JP4051053B2 - ローラバニシング工具 - Google Patents
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Description
たとえば、NC旋盤の刃物台に前記ローラバニシング工具を装着して使用する場合は、主軸台のチャックにワーク(W)を固定して回転させ、ワークの加工面に対して機械的にローラバニシング工具を押圧ないし移動させて加工する。マシニングセンタのような回転する主軸にローラバニシング工具を装着する場合は、ワークを固定してローラバニシング工具を加工穴に嵌入し移動させて加工する。すなわち、ローラを使用したローラバニシング加工(以下、バニシング加工という)は、ワークまたはローラの少なくとも一方を回転させてワークの外周面や内周面等にローラを押圧し、切削加工で生じた超硬チップの引き目によるワークの表面の微小な凹凸を押し潰し、塑性変形させて鏡面に近い面粗度に仕上げるとともに、真円度を向上させ、ワークの表面を硬化させる(たとえば、特許文献1参照)。
なお、従来、ツール径の自動制御式のバニシング工具には、ボールネジのようなヘリカル(角度θ:フィードアングル)に配置されたスプリングローラが使用されていた。
また、このスプリングローラでは、初期の段階でそれ自身にねじれが発生し、微小なトルク変動を正確に軸方向へ変換させることができなかったため、前加工径の寸法を揃えなければならないという問題があった。
さらに、スプリングローラの安定した特性を確保するために形状精度および外面の面粗度を向上させる必要があり、コスト高になるという問題があった。
さらに、スプリングローラは繰返し使用することによりへたりが発生し、無負荷位置(原位置)が変化してしまうという問題があった。
なお、以下の説明では、ワーク径によっても異なるが、微小のばらつきとは、およそ±0.03mm未満をいい、大きめのばらつきとは、およそ±0.03mm以上をいう。
以下、本発明の第1〜第4の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るローラバニシング工具を示し、図1(a)は左側面図、図1(b)は半断面の正面図である。図1に示すように、ローラバニシング工具10は、棒状のワークWの外周面加工用である。ローラバニシング工具10は、棒状のワークWを転圧加工する複数のローラ1と、この複数のローラ1を保持するフレーム2と、工作機械へ装着する装着部を有するシャンク3と、フレーム2を支持するステム6と、トルク・変位変換機構T1 へ向かって付勢する第2コイルバネ16を支持し、可動輪12を保持するハブ9と、固定輪11を保持するフランジ7と、フランジ7を支持するハウジング8と、スラストベアリング4に付勢する第1コイルバネ14と、転圧加工の際にローラ1の反力を受けるヘッド5と、ヘッド5の位置を調整するヘッド5の位置調整手段F1 と、前記第2コイルバネ16の付勢力を調整する付勢力調整手段G1 と、から主に構成されている。
なお、図中の左側を前方、または、先端といい、右側を後方、または、後端という。
シャンク3は、ツールホルダ等を介して工作機械である加工機械の刃物台または主軸に固定される形状が棒状またはテーパに形成されたシャンク部3aと、シャンク部3aから拡径されておねじ3bが形成されたシャンク本体3cと、シャンク本体3cから縮径されたスリーブ状のシャンク先端部3dと、シャンク先端部3dの端面3eに止り穴が形成された穴部3fとから形成されている。
前記シャンク3の穴部3fの底面3gには、スラストベアリング4が挿入され、シャンク3の穴部3fとステム6との間には、このスラストベアリング4に向かって押し付け勝手に付勢する第1コイルバネ14が介装されている。
このステム6は、リング状であり、外周面に段差が設けられ、シャンク先端部3dの内周面端部に設けられた止め輪と、この止め輪によって形成されたスペースに第1コイルバネ14が介装されている。
ハウジング8が延設された先端部8aには、開口部を閉鎖するようにフランジ7がボルト8bによって固定され、内周面の隙間にブッシュ15が嵌入されている。
フランジ7は、リング状であり、その一端面に大きなリング溝が形成されており、このリング溝に固定輪11が嵌入されて保持されている。
また、シャンク本体3cのおねじ3bに螺合されたハウジング8の外周面には、同様におねじ8cが設けられ、回動自在にアジャストナット21が螺合している。
なお、負荷トルクとは、加工押圧力により発生し、ヘッド5から伝達される回転トルクをいう。
第2コイルバネ16は、たとえば、5等配された位置に5個配置され、この第2コイルバネ16の左端がガイド16a、右端がガイドピン16bによって支持されている。
スライドキー22kとアジャストリング22は、ピン22pによって一体に連結されている。また、アジャストリング22の左端面には複数の凸部22cが形成され、前記凹部8dへ凸部22cが嵌入できるようになっており、また、シャンク本体3cのおねじ3bにはロックナット23が螺合され、アジャストリング22の凸部22cが外れないようにロックナット23によって固定する。
その結果、ハウジング8の位置を軸方向に変えて調整した後、ハウジング8の凹部8dにアジャストリング22の凸部22cを軸方向へスライドさせ、凸部22cを凹部8dに嵌入し、最後にゆるみ止めのロックナット23によって固定する。さらに、ロックナット23は、ゆるみ防止のために止めネジ23aによって固定可能になっている。
ガイド16aはリング状であり、5等配に配置された穴によって第2コイルバネ16の前端部を支持している。
ガイドピン16bは、ハウジング8の拡径部側面に穿設された穴に嵌合され、第2コイルバネ16の後端部の内周面を支持している。
アジャストナット21は、ハウジング8のおねじ8cに螺合され、ガイドピン16bとの当接面には、スラストベアリング21cが装着されている。
アジャストナット21の止めネジ21bをゆるめ、アジャストナット21を右回転させると、バネの付勢力(バネ荷重)が強くなり、左回転させるとバネの付勢力が弱くなる。
なお、最適なバネ荷重は、2〜3個の試加工により決めればよい。
その結果、アジャストナット21を締め込みガイドピン16bが前方(図中左)へ移動すると、第2コイルバネ16がたわみ、第2コイルバネ16の付勢力は、ガイド16aからスラストベアリング24を介してハブ9を押圧し可動輪12を押圧してボール13を挟持する力を強くする。
固定輪11は、リング状に形成されており、可動輪12側の端面に3個のすり鉢状の窪み11aが形成されている。3個のすり鉢状の窪み11aは、ここでは120°の円錐形状である。
可動輪12には、同様に固定輪11側の端面に3個のすり鉢状の窪み12aが形成されている。そして、前記固定輪11の窪み11aと可動輪12の窪み12aによって形成された隙間にそれぞれボール13が装着されて挟持されている。
図2(c)に示すように、固定輪11のすり鉢状の窪み11aと、可動輪12のすり鉢状の窪み12aにボール13が挿入されて挟持されている。このとき、固定輪11と可動輪12の外形幅寸法はwである。
図2(d)は動作後であり、図2(a)に示すH矢視の側面図、図2(e)は図2(d)に示すJ−J線の断面図である。
図2(e)に示すように、ローラ1(図1参照)の回転力がヘッド5に伝達されると、ヘッド5が第2コイルバネ16の付勢力に勝り、その可動輪12が回転(N)方向へxだけずれる。そうすると、120°のすり鉢状の窪み11a,12aの傾斜角によって転動したボール13は、Y方向へ移動する(図2(a)のベクトル図参照)。そして、このボール13のY方向への移動によって、可動輪12はZ方向へz量だけ移動(変位)する。
このとき、固定輪11と可動輪12の外形幅寸法は、w+zになる。これはトルクが軸方向の変位に変換させるもので、これをトルク・変位変換機構T という。
このように、ローラ1がワーク(被加工物)Wの外周面を押圧することによって、ローラ1が受ける押圧力の反力と回転力による負荷トルクは、可動輪12を回動させる。この回動によって、円錐形状の窪みに挟持されたボールを転動させ、軸方向の変位に変換し、第2コイルバネ16の付勢力を変える。この付勢力の変化によって前加工寸法に大きめのバラツキがあっても加工径の自動補正を行うことができる。
その結果、この第2コイルバネ16のたわみの変化によって、第2コイルバネ16の付勢力が変化し、この付勢力の変化によってハブ9に連結されたテーパ5tを有するヘッド5も後退するため、径が大きくなる方向へ0.3mm分だけ自動補正されることになる。
すなわち、トルク・変位変換機構T1 を内蔵した径自動補正機構Eによって、前加工寸法にバラツキがあっても径の自動補正を行いながらローラバニシング加工を行い、負荷トルクの変動に伴い、減少に伴い、軸方向の変位が解消すると、また、元の位置にもどるようになっており、無負荷位置(原位置)が変化しないローラバニシング工具となっている。
図1(b)に示すように、ローラバニシング工具10は、ツールの初期設定について説明する。まず、ツール径の初期設定は、ロックナット23をゆるめ、アジャストリング22を後退させてハウジング8の凹部8dとアジャストリング22の凸部22cとの係合を解除し、ツール径の調整範囲の下限に設定するため、最小のワーク径φDより0.05〜0.10mm程小さくセットする。
つぎに、付勢力の初期設定を行う。このローラバニシング工具10は、第2コイルバネ16の付勢力(バネ荷重)によってツール径を自動制御する。この付勢力は、ワークの材質、硬度、加工径、および表面あらさに応じて、最適値に設定する。そのために、アジャストナット21の止めネジ21bをゆるめ、アジャストナット21を右回転させると、付勢力が強くなり、左回転させると、付勢力が弱くなる。
ローラバニシング工具10によるバニシング加工は、ローラ1による転圧加工であり、転圧された量だけ、外径が縮小する。したがって、所定の公差寸法内に仕上げるには外径の縮小量を予め考慮しておくとよい。たとえば、φ30mmでは0.02〜0.04mmである。
たとえば、ワークの前加工径にバラツキがあっても、トルク・変位変換機構T1 を内蔵した径自動補正機構E1 により、ワークの前加工径に追従してツール径は、ローラ1の軸方向の位置を変えて自動的にツール径を変える。
つまり、前加工径の小さなワークに、ローラバニシング工具10を挿入すると、第2コイルバネ16の付勢力がバニシング圧に勝り、ハブ9がツール先端側に移動し、ツール径は自動的に小さくなる。ただし、予めセットされたツール径より小さくなることはない。
その反対に、前加工径の大きめなワークWに、ローラバニシング工具10を挿入すると、バニシング圧が第2コイルバネ16の付勢力に勝り、ハブ9がシャンク3側に移動し、ツール径は自動的に大きくなる。
図3は本発明の第2の実施形態に係るローラバニシング工具を示し、(a)は左側面図、(b)は半断面の正面図である。
概略の構成は、図1に示すローラバニシング工具10と同様であるが、付勢力調整手段G2 が異なるので、その構成について説明する。図3に示すように、図1に示す第2コイルバネ16の代わりに、リング状を形成するシリンダ17がハウジング8とハブ9との間のスペースに設けられている。シリンダ17にはハウジング8に設けられた油圧または空圧を通す導通孔(図示せず)と導通溝8eが連通されており、これらを流通してハブ9を押圧し、ボール13を挟持する可動輪12を押圧する。
このような、油圧、空圧方式による圧力調整をできるようにしたトルク・変位変換機構を利用したバニシングツールとしては、外周面用の他に、内外面テーパ、平面、曲面加工用に利用することができる。
なお、ローラバニシング工具20の付勢力調整手段G2 のほかに、トルク・変位変換機構T2 を内蔵した径自動補正機構E2 については、図1に示すローラバニシング工具10と同様であるため、同一の部位には同符合を付し、重複する説明は省略する。
図4は、本発明の第3の実施形態に係るローラバニシング工具の半断面の正面図である。図4に示すように、ローラバニシング工具30は、トルク・変位変換機構T3 がローラ1よりも後方にあるタイプであり、ワークWに形成された穴の内周面加工用のローラバニシング工具である。なお、図1と同じ部位には同符合を付し重複する説明は省略する。
径自動補正機構E3 を構成する各部位について、詳細に説明する。
シャンク3は、加工機械の刃物台または主軸に固定されるシャンク部3aと、前記シャンク部3aから拡径されて延設された外周面におねじ3bが形成されたシャンク本体3cと、前記シャンク本体3cからさらに拡径されて延設された外周面におねじ3mが形成されたスリーブ状のシャンク先端部3dと、前記シャンク先端部3dの端面3eに止り穴が形成された穴部3fとから形成されている。
また、マンドレル25の左端部近傍にはフランジ部25bが形成され、そのフランジ部25bから縮径して前方へ延設されている。
トルク・変位変換機構T3 は、マンドレル25と、シャンク先端部3dとの間に内蔵されている。可動輪12は、フランジ部25bに当設され、固定輪11は、前記シャンク先端部3dを閉鎖するように設けられ、シャンク先端部3dにピンによって固定されている。そして、固定輪11と可動輪12との間にボール13が挟持されている。
ローラ1は、たとえば、6個配置され、フレーム2に保持され、マンドレル25の先端部25cのテーパ25tに当接して配置されている。
ステム6aは、前記フレーム2に接続されている。また、ステム6bは、前記ステム6aにベアリング29を介して接続され、前記シャンク先端部3dを包囲するように円筒状に延設されて配置されている。
ハウジング8は、前記ステム6bの外周面に配置され、前記ステム6bをたえず後退方向に付勢する第1コイルバネ14を介装して設けられ、その結果、ステム6bは、軸方向へ前進可能に装着されている。
詳しくは、アジャストナット21aは、前記シャンク本体3cのおねじ3mに螺合されている。アジャストナット21aの外周面に埋め込まれたキー8kは、ハウジング8の内周面に設けられたキー溝に嵌入され、ハウジング8と一体に回動するように構成されている。
その結果、ローラ1の位置を左方向に変えて調整する場合は、ハウジング8を右回転させることによって、移動可能である。
第2コイルバネ16は、前端(図中の左端)部がスラストベアリング4を介してマンドレル25の後部穴25dにより支持され、後端部は、フランジを有するガイドピン16bにより第2コイルバネ16の内径が支持され、フランジ面に当接している。また、ガイドピン16bは、前記シャンク3の穴部3fの底面3gに挿通され、ピン16cに当接している。
アジャストナット21は、前記シャンク本体3cのおねじ3bに螺合され、第2コイルバネ16の付勢力を調整するピン16cを保持している。
その結果、アジャストナット21の回動によってピン16cが移動すると、ガイドピン16bも移動し、第2コイルバネ16をたわませる。第2コイルバネ16の付勢力は、スラストベアリング4を介してマンドレル25を押圧し、可動輪12を押圧してボール13を挟持する。シャンク本体3cの外周面には目盛りが設けられており、寸法Cにより付勢力の調整がし易くなっている。
図4に示すように、ローラバニシング工具30は、ツール径の初期設定を行う。そのためには、アジャストリング22をゆるめ、アジャストリング22を後退させ、ハウジング8を回動させて最小の加工径より0.05〜0.10mm程大きく設定する。
そして、ローラバニシング工具30をNC旋盤の刃物台(図示せず)に固定し、ワークWを回転数600min-1で回転させ、ローラ1を保持した円筒状のフレーム2をワークWの穴に挿入する。すると、ローラ1がワーク加工面に接触して加圧し、転圧によって加工面の表面を滑らかな鏡面に仕上げる。
仮に、ワークWの前加工径に大きめのばらつきがあっても、トルク・変位変換機構T3を内蔵した径自動補正機構E3 により、ワークWの前加工径に追従してツール径φAは自動的に変えることができる。
すなわち、前加工径の小さなワークWに、ローラバニシング工具30を挿入すると、バニシング圧が第2コイルバネ16の付勢力に勝り、マンドレル25がシャンク3側に移動して、ツール径φAは自動的に小さくなる。つまり、バニシング圧と第2コイルバネ16の付勢力がバランスした状態で加工する。
その反対に、前加工径の大きなワークWに、ローラバニシング工具30を挿入すると、第2コイルバネ16の付勢力がバニシング圧に勝り、マンドレル25が工具先端側方向に移動して、ツール径φAは自動的に大きくなる。同様に、バニシング圧と第2コイルバネ16の付勢力がバランスした状態で加工する。
図5は、本発明の第4の実施形態に係るローラバニシング工具の半断面の正面図である。図5に示すように、ローラバニシング工具40は、トルク・変位変換機構T4 がローラよりも前方にあるタイプであり、ワークWに形成された穴の内周面加工用のローラバニシング工具である。図4と同じ部位には同符合を付し、重複する説明は省略する。
径自動補正機構E4 を構成する各部位について、詳細に説明する。
シャンク3は、工作機械の刃物台または主軸に固定されるシャンク部3aと、前記シャンク部3aから縮径されて延設された外周面におねじ3bが形成されたシャンク本体3cと、前記シャンク本体3cから、さらに延設されたスリーブ状のシャンク先端部3dと、前記シャンク先端部3dの端面に設けられためねじ3nとから形成されている。
マンドレル25は、リング状で、外周面がテーパ25tを形成しており、ローラ1の当接位置により工具径φAが異なり、加工径は調整可能になっている。
ステム6は、フレーム2に接続され、前記シャンク先端部3dに挿通されている。
ハウジング8には、ステム6の抜け止めが設けられ、かつ、軸方向へ移動可能に第1コイルバネ14が介装されている。
アジャストナット21は、ハウジング8の内周面に設けられたキー8kに係合し、一体になってステム6の後端面にスラストベアリング4cを介して前記シャンク部3aのおねじ3bに螺合している。そして、アジャストリング22もスライドキー21kをアジャストナット21に係合させた後、ゆるみ防止のために前記おねじ3bに螺合している。
第2コイルバネ16は、第1マンドレル26に挿通されている。
ここで、先端のスラストリングナット28を回動することにより、第2コイルバネ16がたわみ、第2コイルバネ16の付勢力は、スラストベアリング4aと、マンドレル25とを介して可動輪12を押圧してボール13を挟持する。
図5に示すように、ローラバニシング工具40は、前記同様ツール径の初期設定を行う。そして、ローラバニシング工具40を加工機械のNC旋盤の刃物台に固定し、ワークを回転数600min-1で回転させ、ローラ1を保持した円筒状のフレーム2をワークWに挿入する。すると、ローラ1がワーク加工面に接触して加圧し、転圧によって加工面を滑らかな鏡面に仕上げる。
仮に、ワークWの前加工径に大きめのばらつきがあっても、トルク・変位変換機構T4 が内蔵された径自動補正機構E4 により、ワークWの前加工径に追従してツール径φAは自動的に変えることができる。
つまり、径自動補正機構E4 により、前加工径の小さなワークWに、ローラバニシング工具40を挿入すると、バニシング圧が第2コイルバネ16の付勢力に勝り、マンドレル25がシャンク3側に移動して、ツール径φAは自動的に小さくなる。つまり、バニシング圧と第2コイルバネ16の付勢力がバランスした状態で加工する。
その反対に、径自動補正機構E4 により、前加工径の大きなワークに、ローラバニシング工具40を挿入すると、第2コイルバネ16の付勢力がバニシング圧に勝り、マンドレル25が工具先端側方向に移動して、ツール径φAは自動的に大きくなる。同様に、バニシング圧と第2コイルバネ16の付勢力がバランスした状態で加工する。
なお、対象ワークとしては、トルクコンバータのハブ(スリーブ)外周面、オートマチックミッション部品の回転摺動内外周面、ショックアブソーバのケース内周面、ステアリング・ケースの内周面、ガス器具の継手、流量調整弁や銃器の弾倉などの微小テーパ部品の内外周面、プリンタシャフト外周面、コピー機紙送りシャフト外周面等が好適である。
2 フレーム
3 シャンク
3a シャンク部
3b,3m おねじ
3c シャンク本体
3d シャンク先端部
3e 端面
3f 穴部
3g 底面
3k キー溝
3n めねじ
4,4a,4b,4c スラストベアリング
5 ヘッド
5t テーパ
6,6a,6b ステム
6c 先端部
6d ボルト
7 フランジ
8 ハウジング
8a 先端部
8b ボルト
8c おねじ
8d 凹部
8e 導通溝
8k スライドキー
9 ハブ
9a 先端部
9b 止めネジ
10,20,30,40 ローラバニシング工具
11 固定輪
11a,12a 窪み
12 可動輪
13 ボール
14 第1コイルバネ
15 ブッシュ
16 第2コイルバネ
16a ガイド
16b ガイドピン
16c ピン
17 シリンダ
18 スイベルジョイント
18a 供給口
18c シール
19 スラストリング
21,21a アジャストナット
21b,22d 止めネジ
21k,22k スライドキー
22 アジャストリング
22c 凸部
22p ピン
23 ロックナット
23a,28a 止めネジ
24 スラストベアリング
25 マンドレル
25a 後端部
25b,26b フランジ部
25c 先端部
25d 後部穴
25t テーパ
26 第1マンドレル
26a,26c おねじ
28 スラストリングナット
29 ベアリング
E,E1,E2,E3,E4 径自動補正機構
F,F1,F2,F3,F4 位置調整手段
G,G1,G2,G3,G4 付勢力調整手段
T,T1,T2,T3,T4 トルク・変位変換機構
Claims (3)
- 被加工物、またはシャンク(3)が回転駆動機構によって回転駆動され、棒状またはテーパに形成されたシャンク部(3a)を有するシャンク(3)と、
ヘッド(5)の内周面に形成されたテーパ(5t)上を前記ヘッド(5)の回転に伴って転動することにより、棒状の被加工物の外周面を転圧加工する複数のローラ(1)と、
前記シャンク(3)と前記ヘッド(5)とを、前記ヘッド(5)の負荷トルクによってボール(13)を介して相対的に回動させることによりトルクを軸方向の変位に変換するトルク・変位変換機構(T)と、
前記トルク・変位変換機構(T)による軸方向の変位により第2コイルバネ(16)の付勢力を変化させ、前加工径にバラツキがあっても、ハブ(9)に連結されたヘッド(5)が軸方向へ移動して加工径の自動補正を行う径自動補正機構(E)とを備え、
被加工物の外周面をローラの転圧によってバニシング加工する外周面加工用のローラバニシング工具であって、
前記トルク・変位変換機構(T)は、リング状の一端面に複数のすり鉢状の窪み(11a)が形成された固定輪(11)と、
同様のリング状の一端面に複数のすり鉢状の窪み(12a)が対向するように形成された可動輪(12)と、
前記固定輪(11)の窪み(11a)と、前記可動輪(12)の窪み(12a)に挟持された複数のボール(13)と、
を備えたことを特徴とするローラバニシング工具。 - 被加工物、またはシャンク(3)が回転駆動機構によって回転駆動され、棒状またはテーパに形成されたシャンク部(3a)を有するシャンク(3)と、
マンドレル(25)の外周面に形成されたテーパ(25t)上をその回転に伴って転動することにより、被加工物の穴、または、円管状の内周面を転圧加工する複数のローラ(1)と、
前記シャンク(3)と前記マンドレル(25)とを、前記マンドレル(25)の負荷トルクによってボール(13)を介して相対的に回動させることによりトルクを軸方向の変位に変換するトルク・変位変換機構(T)と、
前記トルク・変位変換機構(T)による軸方向の変位により第2コイルバネ(16)の付勢力を変化させ、前加工径にバラツキがあっても、テーパ(25t)を有するマンドレル(25)が軸方向へ移動して、加工径の自動補正を行う径自動補正機構(E)とを備え、
被加工物の穴、または、円管状の内周面をローラの転圧によってバニシング加工する内周面加工用のローラバニシング工具であって、
前記トルク・変位変換機構(T)は、リング状の一端面に複数のすり鉢状の窪み(11a)が形成された固定輪(11)と、
同様のリング状の一端面に複数のすり鉢状の窪み(12a)が対向するように形成された可動輪(12)と、
前記固定輪(11)の窪み(11a)と、前記可動輪(12)の窪み(12a)に挟持された複数のボール(13)と、
を備えたことを特徴とするローラバニシング工具。 - 丸棒の外周面をテーパ状のローラの転圧によってバニシング加工する外周面加工用の油圧、または、空圧によるローラバニシング工具であって、
前記固定輪(11)を支持するハウジング(8)と、前記可動輪(12)を支持するハブ(9)との間のスペースにリング状のシリンダ(17)を形成し、前記シリンダ(17)に油圧または空圧を供給し、前記トルク・変位変換機構(T)による軸方向の変位によってシリンダ(17)による付勢力が変化し、前加工径にバラツキがあっても、ハブ(9)に連結されたテーパを有するヘッド(5)を軸方向へ移動させて、径の自動補正を行う径自動補正機構(E)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のローラバニシング工具。
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