JP6124075B2 - 塗床材の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の床に塗布した塗床材に導電性を付与するための塗床材の施工方法に関する。
エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の塗床材は、電気的な抵抗値が高いため、施工後の塗床上を人が歩行すると、人体に静電気が溜まり易い。そこで、塗床材を施工した床面上での導電性を確保し、人体への静電気の帯電を抑制するために、導電性フィラーを混入した導電性塗床材を床基盤上に塗布する方法や、カーボン繊維混抄ペーパーを床基盤上に貼着してその上に導電性塗床材を塗布する方法が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、建物の改修工事において既存の塗床材が残っている場合には、施工期間と施工コストを考慮して既存の塗床材を除去せず、その上に新たな塗床材を塗り重ねる方法が採用されることが多い。その場合、塗床材がさらに厚くなるため電気的な抵抗値がさらに高くなり、人体に帯電する静電気は一層激しいものとなるため、その対策が求められる。
特開平6−2417号公報
そこで、上記のように既存の塗床材を残したまま、上から新たな厚塗りの塗床材を施工した場合に激しい放電を伴うような静電気の発生を抑えるために、以下の方法が考えられる。
例えば、既存の塗床上にカーボン等を混入した導電性プライマーを全面に塗布し、その上から導電性塗床材を施工する方法がある。この方法は、上記従来技術のような通常の導電性塗床材を施工する場合と同様な方法であり、十分な帯電防止効果は得られるものの施工コストが高い。
また、例えば、既存の塗床上に通常の塗床材を施工し、その表面に帯電防止ワックスを塗布する方法がある。この方法では、帯電防止ワックスは比較的低コストで帯電防止効果を得ることができるという利点があるが、数ヶ月毎に塗り直しのメンテナンスを行う必要があり、結果的にコストや手間が高くなってしまう。また、工場など常に稼働している施設ではメンテナンスのスケジュールが確保しにくい。
本発明は、上記従来の問題を考慮してなされたものであり、低コストで十分な帯電防止性能を得ることができる塗床材の施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る塗床材の施工方法は、下地の上に塗床材を塗布して形成した塗床の表面を斫ることで格子状の溝部を形成した後、該溝部の上から前記塗床上へと導電性を有する導電性塗床材を塗布することで新たな塗床を施工することを特徴とする。
このような方法によれば、建物の改修工事等において、塗床材で形成された既存の塗床を除去せずに、その上から新たな塗床を施工する場合であっても、導電性塗床材で形成された新たな塗床の下に格子状の溝部を設けているため、例えば、溝部内に流れ込んだ導電性塗布材や別途溝部内に配置されるアース線への新たな塗床からの導通が確保され、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床を構築することができる。これにより、既存の塗床を残したまま新たな塗床を施工でき、しかも既存の塗床と新たな塗床との間の全面にアース用の導電性部材を埋設する必要等がないため、低コストでの施工が可能となる。
前記溝部にアース線を配置した後、該アース線の上から前記塗床上へと前記導電性塗床材を塗布するようにしてもよい。溝部内にアース線を配置することにより、新たな塗床での帯電防止性能を一層高めることができる。
前記アース線は、少なくとも表面に導電性を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材で形成され、前記テープ状部材は、前記接着面が前記溝部の底面に貼着られ、前記表面が前記導電性塗床材に接触配置されるとよい。そうすると、アース線の溝部への設置作業を容易に行うことができ、しかも導電性塗床材で形成した新たな塗床とアース線との間の導通を確保することができる。
前記アース線は、導電性を有する塗布材で形成されてもよい。この場合にも、アース線の溝部への設置作業を容易に行うことができ、しかも導電性塗床材で形成した新たな塗床とアース線との間の導通を確保することができる。
本発明によれば、導電性塗床材で形成される新たな塗床の下に格子状の溝部を設けているため、例えば、溝部内に流れ込んだ導電性塗布材や別途溝部内に配置されるアース線への新たな塗床からの導通が確保され、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床を構築することができる。これにより、既存の塗床を残したまま新たな塗床を施工でき、低コストでの帯電防止床の施工が可能となる。
図1は、既存の塗床の上にアース線を格子状に配置した状態を模式的に示す斜視断面図である。 図2は、図1に示す塗床及びアース線の上に導電性塗床材によって新たな塗床を施工して帯電防止床を構築した状態を模式的に示す斜視断面図である。 図3は、図2に示す帯電防止床のアースターミナルをアンカー杭によって構成した場合の構造例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る塗床材の施工方法について好適な実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る塗床材の施工方法は、建物の改修工事等において、コンクリート等の下地(床基盤)の上に塗布材を塗布して形成された既存の塗床を除去せず、その上に新たな塗床を形成することで、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床を低コストで構築する方法である。
先ず、本実施形態に係る塗床材の施工方法では、図1に示すように、下地10の上に施工された塗床12の表面を格子状(碁盤目状)に斫ることで溝部13を格子状に形成し、この溝部13にアース線14を配置することでアース線14を格子状に配置する。
下地10は、建物の床を構成するコンクリート、モルタル等の一般的な床材料で形成された床基盤であり、本実施形態では、コンクリート系の下地10を用いた場合を例示する。
塗床(第1塗床)12は、例えば、従来より一般的に用いられている帯電防止性能を持たないエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の塗床材を、下地10の表面に流し延べによって塗布・乾燥させて形成したものである。
溝部13は、塗床12の表面を格子状に斫って形成したものである(図3も参照)。図3に示すように、溝部13の深さは、塗床12の厚みと同程度又は多少大きいか小さい程度に形成するとよい。図1に示す例では、塗床12の表面に、溝部13を一定間隔をあけて縦横が直交した格子状となるように形成している。溝部13は、その縦横が斜めに交差した斜め格子状等に形成されてもよい。溝部13の断面形状は、図3に示すような矩形状以外、例えば、円形状等であってもよい。溝部13の配置間隔は、一つの帯電防止床22内で一定であってもよいし、変化するものであってもよい。溝部13は、格子状ではなく、平行方向に並列させた配置等であってもよい。溝部13の幅は、例えば、1〜5cm程度、溝部13の配置間隔は、例えば、10〜150cm程度である。溝部13の配置間隔、つまりアース線14の配置間隔を適宜変更することにより、構築される帯電防止床22の抵抗値を調整することができる。また、溝部13の幅を変更することによっても、構築される帯電防止床22の抵抗値を調整することができる。
アース線14は、導電性部材を線状に形成したものである。アース線14は、溝部13の底面に導電性を持ったテープ状部材(導電性テープ)を貼着するテープ方式、又は、溝部13の内部に導電性を持った塗料や樹脂等の塗布材(導電性塗布材)を塗布する塗布方式によって形成するとよい。アース線14は溝部13内に埋設可能な形状であればよく、溝部13内に完全に埋設可能なもののみならず、その上部開口から上方へと多少突出する程度のものであってもよい。アース線14は、工場等で予め複数のアース線14を所定間隔の格子状のシート(メッシュシート)として形成しておき、このシートを現場で溝部13に合わせ、接着等によって施工してもよい。
テープ方式のアース線14としては、銅やアルミニウム等の素材自体が導電性を持った金属材料をテープ状に形成した導電性金属テープ、又は、樹脂テープの表面にカーボンや金属粉を付着させた導電性樹脂テープを例示できる。すなわち、導電性テープは、少なくとも表面(上面)に導電性を持った導電面を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材であればよい。ここで、接着面は、テープの裏面自体に接着剤が付着されていてもよく、所定の接着剤を別途塗布して用いるものでもよい。例えば、一般的な市販品の導電性テープの抵抗値は、0.01〜0.2(Ω/cm)程度である。
塗布方式のアース線14としては、カーボンや金属粉等の導電性フィラーを混入した導電性を持つ樹脂材料や塗料等の塗布材を例示でき、特に施工作業の効率を考慮して速乾性のものを用いることが好ましい。この塗布方式のアース線14の代わりに、後述する塗床20を形成する導電性塗床材を溝部13内に流し入れることで作業工程上アース線14の設置を省略し、溝部13内で十分な高さ寸法(断面積)を持って硬化した導電性塗床材を実質上のアース線として機能させることもできる。
図1に示すように、溝部13を介して格子状に配置されたアース線14のうち、1本(又は複数本)のアース線14がアースターミナル16に接続される。アースターミナル16は、建物の柱や壁に近い場所では、そこに施工された鉄筋や金属製枠等に対してアースされればよい。また、図3に示すように、既存の塗床12から下地10へと金属製のアンカー杭18を打ち込み、このアンカー杭18にアース線14を接続することでアースターミナル16としてもよい。
次に、図2に示すように、格子状に配置したアース線14の上から塗床12上へと導電性塗床材を塗布して新たな塗床20を施工し、これにより十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22が構築される。
塗床(第2塗床)20は、導電性を持った塗床材(導電性塗床材)を、塗床12及びアース線14の表面に流し延べによって塗布・乾燥させて形成したものである。塗床20は、アース線14の表面(導電面)に接触するように施工される。上記のようにアース線14を設置しない場合には、導電性塗床材が溝部13の内部に確実に流れ込むように施工する必要がある。導電性塗床材としては、上記した塗床12を形成する一般的なエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の塗床材を基材とし、この基材に対して導電性フィラーやイオン性液体を混入することで、帯電防止性能を有するものを用いるとよい。例えば、導電性フィラーを混入したものでは約10Ω、イオン性液体を混入したもので約10Ωの電気抵抗値を持った帯電防止塗床材(導電性塗床材)となる。この導電性塗床材の塗布量は、特に限定されないが、例えば、乾燥・硬化後(施工完了後)の塗布厚みが0.5mm〜2mm程度、好ましくは、1mm程度となるようにするとよい。塗布方法としては、例えば金ゴテによる流し延べ工法等、通常の塗り床材と同様の施工方法でよく、一般的な使用量としては0.8〜1.2Kg/m程度となる。
導電性フィラーとしては、特に限定されないが、従来より塗床材や接着剤等に帯電防止目的で用いられているものでよく、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛等の導電性金属やその酸化物の粉末、酸化チタンやチタン酸カリウム等を酸化錫、酸化アンチモン等で表面処理を行った粉末、導電性カーボン、グラファイト等の粉末の導電性無機物等、又はそれらの混合物を用いればよい。導電性フィラーの形状は任意であり、例えば、フレーク状、球状(粒状)、繊維状等とすればよい。
イオン性液体とは、イオンのみから構成される塩、特に液体化合物をいい、支持電解質を加えなくても電流を流すことができて広い電位窓を示すものである。イオン性液体の中でも、脂環式系イオン性液体と脂肪族系イオン性液体が好ましい。イオン性液体には、アミン系、ピリジン系、ハロゲン系、ホウ素系、リン系等があるが、特にアミン系のもの(脂環式アミン系イオン性液体、脂肪族アミン系イオン性液体)は、エポキシ樹脂の塗膜物性(例えば、製品強度や耐久性)を低下させにくいため、本実施形態の塗床材に好適に用いることができる。
脂環式アミン系イオン性液体としては、特に限定されないが、例えば、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムブロマイド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムクロライド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムブロマイド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムクロライド、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチルーN−プロピルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムブロマイド、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムクロライド、N−メチルーN−ブチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、等、またこれら脂環式アミンの混合物等が挙げられる。
脂肪族アミン系イオン性液体としては、特に限定されないが、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムブロマイド、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N−トリメチルーN−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルビスアミド等、またこれら脂肪族アミンの混合物等が挙げられる。
なお、一般に、脂肪族系イオン性液体は脂環式系イオン性液体を含む概念として用いられるが、本発明では、互いに混合される脂肪族系イオン性液体と脂環式系イオン性液体とを区別するため、脂肪族系イオン性液体は脂環式系イオン性液体を含まず、鎖状の脂肪族系イオン性液体を示すものとする。
当該導電性塗床材には、必要に応じて、硬化剤や充填材等をさらに含有してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン化合物等の一般に知られているエポキシ樹脂用の硬化剤を用いるとよい。充填材としては、例えば、シリカ粉等の無機充填材を用いるとよく、さらに顔料等を混合してもよい。また、当該導電性塗床材は、硬化剤を含んだ1液型であってもよく、硬化剤を含まない帯電防止塗り床材と硬化剤との2液型であってもよい。
当該導電性塗床材(塗床20)では、脂環式系イオン性液体(例えば、脂環式アミン系イオン性液体)と脂肪族系イオン性液体(例えば、脂肪族アミン系イオン性液体)との混合物の合計含有量が、無溶剤型エポキシ樹脂に対して、3質量%〜10質量%、好ましくは、5質量%となるように配合するとよい。この配合量とすることで、高い耐久性や製品品質を有しつつ、十分な帯電防止性能を有する導電性塗床材を生成することができる。イオン性液体の合計配合量が3質量%より低いと導電性が低くなり過ぎることがあり、また、イオン性液体の合計配合量が10質量%より高いと、塗膜物性が低下して耐久性等に問題を生じることがある。
このような導電性塗床材(塗床20)は、その下層となる塗床12との間に介在するアース線14(又は溝部13内に入り込んだ導電性塗床材)との間で十分な導通が確保できればよく、例えば、印加電圧10V〜1000V(室温23℃、相対湿度30%)での抵抗値(電気抵抗値)が、10Ωオーダー、すなわち1010Ω未満となるようにするとよい。導電性塗床材の電気抵抗値が、上記条件下で1010Ω未満となるようにすると、塗床20の帯電防止性能を、人が痛みを感じる静電気放電を抑えることができる程度に高いものとすることができる。
脂環式系イオン性液体と脂肪族系イオン性液体との混合比としては、その重量比(脂環式系イオン性液体:脂肪族系イオン性液体。例えば、脂環式アミン系イオン性液体:脂肪族アミン系イオン性液体)が、30:70〜90:10程度、好ましくは、45:55であると、前記導電性塗床材の塗膜性状や導電性への影響を少なくすることができる。脂環式系イオン性液体の脂肪族系イオン性液体に対する重量比が30:70より低いと(例えば、20:80)、塗膜の強度低下、導電性の低下を生じることがあり、重量比が90:10より高いと(例えば、95:5)、導電性が低くなり十分な帯電防止性能を得ることができないことがある。
以上のように、本実施形態に係る塗床材の施工方法によれば、下地10の上に塗床材を塗布して形成した塗床12の表面を斫ることで格子状の溝部13を形成した後、該溝部13の上から塗床12上へと導電性を有する導電性塗床材を塗布することで新たな塗床20を施工する。
従って、建物の改修工事等において、塗床材で形成された既存の塗床12を除去せずに、その上から新たな塗床20を施工する場合であっても、導電性塗床材で形成された塗床20の下に格子状の溝部13を設けているため、例えば、溝部13内に流れ込んだ導電性塗布材や別途溝部13内に配置されるアース線14への塗床20からの導通が確保され、十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22を構築することができる。これにより、既存の塗床12を残したまま新たな塗床20を施工でき、しかも塗床12と塗床20との間の全面にアース線14等を埋設する必要等がないため、低コストでの施工が可能となる。換言すれば、本実施形態によれば、施工後の新たな塗床20上で発生する静電気は、その下面側に設けられた溝部13内に流れ込んで十分な断面積を持った導電性塗床材、又は溝部13内に配置されたアース線14から除電されるため、その下地となる既存の塗床12の導電性能は関係しない。従って、建物の改修工事時に、既存の塗床12の導電性能を考慮することなく、そのまま十分な帯電防止性能を持った帯電防止床22を構築できるため、作業効率も向上する。このような施工方法は、建物の改修工事の他、新築工事時においても勿論使用可能である。
なお、溝部13にアース線14を配置しておけば、帯電防止床22の帯電防止性能を一層高めることができる。
溝部13及びアース線14は、その上から施工される導電性塗床材(塗床20)によって隠されるため、格子の間隔は多少のずれや歪みがあっても意匠上・帯電防止性能上の問題を生じることはない。この際、溝部13の施工品質やアース線14の配置によっては、部分的に若干の抵抗値のばらつきを生じる可能性もある。しかしながら、帯電防止床22上を歩行する人は、数歩の歩行の間に1歩のペースで除電ができれば、人体での帯電電位の上昇は抑えられるため問題はない。
すなわち、本実施形態に係る塗床材の施工方法を用いることにより、溝部13(アース線14)から外れた塗床20上でも10Ω程度、溝部13(アース線14)の真上では10Ω程度の電気抵抗値を持った帯電防止床22を構成できる。このため、溝部13から外れた部分であっても十分な除電効果が担保され、さらに人が数歩に1歩程度の割合で溝部13の真上を踏むことにより、より高い除電効果を得ることができる。従って、溝部13の形成間隔(格子の間隔)は、例えば、50cm〜150cm程度のピッチとしておくと、高い帯電防止性能を確保できるため好ましい。
塗床20を構成する導電性塗床材は、基材となる樹脂材料にイオン性液体を混入させたものであってもよく、樹脂材料に導電性フィラーを混入させたものであってもよい。イオン性液体を混入させて導電性塗床材を生成する場合には、イオン性液体として、脂環式系イオン性液体と、脂肪族系イオン性液体とを配合すると、十分な導電性を備えた導電性塗床材を生成することができる。ここで、脂環式系イオン性液体として脂環式アミン系イオン性液体を用い、脂肪族系イオン性液体として脂肪族アミン系イオン性液体を用いると、その塗膜物性を低下させることを防止でき、より均一な塗布が可能となり、また、塗布後の塗床20の耐久性を向上させることができる。
また、上記のように、溝部13、つまりアース線14の配置間隔を適宜変更することにより、帯電防止床22の抵抗値を所望の値に調整することができ、建物の帯電防止性能の要求に柔軟に対応できるため、帯電防止床22の施工コストや施工作業の工数を適切に管理することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 下地
12,20 塗床
13 溝部
14 アース線
16 アースターミナル
18 アンカー杭
22 帯電防止床

Claims (4)

  1. 下地の上に塗床材を塗布して形成した塗床の表面を斫ることで格子状の溝部を形成した後、該溝部の上から前記塗床上へと導電性を有する導電性塗床材を塗布することで新たな塗床を施工することを特徴とする塗床材の施工方法。
  2. 請求項1記載の塗床材の施工方法において、
    前記溝部にアース線を配置した後、該アース線の上から前記塗床上へと前記導電性塗床材を塗布することを特徴とする塗床材の施工方法。
  3. 請求項2記載の塗床材の施工方法において、
    前記アース線は、少なくとも表面に導電性を有し、裏面に接着面を有するテープ状部材で形成され、
    前記テープ状部材は、前記接着面が前記溝部の底面に貼着られ、前記表面が前記導電性塗床材に接触配置されることを特徴とする塗床材の施工方法。
  4. 請求項2記載の塗床材の施工方法において、
    前記アース線は、導電性を有する塗布材で形成されることを特徴とする塗床材の施工方法。
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