JP2015078459A - 織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来得ることができなかった長時間快適に過ごせる清涼感を得ることができ、また吸汗性、吸湿性、ベトツキ感、寸法安定性、表面品位、乾燥時間に優れた織編物を提供することにある。【解決手段】織編物の少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸を含む織編物であり、該混繊糸が下記特性を満たし、かつ持続熱移動量が0.01W/cm2以上1.0W/cm2未満であることを特徴とする織編物。−3≰製品糸長差(%)≰510≰製品交絡間隔(mm)≰50【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸を含む清涼感に優れた織物あるいは編物(以下、これらを総称して織編物ということがある)に関するものである。さらに詳しくは、吸汗性、吸湿性、寸法安定性、表面品位、乾燥時間に優れた織編物に関するものである。
従来より、清涼感が強く求められる春夏向け衣料には、繊維自体が吸汗、吸湿する綿、麻、レーヨン、キュプラなどのセルロース系繊維を用いた編地、また、ポリエステルなどの疎水性繊維からなる編地に吸汗加工を付与した編地、さらには、これらセルロース系繊維と疎水性繊維を交編等によって混用した編地が主に用いられてきた。
しかしながら、セルロース系繊維のみを用いた織編物は、吸汗性、吸湿性が高く、風合いが柔らかいものの、水分の保持性が大きいため、発汗量の多い高負荷運動時、盛夏期などにこれを衣服として着用した場合には、べとつきや蒸れが生じるという問題があった。さらには、洗濯時の縮みが大きい、シワになりやすいといった形態安定性の悪さ、乾燥時間が長いという問題もあった。
一方、ポリエステル等の疎水性繊維に吸水性を付与した繊維を用いた織編物は、形態安定性、乾燥時間には優れるものの、吸湿性がほとんどないため、清涼感は得られないという問題もあった。
これらの問題を解決するために、セルロース系繊維とポリエステル等の疎水性繊維を混繊することにより混用する方法が以前から用いられてきたが、織編組織、糸使いが制限される上、セルロース系繊維が多少とも使われているため、ベトツキ感、形態安定性、乾燥時間の根本的な解決には至っていない(特許文献1参照)。
また、芯鞘構造ポリアミド繊維と異形断面ポリエステルを混繊した織編物が提案されているが、吸水、吸湿性、形態安定性、乾燥時間には優れるものの、異形断面ポリエステルが外側に配置されるため着用時の熱移動量が少なく、清涼感に劣るものである(特許文献2参照)。
また、ポリアミドマルチフィラメントと他の合成繊維マルチフィラメントの複合糸からなり、ポリアミドマルチフィラメントの露出率が高い編地が提案されている。この手法では着用瞬間時の清涼感には優れているが、その清涼感は持続せず、長時間快適に過ごせるものではなかった(特許文献3参照)。
特開2008−111201号公報 特開平10−219534号公報 特開2003−183954号公報
従来用いられてきた清涼織編物は、肌面の熱量を織編物へ移動させることで、着用者に清涼感を与えようとしてきた。しかし、従来の織編物では移動した肌面の熱量が接触面から放熱できず、清涼感が得られるのは着用瞬間時のみであり、その清涼感を持続させることが長年の課題であった。
本発明の課題は、従来得ることができなかった長時間快適に過ごせる清涼感を得ることができ、また吸汗性、吸湿性、ベトツキ感、寸法安定性、表面品位、乾燥時間に優れた織編物を提供することにある。
上記課題を解決するためには、肌面から織編物の接触面へ移動させた熱量を素早く放熱させる必要がある。そのためには吸熱性の高いフィラメントから吸熱性の低いフィラメントに熱量へ上手く移行させることが重要となる。本発明者らは、鋭意検討した結果、下記要件を満たすことにより上記の課題を解決することを見出した。すなわち、
織編物の少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸を含む織編物であり、該混繊糸が下記特性を満たし、かつ持続熱移動量が0.01W/cm2以上であることを特徴とする織編物。
−3≦製品糸長差(%)≦3
10≦製品交絡間隔(mm)≦50
本発明は従来得ることができなかった長時間快適に過ごせる清涼感を得ることができ、また吸汗性、吸湿性、ベトツキ感、寸法安定性、表面品位、乾燥時間に優れた織編物を得ることができる。
本発明は少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステル仮撚加工糸からなる混繊糸を含む織編物で構成されている。吸熱性が高いポリアミド捲縮糸と吸熱性の低いポリエステルフィラメントを使用することで肌面からの放熱量を早めることが可能となる。清涼感を得るためには同時に速乾性を必要とするなかで、ポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントは最適の組み合わせである。
本発明で用いるポリアミド捲縮糸としては、ナイロン6やナイロン66、ナイロン56,ナイロン610等の任意のポリアミドポリマーを用いることができる。吸熱性が高い点から好ましくはナイロン56である。
ナイロン56繊維は、1,5−ジアミノペンタン単位とアジピン酸単位とを主たる構成単位とするナイロン56樹脂からなる繊維である。本発明のナイロン56繊維は、バイオマス利用の1,5−ジアミノペンタン単位を含んでなることが、環境適応性に優れるため好ましい。より環境適応性に優れる点で、ポリアミド56を構成する1,5−ジアミノペンタン単位の50%以上がバイオマス利用で得られた1,5−ジアミノペンタンからなることが好ましい。より好ましくは75%以上であり、最も好ましくは100%である。
本発明で用いるポリアミドは捲縮糸である必要がある。マルチフィラメントが捲縮を有することで、肌から伝達された熱量を素早くポリエステルマルチフィラメントに放熱することが可能となる。ポリアミドに捲縮を付与する方法としては、仮撚加工、ギア押し込み加工、ニットデニット加工等何れの方法でも構わないが、生産性を考慮すると仮撚加工であることが好ましい。
また、吸熱性をさらに高めるという点で、ポリビニルピロリドン(PVP)をポリアミドに対し3〜15wt%含有させることが好ましく、特に4〜8wt%がより好ましい。PVPの含有率が3wt%未満と少な過ぎると十分な吸湿性が得られない。また15wt%を超える程に多過ぎるとべたつき感が発現し感触不良となり、しかも、製糸性が不良となって安定して製糸することができなくなる。
また、ピロリドンの含有率は0.1wt%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.05wt%以下であり、さらに好ましくは0.03wt%以下である。ピロリドン含有率が上記の範囲内にある場合は、染色後の色調にくすみ感がなく、色調良好で高級感のある布帛が得ることができる。
本発明で用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等の任意のポリエステルフィラメントを用いることができる。また、粘度、熱的特性および相溶性を鑑みて、ポリエステル系ポリマーには、イソフタル酸や5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールや、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンなどが共重合されていてもよい。また、その共重合量としては、製糸性を考慮して、0.1〜20モル%とすることが好ましい。
その中でも、エチレンテレフタレート単位を少なくとも80モル%以上含み、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分が全カルボン酸に対し0.7〜2.4モル%共重合しており、そして重量平均分子量90〜6000のポリアルキレングリコール成分がポリエステルに対し0.2〜10質量%共重合したカチオン染料で染色可能な改質ポリエステルが好ましい。金属スルホネート基を含有するイソフタル酸としては、例えば、ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートやビス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートなどが挙げられる。また、併用するポリアルキレングリコール成分の代表例としては、次の一般式
HO−(CH−CH−O)−R−O−(CH−CH−O)
(式中、Rは炭素原子数2〜20の直鎖、環状または側鎖を有する2価の脂肪族炭化水素基を表し、mとnは同一または異なる整数で1≦m+n≦100である。)で示されるグリコールやビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリアミドとポリエステルには、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種の添加剤などの第2成分や第3成分を共重合または混合してもよい。添加剤としては、例えば、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤および螢光増白剤などが挙げられる
本発明のポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸は下記の特性を満たすことが重要である。
5≦製品交絡間隔(mm)≦50
−3≦製品糸長差(%)≦5
ここでの製品交絡間隔とは、染色後の織編物を分解して取得した混繊糸の交絡間隔のことである。混繊糸は染色後の織編物の状態で糸長手方向に交絡部・非交絡部を繰り返し有することが重要である。吸熱性が高いポリアミド捲縮糸から糸方向に熱量が伝導し、交絡部で吸熱性が低いポリエステルフィラメントに熱量が伝達され、熱放出されていく。ここで製品交絡間隔が5mm以上50mm以下を満たすことで、ポリアミド捲縮糸からポリエステルフィラメントに素早く熱放出していくことが可能となる、これにより、肌面からポリアミド捲縮糸の熱移動も促進され、着用時に清涼感を持続的に実感することが可能となった。ここで、製品交絡間隔が5mm未満であると、清涼感は持続するが、その効果は小さいものであった。また、製品交絡間隔が50mmを超えると、着用瞬間時の清涼効果は大きいものがあるが、効果を持続することができにくくなる。
同時にかつ−3≦製品糸長差(%)≦5を満たすことも着用時に清涼感を持続的に実感する面において重要である。ここでの製品糸長差とは、染色後の織編物を分解して取得した混繊糸の糸長差のことである。ここで、製品糸長差が−3%未満であると、肌面に接するポリアミド捲縮糸が少なくなり、着用時の清涼効果を感じることができない。また、製品糸長差が5%を超えると、着用瞬間時の清涼効果は大きいものがあるが、効果を持続することができない。
また、本発明の織編物は持続熱移動量が0.01W/cm以上であることが重要である。従来の清涼感素材は着用瞬間時の冷感を重視しており、熱量のピーク時(およそ0.2秒)の熱移動量を評価していた。しかし、この清涼感評価では着用瞬間時のみの評価であり、着用時の持続的な清涼感を評価しているとは言えなかった。本発明において、鋭意検討した結果、着用時の持続的な清涼感は生地に接触してから30秒後の熱移動量を測定することで、評価できることを見出した。30秒という一定の時間が経つことで、肌から織編物に吸収された熱量が外気に放出され、肌面からの熱移動量が安定化し、持続熱移動量が測定できるようになったと考える。
持続熱移動量が0.01W/cm未満であれば、たとえ着用瞬間時に清涼感が得られたたとしても、その効果が長続きせず、その後の着用時に清涼感を感じることはほとんどできない。また、持続熱移動量が1.0W/cmを超える織編物が存在するとすれば、非常に高い清涼感を得ることができるが、逆に体温が奪われ、健康を害する恐れがあり、好ましくない。
本発明における混繊糸の好ましい単繊維繊度は、ポリアミド捲縮糸が0.3dtex〜7.0dtexであり、ポリエステルフィラメントが0.3dtex〜4.0dtexである。さらに好ましくは、ポリアミド捲縮糸が0.4dtex〜3.0dtexであり、ポリエステルフィラメントが0.40dtex〜3.0dtexである。
単繊維繊度が細すぎると、毛細管現象により吸い上げた水が繊維間に溜まってしまい、べとつき感の増大、速乾性の低下につながる。逆に単繊維繊度が太すぎると、繊維間の空隙が大きくるため、十分な毛細管現象が得られず、吸汗性が低下する。
本発明における混繊糸の好ましい総繊度は、ポリアミド捲縮糸が15dtex〜90dtexであり、ポリエステルフィラメントが20dtex〜90dtexである。さらに好ましくは、ポリアミド捲縮糸が20dtex〜70dtexであり、ポリエステルフィラメントは20dtex〜70dtexである。
ポリアミド捲縮糸の総繊度が90dtexを超えると、ヌメリ感が発生し、風合いが低下する。また、ポリエステルフィラメントの総繊度が90dtexを超えると、剛直になり、柔軟性が低下する。また、ポリアミド捲縮糸の総繊度が15dtexを下回ると、もしくは、ポリエステルフィラメントの総繊度が20dtexを下回ると、清涼感が低くなるので好ましくない。
本発明のポリアミド捲縮糸、ポリエステルフィラメントの断面形状については、Y、W、C、H、X型等のように繊維の長手方向に複数の溝を有する単繊維を含む方が、繊維間に微細な空隙を多数形成するため、毛細管現象による吸汗性が増し好ましい。さらに好ましくは肌との接触面積が多く、清涼感が大きい扁平断面や繭型断面である。また、繊維間にランダムに微細な空隙を多数作り出す、丸型の単繊維と長手方向に複数の溝を有する単繊維を組み合わせたマルチフィラメントでも良い。
次に本発明の織編物の製造方法の一例について説明する。
本発明の織編物は少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸から成っている。混繊糸を製造する一例としては、ポリアミド部分配向未延伸糸とポリエステルフィラメントを用いた複合仮撚方法がある。ポリアミド部分配向未延伸糸を仮撚加工して捲縮を付与した後にポリエステルフィラメントと交絡処理することで本発明の混繊糸を得ることができる。仮撚加工に用いる施撚体としては、ピン、フリクション、ベルトニップなどを用いることができるが、生産性向上の観点から、フリクション、ベルトニップが好ましい。仮撚ヒータ温度はポリアミド部分配向未延伸糸の種類によっても異なるが、120℃以上210℃以下の範囲とするのが好ましい。捲縮が強すぎると、嵩高効果が大きくなりすぎ、清涼感が阻害されるので、さらに好ましい仮撚ヒータ温度は120℃以上150℃以下である。
ポリアミド部分配向未延伸糸を仮撚加工を施した後に交絡ノズルを用いてポリエステルマルチフィラメントと交絡させる。仮撚捲縮を付与したポリアミドはノズル内で開繊しやすく、ポリエステルフィラメントとの交絡をより安定的にさせることができ、織物製造工程、編物製造工程、染色工程でも交絡が外れ難くすることができる。
交絡ノズルは単糸ループがランダムに発生する流体攪乱ノズル(いわゆる“タスラン”ノズル)は好ましくなく、交絡部と非交絡部がある程度安定的に交互に形成できるインターレースノズルが好ましい。この際、好ましい交絡圧は0.1〜0.5MPaである。ノズルの圧空圧が0.5MPaを超えると、交絡が入りすぎ、清涼感を得難くなり、好ましくない。また、ノズルの圧空圧が0.1MPa未満であると、ポリアミド捲縮糸からポリエステルフィラメントに熱放出され難くなり、好ましくない。
本発明の織編物は少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントであれば、どのような方法を用いて製造されても良く、他繊維との合糸、合撚、交織、交編等しても問題ない。さらに、本発明の織編物は、樹脂加工やタンブラー等の処理による機能加工や風合い出し加工等の加工処理を本発明の目的を損なわない範囲内において施すことができる。
また、本発明の織編物は特に用途限定されるものではなく、インナー、ソックス、タイツ、ファンデーション、スポーツ衣料、婦人衣料、ユニフォーム、カジュアルシャツ、裏地等に好ましく使用される。
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中に使用した各特性値は、次の測定法により求めた。
(1)製品糸長差
染色後の織編物を分解して得られた混繊糸の糸長差のことである。約5cmの長さの糸を取り出し、繊維自体が伸びないように注意深く単糸1本1本に分解する。グリセリンを塗布したスケール板上に分解した単糸を乗せて、ポリエステルフィラメント単糸群の平均長をL1、ポリアミド捲縮糸単糸群の平均長をL2として次式により算出する。
製品糸長差(%)={(L2−L1)/L1}×100
(2)製品交絡間隔
染色後の織編物を分解して得られた混繊糸の交絡間隔のことである。交絡は、0.1g/dの張力下における1m当たりの交絡部の数であり、0.02g/dの張力下で非交絡部にピンを刺し、糸条1mにわたり0.1g/dの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、移動した距離を非交絡部とし、ピンが止まる部分を交絡部とする。ここでは、糸条の未解撚部も交絡部として数える。製品交絡間隔は下記式で算出する。
製品交絡間隔(mm)=1000/(1m当たりの交絡部の数)
(3)持続熱移動量(W/cm2
カトーテック(株)製精密迅速熱物性測定装置KES−F7(THERMO LABO II TYPE)を使用し、測定を行った。具体的には、蓄熱体である銅板に室温(20℃)+10℃の熱を蓄え、その銅板を編地の肌側と接する面に乗せる。そして、10秒経過後の銅板から編地に移動する熱移動量を持続熱移動量として算出する。
(4)乾燥時間
織編物生地より幅40cm×長さ40cmの試験片を5枚採取し、20℃×65%RHに設定された温調室で24時間以上放置し、繊維内の水分を平衡状態にする。その時の試験片の重量をWとする。その後、試験片が完全に水中に10分間浸漬し、家庭用洗濯機の脱水装置により30秒脱水する。この試験片を、20℃×65%RHに設定された温調室内にしわのないように広げ、洗濯ばさみでつるし、脱水直後より、5分毎に試料の重量Wmを測定する(m:放置時間)。この時の水分率は下記式で計算される。
水分率={(Wm−W)/W}×100
この水分率が1%以下になるまでにかかる時間測定し、5枚の試験片の平均値を乾燥時間とする。
(5)吸水性
織編物生地を20℃×65%RHに設定された調温室で24時間以上放置し、水分平衡状態にし、幅1cm×長さ20cmの編地試験片を経方向、緯方向でそれぞれ5本ずつ採取する。その試験片の一端をつかみ具によって固定し、他端側の約2cm長さを20±2℃の蒸留水中に浸し、浸漬開始から10分後までに毛細管現象によって水が上昇した距離(mm)を0.5mm間隔で読みとる。経方向、緯方向の試験片についてそれぞれ5回測定し、その合計平均値でもって表す。
(6)洗濯収縮率
織編物生地より、幅50cm×長さ50cmの試験片を5枚採取し、20℃×65%RHに設定された温調室内に24時間以上放置する。各試験片の経、横方向にそれぞれ30cm間隔で3箇所マーキングする。この試験片と追加布で総重量が830gになるようにし、自動反転うず巻き式電気洗濯機で、水量25リットル、水温約40℃、弱アルカリ性合成洗剤1g/リットル、洗濯時間25分の条件で洗濯する。その後、すすぎを10分間行った後濾紙の上で自然乾燥し、マーキングの幅L(mm)を測定する。経方向、緯方向について、下記式により洗濯収縮率を求め平均値を算出する。
洗濯収縮率(%)=(300−L)/3
(7)編地品位評価
実施例及び比較例で作成した編地の表面品位において、相対的に綺麗な表面品位を有しているものを◎、やや綺麗な表面品位を有しているものを○、やや表面が乱れた品位を有しているものを△、大きく表面が乱れた品位を有しているものを×とし、無作為に選んだ5人の評価の平均に近いものを特性とした。
以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
(実施例1)
ナイロン6丸断面高配向未延伸糸に仮撚加工((株)愛機製作所TTNマシン:表1の仮撚条件)を施し、33デシテックス26フィラメントのポリアミド捲縮糸を得る。その後、33デシテックス24フィラメントの丸断面ポリエチレンテレフタレート(PET)フィラメントと交絡処理(東レエンジニアリング(株)製QCIIノズル、表1の混繊条件)を施し、混繊糸を得た。
この混繊糸を28Gシングル丸編機にて天竺組織で編成し、この編地を通常の酸性染料の染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。持続熱移動量は0.02W/cmであり、持続的に清涼感を感じることができた。またベトツキ感もなく、吸汗性、速乾性、寸法安定性、編地品位も良好であった。
(実施例2)
実施例1のナイロン6丸断面高配向未延伸糸をナイロン56丸断面高配向未延伸糸へ変更し、かつPETフィラメントをカチオン可染PETフィラメントに変更し、かつ表1の混繊条件に変更した以外は全て実施例1と同様に混繊糸を作成し、編み地を得た。編地は通常の酸性染料・カチオン染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。持続熱移動量は0.035W/cmであり、持続的に高い清涼感を感じることができた。またベトツキ感もなく、吸汗性、速乾性、寸法安定性、編地品位も良好であった。
(実施例3)
実施例2のナイロン56丸断面高配向未延伸糸をポリビニルピロリドン(BASF社製“ルビスコール”K30スペシャルグレード)6%含有したナイロン56丸断面高配向未延伸糸に変更し、かつ表1の仮撚・混繊条件に変更した以外は全て実施例2と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料・カチオン染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。持続熱移動量は0.052W/cmであり、持続的に高い清涼感を感じることができた。またベトツキ感もなく、吸汗性、速乾性、寸法安定性、編地品位も良好であった。
(実施例4)
実施例2のナイロン56丸断面高配向未延伸糸をナイロン56扁平八葉断面高配向未延伸糸に変更し、かつカチオン可染丸断面PETフィラメントをカチオン可染異型断面PETフィラメントに変更し、さらに表1の混繊条件に変更した以外は全て実施例2と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料・カチオン染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。持続熱移動量は0.042W/cm、吸水性が128mmであり、持続的に高い清涼感、吸汗性を感じることができた。またベトツキ感もなく、速乾性、寸法安定性、編地品位も良好であった。
(比較例1)
実施例1を表1の仮撚条件・混繊条件に変更した以外は全て実施例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。接触瞬間時には清涼感を感じたが、持続的に清涼感を感じることはできなかった。また編地品位もネップが発生する問題も発生した。
(比較例2)
比較例1を表1の仮撚条件・混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、清涼感を感じることはできなかった。また編地品位もネップが発生する問題も発生した。
(比較例3)
比較例1を表1の仮撚条件・混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、接触瞬間時には清涼感を感じたが、持続的に清涼感を感じることはできなかった。また、編地には筋ムラがあり、品位は良くなかった。
(比較例4)
比較例1を表1の仮撚条件・混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編み地を得た。編み地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、結果、清涼感を感じることはできなかった。また、編地には交絡ピッチムラがあり、品位は良くなかった。
(比較例5)
比較例1のナイロン6仮撚加工糸を仮撚加工糸しない通常のナイロン糸に変更し、かつ表1の混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編み地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、結果、清涼感を感じることはできなかった。また、編地にはふくらみがなく、ペーパーライクな風合いであった。
(比較例6)
比較例1のPET丸断面糸をナイロン6丸断面糸に変更し、かつ表1の混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の酸性染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、接触瞬間時には清涼感を感じたが、持続的に清涼感を感じることはできなかった。また、速乾性も低い結果であった。
(比較例7)
比較例1のナイロン6丸断面高配向未延伸糸をPET丸断面高配向未延伸糸に変更し、かつ、表1の仮撚・混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編地は通常の分散染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、清涼感を得ることはできなかった。
(比較例8)
比較例1のナイロン6丸断面高配向未延伸糸をレーヨン糸に変更し、かつ、表1の混繊条件に変更した以外は全て比較例1と同様に混繊糸を作成し、編地を得た。編み地は通常の酸性・反応染料染色加工方法に準じて染色加工を行った。得られた編地の評価結果を表1に示す。結果、持続的に清涼感を感じることができたが、速乾性が悪く、ベトツキ感のある風合いであった。また、寸法安定性も悪く、毛羽が発生し、編地品位も良くなかった。
Figure 2015078459

Claims (3)

  1. 織編物の少なくとも一部がポリアミド捲縮糸とポリエステルフィラメントからなる混繊糸を含む織編物であり、該混繊糸が下記特性を満たし、かつ持続熱移動量が0.01W/cm以上1.0W/cm以下であることを特徴とする織編物。
    −3≦製品糸長差(%)≦5
    10≦製品交絡間隔(mm)≦50
  2. ポリアミド捲縮糸がナイロン56繊維であることを特徴とする請求項1に記載の織編物。
  3. ポリアミド捲縮糸がポリビニルピロリドンを3〜15重量%の量で含有することを特徴とする請求項1または2に記載の織編物。
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