JP2015082362A - 全固体電池用電極スラリー、及び全固体電池用電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高める。【解決手段】電極スラリーに含まれる2種類以上の溶媒のうち、最も大きい体積分率を有する溶媒と他の溶媒との比誘電率の差の大きさ(絶対値)を予め定められた値以上とすることにより、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を高めることができる。加えて、電極スラリーに含まれる全ての溶媒の比誘電率の体積平均を予め定められた値以上とすることにより、電極活物質及び固体電解質の分散性を更に高め、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を更に高めることができる。【選択図】図2
Description
本発明は、全固体電池用電極スラリー、及び全固体電池用電極の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、電極層の集電体への結着力が大きい全固体電池用電極を製造することができるスラリー、及び同スラリーを用いる全固体電池用電極の製造方法に関する。
近年における情報関連機器及び通信機器(例えば、パソコン、ビデオカメラ、携帯電話、及びスマートフォン等)等の急速な普及に伴い、これらの電源として利用される電池の開発が益々重要視されている。また、自動車産業界等においても、例えば、電動車両及びハイブリッド車両等に搭載される高出力及び大容量の電池の開発が進められている。かかる電池としては種々のタイプの電池が開発されており、これらの中でも、そのエネルギー密度の高さから、リチウムイオン二次電池が注目を浴びている。
ところで、現在市販されている一般的なリチウムイオン二次電池においては、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、例えば、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の装着、短絡防止のための構造面及び材料面での改善等が必要となる。かかる背景から、従来の有機電解液に代えて固体電解質を使用する全固体電池に注目が集まってきている。全固体電池は可燃性の有機溶媒を使用しないため、上述したような安全装置等を簡素することができ、有機電解液を使用する従来の電池と比較して、製造コスト及び生産性において優れると考えられている。また、全固体電池は、長寿命化及び大容量化の観点からも大いに期待されている。
ところで、かかる電池の電極は、例えば、電極活物質、固体電解質、バインダー(結着剤)、及び溶媒等を混練してなる電極スラリー(合材)を集電体(例えば、金属箔等)の表面に塗布して乾燥させ、当該電極スラリーを集電体の表面に固着させることによって得ることができる。この際、例えば、電極活物質の分散が不十分であると、集電体の表面に固着した電極層に粗大な凝集物が残存したり、かかる凝集物が欠落して電極層の欠陥の原因となったりして、均一な電極層を得ることができないという問題が生じる虞がある。また、かかる粗大な凝集粒子が電極層に存在すると、当該電池の充放電を繰り返す際に電極層が膨張及び収縮することに起因して電極層と集電体との間に生ずる剪断応力が緩和され難くなるため、電極層と集電体との密着性が悪化し、電池性能が低下する虞もある。
そこで、当該技術分野においては、混練方法を改善したり、電極スラリーを増粘させたり、電極スラリーに界面活性剤又は高分子分散剤を添加したりして、電極スラリーにおける電極活物質の分散性を高めようとする試みがなされてきたが、電池性能を維持しつつ、十分な分散性を達成するには至っていない。更に、当該技術分野においては、特定の官能基を有する分散剤を含む負極合材において、15以上の比誘電率を有する極性溶剤を使用することにより、負極活物質の分散性を高めることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
前述したように、当該技術分野においては、特定の官能基を有する分散剤を含む負極合材において、15以上の比誘電率を有する極性溶剤を使用することにより、負極活物質の分散性を高めることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、例えば、集電体の表面に塗布された電極スラリーの組成及び性状、当該電極スラリーを用いる電極の生産設備の仕様等に応じて当該電極スラリーの乾燥速度を調節すること等を目的として、2種類以上の溶媒を使用して電極スラリーを調製する場合がある。このような場合、従来技術に係る電極スラリーにおいては、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ電極層の集電体への結着力を十分に得ることができないという問題がある。
即ち、当該技術分野においては、2種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる技術に対する要求が存在する。従って、本発明は、2種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることを1つの目的とする。
本発明の上記目的は、
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーであって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Sn(n=1,2,3…)の比誘電率εn(n=1,2,3…)との差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上である、
全固体電池用電極スラリーによって達成される。
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーであって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Sn(n=1,2,3…)の比誘電率εn(n=1,2,3…)との差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上である、
全固体電池用電極スラリーによって達成される。
また、本発明の上記目的は、
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する混練工程と、
前記全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する塗工工程と、
前記集電体に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させる乾燥工程と、
を含む全固体電池用電極の製造方法であって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Sn(n=1,2,3…)の比誘電率εn(n=1,2,3…)との差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上である、
全固体電池用電極の製造方法によっても達成される。
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する混練工程と、
前記全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する塗工工程と、
前記集電体に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させる乾燥工程と、
を含む全固体電池用電極の製造方法であって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Sn(n=1,2,3…)の比誘電率εn(n=1,2,3…)との差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上である、
全固体電池用電極の製造方法によっても達成される。
本発明によれば、種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる。
前述したように、当該技術分野においては、2種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる技術に対する要求が存在する。そこで、本発明者は、かかる要求に応えるべく鋭意研究の結果、2種類以上の溶媒を使用して調製される電極スラリーにおいて、主たる溶媒と他の溶媒との比誘電率の差の大きさ(絶対値)を予め定められた値以上とすることにより、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。本発明を実施するための幾つかの形態につき、以下に詳しく説明する。
先ず、本発明の第1の実施態様は、
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーであって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極スラリーである。
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーであって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極スラリーである。
上記のように、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーは、少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる。ここで、電極スラリーとは、例えば、金属箔等からなる集電体の表面上に固着されて電極層(活物質層)を形成するのに必要な種々の構成材料を含んでなるスラリーを指す。かかる全固体電池用電極スラリーに含まれる電極活物質としては、電池における電極活物質として使用される物質である限り特に限定されないが、例えば、カーボン活物質、金属活物質等を使用することができる。カーボン活物質の具体例としては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、及びソフトカーボン等を挙げることができる。また、金属活物質の具体例としては、例えば、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、及び錫(Sn)等を挙げることができる。
また、かかる全固体電池用電極スラリーに含まれる固体電解質としては、電池における固体電解質として使用される物質である限り特に限定されないが、例えば、硫化物固体電解質等を使用することができる。硫化物固体電解質の具体例としては、例えば、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、Li2S−P2S5、及びLi3PS4等を挙げることができる。尚、Li2SとP2S5とから構成される材料を硫化物固体電解質として採用する場合、Li2SとP2S5とのモル比は、Li2S:P2S5=70:30〜80:20とすることが望ましい。また、かかるLi2SとP2S5とから構成される硫化物固体電解質に対し、所定の比率(例えば、30mol%)のLiIを混合してもよい。
更に、かかる全固体電池用電極スラリーに含まれるバインダーとしては、電池におけるバインダーとして使用される物質である限り特に限定されないが、例えば、各種ゴム及び各種フッ素ポリマーを使用することができる。各種ゴムの具体例としては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソブチレンゴム(IR)、及びエチレンプロピレンゴム(EPM)等を挙げることができ、化学構造中に二重結合を含むゴムについては水素添加されていてもよい。各種フッ素ポリマーの具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を挙げることができる。
ところで、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーは、電極活物質、固体電解質、及びバインダーに加えて、2種類以上の溶媒を含んでなる。本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーにおいては、これら2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒を「主溶媒Sm」と称し、当該主溶媒Sm以外の溶媒を「副溶媒Sn」と称する。尚、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる2種類以上の溶媒の体積の合計において主溶媒Smが占める体積分率は、60容量%以上、100容量%未満であることが望ましい。
上記において、nは副溶媒として分類される個々の溶媒を区別するための添え字であり、上述したように、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である。例えば、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーが2種類の溶媒を含んでなる場合はnの最大値は1となり、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーが3種類の溶媒を含んでなる場合は、当該スラリーには2種類の副溶媒が含まれるので、nの最大値は2となり(即ち、nは1及び2となる)、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーが4種類の溶媒を含んでなる場合は、当該スラリーには3種類の副溶媒が含まれるので、nの最大値は3となる(即ち、nは1、2、及び3となる)。
また、本明細書中では、主溶媒Smの比誘電率を「εm」によって表し、個々の副溶媒Snの比誘電率を「εn」によって表す(n=1,2,3…)。従って、主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値は、|εm−εn|によって表すことができる(n=1,2,3…)。本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーにおいては、上述したように、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上である。これにより、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーによれば、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる。一方、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)の何れかが1.31未満となると、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力が低下するので望ましくない。
上記のように主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上となるように溶媒の組成を選択することにより当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力が高まる詳細なメカニズムは不明である。しかしながら、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31以上となる場合は、バインダーが溶解し易い相と溶解し難い相とが生ずることにより、当該電極スラリーの乾燥時に析出するバインダーの粒子径が大きくなるため、電極層の破断強度が増大し、電極層の集電体への結着力が高まるものと推定される。逆に、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも1.31未満となる場合は、上記のような相が生じず、当該電極スラリーの乾燥時に析出するバインダーの粒子径が小さくなるため、電極層の破断強度が減少し、電極層の集電体への結着力が低下するものと推定される。
尚、上述したように、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーは、少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーである。即ち、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーは、これらの構成要素に加えて、例えば、当該電極スラリーから得られる電極層に対して求められる性能及び品質等に応じて、他の構成要素を更に含んでいてもよい。かかる他の構成要素の具体例としては、例えば、分散剤及び導電助剤等を挙げることができる。
ところで、詳しくは実施例において後述するが、本発明者は、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも2.36以上となる場合、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力がより顕著に高まることを見出した。従って、本実施態様の1つの変形例に係る全固体電池用電極スラリーにおいては、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が何れも2.36以上であることがより望ましい。
従って、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極スラリーである。
本発明の前記第1の実施態様に係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極スラリーである。
ところで、詳しくは実施例において後述するが、本発明者は、電極スラリーに含まれる全ての溶媒の比誘電率の体積平均を予め定められた値以上とすることにより、電極活物質及び固体電解質の分散性を更に高め、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を更に高めることができることを見出した。従って、これまで説明してきた幾つかの実施態様を始めとする本発明の各種実施態様に係る全固体電池用電極スラリーにおいては、主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均が予め定められた値以上であることがより望ましい。
従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第1又は前記第2の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極スラリーである。
本発明の前記第1又は前記第2の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極スラリーである。
上記のように、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーにおいては、前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である。これにより、本実施態様に係る全固体電池用電極スラリーによれば、電極活物質及び固体電解質の分散性を更に高め、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を更に高めることができる。一方、比誘電率の体積平均εvaが2.25未満となると、電極活物質及び固体電解質の分散性を更に高めることができず、結果として当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を更に高める効果が得られないので望ましくない。
尚、比誘電率の体積平均εvaは、主溶媒Sm及び個々の副溶媒Sn(n=1,2,3…)の比誘電率をそれぞれの溶媒の体積比率に応じて重み付けして平均した値である。即ち、比誘電率の体積平均εvaは、下式(1)によって表すことができる。
上式中、xmは電極スラリーに含まれる全ての溶媒中に占める主溶媒の体積分率であり、xnは電極スラリーに含まれる全ての溶媒中に占める個々の副溶媒の体積分率であり(n=1,2,3…,k)、kは電極スラリーに含まれる副溶媒の種類の数(換言すれば、電極スラリーに含まれる全ての溶媒の種類の数よりも1だけ少ない数)である。尚、当然のことながら、xm及びxnについては下式(2)が成立する。
ところで、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる主溶媒Smは、上述した主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|に関する条件を満足する限り、特に限定されない(n=1,2,3…)。また、上述した主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaに関する条件を満足することが求められる本発明の実施態様においては、上述した主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|に関する条件に加えて、上述した主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaに関する条件を満足する限り、特に限定されない(n=1,2,3…)。即ち、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる主溶媒Smは、かかる条件を満足する限りにおいて、例えば、電極スラリーの組成及び性状、当該電極スラリーから得られる電極層を有する電極の製造条件等に応じて、適宜選択することができる。
具体的には、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる主溶媒Smは、例えば、アルカン類(特に、直鎖アルカン類)、エーテル類(特に、脂肪族エーテル類)、及び芳香族炭化水素(例えば、アルキルベンゼン等)等から適宜選択することができる。より具体的には、主溶媒Smは、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼン等から適宜選択することができる。
従って、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第1乃至前記第3の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリーである。
本発明の前記第1乃至前記第3の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリーである。
一方、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる副溶媒Snは、上述した主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|に関する条件を満足する限り、特に限定されない(n=1,2,3…)。また、上述した主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaに関する条件を満足することが求められる本発明の実施態様においては、上述した主溶媒Smの比誘電率εmと個々の副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|に関する条件に加えて、上述した主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaに関する条件を満足する限り、特に限定されない(n=1,2,3…)。即ち、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる副溶媒Snは、かかる条件を満足する限りにおいて、例えば、電極スラリーの組成及び性状、当該電極スラリーから得られる電極層を有する電極の製造条件等に応じて、適宜選択することができる。
具体的には、本発明に係る全固体電池用電極スラリーに含まれる副溶媒Snは、常温において液体であっても、固体であってもよい。副溶媒Snが常温において固体である場合は、副溶媒Snは、主溶媒Smに溶解して均一な溶液を形成することが望ましい。常温において液体である副溶媒Snは、高い比誘電率を有することが望ましく、例えば、エステル類(特に、脂肪族エステル類)、エーテル類(特に、芳香族エーテル類、環状脂肪族エーテル類)等から適宜選択することができる。より具体的には、常温において液体である副溶媒Snは、例えば、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル等から適宜選択することができる。常温において固体である副溶媒Snは、例えば、エステル類、エーテル類(特に、芳香族エーテル類)等から適宜選択することができる。より具体的には、常温において固体である副溶媒Snは、例えば、エチレンカーボネート、ジフェニルエーテル等から適宜選択することができる。
従って、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第1乃至前記第4の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリーである。
本発明の前記第1乃至前記第4の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極スラリーであって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリーである。
ところで、冒頭において述べたように、本発明は、電極層の集電体への結着力が大きい全固体電池用電極を製造することができるスラリー、及び同スラリーを用いる全固体電池用電極の製造方法に関する。即ち、本発明は、これまで説明してきた幾つかの実施態様を始めとする本発明の各種実施態様に係る全固体電池用電極スラリーのみならず、かかる全固体電池用電極スラリーを用いる全固体電池用電極の製造方法にも関する。
本発明に係る全固体電池用電極スラリーを用いる全固体電池用電極の製造方法は、特に限定されない。例えば、本発明に係る全固体電池用電極スラリーの原材料を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製し、斯くして得られた全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布し、そして集電体に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させることにより、本発明に係る全固体電池用電極スラリーを用いる全固体電池用電極を製造することができる。
即ち、本発明の第6の実施態様は、
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する混練工程と、
前記全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する塗工工程と、
前記集電体の表面に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させる乾燥工程と、
を含む全固体電池用電極の製造方法であって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極の製造方法である。
少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する混練工程と、
前記全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する塗工工程と、
前記集電体の表面に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させる乾燥工程と、
を含む全固体電池用電極の製造方法であって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極の製造方法である。
上記のように、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法に含まれる混練工程においては、少なくとも電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーが調製される。ここで使用される全固体電池用電極スラリーの原材料としての電極活物質、固体電解質、バインダー、及び溶媒、並びに他の構成要素(例えば、分散剤及び導電助剤等)については、本発明に係る全固体電池用電極スラリーについての説明において既に述べたので、ここでは重複して説明しない。これらの原材料を混練する方法もまた特に限定されず、例えば、選択された原材料の性状等に応じて、適宜選択することができる。具体的には、かかる混練方法としては、例えば、ニーダー、ホモジナイザー等の混練機を用いる方法等を挙げることができる。
次に、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法に含まれる塗工工程においては、上記のようにして得られた全固体電池用電極スラリーが集電体の表面に塗布される。ここで使用される集電体の構成もまた、特に限定されないが、一般的には、例えば、銅箔等の金属箔を集電体として使用することができる。また、全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する方法もまた特に限定されず、例えば、全固体電池用電極スラリー及び集電体の性状等に応じて、適宜選択することができる。具体的には、かかる塗布方法としては、例えば、ドクターブレード法、ダイコート法、グラビアコート法、スプレー塗工法、静電塗工法、バー塗工法等の一般的な方法を採用することができる。あるいは、アプリケーター等の塗工機を用いて全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布してもよい。また、全固体電池用電極スラリーの塗布厚は、例えば、製造しようとする電極及び当該電極を使用する電池の設計仕様等に応じて、適宜定めることができる。
更に、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法に含まれる乾燥工程においては、前記集電体の表面に塗布された前記全固体電池用電極スラリーが乾燥される。この乾燥工程において全固体電池用電極スラリーを乾燥する方法もまた特に限定されず、例えば、全固体電池用電極スラリーの組成及び性状等に応じて、適宜選択することができる。具体的には、かかる乾燥方法は、例えば、当該電極スラリーから得られる電極層を劣化させるものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、温風・熱風乾燥、赤外線乾燥、減圧乾燥、誘電加熱乾燥等の一般的な方法を採用することができる。あるいは、例えば、ホットプレート等を用いて、集電体の表面に塗布された全固体電池用電極スラリーを乾燥させてもよい。また、乾燥工程における乾燥雰囲気としては、例えば、Arガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気、大気雰囲気、真空等を挙げることができる。
加えて、上述したように、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法において使用される全固体電池用電極スラリーにおいて、前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である。前述したように、かかる全固体電池用電極スラリーを使用することにより、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法によって製造される電極において、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる。一方、当該絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)の何れかが1.31未満となると、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力が低下するので望ましくない。
ここで、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法につき、添付図面を参照しながら、以下に改めて説明する。図1は、前述したように、本発明の1つの実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法における各工程の流れの一例を表す模式的なフローチャートである。図1に示されているように、製造しようとする電極に対して求められる性能及び品質等に応じて電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒(主溶媒及び副溶媒)を、全固体電池用電極スラリーの原材料として予め用意しておく。上述したように、これらの構成要素に加えて、例えば分散剤及び導電助剤等の他の構成要素を更に加えてもよい。
但し、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法においては、上述したように、上記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上となるように、主溶媒及び副溶媒を選択する必要がある。これにより、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法によって製造される電極において、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる。尚、上述したように、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
ステップS01(混練工程)において、上記構成要素を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する。この際、混練方法としては、上述したように、例えば、ニーダー、ホモジナイザー等の混練機を用いる方法等を採用することができる。次に、ステップS02(塗工工程)において、上記ステップS01(混練工程)によって得られる全固体電池用電極スラリーを、例えば金属泊等からなる集電体の表面に塗布する。この際、塗布方法としては、上述したように、例えば、アプリケーター等の塗工機を用いる方法、ブレードコーティング法、スピンコーティング法等を採用することができる。更に、ステップS03(乾燥工程)において、上記ステップS02(塗工工程)によって集電体の表面に塗布された全固体電池用電極スラリーを乾燥させる。この際、乾燥方法としては、例えば、温風・熱風乾燥、赤外線乾燥、減圧乾燥、誘電加熱乾燥等の一般的な方法を採用することができる。あるいは、例えば、ホットプレート等を用いて、集電体の表面に塗布された全固体電池用電極スラリーを乾燥させてもよい。斯くして得られた電極を、例えば、当該電極を適用しようとする電池の設計仕様に応じて、所望の大きさに打ち抜く等、更に加工してもよい。
ところで、本実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法において使用される全固体電池用電極スラリーのより好ましい構成については、全固体電池用電極スラリーとしての本発明の実施態様に関する説明において既に述べた通りである。従って、より好ましい構成を有する全固体電池用電極スラリーを使用する全固体電池用電極の製造方法の詳細については、ここでは重複して説明せず、幾つかのより好ましい実施態様の構成につき、以下に列挙するに留める。
先ず、本発明の第7の実施態様は、
本発明の前記第6の実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極の製造方法である。
本発明の前記第6の実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極の製造方法である。
また、本発明の第8の実施態様は、
本発明の前記第6又は前記第7の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極の製造方法である。
本発明の前記第6又は前記第7の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極の製造方法である。
更に、本発明の第9の実施態様は、
本発明の前記第6乃至前記第8の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法である。
本発明の前記第6乃至前記第8の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法である。
加えて、本発明の第10の実施態様は、
本発明の前記第6乃至前記第9の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法である。
本発明の前記第6乃至前記第9の実施態様の何れか1つに係る全固体電池用電極の製造方法であって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法である。
上述した幾つかの実施態様を始めとする本発明の各種実施態様に係る全固体電池用電極の製造方法の何れによって製造される電極においても、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができる。
以下、本発明の幾つかの実施態様に係る全固体電池用電極スラリーにつき更に詳しく説明する。但し、以下に述べる説明はあくまでも例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
本実施例においては、2種類以上の溶媒を使用して調製される全固体電池用電極スラリーにおける主溶媒Smの比誘電率εmと副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が電極における電極層の集電体への結着力に与える影響について検証する。
1.評価用電極の作製
(1)評価用電極スラリーの原材料
全ての評価用電極スラリーにおいて、電極活物質としては、グラファイト(三菱化学株式会社:MF−6)を使用した。また、固体電解質は、Li2SとP2S5とから構成される硫化物固体電解質(モル比は、Li2S:P2S5=75:25)に対して30mol%のLiIを混合することにより調製した。斯くして得られた電極活物質と固体電解質とを、58:42の質量比率で混合した。更に、バインダーとしては水素添加ブタジエンゴム(BR)を使用し、電極活物質に対して1.4質量%の質量比率で混合した。
(1)評価用電極スラリーの原材料
全ての評価用電極スラリーにおいて、電極活物質としては、グラファイト(三菱化学株式会社:MF−6)を使用した。また、固体電解質は、Li2SとP2S5とから構成される硫化物固体電解質(モル比は、Li2S:P2S5=75:25)に対して30mol%のLiIを混合することにより調製した。斯くして得られた電極活物質と固体電解質とを、58:42の質量比率で混合した。更に、バインダーとしては水素添加ブタジエンゴム(BR)を使用し、電極活物質に対して1.4質量%の質量比率で混合した。
一方、主溶媒Sm及び副溶媒Snについては、以下の表1に示されているように、それぞれの評価用電極スラリーにおいて、1種類の主溶媒Smと1種類の副溶媒Sn(即ち、S1)との異なる組み合わせを使用した。主溶媒Sm及び副溶媒S1として使用した各溶媒の物質名及び供給元を以下に列挙する。n−ヘプタン(脱水)、n−デカン、n−ブチルエーテル、及びトリブチルアミン(何れも関東化学株式会社より入手)、並びにシクロヘキサン及びメチルフェニルエーテル(何れもナカライテスク株式会社より入手)。
(2)評価用電極スラリーの調製(混練工程)
表1に示されている溶媒組成に従って、上記原材料を混合し、超音波ホモジナイザー(エスエムテー株式会社:UH−50)を使用して混練することにより(混練工程)、各種評価用電極スラリーを調製した。尚、全ての評価用電極スラリーにおいて、固形分率が58容量%となるように原材料の配合比を調節した。
表1に示されている溶媒組成に従って、上記原材料を混合し、超音波ホモジナイザー(エスエムテー株式会社:UH−50)を使用して混練することにより(混練工程)、各種評価用電極スラリーを調製した。尚、全ての評価用電極スラリーにおいて、固形分率が58容量%となるように原材料の配合比を調節した。
(3)評価用電極の作製(塗工工程及び乾燥工程)
上記のようにして得られた各種評価用電極スラリーを集電体としての銅箔の表面にアプリケーターを用いて塗布し(塗工工程)、100℃に設定されたホットプレート上で乾燥させることにより(乾燥工程)、各種評価用電極を作製した。尚、混練工程から乾燥工程までのフローは、図1を参照しながら前述したフローと同様である。
上記のようにして得られた各種評価用電極スラリーを集電体としての銅箔の表面にアプリケーターを用いて塗布し(塗工工程)、100℃に設定されたホットプレート上で乾燥させることにより(乾燥工程)、各種評価用電極を作製した。尚、混練工程から乾燥工程までのフローは、図1を参照しながら前述したフローと同様である。
2.評価用電極の評価
(1)評価用電極における電極層の集電体への結着力の測定
上記のようにして作製された各種評価用電極を直径13mmの円盤状に切り抜き、計測スタンドの台座上に、電極層側が上、集電箔側が下になるように固定した。次に、プッシュプルゲージのロードセルシャフトの先端にアタッチメントを装着し、当該アタッチメントと台座上に固定された評価用電極の電極層とを両面テープによって貼り合わせた。その後、プッシュプルゲージを鉛直方向上向きに移動させ、電極層が集電箔から剥離し始めた時点での荷重(即ち、剥離強度[N])を測定した。本実施例においては、斯くして測定された剥離強度を電極における電極層の集電体への結着力の指標として評価した。各種評価用電極に対応する評価用電極スラリーにおける溶媒組成、主溶媒Sm及び副溶媒S1の比誘電率、並びに上記のように測定された剥離強度を、以下の表2に列挙する。
(1)評価用電極における電極層の集電体への結着力の測定
上記のようにして作製された各種評価用電極を直径13mmの円盤状に切り抜き、計測スタンドの台座上に、電極層側が上、集電箔側が下になるように固定した。次に、プッシュプルゲージのロードセルシャフトの先端にアタッチメントを装着し、当該アタッチメントと台座上に固定された評価用電極の電極層とを両面テープによって貼り合わせた。その後、プッシュプルゲージを鉛直方向上向きに移動させ、電極層が集電箔から剥離し始めた時点での荷重(即ち、剥離強度[N])を測定した。本実施例においては、斯くして測定された剥離強度を電極における電極層の集電体への結着力の指標として評価した。各種評価用電極に対応する評価用電極スラリーにおける溶媒組成、主溶媒Sm及び副溶媒S1の比誘電率、並びに上記のように測定された剥離強度を、以下の表2に列挙する。
次に、上記表2に列挙されている剥離強度を比誘電率の差(の絶対値)に対してプロットすることにより、これらの関係を調べた。図2は、前述したように、主溶媒Smの比誘電率εmと副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|と集電体からの電極層の剥離強度との関係を模式的に表すグラフである。表2及び図2からも明らかであるように、本実施例における各種用電極においては、対応する評価用電極スラリーに含まれる主溶媒Sm及び副溶媒S1の比誘電率の差の絶対値|εm−εn|(本実施例においてはn=1)が1.31以上である場合(即ち、実施例1乃至4)に、集電体からの電極層の剥離強度が高くなっている。また、当該比誘電率の差の絶対値|εm−ε1|が2.36以上である場合(即ち、実施例1乃至3)に、集電体からの電極層の剥離強度が特に高くなっている。これに対し、当該比誘電率の差の絶対値|εm−ε1|が1.31未満である場合(即ち、比較例1)には、集電体からの電極層の剥離強度が低くなっている。
以上より、電極スラリーに含まれる主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の差の絶対値|εm−εn|(n=1,2,3…)が1.31以上である本発明に係る全固体電池用電極スラリーによれば、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を十分に高めることができることが確認された。
本実施例においては、2種類以上の溶媒を使用して調製される全固体電池用電極スラリーにおける全溶媒の体積平均εvaが電極における電極層の集電体への結着力に与える影響について検証する。
1.評価用電極の作製
(1)評価用電極スラリーの原材料
本実施例においても、前述した実施例と同様の原材料を使用して、各種評価用電極スラリーを調製した。但し、以下の表3に示されているように、主溶媒Smについては、全ての評価用電極スラリーにおいてn−ヘプタンを使用し、副溶媒Sn(本実施例においてもn=1)については、それぞれの評価用電極スラリーにおいて異なる溶媒を使用した。主溶媒Sm及び副溶媒S1として使用した各溶媒の物質名及び供給元についても、前述した実施例と同様である。
(1)評価用電極スラリーの原材料
本実施例においても、前述した実施例と同様の原材料を使用して、各種評価用電極スラリーを調製した。但し、以下の表3に示されているように、主溶媒Smについては、全ての評価用電極スラリーにおいてn−ヘプタンを使用し、副溶媒Sn(本実施例においてもn=1)については、それぞれの評価用電極スラリーにおいて異なる溶媒を使用した。主溶媒Sm及び副溶媒S1として使用した各溶媒の物質名及び供給元についても、前述した実施例と同様である。
(2)評価用電極スラリーの調製(混練工程)
表3に示されている溶媒組成を採用した点を除き、前述した実施例と同様の手順に従って、各種評価用電極スラリーを調製した。本実施例においても、全ての評価用電極スラリーにおいて、固形分率が58容量%となるように原材料の配合比を調節した。
表3に示されている溶媒組成を採用した点を除き、前述した実施例と同様の手順に従って、各種評価用電極スラリーを調製した。本実施例においても、全ての評価用電極スラリーにおいて、固形分率が58容量%となるように原材料の配合比を調節した。
(3)評価用電極の作製(塗工工程及び乾燥工程)
前述した実施例と同様に、上記のようにして得られた各種評価用電極スラリーを集電体としての銅箔の表面にアプリケーターを用いて塗布し(塗工工程)、100℃に設定されたホットプレート上で乾燥させることにより(乾燥工程)、各種評価用電極を作製した。
前述した実施例と同様に、上記のようにして得られた各種評価用電極スラリーを集電体としての銅箔の表面にアプリケーターを用いて塗布し(塗工工程)、100℃に設定されたホットプレート上で乾燥させることにより(乾燥工程)、各種評価用電極を作製した。
2.評価用電極の評価
(1)評価用電極における電極層の集電体への結着力の測定
前述した実施例と同様に、上記のようにして作製された各種評価用電極について、集電体からの電極層の剥離強度を測定し、各種評価用電極における電極層の集電体への結着力の指標として評価した。斯くして測定された剥離強度及び各種評価用電極に対応する評価用電極スラリーにおける体積平均比誘電率εvaもまた、各種評価用電極スラリーの溶媒組成と共に、上記表3に列挙されている。
(1)評価用電極における電極層の集電体への結着力の測定
前述した実施例と同様に、上記のようにして作製された各種評価用電極について、集電体からの電極層の剥離強度を測定し、各種評価用電極における電極層の集電体への結着力の指標として評価した。斯くして測定された剥離強度及び各種評価用電極に対応する評価用電極スラリーにおける体積平均比誘電率εvaもまた、各種評価用電極スラリーの溶媒組成と共に、上記表3に列挙されている。
次に、上記表3に列挙されている剥離強度を体積平均比誘電率εvaに対してプロットすることにより、これらの関係を調べた。図3は、前述したように、主溶媒Sm及び副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaと集電体からの電極層の剥離強度との関係を模式的に表すグラフである。表3及び図3からも明らかであるように、本実施例における各種用電極においては、対応する評価用電極スラリーに含まれる主溶媒Sm及び副溶媒Snの体積平均比誘電率εvaが2.25以上である場合(即ち、実施例5及び6)に、集電体からの電極層の剥離強度が高くなっている。これに対し、当該体積平均比誘電率εvaが2.25未満である場合(即ち、比較例2)には、集電体からの電極層の剥離強度が低くなっている。
以上より、電極スラリーに含まれる主溶媒Sm及び副溶媒Snの体積平均比誘電率εvaが2.25以上である本発明の好ましい実施態様に係る全固体電池用電極スラリーによれば、電極活物質及び固体電解質の良好な分散性を達成しつつ、当該電極スラリーから得られる電極層の集電体への結着力を更に高めることができることが確認された。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様及び実施例に限定されるものと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
Claims (10)
- 電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を含んでなる全固体電池用電極スラリーであって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極スラリー。 - 請求項1に記載の全固体電池用電極スラリーであって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極スラリー。 - 請求項1又は2の何れか1項に記載の全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極スラリー。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の全固体電池用電極スラリーであって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリー。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の全固体電池用電極スラリーであって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極スラリー。 - 電極活物質、固体電解質、バインダー、及び2種類以上の溶媒を混練することにより全固体電池用電極スラリーを調製する混練工程と、
前記全固体電池用電極スラリーを集電体の表面に塗布する塗工工程と、
前記集電体の表面に塗布された前記全固体電池用電極スラリーを乾燥させる乾燥工程と、
を含む全固体電池用電極の製造方法であって、
前記2種類以上の溶媒のうち最も大きい体積分率を占める溶媒である主溶媒Smの比誘電率εmと当該主溶媒Sm以外の溶媒である副溶媒Snの比誘電率εnとの差の絶対値|εm−εn|が何れも1.31以上であり、nは副溶媒の種類の数を最大値とする自然数である、
全固体電池用電極の製造方法。 - 請求項6に記載の全固体電池用電極の製造方法であって、
前記絶対値|εm−εn|が何れも2.36以上である、
全固体電池用電極の製造方法。 - 請求項6又は7の何れか1項に記載の全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Sm及び前記副溶媒Snの比誘電率の体積平均εvaが2.25以上である、
全固体電池用電極の製造方法。 - 請求項6乃至8の何れか1項に記載の全固体電池用電極の製造方法であって、
前記主溶媒Smが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、トルエン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法。 - 請求項6乃至9の何れか1項に記載の全固体電池用電極の製造方法であって、
前記副溶媒Snのそれぞれが、酢酸エチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルフェニルエーテル、及びシクロペンチルメチルエーテル、並びにエチレンカーボネート及びジフェニルエーテルからなる群より選ばれる何れか1種の溶媒である、
全固体電池用電極の製造方法。
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