JP2015080818A - ディンプル成形バニシング工具、工作機械及びディンプル・バニシング加工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来、ワークの外面にディンプルを成形する場合は、旋盤や、フライス盤、ボール盤等の駆動機に取り付けてバニシング加工を行うディンプル成形バニシング工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、転造加工によるディンプル加工方法では、マイクロオーダーの転写を行うため、量産品を加工する際、安定した加工が困難であるという問題点がある。
ワークWは、シャフト等の棒状部材から成る。ワークWの材質は、金属に限定されるものではなく、木材、樹脂等でもよい。ワークWは、例を挙げると、カムシャフト、パワーステアリングのシャフト、ブレーキシリンダのピストン、オートマチックミッションのシャフト、エア・油圧用ピストンロッド、ピストンピン、DVDドライブ用リードスクリュ、ポンプ用プランジャ、ダイヤルゲージのスピンドル、カメラのズームシャフト、プリンタシャフト、モータのシャフト、釣り具リールのシャフト等である。また、家具や文房具などのシャフトに、装飾として模様を付けることができる。また、ワークWの材質としては、磨き材や、引抜材自体に加工することもできる。
図1に示すように、ディンプル成形バニシング装置Sは、軸方向に延びる略円柱形状あるいは丸棒形状の金属製のワークWの径方向の外周面をディンプル加工と、バニシング加工と、を行う装置である。つまり、ディンプル成形バニシング装置Sは、ワークWに摺動面の摩擦抵抗を低減させるための溝やディンプルWc(窪み)の成形と、ワークWに対してローラ5を押圧しながら回転させて、ワークWの加工表面を押し潰すように塑性変形させ、表面硬度及び面粗さを向上させて鏡面状にするバニシング加工と、を行う機能を備えている。ディンプル成形バニシング装置Sは、モータ11によって回転駆動する駆動手段10と、この駆動手段10の動力を利用して回転駆動されるボール4及びローラ5を備えたディンプル成形バニシング工具1と、ディンプル成形バニシング工具1を保持する支持部材20と、駆動手段10と支持部材20を保持する装置本体(図示省略)と、を主に備えている。
なお、ディンプル成形バニシング装置Sは、棒状部材から成るワークWの径方向の外周面にディンプル加工及びバニシング加工するのに最適な装置である。
駆動手段10は、ディンプル成形バニシング工具1の後端部に配置されたステム6に固定されたフレーム3を回転させることにより、フレーム3の内部に配置され、ワークWに当接する加工用のボール4、及び、ローラ5を回転させる回転駆動装置である。この駆動手段10は、例えば、電動式のモータ11と、モータ11によって駆動される駆動プーリ12と、駆動プーリ12に巻き掛けられたベルト13と、このベルト13が巻き掛けられて回転する従動プーリ14と、を主に備えている。駆動手段10は、不図示の装置本体に設けられている。
図1に示すように、ディンプル成形バニシング工具1は、ボール4でワークWの被加工面に押圧させてディンプルを形成するディンプル加工を行うと共に、ローラ5でワークWの被加工面を転圧して、表面硬度及び面粗さを向上させるバニシング加工を行うための工具である。ディンプル成形バニシング工具1は、外周部に設置されたボディ9が支持部材20に保持されることによって、装置本体(図示省略)に固定される工具であって、バニシ量調整手段30を備えている。
図1に示すように、ヘッド2は、ディンプル成形バニシング工具1の前端部外側に配置される略円筒状の金属製部材であり、シンブル8に内嵌されて一体となって軸方向に移動可能に設けられている。ヘッド2は、後記するバニシ量調整手段30の一部品を構成している。図2に示すように、ヘッド2は、内部に形成された中空部2aと、ヘッド2の内周面2bと、内周面2bに形成されたボール配置用の溝部2cと、内周面2bのボール4が当接する位置に円周方向に溝部2cと交互に配置された押圧面2g(図3参照)と、内周面2bの前端部から後端部側に向けて縮径した状態に形成されたテーパ内面部2dと、シンブル8の面取りされた開口縁が当接するストッパ2eと、ヘッド2の外周面の後端側に形成されたヘッド雄ねじ部2fと、を有している。
なお、ヘッド2、フレーム3、ローラ5及びボール4は、高強度の鋼や超硬金属が好ましく、また、表面に寿命を延ばすためのコーティングを施してもよい。
内周面2bには、全体に前端側に向かって拡開する角度θ1に傾斜したテーパ内面部2dが形成されると共に、前端部寄りの位置に溝部2cと押圧面2gとが円周方向に交互に形成されている。
図2に示すように、テーパ内面部2dには、ボール4及びローラ5のテーパ外面5aが当接した状態に配置されている。テーパ内面部2dのテーパの角度θ1は、テーパ内面部2dに当接した状態に配置されるローラ5の中心線O1−O1の軸心線O−Oに対するフィード角度θ2と、この中心線O1−O1に対するテーパ外面5aの角度θ3と、に対して小さい傾きとなっている。このため、テーパ内面部2dは、アジャストリングRに連動してヘッド2が軸方向(前後)に移動することにより、軸方向に対して傾いて配置されたテーパピン状のローラ5の位置を径方向に移動させて調整する後記するバニシ量調整手段30の調整駆動面を構成している。
押圧面2gは、フレーム3の回転で、フレーム3と共に回転したボール4及びローラ5が当接する部位である。この押圧面2gによってボール4及びローラ5が押圧されることにより、そのボール4及びローラ5は、ワークWの被加工面Wbをディンプル加工及びバニシング加工する。
図1に示すように、ストッパ2eは、ヘッド2の外周面後端側に外嵌されたシンブル8の前側開口端に合致する部位であり、シンブル8の前側開口端の面取りに合わせてテーパ状に形成されている。
ヘッド雄ねじ部2fは、シンブル雌ねじ部8bに螺着されていることにより、ヘッド2を強制的にシンブル8に固定して、ワークWをクランプしなくても、共回りしないように保持してバニシング加工を可能にしている。
フレーム3は、ワークWが挿入される挿入孔3aと、中空部2a内の挿入される小径部3bと、軸方向の中央部の外周面に形成されたフランジ状の鍔部3cと、鍔部3cの後端部から後方側寄りに形成されたフレーム雄ねじ部3dと、小径部3bに穿設されたボール支持孔3e及びローラ支持孔3f(図2参照)と、を有した金属製筒状部材であり、ボール4及びローラ5を支持する機能を果たす。フレーム3は、前端部側がヘッド2内に配置され、後端側がステム6内に配置されている。
鍔部3cは、ヘッド2とステム6との間に介在されると共に、鍔部3cの後端面にステム6の前端面が当接した状態に配置されている。
フレーム雄ねじ部3dが形成されている部位の外周面は、ステム6の段差状の内面と合致するように、後端側に向かって段差状に縮径するように形成され、外周面に形成され鍔部3c(インロー部)及びフレーム雄ねじ部3dでステム6に連結されている。このため、フレーム3は、ステム6に連動回転するようになっている。
ローラ支持孔3fは、ローラ5を支持する貫通孔であり、ローラ5の個数に合わせて4個の孔が、フレーム3の円周上に縦断面視して90度の間隔で、ボール支持孔3eと円周方向に交互に形成されている。
ボール4は、ディンプル加工用の鋼球体であり、フレーム3のボール支持孔3eに回動可能に支持されて転動可能に設けられている。ボール4とローラ5は、フレーム3の円周方向に交互に所定間隔を介して同一円周上に配置されている。ボール4とローラ5は、特殊合金鋼を使用し、熱処理あるいは表面処理をするなどして硬度、靭性及び硬度を向上させている。
図2に示すように、ローラ5は、バニシング加工用のテーパピン状の金属製の転動体であり、フレーム3の軸心線O−Oに対して所定角度傾斜させて回転可能にフレーム3のローラ支持孔3fに支持されている。ローラ5は、軸方向の両端部の断面積が異なるテーパ外面5aと、角にアールが形成された後端部5bと、後端部5bよりも大径で角にアールが形成された前端部5cと、を有している。ローラ5は、ボール4の直径よりも軸方向に長く形成されて、内周面2bに円環状に形成された溝部2cを軸方向に跨いだ状態で配置されると共に、フレーム3のローラ支持孔3f内に回動自在に配置されている。
図1に示すように、前記ステム6は、加工後のワークWが排出されるワーク挿通孔6aを有する金属製の円筒状の部材である。このステム6は、フレーム3の後端側に連結され、駆動手段10によって回転駆動される。ステム6は、挿入孔3aに連続するワーク挿通孔6aと、従動プーリ14の前端面が当接した状態に配置される段差面6bと、従動プーリ14の軸受部14aが挿着される小径部6cと、小径部6cの後端部に形成されたステム雄ねじ部6dと、フレーム雄ねじ部3dに螺合するステム雌ねじ部6eと、を有している。
段差面6b、小径部6c及びステム雄ねじ部6dは、従動プーリ14の軸受部14aを保持するための部位であって、小径部6cにキー(図示省略)または締まり嵌めによって外嵌させた軸受部14aを、ステム雄ねじ部6dに固定ナットN1を螺着することにより、段差面6bと固定ナットN1とで挟持している。このため、ステム6は、従動プーリ14と一体的に回転するようになっている。
固定ナットN1は、従動プーリ14をステム6に固定するためのリング状のナットから成る。
図1に示すように、バニシ量調整手段30は、円柱状の材料から成るワークWが加工される前の外径と、ローラ5間の内径R1(図3(a)参照)との差であるいわゆるバニシ量(「バニシング量」ともいう)を調整する調整機構である。バニシ量調整手段30は、アジャストリングRを回転させて、シンブル8に螺着されているヘッド2を前後方向に移動させることにより、ヘッド2に当接しているテーパ形状のローラ5を径方向に微動させて、挿入孔3aに対するローラ5の径方向の配置位置を調整するものである。
バニシ量調整手段30は、ハウジング7に進退可能に配置されたシンブル8と、シンブル8を軸方向に進退させるアジャストリングRと、シンブル8のシンブル雄ねじ部8aに螺合されたボディ9と、アジャストリングRの回動を規制するロックナットN2と、シンブル8のシンブル雌ねじ部8bに螺着されローラ5に当接する内周面2bと有するヘッド2と、で構成されている。
シンブル8は、ハウジング7及びヘッド2の外周部に設けられると共に、ボディ9に内設された略円筒状の金属製部材である。シンブル8は、外周面の前端から後端に亘ってシンブル雄ねじ部8aを有し、前端側外周面にシンブル雌ねじ部8bを有している。
シンブル雄ねじ部8aは、後端部側がボディ9のボディ雌ねじ部9bに螺着され、略中央部にアジャストリングRが回転自在に螺合され、その前端部側にロックナットN2が螺合されている。
シンブル雌ねじ部8bには、ヘッド2のヘッド雄ねじ部2fが螺着されて、シンブル8の前端部にヘッド2が固定されている。
ボディ雌ねじ部9bは、このボディ雌ねじ部9bに対して螺合されるシンブル雄ねじ部8aの螺合位置状態を前後方向に調整することにより、シンブル8、ヘッド2及びローラ5の径方向の位置を調整できるようになっている。
フランジ部9cまたは円筒部9aの外周面には、支持部材20がボルトナット等の固定手段(図示省略)によって固定されている。
図1に示すように、アジャストリングRは、回転操作によってシンブル8及びヘッド2を介在してローラ5の径方向の位置(バニシ量)を調整するための調整リングである。アジャストリングRは、内周面に形成した調整雌ねじ部Raと、外周面に回動操作部Rbと、回動操作部Rbの後端に形成された複数の係止穴Rcと、を有する円筒状の部材から成る。アジャストリングRは、調整雌ねじ部Raがシンブル8の外周部のシンブル雄ねじ部8a及びガイド溝8cに係合され、回動操作部Rbの係止穴Rcに回し工具(図示省略)の係合爪を係合させて回動操作することにより、前後方向に進退するように設けられている。アジャストリングRは、シンブル8の外周面において、ボディ9とロックナットN2との間に介在している。
ロックナットN2は、アジャストリングRの回転を規制して固定するためのリング状の緩み防止用(脱落防止用)ナットであり、シンブル雄ねじ部8aに螺合されている。
装置本体(図示省略)は、ディンプル成形バニシング装置Sの本体を構成する部材であり、構成、形状等は特に限定されない。装置本体は、前記した駆動手段10と支持部材20を保持している。
支持部材20は、ディンプル成形バニシング工具1のボディ9が装着される保持孔20aを有する厚板状の部材から成る。
次に、本実施形態に係るディンプル成形バニシング工具1、工作機械及びディンプル・バニシング加工方法を図1〜図4を参照しながら作業工程順に説明する。
まず、駆動手段10を駆動させる。駆動手段10であるモータ11の回転が駆動プーリ12、ベルト13、従動プーリ14及びステム6を介在してフレーム3を回転させる。次に、ワークWをヘッド2の挿入孔3a内に挿入する。すると、ワークWは、ワーク自己推進機構40により、挿入孔3a(前側)からワーク挿通孔6a(後側)へ移動すると共に、ボール4とローラ5によりディンプル加工及びバニシング加工がなされる。
ここで、ディンプル加工及びバニシング加工の原理について説明する。図3(a)に示すように、ボール4が、ヘッド2の溝部2cに落ち込んで、外周方向(矢印b方向)へ移動した状態にある場合、ボール4はワークWと接触していない。ローラ5のみがワークWに接触してバニシング加工を行う。つまり、ローラ5は、フレーム3の回転に従動して自転するものの、フレーム3の径方向に移動することはなく、常にワークWの外周面と接している。このため、ローラ5は、ワークWの被加工面Wbのバニシング加工を安定して行うことができる。
一方、ローラ5は、公転しながらボール4で間欠的に加工されたディンプルWc(溝)上を通過するが、ボール4が落とし込まれる溝部2cを跨いでワークWの外周面と接触するように配置されているため、ワークWの外周面を連続してバニシング加工をすると共に、ディンプル加工によって生じたディンプルWcの周縁部の凸部をローラ5で押し潰して滑らかな表面に仕上げている。その結果、ワークWの外周面には規則的で綺麗なディンプル形成と鏡面仕上げがなされる。
なお、本実施例においては、図5(a)に示すディンプルWcがワーク表面に形成される。
図4(a)に示すように、加工前のワークWの表面は、表面粗さが粗い状態になっている。このワークWをディンプル成形バニシング工具1で加工すると、図4(b)に示すように、ワークWの被加工面Wbは、面粗さが向上し(Wd)、さらに、ボール4によってディンプルWcが溝状に形成されていることがわかる。
また、ワークWを加工する場合にクランプする必要がなく、ワークWを直線移動させながら加工するので、挿入孔3a及びワーク挿通孔6aに挿入することが可能な直線形状のワークWであれば、加工長さに制限がない。その結果、細長いロッド状のワークWであってもディンプル加工が可能である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図6は、本発明の実施形態に係るディンプル成形バニシング工具の第1変形例を示す半断面図である。
ボール4Aは、ディンプル加工用の鋼球である。
ローラ5Aは、前記実施形態と同様に、バニシング加工用のテーパピンであって、ワークWを後方へ移動させるワーク自己推進機構40Aを構成している。ローラ5Aの中心線(図示省略)は、フレーム3A及びシャンク6Aの軸心O−Oに対して傾けて配置されている。なお、ディンプル成形バニシング工具1Aは、旋盤やフライス盤等に装着して使用するが、旋盤等は送り機構を備えているため、必ずしもローラ5Aを軸心O−Oに対して傾けて配置し、ワーク自己推進機構40Aを設ける必要はない。
アジャストリングRAは、シャンク6Aの外周面に形成されたシャンク雄ねじ部6Adに螺合する調整雌ねじ部RAaを有し、このアジャストリングRAを回動することにより、シンブル8Aを介在してヘッド2Aを前後方向へ移動させることが可能になっている。
また、アジャストリングRAは、回転操作して、シンブル8Aを介在してヘッド2Aを前後方向へ移動させることにより、ローラ5A及びボール4Aを軸心からの径方向に位置を調整してバニシ量を微調整することができる。
なお、第1変形例では、工作機械によってシャンク6Aを介在してヘッド2Aを回転させていたが、ヘッド2Aを直接回転駆動させてもよい(第2変形例)。
この第2変形例の場合、ディンプル成形バニシング装置は、ヘッド2Aを工作機械で直接回転駆動させるか、あるいは、ヘッド2Aの外周面に従動プーリ等を設けて、駆動手段10(図1参照)及びベルト13によって従動プーリを介してヘッド2Aを回転させる。このようにしてヘッド2Aを回転駆動させても、ワークWの外周面をディンプル加工及びバニシング加工することができる。
また、第1変形例では、工作機械によってシャンク6Aを介在してヘッド2Aを回転させていたが、フレーム3Aを回転駆動させてもよい(第3変形例)。また、図1に示すディンプル成形バニシング装置Sは、フレーム3を駆動手段10によって回転させているが、ヘッド2及びフレーム3の少なくとも一方を回転させればよい。
この第3変形例の場合、ディンプル成形バニシング装置は、フレーム3Aをシャンク6Aに連結して、ヘッド2Aを固定状態にさせ、フレーム3Aを工作機械によってシャンク6Aを介在して回転駆動させる。このようにしてフレーム3Aを回転させてヘッド2Aを固定状態にしても同じように、ワークWの外周面をディンプル加工及びバニシング加工することができる。
前記変形例では、ディンプル成形バニシング工具1Aのシャンク6A及びヘッド2Aを駆動機で回転させていたが、ワークWを駆動機で回転させてディンプル成形バニシング工具1Aに挿入し、ワークWまたはディンプル成形バニシング工具1Aのいずれか一方、または両方をワークWとディンプル成形バニシング工具1Aを相対的に移動させる自動送り装置で送りながら加工してもよい(第4変形例)。
この第4変形例の場合、ワークWに当接しているローラ5が回転駆動されてヘッド2またはフレーム3が固定状態にあり、回転するワークWは、ローラ5を回転させながら転圧すると共に、ボール4に圧接してディンプルWcが成形される。
また、前記実施形態のディンプル成形バニシング装置Sでは、フレーム3をモータ11で回転させて加工を行う場合を例に挙げて説明したが、フレーム3及びヘッド2の少なくとも一方が回転するように設けてあればよい(第5変形例)。この場合、ヘッド2の内周面2bとボール4が接触する箇所には、少なくとも一つの溝部2cが形成されている。
例えば、ヘッド2をモータ11で回転させて、フレーム3を固定させても、ヘッド2に当接しているローラ5が回転駆動して、ローラ5の外周面にワークWを当接させることで、ワークWを送りながらボール4でディンプルWcを成形することができる。
前記実施形態では、ディンプル成形バニシング工具1の一例として、4つのボール4と、4つのローラ5を交互に等間隔で配置した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ディンプル成形バニシング工具1は、ボール4及びローラ5の配置数、ボール4の外径、ローラ5の外径及び形状、ローラフィード角度、ヘッド2の凹形状等を適宜変えることにより、ディンプル形状、ディンプル分布を操作して変更させてもよい(第6変形例)。
また、ディンプル成形バニシング工具1のボール4を合計1個にした場合は、図5(c)に示すように、ワークW2にディンプルWc2及びバニシングWd2を形成することができる。この場合のディンプルWc1は、ボール4の個数がさらに減少したことに伴って、ディンプルWc2間の間隔がより広がった状態に加工される。
上記第1変形例におけるディンプル成形バニシング工具1Aは、ワーク挿通孔6Aaを有し、ワークWは挿入孔3Aaと反対側のワーク挿通孔6Aa後側の排出口から排出されるが、ワーク挿通孔6Aaが閉塞されたディンプル成形バニシング工具1Aであっても、ワークWにディンプル加工及びバニシング加工をすることができる。つまり、挿入孔3Aaまたはワーク挿通孔6Aaは、ワークWが挿入及び離脱される有底の孔であってもよい。この場合、ワークWが閉塞部に達し加工が終われば、モータ11を止めて手動でワークWを引き抜けばよい。
1,1A ディンプル成形バニシング工具
2,2A ヘッド
2a 中空部
2b,2Ab 内周面
2c,2Ac 溝部
2d,2Ad テーパ内面部(内周面テーパ)
3,3A フレーム
3a 挿入孔
4,4A ボール
5,5A ローラ
5a テーパ外面
6a,6Aa ワーク挿通孔
6A シャンク
11 駆動手段
30 バニシ量調整機構(バニシ量調整手段)
W,W1 ワーク
Wc,W1c ディンプル
Claims (9)
- 内部に中空部が形成された内周面テーパ形状のヘッドと、
前記中空部に配置され軸方向にワークが挿入される挿入孔を有するフレームと、
該フレームに回動可能に支持されたボールと、
前記フレームに回転可能に支持されたローラと、を備えたディンプル成形バニシング工具であって、
前記ヘッドの内周面には、前記ボールを出没させる少なくとも一つの溝部が形成されて、
前記ボールと前記ローラは、同一円周上に配置され、
前記ローラは、前記溝部を軸方向に跨いで配置され、
前記ワークを前記挿入孔に挿入して、前記ヘッド、前記フレーム、あるいは、前記ワークのいずれかを駆動手段によって回転させることにより、前記ワークの外周面にディンプルを成形することを特徴とするとするディンプル成形バニシング工具。 - 前記ローラは、前記フレームの軸線に対して所定角度傾斜させて回転可能に前記フレームに支持させ、外周側面が円錐台外周面のようなテーパ外面を有し、
前記ヘッド及び前記フレームの少なくとも一方は、回転可能に配置され、
前記ヘッドまたは前記フレームによって前記ローラを回転駆動させて、前記ローラのテーパ外面に前記挿入孔に挿入した前記ワークを当接させることで、前記ワークを送りながら前記ボールでディンプルを成形することを特徴とする請求項1に記載のディンプル成形バニシング工具。 - 前記ヘッドまたは前記フレームには、シャンクが連結されて、
前記ヘッド及び前記フレームの少なくとも一方は、回転可能に配置され、
前記ヘッド、前記フレームもしくは前記ワークのうちいずれか1つを回転駆動させて、前記挿入孔に挿入した前記ワークと前記ディンプル成形バニシング工具が相対的に移動するように前記ワークまたは前記ディンプル成形バニシング工具を送りながら前記ボールでディンプルを成形することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のディンプル成形バニシング工具。 - 前記ローラは、前記フレームに回転可能に支持されて円柱形状に形成され、
前記ヘッド及び前記フレームの少なくとも一方は、回転可能に配置され、
前記ワークは、前記挿入孔に挿入させると共に、前記ローラの外周側面に当接させて当該ワークを回転駆動させながら自動送り装置で移動させることにより、前記ボールによってディンプルが成形されることを特徴とする請求項1に記載のディンプル成形バニシング工具。 - 前記挿入孔は、当該挿入孔に挿入された前記ワークにディンプルを成形した後、前記ヘッドが配置された側の反対側から前記ワークを排出することが可能なワーク挿通孔に連通していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のディンプル成形バニシング工具。
- バニシ量を調整するバニシ量調整手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のディンプル成形バニシング工具。
- 前記挿入孔または前記ワーク挿通孔は、前記ワークが挿入及び離脱される有底の孔からなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のディンプル成形バニシング工具。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のディンプル成形バニシング工具を備えた工作機械において、
前記ヘッド、前記フレーム、あるいは、前記ワークを回転させる駆動手段を備えていることを特徴とする工作機械。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のディンプル成形バニシング工具、または、請求項8に記載の工作機械を使用して前記ワークをディンプル成形するディンプル・バニシング加工方法において、
前記ワークの外周面に、前記ボールと前記ローラを押し付けて転動させることによりディンプルを成形しながらバニシングすることを特徴とするディンプル・バニシング加工方法。
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