JP2015081319A - コーティング剤、コーティング膜、およびコーティング剤の製造方法 - Google Patents

コーティング剤、コーティング膜、およびコーティング剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属表面を被覆した場合に耐蝕性、耐水性、耐溶剤性に優れるとともに無色透明な表面被覆膜を得ることのできるコーティング剤を得る。【解決手段】 本発明のコーティング剤は、汎用材料であるフェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物及びフェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物を混合し、加熱硬化触媒が添加されることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、金属製品、特に、電子機器などに用いられる金属配線基板の金属部の防錆等に用いることのできるオルガノシロキサンを主成分とする加熱硬化性コーティング剤の製造方法、及び前記加熱硬化性コーティング剤を金属表面に被覆した表面被覆金属とその製造方法に関する。
金、銀、銅等の金属製品や電子機器などに用いられる金属配線基板の金属部の防錆等の目的で被覆する手段として、アクリル系高分子とシロキサン系高分子からなる有機無機融合ポリマーによる被覆が提案されている。
このような融合ポリマーにより表面被覆された金属は、有機系高分子及び無機系高分子の持つ透明性のため地金の色が損なわれにくいという利点を有する。しかし、被覆したポリマーの金属との密着性は未だ不十分であり、特に表面に酸化層が形成されにくい貴金属表面に被覆した場合には、ポリマーの被膜が剥離しやすいという欠点がある。
上記の欠点を解消する技術として、特開2004−26939号公報(特許文献1)には、上記有機無機融合ポリマーの無機ポリマー部の一部の末端にチオール基を導入することが提案されている。
特開2004−26939号公報
しかし、本発明者の検討によれば、前記文献記載の方法のように、アクリル系高分子の形成を重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を用いて行うと、得られる融合ポリマーを銀表面に被覆したとき、被膜が淡黄色を帯びて見えることがあるという欠点を有する。
したがって、本発明の目的は、金属表面を被覆した場合に、耐食性、耐水性、耐溶剤性に優れるとともに着色や変色ない無色透明な表面被覆膜(コーティング膜)を得ることのできる無機系高分子であるオルガノシロキサンのみからなるコーティング剤と、その効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、加水分解性ケイ素原子含有基を有する不飽和カルボン酸エステルをアゾ系ラジカル重合開始剤の存在下で付加重合させて得られるポリマーを用いて金属表面に被覆すると、被膜が着色、変色すること、それはアゾ系ラジカル重合開始剤の分解物(残存物)が熱や光により或いは他の成分との反応により化学変化することによるものと推測されること、アルコキシシラン化合物を加水分解・脱水縮合して得られる無機系高分子であるオルガノシロキサンを主成分とする加熱硬化性オリゴマーで金属表面を被覆すると、耐蝕性、耐水性、耐溶剤性に優れるとともに、着色や変色の無い無色透明な表面被覆膜が得られること等の知見を得た。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(A)と、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(B)と、加熱硬化触媒(C)とを含むコーティング剤であって、特に金属に対する耐蝕性の高いコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供する。
本発明のコーティング剤の製造方法は、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて加水分解縮合を行ってオルガノシロキサン組成物(A)を得る工程と、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて加水分解縮合を行ってオルガノシロキサン組成物(B)を得る工程と、それぞれ得られたオルガノシロキサン組成物(A)と(B)を混合して混合物を得る工程と、前記混合物に加熱硬化触媒を加える工程とを含んでいる。
本発明は、また、前記のコーティング剤が金属表面に被覆されるコーティング膜、前記のコーティング剤を金属表面に被覆した表面被覆金属をも提供する。
本発明のコーティング剤は、耐蝕性、耐水性、耐溶剤性に優れるとともに、着色や変色の無い無色透明な表面被覆膜(コーティング膜)を得ることができる。本発明のコーティング剤の製造方法によれば、このようなコーティング膜により被覆される表面被覆金属を工業的に効率よく製造できる。
本発明のコーティング剤は、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(A)及びフェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(B)と加熱硬化触媒(C)とを含んでいる。
オルガノシロキサン組成物(A)及び(B)
本発明のコーティング剤の一成分であるオルガノシロキサン組成物(A)は、上記フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合することによって得られる。また、オルガノシロキサン組成物(B)は、上記フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合することによって得られる。以下の製造例に記述するが、これらオルガノシロキサン組成物(A)と(B)は同様の方法により別々に製造される。その理由として、オルガノシロキサン組成物(A)を構成するグリシドキシ基とオルガノシロキサン組成物(B)を構成するメルカプト基とがオルガノシロキサン組成物の製造工程中で反応する可能性が挙げられ、グリシドキシ基とメルカプト基のオルガノシロキサン組成物中での存在濃度が減少してしまい、それぞれの期待される機能を発揮できなくなるおそれがあると考えたからである。なお、本明細書では、上記4種、またはそれぞれについて「原料アルコキシシラン」ということがある。また、上記フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン以外のアルコキシシラン化合物は通常使用しなくてもよいが、本発明のコーティング剤およびそれから得られるコーティング膜の特性に悪影響を及ぼさない量であれば、加水分解縮合の際に併用しても構わない。
上記フェニルトリメトキシシランは、フェニルトリメトキシシランそのものであり、コーティング膜に耐蝕性と耐透水性を付与するために用いられる。また、上記ジフェニルジメトキシシランは、ジフェニルジメトキシシランそのものであり、コーティング膜に耐蝕性と耐透水性及び適度な柔軟性を付与するために用いられる。
一方、上記グリシドキシアルキルトリアルコキシシランは、コーティング膜の金属への密着性付与および硬化性を高める目的で用いられる。グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとしては、グリシドキシエチルトリメトキシシラン、グリシドキシエチルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。反応性および材料入手性の点から、グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
同様に、上記メルカプトアルキルトリアルコキシシランは、コーティング膜の金属への密着性を付与する目的で用いられる。メルカプトアルキルトリアルコキシシランとしては、メルカプトエチルトリメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。反応性および材料入手性の点から、メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。なお、得られるオルガノシロキサン組成物(A)とオルガノシロキサン組成物(B)の混合物におけるイオウ原子(S)のケイ素原子(Si)に対する存在比率は、好ましくは0.3〜10モル%、より好ましくは0.5〜10モル%である。このような比率となるように、メルカプトアルキルトリアルコキシシランの量を調整してもよい。
上記オルガノシロキサン組成物(A)または(B)は、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランまたはメルカプトアルキルシランの加水分解縮合反応を同時に行うことにより製造できる。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合は、原料アルコキシシランを極性有機溶媒に溶解し、水および酸触媒を加えて行うことができる。
上記極性有機溶媒としては、上記原料アルコキシシラン、水およびその加水分解縮合体を溶解することができるものを用いることが好ましい。上記極性有機溶媒として、親水性有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としてはアルコール、グリコール、グリコールのエーテルまたはエステル、ケトン等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、R2−O−(CH2CH(R3)O)m−H(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、R3はHまたはCH3であり、mは1〜3の整数である。)、CH3−O−(CH2CH(R4)O)l−CH3(式中、R4はHまたはCH3であり、lは1または2である。)、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等が好ましく用いられ得る。上記親水性有機溶媒に対して、親水性有機溶媒でない有機溶媒を併用して、溶解性を制御することができる。上記親水性有機溶媒でない有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が挙げられる。なお、上記親水性有機溶媒の水への溶解度(20℃)としては、好ましくは5g/100gH2O以上、より好ましくは20g/100gH2O以上、さらに好ましくは100g/100gH2O以上である。
上記極性有機溶媒の量は、原料アルコキシシランの質量に対して、0.5〜5倍の量であることが好ましく、上限の量が2倍であることがさらに好ましい。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合に用いられる水の量は、原料アルコキシシランが有するアルコキシシリル基のモル量の半分〜同量とすることが好ましい。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合には、酸触媒が用いられる。酸触媒は、触媒作用が適度であるので、生成したポリヒドロキシシロキサンの縮合が適切な度合いで進行するためである。酸触媒としては、アルコキシシリル基の加水分解反応に対して触媒作用を有するプロトン酸類やルイス酸類であれば、任意の適切なものを使用することができる。具体的には、プロトン酸として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や酢酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が、ルイス酸として、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシドまたはキレート化合物等が挙げられる。
上記加水分解縮合において、エポキシ基を残存させるためには、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を用いることが好ましい。エポキシ基が残存することで密着性および硬化性の向上が期待される。
上記酸触媒の使用量としては、原料アルコキシシランが有するアルコキシシリル基の加水分解反応に対して触媒作用を発現する量以上であればよい。具体的には、上記原料アルコキシシランの質量に対して、0.1ppm〜10%であることが好ましい。より好ましい上限値は5%である。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合の温度は、室温〜約150℃の範囲で行うことが好ましい。室温で加水分解反応を先に進めた後に加温して、縮合反応を進めたり、最初から加熱して加水分解反応と縮合反応とを同時に進めたりすることが可能である。また、必要に応じて、加水分解および縮合で生じたアルコールや水を系外に留去することも可能である。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合は、赤外スペクトル(IR)または核磁気共鳴分析(H−NMR)で、アルコキシシリル基に基づくピークが観察されなくなるまで行われることが好ましい。時間はその条件によって異なり、特に限定されるものではないが、約1〜10時間で行うことが可能である。
また、上記オルガノシロキサン組成物(A)では、エポキシ基を有していることが密着性および硬化性の点から好ましい。同様に、オルガノシロキサン組成物(B)では、メルカプト基を有していることが密着性の点から好ましい。上記オルガノシロキサン組成物中のエポキシ基及びメルカプト基の存在およびその含有量の確認は、H−NMRで行うことができる。
加熱硬化触媒
本発明においては、コーティング剤の硬化を促進するためにアルミニウム系触媒やスズ系触媒を用いることができる。該アルミニウム系触媒としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムイソプロピレートビス(オレイルアセトアセテート)等が挙げられる。該スズ系触媒としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイド、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスマレイン酸モノブチルエステル、ジオクチルビスマレイン酸モノブチルエステル等が挙げられる。
上記触媒の使用量としては、上記オルガノシロキサン組成物(A)及び(B)の混合物の質量に対して、0.1ppm〜10%であることが好ましい。より好ましい上限値は5%である。
こうして得られるコーティング剤の加熱硬化温度は、例えば100〜180℃であり、好ましくは110〜160℃、特に好ましくは130〜150℃である。加熱温度が低すぎると硬化に時間がかかる点で不利であり、逆に加熱温度が高すぎると膜が剥離しやすい。
このコーティング剤の粘度としては、塗工方法、要求される膜厚、作業性を考慮して適宜選択できるが、一般に5〜50cP(0.005〜0.05Pa・s)が好ましく、特にスプレー法では10〜30cP(0.01〜0.03Pa・s)の範囲が好ましい。
表面被覆金属の製造
本発明の表面被覆金属の製造方法では、上記で得られたオルガノシロキサン組成物(A)と(B)を混合し、加熱硬化触媒(C)を添加して得られるコーティング剤を金属表面に塗工する。金属としては、特に限定されず、金、銀、銅、合金等が挙げられるが、本発明によれば、オルガノシロキサン組成物(B)中にメルカプト基を有しており、金属に直接化学結合しうるため、金属が金や銀等の貴金属であっても強固な被膜が得られる。また、オルガノシロキサン組成物(A)中にグリシドキシ基を有しており、金属部のみならずセラミックやガラスなどの金属酸化物やエポキシ樹脂基板などの部材にも高い密着性をもって塗工できる。塗工する方法としては特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、ディッピング法、スプレー法、スピンコーター法などが挙げられる。前記オルガノシロキサン組成物(A)と(B)を混合し、加熱硬化触媒(C)を添加して得られるコーティング剤を金属に塗布した後に、加熱することにより縮合反応を完全に進行させ、同時に、溶媒を除去することにより硬い被膜が形成される。被膜の厚みは、目的に応じて適宜選択できるが、本発明によれば、1〜5μm、特に1〜3μmという薄い被膜であっても、充分に金属の防錆機能を持つという利点がある。
本発明では、オルガノシロキサン組成物を金属表面に被覆するので、表面被膜に着色や変色が見られない美麗な外観を呈するとともに、耐蝕性、耐水性、耐溶剤性に優れる表面被覆金属が得られる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[耐蝕性試験]
実施例で得られた被膜の性能を耐蝕性試験により評価した。具体的には、被覆した金属を、硫化ナトリウム5重量%水溶液を入れたデシケータの中板の上に室温で1ヶ月放置した。
[環境サイクル試験]
実施例で得られた被膜の性能をJIS−K5600に準拠した環境サイクル試験により評価した。具体的には、被覆した金属を、恒温恒湿機に入れ、50℃90%RHで18時間、続いて−20℃で3時間、さらに25℃50%RHで3時間の環境を10回繰り返した。
[鉛筆硬度試験]
実施例で得られた被膜の性能をJIS−K5400に準拠した鉛筆引っかき試験により評価した。具体的には、被覆した金属に、各硬度の鉛筆を45°に当て、芯が折れない程度にできる限り強く塗面に押し付け、前方に均一な速さで引っかいた(各鉛筆につき位置を変えて5回)。下地の金属に届く被膜の破れが、5回の引っかきのうち1回以下である鉛筆のうち、最も高い硬度をもって、当該被覆の強度の指標とした。
製造例1
オルガノシロキサン組成物(A)
フェニルトリメトキシシラン13.88g、ジフェニルジメトキシシラン7.33g、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.36gをイソプロピルアルコールとメチルイソブチルケトンとの2/1(質量比)混合物40gに溶解した。0.07N塩酸5.94gを滴下し、40℃で2時間攪拌し、さらに80℃で3時間攪拌を行った後、濃縮してオルガノシロキサン組成物(A)を得た。計算上、フェニルトリメトキシシラン:ジフェニルジメトキシシラン:グリシドキシプロピルトリメトキシシラン=7:3:1、モル比である。IRによる分析で、メトキシシリル基に基づくC−Hの吸収は確認されなかった。H−NMRによる分析で、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン由来のエポキシ基が残存していることを確認した。粘度調整のため、得られたオルガノシロキサン組成物(A)にエトキシエタノールを加え、80wt%のオルガノシロキサン組成物(A)溶液とした。
製造例2
オルガノシロキサン組成物(B)
フェニルトリメトキシシラン13.88g、ジフェニルジメトキシシラン7.33g、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン1.96gをイソプロピルアルコールとメチルイソブチルケトンとの2/1(質量比)混合物40gに溶解した。0.07N塩酸5.94gを滴下し、40℃で2時間攪拌し、さらに80℃で3時間攪拌を行った後、濃縮してオルガノシロキサン組成物(B)を得た。計算上、フェニルトリメトキシシラン:ジフェニルジメトキシシラン:メルカプトプロピルトリメトキシシラン=7:3:1、モル比である。IRによる分析で、メトキシシリル基に基づくC−Hの吸収は確認されなかった。H−NMRによる分析で、メルカプトプロピルトリメトキシシラン由来のメルカプト基が残存していることを確認した。粘度調整のため、得られたオルガノシロキサン組成物(B)にエトキシエタノールを加え、80wt%のオルガノシロキサン組成物(B)溶液とした。
実施例1
製造例1のオルガノシロキサン組成物(A)溶液5.00gと製造例2のオルガノシロキサン組成物(B)溶液5.00gを混合し、加熱硬化触媒としてのジブチルスズジアセテート0.25g加え、よく撹拌しコーティング剤とした。
純度99.9%の銀のメダル(直径27〜40mm、厚さ2〜3mm)に上記コーティング剤をスプレー法で塗布した。その後、130℃の温風乾燥機内で6時間加熱することにより、銀の表面に無色透明の被膜を形成させた。
被膜の性能を耐食性試験及び環境サイクル試験により評価したところ、変色又は剥離等の劣化は全く見られなかった。また、被膜の性能を鉛筆硬度試験により評価した結果、2Hを示した。
実施例2
製造例1のオルガノシロキサン組成物(A)溶液5.00gと製造例2のオルガノシロキサン組成物(B)溶液2.50gを混合し、ジブチルスズジアセテート0.25g加え、よく撹拌しコーティング剤とした。
純度99.9%の銀のメダル(直径27〜40mm、厚さ2〜3mm)に上記コーティング剤をスプレー法で塗布した。その後、130℃の温風乾燥機内で6時間加熱することにより、銀の表面に無色透明の被膜を形成させた。
被膜の性能を耐食性試験及び環境サイクル試験により評価したところ、変色又は剥離等の劣化は全く見られなかった。また、被膜の性能を鉛筆硬度試験により評価した結果、2Hを示した。
比較例1
製造例1のオルガノシロキサン組成物(A)溶液5.00gと製造例2のオルガノシロキサン組成物(B)溶液0.25gを混合し、ジブチルスズジアセテート0.25g加え、よく撹拌しコーティング剤とした。
純度99.9%の銀のメダル(直径27〜40mm、厚さ2〜3mm)に上記コーティング剤をスプレー法で塗布した。その後、130℃の温風乾燥機内で2時間加熱することにより、銀の表面に無色透明の被膜を形成させた。
被膜の性能を耐食性試験及び環境サイクル試験により評価したところ、変色はなかったが、剥離が発生した。また、被膜の性能を鉛筆硬度試験により評価した結果、2Hを示した。

Claims (4)

  1. フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(A)と、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを加水分解縮合して得られるオルガノシロキサン組成物(B)と、加熱硬化触媒(C)とを含むコーティング剤。
  2. 前記オルガノシロキサン組成物(A)がエポキシ基を有し、前記オルガノシロキサン組成物(B)がメルカプト基を有する請求項1記載のコーティング剤。
  3. 請求項1または2に記載のコーティング剤により金属表面に形成されるコーティング膜。
  4. フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて加水分解縮合を行ってオルガノシロキサン組成物(A)を得る工程と、フェニルトリメトキシシランとジフェニルジメトキシシランとメルカプトアルキルトリアルコキシシランとを酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて加水分解縮合を行ってオルガノシロキサン組成物(B)を得る工程と、前記オルガノシロキサン組成物(A)とオルガノシロキサン組成物(B)とを混合した混合物を得る工程と、前記混合物に加熱硬化触媒を加える工程とを含む、コーティング剤の製造方法。
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