JP4575899B2 - ディンプル形成バニシング工具および加工方法 - Google Patents

ディンプル形成バニシング工具および加工方法 Download PDF

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Description

本発明はバニシング工具および該バニシング工具による加工方法に関し、特にディンプルを形成するバニシング工具および加工方法に関する。
一般に、エンジンやハードディスクドライブに代表される流体軸受面等の回転数が高く、しかも高温となるような過酷な条件で使用される摺動部材には、潤滑性能を向上させるために、摺動面に微細な溝やディンプルを形成して摺動面の摩擦抵抗を低減する技術が知られている。
従来、摺動面にディンプルを形成する技術としては、いわゆるWPC処理(微粒子ショットピーニング)やレーザ加工を利用したものがある。
一方、バニシング加工は、ワークに対して転圧ローラを押圧しながら回転させて、ワークの加工表面を押し潰すように変形させることで、表面硬度および面粗さを向上させる塑性加工の一種である。摺動面にバニシング加工を施すことで、耐久性、耐磨耗性、および信頼性を大幅に向上させることができる。
そして、バニシング加工用の転圧ローラを振動させて、ピーニング加工とバニシング加工を同時に行なうバニシング工具が知られている(特許文献1)。
ところで、過酷な条件で使用される摺動部材には、潤滑油を供給して潤滑性能を向上させるために摺動軸受の内周面には油溝や油穴が設けられる場合も多い。このような油穴等を加工すると、その穴の周囲のエッジ部にはバリが形成されやすく、このバリが摺動面に付着すると焼き付きやかじりの原因となる。このため、通常、摺動軸受の内周面を研削等で加工した後、別途1工程を設けて加工工具を交換して、油穴等のエッジ部のバリ取り加工を行なっていた。
特開2003−159648号公報(図6)
しかしながら、WPC処理やレーザ加工を行なうには専用の機械設備を設けて、別個の加工ステーションで行なわなければならず、設備費用の面でも加工工数の面でも負担が大きいという問題があった。さらに、レーザ加工の場合には、加工面に垂直にレーザ光を照射しなければならないため、例えば摺動軸受の内周面に加工することは困難であった。
一方、バニシング加工用の転圧ローラを使用したピーニング加工では、必要とされる多様な形状およびサイズのディンプルを形成することが困難であるため、最適な使用条件に合致したピーニング加工を行なう制約となる場合があった。
また、転圧ローラを使用したピーニング加工では、ワークの加工面に対して転圧ローラが軸方向に線接触するため、油穴等のエッジ部のバリ取り効果を期待することができなかった。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、簡易な装置によりディンプルを形成してバニシング加工を行なうディンプル形成バニシング工具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、加工機に装着して回転させるマンドレルと、このマンドレルに対して回転自在に外嵌され、前記マンドレルの回転により前記マンドレルの外周面を転動させる転動体を回転自在に保持するリテーナと、を有し、前記マンドレルには、前記転動体と係合し前記マンドレルの外周面に断面視で略多角形状となるような凸部を設け、前記リテーナは、ワークの内周面に対面するように挿入され、前記リテーナの外周面から径方向に前記転動体を出没自在に保持し、前記マンドレルの回転により、前記凸部と前記転動体とが係合し、この転動体を前記ワークの内周面に対して振動させながら転動させるディンプル形成バニシング工具であって、前記転動体としてボールおよびローラを備え、前記リテーナの軸方向での前記ローラの長さは、前記ボールの外径よりも大きく、前記ボールおよび前記ローラは、前記リテーナの軸方向または周方向に沿ってそれぞれ交互に配置されていることを特徴とする。
このように、本発明は、バニシング加工を行なう転動体をボールとし、回転させるマンドレルの外周面には多角形状となるように凸部を設け、この凸部が回転しながらボールと係合することで、凸部の回転力でボールを弾いて振動させながらワークの内周面のバニシング加工を行なう。このため、簡易な装置により適切なサイズの略円形状のディンプルを形成しながらバニシング加工を行なうことができる。
さらに、凸部の数や高さ、マンドレルの回転数や送り速度、マンドレルやボールの径等を適宜設定することで、ディンプルの形状、大きさや深さ等のサイズ、ディンプル間のピッチ等をワークに要求される使用条件に応じて最適に設定することができる。したがって、使用条件に合致した最適な潤滑特性および滑らかな仕上げ面を確保することが可能となる。
また、バニシング加工を行なう転動体をボールとしたことで、コンロッドの油穴や交差穴等のようなワークの内周面に交差する方向に穴や溝が形成されている場合には、油穴等の周囲のエッジ部にボールが衝突ないし押圧されるため、油穴等のエッジ部のバリ取りをも同時に行なうことが可能となる。
前記した本発明において、前記転動体として、さらにローラを備えている
かかる構成によれば、転動体としてボールの他にさらにローラを備えて、転圧加工時の押圧面積を拡大することで、面粗度の良好な仕上げ面が得られるので、ボールの振動によってディンプルを形成しながら、ローラの転圧作用によって加工表面を滑らかに仕上げることができる。
前記した本発明において、前記ボールおよび前記ローラ前記リテーナの軸方向に沿ってそれぞれ交互に配置される場合、マンドレルに送りをかけることで、ボールおよびローラによるバニシング加工を交互に行なうことが可能になるので、両者の加工特性を融合させてディンプルを形成しながらより均一で滑らかな加工表面に仕上げることができる。
すなわち、マンドレルを加工機により軸方向に送りをかけることで、ボールの振動によるディンプル形成とローラの転圧作用による加工表面の硬度および面粗さの向上というそれぞれの加工を交互に融合させて行なうことができるため、ディンプルが形成された滑らかでより耐久性の高い仕上げ面を形成することができる。
ここで、「交互に配置」には、軸方向にボールとローラを並べて配置する他、ボール、ローラ、ボールのような配置、および、ローラ、ボール、ローラのような配置が含まれる。
前記した本発明において、前記ボールおよび前記ローラ前記リテーナの周方向に沿ってそれぞれ交互に配置される場合、ボールおよびローラによるバニシング加工を交互に行なうので、両者の加工特性を融合させてディンプルを形成しながら加工表面をより滑らかに仕上げることができる。
なお、「交互に配置」の用語は、前記と同様の意味である。
また、前記した本発明において、前記ボールおよび前記ローラが前記リテーナの軸方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている場合、前記ボールおよび前記ローラは、前記リテーナの軸方向で互いに接触していることが望ましい。
前記した本発明において、前記マンドレルには、前記転動体を転動させる前記外周面が前記マンドレルの軸方向の先端に向かうにつれて縮径されたテーパ部を設け、前記マンドレルに外嵌され、前記テーパ部に対して前記リテーナを前記マンドレルの軸方向の所定位置に保持するスペーサを備えていることが望ましい。
かかる構成によれば、テーパ部に対して軸方向にリテーナの位置を調整して、マンドレルの外周面と転動体との隙間を調整することで、転動体の外接円が形成するツール加工径を適宜設定することができる。このため、ワークの加工径の公差を種々のパターンで設定することができる。
また、前記した本発明のディンプル形成バニシング工具による加工方法において、前記ワークの内周面に対して、前記ボールによるディンプルの形成と前記ローラによるバニシング加工とを交互に行うことが望ましい。
かかる構成により、ボールおよびローラによるバニシング加工を交互に行なうので、両者の加工特性を融合させてディンプルを形成しながらより均一で滑らかな加工表面に仕上げることができる。
本発明に係るディンプル形成バニシング工具によれば、簡易な装置によりディンプルを形成してバニシング加工を行なうディンプル形成バニシング工具を提供することができる。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
参照する図面において、図1は本発明の実施形態と部分的に共通する構造を有する参考形態に係るディンプル形成バニシング工具(以下、単に「バニシング工具」という。)の全体構成を説明するための断面図であり、図2は参考形態に係るバニシング工具の分解斜視図であり、図3はバニシング工具をワークに挿入した状態を示す図1のA−A断面図である。
参考形態に係るバニシング工具1は、図1に示すように、図示しない旋盤等の加工機に装着して回転させるマンドレル2と、マンドレル2に外嵌されたスペーサリング3と、マンドレルの外周面を転動させるボール4を回転自在に保持するリテーナ5と、リテーナ5をマンドレル2の軸方向に保持するスラストリング6と、固定具としてのキャップナット8と、を備えている。
マンドレル2は、図2に示すように、全体として丸棒形状に構成されており、旋盤等の加工機(不図示)に装着されるシャンク21と、断面視で外周面が略六角形に形成されたリテーナ保持部23を有する本体部22と、を備えている。
シャンク21は、参考形態のようなストレート形状の他、テーパ形状のもの等、装着される加工機に適合できるように種々の形状が採用される。
本体部22は、シャンク21に連続する胴部24と、胴部24に対して縮径されたリテーナ保持部23と、を備えている。リテーナ保持部23は、円筒形状のスペーサリング3が装着されるストレート部23aと、リテーナ5が装着される六角形状部23bと、スラストリング6が装着される先端部23cと、を備えている。そして、リテーナ保持部23の先端部23cの端面23c1にはキャップナット8が螺入されて、リテーナ5が保持されている(図1参照)。
また、リテーナ5において、摩擦係数を低減させるために、スペーサリング3の端面3aとリテーナ5に保持されたスペーサリング側のボール4a(本図における右側のボール)とが当接するようにボール4が配置されている。
なお、マンドレル2、転動体であるボール4、およびリテーナ5には耐久性が要求されるため、特殊合金鋼を使用し熱処理をして硬度および靭性を向上させ、使用条件によっては、DLC、TIN、TICN等の表面コーティング処理をしてさらに耐久性を向上させることもできる。
かかる構成により、リテーナ5は、スペーサリング3とスラストリング6とで両端を保持されて、マンドレル2に対して回転自在に外嵌されている。そして、リテーナ5はマンドレル2の軸方向に対して、六角形状部23bに位置するように配置されている。
六角形状部23bの外周面は、図3に示すように、断面視で略六角形状に形成されている。この六角形状は、六角形の辺を形成する平坦部23b1と、六角形状の頂点に相当する凸部23b2と、を備えて形成されている。
平坦部23b1は、丸棒形状のリテーナ保持部23(図2参照)の外周面を軸方向に沿って削ぎ落とすようにして形成されている。このため、凸部23b2は、平坦部23b1に対してマンドレル2の回転中心Cから遠い位置に形成されている。そして、平坦部23b1から凸部23b2にかけて、ボール4が円滑に転動できるようになだらかな曲率の外周面が形成されている。
なお、参考形態においては、リテーナ保持部23の六角形状部23b(図2参照)を略六角形状に形成したが、これに限定されるものではなく、多角形状であれば8角形状であってもよい。また、参考形態においては、平坦部23b1としたが、これに限定されるものではなく、必ずしも平坦でなくてもよく曲面で構成することもできる。
リテーナ5は、ワークWの加工面にディンプルDを形成するボール4を回転自在、かつ、リテーナ5の径方向に振動できるように出没自在に遊嵌して保持している。ボール4は、リテーナ保持部23(図2参照)の六角形状に対応させて、リテーナ5の円周方向6等配で配列されている。
そして、バニシング工具1(図2参照)をワークWに挿入すると、図3に示すように、マンドレル2の外周面とワークWの内周面との間にボール4が介在された状態となる。このとき、リテーナ保持部23(図2参照)の各凸部23b2または各平坦部23b1と6等配で配列されたボール4とがそれぞれ同時に係合するように構成されている。
以上のように構成された参考形態に係るバニシング工具の動作について、図3を参照しながら説明する。
参考形態に係るバニシング工具1は、図3に示すように、マンドレル2を図示しない加工機に装着して時計回りに回転させると、マンドレル2の外周面に沿ってリテーナ5により回転自在に保持されているボール4は反時計回りに回転(自転)する。このとき、ワークWは固定されているから、ボール4が反時計回りに自転すると、ボール4はワークWの内周面およびマンドレル2の外周面に沿って時計回りに公転する。
このようにして、ボール4がワークWの内周面とマンドレル2の外周面との間で挟まれた状態で、マンドレル2の周りに自転しながら公転すると、ボール4はマンドレル2の外周面に形成された凸部23b2と平坦部23b1とを交互に通過して進む。このため、ボール4は、凸部23b2と平坦部23b1の高低差(マンドレル2の回転中心Cからの距離の差)により、リテーナ5の径方向に振動しながら、ワークWの内周面に沿って転動する。
ボール4が振動しながら転動することで、ディンプルDが形成される様子およびディンプルの作用効果について、さらに図4および図5を参照しながら説明する。図4は、ディンプルが形成される様子を示す図3の要部拡大断面図である。図5はディンプルの作用効果を説明するためのボール周りの要部拡大断面図である。
ボール4は、マンドレル2の外周面に形成された凸部23b2と平坦部23b1とを交互に通過しながら転動するが、ボール4がマンドレル2の凸部23b2に位置するときには、図4(a)に示すように、ボール4はマンドレル2の凸部23b2で弾かれるようにして押圧されるため、ワークWの内周面にはディンプルDが形成される。
一方、ボール4が平坦部23b1に位置するときには、図4(b)に示すように、ボール4とワークWの内周面との間には若干の隙間を持たせることで、ボール4がワークWの内周面を押圧しないように構成されている。
なお、参考形態においては、ボール4が平坦部23b1に位置するときには、ボール4とワークWの内周面との間には若干の隙間を持たせて構成したが、これに限定されるものではなく、近接ないし接触させてもよい。また、ボール4でワークWの内周面を押圧させるように構成してもよい。
このように、本発明に係るバニシング工具1は、バニシング加工を行なう転動体をボール4とし、回転させるマンドレル2の外周面には略六角形状となるように凸部23b2を設け、この凸部23b2が回転しながらボール4と係合することで、凸部23b2の回転力でボール4を弾いて振動させながらワークWの内周面のバニシング加工を行なう。このため、簡易な装置により適切なサイズの略円形状のディンプルDを形成しながらバニシング加工を行なうことができる。
したがって、本発明に係るバニシング工具1は、旋盤やマシニングセンタ等の汎用的な切削機械でも使用できるため、容易かつ安価に必要とされる形状のディンプルを形成することが可能となる。
すなわち、本発明に係るバニシング工具1は、凸部23b2の数や高さ、マンドレル2の回転数や送り速度、マンドレル2やボール4の径等を適宜設定することで、ディンプルDの形状、大きさや深さ等のサイズ、ディンプルD間のピッチ等をワークWに要求される使用条件に応じて最適に設定することができる。したがって、使用条件に合致した適切な潤滑特性および仕上げ面精度を確保することが可能となる。
したがって、バニシング工具1によれば、ワークWの内周面に非常に細かいディンプルDを形成して、このディンプルDに潤滑油を保持することができるため、摺動部の油切れを防止して、摺動特性を向上させることができる。また、ピーニング効果により、ワークWの内周面の表面硬度を上昇させるとともに、加工表面に圧縮残留応力を付与することができるため、加工表面の疲労強度が向上する。
また、バニシング加工を行なう転動体をボール4としたことで、図5に示すように、ワークWの内周面に交差する方向に油穴W1が形成されている場合には、油穴W1の周囲のエッジ部W2にボールが衝突ないし押圧されるため、油穴W1のエッジ部W2に形成されたバリW3取りをも同時に行なうことが可能となる。
続いて、本発明の他の参考形態に係るディンプル形成バニシング工具(以下、単に「バニシング工具」という。)について、図6および図7を参照しながら説明する。図6は本発明の他の参考形態に係るバニシング工具の全体構成を説明するための断面図であり、図7は本発明の他の参考形態に係るバニシング工具の分解斜視図である。
なお、図6および図7におけるテーパ形状およびアジャストリング等の大きさは、説明の便宜上誇張して表現している。
本発明の他の参考形態に係るバニシング工具1′は、図6に示すように、工具径δ(図3参照)を調整できるように、マンドレル2′のリテーナ保持部23′の六角形状のテーパ部23b′を設け、アジャストリング31〜35を適宜配置してリテーナ5のマンドレル2′に対する軸方向位置を調整できるようにした点で前記したバニシング工具1と相違する。
したがって、以下この相違点を中心に説明し、前記した参考形態に係るバニシング工具1と同じ構成要素については、同一の符号を使用して重複する説明は省略する。
本発明の他の参考形態に係るバニシング工具1′では、図7に示すように、マンドレル2′のリテーナ保持部23′には、マンドレル2′の軸方向の先端(本図における左側)に向かうにつれて縮径された六角形状のテーパ部23b′を備えている。
具体的には、本体部22′は、シャンク21に連続する胴部24と、胴部24に対して縮径されたリテーナ保持部23′と、を備えている。リテーナ保持部23′は、円筒形状のエンドリング3′が装着されるストレート部23a′と、リテーナ5が装着される六角形状のテーパ部23b′と、スラストリング6が装着される先端部23cと、を備えている。そして、リテーナ保持部23の先端部23cの端面23c1にはキャップナット8が螺入されて、リテーナ5が保持されている(図6参照)
アジャストリング31〜35は、リテーナ5を挟んでリテーナ5の両脇に配置され、エンドリング3′とスラストリング6の間に装着されている。
具体的には、エンドリング3′は胴部24の端面24aに当接して保持され、このエンドリング3′に隣接させてエンドリング3′側からアジャストリング31,32,33,34が装着され、さらにリテーナ5と、アジャストリング35と、スラストリング6とが順次装着され、キャップナット8で固定されている。
なお、アジャストリング31〜35は、例えば、1〜5mm程度のそれぞれ厚さの異なるものを使用し、アジャストリング31〜35の配置を組み換えることで、ツール径を0.0025mmごとに0.02〜0.05程度の範囲内で調整することができる。
続いて、本発明の実施形態に係るリテーナの実施例について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施形態に係るリテーナの実施例を説明するための図であり、(a)は本発明の実施形態に係るリテーナの第1実施例を示す断面図、(b)は(a)の斜視図、(c)は本発明の実施形態に係るリテーナの第2実施例を示す斜視図である。
前記した各参考形態におけるリテーナ5における転動体は、円周方向6等配で配列されたボール4で構成したが、第1実施例および第2実施例に係るリテーナ51,52は、図8に示すように、それぞれボール41,43とローラ42,44とを備えて構成されたものである。
そして、図8に示されるように、リテーナ51,52の軸方向でのローラ42,44の長さは、ボール41,43の外径よりも大きい。また、図8(a),(b)に示されるように、ボール41およびローラ42は、リテーナ51の軸方向で互いに接触している。
第1実施例に係るリテーナ51では、リテーナ51の軸方向において、マンドレル2の先端側(本図における左側)に1個のボール41を配置し、マンドレル2の後側(本図における右側)に1個のローラ42を配置している。そして、リテーナ51の円周方向においては、前記した実施形態と同様に、リテーナ保持部23(図2参照)の六角形状に対応させて、円周方向6等配で配列されている(図3参照)。
かかる構成によれば、ボール41とローラ42とがリテーナ51の軸方向に沿って交互に配置されているため、マンドレル2に送りをかけることで、ボール41およびローラ42によるバニシング加工を交互に行なうので、両者の加工特性を融合させてディンプルD(図3参照)を形成しながらより均一で滑らかな加工表面に仕上げることができる。
すなわち、マンドレル2を加工機により軸方向に送りをかけることで、ボール41の振動によるディンプル形成とローラ42の転圧作用による加工表面の硬度および面粗さの向上というそれぞれの加工を交互に融合させて行なうことができるため、ディンプルDが形成された滑らかで耐久性の高い仕上げ面を形成することができる。
第2実施例に係るリテーナ52では、リテーナ52の軸方向においては、ボール43のみまたはローラ44のみで構成されている。そして、リテーナ52の周方向においては、ボール43とローラ44とが、リテーナ52の周方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている。
かかる構成によれば、ボール43とローラ44がリテーナ52の周方向に沿って交互に配置されているため、ボール43およびローラ44によるバニシング加工を交互に行なうので、両者の加工特性を融合させてディンプルD(図3参照)を形成しながら加工表面をより滑らかに仕上げることができる。
なお、ローラ42,44は,本実施例においては、ストレートの円柱形状のものを使用しているが、マンドレル2がテーパ形状である場合には、マンドレル2のテーパ形状に適合できるテーパ形状のローラを使用することができる。すなわち、マンドレル2が例えば先端側(本図における左側)が縮径されたテーパ形状であれば、ローラは先端側が拡径されたテーパ形状を採用することができる。かかる構成によれば、ローラがワークの内周面に均等に当接されるため、仕上げ面の面粗さを向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施形態においては、ボール4は、リテーナ保持部23の六角形状に対応させて、リテーナ5の円周方向6等配で配列されているが、これに限定されるものではなく、必ずしもマンドレル2に形成された凸部23b2の位置や数に対応させる必要はない。したがって、マンドレルには八角形状となるような凸部を設けて、ボールはリテーナの円周方向で10等配とすることもできる。
なお、本発明の実施形態においては、転動体としてボールとローラを備えて、転動体を振動させながらバニシング加工を行なうように構成したが、本発明の参考例として、ボールのみを振動させディンプル加工を行ない、ローラを振動させないでバニシング加工を行なうことも可能である。
本発明の実施形態と部分的に共通する構造を有する参考形態に係るバニシング工具の全体構成を説明するための断面図である。 参考形態に係るバニシング工具の分解斜視図である。 参考形態に係るバニシング工具をワークに挿入した状態を示す図2のA−A断面図である。 ディンプルが形成される様子を示す図3の要部拡大断面図である。 ディンプルの作用効果を説明するためのボール周りの要部拡大断面図である。 本発明の実施形態と部分的に共通する構造を有する他の参考形態に係るバニシング工具の全体構成を説明するための断面図である。 参考形態に係るバニシング工具の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリテーナの実施例を説明するための図であり、(a)は本発明の実施形態に係るリテーナの第1実施例を示す断面図、(b)は(a)の斜視図、(c)は本発明の実施形態に係るリテーナの第2実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1,1′ バニシング工具(ディンプル形成バニシング工具)
2,2′ マンドレル
3 スペーサリング
4 ボール
5 リテーナ
6 スラストリング
8 キャップナット
W1 油穴
W2 エッジ部
W3 バリ
21 シャンク
22 本体部
22′ 本体部
23b 六角形状部
23,23′ リテーナ保持部
23b 六角形状部
23b′ テーパ部
31〜35 アジャストリング(スペーサ)
41,43 ボール
42,44 ローラ
51,52 リテーナ
23b1 平坦部
23b2 凸部
C 回転中心
D ディンプル
W ワーク

Claims (4)

  1. 加工機に装着して回転させるマンドレルと、
    このマンドレルに対して回転自在に外嵌され、前記マンドレルの回転により前記マンドレルの外周面を転動させる転動体を回転自在に保持するリテーナと、を有し、
    前記マンドレルには、前記転動体と係合し前記マンドレルの外周面に断面視で略多角形状となるような凸部を設け、
    前記リテーナは、ワークの内周面に対面するように挿入され、前記リテーナの外周面から径方向に前記転動体を出没自在に保持し、
    前記マンドレルの回転により、前記凸部と前記転動体とが係合し、この転動体を前記ワークの内周面に対して振動させながら転動させるディンプル形成バニシング工具であって、
    前記転動体としてボールおよびローラを備え
    前記リテーナの軸方向での前記ローラの長さは、前記ボールの外径よりも大きく、
    前記ボールおよび前記ローラは、前記リテーナの軸方向または周方向に沿ってそれぞれ交互に配置されていることを特徴とするディンプル形成バニシング工具。
  2. 前記ボールおよび前記ローラ前記リテーナの軸方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている請求項1に記載のディンプル形成バニシング工具であって、
    前記ボールおよび前記ローラは、前記リテーナの軸方向で互いに接触していることを特徴とするディンプル形成バニシング工具
  3. 請求項1または請求項2に記載のディンプル形成バニシング工具であって、
    前記マンドレルには、前記転動体を転動させる前記外周面が前記マンドレルの軸方向の先端に向かうにつれて縮径されたテーパ部を設け、
    前記マンドレルに外嵌され、前記テーパ部に対して前記リテーナを前記マンドレルの軸方向の所定位置に保持するスペーサを備えていることを特徴とするディンプル形成バニシング工具。
  4. 請求項1記載のディンプル形成バニシング工具による加工方法であって、
    前記ワークの内周面に対して、前記ボールによるディンプルの形成と前記ローラによるバニシング加工とを交互に行うことを特徴とする加工方法。
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