WO2006075359A1

WO2006075359A1 - Ｉｃタグ収納ケース

Info

Publication number: WO2006075359A1
Application number: PCT/JP2005/000200
Authority: WO
Inventors: Nagahisa Furutani
Original assignee: Fujitsu Limited
Priority date: 2005-01-11
Filing date: 2005-01-11
Publication date: 2006-07-20
Also published as: US20070252706A1; EP1837809A1; CN101099165A; JPWO2006075359A1; EP1837809A4

Abstract

　本発明は、ＩＣタグを収納するＩＣタグ収納ケースに関し、ＩＣタグのコストを増加させることなく、ＩＣタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行うことを課題とする。このため本発明は、ＩＣタグ収納用ケースを、電磁波を通過させる材料により形成された蓋体と、ＩＣタグを収納するための溝部を有し、高透磁率材料により形成されたケース本体とを備えた構成とした。

Description

明細書

ICタグ収納ケース

技術分野

[0001] 本発明は、 ICタグを収納する ICタグ収納ケースに関する。

背景技術

[0002] 現在、 ICタグ (RFIDタグとも、う）を情報管理した!/、製品や物体等の対象物（以下、「対象物」とする）に取り付けて、リーダライタを介して ICタグ力もの対象物の情報をコンピュータで管理し、業務の効率ィ匕を図ることが行われている。 ICタグとは、小さな I Cチップに ID (識別情報)を記録し、無線電波により ICタグとリーダライタとの間で情報の交信 (情報の書き込みや読み出し)を行うタグ (荷札）のことである。 ICタグは、リ一ダライタからの信号を含んだ電磁波を受信し、電力を電源電圧に替え、 ICタグに設けられた ICチップに印加して同時に情報の書き込みや読み出しを行う。このような I Cタグは、小さなスペースがあれば容易に導入でき、複製や偽造が困難であるという特徴や、非接触電力伝送で動作するため電源が不要であると、う特徴を有して、る

。また、 ICタグを複数の対象物に取り付けた場合には、複数の対象物の情報を一括して読み取ることも可能である。

[0003] このような ICタグを大気中の湿度や塵埃等力も保護するものの一例として、図 1に示すような ICタグ収納ケース 10がある。図 1は、 ICタグを収納する従来の ICタグ収納ケースの分解斜視図である。

[0004] 図 1に示すように、 ICタグ収納ケース 10は、中板 11と、上板 12と、下板 13とを有した構成とされている。中板 11には、貫通部 11 Aが形成されており、この貫通部 11A は、アンテナコイル 16と、アンテナコイル 16と接続された ICチップ 17とよりなる ICタグ 15を収容するためのものである。上板 12は、中板 11の上面 11a側から貫通部 11A を塞ぐよう中板 11に装着されるものである。下板 13は、中板 11の下面 l ib側から貫通部 11 Aを塞ぐよう中板 11に装着されるものである。中板 11、上板 12、及び下板 13 は、それぞれ可撓性を有しており、取り付け面が平面でない対象物に対しても ICタグ収納ケース 10を比較的容易に取り付けることができる（例えば、特許文献 1参照)。特許文献 1：特開 2002— 245430号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 図 2は、 ICタグを従来の ICタグ収納ケースに収納し、金属製の対象物に取り付けた場合の磁界の分布を示した図である。

[0006] し力しながら、図 2に示すように、 ICタグ 15を金属製の対象物 22に近接 (又は、接触）させた場合、金属製の対象物 22の表面に磁界による渦電流損（eddy current loss)が発生して、磁束 Aが ICタグ 15を通過しなくなるため、金属製の対象物 22に適用した場合には、 ICタグ 15とリーダライタ 21との間での情報の交信ができなくなってしまうという問題があった。

[0007] このような問題を解決するために、高透磁率材料を ICタグ 15に設けたもの（例えば、特開 2003-46321号公報参照）がある力、この場合、 ICタグ 15毎に高透磁率材料を設ける必要があるため、 ICタグのコストが増加してしまうという問題があった。課題を解決するための手段

[0008] 本発明は、上述した従来技術の課題を解決する、改良された有用な ICタグ収納ケースを提供することを総括的な目的とする。

[0009] 本発明のより詳細な目的は、 ICタグのコストを増加させることなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行うことのできる ICタグ収納ケースを提供することにある。

[0010] この目的を達成するため、本発明では、 ICタグを収納する ICタグ収納ケースにおいて、前記 ICタグを収納した際、前記 ICタグと対向する一方の側に、高透磁率材料よりなる高透磁率部材を設けたことを特徴とする。

[0011] このような ICタグ収納ケースによれば、高透磁率材料よりなる高透磁率部材を設けて、高透磁率部材と金属製の対象物とが対向するよう ICタグ収納ケースを金属製の対象物に取り付けることで、リーダライタ力もの電磁波により形成される磁束を ICタグ収納ケースに収納された ICタグに集中（ICタグを通過）させて、起電力を確保することができ、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。なお、ここでの「高透磁率材料」とは、比透磁率の高い材料のことである。

[0012] また、一般的には、比透磁率が 100以上の磁気材料を高透磁率材料と言われるが、上記発明において、前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000としてもよい。

[0013] この構成とした場合には、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0014] また、上記発明にお！/、て、前記高透磁率材料には、パーマロイ、ニッケル、コノレト力もなる群のうちの少なくとも 1種力もなるものを用いてもよい。

[0015] この構成とした場合には、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも 1種力なるものを用いることができる。

[0016] また、上記発明において、前記高透磁率部材が設けられていない側に、受動部品よりなるアンテナを設けてもよい。

[0017] この構成とした場合には、リーダライタ力ゝらの電磁波を受動部品よりなるアンテナで受信し、アンテナと ICタグとの間で電磁結合させることで、 ICタグとリーダライタとの通信距離を伸ばすことが可能となり、 ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0018] また、上記目的を達成するため、他の発明では、 ICタグを収容する溝部を有したケース本体と、前記溝部を塞ぐよう前記ケース本体に配設され、電磁波が入来される蓋体とを備え、前記ケース本体を、高透磁率材料で構成したことを特徴とする。

[0019] このような ICタグ収納ケースによれば、ケース本体を高透磁率材料で構成し、ケース本体と金属製の対象物とが対向するよう ICタグ収納ケースを金属製の対象物に取り付けることで、リーダライタからの電磁波により形成される磁束を ICタグ収納ケースに収納された ICタグに集中（ICタグを通過）させて、起電力を確保することができ、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0020] また、上記発明にお、て、前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000としてもよい。

[0021] この構成とした場合には、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0022] また、上記発明にお、て、前記高透磁率材料には、パーマロイ、ニッケル、コノレト力もなる群のうちの少なくとも 1種力もなるものを用いてもよい。

[0023] この構成とした場合には、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも 1種力なるものを用いることができる。

[0024] また、上記発明にお、て、前記蓋体は、前記ケース本体に対して着脱可能な構成としてちよい。

[0025] この構成とした場合には、 ICタグ収納ケースに収納された ICタグを他の ICタグと交換することが可能となり、 1つの ICタグ収納ケースを複数の ICタグに対して流用することがでさる。

[0026] また、上記発明において、前記蓋体には、受動部品よりなるアンテナを設けても良い。

[0027] この構成とした場合には、リーダライタ力ゝらの電磁波を受動部品よりなるアンテナで受信し、アンテナと ICタグとの間で電磁結合させることで、 ICタグとリーダライタとの通信距離を伸ばすことが可能となり、 ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0028] また、上記目的を達成するため、他の発明では、 ICタグを収容する溝部を有したケース本体と、前記溝部を塞ぐよう前記ケース本体に配設され、電磁波が入来される蓋体とを備え、前記 ICタグと対向するケース本体に、高透磁率材料よりなる高透磁率部材を設けたことを特徴とする。

[0029] このような ICタグ収納ケースによれば、高透磁率材料よりなる高透磁率部材をケ一ス本体に設け、ケース本体と金属製の対象物とが対向するよう ICタグ収納ケースを金属製の対象物に取り付けることで、リーダライタからの電磁波により形成される磁束を I Cタグ収納ケースに収納された ICタグに集中（ICタグを通過）させて、起電力を確保することができ、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0030] また、上記発明にお、て、前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000としてもよい。 [0031] この構成とした場合には、対象物の材質に依存することなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0032] また、上記発明にお、て、前記高透磁率材料には、パーマロイ、ニッケル、コノレト力もなる群のうちの少なくとも 1種力もなるものを用いてもよい。

[0033] この構成とした場合には、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも 1種力なるものを用いることができる。

[0034] また、上記発明にお、て、前記蓋体は、前記ケース本体に対して着脱可能な構成としてちよい。

[0035] この構成とした場合には、 ICタグ収納ケースに収納された ICタグを他の ICタグと交換することが可能となり、 1つの ICタグ収納ケースを複数の ICタグに対して流用することがでさる。

[0036] また、上記発明において、前記蓋体には、受動部品よりなるアンテナを設けてもよい。

[0037] この構成とした場合には、リーダライタ力ゝらの電磁波を受動部品よりなるアンテナで受信し、アンテナと ICタグとの間で電磁結合させることで、 ICタグとリーダライタとの通信距離を伸ばすことが可能となり、 ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

発明の効果

[0038] 本発明によれば、 ICタグのコストを増カロさせることなぐ ICタグとリーダライタとの間の情報の交信を精度良く行うことができるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

[0039] [図 1]ICタグを収納する従来の ICタグ収納ケースの分解斜視図である。

[図 2]ICタグを従来の ICタグ収納ケースに収納し、金属製の対象物に取り付けた場合の磁界の分布を示した図である。

[図 3]ICタグが収納された本発明の第 1実施例の ICタグ収納ケースの斜視図である。

[図 4]図 3に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の B— B線方向の断面図である。

[図 5]図 3に示した構造体の分解斜視図である。 [図 6]ICタグを収納した第 1実施例の ICタグ収納ケースを金属製の対象物上に配置させた際の ICタグとリードライタとの間の磁束の分布を模式的に示した図である。

[図 7]対象物に取り付けるための粘着材を備えた ICタグ収納ケースである。

[図 8]ICタグが収納された本発明の第 2実施例の ICタグ収納ケースの斜視図である。

[図 9]図 8に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の E— E線方向の断面図である。

圆 10]図 8に示した構造体の分解斜視図である。

[図 11]ICタグが収納された本発明の第 3実施例の ICタグ収納ケースの斜視図である

[図 12]図 11に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の F— F線方向の断面図である。

[図 13]図 11に示した構造体の分解斜視図である。

[図 14]ICタグが収納された本発明の第 4実施例の ICタグ収納ケースの斜視図である圆 15]図 14に示した構造体の分解斜視図である。

[図 16]導波用アンテナを備えた他の ICタグ収納用ケースの斜視図（その 1)である。

[図 17]導波用アンテナを備えた他の ICタグ収納用ケースの斜視図（その 2)である。符号の説明

10, 30, 60, 70, 80, 90, 95 ICタグ収納ケース

11 中板

11A 貫通部

11a, 81A 上面

l ib, 81B 下面

12 上板

13 下板

15, 41 ICタグ

16 アンテナコィノレ

17, 44 ICチップ 21, 47 リーダライタ

22, 48 金属製の対象物

31, 71 ケース本体

31 B, 71 A 底板部

32, 72 溝部

33, 65, 67, 74 ネジ穴

35, 81 蓋体

36 凹部

37, 82 貫通穴

39 ネジ

42 基材

43 アンテナ

45 封止樹脂

61 枠体

62 底板

64 貫通部

73 高透磁率部材

85 導波用アンテナ

86 キャパシタンス部 (共振周波数調整用）

87 アンテナ部

A, C 磁束

D1— D2 深さ

T1一 T5 厚さ

発明を実施するための最良の形態

[0041] 次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。

第 1実施例

[0042] 図 3乃至 5を参照して、本発明の第 1実施例である ICタグ収納ケース 30について説明する。図 3は、 ICタグが収納された本発明の第 1実施例の ICタグ収納ケースの斜視図であり、図 4は、図 3に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の B— B線方向の断面図である。また、図 5は、図 3に示した構造体の分解斜視図である。なお、図 4において、 T1はケース本体の底板部 31Bの厚さ（以下、「厚さ Tl」とする）、 D1は溝部 32の深さ（以下、「深さ Dl」とする）をそれぞれ示してヽる。

[0043] ICタグ収納ケース 30は、 ICタグ 41を収納した状態で、情報を管理した、製品や物体等の対象物（以下、「対象物」とする）に取り付けられるものである。 ICタグ収納ケース 30は、大略すると、リーダライタ力の電磁波を入来する蓋体 35と、ケース本体 31 とを有した構成とされている。 ICタグ 41を収容した ICタグ収納ケース 30は、ケース本体 31と対象物とが対向するように対象物に取り付けられる。

[0044] ここで、先に ICタグ 41の構成について説明する。 ICタグ 41は、大略すると基材 42 と、アンテナ 43と、 ICチップ 44と、封止榭脂 45とを有した構成とされている（図 4参照 ) oアンテナ 43は、基材 42上に設けられている。 ICチップ 44は、基材 42上に設けられており、アンテナ 43と接続されている。封止榭脂 45は、基材 42上に設けられたァンテナ 43及び ICチップ 44を覆うように設けられている。封止榭脂 45は、アンテナ 43 及び ICチップ 44を保護するためのものである。このような構成とされた ICタグ 41は、アンテナ 43が蓋体 35と対向するよう ICタグ収納ケース 30に収納されている。

[0045] 蓋体 35は、可撓性を有しており、 4つの角部には凹部 36がそれぞれ形成されている。この凹部 36には、ネジ 39を挿入するための貫通穴 37が形成されている。蓋体 3 5は、貫通穴 37に挿入されたネジ 39により、ケース本体 31の溝部 32を覆うようケース本体 31に装着されている。したがって、蓋体 35は、ケース本体 31に対して着脱可能な状態で装着されている。

[0046] このように、ネジ 39により蓋体 35をケース本体 31に着脱可能な状態で装着させることにより、 ICタグ収納ケース 30に収納された ICタグ 41を他の ICタグと交換することが可能となり、複数の ICタグに対して ICタグ収納ケース 30を流用することができる。そのため、高透磁率材料を備えた従来の ICタグ 15と比較して、 ICタグ 41の製造コストを低下させることができる。

[0047] 蓋体 35は、 ICタグ収納ケース 30に収容された ICタグ 41が ICタグ収納ケース 30外に飛び出すことを防ぐと共に、リーダライタ 47からの電磁波により発生する磁束 C (磁力線）を ICタグ 41に到達させるためのものである。したがって、蓋体 35の材料には、磁束 Cを通過させ易いものが望ましい。蓋体 35の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート（PET)、ポリエチレン（PE)、合成高分子ポリアミド（ナイロン）、ポリスチレン (PS)、ポロプロピレン (PP)等の榭脂や、合成ゴムを用いると良い。このような材料を用いることで、蓋体 35に可撓性を持たせることができる。

[0048] 高透磁率部材であるケース本体 31は、可撓性を有しており、溝部 32とネジ穴 33とを有した構成とされている。溝部 32は、 ICタグ 41を収納するためのものである。溝部 32の深さ D1は、収納する ICタグ 41の厚さに依存する力例えば、 0. 5mm— 5. Om mとすることができる。

[0049] ネジ穴 33は、蓋体 35の貫通穴 37と対向する位置に設けられている。ネジ穴 33は、蓋体 35をケース本体 31に装着する際に使用するネジ 39を締結するためのものである。

[0050] また、ケース本体 31は、高透磁率材料により形成されている。高透磁率材料とは、外部からわず力な磁界を印加することにより、大きな磁束密度が誘導される高透磁率特性を有する材料であり、具体的には、透磁率が高ぐ飽和磁束密度 Bsが高ぐ保磁力 Heが小さぐヒステリシス損の小さいものである。また、このような高透磁率材料には、磁束 (磁力線)を引き付ける性質がある。

[0051] 高透磁率材料としては、例えば、パーマロイ、センダスト、フェライト、アモルファス合金、ニッケル、コバルト等を用いることができる。パーマロイは、 Ni— Fe合金に Mo, M n, Cu, Cr等を添カ卩したものである。センダストは、 Si— A1— Fe合金であり、飽和磁束密度が大きい合金である。フェライトは、 ferricイオン Fe³⁺を含む磁性酸ィ匕物である。本実施例において、好ましくは、パーマロイ、ニッケル、コバルト等の高透磁率材料を適用すると良い。

[0052] パーマロイは、直流透磁率が非常に高ぐ比較的柔らく加工性に優れた性質を有している。そのため、高透磁率材料としてパーマロイを用いることで、ケース本体 31に可撓性を持たせて、取り付け面が平面形状でない対象物に対しても ICタグ収容ケース 30を容易に取り付けることができる。より具体的には、パーマロイとしては、 SMS— PA, PB, PC (いずれも住友金属鉱山株式会社製)やスーパーマロイ等を用いることができる。スーパーマロイは、比透磁率が 800000の材料である。ニッケルとしては、腐食雰囲気下で優れた耐食性を有した純ニッケルを用いることができる。純ニッケルとしてより具体的には、 SMS— 200, 201, HNi (いずれも住友金属鉱山株式会社製 )を用いることができる。コバルトとしては、強磁性を有した純コバルトを用いることができる。より具体的には、純コバルトとしては、 SMS-HCo (住友金属鉱山株式会社製）を用いることができる。また、他の高透磁率材料としては、新高透磁率材料 1380 (住友スリーェム株式会社製)を用いることができる。新高透磁率材料 1380 (住友スリーェム株式会社製）は、比透磁率が 100000と非常に高い材料であり、軽量かつ柔軟で加工性に優れた性質を有する材料である。

[0053] なお、本発明における「高透磁率材料」とは、比透磁率の高!、材料 (高比透磁率材料)のことである。なお、以下の説明においては、比透磁率の高い材料 (高比透磁率材料)を「高透磁率材料」と称す。また、ケース本体 31の厚さ T1は、高透磁率材料の種類等に依存するが、例えば、 1. 0mm— 11. 0mmとすることができる。

[0054] 図 6は、 ICタグを収納した第 1実施例の ICタグ収納ケースを金属製の対象物上に配置させた際の ICタグとリーダライタとの間の磁束の分布を模式的に示した図である

[0055] 図 6に示すように、本実施例の ICタグ収納ケース 30によれば、高透磁率材料よりなるケース本体 31を設け、ケース本体 31と金属製の対象物 48とが対向するよう ICタグ収納ケース 30を金属製の対象物 48に取り付けることで、リーダライタ 47から発生された電磁波により形成される磁束 Cを ICタグ収納ケース 30に収納された ICタグ 41に集中（ICタグ 41に通過）させ、起電力を確保して、対象物の材質に依存することなぐ I Cタグ 41とリーダライタ 47との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。また、 I Cタグ 41の近傍に金属が存在した場合でも、リーダライタ 47と ICタグ 41との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0056] また、高透磁率材料の比透磁率が 1000以下の場合には、高透磁率材料への磁束の集束力が低下して、濡れ磁界が増加するため、うず電流損失が発生し、通信の信頼性を十分に確保できなくなってしまう。したがって、高透磁率材料の比透磁率は、 1 000以上であることが好ましい。また、スーパーマロイの比透磁率が 800000であるため、請求項にぉヽて、 it透磁率の上限を 800000とした。

[0057] 以上、説明したように、ケース本体 31を高透磁率材料により構成し、 ICタグ収納ケース 30を金属製の対象物 48に取り付けた際、 ICタグ 35と金属製の対象物 48との間にケース本体 31を配置することで、対象物の材質に依存することなぐリードライタ 47 力の電磁波により形成される磁束 Cを ICタグ収納ケースに収納された ICタグ 41に集中（ICタグ 41を通過）させて、起電力を確保して、 ICタグ 41とリーダライタ 47との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0058] 図 7は、対象物に取り付けるための粘着材を備えた ICタグ収納ケースである。図 7 に示すように、ケース本体 31の底板部 31Bに粘着材 49を設けることで、 ICタグ収納ケース 30を金属製の対象物 48に取り付けることができる。

[0059] なお、本実施例では、ネジ 39により蓋体 35をケース本体 31に装着させた力蓋体 35はケース本体 31に対して着脱可能な構成であれば良ぐケース本体 31に対する蓋体 35の装着方法は本実施例に限定されない。例えば、ケース本体 31と蓋体 35との間に粘着材を設けて、蓋体 35をケース本体 31に対して着脱可能な構成としても良い。また、本実施例の ICタグ収納ケース 30は、 ICチップと接続された第 1のアンテナと、第 1のアンテナの外側に設けられた第 2のアンテナとを備えた ICタグにも適用することができる。

第 2実施例

[0060] 図 8乃至 10を参照して、本発明の第 2実施例である ICタグ収納ケース 60について説明する。図 8は、 ICタグが収納された本発明の第 2実施例の ICタグ収納ケースの斜視図であり、図 9は、図 8に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の E— E 線方向の断面図である。また、図 10は、図 8に示した構造体の分解斜視図である。なお、図 8及び図 9において、 T2は枠体 61の厚さ（以下、「厚さ T2」とする）、 T3は底板 62の厚さ（以下、「厚さ Τ3」とする）をそれぞれ示している。また、図 8乃至図 10において、図 3に示した構造体 (ICタグ 41及び ICタグ収納ケース 30)と同一構成部分には同一符号を付す。

[0061] ICタグ収納ケース 60は、 ICタグ 41を収納した状態で、情報を管理した、製品や物体等の対象物（以下、「対象物」とする）に取り付けられるものである。 ICタグ収納ケース 60は、大略すると蓋体 35と、ネジ 39と、枠体 61と、底板 62とを備えた構成とされている。枠体 61は、貫通部 64を有した枠状とされており、可撓性を有している。貫通部 64は、枠体 61が底板 62に装着された際、 ICタグ 41を収納するための空間となるものである。枠体 61には、貫通穴 37と対向する位置にネジ穴 65が形成されている。ネジ穴 65は、ネジ 39を挿入すると共に、蓋体 35を枠体 61に装着するためのものである。枠体 61の材料には、例えば、ポリエチレンテレフタレート（PET)、ポリエチレン（P E)、合成高分子ポリアミド (ナイロン）、ポリスチレン (PS)、ポロプロピレン（PP)等の榭脂や、合成ゴムを用いることができる。このような材料を用いることで、枠体 61に可撓性を持たせることができる。また、枠体 61の厚さ T2は、収納する ICタグ 41の厚さに依存するが、例えば、 0. 5mm— 5. Ommとすることができる。

[0062] 底板 62は、高透磁率材料力もなる板状の高透磁率部材であり、可撓性を有している。 ICタグ収納ケース 60は、 ICタグ 41と対象物との間に底板 62が配置されるよう対象物に取り付けられる。底板 62には、第 1実施例で例に挙げた高透磁率材料を用いることができる。底板 62には、枠板 61に形成されたネジ穴 65と対向する位置にネジ穴 67が形成されている。ネジ穴 67は、ネジ 39を締結するためのものであり、このネジ 39により蓋体 35及び枠体 61は、底板 62に対して着脱可能な構成とされている。底板 62の厚さ T3は、例えば、 0. 3mm— 5. Ommとすることができる。

[0063] このように、ネジ 39により蓋体 35及び枠板 61を底板 62に対して着脱可能な構成とすることにより、 ICタグ収納ケース 60に収納された ICタグ 41を他の ICタグと交換することが可能となり、複数の ICタグに対して ICタグ収納ケース 60を流用することができる。そのため、高透磁率材料を備えた従来の ICタグ 15と比較して、 ICタグ 41の製造コストを低下させることができる。

[0064] このように、底板 62を高透磁率材料により構成し、 ICタグ収納ケース 60を対象物に取り付ける際、 ICタグ 41と対象物との間に底板 62を配置することで、対象物の材質に依存することなぐリードライタ 47からの電磁波により形成される磁束 Cを ICタグ収納ケース 60に収納された ICタグ 41に集中（ICタグ 41を通過）させて、起電力を確保して、 ICタグ 41とリーダライタ 47との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0065] なお、本実施例では、蓋体 35、及び枠体 61をネジ 39により底板 62に装着させた力蓋体 35、及び枠体 61は底板 62に対して着脱可能な構成であれば良ぐ底板 62 に対する蓋体 35、及び枠体 61の装着手段は本実施例に限定されない。また、底板 62の対象物と対向する面に、粘着材を設けて、この粘着材により ICタグ収納用ケース 60を対象物に取り付けても良い。さらに、 ICタグ収納ケース 60は、 ICチップと接続された第 1のアンテナと、第 1のアンテナの外側に設けられた第 2のアンテナとを備えた ICタグにも適用することができる。

第 3実施例

[0066] 図 11乃至 13を参照して、本発明の第 3実施例である ICタグ収納ケース 70について説明する。図 11は、 ICタグが収納された本発明の第 3実施例の ICタグ収納ケースの斜視図であり、図 12は、図 11に示した構造体 (ICタグ及び ICタグ収納ケース）の F F線方向の断面図である。また、図 13は、図 11に示した構造体の分解斜視図である。なお、図 12において、 D2は溝部 72の深さ（以下、「深さ D2」とする）、 T4はケース本体 71の底板部 71Aの厚さ（以下、「厚さ T4」とする）、 Τ5は高透磁率部材 73の厚さ（以下、「厚さ Τ5」とする）をそれぞれ示している。また、図 11乃至図 13において、図 3に示した構造体 (ICタグ 41及び ICタグ収納ケース 30)と同一構成部分には同一符号を付す。

[0067] ICタグ収納ケース 70は、 ICタグ 41を収納した状態で、情報を管理した、製品や物体等の対象物（以下、「対象物」とする）に取り付けられるものである。 ICタグ収納ケース 70は、大略すると蓋体 35と、ネジ 39と、ケース本体 71と、高透磁率部材 73とを備えた構成とされている。 ICタグ収納ケース 70は、 ICタグ 41と対象物との間にケース本体 71が配置されるよう対象物に取り付けられる。

[0068] ケース本体 71は、可撓性を有しており、 ICタグ 41を収容するための溝部 72と、ネジ 39を締結するためのネジ穴 74とを備えた構成とされている。溝部 72の深さ D2は、収納する ICタグ 41の厚さに依存する力例えば、 0. 5mm— 5. Ommとすることができる。

[0069] ネジ穴 74は、蓋体 35に形成された貫通穴 37と対向する位置に形成されている。ネジ穴 74は、蓋体 35をケース本体 71に装着する際に使用するネジ 39を締結するためのものである。ケース本体 71の底板部 71Aの厚さ T4は、例えば、 0. 3mm— 0. 5m mとすることができる。

[0070] また、ケース本体 71の材料には、例えば、ポリエチレンテレフタレート（PET)、ポリエチレン（PE)、合成高分子ポリアミド（ナイロン）、ポリスチレン（PS)、ポロプロピレン (PP)等の榭脂や、合成ゴムを用いることができる。

[0071] 高透磁率部材 73は、高透磁率材料力もなる板状の部材であり、可撓性を有している。高透磁率部材 73は、ケース本体 71の底板部 71Aに、 ICタグ 41と対向するよう内包されている。高透磁率材料としては第 1実施例で例に挙げた高透磁率材料を用いることができる。高透磁率部材 73の厚さ T5は、例えば、 0. 3mm— 4. Ommとすることがでさる。

[0072] このように、ケース本体 71の底板部 71Aに、 ICタグ 41と対向するよう高透磁率部材 73を内包させ、 ICタグ収納ケース 70を対象物に取り付ける際、 ICタグ 41とケース本体 71とを対向させることにより、対象物の材質に依存することなぐリードライタ 47からの電磁波により形成される磁束 Cを ICタグ収納ケース 70に収納された ICタグ 41に集中（ICタグ 41を通過）させて、起電力を確保して、 ICタグ 41とリーダライタ 47との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0073] なお、本実施例では、ネジ 39により蓋体 35をケース本体 71に装着させた力蓋体 35はケース本体 71に対して着脱可能な構成であれば良ぐケース本体 31に対する蓋体 35の装着手段は本実施例に限定されない。また、 ICタグ収納ケース 70は、 IC チップと接続された第 1のアンテナと、第 1のアンテナの外側に設けられた第 2のアンテナとを備えた ICタグにも適用することができる。

第 4実施例

[0074] 図 14及び図 15を参照して、本発明の第 4実施例である ICタグ収納ケース 80について説明する。図 14は、 ICタグが収納された本発明の第 4実施例の ICタグ収納ケースの斜視図であり、図 15は、図 14に示した構造体の分解斜視図である。なお、図 14 及び図 15において、図 3に示した構造体 (ICタグ 41及び ICタグ収納ケース 30)と同一構成部分には同一符号を付す。

[0075] ICタグ収納ケース 80は、 ICタグ 41を収納した状態で、情報を管理した、製品や物体等の対象物（以下、「対象物」とする）に取り付けられるものである。 ICタグ収納ケース 80は、大略するとケース本体 31と、ネジ 39と、蓋体 81と、導波用アンテナ 85とを備えた構成とされている。

[0076] 蓋体 81は、可撓性を有した板状の部材であり、ケース本体 31のネジ穴 33と対向する位置に貫通穴 82が形成されている。貫通穴 82は、蓋体 81をケース本体 31に装着させる際に使用するネジ 39を挿入するためのものである。蓋体 81の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート（PET)、ポリエチレン (PE)、合成高分子ポリアミド（ナイロン）、ポリスチレン（PS)、ポロプロピレン (PP)等の榭脂や、合成ゴムを用いることができる。このような材料を用いることで、蓋体 81に可撓性を持たせることができる。

[0077] 導波用アンテナ 85は、受動部品であるキャパシタンス部 86と、受動部品であるアンテナ部 87とを有した構成とされている。キャパシタンス部 86は、蓋体 81の上面 81A に設けられており、アンテナ部 87と電気的に接続されている。受動部品であるアンテナ部 87は、 ICタグ 41に設けられたアンテナ 43を取り囲むよう蓋体 81の上面 81Aに配設されている。

[0078] このように、キャパシタンス 86及びアンテナ 87を有した導波用アンテナ 87を蓋体 8 1の上面 81Aに設けて、リーダライタ 47からの電磁波を導波用アンテナ 85で受信し、 ICタグ 41のアンテナ 87と導波用アンテナ 85との間で電磁結合させることで、 ICタグ 41とリーダライタ 47との間の通信距離を伸ばすことが可能となり、 ICタグ 41とリーダライタ 47との間の情報の交信を精度良く行なうことができる。

[0079] 図 16及び図 17は、導波用アンテナを備えた他の ICタグ収納用ケースの斜視図である。図 16に示すように、導波用アンテナ 85が配設された蓋体 81と、第 2実施例で説明した枠体 61及び底板 62を組み合わせて ICタグ収納用ケース 90を構成しても良い。また、図 17に示すように、導波用アンテナ 85が配設された蓋体 81と、第 3実施例で説明した高透磁率部材 73を内包したケース本体 71とを組み合わせて ICタグ収納用ケース 95を構成しても良い。これら ICタグ収納用ケース 90, 95の場合においても、本実施例の ICタグ収納ケース 80と同様な効果を得ることができる。なお、 ICタグ収納用ケース 80, 90, 95において、蓋体 81の表面 81Aに導波用アンテナ 85を設ける代わりに、蓋体 81の裏面 81Bに導波用アンテナ 85を設けた構成としても良い。また、 ICタグ収納ケース 80, 90, 95は、 ICチップと接続された第 1のアンテナと、第 1のアンテナの外側に設けられた第 2のアンテナとを備えた ICタグにも適用することができる。

尚、本発明は具体的に開示された実施例に限定されさるものではなぐクレームされた本発明の範囲から逸脱することなぐ種々の変形例や実施例が考えられる。

Claims

請求の範囲

[I] ICタグを収納する ICタグ収納ケースにお!ヽて、

前記 ICタグを収納した際、前記 ICタグと対向する一方の側に、高透磁率材料よりなる高透磁率部材を設けたことを特徴とする ICタグ収納ケース。

[2] 前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000であることを特徴とする請求項

1に記載の ICタグ収内ケース。

[3] 前記高透磁率材料は、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも

1種力もなることを特徴とする請求項 1に記載の ICタグ収納ケース。

[4] 前記高透磁率部材が設けられていない側に、受動部品よりなるアンテナを設けたことを特徴とする請求項 1に記載の ICタグ収納ケース。

[5] ICタグを収容する溝部を有したケース本体と、

前記溝部を塞ぐよう前記ケース本体に配設され、電磁波が入来される蓋体とを備え前記ケース本体を、高透磁率材料で構成したことを特徴とする ICタグ収納ケース。

[6] 前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000であることを特徴とする請求項

5に記載の ICタグ収内ケース。

[7] 前記高透磁率材料は、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも

5種力もなることを特徴とする請求項 5に記載の ICタグ収納ケース。

[8] 前記蓋体は、前記ケース本体に対して着脱可能な構成とされて、ることを特徴とする請求項 5に記載の ICタグ収納ケース。

[9] 前記蓋体には、受動部品よりなるアンテナを設けたことを特徴とする請求項 5に記載の ICタグ収納ケース。

[10] ICタグを収容する溝部を有したケース本体と、

前記溝部を塞ぐよう前記ケース本体に配設され、電磁波が入来される蓋体とを備え前記 ICタグと対向するケース本体に、高透磁率材料よりなる高透磁率部材を設けたことを特徴とする ICタグ収納ケース。

[II] 前記高透磁率材料の比透磁率は、 1000— 800000であることを特徴とする請求項 10に記載の ICタグ収納ケース。

[12] 前記高透磁率材料は、パーマロイ、ニッケル、コバルトからなる群のうちの少なくとも

5種力もなることを特徴とする請求項 10に記載の ICタグ収納ケース。

[13] 前記蓋体は、前記ケース本体に対して着脱可能な構成とされて、ることを特徴とする請求項 10に記載の ICタグ収納ケース。

[14] 前記蓋体には、受動部品よりなるアンテナを設けたことを特徴とする請求項 10に記載の ICタグ収納ケース。