JP2012183596A - 工作機械の振動抑制方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数モードによるびびり振動が発生する加工条件においても、安定余裕が大きいモードの切り換わり位置でびびり振動が生じない最適回転速度を簡単に求める。
【解決手段】S1で初期回転速度を設定してS2で加工を開始し、S3で振動加速度を検出して最大加速度及びそのびびり周波数を演算する。次に、S4でびびり振動発生を確認したら、S5でk値を算出して記憶する。次に、S9で、算出したk値と先に記憶されたk値とを比較する。ここでk値の方が小さければ、S7で、算出したk値をk値として更新し、S8で最適回転速度を算出して回転速度の変更を行う。一方、S9でk値がk値以上であれば、S10で、現在の回転速度から低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいか否かを判定し、S11でその判定結果に基づき、安定余裕が大きい方向に対してモードの切り換わり位置の探索を行い、最終的な最適回転速度を求める。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転軸に装着した工具又はワークを回転させて加工を行う工作機械において、加工中に発生するびびり振動を抑制する方法及び装置に関する。
エンドミル加工において、切り込み量や回転軸の回転速度などの加工条件によっては、びびり振動が生じ加工面が悪化することがある。また、びびり振動によって工具がダメージを受け、工具寿命の悪化にもつながる。
このびびり振動を抑制するための技術として、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。この振動抑制方法では、加工面の仕上げ精度悪化の原因となる自励振動としての再生型びびり振動を抑制するため、工具やワーク等のびびり振動の発生系の固有振動数を、工具やワークをインパルス加振することにより求め、これを60倍すると共に工具刃数及び所定の整数で除して得た値を最適回転速度とし、当該最適回転速度で加工を行うようにしている。
一方、特許文献2では、機械の固有振動数ではなく、機械に配置した振動センサによりびびり周波数を測定し、びびり周波数から算出されるパラメータを用いて最適回転速度を求めている。
特許文献1及び2の方法は、単一のモードでのびびり振動には有効と考えられるが、例えば図6に示すように複数のモードでのびびり振動が生じる加工条件の場合、一つのモードに対する安定速度領域が別のモードの不安定領域と重なることがあり、このようなケースでは正しく最適回転速度を求めることができない。
そこで、本件出願人は、複数のモードでのびびり振動が生じる場合、図6のようにモードの切り換わり位置に相当する回転速度が比較的安定(局所的安定速度)となることに着目して、このモードの切り換わり位置を探索する方法として特許文献3の発明を提供している。この発明では、回転速度変更の前後において、下記の式で得られる位相情報を予め設定した閾値と比較し、位相情報が閾値を越えた際にモードが切り換わったと判断することで安定回転速度を増減させるようにしている。
位相情報:{60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)}の小数部
特開2003−340627号公報 特開2008−290188号公報 特開2010−17783号公報
しかし、複数のモードの重なり方が図7のような場合、主軸回転速度が6600rpm〜6700rpm付近ではモードの切り換わり位置での安定余裕が大きいのに対し、7700rpm〜9500rpm付近ではモードの切り換わり位置での安定余裕がほとんどない。すなわち、モードの重なり方次第ではモードが切り換わり位置の速度によって安定余裕に大きな差が生じることがある。よって、特許文献3に示す方法においても、初期回転速度や増減の方向によっては余裕のある安定速度に到達できず、びびり振動の抑制効果が得られない場合がある。
そこで、本発明は、複数モードによるびびり振動が発生する加工条件においても、安定余裕が大きいモードの切り換わり位置でびびり振動が生じない最適回転速度を簡単に求めることができる工作機械の振動抑制方法及び装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転軸に装着した工具又はワークを回転させて加工を行う工作機械において、前記回転軸を回転させた際に生じるびびり振動を抑制するための振動抑制方法であって、
前記びびり振動による時間領域の振動を検出し、びびり周波数及び当該びびり周波数における周波数領域の特性値を算出する特性値算出ステップと、前記特性値が所定の閾値を超えた際に、下記の式で定義されるk値を算出して記憶するk値算出/記憶ステップと、前記びびり周波数及びk値を用いて前記びびり周波数に対する最適回転速度を算出し、前記最適回転速度に従って前記回転軸の回転速度を変更する回転速度算出/変更ステップと、前記回転速度の変更後に再び前記特性値算出ステップを実行し、前記特性値が前記閾値を超えた際に再び前記びびり周波数及びk値を算出して、新たなk値と記憶されたk値とを比較するk値算出/比較ステップと、前記k値算出/比較ステップで得た新たなk値が記憶されたk値より小さければ、前記k値を新たなk値に更新し、更新した前記びびり周波数及びk値を用いて最適回転速度を算出して当該最適回転速度に前記回転軸の回転速度を変更する第1の回転速度更新ステップと、を実行することを特徴とするものである。
k値={60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)}の整数部
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記k値算出/比較ステップで得た新たなk値が記憶されたk値以上であれば、現在の回転速度の低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいかを判定し、安定余裕が大きいと判断された回転側へ前記回転軸の回転速度を変化させる処理と、その回転速度の変化の前後に係る所定の加工情報の変化量を所定の第2の閾値と比較する処理とを繰り返して、前記加工情報の変化量が前記第2の閾値を超えた際に、そのときの回転速度を最適回転速度として維持する第2の回転速度更新ステップを実行することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、前記第2の回転速度更新ステップでは、前記新たなk値を用いた下記の式で算出される安定度のうち小さい方を安定余裕が大きいと判断することを特徴とするものである。
低回転側安定度=現在速度−{60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1))}
高回転側安定度={60×びびり周波数/(工具刃数×k値)}−現在速度
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の構成において、前記第2の回転速度更新ステップでは、下記の式で定義されるk’値を前記加工情報とすることを特徴とするものである。
k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、回転軸に装着した工具又はワークを回転させて加工を行う工作機械において、前記回転軸を回転させた際に生じるびびり振動を抑制するための振動抑制装置であって、
前記びびり振動による時間領域の振動を検出し、びびり周波数及び当該びびり周波数における周波数領域の特性値を算出する特性値算出手段と、前記特性値が所定の閾値を超えた際に、下記の式で定義されるk値を算出して記憶するk値算出/記憶手段と、前記びびり周波数及びk値を用いて前記びびり周波数に対する最適回転速度を算出し、前記最適回転速度に従って前記回転軸の回転速度を変更する回転速度算出/変更手段と、前記回転速度の変更後に再び前記特性値算出手段によって前記特性値を算出し、前記特性値が前記閾値を超えた際に再び前記びびり周波数及びk値を算出して、新たなk値と記憶されたk値とを比較するk値算出/比較手段と、前記k値算出/比較手段で得た新たなk値が記憶されたk値より小さければ、前記k値を新たなk値に更新し、更新した前記びびり周波数及びk値を用いて最適回転速度を算出して当該最適回転速度に前記回転軸の回転速度を変更する第1の回転速度更新手段と、を備えることを特徴とするものである。
k値={60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)}の整数部
請求項6に記載の発明は、請求項5の構成において、前記k値算出/比較手段で得た新たなk値が記憶されたk値以上であれば、現在の回転速度の低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいかを判定し、安定余裕が大きいと判断された回転側へ前記回転軸の回転速度を変化させる処理と、その回転速度の変化の前後に係る所定の加工情報の変化量を所定の第2の閾値と比較する処理とを繰り返して、前記加工情報の変化量が前記第2の閾値を超えた際に、そのときの回転速度を最適回転速度として維持する第2の回転速度更新手段を備えることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6の構成において、前記第2の回転速度更新手段では、前記新たなk値を用いた下記の式で算出される安定度のうち小さい方を安定余裕が大きいと判断することを特徴とするものである。
低回転側安定度=現在速度−{60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1))}
高回転側安定度={60×びびり周波数/(工具刃数×k値)}−現在速度
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7の構成において、前記第2の回転速度更新手段では、下記の式で定義されるk’値を前記加工情報とすることを特徴とするものである。
k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)
なお、本発明において、時間領域の「振動」とは、振動加速度、振動による変位、振動による音圧等、振動自体は勿論、振動に起因して回転軸に発生し、間接的に振動を検出できる物理的変化も含む。
請求項1及び5に記載の発明によれば、複数モードによるびびり振動が発生する加工条件においても、モードの切り換わり位置でびびり振動が生じない最適回転速度を簡単に求めることができる。
請求項2及び6に記載の発明によれば、上記効果に加えて、安定余裕が大きい回転側で最適回転速度を得ることができる。
請求項3及び7に記載の発明によれば、上記効果に加えて、k値を用いて安定余裕が大きい回転側を容易に判断することができる。
請求項4及び8に記載の発明によれば、上記効果に加えて、安定余裕が大きい回転側での最終的な最適回転速度を好適に導き出すことができる。
立形マシニングセンタの概略構成図である。 主軸頭の側面図である。 主軸頭の正面図(軸方向から見た図)である。 振動抑制制御のフローチャートである。 安定限界線図を示す説明図である。 複数のびびりモードを有する安定限界線図の説明図である。 複数のびびりモードを有する安定限界線図の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一例である立形マシニングセンタの概略構成図で、立形マシニングセンタ1は、上方に設けた主軸頭2にC軸回りで回転自在な回転軸としての主軸3を設け、その主軸3に取り付けた工具4によって、下方の加工テーブル5上にセットされたワーク6を加工する周知の構成で、NC装置15が主軸3の回転を制御すると共に、図示しない自動工具交換装置によって工具4を自動交換可能となっている。
振動抑制装置10は、主軸3に発生するびびり振動を抑制するもので、主軸頭2に設けられて振動を計測する振動センサ(加速度センサ)7a〜7cと、振動センサによる検出値に基づいて主軸3の回転速度を制御する制御装置11とを備えている。この振動センサ7a〜7cは、主軸3の回転に伴って生じる時間領域の振動(時間軸上の振動)を検出するもので、図2,3に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向での時間領域の振動情報を検出可能な状態で主軸頭2に取り付けられている。
制御装置11は、振動センサ7a〜7cにより検出された振動加速度を基にフーリエ解析を行い、特性値としての最大加速度その周波数(びびり周波数)を常時算出するFFT演算装置12と、FFT演算装置12で算出された値に基づいて最適回転速度の算出を行う演算装置13と、FFT演算装置12や演算装置13で算出された数値や、図示しない入力手段によって入力された、振動抑制制御に係る閾値や工具刃数等を記憶する記憶装置14と、主軸頭2による加工を制御するNC装置15とで構成されている。
ここではFFT演算装置12が特性値算出手段として機能し、演算装置13及び記憶装置14が、k値算出/記憶手段及びk値算出/比較手段として機能し、演算装置13及びNC装置15が、回転速度算出/変更手段と第1、第2の回転速度更新手段として機能することになる。
以上の如く構成された振動抑制装置10による振動抑制制御を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、S1で任意の回転速度を初期回転速度として設定し、S2で加工を開始する。S3で、このときの振動加速度を振動センサ7a〜7cで検出し、FFT演算装置12によって最大加速度及びそのびびり周波数を演算する(特性値算出ステップ)。
次に、S4で、演算装置13がS3で算出された最大加速度と予め設定した閾値と比較する。ここで最大加速度が閾値を超えていれば、びびり振動発生と判断し、続くS5で、以下の式(1)(2)に基づいてk値を算出して記憶装置14に記憶する(k値算出/記憶ステップ)。S4の判別で最大加速度が閾値を超えなければ、S12での加工終了を判別し、加工が終了していなければS3に戻る。
k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度) ・・(1)
k値=k’値の整数部 ・・(2)
次に、S6では、振動抑制制御が初回であるか否かを判別する。初回の制御であれば、演算装置13は、S7で、S5で算出したk値をk値(k値の初期値)として記憶装置14に記憶し、S8では、S3で求めたびびり周波数に対する最適回転速度を以下の式(3)に基づいて算出し、NC装置15を介して回転速度の変更を行う(回転速度算出/変更ステップ)。その後、S3に戻って最大加速度及びびびり周波数の取得を継続する。
最適回転速度=60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1)) ・・(3)
そして、回転速度変更後もS4でびびり発生が判別されると、S5で同様にk値を算出する。よって、S6の判別では初回の制御でなくなるため、S9で、今回算出した新たなk値と初回制御で記憶されたk値とを比較する(k値算出/比較ステップ)。ここで新たなk値の方が小さければ、S7に移行して、今回算出した新たなk値をk値として更新し、S8で式(3)に基づいて最適回転速度を算出してNC装置15を介して回転速度の変更を行う(第1の回転速度更新ステップ)。
一方、S9の判別でk値がk値以上であれば、S10において、以下の式(4)(5)に基づいて、現在の回転速度から低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいか否かを判定する。
低回転側安定度=現在速度−{60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1))} ・・(4)
高回転側安定度={60×びびり周波数/(工具刃数×k値)}−現在速度 ・・(5)
ここでは、式(4)(5)で得られる安定度のうち小さい方が安定余裕が大きいことを示している。
次に、S11では、安定余裕の判別結果に基づき、安定余裕が大きい方向に対してモードの切り換わり位置(複数の安定限界線の交差位置)の探索を行い、最終的な最適回転速度を求めて当該回転速度を維持する。このS10,11が第2の回転速度更新ステップとなる。S12の判別で加工が終了しなければS3へ戻る。
この最終的な最適回転速度の探索は、例えば先の特許文献3に開示されている手法が採用できる。すなわち、回転速度を安定余裕が大きい側へ数%程度(例えば2%)微小変化させて、びびり振動が発生した場合に同様に式(1)によって加工情報としてのk’値を算出し、先に算出したk’値との差(変化量)を予め設定した第2の閾値としての位相閾値(例えば0.4)と比較する。ここでk’値の変化量が位相閾値を超えない場合には、記憶するk’値を更新して回転速度をさらに微小変化させ、当該微小変化に係るk’値の変化量を位相閾値と比較する処理を繰り返し実行する。そして、更新されたk’値の変化量が位相閾値を超えた場合に、その回転速度を最終的な最適回転速度として維持するものである。但し、この加工情報はk’値に限らずびびり周波数として、その変化量を第2の閾値と比較してもよいし、回転速度の変化の割合も大きくする等適宜変更してよい。
次に、振動抑制制御を具体例を挙げて説明する。
例えば、系のびびり特性が図5の安定限界線図に示すような3つのびびりモードを持つ場合を考える。初期回転速度は6500rpmとする。
このとき、初期回転速度ではモード3でびびり振動が生じ、このときのk値は4である。制御初回なので、フローに従いk値として4を記憶し(S7)、S8で現在のモードに対する最適回転速度(6000rpm)を求める。
しかし、6000rpmはモード2の不安定領域であるため、びびり振動はほとんど抑制されない。このときのk値は3であるので、S9の判定が真となりS7に進む。よって、k値は3に更新され、S8では改めて最適回転速度として5800rpmが算出される。
ところが、5800rpmではモード1でびびり振動が生じる。このときのk値は1であるので、再度S7に進んでk値は1に更新され、S8で最適回転速度は5000rpmとなる。
この5000rpmはモード2に対する不安定領域であるため依然びびり振動は抑制されないが、k値が4となり、更新されたk値(=1)より大であるため、S10に進む。ここでモード2に対する高低の安定度を算出すると、高低の回転速度がそれぞれ4800rpm、5800rpmとなるから、式(4)(5)から低回転側安定度は200、高回転側安定度は800となる。よって、低回転側の方が安定余裕が大きいと判定されるため、S11において低速側のモード切り換わり位置を探索することで、最適回転速度4800rpmを探し出すことができる。
このように、上記形態の振動抑制方法及び装置によれば、複数モードによるびびり振動が発生する加工条件においても、安定余裕が大きいモードの切り換わり位置でびびり振動が生じない最適回転速度を簡単に求めることができる。
特に、第2の回転速度更新ステップでは、新たなk値を用いた式で低回転側と高回転側との安定度を算出し、安定度の小さい方を安定余裕が大きいと判断することで、k値を用いて安定余裕が大きい回転側を容易に判断することができる。
また、第2の回転速度更新ステップでは、k’値を加工情報として最適回転速度を探索するようにしているので、安定余裕が大きい回転側での最終的な最適回転速度を好適に導き出すことができる。
なお、上記形態では、時間領域の振動加速度のフーリエ解析により複数パターン取得される波形のうち、周波数領域の振動加速度が最大となる波形を用いて振動抑制制御を行っているが、周波数領域の振動加速度の値が上位となる複数の波形を用いて最適回転速度を算出するようにしてもよい。
また、振動の検出には、振動センサによる加速度の検出に限らず、変位センサやマイク等の他の検出手段を採用して変位や音圧等の特性値を得るようにしても差し支えない。
さらに、必要に応じ第2の回転速度更新ステップを省略して実施することもできる。すなわち、図4の例では、S9でk値がk値以上(NO)のときはS10及びS11の処理を実施することなく振動抑制制御を終了(END)すればよい。
その他、工作機械としては立形マシニングセンタに限らず、主軸に装着したワークを回転させて加工を行うNC旋盤等の他の工作機械であっても本発明は適用可能である。
1・・立形マシニングセンタ、2・・主軸頭、3・・主軸、4・・工具、6・・ワーク、7a〜7b・・振動センサ、10・・振動抑制装置、11・・制御装置、12・・FFT演算装置、13・・演算装置、14・・記憶装置、15・・NC装置。

Claims (8)

  1. 回転軸に装着した工具又はワークを回転させて加工を行う工作機械において、前記回転軸を回転させた際に生じるびびり振動を抑制するための振動抑制方法であって、
    前記びびり振動による時間領域の振動を検出し、びびり周波数及び当該びびり周波数における周波数領域の特性値を算出する特性値算出ステップと、
    前記特性値が所定の閾値を超えた際に、下記の式で定義されるk値を算出して記憶するk値算出/記憶ステップと、
    前記びびり周波数及びk値を用いて前記びびり周波数に対する最適回転速度を算出し、前記最適回転速度に従って前記回転軸の回転速度を変更する回転速度算出/変更ステップと、
    前記回転速度の変更後に再び前記特性値算出ステップを実行し、前記特性値が前記閾値を超えた際に再び前記びびり周波数及びk値を算出して、新たなk値と記憶されたk値とを比較するk値算出/比較ステップと、
    前記k値算出/比較ステップで得た新たなk値が記憶されたk値より小さければ、前記k値を新たなk値に更新し、更新した前記びびり周波数及びk値を用いて最適回転速度を算出して当該最適回転速度に前記回転軸の回転速度を変更する第1の回転速度更新ステップと
    を実行することを特徴とする工作機械の振動抑制方法。
    k値={60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)}の整数部
  2. 前記k値算出/比較ステップで得た新たなk値が記憶されたk値以上であれば、現在の回転速度の低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいかを判定し、安定余裕が大きいと判断された回転側へ前記回転軸の回転速度を変化させる処理と、その回転速度の変化の前後に係る所定の加工情報の変化量を所定の第2の閾値と比較する処理とを繰り返して、前記加工情報の変化量が前記第2の閾値を超えた際に、そのときの回転速度を最適回転速度として維持する第2の回転速度更新ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の振動抑制方法。
  3. 前記第2の回転速度更新ステップでは、前記新たなk値を用いた下記の式で算出される安定度のうち小さい方を安定余裕が大きいと判断することを特徴とする請求項2に記載の工作機械の振動抑制方法。
    低回転側安定度=現在速度−{60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1))}
    高回転側安定度={60×びびり周波数/(工具刃数×k値)}−現在速度
  4. 前記第2の回転速度更新ステップでは、下記の式で定義されるk’値を前記加工情報とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の工作機械の振動抑制方法。
    k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)
  5. 回転軸に装着した工具又はワークを回転させて加工を行う工作機械において、前記回転軸を回転させた際に生じるびびり振動を抑制するための振動抑制装置であって、
    前記びびり振動による時間領域の振動を検出し、びびり周波数及び当該びびり周波数における周波数領域の特性値を算出する特性値算出手段と、
    前記特性値が所定の閾値を超えた際に、下記の式で定義されるk値を算出して記憶するk値算出/記憶手段と、
    前記びびり周波数及びk値を用いて前記びびり周波数に対する最適回転速度を算出し、前記最適回転速度に従って前記回転軸の回転速度を変更する回転速度算出/変更手段と、
    前記回転速度の変更後に再び前記特性値算出手段によって前記特性値を算出し、前記特性値が前記閾値を超えた際に再び前記びびり周波数及びk値を算出して、新たなk値と記憶されたk値とを比較するk値算出/比較手段と、
    前記k値算出/比較手段で得た新たなk値が記憶されたk値より小さければ、前記k値を新たなk値に更新し、更新した前記びびり周波数及びk値を用いて最適回転速度を算出して当該最適回転速度に前記回転軸の回転速度を変更する第1の回転速度更新手段と
    を備えることを特徴とする工作機械の振動抑制装置。
    k値={60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)}の整数部
  6. 前記k値算出/比較手段で得た新たなk値が記憶されたk値以上であれば、現在の回転速度の低回転側と高回転側とのどちらに安定余裕が大きいかを判定し、安定余裕が大きいと判断された回転側へ前記回転軸の回転速度を変化させる処理と、その回転速度の変化の前後に係る所定の加工情報の変化量を所定の第2の閾値と比較する処理とを繰り返して、前記加工情報の変化量が前記第2の閾値を超えた際に、そのときの回転速度を最適回転速度として維持する第2の回転速度更新手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の工作機械の振動抑制装置。
  7. 前記第2の回転速度更新手段では、前記新たなk値を用いた下記の式で算出される安定度のうち小さい方を安定余裕が大きいと判断することを特徴とする請求項6に記載の工作機械の振動抑制装置。
    低回転側安定度=現在速度−{60×びびり周波数/(工具刃数×(k値+1))}
    高回転側安定度={60×びびり周波数/(工具刃数×k値)}−現在速度
  8. 前記第2の回転速度更新手段では、下記の式で定義されるk’値を前記加工情報とすることを特徴とする請求項6又は7に記載の工作機械の振動抑制装置。
    k’値=60×びびり周波数/(工具刃数×回転軸回転速度)
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