JP6102655B2 - パッケージ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、パッケージ構造体に関する。
半導体素子等の電子素子を含む電子部品を、外部の環境や衝撃等から保護する部材で覆う技術が知られている。このような技術を用いた例として、半導体メモリ素子及びアンテナ素子を設けた基板(インレット、インレイ等とも称される)を、樹脂やセラミックスを用いた材料で覆った構造体が知られている。このような構造体は、電波を用いて情報の書き込み、読み出しが行われ、例えば、電子タグ(RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等とも称される)として商品や部品に取り付けられ、物流管理や工程管理に利用される。
特開2006−031599号公報 特開2001−175823号公報 特開2008−129838号公報
上記のような構造体は、室温のような外部環境で使用される場合のほか、より高温の外部環境で使用される場合もある。構造体が比較的高温の外部環境で使用され、その外部環境の熱が構造体内部に伝わり、構造体内部の電子部品の温度が設定温度以上、例えば電子部品が正常に動作可能な温度以上にまで上昇してしまうような場合には、構造体の性能、信頼性が低下する恐れがある。
本発明の一観点によれば、電子部品と、前記電子部品を覆う第1パッケージと、前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材とを含むパッケージ構造体が提供される。前記パッケージ構造体において、前記第2パッケージの熱膨張率は、前記第1パッケージの熱膨張率よりも大きい。或いは、前記パッケージ構造体において、前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面に凹凸部を有する。或いは、前記パッケージ構造体において、前記第1パッケージは、前記断熱材と対向する外面に凹凸部を有する。
開示のパッケージ構造体によれば、その外部環境の熱による、パッケージ内の電子部品の温度上昇を抑制することが可能になる。これにより、電子部品を含む、高性能、高信頼性のパッケージ構造体が実現可能になる。
第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その1)である。 第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図(その2)である。 インレイの一例を示す図である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その1)である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その2)である。 パッケージ構造体の形成方法の一例を示す図(その3)である。 第1の実施の形態に係るパッケージ構造体のモデルの説明図である。 第1の実施の形態に係るモデルの解析結果の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図(その1)である。 第2の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図(その2)である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第1の例を説明する図である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第2の例を説明する図である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第3の例を説明する図である。 第3の実施の形態に係るアウターパッケージの一例を示す図である。 第3の実施の形態に係るインナーパッケージの一例を示す図である。 第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の解析結果の一例を示す図である。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2は第1の実施の形態に係るパッケージ構造体の一例を示す図である。尚、図1はパッケージ構造体の一例の斜視模式図である。図2(A)は図1の鎖線S1に沿った断面模式図、図2(B)は図1の一点鎖線S2に沿った断面模式図、図2(C)は図1の二点鎖線S3に沿った断面模式図である。
パッケージ構造体100は、図1及び図2に示すように、電子部品10、インナーパッケージ20、断熱材30及びアウターパッケージ40を備えている。
インナーパッケージ20は、電子部品10を覆うように設けられ、このインナーパッケージ20の外側に、インナーパッケージ20を覆うように、アウターパッケージ40が設けられている。このようなインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に、インナーパッケージ20を覆うように、断熱材30が設けられている。パッケージ構造体100では、アウターパッケージ40が直接外部環境に曝される。
インナーパッケージ20及びアウターパッケージ40には、樹脂材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の一定の耐熱性を有する樹脂材料が用いられる。
インナーパッケージ20は、電子部品10を上下から挟む2つの部材(上側及び下側インナーパッケージ)を有し、これらの部材同士が熱溶着、接着、テープ封止等の方法で固着(一体化)されている。アウターパッケージ40は、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20とその周囲の断熱材30を覆う2つの部材(上側及び下側アウターパッケージ)を有し、これらの部材同士が熱溶着、接着、テープ封止等の方法で固着(一体化)されている。尚、これらの点の詳細は後述する。
インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に設けられる断熱材30には、砂状或いは粒状の無機材料、例えば、セラミックス、ガラス等の一定の耐熱性を有する砂状或いは粒状の無機材料が用いられる。このような砂状或いは粒状の材料が用いられることで、断熱材30は、流動性を示し、後述のようにインナーパッケージ20、アウターパッケージ40が変形(熱変形)する際、その変形に追従して柔軟に形状を変化させる。
インナーパッケージ20に内蔵される電子部品10には、例えば、基板に半導体メモリ素子及びアンテナ素子を設けた形態を有するインレイ(インレット)が用いられる。電子部品10として用いられるインレイの一例を図3に示す。図3(A)はインレイの平面模式図、図3(B)は図3(A)のM−M断面模式図である。
図3に例示する電子部品10(インレイ)は、基板11、アンテナ12(アンテナ素子)、制御IC(Integrated Circuit)チップ13(半導体素子)、及びメモリチップ14(半導体素子)を有している。
基板11には、板状、シート状、フィルム状の基板が用いられる。例えば、基板11には、ビスマレイミドトリアジン樹脂を用いたものを用いることができる。基板11にはこのほか、エポキシ、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料、ガラス繊維や炭素繊維等を含有する複合樹脂材料等を用いることもできる。
アンテナ12には、所定のパターン形状とした導電膜が用いられる。アンテナ12に用いる導電膜には、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)等の金属材料、それらのうちの少なくとも1種を含む金属材料を用いることができる。アンテナ12は、例えば、このような金属材料を含むペーストを基板11上に印刷法を用いて形成したり、このような金属材料の箔を基板11上に貼付した後エッチングによりパターニングしたりすることで、設けることができる。
制御ICチップ13及びメモリチップ14は、基板11上に設けられ、アンテナ12に電気的に接続されている。制御ICチップ13は、外部からアンテナ12で受信される情報をメモリチップ14に書き込み、また、メモリチップ14に記憶されている情報を読み出してアンテナ12から外部に送信する処理を実行する。
尚、ここでは制御ICチップ13とメモリチップ14の2つの半導体チップを基板11上に設ける場合を例示した。このほか、制御ICチップ13とメモリチップ14の双方の機能を1チップに組み込んだ半導体チップ(メモリ内蔵型ICチップ)を、アンテナ12と電気的に接続して基板11上に設けることもできる。
上記のパッケージ構造体100では、このような構成を有する電子部品10を覆うようにインナーパッケージ20が設けられ、その外側に、断熱材30を介して、アウターパッケージ40がインナーパッケージ20及び断熱材30を覆うように設けられる。
パッケージ構造体100において、その電子部品10に含まれる半導体チップ(例えばメモリチップ14又はメモリ内蔵型ICチップ)は、それ自体は比較的熱に弱い。パッケージ構造体100では、上記のように電子部品10をインナーパッケージ20、断熱材30、アウターパッケージ40で順に覆う構造とすることで、アウターパッケージ40が直接曝される外部環境の熱が、内部の電子部品10にまで伝わる時間を遅らせる。それにより、電子部品10の温度上昇を抑制し、電子部品10の熱ダメージを抑制する。
パッケージ構造体100は、室温のような比較的低温の外部環境のほか、比較的高温の外部環境で使用された場合でも、電子部品10の、外部環境の熱によるダメージを抑制することができるように、その外部環境の温度に基づき、設計が行われる。
例えば、比較的高温の外部環境で使用されるパッケージ構造体100は、次のような構成とすることができる。電子部品10には、例えば、平面サイズが60mm×20mm、厚さが1mmのものを用いる。インナーパッケージ20には、例えば、PPS樹脂等の耐熱性樹脂を用いたもので、平面サイズが80mm×80mm、厚さが10mmのものを用いる。アウターパッケージ40には、例えば、PPS樹脂等の耐熱性樹脂を用いたもので、平面サイズが100mm×100mm、厚さが30mm、肉厚が5mmのものを用いる。このようなサイズのインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の間に、砂状のセラミックス等の無機材料を用いた、流動性を示す断熱材30を設ける。
尚、電子タグは、このような比較的高温の外部環境のほか、比較的高湿度の外部環境、或いは、水中や溶液中、ガス(人体に有毒なガス等)雰囲気中、減圧雰囲気中といった外部環境で使用される場合もある。このような外部環境で使用される電子タグとして上記のようなパッケージ構造体100を採用する場合には、温度のほか、各外部環境の条件に基づき、パッケージ構造体100の設計が行われる。
パッケージ構造体100は、例えば、次のようにして形成することができる。
図4〜図6はパッケージ構造体の形成方法の一例を示す図である。図4〜図6にはパッケージ構造体の各形成工程の要部断面を模式的に図示している。
図4(A)及び図4(B)には、電子部品10をインナーパッケージ20に内蔵する工程を例示している。
インナーパッケージ20は、図4(A)に示すように、電子部品10をその上下から挟む下側インナーパッケージ21(部材)及び上側インナーパッケージ22(部材)を含む。下側インナーパッケージ21は、電子部品10の下部側を収容する凹部21aを有し、上側インナーパッケージ22は、電子部品10の上部側を収容する凹部22aを有している。
このような下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22の間に電子部品10を配置し、図4(B)に示すように、下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22を一体化する。下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22を一体化する方法には、例えば、下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22を熱溶着する方法、接着剤等で接着する方法がある。このほか、上記のような熱溶着或いは接着は行わず、電子部品10を挟んで重ね合わせた下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22の、例えばその重ね合わせた境界部分を、テープ封止等でシーリングする方法もある。上記のような熱溶着或いは接着した下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22の、例えばその境界部分を、テープ封止等でシーリングしてもよい。このように下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22を一体化することで、電子部品10がインナーパッケージ20によって封止される。
図4(A)及び図4(B)のような工程により、インナーパッケージ20に電子部品10が内蔵された構造体110を得る。
図5(A)及び図5(B)並びに図6(A)〜図6(C)には、断熱材30及び上記構造体110をアウターパッケージ40に内蔵する工程を例示している。
アウターパッケージ40は、図5(A)に示すような下側アウターパッケージ41(部材)、並びに、図6(B)及び図6(C)に示すような上側アウターパッケージ42(部材)を含む。図5(A)に示すように、下側アウターパッケージ41は、構造体110を収容する収容部41a、及び、板状の上側アウターパッケージ42が嵌め合わされる嵌合部41bを有している。
まず、図5(A)に示すような下側アウターパッケージ41の収容部41aの底部に、図5(B)に示すように、断熱材30の一部を配置する。
次いで、図6(A)に示すように、下側アウターパッケージ41の、断熱材30の一部を配置した収容部41aに、構造体110を配置する。下側アウターパッケージ41の収容部41aは、このように構造体110を配置した時に、その構造体110の周囲に、残りの断熱材30が配置される隙間41cができるような寸法で、予め形成される。
下側アウターパッケージ41の収容部41aに構造体110を配置した後は、図6(B)に示すように、構造体110の周囲の隙間41cに、残りの断熱材30を配置し、構造体110を断熱材30で覆う。
このように構造体110を断熱材30で覆った後、図6(B)及び図6(C)に示すように、下側アウターパッケージ41の嵌合部41bに、上側アウターパッケージ42を嵌め合わせ、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化する。下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化する方法には、例えば、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を熱溶着する方法、接着剤等で接着する方法がある。このほか、上記のような熱溶着或いは接着は行わず、下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42の、例えばその嵌め合わせた境界部分を、テープ封止等でシーリングする方法や、熱溶着或いは接着した後にテープ封止等でシーリングする方法がある。このように下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42を一体化することで、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20及び断熱材30がアウターパッケージ40によって封止される。
図4〜図6のような工程により、電子部品10をインナーパッケージ20、断熱材30、アウターパッケージ40で順に覆った構造を有するパッケージ構造体100が形成される。
上記のように、パッケージ構造体100では、直接外部環境に曝されるアウターパッケージ40の内側に、断熱材30を介して、電子部品10を内蔵するインナーパッケージ20が配置される。これにより、外部環境の熱が電子部品10にまで伝わる時間を遅らせ、電子部品10の温度上昇、それによる熱ダメージを抑制することができる。
また、アウターパッケージ40及びインナーパッケージ20の、各々の上側と下側の部材を、上記のように熱溶着や接着、或いはテープ封止等の方法で一体化(固着)することで、外部環境の気体や液体の侵入、それによるダメージを抑制することができる。
ところで、パッケージ構造体100を、例えば前述のような比較的高温の外部環境で使用する場合には、その外部環境の熱により、パッケージ構造体100に変形(熱変形)が生じ得る。例えば、外部環境の熱に直接曝されるアウターパッケージ40の熱膨張、アウターパッケージ40側から伝わってくる熱によるインナーパッケージ20の熱膨張が生じ得る。このようなパッケージ構造体100の熱変形は、内蔵される電子部品10の温度に影響し得る。
ここで、パッケージ構造体100の熱変形を考慮したモデルを用い、熱変形と中心部温度の関係を解析(シミュレーション)した結果の一例について述べる。
図7は第1の実施の形態に係るパッケージ構造体のモデルの説明図、図8は第1の実施の形態に係るモデルの解析結果の一例を示す図である。
図7(A)には、外部環境の温度で熱変形しないパッケージ構造体100のモデル101、即ち熱変形を考慮していないモデル101を示している。
図7(B)には、外部環境の温度で熱変形するパッケージ構造体100のモデル102、即ち熱変形を考慮したモデル102を示している。図7(B)には、外部環境の熱に直接曝されるアウターパッケージ40が熱膨張し、アウターパッケージ40側から伝わってくる熱によってインナーパッケージ20が熱膨張し、それらの熱膨張に追従するように断熱材30が変形する様子の一例を図示している。
上記の図4〜図6に示すような方法で形成されるパッケージ構造体100では、インナーパッケージ20の周囲で、アウターパッケージ40の下側と上側の部材(下側アウターパッケージ41と上側アウターパッケージ42)が固着される。そのため、図7(B)のモデル102に示すように、アウターパッケージ40は、熱変形する時には、その下側と上側の部材の固着部分よりも内側の中央部が膨らむように熱変形し易い。
また、上記の図4〜図6に示すような方法で形成されるパッケージ構造体100では、電子部品10の周囲で、インナーパッケージ20の下側と上側の部材(下側インナーパッケージ21と上側インナーパッケージ22)が固着される。そのため、図7(B)のモデル102に示すように、インナーパッケージ20は、熱変形する時には、その下側と上側の部材の固着部分よりも内側の中央部が膨らむように熱変形し易い。また、インナーパッケージ20のこのような熱変形には、形成時に下側と上側の部材の間に入った気体(例えば空気)の熱膨張も寄与し得る。インナーパッケージ20が、その中央部が膨らむように熱変形することで、図7(B)に示すように、内部に空間50(例えば空気層)ができる。
パッケージ構造体100の図7(B)のモデル102では、膨張量が比較的大きくなる中心線Cの位置における、アウターパッケージ40の断熱材30側の内面とインナーパッケージ20の断熱材30側の外面との間の距離をLとする。また、中心線C上の点Pの位置をパッケージ構造体100の中心部とし、点Pの温度を中心部温度Tとする。
上記のようなモデル102を用い、パッケージ構造体100を所定条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の熱膨張量の違いによる中心部温度Tの違いを解析した結果を図8に示す。ここでは、パッケージ構造体100を、240℃で30分→30℃で30分→180℃で30分→30℃で30分→180℃で30分→30℃で30分、という一連の外部環境に曝す条件を用いている。また、図8には、熱変形を考慮しないモデル101を用い、パッケージ構造体100を同条件の外部環境(温度及び時間)に曝した時の中心部温度Tの解析結果を併せて示している。
まず、図7(A)のモデル101のように、外部環境によって熱変形が生じないとした場合、パッケージ構造体100は、上記のような一連の外部環境における240℃又は180℃の加熱に伴い、図8のzに示すように、中心部温度Tが上昇する。
このモデル101の中心部温度Tを、実際のパッケージ構造体100の中心部温度(実測温度)と比較すると、実測温度よりも低い値を示す傾向がある。そのため、このような熱変形を考慮しないモデル101の解析結果に基づいて実際のパッケージ構造体100の設計を行うと、実際の電子部品10の温度が設計値よりも高くなり、電子部品10に熱ダメージが加わる可能性がある。
モデル101を用いた解析により得られる中心部温度Tと、実際のパッケージ構造体100について得られる実測温度との差は、モデル102に示すような熱変形が影響しているものと考えられる。
モデル102を用いた図8の例では、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20が同じ材料(例えばPPS樹脂)であって、次の(a),(b),(c)のような熱変形が生じるとして、中心部温度Tの解析を行っている。
(a)アウターパッケージ40が膨張せず、インナーパッケージ20が2mm膨張する(図8のa)。
(b)アウターパッケージ40が1mm膨張し、インナーパッケージ20が2mm膨張する(図8のb)。
(c)アウターパッケージ40が2mm膨張し、インナーパッケージ20が2mm膨張する(図8のc)。
アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の、熱変形前の初期の距離Lを5mmとした場合、この(a),(b),(c)のような熱変形が生じたとすると、距離Lは、(a)では3mm、(b)では4mm、(c)では5mmとなる。図8の解析結果では、このようにアウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが大きくなるのに伴い、中心部温度Tが低くなる傾向が認められる。
パッケージ構造体100では、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが電子部品10の温度に影響し、熱変形によりインナーパッケージ20がアウターパッケージ40に接近するほど、電子部品10の温度上昇が生じる可能性が高くなる。換言すれば、パッケージ構造体100において、熱変形によりインナーパッケージ20がアウターパッケージ40に接近することを抑制すれば、電子部品10の温度上昇を効果的に抑制することが可能になると言うことができる。
そこで、以下では、このような熱変形によるインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の接近が抑制可能なパッケージ構造体について、第2及び第3の実施の形態として、詳細に説明する。
まず、第2の実施の形態について説明する。
熱変形によるインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の接近を抑制する方法の一例として、外部環境に置かれた時のアウターパッケージ40の熱膨張量がインナーパッケージ20の熱膨張量よりも大きくなるようにする方法が挙げられる。ここでは、このような方法を、第2の実施の形態として説明する。
例えば、熱変形を考慮する上記のモデル102を用い、パッケージ構造体100を上記図8で述べたのと同条件の外部環境に曝した時の、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の熱膨張量の違いによる中心部温度Tの違いを解析した結果を図9に示す。ここでは、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20が同じ材料(例えばPPS樹脂)であって、次の(d),(e),(c)のような熱変形が生じるとして、中心部温度Tの解析を行っている。
(d)アウターパッケージ40が2mm膨張し、インナーパッケージ20が膨張しない(図9のd)。
(e)アウターパッケージ40が2mm膨張し、インナーパッケージ20が1mm膨張する(図9のe)。
(c)アウターパッケージ40が2mm膨張し、インナーパッケージ20が2mm膨張する(図9のc(図8のcに相当))。
また、図9には、熱変形を考慮しないモデル101を用い、熱変形が生じないとした場合について同様に中心部温度Tを解析した結果も併せて示している(図9のz(図8のzに相当))。
アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の、熱変形前の初期の距離Lを5mmとした場合、この(d),(e),(c)のような熱変形が生じたとすると、距離Lは、(d)では7mm、(e)では6mm、(c)では5mmとなる。図9の解析結果より、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが大きくなるのに伴い、中心部温度Tが低くなる傾向が認められる。アウターパッケージ40の熱膨張量がインナーパッケージ20の熱膨張量よりも大きくなる場合(図9のd,e)には、それらの熱膨張量を同等とした場合(図9のc)や、熱膨張が生じないとした場合(図9のz)よりも、中心部温度Tが低くなる傾向が認められる。
図9の解析結果より、パッケージ構造体100を外部環境に置いた時のアウターパッケージ40の熱膨張量が、インナーパッケージ20の熱膨張量よりも大きくなるようにすることは、電子部品10の温度上昇の抑制に効果的であると言える。
このようにパッケージ構造体100のアウターパッケージ40の熱膨張量を、インナーパッケージ20の熱膨張量よりも大きくするために、例えば、アウターパッケージ40に、インナーパッケージ20よりも大きな熱膨張率(熱膨張係数)を有する材料を用いる。例えば、インナーパッケージ20に上記のようなPPS樹脂(30ppm/K)を用い、アウターパッケージ40に、PPS樹脂よりも大きな熱膨張率を有するフェノール樹脂(60ppm/K)、或いは、繊維強化シリコーン樹脂(100ppm/K)等を用いる。
このような材料を用いたモデル102を用い、パッケージ構造体100を上記図8で述べたのと同条件の外部環境に曝した時の、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の熱膨張量の違いによる中心部温度Tの違いを解析した結果を図10に示す。ここでは、次の(f),(g),(h)のような熱変形が生じるとして、中心部温度Tの解析を行っている。
(f)アウターパッケージ40がPPS樹脂(30ppm/K)、インナーパッケージ20がPPS樹脂(30ppm/K)で、アウターパッケージ40が3.6mm膨張し、インナーパッケージ20が2.8mm膨張する(図10のf)。
(g)アウターパッケージ40がフェノール樹脂(60ppm/K)、インナーパッケージ20がPPS樹脂(30ppm/K)で、アウターパッケージ40が5.1mm膨張し、インナーパッケージ20が2.8mm膨張する(図10のg)。
(h)アウターパッケージ40が繊維強化シリコーン樹脂(100ppm/K)、インナーパッケージ20がPPS樹脂(30ppm/K)で、アウターパッケージ40が6.1mm膨張し、インナーパッケージ20が2.8mm膨張する(図10のh)。
また、図10には、モデル101を用い、熱変形が生じないとした場合について同様に中心部温度Tを解析した結果も併せて示している(図10のz(図8,図9のzに相当))。
アウターパッケージ40に用いる材料の熱膨張率が、インナーパッケージ20に用いる材料の熱膨張率に比べて大きくなるほど、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lは大きくなる。この例では、距離Lは、(f)では5.8mm(熱膨張による距離Lの増分0.8mm)、(g)では7.3mm(熱膨張による距離Lの増分2.3mm)、(h)では8.8mm(熱膨張による距離Lの増分3.8mm)となる。図10の解析結果より、アウターパッケージ40に用いる材料の熱膨張率が大きくなって、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが(f),(g),(h)の順に大きくなるのに伴い、中心部温度Tが低くなる傾向が認められる。
このように第2の実施の形態では、パッケージ構造体100において、アウターパッケージ40の熱膨張率が、インナーパッケージ20の熱膨張率よりも大きくなるようにする。これにより、パッケージ構造体100を外部環境に置いた時の熱により変形するインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の接近を抑制し、電子部品10への熱伝達(アウターパッケージ40から電子部品10までの熱抵抗の低下)を抑制する。その結果、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが効果的に抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100が実現される。
次に、第3の実施の形態について説明する。
熱変形によるインナーパッケージ20とアウターパッケージ40の接近を抑制する方法の別例として、アウターパッケージ40の内面と外面に、或いは、インナーパッケージ20の内面と外面に、形状の違いを設け、熱膨張の方向を制御する方法が挙げられる。ここでは、このような方法を、第3の実施の形態(第1〜第3の例)として説明する。
まず、第1の例について述べる。
図11は第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第1の例を説明する図である。図11(A)には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示し、図11(B)には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示している。尚、ここでの比較的低温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じないような温度環境を言うものとする。また、比較的高温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図11(A)に示すパッケージ構造体100aは、アウターパッケージ40の内面(断熱材30側の面)に、複数本の溝43が設けられ、それにより凹凸部が形成されている点で、上記第1の実施の形態に係るパッケージ構造体100と相違する。尚、パッケージ構造体100aにおいて、アウターパッケージ40及びインナーパッケージ20には、例えば、共にPPS樹脂が用いられる。
ここで、溝43を設けたアウターパッケージ40の一例を図14に示す。
図14は第3の実施の形態に係るアウターパッケージの一例を示す図である。上記のようにアウターパッケージ40には、上側アウターパッケージ42と下側アウターパッケージ41の2つの部材が用いられる。図14(A)は上側アウターパッケージ42の溝43の形成面側から見た平面模式図、図14(B)は下側アウターパッケージ41の溝43の形成面側から見た平面模式図である。
溝43は、図14(A)に示すように、上側アウターパッケージ42の一面(断熱材30側になる内面)に、複数本並設される。また、溝43は、図14(B)に示すように、下側アウターパッケージ41の収容部41aの底面(断熱材30側になる内面)に、複数本並設される。溝43は、例えば、断面三角形状とすることができ、幅(開口幅)2mm、深さ3mm、長さ90mmのサイズとすることができる。
上側アウターパッケージ42及び下側アウターパッケージ41の、溝43を設けた面には、断熱材30の侵入を抑えるため、耐熱性シート60、例えば耐熱性樹脂を用いた耐熱性シート60が貼付される。
尚、溝43は、断面三角形状のほか、上側アウターパッケージ42及び下側アウターパッケージ41の内部に向かって開口幅が狭くなるような断面形状であれば、半円状、半楕円状、台形状等にすることも可能である。
アウターパッケージ40に溝43を設けたパッケージ構造体100aは、比較的低温の外部環境では、図11(A)に示すような状態になっている。
このパッケージ構造体100aが比較的高温の外部環境に曝されると、アウターパッケージ40の内面に溝43が設けられていることで、例えば図11(B)に示すような熱変形が生じる。即ち、比較的高温の外部環境に曝されたパッケージ構造体100aでは、アウターパッケージ40の溝43を設けた面が、その溝43が閉じるような方向に変形し、その結果、アウターパッケージ40が膨らんだ形状に熱変形(凸状変形)する。尚、この熱変形には、加熱によるアウターパッケージ40の熱膨張(凸状変形)も重畳する。アウターパッケージ40が膨らむように変形すると、その変形に追従するように流動性の断熱材30が変形する。
このようにアウターパッケージ40が膨らんだ形状となることで、熱変形時のアウターパッケージ40(断熱材30側の内面)とインナーパッケージ20(断熱材30側の外面)との接近が抑制される。これにより、電子部品10への熱伝達が抑制され、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100aが実現される。
続いて、第2の例について述べる。
図12は第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第2の例を説明する図である。図12(A)には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示し、図12(B)には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示している。尚、ここでの比較的低温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じないような温度環境を言うものとする。また、比較的高温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図12(A)に示すパッケージ構造体100bは、インナーパッケージ20の外面(断熱材30側の面)に、複数本の溝23が設けられ、それにより凹凸部が形成されている点で、上記第1の実施の形態に係るパッケージ構造体100と相違する。尚、パッケージ構造体100bにおいて、アウターパッケージ40及びインナーパッケージ20には、例えば、共にPPS樹脂が用いられる。
ここで、溝23を設けたインナーパッケージ20の一例を図15に示す。
図15は第3の実施の形態に係るインナーパッケージの一例を示す図である。上記のようにインナーパッケージ20には、上側インナーパッケージ22と下側インナーパッケージ21の2つの部材が用いられる。図15(A)は上側インナーパッケージ22の溝23の形成面側から見た平面模式図、図15(B)は下側インナーパッケージ21の溝23の形成面側から見た平面模式図である。
溝23は、図15(A)及び図15(B)に示すように、上側インナーパッケージ22及び下側インナーパッケージ21の各一面(断熱材30側になる内面)に、それぞれ複数本併設される。溝23は、例えば、断面三角形状とすることができ、幅(開口幅)2mm、深さ3mm、長さ70mmのサイズとすることができる。
上側インナーパッケージ22及び下側インナーパッケージ21の、溝23を設けた面には、断熱材30の侵入を抑えるため、耐熱性シート60、例えば耐熱性樹脂を用いた耐熱性シート60が貼付される。
尚、溝23は、断面三角形状のほか、上側インナーパッケージ22及び下側インナーパッケージ21の内部に向かって開口幅が狭くなるような断面形状であれば、半円状、半楕円状、台形状等にすることも可能である。
インナーパッケージ20に溝23を設けたパッケージ構造体100bは、比較的低温の外部環境では、図12(A)に示すような状態になっている。
このパッケージ構造体100bが比較的高温の外部環境に曝されると、インナーパッケージ20の外面に溝23が設けられていることで、例えば図12(B)に示すような熱変形が生じる。即ち、比較的高温の外部環境に曝されたパッケージ構造体100bでは、インナーパッケージ20の溝23を設けた面が、その溝23が閉じるような方向に変形し、その結果、インナーパッケージ20が凹んだ形状に熱変形(凹状変形)する。尚、この熱変形には、加熱によるインナーパッケージ20の熱膨張(凸状変形)も重畳する。インナーパッケージ20が凹むように変形すると、その変形に追従するように流動性の断熱材30が変形する。
このようにインナーパッケージ20が凹んだ形状となることで、熱変形時のアウターパッケージ40(断熱材30側の内面)とインナーパッケージ20(断熱材30側の外面)との接近が抑制される。これにより、電子部品10への熱伝達が抑制され、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100bが実現される。
続いて、第3の例について述べる。
図13は第3の実施の形態に係るパッケージ構造体の第3の例を説明する図である。図13(A)には、比較的低温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示し、図13(B)には、比較的高温の外部環境に曝された時のパッケージ構造体の断面を模式的に図示している。尚、ここでの比較的低温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じないような温度環境を言うものとする。また、比較的高温の外部環境とは、パッケージ構造体のインナーパッケージ及びアウターパッケージに熱変形が生じるような温度環境を言うものとする。
図13(A)に示すパッケージ構造体100cは、アウターパッケージ40の内面(断熱材30側の面)に複数本の溝43が設けられ、インナーパッケージ20の外面(断熱材30側の面)に複数本の溝23が設けられている。パッケージ構造体100cは、このような点で、上記第1の実施の形態に係るパッケージ構造体100と相違する。尚、パッケージ構造体100cにおいて、アウターパッケージ40及びインナーパッケージ20には、例えば、共にPPS樹脂が用いられる。
溝43を設けたアウターパッケージ40には、上記第1の例で述べた、図14に例示したようなものを用いることができ、溝23を設けたインナーパッケージ20には、上記第2の例で述べた、図15に例示したようなものを用いることができる。
アウターパッケージ40に溝43を設け、インナーパッケージ20に溝23を設けたパッケージ構造体100cは、比較的低温の外部環境では、図13(A)に示すような状態になっている。
このパッケージ構造体100cが比較的高温の外部環境に曝されると、アウターパッケージ40の溝43及びインナーパッケージ20の溝23の作用により、例えば図13(B)に示すような熱変形が生じる。即ち、比較的高温の外部環境に曝されたパッケージ構造体100cでは、アウターパッケージ40の溝43を設けた面が、その溝43が閉じるような方向に変形し、アウターパッケージ40が膨らんだ形状に熱変形(凸状変形)する。パッケージ構造体100cでは更に、インナーパッケージ20の溝23を設けた面が、その溝23が閉じるような方向に変形し、インナーパッケージ20が凹んだ形状に熱変形(凹状変形)する。尚、これらの熱変形には、加熱によるアウターパッケージ40及びインナーパッケージ20の熱膨張(凸状変形)も重畳する。アウターパッケージ40が膨らむように変形し、インナーパッケージ20が凹むように変形すると、それらの変形に追従するように流動性の断熱材30が変形する。
このようにアウターパッケージ40が膨らんだ形状となり、インナーパッケージ20が凹んだ形状となることで、熱変形時のアウターパッケージ40(断熱材30側の内面)とインナーパッケージ20(断熱材30側の外面)との接近が抑制される。これにより、電子部品10への熱伝達が抑制され、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100cが実現される。
上記のようなパッケージ構造体100a,100b,100cについて、上記図8で述べたのと同条件の外部環境に曝した時の中心部温度Tを解析した結果を図16に示す。ここでは、パッケージ構造体100a,100b,100cにそれぞれ、次の(i),(j),(k)のような熱変形が生じるとして、中心部温度Tの解析を行っている。
(i)パッケージ構造体100aで、アウターパッケージ40が4.4mm膨張し、インナーパッケージ20が2.8mm膨張する(図16のi)。
(j)パッケージ構造体100bで、アウターパッケージ40が3.6mm膨張し、インナーパッケージ20が2.4mm膨張する(図16のj)。
(k)パッケージ構造体100cで、アウターパッケージ40が4.4mm膨張し、インナーパッケージ20が2.4mm膨張する(図16のk)。
また、図16には、溝43及び溝23を設けていない場合について同様に中心部温度Tを解析した結果も併せて示している(図16のf(図10のfに相当))。
上記の(i),(j),(k)のようなパッケージ構造体100a,100b,100cにおける、熱変形時のアウターパッケージ40の内面とインナーパッケージ20の外面との間の距離Lは、次のようになる。即ち、距離Lは、(i)では6.6mm(熱膨張による距離Lの増分1.6mm)、(j)では6.2mm(熱膨張による距離Lの増分1.2mm)、(k)では7.0mm(熱膨張による距離Lの増分2.0mm)となる。図16の解析結果より、アウターパッケージ40とインナーパッケージ20の間の距離Lが(j),(i),(k)の順に大きくなるのに伴い、中心部温度Tが低くなる傾向が認められる。
このように第3の実施の形態では、上記パッケージ構造体100a,100b,100cのように、外部環境に置いた時の熱変形を制御し、インナーパッケージ20とアウターパッケージ40の接近を抑制することで、電子部品10への熱伝達を抑制する。これにより、電子部品10の温度上昇、それによる電子部品10の熱ダメージが効果的に抑制され、高性能、高信頼性のパッケージ構造体100が実現される。
尚、パッケージ構造体100a,100b,100cにおいても、上記第2の実施の形態と同様に、アウターパッケージ40にインナーパッケージ20よりも熱膨張率の高い材料を用いることもできる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電子部品と、
前記電子部品を覆う第1パッケージと、
前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
を含み、
前記第2パッケージの熱膨張率は、前記第1パッケージの熱膨張率よりも大きいことを特徴とするパッケージ構造体。
(付記2) 電子部品と、
前記電子部品を覆う第1パッケージと、
前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
を含み、
前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面に凹凸部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
(付記3) 電子部品と、
前記電子部品を覆う第1パッケージと、
前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
を含み、
前記第1パッケージは、前記断熱材と対向する外面に凹凸部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
(付記4) 前記凹凸部を覆う耐熱性シートを更に含むことを特徴とする付記2又は3に記載のパッケージ構造体。
(付記5) 前記電子部品は、前記第1パッケージで封止されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記6) 前記第1パッケージは、
前記電子部品を挟んで一方側に設けられる第1部材と、
前記電子部品を挟んで他方側に設けられる第2部材と
を含み、
前記電子部品は、前記第1部材と前記第2部材とに挟まれて封止されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記7) 前記第2パッケージは、
前記第1パッケージを収容する第3部材と、
前記第3部材に嵌合される第4部材と
を含み、
前記第1パッケージは、前記第3部材と、前記第3部材に嵌合された前記第4部材とによって封止されていることを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記8) 前記電子部品は、
基板と、
前記基板上に設けられたアンテナと、
前記基板上に設けられ、前記アンテナに電気的に接続された半導体素子と
を含むことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載のパッケージ構造体。
(付記9) 前記断熱材は、流動性を有することを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載のパッケージ構造体。
10 電子部品
11 基板
12 アンテナ
13 制御ICチップ
14 メモリチップ
20 インナーパッケージ
21 下側インナーパッケージ
21a,22a 凹部
22 上側インナーパッケージ
23,43 溝
30 断熱材
40 アウターパッケージ
41 下側アウターパッケージ
41a 収容部
41b 嵌合部
41c 隙間
42 上側アウターパッケージ
50 空間
60 耐熱性シート
100,100a,100b,100c パッケージ構造体
101,102 モデル
110 構造体

Claims (5)

  1. 電子部品と、
    前記電子部品を覆う第1パッケージと、
    前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
    前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
    を含み、
    前記第2パッケージの熱膨張率は、前記第1パッケージの熱膨張率よりも大きいことを特徴とするパッケージ構造体。
  2. 電子部品と、
    前記電子部品を覆う第1パッケージと、
    前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
    前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
    を含み、
    前記第2パッケージは、前記断熱材と対向する内面に凹凸部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
  3. 電子部品と、
    前記電子部品を覆う第1パッケージと、
    前記第1パッケージを覆う第2パッケージと、
    前記第1パッケージと前記第2パッケージの間に設けられた断熱材と
    を含み、
    前記第1パッケージは、前記断熱材と対向する外面に凹凸部を有することを特徴とするパッケージ構造体。
  4. 前記第1パッケージは、
    前記電子部品を挟んで一方側に設けられる第1部材と、
    前記電子部品を挟んで他方側に設けられる第2部材と
    を含み、
    前記電子部品は、前記第1部材と前記第2部材とに挟まれて封止されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパッケージ構造体。
  5. 前記第2パッケージは、
    前記第1パッケージを収容する第3部材と、
    前記第3部材に嵌合される第4部材と
    を含み、
    前記第1パッケージは、前記第3部材と、前記第3部材に嵌合された前記第4部材とによって封止されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパッケージ構造体。
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