JP2015078505A - 道路橋の荷重支持型伸縮装置とその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】伸縮量の大きな道路橋にふさわしく、耐荷力と止水性能に優れた荷重支持型伸縮装置を提供する。【解決手段】遊間(S)に沿って延在する平行な一対の起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と、そのフェイスプレートと一定角度(θ)だけ交叉する多数の平行な連立フィンガープレート(Fa)(Fb)とを、そのフィンガープレートの前プレート片(7a)(7b)同士が遊間(S)上での一定量(X)だけ交互に噛み合うオーバーラップ状態となるように組み付け一体化した伸縮装置において、両フェイスプレートの向かい合う相互間(継手遊間)を上記前プレート片へ下方から接する水平状態に敷設した離型シート(16)によって仕切り、これよりも上段の空間には発泡材層(17)の充填とその表面に対する耐火材層(18)の被着とを行う一方、上記離型シートよりも下段の空間には弾性止水層(19)の充填とこれを下方から覆う2次止水用弾性シート(21)の吊り下げとを行った。【選択図】図3

Description

本発明は伸縮量の大きな道路橋にふさわしい荷重支持型伸縮装置と、そのための有効な製造法に関する。
遊間(継ぎ目)の伸縮量が約150mm以上の長大な道路橋にふさわしい「フィンガージョイント」と称する荷重支持型伸縮装置については、下記特許文献1に開示されている。
そして、この特許文献1に記載のジョイント部材(J1)(J2)では、その板状フィンガー(4)(5)のフィンガー前部(4a)(5a)同士が継ぎ目遊間(X)上での櫛形態として交互に噛み合いオーバーラップされており、そのフィンガー前部(4a)(5a)の側面とウエブ板(2)(3)とから囲まれた噛み合い空隙部に、ゴム状物質(7)が充塞されている点、又そのウエブ板(2)(3)同士の受け板(2a)(3a)から継ぎ目遊間(X)へ吊り下がる断面U字形の止水用シール部材(21)を具備している点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
特許第4936145号公報 特許第4218028号公報
ところが、上記特許文献1に開示の構成ではフィンガー前部(4a)(5a)の側面とウエブ板(2)(3)とから囲まれた噛み合い空隙部に、常温加硫型の液状ゴムから成るゴム状物質(7)が充塞されており、その液状で充填後、常温で加硫硬化して、止水層を形成するようになっているため、そのフィンガー前部(4a)(5a)の側面へ加硫接着した状態にある止水層が、継ぎ目遊間(X)の伸縮に応じて相反する前後方向(橋軸方向)へ移動するフィンガー前部(4a)(5a)に追従できず、その接着界面から容易に剥離してしまうこととなり、脱落しないまでも、止水性能が早期に低下することは必至である。
その場合、上記止水層の接着性を向上させるために、その下地処理材のプライマーを上記フィンガー前部(4a)(5a)の側面やウエブ板(2)(3)などに塗布しようとしても、その交互する噛み合い状態に組み付けられているため、そのプライマーの塗布作業を行うことができず、それだからと言って、組み付ける前に、上記フィンガー前部(4a)(5a)の側面やウエブ板(2)(3)などにプライマーを塗布しておくと、そのプライマーが組み付け時における溶接の火炎を受けて、爾後的に消失してしまうのである。
又、上記ゴム状物質(7)の止水層はその表面(上面)の露出状態にあり、耐火性を有さないため、通行車両から投げ捨てられる点火状態のシガレットなどが侵入・堆積して、不慮に燃え上がる致命的な危険性がある。
更に、上記ウエブ板(2)(3)の受け板(2a)(3a)から継ぎ目遊間(X)へ吊り下がる止水用シール部材(21)のU字状内部には、ウレタンフォームやスタイロフォームなどの発泡樹脂からなる弾性体が充填されているが、これはゴムシートから成るシール部材(21)との接着性を有さないため、止水効果を達成することができない。
その結果、上記特許文献1に開示の伸縮装置が排水性のそれではないこととも相俟って、早期に止水性能の低下した上記ゴム状物質(7)から落下する漏水が、その真下位置の発泡樹脂から成る弾性体とこれを受け持っているシール部材(ゴムシート)(21)の内部に溜まり込み、これを路肩部へ円滑に誘導・排水することができず、その重量によって継ぎ目遊間(X)へ脱落するおそれもある。
他方、伸縮装置の製造法としても、止水用シール部材(ゴムシート)(21)のU字状内部へ上方から発泡樹脂の弾性体を充填した後でなければ、同じく上方から上記噛み合い空隙部へ止水層を形成するためのゴム状物質(7)を充塞することができない。
そのシール部材(ゴムシート)(21)の上段位置には、交互に噛み合いオーバーラップする櫛形態のフィンガー前部(4a)(5a)が存在しているため、上記シール部材(21)の内部全体を上方から明確に透視することは困難であり、その結果上記発泡樹脂から成る弾性体を隅々まで洩れなく、容易・確実に充填することができない。
更に言えば、そのシール部材(ゴムシート)(21)のU字状内部へ上記発泡樹脂の弾性体を充填した後、その上方から引き続きゴム状物質(7)としての好適な常温加硫型液状ゴムを、その液状態において充填した場合、これが上記発泡樹脂から成る弾性体の気泡に浸透するため、その加硫硬化によって得られるゴム状物質(7)の止水層と、上記発泡樹脂から成る弾性体とが上下の連続一体に固まる結果となり、継ぎ目遊間(X)の伸縮に応じた滑らかな追従変形作用や長期に亘る安定な止水効果を得られない問題もある。
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では道路橋の遊間を挟んで向かい合う関係状態として、その遊間に沿い延在する前後一対の平行な起立フェイスプレートと、
その各起立フェイスプレートへ一定角度だけ交叉する貫通状態として組み付け一体化されることにより、二輪車のタイヤが嵌まり込まない左右相互間隔を保って橋軸方向に沿い延在する多数の平行な連立フィンガープレートとから成り、
両起立フェイスプレートから互いに接近し合う遊間側へ各々張り出す連立フィンガープレートの前プレート片同士を、その遊間上での一定量だけ交互に噛み合う櫛形態としてオーバーラップさせる一方、
同じく両起立フェイスプレートから互いに遠ざかる反対側へ各々張り出す連立フィンガープレートの後プレート片を埋込みアンカーとして、コンクリート床版の箱抜き凹所へ後打ちコンクリートにより埋設一体化する道路橋の荷重支持型伸縮装置において、
両起立フェイスプレートの下端部を弾性止水層用の接着壁面として、上記連立フィンガープレートよりも一定の背丈分だけ張り出し垂下させると共に、
少なくとも下面が離型処理された離型シートを、両起立フェイスプレートの向かい合う前後相互間へ下方から上記連立フィンガープレートの前プレート片と接触する水平状態に敷設して、
その離型シートにより仕切られた上段空間には発泡材層の充填と、その発泡材層の表面を被覆する耐火材層の固着とを行う一方、
同じく離型シートにより仕切られた下段空間には常温加硫型の液状ゴムから成る弾性止水層を、その前後両端部だけが両起立フェイスプレートの接着壁面へ接着固定される状態に充填し、
2次止水用となる弾性シートの前後両端部を両起立フェイスプレートの下端部へ、外方から向かい合う前後一対のアングルプレートにより押え付け固定して、上記弾性止水層の下方を覆う状態に吊り下げたことを特徴とする。
又、請求項2では両起立フェイスプレートの接着壁面をプライマーの塗布により下地処理したことを特徴とする。
請求項3では弾性止水層の前後両端部をアングルプレートの水平片によって下方から受け持つと共に、そのアングルプレートの垂直片から各起立フェイスプレートの下端部へ、点在分布する複数のリベットをほぼ水平に打ち込み固定したことを特徴とする。
請求項4では弾性シートを織布入りのゴムシートとして、その内部へ合成樹脂製メッシュパイプの半割り体から成る保形樋を載置セットすることにより、断面ほぼU字形に保形したことを特徴とする。
請求項5では連立フィンガープレートを、その起立フェイスプレートと交叉する差し込み凹溝が下向き開口状態に切り欠かれた第1連立フィンガープレートと、同じく起立フェイスプレートと交叉する差し込み凹溝が上向き開口状態に切り欠かれた第2連立フィンガープレートとの2種として、
その第1連立フィンガープレートの差し込み凹溝と咬み合う上向き開口状態の受け入れ凹欠と、第2連立フィンガープレートの差し込み凹溝と咬み合う下向き開口状態の受け入れ凹欠とを、上記起立フェイスプレートへ一定な左右相互間隔おきでの交互に付与して、
その起立フェイスプレートの上向き開口分布する受け入れ凹欠には、上記第1連立フィンガープレートの差し込み凹溝を上方から咬み合う状態に差し込み固定する一方、
同じく起立フェイスプレートの下向き開口分布する受け入れ凹欠には、上記第2連立フィンガープレートの差し込み凹溝を下方から咬み合う状態に差し込み固定したことを特徴とする。
更に、請求項6では第1、2連立フィンガープレートにおける何れか一方の後プレート片を、上方から浅い倒立へ字形切欠きが加工された比較的高い背丈として、その背丈の中間部に水平な組立鉄筋の細長い受け入れ口を貫通形成すると共に、
同じく第1、2連立フィンガープレートにおける他方の後プレート片を、上方から深いL字形切欠きが加工された比較的低い背丈の細長い角棒状に造形したことを特徴とする。
他方、請求項7では請求項1に記載された伸縮装置の製造法であって、各起立フェイスプレートと必要な個数の連立フィンガープレートとを一定角度だけ交叉する貫通状態に組み付け一体化すると共に、
その組み付けユニット体の前後一対を上記連立フィンガープレートにおける前プレート片同士の一定量だけ交互に噛み合うオーバーラップ状態に保つため、その左右両端部同士の連結プレートによって仮り止め固定した上、
その仮り止め固定状態にある全体を先ず上下反転させた裏返し状態として、上記噛み合っている前プレート片の全体へ上方から離型シートを、その離型処理された下面が上向く状態に敷設して、
引き続き上方から常温加硫型の液状ゴムから成る1次止水用シール材を充填することにより、その前後両端部が両起立フェイスプレートの接着壁面へ接着固定した弾性止水層を形成し、
その後、上記弾性止水層を同じく上方から2次止水用弾性シートによって覆うため、その弾性シートの前後両端部を両起立フェイスプレートへ外方から前後一対のアングルプレートによって押え付け固定し、
次いで、上記弾性シートが吊り下がることとなる表返し状態に復元した上、両起立フェイスプレートの向かい合う前後相互間へ上方から発泡材料を充填して、その発泡材層として硬化する前に、上方から耐火材を散布することにより、その耐火材層が表面に被着一体化された発泡材層を形成し、
最後に、先の全体的な仮り止め状態に保っていた連結プレートを取り除くことを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、両起立フェイスプレートの向かい合う前後相互間(継手遊間)が離型シートを介して、比較的広大な上段空間と狭小な下段空間に仕切られた状態にあり、その上段空間に充填された発泡材層は発泡材料の膨張・硬化したものとして、連立フィンガープレートの櫛形態に噛み合いオーバーラップしている前プレート片と接着固定されていないため、その前プレート片同士が相反する前後方向(橋軸方向)へ移動(伸縮)するも、これに追従変形して、その発泡材層の破壊されてしまうおそれがなく、通行車両から落下する土砂やタイヤの摩耗片、その他の各種固形物を確実に捕捉することができ、しかもその発泡材層の表面に被着一体化された耐火材層により、その発泡材層が点火状態にあるシガレットの投げ捨てを受けて、不慮に燃えるおそれも防止し得る効果がある。
又、上記離型シートにより仕切られた下段空間には、常温加硫型液状ゴムなどの1次止水用シール材から成る弾性止水層が充填されており、その弾性止水層は上記離型シートの離型処理された下面と接触して、上記前プレート片同士が相反する前後方向(橋軸方向)へ移動(伸縮)するも、その動きに追従変形せず、しかもその弾性止水層の前後両端部だけが両起立フェイスプレートの下端部をなす接着壁面と接着固定された設置状態にあるため、長期に及ぶ安定な止水作用を果すことができ、その弾性止水層の破壊されたり、まして脱落したりするおそれはない。
更に、経年使用によって万一弾性止水層から漏水が落下したとしても、これを2次止水用の弾性シートにより受け止めて、道路の横断勾配に沿い最低の路肩部へ誘導・排水することができ、腐蝕防止にも役立つのである。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、両起立フェイスプレートの接着壁面に対する弾性止水層の接着性が向上し、その恒久的な止水効果を得られることになる。
請求項3の構成を採用するならば、前後一対のアングルプレートを両起立フェイスプレートの下端部へ、外方から水平に打ち込むリベットによって、2次止水用弾性シートの吊り下げ状態に押え付け固定することができ、その作業をボルトとナットとから成るネジ締結具に比し、極めて容易にすばやく行える効果があり、作業性に著しく優れる。
請求項4の構成を採用するならば、その弾性シートが引き裂けたり、保管中不正な癖付け状態に変形したりすることを防止することができ、その断面ほぼU字形に保形された内底面に沿って、漏水を円滑に誘導・排出し得るのである。
更に、請求項5の構成を採用するならば、両起立フェイスプレートと多数の連立フィンガープレートとを、歪み変形しない安定・強固な組み付け状態に仕上げることができ、伸縮量の大きな道路橋にふさわしい荷重支持型伸縮装置を得られる。
その場合、請求項6の構成を採用するならば、コンクリート床版の箱抜き凹所がその床版への埋込みアンカーとなる連立フィンガープレートの後プレート片によって、いたずらに細かく(狭く)仕切り区分されてしまうおそれがなく、その後打ちコンクリートの全体に及ぶ良好な流動性により、上記組付強度や耐荷力をますます向上させることができる。
他方、請求項7の製造法によれば、両起立フェイスプレートと多数の連立フィンガープレートとから組み付け一体化された仮り止め固定状態の全体を、上下反転させた裏返し状態(倒立状態)において、その上方から離型シートの敷設と弾性止水層の充填並びに弾性シートの押え付け固定を順序良く能率的に行えるほか、引き続き表返し状態(正立状態)に復元して、やはり上方から発泡材層の充填とその表面に対する耐火材層の被着も順序良く能率的に行えるのであり、工場での生産性に著しく優れる。
本発明に係る荷重支持型伸縮装置の平面図である。 図1の側面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 2次止水用弾性シートの保形樋となるメッシュパイプを示す側面図である。 図5の6−6線断面図である。 図6から半割りした上記保形樋を示す断面図である。 図4の8−8線に沿う拡大断面図である。 図8の9−9線断面図である。 上記弾性シートの止水壁を抽出して示す正面図である。 図10の11−11線断面図である。 起立フェイスプレートと連立フィンガープレートとの咬み合い位置関係を示す分解斜面図である。 図12の組み付け状態を示す平面図である。 図13の底面図である。 図13の15−15線断面図である。 図13の16−16線断面図である。 図13に示した組み付けユニット体の前後一対を、仮り止め固定した状態の平面図である。 図17の18−18線断面図である。 図18から裏返した倒立状態において、プライマー処理する製造工程の断面図である。 図19から引き続き離型シートの敷設と弾性止水層の充填とを行う製造工程の断面図である。 図20から引き続き2次止水用弾性シートを取り付け固定する製造工程の断面図である。 図21から表返し復元した正立状態において、発泡材層を充填する製造工程の断面図である。 図22から引き続き耐火材層を被着一体化させる製造工程の断面図である。 本発明に係る伸縮装置の施工状態を示す平面図である。 図24の25−25線断面図である。 本発明に係る伸縮装置の変形実施形態を示す図1に対応する平面図である。
以下、図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述すると、図1〜23は荷重支持型の伸縮装置(フィンガージョイント)を示しており、又図24、25はその道路橋におけるコンクリート床版(橋桁)(1)同士の遊間(継ぎ目)(S)に跨がる施工状態を示しているが、コンクリート床版(橋桁)(1)と橋台(図示省略)との相互間に介在する遊間(S)へ、同様に跨がる状態として施工されることもある。
(Pa)(Pb)は道路橋の遊間(床版遊間)(S)を挟んで向かい合う関係状態として、その遊間(S)に沿い施工現場の橋幅分(片車線の全体分)(例えば約7.2m)だけ延在する前後一対の平行な起立フェイスプレートであり、例えば約16mmの厚みと約185mmの背丈を備えた鋼板から成る。その各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部を占める一定の背丈分(例えば約35mm)(h)は、後述する弾性止水層の接着壁面(2a)(2b)として機能し得るようになっている。
又、(Fa)(Fb)は各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ一定角度(θ)(例えば約90度)だけ交叉する貫通状態として組み付け一体化されることにより、二輪車のタイヤが嵌まり込まない(脱輪しない)一定の左右相互間隔(w)(例えば約50mm)を保って、橋軸方向(前後方向)に沿い延在する多数(図例では11本)の平行な連立フィンガープレートであり、例えば約22〜32mmの厚みと約536mmの長さ並びに最大部分における約150mmの背丈を備えた高剛性の鋼板から成る。
即ち、各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)には図12〜16のような比較的浅い上向き開口状態の第1連立フィンガープレート受け入れ凹欠(3a)(3b)と、比較的深い下向き開口状態の第2連立フィンガープレート受け入れ凹欠(4a)(4b)との2種が、上記した一定な左右相互間隔(w)(先に例示した約50mm)おきでの交互に付与されている。図例の場合、その比較的浅い第1連立フィンガープレート受け入れ凹欠(3a)(3b)の深さ(d1)は約75mmであり、比較的深い第2連立フィンガープレート受け入れ凹欠(4a)(4b)の深さ(d2)は約110mmである。
そして、多数の連立フィンガープレート(Fa)(Fb)は上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と交叉する下向き開口状態の差し込み凹溝(5a)(5b)を備えた第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)と、同じく起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と交叉する上向き開口状態の差し込み凹溝(6a)(6b)を備えた第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)との2種として、その第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の差し込み凹溝(5a)(5b)が上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の第1連立フィンガープレート受け入れ凹欠(3a)(3b)へ、上方から咬み合う状態に差し込み固定される一方、第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の差し込み凹溝(6a)(6b)が、同じく起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の第2連立フィンガープレート受け入れ凹欠(4a)(4b)へ、逆な下方から咬み合う状態に差し込み固定されるようになっている。
その固定手段は各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と各連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)との咬み合い部分に施す溶接である。
上記第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)における差し込み凹溝(5a)(5b)(6a)(6b)の切り欠き深さ(d)は互いに同一であり、図例の場合約75mmとして、その第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)が咬み合う状態に差し込み固定された起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から、その下端部の接着壁面(2a)(2b)が先に例示した約35mmの背丈分(h)だけ図15、16のように、第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)よりも張り出し垂下するようになっている。
多数の連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)と両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)とが組み付け一体化された状態では、その起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から互いに接近し合う遊間(S)側へ各々張り出す連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の前プレート片(7a)(7b)同士が、その遊間(S)上での一定量(X)(例えば約145mm)だけ図1〜4のような交互に噛み合う櫛形態としてオーバーラップしている。
(8a)(8b)は前プレート片(7a)(7b)における張り出し先端部(前端部)の下端縁に加工された前上がり傾斜逃し面であり、その使用中に振動する前プレート片(7a)(7b)の張り出し先端部(前端部)が、後述の離型シートと延いては弾性止水層を引っ掛けて、これらの破損してしまうおそれを予防する。
他方、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から互いに遠ざかる(離反する)反対側(背後側)へ各々張り出す連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)は埋込みアンカーとして、図24、25のようにコンクリート床版(1)の箱抜き凹所(G)へ、後打ちコンクリート(C)により埋設一体化され、水平な組立鉄筋(11a)(11b)と交叉する関係状態に保たれることになるが、そのコンクリート床版(1)への埋込みアンカーとなる上記後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)は図12や図15、16から明白なように、上記第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)での互いに異なる形態に加工されている。
この点、図示の実施形態では上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ上方から差し込み固定される第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の後プレート片(9a)(9b)は、上方から最大背丈(先に例示した約150mm)の約3分の1に相当する浅いほぼ倒立ヘ字形切欠き(12a)(12b)の加工を受けて、残る約3分の2に相当する比較的高い背丈(h1)を有し、しかもその背丈(h1)のほぼ中間部を橋軸方向(前後方向)に沿って延在する細長い組立鉄筋受け入れ口(13a)(13b)が貫通形成されている。
これに比して、上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ下方から差し込み固定される第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(10a)(10b)は、上方から最大背丈(先に例示した約150mm)の約3分の2に相当する深いほぼL字形切欠き(14a)(14b)の加工を受けることにより、約3分の1だけ残る低い背丈(h2)の細長い角棒状に造形されている。
このような第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)での互いに異なる大きさ・形態を備えた後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)が、起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から背後方向へ交互に張り出し、特にその第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(10a)(10b)は背丈(h2)の低く細長い角棒形態をなすため、コンクリート床版(1)の箱抜き凹所(G)をその後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)によって、言わば細かく(狭く)仕切り区分してしまうおそれがない。
その結果、後打ちコンクリート(C)の流動性を制限することがなく、連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)が起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部を回動支点として前下がりに撓もうとする曲げモーメント(引き抜き力)に対し、効果的な抵抗力が発揮される後打ちコンクリート(C)の正常な締め固め状態を得られ、伸縮量の大きな道路橋にふさわしい伸縮装置としての耐荷強度が著しく向上する。
更に言えば、上記第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(10a)(10b)は第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の後プレート片(9a)(9b)と異なり、その第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の下端縁に沿って延在する細長い角棒形態をなすため、万一コンクリート床版(1)の埋設鉄筋(15a)(15b)と干渉する場合でも、その埋設鉄筋(15a)(15b)を必らずしも切断することなく、例えば曲げ加工することにより後プレート片(10a)(10b)との組立状態に現場施工することができ、埋設鉄筋(15a)(15b)のいたずらな切断やこれに代る差し筋アンカー(図示省略)の打ち込みなどに起因するコンクリート床版(1)の爾後的な強度低下を招くおそれがない。
尚、図示実施形態と逆の構成を採用して、上記組立鉄筋(11a)(11b)の細長い受け入れ口(13a)(13b)が開口する高い背丈(h1)の後プレート片(9a)(9b)を、第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)のそれとして形成する一方、背丈(h2)が低い角棒状の後プレート片(10a)(10b)を、第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)のそれとして形成してもさしつかえない。
(16)は両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)へ図3、4のように、下方から連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の前プレート片(7a)(7b)と接触する水平状態に敷設された離型シート(所謂タック紙)であって、その少なくとも下面が離型面として表面処理されており、後述の弾性止水層と界面接着しないようになっている。
そして、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)における上記離型シート(16)によって仕切られた比較的広い上段空間には、伸縮可能な発泡材層(17)が充填されており、その発泡材層(17)によって使用中に通行車両から落下する土砂やタイヤの摩耗片、アスファルト舗装骨材の剥離片、その他の各種固形物を主として捕捉し得るようになっている。
その発泡材層(17)の発泡材料としては、ポリオール(主剤)とイソシアネート(硬化剤)との二液を混合して、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)へ上方から流し込めば、発泡、膨張作用し始め、やがて硬化することにより、硬質のウレタンフォームから成る発泡材層(17)を形作るものが好ましい。
その場合、発泡材層(17)は多数の気泡を内蔵していて、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)や連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)における前プレート片(7a)(7b)と界面接着された固定状態になく、道路橋の伸縮作用に追従して変形するため、早期に破壊されてしまうおそれがない反面、確実な止水作用を営むことは困難である。
(18)は上記発泡材層(17)の硬化するまでに、その表面へ上方から図3、4のような被覆状態に散布された適当な厚みの耐火材層であり、好ましくはスピネル結晶を主体とする硬質な人工骨材(商品名「セラクロン」)を耐火材として、発泡材層(17)の硬化により固着一体化され、これによって上記発泡材層(17)が点火状態にあるシガレットなどの投入を受けて、不慮に燃えるおそれを防止するようになっている。
他方、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)における上記離型シート(16)によって仕切られた比較的狭い下段空間には、発泡材層(17)と異なる弾性止水層(19)が充填されている。
その弾性止水層(19)を形成する1次止水用シール材は常温加硫型の液状ゴムなどから成り、常温で加硫硬化することによって、上記した両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部をなす接着壁面(2a)(2b)に加硫接着されることとなる。その接着固定される限りでは、例えば端末OH変成ポリブタジエン(ジオール)をイソシアネートプレポリマーで反応硬化させたウレタンゴムから成るシール材が好適である。
何れにしても、弾性止水層(19)との接着性を向上させるための前処理(下地処理)として、その両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部をなす一定な背丈分(h)の接着壁面(2a)(2b)には、例えばイソシアネートなどのプライマー(下塗り剤)(20)を塗布しておく。
弾性止水層(19)が両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の接着壁面(2a)(2b)だけでなく、上記離型シート(16)を介して連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の前プレート片(7a)(7b)とも接着された固定状態にあると、その前プレート片(7a)(7b)の相反する前後方向(橋軸方向)への移動(伸縮)が、弾性止水層(19)へ直かに波及・伝播して、その弾性止水層(19)の破損を招来するため、上記離型シート(16)の下面を離型面として離型処理したわけであるが、その離型シート(16)の上面も上記前プレート片(7a)(7b)と接着固定しないように離型処理しておくことが望ましい。
更に、(21)は上記弾性止水層(19)の下方を覆う2次止水用弾性シートであって、引裂強さに富むナイロンなどの織布入りゴムシートから成り、その側面視のほぼU字形に吊り下がる前後両端部が両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部へ、図1、3のような向かい合う前後一対のL字形アングルプレート(22a)(22b)によって押え付けられている。その両アングルプレート(22a)(22b)の水平片は、上記弾性止水層(19)の前後両端部を下方から受け持つ状態に並列している。
(23)はその弾性シート(21)の内部に載置セットされた保形樋であって、図5〜7のような合成樹脂(ポリエチレン)製メッシュパイプ(好ましくは商品名「ネトロンパイプ」)の半割り体から成り、これによって弾性シート(21)の不正変形を防ぎ、安定なほぼU字形に保っている。
(24a)(24b)は上記アングルプレート(22a)(22b)の垂直片を起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部へ各々取り付け固定する前後一対づつの水平なリベットであって、外方(前後方向)から一定の左右相互間隔を保つ点在分布状態に打ち込まれている。その単純な打ち込みだけで足りるため、ボルトとナットとから成るネジ締結具に比して、その製造工場での取付作業性を著しく向上させることができる。
上記2次止水用弾性シート(21)は起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と同じく、道路橋の遊間(継ぎ目)(S)に沿って延在するが、その道路橋の横断勾配に準じて低くなる最低の端部出口は、図4や図8〜11のような蛇腹ゴム製止水壁(25)の接着によって閉鎖されていると共に、その付近の下面には排水孔(26)が開口形成されている。
(27)はその排水孔(26)への差し込み状態に接着一体化されたゴム製接手管であり、これがフレキシブルな排水パイプ又は排水チューブ(28)を介して、道路橋の路肩部に配管済みの排水ドレン管(図示省略)と連通接続されることになる。
尚、上記アングルプレート(22a)(22b)における水平片の下面へ、別個な不陸の吸収に役立つウレタンフォームから成るベースプレート(29a)(29b)の前後一対を各々接着しておき、その両ベースプレート(29a)(29b)を後打ちコンクリート(C)の打設型枠として、コンクリート床版(1)の箱抜き凹所(G)へ図24、25のように据え付け使用することが望ましい。
図12〜23は上記伸縮装置の製造工程を示しており、その製造に当っては先ず各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と必要な個数の連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)とを図13〜16のように組み付け一体化し、その組み付けユニット体の前後一対を図17、18のように、上記連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)における前プレート片(7a)(7b)同士の一定量(X)だけ噛み合うオーバーラップ状態に保つべく、その左右両端部同士を一対の連結プレート(30)によって仮り止め固定しておく。
そして、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と多数の連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)とが組み付け一体化されたユニット体の全体を、図19のように上下反転させた倒立状態(裏返し状態)として、その両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から一定の背丈分(h)だけ上向きに張り出すこととなる接着壁面(2a)(2b)へ、プライマー(20)を塗布することにより、予じめ下地処理(前処理)しておく。
次いで、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)において、交互の噛み合う状態にある前プレート片(7a)(7b)の全体へ、図20のように上方から離型シート(16)をその離型処理された下面が上向く状態に敷設すると共に、同じく上方から引き続き常温加硫型の液状ゴムなどから成る1次止水用シール材を充填して、その硬化した弾性止水層(19)を形成する。その弾性止水層(19)の前後両端部は上記プライマー(20)を介して、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の接着壁面(2a)(2b)へ強固に加硫接着される結果となる。
その後、上記弾性止水層(19)を同じく上方から2次止水用弾性シート(21)によって覆う如く、その弾性シート(21)の前後両端部を両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ図21のように被着させ、これを別個な前後一対のアングルプレート(22a)(22b)により外方から押え付け固定すべく、そのアングルプレート(22a)(22b)の垂直片から起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ、点在分布する複数づつのリベット(24a)(24b)をほぼ水平に打ち込む。
次いで、図21から図22のように、その弾性シート(21)が吊り下がることとなる正立状態(表返し状態)に復元して、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間(継手遊間)へ上方から発泡材料を充填し、その発泡・膨張作用後の硬化により、伸縮可能な発泡材層(17)を形成する。
その吊り下がることになった弾性シート(21)の内部へ、保形樋(23)を載置セットして、その弾性シート(21)を安定なほぼU字形に保形すれば良い。
しかも、上記発泡材層(17)が硬化するまでの間に、同じく上方から図23のように耐火材を散布して、その耐火材を発泡材層(17)の硬化により、その発泡材層(17)の表面(上面)へ被覆状態に固着一体化した耐火材層(18)を形成する。
そして、最後に上記仮り止め状態(仮りの組立状態)に保っていた連結プレート(30)の左右一対を取り除けば、図1〜4のような製品−伸縮装置として完成するため、これを施工現場へ搬送し、その現場の橋幅分(片車線の全体分)だけ延在する埋設状態に施工すれば良い。
図24、25は上記伸縮装置の施工状態を示しており、その起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から背後方向へ張り出す連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)が埋込みアンカーとして、コンクリート床版(1)の箱抜き凹所(G)へ後打ちコンクリート(C)により埋設一体化されているが、上記第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)と第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)とは起立フェイスプレート(Pa)(Pb)に対して、相反する上下方向から交互に差し込み固定された咬み合い状態にあるため、伸縮装置の製造上並びに使用上、歪み変形するおそれがなく、安定・強固な組立状態を維持することができる。
しかも、上記第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の後プレート片(9a)(9b)と第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の後プレート片(10a)(10b)とは、その背丈(h1)(h2)の相違する埋込みアンカーとして造形されているため、後打ちコンクリート(C)の廻り込み流動性が良く、引き抜き力に対する大きな抵抗力や耐荷強度を得られるのである。
又、道路橋における遊間(継ぎ目)(S)の伸縮に応じて、連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)の前プレート片(7a)(7b)同士が相反する前後方向(橋軸方向)へ移動するも、その前プレート片(7a)(7b)同士の噛み合う空間(継手遊間)に充填された発泡材層(17)は、その交互の噛み合う状態にある前プレート片(7a)(7b)と界面接着されていないため、破壊されるおそれなく追従変形し、伸縮量の大小に拘らず本来の機能を発揮し得る汎用性がある。
その発泡材層(17)の表面(上面)は耐火材層(18)によって被覆されているため、通行車両から点火状態のシガレットなどが投入・堆積するも、これによって上記発泡材層(17)の燃える危険性がなく、安全性に優れる。
更に、上記発泡材層(17)と弾性止水層(19)との上下相互間には離型シート(16)が介在しており、その離型シート(16)の少なくとも下面は離型面として、これと接する弾性止水層(19)が上記前プレート片(7a)(7b)の相反する前後方向に沿う伸縮(移動)の影響を直かに受けず、しかもその弾性止水層(19)の前後両端部は上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部をなすプライマー処理された接着壁面(2a)(2b)と、安定良く界面接着された状態にあるため、その弾性止水層(19)の破壊されないことは勿論、その止水性能の低下するおそれすらなく、これを下方から覆う2次止水用の弾性シート(21)とも相俟って、長期に亘る優れた止水効果を維持できるのである。
経年使用によって、万一弾性止水層(19)から漏水が落下したとしても、その漏水を上記2次止水用の弾性シート(21)によって路肩部へ誘導し、その路肩部の排水ドレン管(図示省略)から排出させることができる。つまり、排水性の伸縮装置として機能する結果、その上記発泡材層(17)や弾性止水層(19)、弾性シート(21)の内部に雨水が溜まって、その重みによりこれらの脱落するおそれもない。
尚、先には両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と多数の連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)とが約90度の一定角度(θ)だけ交叉する貫通状態に組み付け一体化された直橋用の伸縮装置を説示したが、その図1と対応する図26の変形実施形態に示す如く、90度以外の一定角度(θ)(例えば約60度)に組み付け一体化した所謂斜橋用の伸縮装置としても、本発明を適用実施することができる。その他の構成と製造法並びに施工法は図1〜25の上記実施形態と実質的に同一であるため、その図26に図1と同じ符号を記入するにとどめて、その変形実施形態の詳細な説明を省略する。
(1)・コンクリート床版(橋桁)
(2a)(2b)・接着壁面
(3a)(3b)・第1連立フィンガープレート受け入れ凹欠
(4a)(4b)・第2連立フィンガープレート受け入れ凹欠
(5a)(5b)(6a)(6b)・差し込み凹溝
(7a)(7b)・前プレート片
(8a)(8b)・前上がり傾斜逃し面
(9a)(9b)(10a)(10b)・後プレート片
(11a)(11b)・組立鉄筋
(12a)(12b)・倒立ヘ字形切欠き
(13a)(13b)・組立鉄筋受け入れ口
(14a)(14b)・切欠き
(15a)(15b)・埋設鉄筋
(16)・離型シート
(17)・発泡材層
(18)・耐火材層
(19)・弾性止水層
(20)・プライマー
(21)・2次止水用弾性シート
(22a)(22b)・アングルプレート
(23)・保形樋
(24a)(24b)・リベット
(25)・止水壁
(26)・排水孔
(27)・接手管
(28)・排水チューブ又は排水パイプ
(29a)(29b)・ベースプレート
(30)・連結プレート
(G)・箱抜き凹所
(S)・ 遊間(継ぎ目)
(Fa)(Fb)・連立フィンガープレート
(Fa−1)(Fb−1)・第1連立フィンガープレート
(Fa−2)(Fb−2)・第2連立フィンガープレート
(Pa)(Pb)・起立フェイスプレート
(d)・切り欠き深さ
(h)(h1)(h2)・背丈
(w)・左右相互間隔

Claims (7)

  1. 道路橋の遊間(S)を挟んで向かい合う関係状態として、その遊間(S)に沿い延在する前後一対の平行な起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と、
    その各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ一定角度(θ)だけ交叉する貫通状態として組み付け一体化されることにより、二輪車のタイヤが嵌まり込まない左右相互間隔(w)を保って橋軸方向に沿い延在する多数の平行な連立フィンガープレート(Fa)(Fb)とから成り、
    両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から互いに接近し合う遊間(S)側へ各々張り出す連立フィンガープレート(Fa)(Fb)の前プレート片(7a)(7b)同士を、その遊間(S)上での一定量(X)だけ交互に噛み合う櫛形態としてオーバーラップさせる一方、
    同じく両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)から互いに遠ざかる反対側へ各々張り出す連立フィンガープレート(Fa)(Fb)の後プレート片(9a)(9b)(10a)(10b)を埋込みアンカーとして、コンクリート床版(1)の箱抜き凹所(G)へ後打ちコンクリート(C)により埋設一体化する道路橋の荷重支持型伸縮装置において、
    両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部を弾性止水層用の接着壁面(2a)(2b)として、上記連立フィンガープレート(Fa)(Fb)よりも一定の背丈分(h)だけ張り出し垂下させると共に、
    少なくとも下面が離型処理された離型シート(16)を、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間へ下方から上記連立フィンガープレート(Fa)(Fb)の前プレート片(7a)(7b)と接触する水平状態に敷設して、
    その離型シート(16)により仕切られた上段空間には発泡材層(17)の充填と、その発泡材層(17)の表面を被覆する耐火材層(18)の固着とを行う一方、
    同じく離型シート(16)により仕切られた下段空間には常温加硫型液状ゴムなどのシール材から成る弾性止水層(19)を、その前後両端部だけが両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の上記接着壁面(2a)(2b)へ接着固定される状態に充填し、
    2次止水用となる弾性シート(21)の前後両端部を両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部へ、外方から向かい合う前後一対のアングルプレート(22a)(22b)により押え付け固定して、上記弾性止水層(19)の下方を覆う状態に吊り下げたことを特徴とする道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  2. 両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の接着壁面(2a)(2b)をプライマー(20)の塗布により下地処理したことを特徴とする請求項1記載の道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  3. 弾性止水層(19)の前後両端部をアングルプレート(22a)(22b)の水平片によって下方から受け持つと共に、そのアングルプレート(22a)(22b)の垂直片から各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下端部へ、点在分布する複数のリベット(24a)(24b)をほぼ水平に打ち込み固定したことを特徴とする請求項1記載の道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  4. 弾性シート(21)を織布入りのゴムシートとして、その内部へ合成樹脂製メッシュパイプの半割り体から成る保形樋(23)を載置セットすることにより、断面ほぼU字形に保形したことを特徴とする請求項1記載の道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  5. 連立フィンガープレート(Fa)(Fb)を、その起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と交叉する差し込み凹溝(5a)(5b)が下向き開口状態に切り欠かれた第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)と、同じく起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と交叉する差し込み凹溝(6a)(6b)が上向き開口状態に切り欠かれた第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)との2種として、
    その第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の差し込み凹溝(5a)(5b)と咬み合う上向き開口状態の受け入れ凹欠(3a)(3b)と、第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の差し込み凹溝(6a)(6b)と咬み合う下向き開口状態の受け入れ凹欠(4a)(4b)とを、上記起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ一定な左右相互間隔(w)おきでの交互に付与して、
    その起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の上向き開口分布する受け入れ凹欠(3a(3b)には、上記第1連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)の差し込み凹溝(5a)(5b)を上方から咬み合う状態に差し込み固定する一方、
    同じく起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の下向き開口分布する受け入れ凹欠(4a)(4b)には、上記第2連立フィンガープレート(Fa−2)(Fb−2)の差し込み凹溝(6a)(6b)を下方から咬み合う状態に差し込み固定したことを特徴とする請求項1記載の道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  6. 第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)における何れか一方の後プレート片(9a)(9b)を、上方から浅い倒立へ字形切欠き(12a)(12b)が加工された比較的高い背丈(h1)として、その背丈(h1)の中間部に水平な組立鉄筋(11a)(11b)の細長い受け入れ口(13a)(13b)を貫通形成すると共に、
    同じく第1、2連立フィンガープレート(Fa−1)(Fb−1)(Fa−2)(Fb−2)における他方の後プレート片(10a)(10b)を、上方から深いL字形切欠き(14a)(14b)が加工された比較的低い背丈(h2)の細長い角棒状に造形したことを特徴とする請求項5記載の道路橋の荷重支持型伸縮装置。
  7. 請求項1に記載された伸縮装置の製造法であって、各起立フェイスプレート(Pa)(Pb)と必要な個数の連立フィンガープレート(Fa)(Fb)とを一定角度(θ)だけ交叉する貫通状態に組み付け一体化すると共に、
    その組み付けユニット体の前後一対を上記連立フィンガープレート(Fa)(Fb)における前プレート片(7a)(7b)同士の一定量(X)だけ交互に噛み合うオーバーラップ状態に保つため、その左右両端部同士の連結プレート(30)によって仮り止め固定した上、
    その仮り止め固定状態にある全体を先ず上下反転させた裏返し状態として、上記噛み合っている前プレート片(7a)(7b)の全体へ上方から離型シート(16)を、その離型処理された下面が上向く状態に敷設して、
    引き続き上方から常温加硫型の液状ゴムなどから成る1次止水用シール材を充填することにより、その前後両端部が両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の接着壁面(2a)(2b)へ接着固定した弾性止水層(19)を形成し、
    その後、上記弾性止水層(19)を同じく上方から2次止水用弾性シート(21)によって覆うため、その弾性シート(21)の前後両端部を両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)へ外方から前後一対のアングルプレート(22a)(22b)によって押え付け固定し、
    次いで、上記弾性シート(21)が吊り下がることとなる表返し状態に復元した上、両起立フェイスプレート(Pa)(Pb)の向かい合う前後相互間へ上方から発泡材料を充填して、その発泡材層(17)として硬化する前に、上方から耐火材を散布することにより、その耐火材層(18)が表面に被着一体化された発泡材層(17)を形成し、
    最後に、先の全体的な仮り止め状態に保っていた連結プレート(30)を取り除くことを特徴とする道路橋における荷重支持型伸縮装置の製造法。
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