JP2015065588A - 圧電振動子 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させることができ、且つ、生産性の低下を抑制することが可能な圧電振動子を提供する。
【解決手段】ベース部材と、ベース部材との間に気密封止されたキャビティを形成するリッド部材と、を有するパッケージと、ベース部材における実装面に接着され、キャビティ内に収容された圧電振動片と、を備え、圧電振動片は、第一の方向に並んで配置された一対の振動腕部を有する振動部と、一対の振動腕部の端部同士を接続する基部と、第一の方向において振動部の両側に配置された一対の支持腕部を有する支持部と、基部と支持部とを連結する連結部と、を含み、圧電振動片は、一対の支持腕部の各々が接着剤によって実装面に接着されることにより、ベース部材上に固定され、一対の支持腕部の各々を実装面に接着する接着剤の形状は、実装面の面内で第一の方向と直交する第二の方向が第一の方向に比べて長い形状となっている。
【選択図】図9

Description

本発明は、圧電振動子に関する。
従来、ベース部材とリッド部材とを有するパッケージと、ベース部材における実装面に接着された一対の支持腕部を含む圧電振動片と、を備える圧電振動子が知られている。圧電振動子の小型化に伴い、一対の支持腕部と実装面との接着部を小さくすることが要求されている。
例えば、特許文献1に記載の圧電振動子では、一対の支持腕部と実装面とが接着剤で点付けして固定されている。この圧電振動子では、各支持腕部の長手方向に離間した二点に平面視円形の接着剤が配置されている。
特開2007−81570号公報
しかし、特許文献1に係る圧電振動子においては、一対の支持腕部と実装面とが点付けされているため、十分な接着力を得ることが困難であった。
一方、十分な接着力を得るためには接着剤を複数点離間して配置することも考えられる。しかし、接着剤を複数点離間して塗布すると装置のタクトタイムが上がり、その結果、生産性が低下するという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させることができ、且つ、生産性の低下を抑制することが可能な圧電振動子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)すなわち、本発明に係る一態様の圧電振動子は、ベース部材と、前記ベース部材に重ね合わされて接合されると共に前記ベース部材との間に気密封止されたキャビティを形成するリッド部材と、を有するパッケージと、前記ベース部材における実装面に接着され、前記キャビティ内に収容された圧電振動片と、を備え、前記圧電振動片は、第一の方向に並んで配置された一対の振動腕部を有する振動部と、前記一対の振動腕部の端部同士を接続する基部と、前記第一の方向において前記振動部の両側に配置された一対の支持腕部を有する支持部と、前記基部と前記支持部とを連結する連結部と、を含み、前記圧電振動片は、前記一対の支持腕部の各々が接着剤によって前記実装面に接着されることにより、前記ベース部材上に固定され、前記一対の支持腕部の各々を前記実装面に接着する前記接着剤の形状は、前記実装面の面内で前記第一の方向と直交する第二の方向が前記第一の方向に比べて長い形状となっている。
この構成によれば、一対の支持腕部と実装面とを接着する接着剤の形状が支持腕部の長手方向に沿う形状となっているため、一対の支持腕部と実装面とが点付けされた構成と比較して、一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させることができる。さらに、接着剤を連続塗布すればよく、接着剤を複数点離間して塗布する必要がないため、生産性の低下を抑制することができる。よって、一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させることができ、且つ、生産性の低下を抑制することができる。
(2)上記(1)に記載の圧電振動子において、前記一対の支持腕部が前記接着剤によって前記実装面に接着される位置は、前記一対の支持腕部が振動する際に振動の節となる位置であってもよい。
この構成によれば、振動の節となる位置では振動が生じないため、一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させつつ、接着部における振動漏れを抑制することができる。
本発明によれば、一対の支持腕部と実装面との接着力を向上させることができ、且つ、生産性の低下を抑制することが可能な圧電振動子を提供することができる。
第一実施形態の圧電振動片を示す外観斜視図である。 第一実施形態の圧電振動片を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。 圧電振動子の一実施形態を示す外観斜視図である。 圧電振動子の一実施形態の内部構造を示す平面図である。 圧電振動子の一実施形態を示す図であって、図4におけるA−A断面図である。 本実施形態の圧電振動子を示す図であって、各部を分解した分解斜視図である。 (A)〜(C)圧電振動片の実装方法を示す図である。 比較例に係る圧電振動子における一対の支持腕部と実装面との接着部を示す平面図である。 本実施形態に係る圧電振動子における一対の支持腕部と実装面との接着部を示す平面図である。 比較例に係る接着剤の塗布方法を説明するための図である。 本実施形態に係る接着剤の塗布方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る圧電振動片及び圧電振動子について説明する。
尚、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
尚、図1から図9までの説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、圧電振動片の面と垂直な方向をZ軸方向、振動腕部の長手方向をY軸方向、Y軸方向とZ軸方向の両方と直交する方向をX軸方向とする。また、基部から振動腕部の先端に向かう方向を+Y方向とする。
[第一実施形態]
(圧電振動片)
まず、本実施形態の圧電振動片1について説明する。
図1,2は、本実施形態の圧電振動片を示す図である。図1は、外観斜視図、図2(A)は平面図、図2(B)は、図2(A)の側面図である。
尚、図1,2においては、後述する圧電振動子に実装する際にパッケージの実装面と対向する対向面(一面)18aが上側(+Z方向側)となるようにして表している。
本実施形態の圧電振動片1は、図1,2に示すように、平板状である。図2(A)に示すように、圧電振動片1は、第一の方向(X方向)に並んで配置された一対の振動腕部11,12を有する振動部20と、ハンマー部13,14と、一対の振動腕部11,12の端部同士を接続する基部10と、第一の方向において振動部20の両側に配置された一対の支持腕部15,16を有する支持部21と、基部10と支持部21とを連結する連結部22と、を備えている。
圧電振動片1は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成されたサイドアーム型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
圧電振動片1の面に垂直な方向の厚さ(Z軸方向長さ)としては、例えば、30μmとすることができる。
一対の振動腕部11,12は、基部10からそれぞれ同一の方向(+Y方向)に向かって延出している。振動腕部11,12は、長手方向(Y軸方向)と垂直で圧電振動片1の面と平行な方向(第一の方向)、すなわちX軸方向に並んで設けられている。一対の振動腕部11,12の外表面上には、これら一対の振動腕部11,12を振動させる不図示の励振電極が形成されている。
ハンマー部13,14は、それぞれ振動腕部11,12の先端から、振動腕部11,12の長手方向(Y軸方向)に沿うように延出形成されている。ハンマー部13,14の幅(X軸方向長さ)は、振動腕部11,12の幅(X軸方向長さ)よりも大きく形成されている。ハンマー部13,14は、基部10を固定端として、幅方向(X軸方向)に振動する自由端に設定されている。
一対の支持腕部15,16は、基部10から、振動腕部11,12の幅方向(X軸方向)両側に延出した後、振動腕部11,12の長手方向(Y軸方向)に沿って、振動腕部11,12の先端側(+Y方向側)に向かって屈曲延出して形成されている。
支持腕部15,16は、それぞれマウント部15a,16aを備えている。マウント部15a,16aは、圧電振動片1の対向面18a上における、支持腕部15,16の延出方向側(+Y方向側)の先端部近傍に設けられている。マウント部15a,16aが設けられている位置は、支持腕部15,16が振動する際に、振動の節となる位置である。
支持腕部15,16のマウント部15a,16aには、不図示のマウント電極が形成され、不図示の引き出し電極により、振動腕部11,12の外表面上に形成された励振電極と接続されている。そして、これらの各電極に所定の電圧が印加されると、一対の振動腕部11,12の双方の励振電極どうしの相互作用により、一対の振動腕部11,12が互いに接近または離間する方向(X軸方向)に所定の共振周波数で振動する。
(圧電振動子)
次に、圧電振動片1を用いた圧電振動子の一実施形態として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明する。
図3から6は、本実施形態の圧電振動子500を示す図であり、図3は外観斜視図、図4は圧電振動子の内部構成を示す、封口板を取り外した状態の平面図、図5は図4におけるA−A断面図、図6は圧電振動子500の分解斜視図である。
本実施形態の圧電振動子500は、図3から図6に示すように、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ510と、キャビティC内に収容された前述した圧電振動片1と、を備える。
この圧電振動子500は、略直方体状に形成されており、本実施形態では平面視において圧電振動子500の長手方向を長さ方向(Y軸方向)といい、短手方向を幅方向(X軸方向)といい、これら長さ方向及び幅方向に対して直交する方向を厚さ方向(Z軸方向)という。
パッケージ510は、パッケージ本体(ベース部材)530と、このパッケージ本体530に重ね合わされて接合される共にパッケージ本体530との間にキャビティCを形成する封口板(リッド部材)540と、を備えている。
パッケージ本体530は、互いに重ね合わされた状態で接合された第一ベース基板550及び第二ベース基板560と、第二ベース基板560上に接合されたシールリング570と、を備えている。
第一ベース基板550は、平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされている。第二ベース基板560は、第一ベース基板550と同じ外形形状である平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされており、第一ベース基板550上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。
第一ベース基板550及び第二ベース基板560の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部580が、両基板550,560の厚さ方向の全体に亘って形成されている。これら第一ベース基板550及び第二ベース基板560は、例えば、ウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、前述した切欠部580となる。
また、第二ベース基板560の上面は、圧電振動片1がマウントされる実装面560aとされている。
尚、第一ベース基板550及び第二ベース基板560はセラミックス製としたが、その具体的なセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
シールリング570は、第一ベース基板550及び第二ベース基板560の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第二ベース基板560の実装面560aに接合されている。
具体的には、シールリング570は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって実装面560a上に接合、あるいは、実装面560a上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタリング法等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
尚、シールリング570の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すればよい。特に、シールリング570の材料としては、セラミック製とされている第一ベース基板550及び第二ベース基板560に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第一ベース基板550及び第二ベース基板560として、熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング570としては、熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5×10-6/℃以上、6.5×10-6/℃以下の42−アロイを用いることが好ましい。
封口板540は、シールリング570上に重ねられた導電性基板であり、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付け等によって、シールリング570と気密に接合されている。
シールリング570に対する接合は、そして、この封口板540とシールリング570と第二ベース基板560の実装面560aとで画成された空間が、気密に封止された前述したキャビティCとして機能する。
尚、封口板540の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板540とシールリング570との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板540の下面と、シールリング570の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
第二ベース基板560の実装面560a上には、凸部(隙間形成部)81が設けられている。凸部81は、圧電振動片1が実装されている側に突出して形成されており、平面視形状は特に限定されず、矩形状であっても、他の形状であってもよい(図では矩形状)。
凸部81の上面は、実装面560aと平行である。凸部81は、実装面560aにおける、後述する凹部660の−Y方向側に、実装面560aの幅方向(X軸方向)の中心を挟んで2つ、対称の位置に設けられている。凸部81の上面には、圧電振動片1との接続電極である一対の電極パッド610A,610Bがそれぞれ形成されている。
第一ベース基板550の下面には、一対の外部電極620A,620Bが長さ方向(Y軸方向)に間隔をあけて形成されている。
これら電極パッド610A,610B及び外部電極620A,620Bは、例えば、蒸着やスパッタリング法等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
この点詳細に説明する。
図5に示すように、第一ベース基板550には一方の外部電極620Aに導通し、第一ベース基板550を厚さ方向に貫通する一方の第一貫通電極630Aが形成されているとともに、第二ベース基板560には一方の電極パッド610Aに導通し、第二ベース基板560を厚さ方向に貫通する一方の第二貫通電極640Aが形成されている。そして、第一ベース基板550と第二ベース基板560との間には、一方の第一貫通電極630Aと一方の第二貫通電極640Aとを接続する一方の接続電極650Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド610Aと一方の外部電極620Aとは、互いに導通している。
また、第一ベース基板550には他方の外部電極620Bに導通し、第一ベース基板550を厚さ方向に貫通する他方の第一貫通電極630Bが形成されているとともに、第二ベース基板560には他方の電極パッド610Bに導通し、第二ベース基板560を厚さ方向に貫通する他方の第二貫通電極640Bが形成されている。そして、第一ベース基板550と第二ベース基板560との間には、他方の第一貫通電極630Bと他方の第二貫通電極640Bとを接続する他方の接続電極650Bが形成されている。これにより、他方の電極パッド610Bと他方の外部電極620Bとは、互いに導通している。
尚、他方の接続電極650Bは、後述する凹部660を回避するように、例えばシールリング570の下方をシールリング570に沿って延在するようにパターニングされている。
第二ベース基板560の実装面560aには、図4及び図5に示すように、振動腕部11,12の先端部に対向する部分に、落下等による衝撃の影響によって振動腕部11,12が厚さ方向(Z軸方向)に変位(撓み変形)した際に、振動腕部11,12との接触を回避する凹部660が形成されている。この凹部660は、第二ベース基板560を貫通する貫通孔とされているとともに、シールリング570の内側において四隅が丸みを帯びた平面視正方形状に形成されている。
そして、圧電振動片1は、図5に示すように、導電性接着剤(接着剤)80を介して、マウント部15a,16aに形成されている図示しないマウント電極が、電極パッド610A,610Bに接触するようにマウントされている。尚、圧電振動片1の詳細な接着構造については後述する。
これにより、圧電振動片1は、第二ベース基板560の実装面560aに対して、対向面18aが平行な状態で支持されると共に、一対の電極パッド610A,610Bにそれぞれ電気的に接続された状態とされている。
このように構成された圧電振動子500を作動させる場合には、外部電極620A,620Bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片1の励振電極に電流を流すことができ、一方の振動腕部11と他方の振動腕部12とを圧電振動片1の面に沿って所定の周波数で振動させることができる。そして、この振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として圧電振動子500を利用することができる。
次に、本実施形態の圧電振動片の実装方法について、図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態の圧電振動片1を圧電振動子500に実装する手順を示す断面図であり、図4におけるA−A断面と同様の断面を示している。尚、図7においては、圧電振動子500の構成要素を適宜省略して図示している。
まず、図7(A)に示すように、第二ベース基板560の実装面560a上に設けられた電極パッド610A(610B)の上面610Aa(610Ba)に未硬化の導電性接着剤64を塗布する。
未硬化の導電性接着剤64は、圧電振動片1を第二ベース基板560上に接着できる範囲内において、特に限定されない。本実施形態においては、熱硬化性を有する接着剤である。
次に、図7(B)に示すように、圧電振動片1を、対向面18aが第二ベース基板560の実装面560aと対向するようにして、第二ベース基板560上に設置する。
このとき、圧電振動片1における支持腕部15,16のマウント部15a,16aを、第二ベース基板560の凸部81上に設けられた電極パッド610A,610Bの上面610Aa,610Baに対向するようにして、未硬化の導電性接着剤64に当接させる。これにより、圧電振動片1が、圧電振動片1の対向面18aと、実装面560aと、が平行な姿勢で、第二ベース基板560上に設置される。
次に、未硬化の導電性接着剤64を、加熱することにより、硬化させる。
この工程により、硬化した導電性接着剤80によって、圧電振動片1のマウント部15a,16aと、第二ベース基板560の凸部81上に設けられた電極パッド610A,610Bと、がそれぞれ固着される。
以上の工程により、圧電振動片1は、図7(C)に示すように、第二ベース基板560の実装面560aに対して、対向面18aが平行な状態で支持されると共に、一対の電極パッド610A,610Bにそれぞれ電気的に接続された状態で実装される。
(圧電振動片の接着構造)
以下に、図8,9を用いて、本実施形態に係る圧電振動片1の接着構造について、比較例に係る圧電振動片1001の接着構造と比較して説明する。
図8は比較例に係る圧電振動子1500における一対の支持腕部1015,1016と実装面との接着部を示す平面図、図9は本実施形態に係る圧電振動子500における一対の支持腕部15,16と実装面との接着部を示す平面図である。
尚、図8,9において、一対の支持腕部が接着される実装面は、圧電振動片との接続電極である一対の電極パッドである。また、一対の電極パッドは、便宜上、大きく図示している。
図8に示すように、比較例に係る圧電振動片1001は、一対の支持腕部1015,1016の各々が導電性接着剤1080によって電極パッド1610A,1610Bにそれぞれ接着されることにより、パッケージ本体1530上に固定されている。一対の支持腕部1015,1016の各々と電極パッド1610A,1610Bの各々とは一点で点付けされている。
一対の支持腕部1015,1016の各々を電極パッド1610A,1610Bのそれぞれに接着する導電性接着剤1080の形状は、平面視円形となっている。例えば、導電性接着剤1080の直径は、10μm以上20μm以下である。
これに対し、本実施形態に係る圧電振動片1は、図9に示すように、一対の支持腕部15,16の各々が導電性接着剤80によって電極パッド610A,610Bにそれぞれ接着されることにより、パッケージ本体530上に固定されている。一対の支持腕部15,16の各々と電極パッド610A,610Bの各々とは比較例に係る接着面積よりも大きい接着面積で固定されている。
一対の支持腕部15,16の各々を電極パッド610A,610Bのそれぞれに接着する導電性接着剤80の形状は、電極パッド610A,610Bの上面の面内で第一の方向(X方向)と直交する第二の方向(Y方向)が第一の方向に比べて長い形状となっている。すなわち、導電性接着剤80の形状は、平面視で支持腕部15,16の長手方向に沿う形状となっている。
例えば、導電性接着剤80のサイズは、第一の方向の長さW1が30μm以上50μm以下であり、本実施形態では40μmである。第二の方向の長さW2が15μm以上25μm以下であり、本実施形態では20μmである。第一の方向の長さW1と第二の方向の長さW2とのアスペクト比W1/W2は、2.0以上3.0以下であり、本実施形態では2.0である。
本実施形態において、一対の支持腕部15,16の各々が導電性接着剤80によって電極パッド610A,610Bの各々に接着される位置は、一対の支持腕部15,16が振動する際に振動の節となる位置(ノーダルポイント)NPである。導電性接着剤80は、その中心が節となる位置NPと平面視で重なるように配置される。
ここで、「節となる位置」とは、一般的にノーダルポイントと呼ばれ、それぞれの振動腕部に起因した振動が互いに打ち消される点を指す。この節となる位置は、圧電振動片の各種寸法、電極の厚さ等に応じて決定される。
例えば、節となる位置NPは、一対の支持腕部15,16の先端(+Y方向側の端)から基端側(−Y方向側)に向けて、それぞれ支持腕部15,16の全長の1/5となる位置に配置される。
(接着剤の塗布方法)
以下に、図10,11を用いて、本実施形態に係る導電性接着剤64の塗布方法について、比較例に係る導電性接着剤1064の塗布方法と比較して説明する。
図10は比較例に係る導電性接着剤1064の塗布方法を説明するための図、図11は本実施形態に係る導電性接着剤64の塗布方法を説明するための図である。
上述したように、比較例に係る圧電振動片1001の接着構造においては、一対の支持腕部1015,1016の各々と電極パッド1610A,1610Bの各々とは一点で点付けされているため、十分な接着力を得ることが困難であった。十分な接着力を得るためには導電性接着剤1064を複数点離間して配置することも考えられる。図10では、導電性接着剤1064を二点で離間して配置する例を挙げて説明する。
図10に示すように、比較例に係る導電性接着剤1064の塗布方法は、シリンジ1030のニードルを電極パッド1610A,1610Bの上面1610Aa,1610Baの所定位置(一点目の点付け位置)に向けて下降させてシリンジ1030のニードルから導電性接着剤1064を吐出して一点目の点付けを行う。次に、シリンジ1030のニードルを電極パッド1610A,1610Bの上面1610Aa,1610Baから上昇させると共に一点目の点付け位置から二点目の点付け位置まで移動させる。そして、シリンジ1030のニードルを電極パッド1610A,1610Bの上面1610Aa,1610Baの二点目の点付け位置に向けて下降させてシリンジ1030のニードルから導電性接着剤1064を吐出して二点目の点付けを行う。
しかし、導電性接着剤1064を複数点離間して塗布すると、シリンジ1030のニードルの移動経路がジグザグ状となり長くなるため、装置のタクトタイムが上がる。その結果、生産性が低下するという課題があった。
これに対し、本実施形態に係る導電性接着剤64の塗布方法は、シリンジ30のニードルを電極パッド610A,610Bの上面610Aa,610Baの第一の位置(節となる位置から一方側に所定量ずれた位置)に向けて下降させてシリンジ30のニードルから導電性接着剤64を吐出し、導電性接着剤64を連続して吐出しながら、第一の位置から第二の位置(節となる位置を挟んで第一の位置とは反対側に所定量ずれた位置)まで移動させることで導電性接着剤64を線状に塗布する。これにより、導電性接着剤64の形状が平面視で支持腕部15,16の長手方向に沿う形状となる。
この塗布方法によれば、シリンジ30のニードルの移動経路が直線状となり比較例に係る移動経路よりも短くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る圧電振動子500によれば、一対の支持腕部15,16の各々と電極パッド610A,610Bの各々とを接着する導電性接着剤80の形状が支持腕部15,16の長手方向に沿う形状となっているため、一対の支持腕部と電極パッドとが点付けされた構成と比較して、一対の支持腕部15,16の各々と電極パッド610A,610Bの各々との接着力を向上させることができる。さらに、導電性接着剤64を連続塗布すればよく、導電性接着剤を複数点離間して塗布する必要がないため、生産性の低下を抑制することができる。よって、一対の支持腕部15,16の各々と電極パッド610A,610Bの各々との接着力を向上させることができ、且つ、生産性の低下を抑制することができる。
また、この構成によれば、一対の支持腕部15,16の各々が導電性接着剤80によって電極パッド610A,610Bの各々に接着される位置は、一対の支持腕部15,16が振動する際に振動の節となる位置NPであることで、振動の節となる位置では振動が生じないため、一対の支持腕部15,16の各々と電極パッド610A,610Bの各々との接着力を向上させつつ、接着部における振動漏れを抑制することができる。
尚、本実施形態においては、サイドアーム型の圧電振動片を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、センターアーム型の圧電振動片においても、本発明を適用可能である。
また、本実施形態においては、未硬化の導電性接着剤64として、熱硬化性を有するものを挙げて説明したが、これに限定されない。未硬化の導電性接着剤64は、例えば、光硬化性を有するようなものであってもよい。この場合においては、加熱工程の代わりに、紫外線を当てる等することにより未硬化の導電性接着剤64を硬化させる工程を行う。
また、本実施形態においては、圧電振動片1を用いた圧電振動子として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明したが、圧電振動片1を、ガラス材によって形成されるベース基板及びリッド基板が陽極接合によって接合されるガラスパッケージタイプの圧電振動子に適用することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…圧電振動片、10…基部、11,12…振動腕部、15,16…支持腕部、20…振動部、21…支持部、22…連結部、80…導電性接着剤(接着剤)、500…圧電振動子、510…パッケージ、530…パッケージ本体(ベース部材)、540…封口板(リッド部材)、560a…実装面、C…キャビティ、NP…節となる位置

Claims (2)

  1. ベース部材と、前記ベース部材に重ね合わされて接合されると共に前記ベース部材との間に気密封止されたキャビティを形成するリッド部材と、を有するパッケージと、
    前記ベース部材における実装面に接着され、前記キャビティ内に収容された圧電振動片と、を備え、
    前記圧電振動片は、第一の方向に並んで配置された一対の振動腕部を有する振動部と、前記一対の振動腕部の端部同士を接続する基部と、前記第一の方向において前記振動部の両側に配置された一対の支持腕部を有する支持部と、前記基部と前記支持部とを連結する連結部と、を含み、
    前記圧電振動片は、前記一対の支持腕部の各々が接着剤によって前記実装面に接着されることにより、前記ベース部材上に固定され、
    前記一対の支持腕部の各々を前記実装面に接着する前記接着剤の形状は、前記実装面の面内で前記第一の方向と直交する第二の方向が前記第一の方向に比べて長い形状となっている圧電振動子。
  2. 前記一対の支持腕部が前記接着剤によって前記実装面に接着される位置は、前記一対の支持腕部が振動する際に振動の節となる位置である請求項1に記載の圧電振動子。
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