JP2015074847A - 繊維用消臭加工薬剤及び消臭性繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた消臭性及び洗濯耐久性を付与できる繊維用消臭加工薬剤及び該薬剤が付与された消臭性繊維の製造方法を提供する。【解決手段】特定の粘度及びアミノ当量を有する一般式(1)で示されるアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を含有する繊維用消臭加工薬剤。X:−R1−NH2又は−R2−NH−R3−NH2で示される基であり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立してアルキレン基を示す。Y:ヒドロキシ基、ポリエーテル基、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示す。Z:Xで示される基又はYで示される基を示す。R4:炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。n:1〜400の整数を示す。m:0〜400の整数を示す。k:1〜2000の整数を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維材料に消臭性を付与するために用いられる繊維用消臭加工薬剤及び該消臭加工薬剤を繊維材料に付与する消臭性繊維の製造方法に関する。
従来、悪臭ガスを消臭する繊維(消臭性繊維)としては、活性炭、アルミナ、ゼオライト等の多孔質吸着剤を繊維材料に加工したものが知られている。ゼオライトは、含水アルミノケイ酸塩を主成分とする化合物で、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライト等がある。いずれもイオン交換能を有し、脱水しても結晶構造が変化せず、脱水した後に分子サイズの細孔が得られ、大きい吸着能を有することが特徴である。これらゼオライトは、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガスや、イソ吉草酸および酢酸等の酸性悪臭ガスに対しては、比較的高い吸着性能を有するものの、ノネナール、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒドガスに対しては、ほとんど吸着性能を示さない。
そこで、特許文献1のようにアルデヒドガスに対する吸着性能を向上させるため、人工ゼオライトの分子中にNH基および/またはNH基を有する化合物、および/または、銅、亜鉛、ニッケル、コバルトおよびマンガンの金属イオンを担持させた消臭剤を繊維材料に加工することが知られている。
しかし、このような消臭剤等の多孔質吸着剤を用いた場合、洗濯により消臭性が低下する問題、つまり洗濯耐久性が低いことが問題であった。
特開2006−116093号公報
本発明は、かかる従来の繊維材料の消臭加工における問題を解決するためになされたものであり、後加工にて繊維材料に付与する加工薬剤であり、繊維材料に対して、優れた消臭性及び洗濯耐久性を付与できる繊維用消臭加工薬剤及び該消臭加工薬剤が付与された消臭性繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、アミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を含む薬剤が、繊維材料に対して消臭性を付与できることをまず見出した。さらに、アミノ変性シリコーンのアミノ基の種類、具体的には1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基によって、消臭性及び洗濯耐久性に明確な性能の差があることを見出した。そして、分子内に1級アミノ基を必須に有する特定のアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有する繊維用消臭加工薬剤であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、繊維材料に消臭性を付与するために用いられる繊維用消臭加工薬剤であって、分子内に1級アミノ基を必須に有する下記一般式(1)で示されるアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、該アミノ変性シリコーンの粘度(25℃)が200〜100000mPa・sであり、アミノ当量が500〜7000g/molである、繊維用消臭加工薬剤である。
Figure 2015074847
X:−R−NH又は−R−NH−R−NHで示される基であり、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を示す。
Y:ヒドロキシ基、ポリエーテル基、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示す。
Z:Xで示される基又はYで示される基を示す。
:炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。
n:1〜400の整数を示す。
m:0〜400の整数を示す。
k:1〜2000の整数を示す。
一般式(1)において、Y及びZが、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又はアルコキシ基であることが好ましい。
前記アミノ変性シリコーンと前記界面活性剤との重量比が50/50〜99/1であることが好ましい。
また、薬剤の不揮発分に占める前記アミノ変性シリコーンと前記界面活性剤の合計の重量割合は90重量%以上であることが好ましい。
本発明の繊維用消臭加工薬剤は、アルデヒド系成分の消臭性を付与するために用いられることが好ましい。
本発明の消臭性繊維の製造方法は、上記の繊維用消臭加工薬剤を含む処理液を繊維材料に付与する工程(A)と、該処理液を付与した繊維材料を熱処理する工程(B)とを含むことが好ましい。
繊維材料に対して、前記アミノ変性シリコーンの付着量は0.01〜30重量%であることが好ましい
本発明の繊維用消臭加工薬剤は、後加工により、繊維材料に対して優れた消臭性及び洗濯耐久性を付与できる。
本発明の消臭性繊維の製造方法によれば、消臭性及び洗濯耐久性に優れた消臭性繊維を得ることができる。
本発明の繊維用消臭加工薬剤は、繊維材料に消臭性を付与するために用いられ、分子内に1級アミノ基を必須に有する特定のアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有するものである。以下、詳細に説明する。
[アミノ変性シリコーン]
本発明で用いるアミノ変性シリコーンは、分子内に1級アミノ基(−NH)を必須に有するものであり、上記式(1)で示されるアミノ変性シリコーン(以下、単にアミノ変性シリコーンということがある)である。1級アミノ基を有さず、2級アミノ基(−NHR)及び/又は3級アミノ基(−NRR’)を有するアミノ変性シリコーンを用いた場合、繊維材料に消臭性を付与できない。
一般式(1)において、Xは−R−NH又は−R−NH−R−NHで示される基である。R、R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を示す。アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜25、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜10である。Xは、官能基に占める1級アミノ基の割合が高い点から、−R−NHが好ましい。
一般式(1)において、Yはヒドロキシ基、ポリエーテル基、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示す。
ポリエーテル基は、−O−(AO)−Rで示される基をいう。AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。AOの炭素数は、好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。AOは、1種または2種以上であってもよく、2種以上の場合、ブロック付加体、交互付加体、またはランダム付加体のいずれを構成してもよい。pは整数であり、好ましくは1〜400であり、さらに好ましくは10〜300である。AOは、オキシエチレン基を必須に含有することが好ましい。オキシアルキレン基全体に占めるオキシエチレン基の割合は、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、特に好ましくは80モル%以上である。Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはアルケニル基である。Rがアルキル基又はアルケニル基の場合の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。
アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは1〜25、より好ましくは1〜21、さらに好ましくは1〜18である。アルキル基としては、メチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、ヘプテニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、オクタデセニル基、オレイル基、エイコセニル基、ドコセニル基等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜8である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、洗濯耐久性の点から、Yはヒドロキシ基又はアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(1)において、ZはXで示される基又はYで示される基である。これらの中でも、洗濯耐久性の点から、Zはヒドロキシ基又はアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(1)において、nは1〜400の整数を示す。nが1未満の場合、分子内にアミノ基がなく、消臭性を付与できない。nが400超の場合、アミン臭が発生する原因となり、好ましくない。nは、5〜360が好ましく、10〜330がより好ましく、20〜300がさらに好ましい。
一般式(1)において、Rは炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5である。
一般式(1)において、mは0〜400の整数を示す。mが400超の場合、Yによって次のようになる。Yがヒドロキシ基の場合、分子内で反応し、安定な製品が得られない。Yがポリエーテル基の場合、洗濯耐久性を付与できない。Yがアルコキシ基の場合、アミノ変性シリコーンの乳化が困難となる。mは、好ましくは5〜360、より好ましくは10〜330、さらに好ましくは20〜300である。
一般式(1)において、kは1〜2000の整数を示す。kは1未満の場合、洗濯耐久性を付与できない。一方、kが2000超の場合、高分子量となり、アミノ変性シリコーンの乳化が困難となる。kは、好ましくは10〜1900、より好ましくは20〜1800、さらに好ましくは30〜1700である。
繊維材料に対して、消臭性及び耐久洗濯性を付与するためには、上記式(1)で示されるアミノ変性シリコーンであって、かつその粘度(25℃)が200〜100000mPa・sである必要がある。該粘度が200mPa・s未満であると、洗濯耐久性を付与できない。一方該粘度が100000mPa・s超であると、高分子量となり、アミノ変性シリコーンの乳化が困難となる。該粘度は、好ましくは400〜90000mPa・s、より好ましくは700〜70000mPa・s、さらに好ましくは1000〜50000mPa・sである。なお、本発明における粘度とは、ブルックフィールド型粘度計で測定した値をいう。
さらに、繊維材料に対して、消臭性及び耐久洗濯性を付与するためには、上記アミノ変性シリコーンの粘度(25℃)に加え、アミノ当量が500〜7000g/molである必要がある。該アミノ当量が500g/mol未満であると、アミン臭が発生する原因(乳化不良或いは黄変発生の原因)となる。一方、該アミノ当量が7000g/mol超であると、アミノ基が少ないため、消臭性を付与できない。該アミノ当量は、好ましくは600〜6000g/mol、より好ましくは700〜5000g/mol、さらに好ましくは800〜4000g/molである。
[界面活性剤]
本発明の繊維用消臭加工薬剤は、界面活性剤を含有する。界面活性剤は、乳化剤として使用され、上記の変性シリコーン等を水に乳化、分散させることを可能とする。界面活性剤としては、特に限定されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から、公知のものを適宜選択して使用することができる。界面活性剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレン直鎖アルキルエーテル;ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル;ポリオキシエチレン1−ヘキシルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−ヘキシルオクチルエーテル、ポリオキシエチレン1−ペンチルへプチルエーテル、ポリオキシエチレン1−へプチルペンチルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリールフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンジミリスチレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンひまし油エーテル等のポリオキシアルキレンひまし油エーテル;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端アルキルエーテル化物;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端ショ糖エーテル化物;等を挙げることができる。
これら非イオン性界面活性剤の中でも、シリコーン化合物の水系乳化力に特に優れるという理由で、ポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体の末端アルキルエーテル化物が好ましく、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体の末端アルキルエーテル化物がより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸ナトリウム塩、パルミチン酸カリウム塩、オレイン酸トリエタノールアミン塩等の脂肪酸(塩);ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ酢酸カリウム塩、乳酸、乳酸カリウム塩等のヒドロキシル基含有カルボン酸(塩);ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸(塩);トリメリット酸カリウム、ピロメリット酸カリウム等のカルボキシル基多置換芳香族化合物の塩;ドデシルベンゼンスルホン酸(ナトリウム塩)等のアルキルベンゼンスルホン酸(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルスルホン酸(カリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸(塩);ステアロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ラウロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ミリストイルメチルタウリン(ナトリウム)、パルミトイルメチルタウリン(ナトリウム)等の高級脂肪酸アミドスルホン酸(塩);ラウロイルサルコシン酸(ナトリウム)等のN−アシルサルコシン酸(塩);オクチルホスホネート(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸(塩);フェニルホスホネート(カリウム塩)等の芳香族ホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルホスホネートモノ2−エチルヘキシルエステル(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸アルキルリン酸エステル(塩);アミノエチルホスホン酸(ジエタノールアミン塩)等の含窒素アルキルホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルサルフェート(ナトリウム塩)等のアルキル硫酸エステル(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルサルフェート(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレン硫酸エステル(塩);ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩;等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、オレイルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジエチルメチルアンモニウムサルフェート、等のアルキル第四級アンモニウム塩;(ポリオキシエチレン)ラウリルアミノエーテル乳酸塩、ステアリルアミノエーテル乳酸塩、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアミノエーテルジメチルホスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルエチルアンモニウムエトサルフェート、ジ(ポリオキシエチレン)硬化牛脂アルキルエチルアミンエトサルフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ラウリルメチルアンモニウムジメチルホスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン乳酸塩等の(ポリオキシアルキレン)アルキルアミノエーテル塩;N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N-ジメチル−N−ステアロイルアミドプロピルアンモニウムナイトレート、ラノリン脂肪酸アミドプロピルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミドエチルメチルジエチルアンモニウムメトサルフェート等のアシルアミドアルキル第四級アンモニウム塩;ジパルミチルポリエテノキシエチルアンモニウムクロライド、ジステアリルポリエテノキシメチルアンモニウムクロライド等のアルキルエテノキシ第四級アンモニウム塩;ラウリルイソキノリニウムクロライド等のアルキルイソキノリニウム塩;ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のベンザルコニウム塩;ベンジルジメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド等のベンゼトニウム塩;セチルピリジニウムクロライド等のピリジニウム塩;オレイルヒドロキシエチルイミダゾリニウムエトサルフェート、ラウリルヒドロキシエチルイミダゾリニウムエトサルフェート等のイミダゾリニウム塩;N−ココイルアルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩、N−ラウロイルリジンエチルエチルエステルクロライド等のアシル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩;ラウリルアミンクロライド、ステアリルアミンブロマイド、硬化牛脂アルキルアミンクロライド、ロジンアミン酢酸塩等の第一級アミン塩;セチルメチルアミンサルフェート、ラウリルメチルアミンクロライド、ジラウリルアミン酢酸塩、ステアリルエチルアミンブロマイド、ラウリルプロピルアミン酢酸塩、ジオクチルアミンクロライド、オクタデシルエチルアミンハイドロオキサイド等の第二級アミン塩;ジラウリルメチルアミンサルフェート、ラウリルジエチルアミンクロライド、ラウリルエチルメチルアミンブロマイド、ジエタノールステアリルアミドエチルアミントリヒドロキシエチルホスフェート塩、ステアリルアミドエチルエタノールアミン尿素重縮合物酢酸塩等の第三級アミン塩;脂肪酸アミドグアニジニウム塩;ラウリルトリエチレングリコールアンモニウムハイドロオキサイド等のアルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
[繊維用消臭加工剤]
本発明の繊維用消臭加工薬剤(以下、単に薬剤ということがある)は、繊維材料に消臭性を付与するために用いられるものである。繊維材料及び消臭性の付与については、消臭性繊維の製造方法のところで説明する。本発明の薬剤は、前述のアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、アミノ変性シリコーンが水に乳化した状態となっている。
アミノ変性シリコーンの平均粒子径は、好ましくは0.001〜50μm、より好ましくは0.002〜10μm、さらに好ましくは0.005〜5μm、特に好ましくは0.007〜2μm、最も好ましくは0.01〜1μmである。平均粒子径が0.001μm未満の場合、二次凝集の原因となることがある。一方、平均粒子径が50μm超の場合、製品安定性が悪く、分離することがある。なお、本発明で用いる平均粒子径とは、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−910(堀場製作所製)を用いて、体積基準とするメジアン粒径を測定したものをいう。
アミノ変性シリコーンと界面活性剤の重量比は、好ましくは50/50〜99/1、より好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは70/30〜90/10である。該重量比が50/50未満の場合、洗濯耐久性を付与できないことがある。一方、該重量比が99/1超の場合、製品安定性が悪くなることがある。
薬剤の不揮発分に占めるアミノ変性シリコーンと界面活性剤の合計の重量割合は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは92重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。該重量割合が90重量%未満の場合、消臭性を付与できないことがある。なお、本発明における不揮発分とは、試料を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
薬剤の不揮発分に占めるアミノ変性シリコーンの重量割合は、好ましくは10〜99重量%、より好ましくは20〜97重量%、さらに好ましくは30〜95重量%である。当該重量割合が10重量%未満の場合、洗濯耐久性を付与できないことがある。一方、当該重量割合が99重量%超の場合、製品安定性が悪くなることがある。
薬剤の不揮発分に占める界面活性剤の重量割合は、好ましくは1〜90重量%、より好ましくは3〜80重量%、さらに好ましくは5〜70重量%である。当該重量割合が1重量%未満の場合、製品安定性が悪くなることがある。一方、当該重量割合が90重量%超の場合、洗濯耐久性を付与できないことがある。
本発明の薬剤は水を必須に含有する。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。
本発明の薬剤は、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外のその他成分を含んでもよい。その他成分としては、変色防止剤、抗菌剤、防黴剤、防虫剤、防ダニ剤、消臭剤、帯電防止剤、撥水撥油剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防汚剤、深色化剤、平滑剤、柔軟剤または吸水剤等の繊維の後加工剤、油剤、界面活性剤、無機物、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、溶剤、脂肪酸(塩)等が挙げられる。
本発明の薬剤は、本発明の効果をより発揮させる点から、ポリヒドロキシアミン化合物又はその塩を実質的に含有しないことが好ましい。詳細には、アミノ変性シリコーン100重量部に対して、好ましくは1重量部未満、より好ましくは0.1重量部未満、さらに好ましくは0重量部である。
ポリヒドロキシアミン化合物又はその塩としては、例えば、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−1,7−ヘプタンジオール、2−(N−エチル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等、及びそれらと無機酸又は有機酸で中和した酸塩が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、炭素数1〜12の脂肪酸、炭素数1〜3のアルキル硫酸等が挙げられる。
また、本発明の薬剤は、本発明の効果をより発揮させる点から、ヒドラジド化合物を実質的に含有しないことが好ましい。詳細には、アミノ変性シリコーン100重量部に対して、好ましくは1重量部未満、より好ましくは0.1重量部未満、さらに好ましくは0重量部である。
ヒドラジド化合物としては、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2
個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3 個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物等を挙げることができる。
また、本発明の薬剤は、本発明の効果をより発揮させる点から、アルキルポリアミン誘導体を実質的に含有しないことが好ましい。詳細には、アミノ変性シリコーン100重量部に対して、好ましくは1重量部未満、より好ましくは0.1重量部未満、さらに好ましくは0重量部である。
本発明の薬剤の不揮発分の濃度は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは2〜70重量%、さらに好ましくは5〜60重量%である。
本発明の薬剤の調製方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、アミノ変性シリコーン、界面活性剤、水を混合し、一般的な攪拌装置及びホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサーなどの乳化機を用いて乳化することによって得ることができる。
[消臭性繊維の製造方法]
本発明の消臭性繊維の製造方法は、本発明の繊維用消臭加工薬剤を含む処理液を繊維材料に付与する工程(A)と、処理液を付与した繊維材料を熱処理する工程(B)とを含む。従って、本発明の消臭性繊維の製造方法は、繊維用消臭加工薬剤を後加工にて繊維材料に付与するものである。後加工とは、繊維材料が製造された後に加工することを意味する。本製造方法によれば、消臭性に優れ、洗濯耐久性にも優れた消臭性繊維を得ることができる。
繊維材料としては、天然繊維、化学繊維のいずれであってもよい。天然繊維としては、例えば、綿、大麻、亜麻、ヤシ、いぐさ等の植物繊維;羊毛、山羊毛、モヘア、カシミア、ラクダ、絹等の動物繊維;石綿等の鉱物繊維等を挙げることができる。化学繊維としては、例えば、ロックファィバ−、金属繊維、グラファイト、シリカ、チタン酸塩等の無機繊維;レーヨン、キュプラ、ビスコ−ス、ポリノジック、精製セルロース繊維等の再生セルロース系繊維;溶融紡糸セルロース繊維;牛乳タンパク、大豆タンパク等のタンパク質系繊維;再生絹、アルギン酸繊維等の再生・半合成繊維;ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、カチオン可染ポリエステル繊維、ポリビニル繊維、ポリアクリルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニリデン繊維、ポリスチレン繊維等の合成繊維を挙げることができる。また、これら繊維を2種以上複合(混紡、混繊、交織、交編等)されていてもよい。
繊維材料の形態としては、例えば、織物、編物、布帛、糸状、不織布等の形態を挙げることができる。繊維材料の用途としては、抗菌性、吸水性、耐洗濯性を付与する対象物、例えば、アンダーウェア、スポーツ衣料、寝具類、カバー類等を挙げることができる。
本発明において、消臭の対象となる成分としては、ノネナール、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系成分等が挙げられる。
工程(A)の処理液は本発明の薬剤を水等で希釈したものである。該処理液に占めるアミノ変性シリコーンの重量割合は、好ましくは0.0001〜10重量%、より好ましくは0.0005〜7重量%、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。
処理液は、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外のその他成分を含んでもよい。その他成分としては、薬剤のところで例示したものと同様の成分を挙げることができる。
工程(A)の処理液を繊維材料に付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。これらの中でも、薬剤を繊維材料に確実に固着させることができる点から、吸尽法、パッドドライ法、スプレー法及びコーティング法から選ばれる少なくとも1種の方法が好ましく、パッドドライ法がさらに好ましい。
吸尽法、パッドドライ法、スプレー法、コーティング法としては、公知の方法を採用できる。吸尽法とは、薬剤の希薄溶液を用い、温度、浸せき時間、液循環回数等の条件を設定して、薬剤を繊維に選択吸着させることで吸尽付着させる方法である。その後、通常、水洗を行い、遠心脱水、乾燥を行う。パッドドライ法とは、薬剤の溶液中に繊維を短時間浸漬し、直ちに脱水マングル等で絞ることで付着させる方法である。その後乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。スプレー法とは、一定速度のコンベアー上に繊維を乗せ、その上から、薬剤の溶液を一定量スプレーする事で付着させる方法である。その後乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。コーティング法とは、通常マングルで薬剤の溶液を片面より塗布することで付着させる方法である。その後、余分の薬剤はドクターでかき落とし、乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。
工程(A)の処理液を繊維材料に付与する際の温度は、5〜40℃が好適である。付与温度が5℃より低いと、一定温度保持が難しいために繊維材料への一定付与ができなくなることがある。一方、付与温度が40℃より高いと、繊維材料に含まれる染料等の溶出が多くなることがある。
工程(B)は、処理液を付与した繊維材料を熱処理する工程である。熱処理する温度については、好ましくは100℃以上、より好ましくは105〜200℃、さらに好ましくは110〜150℃である。該温度が100℃より低いと、洗濯耐久性を付与できないことがある。
工程(B)は、繊維材料を乾燥させる乾燥工程と同時に行ってもよく、乾燥後に別に設けてもよい。処理液が付与された繊維材料は、テンションレス又はテンションを加える等の方法によって、乾燥される。テンションレスで乾燥する方法としては、ノンタッチ乾燥機、ショートループ乾燥機、テンションレスローラ型、シリンダー乾燥機等が挙げられ、テンションを加え乾燥する方法としては、ピンテンター、クリップテンター等が挙げられる。
このように、工程(A)及び工程(B)を経て、本発明の消臭性繊維を得ることができる。
本発明の製造方法は、本発明の効果を阻害しない範囲で、消臭加工と同時に加工可能な工程を含んでもよい。同時に加工可能な工程としては、変色防止剤、変色抑制剤、防虫剤、防黴剤、防ダニ剤、消臭剤、帯電防止剤、撥水撥油剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防汚剤、深色化剤、平滑剤、柔軟剤又は吸水剤を付与する工程等が挙げられる。これら工程は、複数同時に行うことも可能である。各薬剤については、公知のものを採用できる。
アミノ変性シリコーンの付与量は、繊維材料に対して、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.05〜25重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。付与量が0.01重量%未満の場合、消臭性を付与できないことがある。付与量が30重量%超の場合、繊維素材の滑脱抵抗力を低下させる原因なることがある。なお、アミノ変性シリコーンの付着量は、蛍光X線、ICPなどにより、Si元素を定量することから、計算することができる。
アミノ変性シリコーンのアミノ基付着量は、繊維材料に対して、好ましくは10−7〜10−3mol/kg、より好ましくは5×10−7〜5×10−4mol/kg、さらに好ましくは10−6〜10−4mol/kgである。付着量が10−7mol/kg未満の場合、消臭性を付与できないことがある。付着量が10−3mol/kg超の場合、アミン臭が発生する原因(乳化不良或いは黄変発生の原因)となることがある。なお、アミノ変性シリコーンのアミノ基付着量とは、Si元素の付着量とそのアミノ変性シリコーンのアミン価から、計算することができる。
以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」とあるのは、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
(実施例1)
温度計還流冷却機及び攪拌機を備えた容量3リットルの反応機中に、表1に示すアミノ変性シリコーン1を300g、界面活性剤1(ポリオキシエチレンアルキルエーテル炭素数12〜14、エチレンオキサイド付加モル数7モル)を100g投入し、十分撹拌を行ったあと、水を600g投入し、有効成分(不揮発分)40重量%の繊維用消臭加工薬剤を得た。
得られた繊維用消臭加工薬剤を用いて、下記の加工条件により、試験布に加工し、試験サンプルを得た。試験サンプルについて、消臭性、洗濯耐久性及び風合いの評価を下記の方法により行った。その結果を表2に示す。
<加工条件>
試験布:綿メリヤス
パディング:2回浸漬2回絞り、絞り率 100重量%
処理液:消臭加工薬剤2.5重量%soln.(水分散)
不揮発分付着量:1重量%
熱処理(乾燥)条件: 100℃ ×3分
<消臭性>
得られた試験サンプルについて、(社) 繊維評価技術協議会 消臭加工繊維製品認証基準機器分析実施マニュアル(検知管法、ガスクロマトグラフイー法)にある消臭性能測定方法により、消臭性を測定した。消臭性は、ノネナールを対象とし、75%以上がSEK基準における合格レベルとした。
<洗濯耐久性>
得られた試験サンプルを下記の条件で洗濯したものについて、上記の消臭性の試験方法と同じ方法により消臭性を測定して、洗濯耐久性の評価を行った。
JIS L 0217 103号に従って、JAFET標準洗剤を3g/Lの割合で用い、浴比1:30として、40℃で5分間水洗擢した後、40℃で2分間のすすぎを2回行い、遠心脱水を行い、その後、陰干しする作業を1サイクルとし、これを10サイクル行った。
<風合い>
得られた試験サンプルについて、風合を、触感にて評価した。なお、風合の評価は以下の基準に基づき、以下の4段階に分類して判定した。
◎: 柔軟である。
○: やや柔軟である(未加工の綿メリヤスと同等)。
△: やや粗硬である。
×: 粗硬である
(実施例2〜15、比較例1〜7)
実施例1の繊維用消臭加工薬剤において、表2に示すアミノ変性シリコーン、界面活性剤及びそれらの配合量に変更する以外は、実施例1と同様に評価をした。その結果を表2に示す。なお、アミノ変性シリコーンの種類は表1に、界面活性剤の種類は下記に示す。
界面活性剤2:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(炭素数12〜14、エチレンオキサイド付加モル数8モル、プロピレンオキサイド付加モル数2モル)
界面活性剤3:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
(比較例8)
アジピン酸ジヒドラジド3 5.0gと塩化亜鉛7.0gを水2Lに溶解し、フッ素金雲母100gを加え、15時間攪拌した。反応後にろ過・水洗し、110℃で乾燥し、アジピン酸ジヒドラジド担持の天然ゼオライトを得た。得られたアジピン酸ジヒドラジド担持の天然ゼオライト
を300g、界面活性剤1(ポリオキシエチレンアルキルエーテル炭素数12〜14、エチレンオキサイド付加モル数7モル)を100g、軟水600gを攪拌機に加え、十分に攪拌および分散させて、スラリー液を調製した。次いで、このスラリー液をスターミルZRS(アシザワファインテック(株)製)を用いて4時間微粒子化し、有効成分(不揮発分)40重量%の繊維用消臭加工薬剤を得た。
実施例1の繊維用消臭加工薬剤を上記で得られた薬剤に変更する以外は、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
(比較例9)
ブランクとして、未加工の試験布について、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2015074847
Figure 2015074847
表2より、本発明の繊維用帯消臭加工薬剤は、比較例と比較して、繊維材料に対して優れた消臭性及び洗濯耐久性を付与できることがわかる。

Claims (6)

  1. 繊維材料に消臭性を付与するために用いられる繊維用消臭加工薬剤であって、
    分子内に1級アミノ基を必須に有する下記一般式(1)で示されるアミノ変性シリコーン、界面活性剤及び水を必須に含有し、
    該アミノ変性シリコーンの粘度(25℃)が200〜100000mPa・sであり、アミノ当量が500〜7000g/molである、繊維用消臭加工薬剤。
    Figure 2015074847
    X:−R−NH又は−R−NH−R−NHで示される基であり、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキレン基を示す。
    Y:ヒドロキシ基、ポリエーテル基、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示す。
    Z:Xで示される基又はYで示される基を示す。
    :炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルケニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。
    n:1〜400の整数を示す。
    m:0〜400の整数を示す。
    k:1〜2000の整数を示す。
  2. 一般式(1)において、Y及びZが、それぞれ独立して、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である、請求項1に記載の繊維用消臭加工薬剤。
  3. 前記アミノ変性シリコーンと前記界面活性剤との重量比が50/50〜99/1であり、
    薬剤の不揮発分に占める前記アミノ変性シリコーンと前記界面活性剤の合計の重量割合が90重量%以上である、請求項1又は2に記載の繊維用消臭加工薬剤。
  4. アルデヒド系成分の消臭性を付与するために用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維用消臭加工薬剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維用消臭加工薬剤を含む処理液を繊維材料に付与する工程(A)と、該処理液を付与した繊維材料を熱処理する工程(B)とを含む、消臭性繊維の製造方法。
  6. 繊維材料に対して、前記アミノ変性シリコーンの付着量が0.01〜30重量%である、請求項5に記載の消臭性繊維の製造方法。
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