JP2015064932A - カリウム溶融塩電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質を用いた場合に、安定して充放電を行うことが可能なカリウム溶融塩電池を提供する。【解決手段】カリウム溶融塩電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含み、前記正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含み、前記負極活物質は、ハードカーボンおよび黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種を含み、前記溶融塩電解質は、アニオンおよびカチオンを含み、前記カチオンは、カリウムイオンを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質を用いるとともに、負極活物質にハードカーボンおよび/または黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を用いたカリウム溶融塩電池に関する。
近年、太陽光、風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が注目を集めている。また、多くの電気エネルギーを蓄えることができる高エネルギー密度の電池として、非水電解質二次電池の需要が拡大している。非水電解質二次電池の中では、リチウムイオン二次電池が、軽量かつ高い起電力を有する点で有望である。しかし、リチウムイオン二次電池の市場の拡大に伴い、リチウム資源の価格が上昇しつつある。そのため、リチウムよりも安価なナトリウムまたはカリウムを用いた二次電池の開発が進められている。
特許文献1には、MgH2と金属触媒とを含む負極材料が、リチウム二次電池だけでなく、ナトリウム二次電池またはカリウム二次電池にも使用できることが開示されている。特許文献1では、金属塩と非水溶媒とを含む電解質が使用されている。
特許文献2には、水系電解質を用いる電池において、正極活物質としてのプルシアンブルー類似体および負極活物質としての活性炭を使用すること、および正極活物質と負極活物質との双方に、プルシアンブルー類似体を使用することが提案されている。特許文献2には、プルシアンブルー類似体が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカチオンを可逆的に挿入可能であることが記載されている。
特許文献3には、カチオンを可逆的に挿入可能な正極活物質と、負極と、溶融塩電解質とを用いた充電式の溶融塩電池が提案されている。カチオンとしては、リチウムイオンに加え、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンも記載されている。
溶融塩は、熱安定性に優れており、安全性の確保が比較的容易であり、かつ、高温域での継続的使用にも適している。また、溶融塩電池は、リチウム以外の安価なアルカリ金属(特にナトリウムまたはカリウム)をカチオンとする溶融塩を電解質として使用することができるため、製造コストも安価である。
特開2012−038697号公報 米国出願公開公報US2012/0328936A1 特開2008−511967号公報
特許文献1および特許文献3には、カリウム二次電池についての記載があるが、カリウム二次電池に使用可能な電極活物質については具体的に記載されていない。このように、カリウムと高効率で可逆的な電池反応を行うことができる電極活物質はあまり知られていない。
特許文献2には、金属錯体であるプルシアンブルー類似体を、正極および負極の活物質の双方に使用すること、および負極活物質として使用することが提案されている。プルシアンブルーは、Fe2+とFe3+とがシアノ基を介して交互に架橋した面心立方格子構造を有する錯体であり、格子内にカリウムイオンなどのアルカリ金属イオンを吸蔵(または吸着、もしくは挿入)および放出(または脱離)可能である。なお、プルシアンブルー類似体には、例えば、プルシアンブルーの基本骨格を構成するFe2+および/またはFe3+の少なくとも一部を他の金属イオンに置き換えたもの、プルシアンブルーの基本骨格を構成するシアノ基の少なくとも一部を他の配位子に置き換えたものの他、これらの置換体またはプルシアンブルーに他の金属イオンが吸蔵した状態のものが含まれる。
特許文献2に記載されるような金属錯体を用いた電極は、カリウムイオンを吸蔵および放出可能な電極として機能すると期待される。しかしながら、特許文献2では、水系電解質を使用しているため、熱安定性が不十分である。
そこで、本発明の目的は、カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質を用いた場合に、安定して充放電を行うことが可能なカリウム溶融塩電池を提供することにある。
本発明の一局面は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含み、前記正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含み、前記負極活物質は、ハードカーボンおよび黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種を含み、前記溶融塩電解質は、カチオンおよびアニオンを含み、前記カチオンは、カリウムイオンを含むカリウム溶融塩電池に関する。
本発明の上記局面によれば、正極および負極のいずれにもカリウムイオンを可逆的に吸蔵(または吸着、もしくは挿入)および放出(または脱離)可能であり、安定して充放電を行うことができるカリウム溶融塩電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカリウム溶融塩電池を概略的に示す縦断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一実施形態は、(1)正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含み、前記正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含み、前記負極活物質は、ハードカーボンおよび黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種を含み、前記溶融塩電解質は、カチオンおよびアニオンを含み、前記カチオンは、カリウムイオンを含むカリウム溶融塩電池に関する。
ここで、溶融塩電池とは、溶融塩(つまり、溶融状態の塩(またはイオン液体))を電解質として含む電池の総称である。溶融塩電解質とは、溶融塩を含む電解質を意味する。カリウム溶融塩電池とは、カリウムイオン伝導性を示す溶融塩を電解質として含み、カリウムイオンが、充放電反応に関与する電荷のキャリアとなるものを言う。なお、イオン液体は、アニオンとカチオンとで構成される液体である。
上記実施形態では、カリウムイオンを可逆的に吸蔵(または吸着、もしくは挿入)および放出(または脱離)する金属錯体を正極活物質として用いるとともに、ハードカーボンおよび/または黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を負極活物質として用いる。ハードカーボンおよび上記炭素質材料は、電池内で、正極活物質である金属錯体よりも低い電位でカリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出することができる。そのため、このような正極活物質および負極活物質と、カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質とを組み合わせることで、カリウム溶融塩電池を繰り返し充放電することができる。よって、安定に充放電を行うことができるカリウム溶融塩電池が得られる。また、溶融塩電解質を用いることで、水系電解質または有機電解液に比べて高い熱安定性が得られる。
(2)前記溶融塩電解質は、前記アニオンおよび前記カチオンを含むイオン液体を、80質量%以上含むことが好ましい。このような溶融塩電解質は、耐熱性および/または難燃性が高いため、電池の作動温度が高い場合でも、より安定に電池を作動させることができる。
(3)前記アニオンはビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。溶融塩電解質がこのようなアニオンを含むことで、溶融塩電解質の粘度を低下させることができ、高いイオン伝導性を確保し易い。
(4)前記ハードカーボンは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)スペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が0.37nm以上であることが好ましい。このようなd002を有するハードカーボンは、充放電時のカリウムイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化が小さい。そのため、充放電を繰り返しても、負極活物質の劣化を抑制できる。
(5)好ましい一実施形態では、前記負極活物質は、前記ハードカーボンを含み、前記カチオンは、ナトリウムイオンを含まない。カチオンがナトリウムイオンを含む場合、充電時にハードカーボンにカリウムイオンおよびナトリウムイオンが吸蔵される。しかし、その理由は定かではないが、放電時には、ナトリウムイオンがハードカーボン中に残存して、不可逆容量となる場合がある。そのため、ナトリウムイオンを含まないカチオンを用いることで、放電時に、ナトリウムイオンがハードカーボン中に残存した状態となることを抑制することができる。
(6)前記黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料は、XRDスペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が0.337nm未満であることが好ましい。このような炭素質材料は、発達した黒鉛型結晶構造を有している。そのため、充電時には、黒鉛型結晶構造内にカリウムイオンが効率よく挿入され、放電時には、黒鉛型結晶構造からカリウムイオンが放出される。
(7)好ましい一実施形態では、前記負極活物質は、前記黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を含み、前記カチオンは、さらにナトリウムイオンを含む。カチオンがカリウムイオンとナトリウムイオンとを含むことで、溶融塩電解質の融点を低下させることができ、比較的低い温度(例えば、100℃以下、好ましくは90℃以下の温度)で電池を作動させることができる。溶融塩電解質がカリウムイオンおよびナトリウムイオンを含む場合でも、ナトリウムイオンが、負極活物質として使用する炭素質材料の黒鉛型結晶構造内に不可逆的に吸蔵されて、不可逆容量となることが抑制される。そのため、ナトリウムイオンを含む場合でも、カリウム溶融塩電池として安定に作動させることができる。
(8)前記(7)において、前記カリウムイオンに対する前記ナトリウムイオンのモル比:MNa/MKは、30/70〜70/30であることが好ましい。ナトリウムイオンとカリウムイオンとのモル比がこのような範囲である場合、溶融塩電解質の融点をさらに低くすることができる。そのため、電池の作動温度を低下させる上で有利である。
(9)前記金属錯体は、金属イオンと前記金属イオンに配位した配位子とを含み、前記金属イオンは、3価の第1金属イオンと、2価の第2金属イオンとを含み、前記金属錯体は、前記第1金属イオンと、前記第2金属イオンとが、前記配位子を介して交互に架橋した面心立方格子構造を有することが好ましい。このような金属錯体は、面心立方格子構造において、複数の第1金属イオンおよび第2金属イオン間に空間が形成され易い。そのため、放電時には、この空間内にカリウムイオンが吸蔵(または挿入)されるとともに、充電時には、この空間からカリウムイオンが放出される。従って、充放電に伴う正極活物質の体積変化を小さくすることができ、正極活物質の劣化を抑制できる。
(10)好ましい態様では、前記金属錯体は、下記式(1):
x1[M2(CN)6-yyz (1)
(式中、M1は前記第1金属イオンであり、M2は前記第2金属イオンであり、LはCN-以外の1価の多原子アニオンであり、x、yおよびzは、それぞれ、0<x≦2、0≦y<6および0.5≦z≦1.5を充足する。)で表される。このような金属錯体は、プルシアンブルー型の結晶構造(プルシアンブルー型錯体)を形成し易い。プルシアンブルー型の結晶構造は、面心立方格子が積み重なったジャングルジムのような結晶構造である。このような結晶構造において、カリウムイオンは、ジャングルジムのような開骨格内に挿入された状態となる。そのため、放電時には、開骨格内にカリウムイオンが挿入されて複錯体が形成され、充電時には、開骨格内からカリウムイオンが放出される。このような機構により、より安定して、カリウム溶融塩電池の充放電を行うことができる。また、充放電に伴う正極活物質の劣化も抑制できる。
(11)前記第1金属イオンは、周期表第4周期の金属から選択される少なくとも1種の第1金属のイオンであり、前記第2金属イオンは、周期表第4周期の金属および第5周期の金属からなる群より選択される少なくとも1種の第2金属のイオンであることが好ましい。また、(12)前記第1金属イオンは、Cr3+、Mn3+、Fe3+、およびCo3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記第2金属イオンは、Cr2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、およびSn2+からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属錯体がこのような金属イオンを含む場合、面心立方格子構造が形成され易くなる。そのため、カリウムイオンの挿入および脱離をより効率よく行うことができる。
(13)前記正極活物質および前記負極活物質の少なくともいずれか一方に、カリウムイオンがプレドープされていることが好ましい。カリウムイオンを活物質にプレドープすることで、電極、ひいては電池を高容量化することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るカリウム溶融塩電池の具体例を、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施形態に係るカリウム溶融塩電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含む。以下に各構成要素について説明する。
(負極)
負極は、負極活物質を含み、黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料およびハードカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
黒鉛型結晶構造とは、層状の結晶構造を意味し、立方晶型結晶構造、菱面体晶型結晶構造などが例示できる。黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、黒鉛化メソカーボン小球体などが例示できる。これらの炭素質材料は、一種を単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
炭素質材料を含む負極活物質を用いる場合、カリウム溶融塩電池内では、充電時には、炭素質材料の黒鉛型結晶構造の層間にカリウムイオンが挿入され、放電時には、黒鉛型結晶構造の層間からカリウムイオンが放出される。
炭素質材料における黒鉛型結晶構造の発達の程度の指標の1つとして、炭素質材料のXRDスペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が使用されている。負極活物質に使用される炭素質材料は、平均面間隔d002が、0.337nm未満であることが好ましい。平均面間隔d002の下限は特に制限されないが、平均面間隔d002を、例えば、0.335以上とすることができる。平均面間隔d002がこのような範囲の炭素質材料を用いることで、充電時には、黒鉛型結晶構造内にカリウムイオンをより効率よく挿入することができるとともに、放電時には、黒鉛型結晶構造からカリウムイオンをスムーズに放出することができる。
ハードカーボンは、炭素網面が層状に重なりあった黒鉛型結晶構造を有する黒鉛とは異なり、炭素網面が三次元的にずれた状態で重なりあった乱層構造を有する。ハードカーボンは、高温(例えば、3000℃)での加熱処理によっても、乱層構造から黒鉛構造への転換が起こらず、黒鉛結晶子の発達が見られない。そのため、ハードカーボンは、難黒鉛化性炭素(non−graphitizable carbon)とも称される。
黒鉛に分類される炭素質材料の平均面間隔d002は上記のように0.337nm未満と小さいが、乱層構造を有するハードカーボンの平均面間隔d002は大きく、例えば、0.37nm以上である。ハードカーボンの平均面間隔d002の上限は特に制限されないが、平均面間隔d002を、例えば、0.42nm以下とすることができる。ハードカーボンの平均面間隔d002は、例えば、0.37〜0.42nm、好ましくは0.38〜0.4nmであってもよい。
リチウムイオン電池では、負極に黒鉛が使用されているが、リチウムイオンは、黒鉛中に含まれる黒鉛型結晶構造(具体的には、炭素網面の層状構造)の層間に挿入される。ハードカーボンにカリウムイオンが吸蔵される場合、カリウムイオンは、ハードカーボンにわずかに含まれる黒鉛型結晶構造の層間に挿入される他、乱層構造内(具体的には、黒鉛型結晶構造の層間以外の部分)に入り込むこと、および/またはハードカーボンに吸着されることにより、ハードカーボンに吸蔵されると考えられる。
ハードカーボンは、乱層構造を有し、ハードカーボン中の黒鉛型結晶構造の比率は小さい。そのため、カリウムイオンの多くは、黒鉛型結晶構造の層間以外の部分(例えば、乱層構造内に形成される空隙など)に挿入されること、および/またはハードカーボンに吸着されることで、ハードカーボンに吸蔵されると考えられる。よって、ハードカーボン(特に、平均面間隔d002が上記のような範囲であるハードカーボン)を用いる場合には、充放電時の体積変化が小さくなり、充放電を繰り返しても劣化を抑制し易い。
ハードカーボンの構造については、様々なモデルが提案されているが、乱層構造内には、炭素網面が三次元的にずれて重なり合うことで、上記のように空隙が形成されていると考えられている。そのため、炭素網面が層状に密に積層した状態の結晶構造を有する黒鉛に比べて、ハードカーボンは平均比重が低い。黒鉛の平均比重は2.1〜2.25g/cm3程度であるが、ハードカーボンの平均比重は、例えば、1.7g/cm3以下であり、好ましくは1.4〜1.7g/cm3または1.5〜1.7g/cm3である。ハードカーボンがこのような平均比重を有する場合、充放電時のカリウムイオンの吸蔵および放出に伴う体積変化をさらに低減し易くなり、活物質の劣化をより効果的に抑制することができる。
ハードカーボンは、例えば、原料を、固相で炭素化することで得られる炭素質材料を包含する。固相で炭素化が起こる原料は、固形の有機物であり、具体的には、糖類、樹脂(フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニリデンなどの熱可塑性樹脂など)などが挙げられる。糖類には、糖鎖が比較的短い糖類(単糖類またはオリゴ糖類、例えば、砂糖など)の他、セルロース類などの多糖類[例えば、セルロースまたはその誘導体(セルロースエステル、セルロースエーテルなど);木材、果実殻(ヤシ殻など)などのセルロースを含む材料など]などが挙げられる。これらの原料は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。ハードカーボンは、上記原料を、固相で加熱して炭素化することにより得られる。炭素化は、例えば、500〜1600℃程度の温度で行うことができ、第1温度(例えば、500℃以上800℃未満の温度)での加熱と、第1温度よりも高い第2温度(例えば、800〜1600℃の温度)での加熱とを適宜組み合わせてもよい。ガラス状カーボンもハードカーボンに含まれる。ハードカーボンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせてもよい。
負極活物質は、ハードカーボンおよび前記炭素質材料以外の活物質を含むことができる。カリウムイオンの吸蔵および放出を効率よく行う観点からは、負極活物質中のハードカーボンおよび/または前記炭素質材料の含有量は、80質量%以上(具体的には80〜100質量%)であることが好ましく、90質量%以上(具体的には90〜100質量%)であることがさらに好ましい。負極活物質をハードカーボンおよび/または前記炭素質材料のみで構成してもよい。
ハードカーボンおよび/または前記炭素質材料を含む負極活物質を用いることで、電池内で、正極活物質である金属錯体よりも低い電位でカリウムイオンを負極活物質に可逆的に吸蔵および放出することができる。そのため、これらの負極活物質および正極活物質を、カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質と組み合わせることにより、カリウム溶融塩電池の充放電を安定して行うことができる。
負極は、上記のような負極活物質を含む限り特に制限されず、例えば、負極活物質と、負極活物質を固定化または担持する負極集電体とを含むことができる。負極は、任意成分として、結着剤、および/または導電助剤などを含んでもよい。
集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。負極集電体を構成する金属としては、カリウムと合金化せず、負極電位で安定であることから、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金などが好ましいが、特に限定されない。
容量密度および活物質の利用率を確保し易い観点から、集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布および金属多孔体シートの厚さは、それぞれ、例えば100〜800μmである。
結着剤は、負極活物質同士を結合させるとともに、負極活物質を負極集電体に固定する役割を果たす。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂;ポリイミド(芳香族ポリイミドなど)、ポリアミドイミドなどのポリイミド樹脂;スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどのゴム状重合体;カルボキシメチルセルロースまたはその塩(Na塩など)などのセルロース誘導体(セルロースエーテルなど)などが例示できる。結着剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。高い結着性および容量を確保し易い観点から、結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素質導電助剤;金属繊維などが挙げられる。導電助剤は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。高い導電性および容量を確保し易い観点から、導電助剤の量は、負極活物質100質量部あたり、例えば、0〜15質量部の範囲から適宜選択でき、0.1〜10質量部であってもよい。
負極は、例えば、負極活物質を含む負極合剤ペーストを、負極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。負極合剤ペーストは、負極活物質、並びに任意成分としての結着剤および導電助剤を、分散媒に分散させることにより得られる。分散媒としては、アセトンなどのケトン;テトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルアセトアミドなどのアミド;N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。これらの分散媒は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(正極)
正極は、正極活物質を含み、正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含む。金属錯体は、カリウムイオンを吸蔵することで、カリウムイオンを含む複錯体を形成することができる。このような金属錯体としては、負極活物質であるハードカーボンおよび炭素質材料よりも高い電位でカリウムイオンの吸蔵および放出を行うことができるものが使用される。また、金属錯体は、溶融塩電解質に対して不溶性または難溶性のものが使用される。
金属錯体は、金属イオン(カチオン)と、この金属イオンに配位した配位子(アニオン性配位子)とを含む。金属イオンに対する配位子の配位状態は、配位結合またはイオン結合であってもよく、金属錯体は、配位結合およびイオン結合の双方を含んでもよい。アニオン性配位子(またはアニオン)は、単原子アニオン(Cl-、Br-、I-などのハロゲンアニオンなど)であってもよい。金属錯体は、可逆的にカリウムイオンと複錯体を形成する必要があるため、アニオン性配位子は、複数の金属カチオン間および/または金属カチオンとカリウムイオンとの間を連結し易いように、1価または多価の多原子アニオンであることが好ましい。
多原子アニオンとしては、例えば、1価の多原子アニオン(CN-;SCN-;OH-;SH-;NO3 -、ClO4 -、HCO3 -、H2PO4 -、H2SO4 -などのオキソ酸アニオン;CH3COO-、CH3COCH2COO-などのカルボン酸アニオンなど)、多価の多原子アニオン(CO3 2-、SO4 2-など)が挙げられる。
金属錯体は、一種のアニオン性配位子を含んでもいてもよく、複数種のアニオン性配位子を含んでもよい。アニオン性配位子のうち、1価の多原子アニオンが好ましく、中でも、CN-および/またはOH-が好ましい。
カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出しても、金属錯体の結晶構造が劣化しないように、金属錯体は、カリウムイオンを吸蔵する開骨格を有することが好ましい。このような開骨格を有する金属錯体としては、結晶構造が面心立方格子構造であるものが好ましい。例えば、金属イオンとして、3価の第1金属イオンと、2価の第2金属イオンとを含み、第1金属イオンと、第2金属イオンとが、配位子を介して交互に架橋した構造を有する金属錯体は、面心立方格子構造を取りやすい。このような面心立方格子構造においては、複数の第1金属イオンおよび第2金属イオン間に空間が形成され易く、この空間が、カリウムの吸蔵サイト(または、吸着サイトもしくは挿入サイト)となり易い。カリウムイオンは、放電時には、この空間に挿入され、充電時には、この空間から放出されることになると考えられる。このように、カリウムイオンは、面心立方格子構造の格子内に形成される空間に挿入されることで、充放電に伴う正極活物質の体積変化を小さくすることができ、正極活物質の劣化を抑制できる。
面心立方格子構造を有する金属錯体において、配位子は、少なくともシアノ基(CN-)を含むことが好ましい。シアノ基は、シアノ基に含まれる炭素原子が2価の第2金属イオンと結合し、窒素原子が3価の第1金属イオンと結合し易く、これらの金属イオンを交互に配列し易いため、面心立方格子構造の形状を形成し易い。
第1金属イオンを構成する第1金属としては、3価の価数を取り得る限り特に制限されず、遷移金属(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、および/またはCuなど)、周期表第12族〜第15族の典型金属(Zn、および/またはSnなど)などが挙げられる。金属錯体は、1種の第1金属イオンを含んでもよく、複数種の第1金属イオンを含んでもよい。これらのうち、周期表第4周期の金属(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、および/またはZnなど)のイオンが好ましく、特に、Cr3+、Mn3+、Fe3+、およびCo3+からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。第1金属イオンは、少なくともFe3+を含むことが好ましい。第1金属イオンに占めるFe3+の比率は、例えば、80〜100mol%、好ましくは90〜100mol%であり、第1金属イオンが、Fe3+のみを含んでいてもよい。
第2金属イオンを構成する第2金属としては、2価の価数を取り得る限り特に制限されず、遷移金属(Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、および/またはCuなど)、周期表第12族〜第15族の典型金属(Zn、および/またはSnなど)などが挙げられる。金属錯体は、1種の第2金属イオンを含んでもよく、複数種の第2金属イオンを含んでもよい。これらのうち、周期表第4周期の金属(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、および/またはZnなど)、第5周期の金属(Mo、Ru、および/またはSnなど)などのイオンが好ましく、特に、Cr2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+およびSn2+からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。第2金属イオンは、少なくともFe2+を含むことが好ましい。第2金属イオンに占めるFe2+の比率は、例えば、80〜100mol%、好ましくは90〜100mol%であり、第2金属イオンが、Fe2+のみを含んでいてもよい。
金属錯体が上記のような第1金属イオンおよび第2金属イオンを含む場合、面心立方格子構造がより形成され易くなる。そのため、金属錯体におけるカリウムイオンの吸蔵および放出をより効率よく行うことができる。
好ましい態様において、金属錯体としては、下記式(1):
x1[M2(CN)6-yyz (1)
(式中、M1は前記第1金属イオンであり、M2は前記第2金属イオンであり、LはCN-以外の1価のアニオンであり、x、yおよびzは、それぞれ、0<x≦2、0≦y<6および0.5≦z≦1.5を充足する。)で表されものが使用される。
カリウムイオンの比率xは、0より大きく、好ましくは0.1以上または0.2以上、さらに好ましくは0.3以上または0.5以上である。また、比率xは、例えば、2以下であり、好ましくは1.5以下または1.1以下、さらに好ましくは1以下または0.9以下であり、0.7以下であってもよい。これらの下限値と上限値とは任意に組合せることができる。比率xは、0<x≦1.5、0.1≦x≦1.1、または0.1≦x≦0.7であってもよい。なお、完全に充電された状態の場合に、金属錯体におけるカリウムイオンの比率xは最少(理論的には、0)となる。
式(1)において、Lで表される1価のアニオンとしては、前記例示の1価のアニオンのうち、CN-以外のものが使用される。カリウムイオンを吸蔵および放出し易いように、アニオンLは、前記例示の1価の多原子アニオン(CN-を除く)であることが好ましい。アニオンLの配位数を示すyは、好ましくは0≦y≦4、さらに好ましくは0≦y≦2または0≦y≦1である。
式(1)において、zは、好ましくは0.7≦z≦1.3、さらに好ましくは0.85≦z≦1.15である。
このような金属錯体は、プルシアンブルー型の結晶構造を形成するため、プルシアンブルー型錯体(またはプルシアンブルー類似体)とも称される。この結晶構造は、ジャングルジムのような格子構造の開骨格を有するため、この開骨格内の空間にカリウムイオンが挿入されることで、金属錯体はカリウムイオンと複錯体を形成することができる。金属錯体において、複錯体の形成は可逆的に行うことができる。つまり、金属錯体は、放電時には、開骨格内にカリウムイオンを取り込んで複錯体を形成し、充電時には、開骨格内からカリウムイオンを放出すると考えられる。このような機構により、より安定して、カリウム溶融塩電池の充放電を行うことができる。
金属錯体中に含まれる第1金属イオンおよび第2金属イオンの価数は、それぞれ、カリウムイオンの吸蔵および放出に応じて変化する場合がある。例えば、第1金属イオンの少なくとも一部が、2価の金属イオンとなることがある。また、第2金属イオンの少なくとも一部が、3価の金属イオンとなることがある。
金属錯体は、配位水および/または結合水を含んでもよい。
正極活物質は、前記金属錯体以外の活物質を含むことができる。カリウムイオンの吸蔵および放出をよりスムーズに行う観点からは、正極活物質中の前記金属錯体の含有量は、80質量%以上(具体的には、80〜100質量%)であることが好ましく、90質量%以上(具体的には、90〜100質量%)であることがさらに好ましい。正極活物質を前記金属錯体のみで構成してもよい。
正極は、上記のような正極活物質を含む限り特に制限されず、例えば、正極活物質と、正極活物質を固定化または担持する正極集電体とを含むことができる。
集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。正極集電体を構成する金属としては、正極電位で安定であることから、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましいが、特に限定されない。集電体の厚さは、負極集電体について記載した範囲から適宜選択できる。
正極は、任意成分として、結着剤、および/または導電助剤などを含んでもよい。結着剤、導電助剤としては、負極について例示したものと同様のものから適宜選択できる。
正極は、負極の形成方法に準じて形成できる。具体的には、正極は、正極活物質を含む正極合剤ペーストを、正極集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより形成できる。正極合剤ペーストは、正極活物質、並びに任意成分としての結着剤および導電助剤を、分散媒に分散せることにより得られる。分散媒としては、負極について例示したものと同様のものから適宜選択できる。
このように、本発明の一実施形態では、正極活物質および負極活物質の双方が、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能であるため、このような活物質をそれぞれ含む正極および負極と、カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質と組み合わせることで、安定して充放電を行うことができるカリウム溶融塩電池を作製できる。
正極活物質および負極活物質の少なくともいずれか一方には、カリウムイオンをプレドープしておくことが好ましい。カリウムイオンをプレドープすることで、カリウム溶融塩電池の容量をさらに高めることができる。
負極活物質にカリウムイオンをプレドープする場合、プレドープは、電池の組み立て工程で行うことができる。例えば、負極の表面にカリウム金属箔を貼り付けて、正極および電解質とともに、電池ケース内に収容して電池を組み立てると、カリウム金属箔からカリウムイオンが溶出して、負極活物質にドープさせることができる。ドープの際には、必要に応じて、通電してもよい。
正極活物質にカリウムイオンをプレドープする場合、カリウム金属箔を正極表面に貼り付け、負極活物質にプレドープする場合に準じてドープさせてもよいが、金属錯体にカリウムイオンを吸蔵させた状態の複錯体を予め調製し、これを正極活物質として使用することが好ましい。カリウムイオンが吸蔵された状態の金属錯体(複錯体)は、例えば、式(1)において、カリウムイオンの係数xが0<x≦2(好ましくは0.5≦x≦2)を充足するものである。
(溶融塩電解質)
溶融塩電解質は、少なくとも溶融時にイオン伝導性を有する必要があるため、溶融塩電池内において、充放電反応の電荷のキャリアとなるイオン(カチオンおよびアニオン)を含む。より具体的には、溶融塩電解質は、カチオンとアニオンとの塩を含む。本発明の一実施形態において、溶融塩電解質は、カリウムイオン伝導性を有する必要があるため、カチオンは、カリウムイオンを含む。
カチオンは、正極および負極のそれぞれにおけるカリウムイオンの挿入および脱離を阻害しない範囲で、カリウムイオン以外に、他のカチオンを含むことができる。他のカチオンとしては、カリウムイオン以外の無機カチオン;有機オニウムカチオンなどの有機カチオンなどが例示できる。電解質は、融点以上の温度で溶融して、イオン液体となり、カリウムイオン伝導性を示すことにより、カリウム溶融塩電池を作動させることができる。コストおよび使用環境を考慮して、適度な温度で電池を作動させる観点から、電解質の融点は、低い方が好ましい。
電解質が、カリウムイオンに加え、さらに他のカチオンを含む場合、融点が低くなり易く、電池の作動温度を下げることができるため有利である。しかし、他のカチオンの種類および/または活物質の種類によっては、正極および/または負極に吸蔵されて放出されない場合があるため、このような他のカチオンを併用する場合には、カリウムイオンに対する比率を十分に少なくすることが望ましい。また、電解質のカチオンは、このような他のカチオンを含まないことも好ましい。
無機カチオンとしては、カリウムイオン以外のアルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンなど);アンモニウムカチオンなどが例示できる。カリウムイオン以外の無機カチオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶融塩電解質のカチオンが、ナトリウムイオンを含む場合、溶融塩電解質の融点を下げることができる。ただし、負極活物質がハードカーボンを含む場合には、その理由は定かではないが、充電時にハードカーボンにカリウムイオンおよびナトリウムイオンが吸蔵されても、放電時には、カリウムイオンの方が放出され易い。つまり、放電時にナトリウムイオンがハードカーボン中に残存して、不可逆容量となる場合がある。そのため、負極活物質がハードカーボンを含む場合には、カチオン中のナトリウムイオンの含有量は少ないことが好ましい。カチオン中に含まれるナトリウムイオンの含有量は、5mol%以下または2mol%以下であることが好ましく、特に、カチオンがナトリウムイオンを含まないことが好ましい。
黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を含む負極活物質を用いる場合、溶融塩電解質のカチオンは、カリウムイオンに加え、上記無機カチオンのうち、ナトリウムイオンを含むことが好ましい。溶融塩電解質のカチオンが、カリウムイオンおよびナトリウムイオンを含む場合であっても、不可逆容量の顕著な増加が見られないことから、炭素質材料を含む負極活物質を用いる場合には、ハードカーボンの場合のようなナトリウムイオンの不可逆的な吸蔵は生じていないと考えられる。
溶融塩電解質のカチオンが、カリウムイオンとナトリウムイオンなどの他の無機カチオン(カリウムイオン以外の無機カチオン)とを含む場合、カリウムイオンに対する他の無機カチオンのモル比:Mic/MKは、例えば、30/70〜70/30の範囲から適宜選択できる。カリウムイオンに対するナトリウムイオンのモル比:MNa/MKは、例えば、30/70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40、さらに好ましくは50/50〜60/40である。モル比Mic/MK、および/またはMNa/MKがこのような範囲である場合、溶融塩電解質の融点をより効果的に低下させることができる。
溶融塩電解質のカチオンは、有機オニウムカチオンを含んでもよい。有機オニウムカチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミン、および芳香族アミンのそれぞれに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有するカチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有オニウムカチオン;イオウ含有オニウムカチオン;リン含有オニウムカチオンなどが例示できる。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン(TEA+:ethyltrimethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
イオウ含有オニウムカチオンとしては、第3級スルホニウムカチオン、例えば、トリメチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキルスルホニウムカチオンなど)などが例示できる。
リン含有オニウムカチオンとしては、第4級ホスホニウムカチオン、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラC1-10アルキルホスホニウムカチオン);トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、ジエチルメチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、トリヘキシル(メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどのアルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキル(C1-5アルコキシC1-5アルキル)ホスホニウムカチオンなど)などが挙げられる。なお、アルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオンにおいて、リン原子に結合したアルキル基およびアルコキシアルキル基の合計個数は、4個であり、アルコキシアルキル基の個数は、好ましくは1または2個である。
なお、第4級アンモニウムカチオンの窒素原子、第3級スルホニウムカチオンのイオウ原子、または第4級ホスホニウムカチオンのリン原子に結合したアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2、または3であるのが特に好ましい。
有機オニウムカチオンの窒素含有ヘテロ環骨格としては、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジンなどの環の構成原子として1または2個の窒素原子を有する5〜8員ヘテロ環;モルホリンなどの環の構成原子として1または2個の窒素原子と他のヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子など)とを有する5〜8員ヘテロ環が例示できる。
なお、環の構成原子である窒素原子は、アルキル基などの有機基を置換基として有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭素数が1〜10個のアルキル基が例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2、または3であるのが特に好ましい。
窒素含有有機オニウムカチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾリンを有するものが好ましい。ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾリン骨格を有する有機オニウムカチオンは、イミダゾリン環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジエチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY+:1−methyl−1−propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1−butyl−1−methylpyrrolidinium cation)、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。これらのうちでは、特に電気化学的安定性が高いことから、MPPY+、MBPY+などの、メチル基と、炭素数2〜4のアルキル基とを有するピロリジニウムカチオンが好ましい。
ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−プロピルピリジニウムカチオンなどの1−アルキルピリジニウムカチオンが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基を有するピリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾリン骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1−ethyl−3−methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1−buthyl−3−methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
これらの有機カチオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。溶融塩電解質のカチオンは、カリウムイオンと、有機カチオンとを含んでもよく、カリウムイオン、カリウムイオン以外の無機カチオンおよび有機カチオンを含んでもよい。不可逆容量の増加を抑制しながら、溶融塩電解質の融点を低下させる観点からは、少なくともカリウムイオンおよび有機カチオンを含むことが好ましい。
カリウムイオンに対する有機カチオンのモル比:Moc/MKは、例えば、80/20〜97/3、好ましくは85/15〜95/5である。
カチオンが、少なくともカリウムイオンおよび有機カチオンを含むことで、溶融塩電解質の融点を低下させることができ、比較的低い温度(例えば、100℃以下、好ましくは90℃以下の温度)で電池を作動させることができる。
溶融塩電解質のアニオンは、ビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。溶融塩電解質がビススルホニルアミドアニオンを含むことにより、溶融塩電解質の粘度を低下させることができ、高いイオン伝導性を確保し易くなる。ビススルホニルアミドアニオンとしては、例えば、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン[FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion)]、(フルオロスルホニル)(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン((FSO2)(CF3SO2)N-)、(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン((FSO2)(SO225)N-)など]、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン(N(SO2252 -)など]などが挙げられる。なお、電解質の粘度および/または融点を低下させやすい観点から、パーフルオロアルキル基を有するビススルホニルアミドアニオンにおいて、パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば、1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜4、特に1、2、または3である。
これらのアニオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
上記のビススルホニルアミドアニオンのうち、FSA-;TFSA-、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオンなどが好ましい。
溶融塩電解質は、例えば、カリウムイオンとFSA-との塩(KFSA)、および/またはカリウムイオンとTFSA-との塩(KTFSA)を含むことが好ましく、KFSAおよび/またはKTFSAと、有機オニウム塩[例えば、EMI+とFSA-との塩(EMIFSA)、MPPY+とFSA-との塩(MPPYFSA)など]とを含んでもよい。これらの溶融塩電解質は、さらにナトリウムイオンとFSA-との塩(NaFSA)、および/またはナトリウムイオンとTFSA-との塩(KTFSA)との塩を含んでもよい。このように、溶融塩電解質は、カチオンとアニオンとの塩を、一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。
カリウム溶融塩電池において使用される電解質は、必要に応じて、公知の添加剤を含むことができるが、電解質の大部分が上記溶融塩(上記カチオンおよび上記アニオンを含むイオン液体)であることが好ましい。電解質中の溶融塩の含有量は、例えば、80質量%以上(例えば、80〜100質量%)、好ましくは90質量%以上(例えば、90〜100質量%)である。溶融塩の含有量がこのような範囲である場合、電解質の耐熱性および/または難燃性を高めやすい。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを物理的に隔絶して、内部短絡を防止する役割を果たす。セパレータは、多孔質材料からなり、その空隙には電解質が含浸され、電池反応を確保するために、イオン透過性(特に、少なくともカリウムイオン透過性)を有する。
セパレータとしては、例えば、樹脂製の微多孔膜の他、不織布などが使用できる。セパレータは、微多孔膜の層または不織布の層だけで形成してもよく、組成および/または形態の異なる複数の層の積層体で形成してもよい。積層体としては、組成の異なる複数の樹脂多孔層を有する積層体、微多孔膜の層と不織布の層とを有する積層体などが例示できる。
セパレータの材質は、電池の使用温度、電解質の組成などを考慮して選択できる。微多孔膜および不織布を形成する繊維に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドケトンなどのポリフェニレンサルファイド樹脂;芳香族ポリアミド樹脂(アラミド樹脂など)などのポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂などが例示できる。これらの樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、不織布を形成する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維であってもよい。セパレータは、ガラス繊維、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂よりなる群から選択される少なくとも一種で形成するのが好ましい。
セパレータは、無機フィラーを含んでもよい。無機フィラーとしては、セラミックス(シリカ、アルミナ、ゼオライト、チタニアなど)、タルク、マイカ、および/またはウォラストナイトなどが例示できる。無機フィラーは、粒子状または繊維状が好ましい。強度、柔軟性およびイオン伝導性などのバランスの観点からは、セパレータ中の無機フィラーの含有量は、例えば、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。
セパレータの厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜300μm程度の範囲から選択できる。セパレータが微多孔膜である場合、セパレータの厚さは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。また、セパレータが不織布であるか、または不織布の層を含む場合、セパレータの厚みは、好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは100〜250μmである。セパレータの厚みがこのような範囲である場合、高いイオン伝導性を確保しながらも、内部短絡を抑制し易い。
(電極群)
溶融塩電池は、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータと、電解質とを、電池ケースに収容した状態で用いられる。正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させることにより、もしくはこれらをさらに積層または捲回することにより電極群を形成し、この電極群を電池ケース内に収容してもよい。このとき、金属製の電池ケースを用いるとともに、正極および負極の一方を電池ケースと導通させることにより、電池ケースの一部を第1外部端子として利用することができる。一方、正極および負極の他方は、電池ケースと絶縁された状態で電池ケース外に導出された第2外部端子と、リード片などを用いて接続される。
図1は、カリウム溶融塩電池を概略的に示す縦断面図である。
カリウム溶融塩電池は、積層型の電極群、電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体12と、この容器本体12の上部開口を塞ぐ蓋体13とで構成されている。
カリウム溶融塩電池を組み立てる際には、まず、正極2と負極3とをこれらの間にセパレータ1を介在させた状態で積層することにより電極群が構成され、構成された電極群が電池ケース10の容器本体12に挿入される。その後、容器本体12に溶融塩を注液し、電極群を構成するセパレータ1、正極2および負極3の空隙に電解質を含浸させる工程が行われる。あるいは、溶融塩に電極群を含浸し、その後、溶融塩を含んだ状態の電極群を容器本体12に収容してもよい。
蓋体13の中央には、電子ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、電池ケース10と導通した状態で蓋体13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と絶縁された状態で蓋体13を貫通する外部負極端子が設けられる。
積層型の電極群は、いずれも矩形のシート状である、複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図1では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2aを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部正極端子14に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3aを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3aを束ねるとともに、電池ケース10の蓋体13に設けられた外部負極端子に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2aの束と負極リード片3aの束は、互いの接触を避けるように、電極群の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子14および外部負極端子は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋体13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋体13の内面に、ワッシャ9を介して固定される。
[付記]
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含み、
前記正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含み、
前記負極活物質は、ハードカーボンおよび黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記溶融塩電解質は、アニオンおよびカチオンを含み、
前記カチオンは、カリウムイオンを含むカリウム溶融塩電池。
このようなカリウム溶融塩電池では、上記の正極活物質および負極活物質と、カリウムイオン伝導性の溶融塩電解質とを組み合わせることで、カリウム溶融塩電池を繰り返し安定に充放電することができる。
(付記2)
好ましい態様では、前記付記1のカリウム溶融塩電池において、
前記金属錯体は、金属イオンと前記金属イオンに配位した配位子とを含み、前記金属イオンは、3価の第1金属イオンと、2価の第2金属イオンとを含み、前記金属錯体は、前記第1金属イオンと、前記第2金属イオンとが、前記配位子を介して交互に架橋した面心立方格子構造を有し、
前記金属錯体は、下記式(1):
x1[M2(CN)6-yyz (1)
(式中、M1は前記第1金属イオンであり、M2は前記第2金属イオンであり、LはCN-以外の1価の多原子アニオンであり、x、yおよびzは、それぞれ、0<x≦2、0≦y<6および0.5≦z≦1.5を充足する。)で表され、
前記第1金属イオンは、Mn3+、Fe3+、およびCo3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記第2金属イオンは、Fe2+、Ni2+、Cu2+、およびZn2+からなる群より選択される少なくとも1種である。
このような金属錯体を用いる場合、面心立方格子構造が形成され易いため、カリウムイオンの挿入および脱離をより効率よく行うことができる。
(付記3)
前記付記2のカリウム溶融塩電池において、前記第1金属イオンは、少なくともFe3+を含み、前記第2金属イオンは、少なくともFe2+を含むことが好ましい。金属錯体が、このような第1金属イオンおよび第2金属イオンを含む場合、面心立方格子構造がさらに形成され易いため、カリウムイオンの挿入および脱離をより効率よく行うことができる。
(付記4)
前記付記2または付記3のカリウム溶融塩電池において、xおよびyは、それぞれ、0<x≦2および0≦y≦2を充足し、LはOH-であることが好ましい。このような金属錯体を用いる場合、特に、面心立方格子構造が形成され易い。
(付記5)
前記付記1〜付記4のいずれか1つにおいて、前記負極活物質は、前記ハードカーボンを含み、前記カチオンは、ナトリウムイオンを含まず、さらに有機カチオンを含み、前記アニオンは、ビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。カチオンがナトリウムイオンを含まないことで、ナトリウムイオンが放電時にハードカーボン中に残存することを抑制できる。また、このようなカチオンおよびアニオンを含む溶融塩電解質を用いることで、溶融塩電解質の融点を低くすることができるとともに、溶融塩電解質の粘度を低下させて高いイオン伝導性を確保できる。
(付記6)
前記付記1〜付記4のいずれか1つにおいて、前記負極活物質は、前記黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を含み、前記カチオンは、さらに、ナトリウムイオンおよび有機カチオンからなる群より選択される少なくとも一種を含み、前記アニオンは、ビススルホニルアミドアニオンを含むことが好ましい。このようなカチオンおよびアニオンを含む溶融塩電解質を用いることで、溶融塩電解質の融点を低くすることができるとともに、溶融塩電解質の粘度を低下させて高いイオン伝導性を確保できる。溶融塩電解質がナトリウムイオンを含む場合でも、前記炭素質材料を含む負極活物質を用いることで、放電時に負極活物質中に残存して不可逆容量となることを抑制できる。
(付記7)
前記付記5または前記付記6において、ビススルホニルアミドアニオンは、FSA-およびTFSA-からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。このようなビススルホニルアミドアニオンを用いることで、溶融塩電解質の粘度を低下させることができ、高いイオン伝導性を確保し易い。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)負極の作製
ハードカーボン(クレハ製)100質量部およびポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量部を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極合剤ペーストを調製した。得られた負極合剤ペーストを、負極集電体としてのアルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ15μmの負極合剤層を有する総厚50μmの負極を9枚作製した。また、負極集電体の片面のみに負極活物質層を形成する以外は、上記と同様にして、2枚の負極を作製した。なお、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
(2)正極の作製
正極活物質としてのプルシアンブルー型金属錯体(KFe[Fe(CN)6])100質量部、アセチレンブラック(導電助剤)5質量部およびポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量部を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて、正極合剤ペーストを調製した。得られた正極合剤ペーストを、正極集電体としてのアルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ15μmの正極合剤層を有する総厚50μmの正極を10枚作製した。正極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。
(3)電極群の組み立て
正極と、負極との間に、セパレータを介在させて、正極リード片同士および負極リード片同士が重なり、かつ正極リード片の束と負極リード片の束とが左右対称な位置に配置されるように積層し、電極群を作製した。電極群の両方の端部には、片面のみに負極合剤層を有する負極を、その負極合剤層が正極と対向するように配置した。セパレータとしては、ガラス繊維不織布(サイズ35×35mm、厚さ200μm)を用いた。
(4)溶融塩電池の組み立て
上記(3)で得られた電極群と、電解質としてのKFSAとを、アルミニウム製の容器本体に収容し、容器本体の開口部を、アルミニウム製の蓋体(封口板)で密閉して、図1に示すカリウム溶融塩電池を完成させた。
カリウム溶融塩電池を、120℃になるまで加熱し、時間率0.2Cレートの電流値で3.8Vになるまで定電流充電し3.8Vで定電圧充電を行った。そして、時間率0.2Cレートの電流値で、2.5Vになるまで放電を行った。さらに上記の充放電サイクルを20回繰り返した。このように、得られたカリウム溶融塩電池は、可逆的に充放電を行うことができた。
実施例2
ハードカーボンに代えて、人造黒鉛粒子(負極活物質)を用いる以外は、実施例1と同様にして、負極を作製した。得られた負極を用い、電解質として、KFSAとNaFSAとを、45:55のモル比で混合したものを用いる以外は、実施例1と同様にして、カリウム溶融塩電池を作製した。カリウム溶融塩電池を、90℃になるまで加熱する以外は、実施例1と同様にして充放電を行った。実施例2のカリウム溶融塩電池についても、実施例1と同様に、可逆的に充放電を行うことができた。
本発明の一実施形態によれば、正極活物質および負極活物質のいずれにもカリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出できる材料を使用することで、安定して充放電を行うことができるカリウム溶融塩電池を提供できる。そのため、カリウム溶融塩電池は、例えば、家庭用または工業用の大型電力貯蔵装置、電気自動車またはハイブリッド自動車の電源などの用途に有用である。
1:セパレータ
2:正極
2a:正極リード片
3:負極
3a:負極リード片
7:ナット
8:鍔部
9:ワッシャ
10:電池ケース
12:容器本体
13:蓋体
14:外部正極端子
16:安全弁
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン(TEA+tetraethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
窒素含有有機オニウムカチオンのうち、特に、第4級アンモニウムカチオンの他、窒素含有ヘテロ環骨格として、ピロリジン、ピリジン、またはイミダゾールを有するものが好ましい。ピロリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機オニウムカチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾール骨格を有する有機オニウムカチオンは、イミダゾール環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
イミダゾール骨格を有する有機オニウムカチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+:1−ethyl−3−methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1−buthyl−3−methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
蓋体13の中央には、電ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。安全弁16を中央にして、蓋体13の一方側寄りには、電池ケース10と絶縁された状態で蓋体13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋体13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と導通した状態で蓋体13を貫通する外部負極端子が設けられる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)負極の作製
ハードカーボン(クレハ製)100質量部およびポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量部を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極合剤ペーストを調製した。得られた負極合剤ペーストを、負極集電体としてのアルミニウム箔(縦10cm×横10cm、厚さ20μm)の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ15μmの負極合剤層を有する総厚50μmの負極を9枚作製した。また、負極集電体の片面のみに負極合剤層を形成する以外は、上記と同様にして、2枚の負極を作製した。なお、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。

Claims (13)

  1. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、カリウムイオン伝導性を有する溶融塩電解質とを含み、
    前記正極活物質は、カリウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する金属錯体を含み、
    前記負極活物質は、ハードカーボンおよび黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
    前記溶融塩電解質は、アニオンおよびカチオンを含み、
    前記カチオンは、カリウムイオンを含むカリウム溶融塩電池。
  2. 前記溶融塩電解質は、前記アニオンおよび前記カチオンを含むイオン液体を、80質量%以上含む請求項1に記載のカリウム溶融塩電池。
  3. 前記アニオンはビススルホニルアミドアニオンを含む請求項1または請求項2に記載のカリウム溶融塩電池。
  4. 前記ハードカーボンは、X線回折スペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が0.37nm以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  5. 前記負極活物質は、前記ハードカーボンを含み、
    前記カチオンは、ナトリウムイオンを含まない請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  6. 前記黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料は、X線回折スペクトルで測定される(002)面の平均面間隔d002が0.337nm未満である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  7. 前記負極活物質は、前記黒鉛型結晶構造を有する炭素質材料を含み、
    前記カチオンは、さらにナトリウムイオンを含む請求項1〜請求項3および請求項6のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  8. 前記カリウムイオンに対する前記ナトリウムイオンのモル比:MNa/MKは、30/70〜70/30である請求項7に記載のカリウム溶融塩電池。
  9. 前記金属錯体は、金属イオンと前記金属イオンに配位した配位子とを含み、
    前記金属イオンは、3価の第1金属イオンと、2価の第2金属イオンとを含み、
    前記金属錯体は、前記第1金属イオンと、前記第2金属イオンとが、前記配位子を介して交互に架橋した面心立方格子構造を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  10. 前記金属錯体は、下記式(1):
    x1[M2(CN)6-yyz (1)
    (式中、M1は前記第1金属イオンであり、M2は前記第2金属イオンであり、LはCN-以外の1価の多原子アニオンであり、x、yおよびzは、それぞれ、0<x≦2、0≦y<6および0.5≦z≦1.5を充足する。)
    で表される請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  11. 前記第1金属イオンは、周期表第4周期の金属から選択される少なくとも1種の第1金属のイオンであり、
    前記第2金属イオンは、周期表第4周期の金属および第5周期の金属からなる群より選択される少なくとも1種の第2金属のイオンである請求項9または請求項10に記載のカリウム溶融塩電池。
  12. 前記第1金属イオンは、Cr3+、Mn3+、Fe3+、およびCo3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記第2金属イオンは、Cr2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、およびSn2+からなる群より選択される少なくとも1種である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
  13. 前記正極活物質および前記負極活物質の少なくともいずれか一方に、カリウムイオンがプレドープされている請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のカリウム溶融塩電池。
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