JP2019099774A - 平坦化膜形成用塗布液およびその製造方法、ならびに平坦化膜付き金属箔コイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には特定の分子量分布を有する2種類のフェニルトリアルコキシシランの部分加水分解・縮合反応物を、無溶剤で用いてフェニル基修飾シリカ膜を形成することが提案されている。ここでは、Al,Ti,Sn,Zn,Zr,Ta,Nbから選ばれる1種類以上の金属元素は、フェニルトリアルコキシシランの部分加水分解・縮合反応の触媒として用いることが提案されている。これらは、ここではフェニルトリアルコキシシランの1分子、すなわちモノマーに作用する触媒として用いられている。特許文献2の塗布液は無溶剤系であるが、無溶剤でも塗布可能ということは前駆体がフェニルトリアルコキシシランの部分加水分解物・縮合反応物になっており、相当量のアルコキシ基を含有することを意味している。特許文献2で得られるフェニルトリアルコキシシランの部分加水分解・縮合反応物はフェニルトリアルコキシシランが線状、あるいはランダムにつながったもので、本発明のラダー構造のフェニルシルセスキオキサンポリマーとは異なるものである。
(1)アルコール、フェニルトリアルコキシシラン、酢酸、有機スズ、Ti,Zr,Nb,Taから選ばれる1種類以上の金属アルコキシド、水を混合し、加水分解後、前記アルコールを140℃以上160℃未満の温度で減圧留去して得られたフェニルシルセスキオキサンラダーポリマーのレジンを有機溶剤に溶解した平坦化膜形成用塗布液であって、
前記金属アルコキシドの添加量が、フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、0.005モル以上0.05モル以下であり、
固形分濃度30mass%時の25℃での粘度が3.5mPa・s以上35mPa・s以下であることを特徴とする平坦化膜形成用塗布液。
(2)前記フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、前記酢酸が、0.1モル以上1モル以下であり、前記有機スズが、0.005モル以上0.05モル以下であり、前記水が、2モル以上4モル以下であることを特徴とする前記(1)に記載の平坦化膜形成用塗布液。
(3)前記(1)または(2)に記載の塗布液を、金属箔コイルに塗布後、熱処理プロセスでリフローおよび膜硬化させることにより、前記金属箔コイルの表面を、膜厚が2.0μm以上5.0μm以下であり、圧延に垂直な方向のRaが30nm以下であるフェニルシルセスキオキサンラダーポリマー膜で被覆したことを特徴とする平坦化膜付き金属箔コイル。
(4)前記金属箔がステンレス箔であることを特徴とする前記(3)に記載の金属箔コイル。
(5)前記(1)または(2)に記載の塗布液を、金属箔コイルに膜厚2.0μm以上5.0μm以下となるように連続塗布し、不活性ガス雰囲気中300℃以上450℃以下の熱処理炉を通過させることによりリフローおよび膜硬化させた後、巻き取ることを特徴とする平坦化膜付き金属箔コイルの製造方法。
(6)前記金属箔がステンレス箔コイルであることを特徴とする前記(5)に記載の金属箔コイルの製造方法。
(7)アルコール中に、フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、有機スズ触媒0.005モル以上0.05モル以下、Ti,Zr,Nb,Taから選ばれる1種類以上の金属アルコキシド0.005モル以上0.05モル以下を加えて、第1の混合溶液を作製する工程、
前記フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、2モル以上4モル以下の水に、0.1モル以上1モル以下の酢酸を加えて、第2の混合溶液を作製する工程、
前記第1の混合溶液に前記第2の混合溶液を添加してフェニルトリアルコキシシランの加水分解を行う工程、
前記加水分解されたフェニルトリアルコキシシランを含む溶液を、140℃以上160℃以下の温度で減圧留去して、前記アルコールおよび反応副生物の水を留去して、フェニルシルセスキオキサンラダーポリマーを生成させる工程、および
前記生成したフェニルシロキサンラダーポリマーを有機溶剤に溶解して、固形分濃度30mass%時の25℃での粘度が、3.5mPa・s以上35mPa・s以下である溶液得る工程を含む、平坦化膜形成用塗布液の製造方法。
(8)前記加水分解工程の後、さらに、加水分解生成物を70℃以上90℃以下で還流する工程を含む、前記(7)に記載の平坦化膜形成用塗布液の製造方法。
すなわち、特許文献1よりも低温である140℃以上160℃未満の温度でアルコールを減圧留去することにより容器壁面のトルエン等の有機溶剤に溶解しなくなる縮合反応物の生成を抑制し、かつ適切な触媒下における低温合成を行うことにより有機溶剤に可溶な高分子量のフェニルシルセスキオキサンラダーポリマー得る方法である。
有機スズとしては、ジブチルスズジアセテート、ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスマレイン酸モノブチルエステル、ジオクチルスズビスマレイン酸モノブチルエステル、ビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイドなどが挙げられる。ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズビスアセチルアセトナートが特に好ましい。
Claims (8)
- アルコール、フェニルトリアルコキシシラン、酢酸、有機スズ、Ti,Zr,Nb,Taから選ばれる1種類以上の金属アルコキシド、および水を混合し、加水分解後、前記アルコールを140℃以上160℃未満の温度で減圧留去して得られたフェニルシルセスキオキサンラダーポリマーのレジンを、有機溶剤に溶解した平坦化膜形成用塗布液であって、
前記金属アルコキシドの添加量が、前記フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、0.005モル以上0.05モル以下であり、
固形分濃度30mass%時の25℃での粘度が、3.5mPa・s以上35mPa・s以下であることを特徴とする平坦化膜形成用塗布液。 - 前記フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、前記酢酸が、0.1モル以上1モル以下であり、前記有機スズが、0.005モル以上0.05モル以下であり、前記水が、2モル以上4モル以下であることを特徴とする請求項1に記載の平坦化膜形成用塗布液。
- 請求項1または2に記載の塗布液を、金属箔コイルに塗布後、熱処理プロセスでリフローおよび膜硬化させることにより、前記金属箔コイルの表面を、膜厚が2.0μm以上5.0μm以下であり、圧延に垂直な方向のRaが30nm以下であるフェニルシルセスキオキサンラダーポリマー膜で被覆したことを特徴とする平坦化膜付き金属箔コイル。
- 前記金属箔がステンレス箔であることを特徴とする請求項3に記載の金属箔コイル。
- 請求項1または2に記載の塗布液を、金属箔コイルに膜厚2.0μm以上5.0μm以下となるように連続塗布し、不活性ガス雰囲気中300℃以上450℃以下の熱処理炉を通過させることによりリフローおよび膜硬化させた後、巻き取ることを特徴とする平坦化膜付き金属箔コイルの製造方法。
- 前記金属箔がステンレス箔コイルであることを特徴とする請求項5に記載の金属箔コイルの製造方法。
- アルコール中に、フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、有機スズ触媒0.005モル以上0.05モル以下、Ti,Zr,Nb,Taから選ばれる1種類以上の金属アルコキシド0.005モル以上0.05モル以下を加えて、第1の混合溶液を作製する工程、
前記フェニルトリアルコキシシラン1モルに対して、2モル以上4モル以下の水に、0.1モル以上1モル以下の酢酸を加えて、第2の混合溶液を作製する工程、
前記第1の混合溶液に前記第2の混合溶液を添加してフェニルトリアルコキシシランの加水分解を行う工程、
前記加水分解されたフェニルトリアルコキシシランを含む溶液を、140℃以上160℃以下の温度で減圧留去して、前記アルコールおよび反応副生物の水を留去して、フェニルシルセスキオキサンラダーポリマーを生成させる工程、および
前記生成したフェニルシロキサンラダーポリマーを有機溶剤に溶解して、固形分濃度30mass%時の25℃での粘度が、3.5mPa・s以上35mPa・s以下である溶液得る工程を含む、平坦化膜形成用塗布液の製造方法。 - 前記加水分解工程の後、さらに、加水分解生成物を70℃以上90℃以下で還流する工程を含む請求項7に記載の平坦化膜形成用塗布液の製造方法。
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