処理と、を繰り返し、加工誤差量に基づいて半径方向切込量(表1参照)を補正した。そして、比較例として、補正前の半径方向切込量によって実加工を行った。また、実施例として、補正後の半径方向切込量によって実加工を行った。
図11が、実施例における加工誤差予測結果ならびに実施例および比較例における加工結果を示す図である。図11では、主軸回転数が5000min−1(表1参照)の場合だけでなく、主軸回転数が3500〜7500min−1の場合の結果を示している。図11では、主軸回転数に対する加工誤差予測結果のグラフと、いくつかの主軸回転数に対する誤差補正無しの加工結果および誤差補正有りの加工結果がプロットされている。
図11に示す加工誤差予測結果のグラフと誤差補正無しの加工結果を比較すれば分かるように、加工誤差量予測装置1による加工誤差量の予測が、実際の加工によって生じる加工誤差量とほぼ一致することが分かる。すなわち、加工誤差量予測装置1によって、精度良く加工誤差量を予測することができた。
また、図11に示す誤差補正有りの加工結果を見れば分かるように、加工誤差量予測装置1によって補正された切込量を用いた加工によって、所望の加工精度(本実施例では、加工誤差量が1μm以下)を実現することができた。すなわち、加工誤差量予測装置1によって、高精度かつ高能率の加工を実現することができた。
尚、実施例では、主な振動変位の発生は被削材3、振動方向は一方向、加工精度を決める方向は振動方向と同一としたが、本発明はこの例に限定されるものではない。本発明の主な振動変位の発生は、本発明の実施の形態に係る説明の通り、被削材3に限らず、工具2であっても良い。また、本発明の振動方向は一方向に限らず、式(1)〜式(6)に示す通り、三方向の連成振動であってもよい。また、本発明の加工精度を決める方向は、本発明の実施の形態に係る説明の通り、振動方向と同一である必要はない。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る加工誤差量予測装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………加工誤差量予測装置
2………工具
3………被削材
11………制御部
12………記憶部
13………メディア入出力部
14………通信制御部
15………入力部
16………表示部
17………周辺機器I/F部
18………バス

Claims (4)

  1. 加工条件を入力する加工条件入力手段と、
    前記加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出する切削力算出手段と、
    前記時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と前記周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、前記周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測する振動波形予測手段と、
    前記時間領域表現の振動波形に基づいて加工誤差量を予測する加工誤差量予測手段と、
    を具備することを特徴とする加工誤差量予測装置。
  2. 前記加工誤差量に基づいて、前記加工条件に含まれる切込量を補正する切込量補正手段、
    を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の加工誤差量予測装置。
  3. 前記加工誤差量が閾値以下になるまで、前記切削力算出手段と、前記振動波形予測手段と、前記加工誤差量予測手段と、前記切込量補正手段と、による処理を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の加工誤差量予測装置。
  4. コンピュータを、
    加工条件を入力する加工条件入力手段と、
    前記加工条件に基づいて時間領域表現の切削力を算出する切削力算出手段と、
    前記時間領域表現の切削力に対してフーリエ変換を行うことによって周波数領域表現の切削力を算出し、予め加工系ごとに定められる周波数領域表現の伝達関数と前記周波数領域表現の切削力を掛け合わせることによって周波数領域表現の振動応答を算出し、前記周波数領域表現の振動応答に対して逆フーリエ変換を行うことによって時間領域表現の振動波形を予測する振動波形予測手段と、
    前記時間領域表現の振動波形に基づいて加工誤差量を予測する加工誤差量予測手段、
    として機能させるための加工誤差量予測プログラム。
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