JP2015065253A - パッケージ構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージで覆った電子部品の、外部環境の熱による温度上昇を抑制する。
【解決手段】例えばパッケージ構造体100aは、電子部品10を覆うインナーパッケージ20と、インナーパッケージ20を覆うアウターパッケージ40と、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に設けられた断熱材30とを含む。そのアウターパッケージ40の、断熱材30と対向する内面で、電子部品10に対応する部位に、凹部43を設ける。これにより、外部環境の熱により電子部品10が熱変形し、インナーパッケージ20が膨らんでも、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の過度な接近が抑制され、電子部品10の温度上昇が抑制される。
【選択図】図10

Description

本発明は、パッケージ構造体に関する。
半導体素子等の電子素子を含む電子部品を、外部の環境や衝撃等から保護する部材で覆う技術が知られている。このような技術を用いた例として、半導体メモリ素子及びアンテナ素子を設けた基板(インレット、インレイ等とも称される)を、樹脂やセラミックスを用いた材料で覆った構造体が知られている。このような構造体は、電波を用いて情報の書き込み、読み出しが行われ、例えば、電子タグ(RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等とも称される)として商品や部品に取り付けられ、物流管理や工程管理に利用される。
特開2006−031599号公報 特開2001−175823号公報 特開2008−129838号公報
上記のような構造体は、室温のような外部環境で使用される場合のほか、より高温の外部環境で使用される場合もある。構造体が比較的高温の外部環境で使用され、その外部環境の熱が構造体内部に伝わり、構造体内部の電子部品の温度が設定温度以上、例えば電子部品が正常に動作可能な温度以上にまで上昇してしまうような場合には、構造体の性能、信頼性が低下する恐れがある。
本発明の一観点によれば、電子部品と、前記電子部品を覆う第1パッケージと、前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材とを含むパッケージ構造体が提供される。前記パッケージ構造体において、前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面であって、前記電子部品に対応する部位に、凹部を有する。或いは、前記パッケージ構造体において、前記第1パッケージは、前記電子部品を挟んで一方側及び他方側にそれぞれ複数層の部材を有する。
開示のパッケージ構造体によれば、その外部環境の熱による、パッケージ内の電子部品の温度上昇を抑制することが可能になる。これにより、電子部品を含む、高性能、高信頼性のパッケージ構造体が実現可能になる。
第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その2)である。 インレイの一例を示す図である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その1)である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その2)である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その3)である。 第1の実施の形態に係るパッケージ構造体のモデルの説明図である。 第1の実施の形態に係るモデルの解析結果の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その1)である。 第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その2)である。 第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その1)である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その2)である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図である。 第4の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その1)である。 第4の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その2)である。 第4の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図である。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2は第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図である。尚、図1はパッケージ構造体の一例の外観模式図である。図2(A)は図1の鎖線S1に沿った断面模式図、図2(B)は図1の一点鎖線S2に沿った断面模式図、図2(C)は図1の二点鎖線S3に沿った断面模式図である。
パッケージ構造体100は、図1及び図2に示すように、電子部品10、インナーパッケージ20、断熱材30及びアウターパッケージ40を備えている。
インナーパッケージ20は、電子部品10を覆うように設けられ、このインナーパッケージ20の外側に、インナーパッケージ20を覆うように、アウターパッケージ40が設けられている。このようなインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に、インナーパッケージ20を覆うように、断熱材30が設けられている。パッケージ構造体100では、アウターパッケージ40が直接外部環境に曝される。
インナーパッケージ20及びアウターパッケージ40には、樹脂材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の一定の耐熱性を有する樹脂材料が用いられる。尚、インナーパッケージ20及びアウターパッケージ40の材料は、同じでも異なってもよい。
インナーパッケージ20は、電子部品10を上下から挟む2つの部材(上側及び下側インナーパッケージ)を有し、これらの部材同士が、端部、例えば四隅で、ネジ50を用いて固定(一体化)されている。アウターパッケージ40は、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20とその周囲の断熱材30を覆う2つの部材(上側及び下側アウターパッケージ)を有し、これらの部材同士が熱溶着、接着、テープ封止等の方法で固着(一体化)されている。尚、これらの点の詳細は後述する。
インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に設けられる断熱材30には、砂状或いは粒状の無機材料、例えば、セラミックス、ガラス等の一定の耐熱性を有する砂状或いは粒状の無機材料が用いられる。このような砂状或いは粒状の材料が用いられることで、断熱材30は、流動性を示し、後述のようにインナーパッケージ20が変形する際、その変形に追従して柔軟に形状を変化させる。
インナーパッケージ20に内蔵される電子部品10には、例えば、基板に半導体メモリ素子及びアンテナ素子を設けた形態を有するインレイ(インレット)が用いられる。電子部品10として用いられるインレイの一例を図3に示す。図3(A)はインレイの平面模式図、図3(B)は図3(A)のM−M断面模式図である。
図3に例示する電子部品10(インレイ)は、基板11、アンテナ12(アンテナ素子)、制御IC(Integrated Circuit)チップ13(半導体素子)、及びメモリチップ14(半導体素子)を有している。
基板11には、板状、シート状、フィルム状の基板が用いられる。例えば、基板11には、エポキシ樹脂又はガラスエポキシ樹脂を用いたものを用いることができる。基板11にはこのほか、ビスマレイミドトリアジン、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料、ガラス繊維や炭素繊維等を含有する複合樹脂材料等を用いることもできる。
アンテナ12には、所定のパターン形状とした導電膜が用いられる。アンテナ12に用いる導電膜には、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)等の金属材料、それらのうちの少なくとも1種を含む金属材料を用いることができる。アンテナ12は、例えば、このような金属材料を含むペーストを基板11上に印刷法を用いて形成したり、このような金属材料の箔を基板11上に貼付した後エッチングによりパターニングしたりすることで、設けることができる。
制御ICチップ13及びメモリチップ14は、基板11上に設けられ、アンテナ12に電気的に接続されている。制御ICチップ13は、外部からアンテナ12で受信される情報をメモリチップ14に書き込み、また、メモリチップ14に記憶されている情報を読み出してアンテナ12から外部に送信する処理を実行する。
尚、ここでは制御ICチップ13とメモリチップ14の2つの半導体チップを基板11上に設ける場合を例示した。このほか、制御ICチップ13とメモリチップ14の双方の機能を1チップに組み込んだ半導体チップ(メモリ内蔵型ICチップ)を、アンテナ12と電気的に接続して基板11上に設けることもできる。
上記のパッケージ構造体100では、このような構成を有する電子部品10を覆うようにインナーパッケージ20が設けられ、その外側に、断熱材30を介して、アウターパッケージ40がインナーパッケージ20及び断熱材30を覆うように設けられる。
パッケージ構造体100において、その電子部品10に含まれる半導体チップ(例えばメモリチップ14又はメモリ内蔵型ICチップ)は、それ自体は比較的熱に弱い。パッケージ構造体100では、上記のように電子部品10をインナーパッケージ20、断熱材30、アウターパッケージ40で順に覆う構造とすることで、アウターパッケージ40が直接曝される外部環境の熱が、内部の電子部品10にまで伝わる時間を遅らせる。それにより、電子部品10の温度上昇を抑制し、電子部品10の熱ダメージを抑制する。
パッケージ構造体100は、室温のような比較的低温の外部環境のほか、比較的高温の外部環境で使用された場合でも、電子部品10の、外部環境の熱によるダメージを抑制することができるように、その外部環境の温度に基づき、設計が行われる。
例えば、比較的高温の外部環境で使用されるパッケージ構造体100は、次のような構成とすることができる。電子部品10には、例えば、平面サイズが60mm×20mm、厚さが1mmのものを用いる。インナーパッケージ20には、例えば、PPS樹脂等の耐熱性樹脂を用いたもので、平面サイズが80mm×80mm、厚さが10mmのものを用いる。アウターパッケージ40には、例えば、PPS樹脂等の耐熱性樹脂を用いたもので、平面サイズが100mm×100mm、厚さが30mm、肉厚が5mmのものを用いる。このようなサイズのインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に、砂状のセラミックス等の無機材料を用いた、流動性を示す断熱材30を設ける。
尚、電子タグは、このような比較的高温の外部環境のほか、比較的高湿度の外部環境、或いは、水中や溶液中、ガス(人体に有毒なガス等)雰囲気中、減圧雰囲気中といった外部環境で使用される場合もある。このような外部環境で使用される電子タグとして上記のようなパッケージ構造体100を採用する場合には、温度のほか、各外部環境の条件に基づき、パッケージ構造体100の設計が行われる。
パッケージ構造体100は、例えば、次のようにして形成することができる。
図4〜図6はパッケージ構造体の形成方法の一例を示す図である。図4〜図6にはパッケージ構造体の各形成工程の要部断面を模式的に図示している。
図4(A)及び図4(B)には、電子部品10をインナーパッケージ20に内蔵する工程を例示している。
インナーパッケージ20は、図4(A)に示すように、電子部品10をその上下から挟む下側インナーパッケージ21(部材)及び上側インナーパッケージ22(部材)を含む。下側インナーパッケージ21は、電子部品10の下部側を収容する凹部21aを有し、上側インナーパッケージ22は、電子部品10の上部側を収容する凹部22aを有している。
このような下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22の間に電子部品10を配置し、図4(B)に示すように、下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22を、例えばそれらの四隅をネジ50で固定(ネジ止め)し、一体化する。この場合、下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22のネジ止め位置には、ネジ50が螺着可能なネジ孔50aが予め設けられる。尚、下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22のネジ止め位置は、電子部品10が配置される領域(凹部21a,22a)よりも外側の端部であれば、上記のような四隅に限定されるものではない。
図4(A)及び図4(B)のような工程により、インナーパッケージ20に電子部品10が内蔵された構造体110を得る。
図5(A)及び図5(B)並びに図6(A)〜図6(C)には、断熱材30及び上記構造体110をアウターパッケージ40に内蔵する工程を例示している。
アウターパッケージ40は、図5(A)に示すような下側アウターパッケージ41(部材)、並びに、図6(B)及び図6(C)に示すような上側アウターパッケージ42(部材)を含む。図5(A)に示すように、下側アウターパッケージ41は、構造体110を収容する収容部41a、及び、板状の上側アウターパッケージ42が嵌め合わされる嵌合部41bを有している。
まず、図5(A)に示すような下側アウターパッケージ41の収容部41aの底部に、図5(B)に示すように、断熱材30の一部を配置する。
次いで、図6(A)に示すように、下側アウターパッケージ41の、断熱材30の一部を配置した収容部41aに、構造体110を配置する。下側アウターパッケージ41の収容部41aは、このように構造体110を配置した時に、その構造体110の周囲に、残りの断熱材30が配置される隙間41cができるような寸法で、予め形成される。
下側アウターパッケージ41の収容部41aに構造体110を配置した後は、図6(B)に示すように、構造体110の周囲の隙間41cに、残りの断熱材30を配置し、構造体110を断熱材30で覆う。
このように構造体110を断熱材30で覆った後、図6(B)及び図6(C)に示すように、下側アウターパッケージ41の嵌合部41bに、上側アウターパッケージ42を嵌め合わせ、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化する。下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化する方法には、例えば、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を熱溶着する方法、接着剤等で接着する方法がある。このほか、上記のような熱溶着或いは接着は行わず、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42の、例えばその嵌め合わせた境界部分を、テープ封止等でシーリングする方法もある。上記のような熱溶着或いは接着した下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42の、例えばその嵌め合わせた境界部分を、テープ封止等でシーリングしてもよい。このように下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化することで、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20及び断熱材30がアウターパッケージ40によって封止される。
図4〜図6のような工程により、電子部品10をインナーパッケージ20、断熱材30、アウターパッケージ40で順に覆った構造を有するパッケージ構造体100が形成される。
上記のように、パッケージ構造体100では、直接外部環境に曝されるアウターパッケージ40の内側に、断熱材30を介して、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20が配置される。これにより、外部環境の熱が電子部品10にまで伝わる時間を遅らせ、電子部品10の温度上昇、それによる熱ダメージを抑制することができる。
また、アウターパッケージ40の上側と下側の部材を、上記のように熱溶着や接着、或いはテープ封止等の方法で一体化(固着)することで、外部環境の気体や液体の侵入、それによるダメージを抑制することができる。
更に、インナーパッケージ20の上側と下側の部材を、上記のようにネジ止め固定する構造では、アウターパッケージ40と同様に熱溶着等で固着する場合に比べて、電子部品10の交換作業が容易になり、また、インナーパッケージ20の再利用が容易になる。例えば、一定の期間、一定の外部環境で使用したパッケージ構造体100について、電子部品10の交換を行う際には、まず、アウターパッケージ40の固着された上側と下側の部材が分解された後、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20が取り出される。インナーパッケージ20のネジ止めされた上側と下側の部材は、ネジ50を外すことで容易に分離することができ、電子部品10の交換後は、同じ上側と下側の部材を用い、それらをネジ50で止め、再利用することができる。パッケージ構造体100において、仮に外部環境に直接曝されたアウターパッケージ40が再利用できなかったとしても、インナーパッケージ20は、アウターパッケージ40によって外部環境から保護されているため、このような再利用も可能な場合がある。インナーパッケージ20の上側と下側の部材をネジ止め固定する構造は、インナーパッケージ20の再利用、電子部品10の交換作業の容易化に有効である。
ところで、パッケージ構造体100を、例えば前述のような比較的高温の外部環境で使用する場合には、その外部環境の熱により、パッケージ構造体100に変形(熱変形)が生じ得る。パッケージ構造体100の熱変形は、内蔵される電子部品10の温度に影響し得る。
ここで、パッケージ構造体100の熱変形を考慮したモデルを用い、熱変形と中心部温度の関係を解析(シミュレーション)した結果の一例について述べる。
図7は第1の実施の形態に係るパッケージ構造体のモデルの説明図、図8は第1の実施の形態に係るモデルの解析結果の一例を示す図である。
図7(A)には、外部環境の温度で熱変形しないパッケージ構造体100のモデル101、即ち熱変形を考慮していないモデル101を示している。
図7(B)には、外部環境の温度で熱変形するパッケージ構造体100のモデル102、即ち熱変形を考慮したモデル102を示している。
パッケージ構造体100では、アウターパッケージ40及びインナーパッケージ20が熱膨張するよりも前に、外部環境からアウターパッケージ40、断熱材30及びインナーパッケージ20を介して伝わった熱によって、電子部品10が熱変形する場合がある。電子部品10に、上記の図3に示したエポキシ樹脂等の樹脂製の基板11が用いられているような場合には、熱による電子部品10の反りやねじれ等の熱変形が生じ得る。
上記の図4〜図6に示すような方法で形成されるパッケージ構造体100では、インナーパッケージ20の下側と上側の部材(下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22)が、例えば四隅の位置でネジ止めされ、固定されている。このようなネジ止め固定の場合、電子部品10の熱変形が生じると、その熱変形した電子部品10によって、インナーパッケージ20の、ネジ止め固定位置より内側の中央部が、内から押し広げられて上下に膨らむような変形が生じ得る。
一方、上記の図4〜図6に示すような方法で形成されるパッケージ構造体100のアウターパッケージ40は、インナーパッケージ20の周囲で、下側と上側の部材(下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42)が固着されている。このように固着されたアウターパッケージ40は、電子部品10の熱変形、それによるインナーパッケージ20の変形が生じる場合にも、その変形が抑えられるようになる。
図7(B)には、アウターパッケージ40が変形しないか或いは殆ど変形せず、熱変形した電子部品10によってインナーパッケージ20がその中央部が膨らむように変形し、その変形に追従するように断熱材30が変形する様子の一例を図示している。
インナーパッケージ20が、その中央部が膨らむように変形すると、図7(B)に示すように、電子部品10の上下には空間60(例えば空気層)が形成される。インナーパッケージ20の中央部が膨らむような変形には、上記のような電子部品10の熱変形のほか、形成時に下側と上側の部材(下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22)の間に入った気体(例えば空気)の熱膨張も寄与し得る。
パッケージ構造体100の図7(B)のモデル102では、インナーパッケージ20の変形量が比較的大きくなる中心線Cの位置における、アウターパッケージ40の断熱材30側の内面とインナーパッケージ20の断熱材30側の外面との間の距離をLとする。更に、中心線Cの位置におけるインナーパッケージ20の膨らみをGとする。また、中心線C上の点Pの位置をパッケージ構造体100の中心部とし、点Pの温度を中心部温度Tとする。
上記のような熱変形を考慮したモデル102を用い、パッケージ構造体100を所定条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心部温度Tを解析した結果を図8に示す。ここでは、パッケージ構造体100を、240℃で30分→30℃で30分→180℃で30分→30℃で30分→180℃で30分→30℃で30分、という一連の外部環境に曝す条件を用いている。また、図8には、熱変形を考慮しないモデル101を用い、パッケージ構造体100を同条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心部温度Tの解析結果を併せて示している。
まず、図7(A)のモデル101のように、外部環境によって熱変形が生じない、即ち、電子部品10が熱変形せず、インナーパッケージ20の膨らみGが0mmであるとした場合について述べる。尚、電子部品10に対応する部位のインナーパッケージ20の厚さ(電子部品10を挟んだ上下一方側の厚さ)は4.5mmとしている。この場合、パッケージ構造体100は、上記のような一連の外部環境における240℃又は180℃の加熱に伴い、図8のzに示すように中心部温度Tが上昇する。
このモデル101の中心部温度Tを、実際のパッケージ構造体100の中心部温度(実測温度)と比較すると、実測温度よりも低い値を示す傾向がある。そのため、このような熱変形を考慮しないモデル101の解析結果に基づいてパッケージ構造体100の設計を行うと、実際の電子部品10の温度が設計値よりも高くなり、電子部品10に熱ダメージが加わる可能性がある。
モデル101を用いた解析により得られる中心部温度Tと、パッケージ構造体100について得られる実測温度との差は、モデル102に示すような熱変形が影響しているものと考えられる。
モデル102を用いた図8のaの例では、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20が同じ材料(例えばPPS樹脂)であって、インナーパッケージ20が、その膨らみGが2mmで変形するとして、中心部温度Tの解析を行っている。尚、電子部品10に対応する部位のインナーパッケージ20の厚さ(電子部品10を挟んだ上下一方側の厚さ)は4.5mmとしている。インナーパッケージ20が、その膨らみGが2mmで変形し、その変形によってアウターパッケージ40に近付くとすると(図8のa)、中心部温度Tは、インナーパッケージ20が変形しないとした場合(図8のz)に比べて、高くなる。
パッケージ構造体100では、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが電子部品10の温度に影響し、インナーパッケージ20が膨らんでアウターパッケージ40に接近することで、電子部品10の温度上昇が生じる可能性が高くなる。
そこで、以下では、このような電子部品10の温度上昇が抑制可能なパッケージ構造体について、第2〜第4の実施の形態として、詳細に説明する。
まず、第2の実施の形態について説明する。
ここでは、変形するインナーパッケージ20の、アウターパッケージ40への過度な接近を抑制することで、電子部品10の温度上昇を抑制する方法について説明する。
図9及び図10は第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図である。図9(A)〜図9(C)には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示し、図10(A)〜図10(C)には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示している。尚、図9及び図10の(A)〜(C)はそれぞれ、上記第1の実施の形態で述べた図1の鎖線S1、一点鎖線S2、二点鎖線S3に沿った各断面位置に対応する断面模式図である。また、ここでの比較的低温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じないような温度環境を言うものとする。また、比較的高温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図9(A)〜図9(C)に示すパッケージ構造体100aは、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20、断熱材30及びアウターパッケージ40を含んでいる。このパッケージ構造体100aは、アウターパッケージ40の内面(断熱材30側の面)であって、電子部品10に対応する部位に、凹部43が設けられている。このような点で、パッケージ構造体100aは、上記第1の実施の形態に係るパッケージ構造体100と相違する。
パッケージ構造体100aは、上記のパッケージ構造体100について図4〜図6を参照して説明したのと同様の手順で、形成することができる。その場合、パッケージ構造体100aでは、アウターパッケージ40の下側と上側の部材(下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42)の内面の、電子部品10の下方及び上方に対応する部位にそれぞれ、凹部43が設けられる。このような凹部43が設けられたアウターパッケージ40が用いられ、上記の図4〜図6の例に従って、パッケージ構造体100aが形成される。
パッケージ構造体100aのアウターパッケージ40において、凹部43を設けた部位では、その他の部位に比べて、凹部43を設けた分、アウターパッケージ40の肉厚が薄くなる。パッケージ構造体100aでは、このようにアウターパッケージ40の肉厚が薄くなる部位を、電子部品10に対応する部位の領域内に留める。そのため、アウターパッケージ40の肉厚が薄くなる領域の面積が抑えられ、アウターパッケージ40及びこれを用いたパッケージ構造体100aの機械的強度の低下が抑えられる。
アウターパッケージ40に設ける凹部43の深さDは、パッケージ構造体100aの使用時に電子部品10に生じる熱変形、及び、その熱変形によって生じるインナーパッケージ20の変形に基づいて、設定される。
パッケージ構造体100aが比較的高温の外部環境に曝されると、例えば図10(A)〜図10(C)に示すような電子部品10の熱変形、及び、インナーパッケージ20の変形が生じ得る。例えば、電子部品10の熱変形により、インナーパッケージ20の四隅等をネジ50で固定された下側と上側の部材(下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22)が、その中央部が内から押し広げられて膨らむように変形し、空間60が形成される。インナーパッケージ20が膨らむように変形すると、その変形に追従するように流動性の断熱材30が変形する。
パッケージ構造体100aでは、このように電子部品10の熱変形に起因してインナーパッケージ20が膨らんでも、アウターパッケージ40に凹部43が設けられているため、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の過度な接近が抑制される。即ち、パッケージ構造体100aでは、図9に示したように、アウターパッケージ40に凹部43を設けていることで、電子部品10に対応する部位におけるアウターパッケージ40の内面からインナーパッケージ20の外面までの距離Lが、元々長くなっている。そのため、図10に示したように、電子部品10が熱変形し、インナーパッケージ20が膨らんでも、アウターパッケージ40の内面からインナーパッケージ20の外面の間に、一定の距離L1が確保される。これにより、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の過度な接近が抑制される。
アウターパッケージ40に設ける凹部43は、このようにインナーパッケージ20が膨らんでも、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間に一定の距離L1が確保されるように、その深さDが設定される。
アウターパッケージ40に凹部43を設けたパッケージ構造体100aについて、上記図8で述べたのと同条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心部温度Tを解析した結果を図11に示す。
図11には、アウターパッケージ40に深さDが2mmの凹部43を設け(図9)、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じる(図10)とした場合の中心部温度Tの解析結果(図11のb)を示している。
また、図11には、比較のため、アウターパッケージ40に凹部43を設けず、インナーパッケージ20の膨らみGが0mmであるとした場合(図7(A)のモデル101)の中心部温度Tの解析結果(図11のz(図8のzに相当))を併せて示している。更に、図11には、比較のため、アウターパッケージ40に凹部43を設けず、インナーパッケージ20の膨らみGが2mmであるとした場合(図7(B)のモデル102)の中心部温度Tの解析結果(図11のa(図8のaに相当))も併せて示している。
尚、図11のいずれの場合(図11のa,b,z)も、電子部品10に対応する部位のインナーパッケージ20の厚さ(電子部品10を挟んだ上下一方側の厚さ)は4.5mmとしている。
図11より、インナーパッケージ20が膨らむように変形する場合(図11のa,b)、アウターパッケージ40に凹部43を設けると(図11のb)、凹部43を設けないもの(図11のa)に比べて、中心部温度Tが低く抑えられるようになる。アウターパッケージ40に凹部43を設ける場合(図11のb)、中心部温度Tは、インナーパッケージ20に膨らみが生じないとしたもの(図11のz)の中心部温度Tに比較的近付く傾向が認められる。
第2の実施の形態に係るパッケージ構造体100aでは、アウターパッケージ40の電子部品10に対応する部位に、使用時のインナーパッケージ20の変形(膨らみ)に基づいて設定される深さDの凹部43を設ける。これにより、インナーパッケージ20が膨らむように変形する場合でも、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の過度な接近が抑制され、電子部品10への熱伝達(アウターパッケージ40から電子部品10までの熱抵抗の低下)が抑制される。その結果、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが効果的に抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100aが実現される。
次に、第3の実施の形態について説明する。
ここでは、変形するインナーパッケージ20の熱抵抗を増加させることで、電子部品10の温度上昇を抑制する方法について説明する。
図12及び図13は第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図である。図12には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の要部断面を模式的に図示し、図13には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の要部断面を模式的に図示している。尚、ここでの比較的低温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じないような温度環境を言うものとし、比較的高温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図12に示すパッケージ構造体100bは、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20が、複数層(ここでは一例として合計4層)の部材23(23a,23b,23c,23d)を含んでいる。図12には、部材23として、電子部品10の下側に2層の部材23a,23bを有し、電子部品10の上側に2層の部材23c,23dを有するパッケージ構造体100bを例示している。このような複数層の部材23を含むインナーパッケージ20が用いられている点で、パッケージ構造体100bは、上記第1の実施の形態に係るパッケージ構造体100と相違する。
パッケージ構造体100bは、上記のパッケージ構造体100について図4〜図6を参照して説明したのと同様の手順で、形成することができる。その場合、パッケージ構造体100bでは、電子部品10を上下から挟む複数層の部材23、即ちこの例では下側2層、上側2層の計4層の部材23a,23b,23c,23dが準備される。そして、上記の図4の例に従い、下側2層の部材23a,23bと、上側2層の部材23c,23dとの間に、電子部品10が配置され、部材23a,23b,23c,23dがそれらの四隅等をネジ50で固定される。その後は、上記の図5及び図6の例に従い、断熱材30及びアウターパッケージ40が設けられ、パッケージ構造体100bが形成される。
パッケージ構造体100bが比較的高温の外部環境に曝されると、例えば図13に示すように、電子部品10の熱変形、及び、インナーパッケージ20の変形が生じ得る。例えば、パッケージ構造体100bでは、四隅等をネジ50で固定されたインナーパッケージ20に、熱変形する電子部品10によって押される力が働き、電子部品10に直近の部材23a,23c間に空間60(例えば空気層)が形成される。更に、このパッケージ構造体100bでは、部材23a,23b,23c,23dの各層間の気体(例えば空気)が熱膨張し、各層間に空間61(例えば空気層)が形成される。このような電子部品10の熱変形と、部材23a,23b,23c,23dの各層間における空間61,60の形成により、インナーパッケージ20は、その中央部が内から押し広げられて膨らむように変形し得る。このようにインナーパッケージ20が膨らむように変形すると、その変形に追従するように流動性の断熱材30が変形する。
パッケージ構造体100bでは、インナーパッケージ20の部材23a,23b,23c,23dの各層間に空間61,60が形成されることで、インナーパッケージ20の熱抵抗が増加するようになる。このようにインナーパッケージ20の熱抵抗が増加することで、外部環境の熱がアウターパッケージ40から電子部品10にまで伝わる時間を遅らせることが可能になり、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージを抑制することが可能になる。
尚、ここではインナーパッケージ20として、電子部品10の下側に2層、上側に2層の、計4層の部材23(23a,23b,23c,23d)を含むものを例示したが、インナーパッケージ20の層数はこれに限定されるものではない。インナーパッケージ20としては、電子部品10の下側に2層以上の部材23を有し、上側に2層以上の部材23を有するものを用いることができる。この場合、電子部品10の下側と上側に設ける部材23の層数は、必ずしも互いに同数であることを要しない。
また、電子部品10の下側と上側に設ける部材23群の各々の厚さは、必ずしも同じ或いは同等であることを要しない。
電子部品10の上側と下側にそれぞれ複数層の部材23を有するインナーパッケージ20を用いたパッケージ構造体100bについて、上記図8で述べたのと同条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心温度Tを解析した結果を図14に示す。
図14には、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ2層の部材23を有し(図12)、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じる(図13)とした場合の中心部温度Tの解析結果(図14のc1)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを2.25mmとし、各部材23が1mm膨らむものとしている(部材23群の、電子部品10を挟んだ上下一方側の合計の厚さは4.5mm、膨らみGは2mm)。
図14には更に、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ3層の部材23を有し、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図14のd1)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを1.5mmとし、各部材23が0.67mm膨らむものとしている(部材23群の、電子部品10を挟んだ上下一方側の合計の厚さは4.5mm、膨らみGは2mm)。
図14には更に、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ5層の部材23を有し、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図14のe1)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを0.9mmとし、各部材23が0.4mm膨らむものとしている(部材23群の、電子部品10を挟んだ上下一方側の合計の厚さは4.5mm、膨らみGは2mm)。
尚、いずれの場合(図14のc1,d1,e1)も、アウターパッケージ40には上記第2の実施の形態で述べたような凹部43は設けていない。
また、図14には、比較のため、上記第1の実施の形態で述べた、アウターパッケージ40に凹部43を設けず、インナーパッケージ20の膨らみGが0mmであるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図14のz(図8のzに相当))を併せて示している。更に、図14には、比較のため、上記第1の実施の形態で述べた、アウターパッケージ40に凹部43を設けず、インナーパッケージ20の膨らみGが2mmであるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図14のa(図8のaに相当))も併せて示している。尚、いずれの場合(図14のa,z)も、電子部品10に対応する部位のインナーパッケージ20の厚さは4.5mmとしている。
図14より、インナーパッケージ20が膨らむように変形する場合(図14のa,c1,d1,e1)、電子部品10の上側と下側にそれぞれ複数層の部材23を有する構造(図14のc1,d1,e1)とすると、中心部温度Tが低く抑えられるようになる。電子部品10の上側と下側にそれぞれ複数層の部材23を有する構造(図14のc1,d1,e1)を採用した場合、中心部温度Tは、インナーパッケージ20に膨らみが生じないとした場合(図14のz)の中心部温度Tに比較的近付く傾向が認められる。また、電子部品10の上側と下側にそれぞれ複数層の部材23を有する構造(図14のc1,d1,e1)を採用した場合、中心部温度Tは、部材23の層数が増加するのに伴い、低く抑えられる傾向が認められる。
第3の実施の形態に係るパッケージ構造体100bでは、電子部品10の上側と下側にそれぞれ複数層の部材23を有するインナーパッケージ20を設ける。パッケージ構造体100bでは、インナーパッケージ20が変形する際、部材23群の各層間に空間61,60が形成され、インナーパッケージ20の熱抵抗が増加する。これにより、外部環境の熱がアウターパッケージ40から電子部品10にまで伝わる時間を遅らせることが可能になる。その結果、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが効果的に抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100bが実現される。
次に、第4の実施の形態について説明する。
ここでは、変形するインナーパッケージ20の熱抵抗を増加させると共に、変形するインナーパッケージ20の、アウターパッケージ40への過度な接近を抑制することで、電子部品10の温度上昇を抑制する方法について説明する。
図15及び図16は第4の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図である。図15には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の要部断面を模式的に図示し、図16には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の要部断面を模式的に図示している。尚、ここでの比較的低温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じないような温度環境を言うものとし、比較的高温の外部環境とは、電子部品に熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図15に示すパッケージ構造体100cは、アウターパッケージ40の内面(断熱材30側の面)であって、電子部品10に対応する部位に、上記第2の実施の形態で述べたような凹部43が設けられている。このような点で、パッケージ構造体100cは、上記第3の実施の形態に係るパッケージ構造体100bと相違する。
パッケージ構造体100cは、上記の図4〜図6に示したのと同様の手順で、形成することができる。その場合、パッケージ構造体100cでは、インナーパッケージ20として、電子部品10を上下から挟む複数層の部材23、即ちこの例では4層の部材23a,23b,23c,23dが準備される。また、アウターパッケージ40として、下側と上側の部材(下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42)の内面の、電子部品10の下方及び上方に対応する部位にそれぞれ、凹部43を設けたものが準備される。このようなインナーパッケージ20及びアウターパッケージ40が用いられ、上記の図4〜図6の例に従って、パッケージ構造体100cが形成される。
パッケージ構造体100cが比較的高温の外部環境に曝されると、例えば図16に示すように、電子部品10が熱変形し、また、内部の気体の熱膨張により、インナーパッケージ20の部材23a,23b,23c,23dの各層間に空間61,60が形成される。その際、インナーパッケージ20は、その中央部が内から押し広げられて膨らむように変形し得る。インナーパッケージ20が膨らむように変形する場合でも、このパッケージ構造体100cでは、アウターパッケージ40の電子部品10に対応する部位に凹部43が設けられているため、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の過度な接近が抑制される。
パッケージ構造体100cについて、上記図8で述べたのと同条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心温度Tを解析した結果を図17に示す。
図17には、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ2層の部材23を有し(図15)、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じる(図16)とした場合の中心部温度Tの解析結果(図17のc2)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを2.25mmとし、各部材23が1mm膨らむものとしている。
図17には更に、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ3層の部材23を有し、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図17のd2)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを1.5mmとし、各部材23が0.67mm膨らむものとしている。
図17には更に、インナーパッケージ20が電子部品10の上下にそれぞれ5層の部材23を有し、上記外部環境に曝してインナーパッケージ20に膨らみGが2mmの変形が生じるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図17のe2)を示している。ここでは、電子部品10に対応する部位の各部材23の厚さを0.9mmとし、各部材23が0.4mm膨らむものとしている。
尚、いずれの場合(図17のc2,d2,e2)も、アウターパッケージ40には、インナーパッケージ20の2mmの膨らみGに基づき、深さDが2mmの凹部43を設けている。
また、図17には、比較のため、上記第2の実施の形態で述べた、アウターパッケージ40に凹部43を設けず、インナーパッケージ20の膨らみGが0mmであるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図17のz(図11のzに相当))を併せて示している。更に、図17には、比較のため、上記第2の実施の形態で述べた、アウターパッケージ40に深さDが2mmの凹部43を設け、インナーパッケージ20の膨らみGが2mmであるとした場合の中心部温度Tの解析結果(図17のb(図11のbに相当))も併せて示している。尚、いずれの場合(図17のb,z)も、電子部品10に対応する部位のインナーパッケージ20の厚さは4.5mmとしている。
図17(図17のb,c2,d2,e2)より、アウターパッケージ40が凹部43を有し、インナーパッケージ20が複数層の部材23を有する構造(図17のc2,d2,e2)とすると、中心部温度Tが低く抑えられるようになる。複数層の部材23を有する構造を採用した場合(図17のc2,d2,e2)、採用しない場合(図17のb)に比べて、中心部温度Tは、インナーパッケージ20に膨らみが生じないとした場合(図17のz)の中心部温度Tに比較的近付く傾向が認められる。また、複数層の部材23を有する構造を採用した場合(図17のc2,d2,e2)、中心部温度Tは、部材23の層数が増加するのに伴い、低く抑えられる傾向が認められる。
パッケージ構造体100cでは、空間61,60によるインナーパッケージ20の熱抵抗の増加と、凹部43によるアウターパッケージ40とインナーパッケージ20の過度な接近の抑制により、電子部品10への熱伝達が抑制される。それにより、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージを抑制することが可能になる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電子部品と、
前記電子部品を覆う第1パッケージと、
前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
を含み、
前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面であって、前記電子部品に対応する部位に、凹部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
(付記2) 前記第1パッケージは、
前記電子部品を挟んで一方側に設けられる第1部材と、
前記電子部品を挟んで他方側に設けられる第2部材と
を含み、
前記第1部材と前記第2部材とは、ネジ止め固定されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ構造体。
(付記3) 加熱された時の前記第1パッケージの前記第2パッケージ側への変形量に基づいて、前記凹部の深さが設定されることを特徴とする付記1又は2に記載のパッケージ構造体。
(付記4) 電子部品と、
前記電子部品を覆う第1パッケージと、
前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
を含み、
前記第1パッケージは、前記電子部品を挟んで一方側及び他方側にそれぞれ複数層の部材を有することを特徴とするパッケージ構造体。
(付記5) 前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面であって、前記電子部品に対応する部位に、凹部を有することを特徴とする付記4に記載のパッケージ構造体。
(付記6) 前記電子部品を挟んで一方側の前記複数層の部材と、前記電子部品を挟んで他方側の前記複数層の部材とは、ネジ止め固定されていることを特徴とする付記4又は5に記載のパッケージ構造体。
(付記7) 前記複数層の部材の間に気体が含まれていることを特徴とする付記4乃至6のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記8) 加熱された時の前記気体の熱膨張により、前記複数層の部材の間に空間が形成されることを特徴とする付記7に記載のパッケージ構造体。
(付記9) 前記第2パッケージは、
前記第1パッケージを収容する第3部材と、
前記第3部材に嵌合される第4部材と
を含み、
前記第1パッケージは、前記第3部材と、前記第3部材に嵌合された前記第4部材とによって封止されていることを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記10) 前記電子部品は、
基板と、
前記基板上に設けられたアンテナと、
前記基板上に設けられ、前記アンテナに電気的に接続された半導体素子と
を含むことを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記11) 前記断熱材は、流動性を有することを特徴とする付記1乃至10のいずれかに記載のパッケージ構造体。
10 電子部品
11 基板
12 アンテナ
13 制御ICチップ
14 メモリチップ
20 インナーパッケージ
21 下側インナーパッケージ
22 上側インナーパッケージ
21a,22a,43 凹部
23,23a,23b,23c,23d 部材
30 断熱材
40 アウターパッケージ
41 下側アウターパッケージ
41a 収容部
41b 嵌合部
41c 隙間
42 上側アウターパッケージ
50 ネジ
50a ネジ孔
60,61 空間
100,100a,100b,100c パッケージ構造体
101,102 モデル
110 構造体

Claims (6)

  1. 電子部品と、
    前記電子部品を覆う第1パッケージと、
    前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
    前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
    を含み、
    前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面であって、前記電子部品に対応する部位に、凹部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
  2. 前記第1パッケージは、
    前記電子部品を挟んで一方側に設けられる第1部材と、
    前記電子部品を挟んで他方側に設けられる第2部材と
    を含み、
    前記第1部材と前記第2部材とは、ネジ止め固定されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ構造体。
  3. 電子部品と、
    前記電子部品を覆う第1パッケージと、
    前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
    前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
    を含み、
    前記第1パッケージは、前記電子部品を挟んで一方側及び他方側にそれぞれ複数層の部材を有することを特徴とするパッケージ構造体。
  4. 前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面であって、前記電子部品に対応する部位に、凹部を有することを特徴とする請求項3に記載のパッケージ構造体。
  5. 前記電子部品を挟んで一方側の前記複数層の部材と、前記電子部品を挟んで他方側の前記複数層の部材とは、ネジ止め固定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のパッケージ構造体。
  6. 前記第2パッケージは、
    前記第1パッケージを収容する第3部材と、
    前記第3部材に嵌合される第4部材と
    を含み、
    前記第1パッケージは、前記第3部材と、前記第3部材に嵌合された前記第4部材とによって封止されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパッケージ構造体。
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