JP2015074926A - 帯電防止床及び帯電防止床の施工方法 - Google Patents

帯電防止床及び帯電防止床の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電防止性能の要求に柔軟に対応でき、コストや施工作業の工数を適切に管理することができる帯電防止床及び帯電防止床の施工方法を提供する。
【解決手段】帯電防止床22は、下地10の上に断面凸状のアース線14を所定間隔で配置し、該アース線14の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床20を形成したものである。アース線14は、例えば、格子状に配置され、その間隔によって帯電防止性能を調整して建物の帯電防止性能の要求に柔軟に対応することができ、施工コストや施工作業の工数を適切に管理することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電防止床及び帯電防止床の施工方法に関する。
エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の塗床材は、電気的な抵抗値が高いため、施工後の塗床上を人が歩行すると、人体に静電気が溜まり易い。そこで、塗床材を施工した床面上での導電性を確保し、人体への静電気の帯電を抑制するために、導電性フィラーを混入した導電性塗床材を床基盤上に塗布して帯電防止床を施工する方法や、カーボン繊維混抄ペーパーを床基盤上に貼着してその上に導電性塗床材を塗布して帯電防止床を施工する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−2417号公報
上記のような帯電防止床は、その床面上に設置される設備やその床面上で行なわれる作業の種類により、要求される帯電防止性能(抵抗値)が異なる。例えば、帯電防止性能の要求が低い床に対し、過剰な帯電防止性能を付与してしまうと、その施工コストが高くなり、施工作業の工数も増大することになる。
また、建物の改修工事において既存の塗床材が残っている場合には、施工期間と施工コストを考慮して既存の塗床材を除去せず、その上に新たな塗床材を塗り重ねる方法が採用されることが多い。その場合、塗床材がさらに厚くなるため電気的な抵抗値がさらに高くなり、人体に帯電する静電気は一層激しいものとなるため、新たに施工される塗床によって十分な帯電防止性能を得られることが望まれる。
本発明は、上記従来の問題を考慮してなされたものであり、帯電防止性能の要求に柔軟に対応でき、コストや施工作業の工数を適切に管理することができる帯電防止床及び帯電防止床の施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る帯電防止床は、下地の上に断面凸状のアース線を所定間隔で配置し、該アース線の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床を形成したことを特徴とする。
また、本発明に係る帯電防止床の施工方法は、下地の上に断面凸状のアース線を所定間隔で配置した後、該アース線の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床を形成することを特徴とする。
このような構成及び方法によれば、塗床の下に断面凸状のアース線を所定間隔で配置するため、その帯電防止性能を所望の値に調整することができる。すなわち、アース線の設置間隔を変更するだけで施工される建物の帯電防止性能の要求に柔軟に対応できるため、施工コストや施工作業の工数を適切に管理することができる。しかも、アース線を断面凸状としたことにより、塗床を形成する塗床材自体の導電性の有無に関わらず該塗床からアース線への導通が確保され、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床を構築することができる。
前記アース線を所定間隔を持った格子状に配置すると、床面上の各方向に均等にアース線を配置することができ、より安定した帯電防止性能を得ることができる。
前記アース線は、前記塗床の厚みの半分以上の高さ寸法を有することが好ましい。そうすると、塗床の導電性の有無に関わらず、塗床の表面とアース線との間での導通をより確実に確保でき、十分な帯電防止性能を得ることができる。
前記アース線を、少なくとも表面に導電性を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材で形成したものとしてもよい。そうすると、アース線の塗床上への設置作業を容易に行うことができる。
前記アース線を、導電性を有する塗布材で形成したものとしてもよい。この場合にも、アース線の塗床上への設置作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、アース線の設置間隔を変更するだけで施工される建物の帯電防止性能の要求に柔軟に対応できるため、施工コストや施工作業の工数を適切に管理することができる。
図1は、既存の塗床の上にアース線を格子状に配置した状態を模式的に示す斜視断面図である。 図2は、図1に示す塗床及びアース線の上に新たな塗床を施工して帯電防止床を構築した状態を模式的に示す斜視断面図である。 図3は、図2に示す帯電防止床のアースターミナルをアンカー杭によって構成した場合の構造例を模式的に示す断面図である。 図4は、下地の上に直接的にアース線を配置した構成例を示す断面図である。 図5は、試験用の帯電防止床を示す平面図であり、図5(A)は、アース線を50cm間隔で設置した図であり、図5(B)は、アース線を25cm間隔で設置した図であり、図5(C)は、アース線を12.5cm間隔で設置した図である。 図6は、図5(A)〜図5(C)に示す試験用の帯電防止床の抵抗値を示すグラフである。
以下、本発明に係る帯電防止床について、その施工方法との関係で好適な実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る帯電防止床は、建物の改修工事等において、コンクリート等の下地(床基盤)の上に塗布材を塗布して形成された既存の塗床を除去せず、その上に抵抗値を調整した新たな塗床を形成することで、所望の帯電防止性能を持った帯電防止床を低コストで構築したものである。後述するように、本実施形態に係る帯電防止床は、建物の新築工事時に構築することもできる(図4参照)。
先ず、本実施形態に係る帯電防止床の施工方法では、図1に示すように、下地10の上に施工された塗床12の上に、格子状(碁盤目状)にアース線14を配置する。
下地10は、建物の床を構成するコンクリート、モルタル等の一般的な床材料で形成された床基盤であり、本実施形態では、コンクリート系の下地10を用いた場合を例示する。
塗床(第1塗床)12は、例えば、従来より一般的に用いられている帯電防止性能を持たないエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の塗床材(第1塗床材)を、下地10の表面に流し延べによって塗布・乾燥させて形成したものである。
アース線14は、導電性部材を断面凸状からなる線状に形成したものである(図3も参照)。図1及び図3に示すように、アース線14は、本実施形態では断面半球状としているが、断面凸状、つまりある程度の高さ寸法と幅寸法とを持っていれば、断面矩形状や断面球状等であってもよい。この場合、アース線14は、後述する新たな塗床20の厚み(塗布厚み)の半分以上の高さ寸法を有するとよく、好ましくは塗床20の厚みより僅かに低い程度、例えば塗床20の厚みの70%〜95%程度の高さ寸法を有するとよい。
アース線14は、塗床12の表面に導電性を持ったテープ状部材(導電性テープ)を貼着するテープ方式、又は、塗床12の表面に導電性を持った塗料や樹脂等の塗布材(導電性塗布材)を線状に塗布する塗布方式によって形成するとよい。図1に示す例では、塗床12の表面に、アース線14を一定間隔をあけて縦横が直交した格子状となるように配置している。アース線14は、その縦横が斜めに交差した斜め格子状の配置等とされてもよい。アース線14の配置間隔は、一つの帯電防止床22,22a内で一定であってもよいし、変化するものであってもよい。アース線14は、工場等で予め複数のアース線14を所定間隔の格子状のシート(メッシュシート)として形成しておき、このシートを現場で接着等によって施工してもよい。アース線14は、格子状ではなく、平行方向に並列させた配置等であってもよい。アース線14の幅は、例えば、1〜5cm程度、アース線14の配置間隔は、例えば、10〜150cm程度である。詳細は後述するが、アース線14の配置間隔を適宜変更することにより、構築される帯電防止床22,22a(図3及び図4参照)の抵抗値を調整することができる。また、アース線14の幅を変更することによっても、構築される帯電防止床22,22aの抵抗値を調整することができる。
テープ方式のアース線14としては、銅やアルミニウム等の素材自体が導電性を持った金属材料をテープ状に形成した導電性金属テープ、又は、樹脂テープの表面にカーボンや金属粉を付着させた導電性樹脂テープを例示できる。すなわち、導電性テープは、少なくとも表面(上面)に導電性を持った導電面を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材であればよい。ここで、接着面は、テープの裏面自体に接着剤が付着されていてもよく、所定の接着剤を別途塗布して用いるものでもよい。例えば、一般的な市販品の導電性テープの抵抗値は、0.01〜0.2(Ω/cm)程度である。
塗布方式のアース線14としては、カーボンや金属粉等の導電性フィラーを混入した導電性を持つ樹脂材料や塗料等の塗布材を例示でき、硬化後に必要な厚み(高さ寸法)を確保できるものを用いることが好ましい。また、施工作業の効率を考慮すると速乾性のものを用いることが好ましい。
図1に示すように、格子状に配置されたアース線14のうち、1本(又は複数本)のアース線14がアースターミナル16に接続される。アースターミナル16は、建物の柱や壁に近い場所では、そこに施工された鉄筋や金属製枠等に対してアースされればよい。また、図3に示すように、既存の塗床12から下地10へと金属製のアンカー杭18を打ち込み、このアンカー杭18にアース線14を接続することでアースターミナル16としてもよい。
次に、図2に示すように、格子状に配置したアース線14の上から塗床12上へと塗床材(第2塗床材)を塗布して新たな塗床20を施工し、これにより十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22が構築される。
塗床(第2塗床)20は、塗床材を塗床12及びアース線14の表面に流し延べによって塗布・乾燥させて形成したものである。塗床20を形成するための塗床材は、導電性を持たない一般的なもの、又は、導電性を持ったもの(導電性塗床材)のいずれを用いてもよい。塗床20は、アース線14の表面(導電面)に接触し、アース線14を覆うように施工される(図3参照)。塗床材の塗布量は、特に限定されないが、例えば、乾燥・硬化後(施工完了後)の塗布厚みが0.5mm〜2mm程度、好ましくは、1mm程度となるようにするとよい。塗布方法としては、例えば金ゴテによる流し延べ工法等、通常の塗り床材と同様の施工方法でよく、一般的な使用量としては0.8〜1.2Kg/m程度となる。
導電性を持たない一般的な塗床材としては、下層となる塗床12を形成する塗床材と同様なものでよく、例えば、従来より一般的に用いられている帯電防止性能を持たないエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系のものを用いるとよい。導電性を持たない一般的な塗床材を用いて塗床20を形成する場合、アース線14の上を被覆する部分での塗床20の厚みは、塗床20上を歩行する人とアース線14との間で十分な導通を確保できる程度に薄く形成されることが好ましい。
導電性塗床材としては、上記した導電性を持たない一般的なエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の塗床材を基材とし、この基材に対して導電性フィラーやイオン性液体を混入することで、帯電防止性能を有するものを用いるとよい。例えば、導電性フィラーを混入したものでは約10Ω、イオン性液体を混入したものでは約10Ωの電気抵抗値を持った帯電防止塗床材(導電性塗床材)となる。導電性塗床材を用いることにより、塗床20上を歩行する人とアース線14との間の導通を当該導電性塗床材によって確実に確保できるため、アース線14の上を被覆する部分での塗床20の厚みも導電性を持たない塗床材を用いる場合と比べて厳密に設定される必要はなく、施工が容易である。
導電性フィラーとしては、特に限定されないが、従来より塗床材や接着剤等に帯電防止目的で用いられているものでよく、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛等の導電性金属やその酸化物の粉末、酸化チタンやチタン酸カリウム等を酸化錫、酸化アンチモン等で表面処理を行った粉末、導電性カーボン、グラファイト等の粉末の導電性無機物等、又はそれらの混合物を用いればよい。導電性フィラーの形状は任意であり、例えば、フレーク状、球状(粒状)、繊維状等とすればよい。
イオン性液体とは、イオンのみから構成される塩、特に液体化合物をいい、支持電解質を加えなくても電流を流すことができて広い電位窓を示すものである。イオン性液体の中でも、脂環式系イオン性液体と脂肪族系イオン性液体が好ましい。イオン性液体には、アミン系、ピリジン系、ハロゲン系、ホウ素系、リン系等があるが、特にアミン系のもの(脂環式アミン系イオン性液体、脂肪族アミン系イオン性液体)は、エポキシ樹脂の塗膜物性(例えば、製品強度や耐久性)を低下させにくいため、本実施形態の塗床材に好適に用いることができる。
脂環式アミン系イオン性液体としては、特に限定されないが、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムブロマイド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムクロライド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムブロマイド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムクロライド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチルーN−プロピルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムブロマイド、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムクロライド、N−メチルーN−ブチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、等、またこれら脂環式アミンの混合物等が挙げられる。
脂肪族アミン系イオン性液体としては、特に限定されないが、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムブロマイド、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルビスアミド等、またこれら脂肪族アミンの混合物等が挙げられる。
なお、一般に、脂肪族系イオン性液体は脂環式系イオン性液体を含む概念として用いられるが、本発明では、互いに混合される脂肪族系イオン性液体と脂環式系イオン性液体とを区別するため、脂肪族系イオン性液体は脂環式系イオン性液体を含まず、鎖状の脂肪族系イオン性液体を示すものとする。
当該導電性塗床材には、必要に応じて、硬化剤や充填材等をさらに含有してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン化合物等の一般に知られているエポキシ樹脂用の硬化剤を用いるとよい。充填材としては、例えば、シリカ粉等の無機充填材を用いるとよく、さらに顔料等を混合してもよい。また、当該導電性塗床材は、硬化剤を含んだ1液型であってもよく、硬化剤を含まない帯電防止塗り床材と硬化剤との2液型であってもよい。
当該導電性塗床材では、脂環式系イオン性液体(例えば、脂環式アミン系イオン性液体)と脂肪族系イオン性液体(例えば、脂肪族アミン系イオン性液体)との混合物の合計含有量が、無溶剤型エポキシ樹脂に対して、3質量%〜10質量%、好ましくは、5質量%となるように配合するとよい。この配合量とすることで、高い耐久性や製品品質を有しつつ、十分な帯電防止性能を有する導電性塗床材を生成することができる。イオン性液体の合計配合量が3質量%より低いと導電性が低くなり過ぎることがあり、また、イオン性液体の合計配合量が10質量%より高いと、塗膜物性が低下して耐久性等に問題を生じることがある。
このような導電性塗床材は、その下層となる塗床12との間に介在するアース線14との間で十分な導通が確保できればよく、例えば、印加電圧10V〜1000V(室温23℃、相対湿度30%)での抵抗値(電気抵抗値)が、10Ωオーダー、すなわち1010Ω未満となるようにするとよい。導電性塗床材の電気抵抗値が、上記条件下で1010Ω未満となるようにすると、塗床20の帯電防止性能を、人が痛みを感じる静電気放電を抑えることができる程度に高いものとすることができる。
脂環式系イオン性液体と脂肪族系イオン性液体との混合比としては、その重量比(脂環式系イオン性液体:脂肪族系イオン性液体。例えば、脂環式アミン系イオン性液体:脂肪族アミン系イオン性液体)が、30:70〜90:10程度、好ましくは、45:55であると、前記導電性塗床材の塗膜性状や導電性への影響を少なくすることができる。脂環式系イオン性液体の脂肪族系イオン性液体に対する重量比が30:70より低いと(例えば、20:80)、塗膜の強度低下、導電性の低下を生じることがあり、重量比が90:10より高いと(例えば、95:5)、導電性が低くなり十分な帯電防止性能を得ることができないことがある。
本実施形態に係る帯電防止床22は、図4に示すように、塗床12を設けず、下地10の上に直接的にアース線14を配置し、その上に塗床20を形成した帯電防止床22aとして構成してもよい。この帯電防止床22aは、例えば、既存の塗床12がない、新築の建物等に好適に利用できる。
次に、アース線14の配置間隔による帯電防止床22(22a)の抵抗値の調整方法について説明する。
上記したように、帯電防止床22(22a)では、アース線14の配置間隔(本実施形態では格子の間隔)を適宜変更することにより、その抵抗値を調整でき、要求される帯電防止性能に柔軟に対応することができる。
図5は、縦横がそれぞれ100cmの塗床20(図中に2点鎖線で示す)の下に所定間隔でアース線14を格子状に配置した試験用の帯電防止床22(22a)を示す平面図であり、図5(A)は、アース線14を50cm間隔で設置したものであり、図5(B)は、アース線14を25cm間隔で設置したものであり、図5(C)は、アース線14を12.5cm間隔で設置したものである。なお、図5に示す試験用のアース線14は、幅2cmのものを使用した。
図5(A)〜図5(C)に示す試験用の帯電防止床22の抵抗値(表面抵抗)を塗床20の上から測定することにより、各配置間隔で得られた抵抗値(平均抵抗値(Ω))を示すデータを図6に示す。なお、この試験の塗床20には、抵抗値が10Ωの導電性塗床材を使用しており、アース線14の直上部分での塗床20上での抵抗値は10Ωであった。
図6に示すように、帯電防止床22では、アース線14の配置間隔が狭い条件(図5(C)に示す12.5cm間隔)の抵抗値が最も低く、次に、アース線14の配置間隔が中間の条件(図5(B)に示す25cm間隔)の抵抗値が低く、アース線14の配置間隔が広い条件(図5(A)に示す50cm間隔)の抵抗値が最も高い結果となった。つまり、アース線14の配置間隔(ピッチ)を狭くすると帯電防止床22の抵抗値が低くなり、アース線14の配置間隔を広くすると帯電防止床22の抵抗値が高くなるという結果が得られた。一方、施工コストに関しては、通常、アース線14の配置間隔を狭くするとアース線14の使用量が増加し、施工作業の工数も増加する傾向にあるためコストが高くなり、アース線14の配置間隔を広くするとアース線14の使用量が減少し、施工作業の工数も減少する傾向にあるため、コストが低くなる。従って、帯電防止床22(22a)が施工される建物の帯電防止性能の要求値に応じた最適な抵抗値を得られる配置間隔でアース線14を施工することにより、帯電防止性能と施工コストの両立を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る帯電防止床22(22a)は、下地10の上に断面凸状のアース線14を所定間隔で配置し、該アース線14の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床20を形成する。また、本実施形態に係る帯電防止床の施工方法は、下地10の上に断面凸状のアース線14を所定間隔で配置した後、該アース線14の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床20を形成する。
このように、帯電防止床22(22a)では、塗床20の下に断面凸状のアース線14を所定間隔で配置するため、その帯電防止性能を所望の値に調整することができる。すなわち、アース線14の設置間隔を変更するだけで施工される建物の帯電防止性能の要求に柔軟に対応できるため、施工コストや施工作業の工数を適切に管理することができる。
しかも、帯電防止床22(22a)は、断面凸状のアース線14の上に塗床20を形成するだけで帯電防止性能を持つことができる。このため、建物の新築時だけでなく、建物の改修工事等において、塗床材で形成された既存の塗床12を除去せずに、その上から新たな塗床20を施工する場合であっても、新たな塗床20の下に断面凸状のアース線14を格子状に埋設しているため、塗床20を形成する塗床材自体の導電性の有無に関わらず、塗床20からアース線14への導通が確保され、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22を構築することができる。これにより、既存の塗床12を残したまま新たな塗床20を施工でき、しかも塗床12と塗床20との間の全面にアース線14を埋設する必要等がないため、低コストでの施工が可能となる。換言すれば、本実施形態によれば、施工後の新たな塗床20上で発生する静電気は、その下面側に設けられた断面凸状のアース線14から除電されるため、その下地となる既存の塗床12の導電性能、及びその上を覆う塗床20の導電性能は関係しない。従って、建物の改修工事時に、既存の塗床12の導電性能を考慮することなく、そのまま十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22を構築できるため、作業効率も向上する。
この場合、アース線14を所定間隔を持った格子状に配置すると、床面上の各方向に均等にアース線14を配置することができ、より安定した帯電防止性能が期待できる。なお、上記したように、アース線14は格子状ではなく、平行に並列した配置等としてもよい。
アース線14は、その上から施工される塗床材(塗床20)によって隠されるため、格子の間隔は多少のずれや歪みがあっても意匠上・帯電防止性能上の問題を生じることはない。この際、アース線14の配置によっては、部分的に若干の抵抗値のばらつきを生じる可能性もある。しかしながら、帯電防止床22上を歩行する人は、数歩の歩行の間に1歩のペースで除電ができれば、人体での帯電電位の上昇は抑えられるため問題はない。
すなわち、本実施形態に係る帯電防止床の施工方法を用いることにより、アース線14から外れた塗床20上でも10Ω程度、アース線14の真上では10Ω程度の電気抵抗値を持った帯電防止床22を構成できる。このため、アース線14から外れた部分であっても十分な除電効果が担保され、さらに人が数歩に1歩程度の割合でアース線14の真上を踏むことにより、より高い除電効果を得ることができる。従って、アース線14の設置間隔(格子の間隔)は、例えば、10cm〜150cm程度のピッチとしておくと、高い帯電防止性能を確保できるため好ましい。
アース線14は、例えば、塗床20の厚み(塗布厚み)の半分以上の高さ寸法を有すると、塗床20の導電性の有無に関わらず、塗床20の表面とアース線14との間での導通をより確実に確保でき、十分な帯電防止性能を得ることができる。
塗床20を構成する導電性塗床材は、基材となる樹脂材料にイオン性液体を混入させたものであってもよく、樹脂材料に導電性フィラーを混入させたものであってもよい。イオン性液体を混入させて導電性塗床材を生成する場合には、イオン性液体として、脂環式系イオン性液体と、脂肪族系イオン性液体とを配合すると、十分な導電性を備えた導電性塗床材を生成することができる。ここで、脂環式系イオン性液体として脂環式アミン系イオン性液体を用い、脂肪族系イオン性液体として脂肪族アミン系イオン性液体を用いると、その塗膜物性を低下させることを防止でき、より均一な塗布が可能となり、また、塗布後の塗床20の耐久性を向上させることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 下地
12,20 塗床
14 アース線
16 アースターミナル
18 アンカー杭
22,22a 帯電防止床

Claims (7)

  1. 下地の上に断面凸状のアース線を所定間隔で配置し、該アース線の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床を形成したことを特徴とする帯電防止床。
  2. 請求項1記載の帯電防止床において、
    前記アース線を所定間隔を持った格子状に配置したことを特徴とする帯電防止床。
  3. 請求項1又は2記載の帯電防止床において、
    前記アース線は、前記塗床の厚みの半分以上の高さ寸法を有することを特徴とする帯電防止床。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止床において、
    前記アース線を、少なくとも表面に導電性を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材で形成したことを特徴とする帯電防止床。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止床において、
    前記アース線を、導電性を有する塗布材で形成したことを特徴とする帯電防止床。
  6. 下地の上に断面凸状のアース線を所定間隔で配置した後、該アース線の上から塗床材を塗布することで抵抗値を調整した塗床を形成することを特徴とする帯電防止床の施工方法。
  7. 請求項6記載の帯電防止床の施工方法において、
    前記アース線を所定間隔を持った格子状に配置することを特徴とする帯電防止床の施工方法。
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