JP2016038946A - 溶融塩電池およびその製造方法 - Google Patents

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篤史 福永
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耕司 新田
将一郎 酒井
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将一郎 酒井
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瑛子 今▲崎▼
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Abstract

【課題】高電圧での充放電においても、優れたサイクル特性を示す溶融塩電池の提供。【解決手段】正極活物質および導電助剤を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質と、を含む溶融塩電池であって、前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上であり、前記正極が、前記導電助剤の周囲を覆う被膜を含み、前記被膜が、ホウ素原子を含む、溶融塩電池。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩電池およびその製造方法に関し、高電圧での充放電に適した溶融塩電池およびその製造方法に関する。
近年、電気エネルギーを蓄えることができる高エネルギー密度の電池として、非水電解質二次電池の需要が拡大している。非水電解質二次電池の中でも、LiPF6やLiBF4などのリチウム塩を溶解したエチレンカーボネートなどの有機溶媒を電解質として使用する、リチウムイオン二次電池の研究が盛んである。また、リチウムイオン二次電池の電解液の液安定性を向上させるために、電解液にホウ素化合物を添加することが提案されている(特許文献1参照)。一方、熱安定性に優れる難燃性の溶融塩電解質を用いた溶融塩電池が有望視されつつある。溶融塩電解質としては、例えば、有機カチオンとアニオンとの塩であるイオン液体が報告されている(特許文献2参照)。
特開平11−3728号公報 特開2011−192474号公報
イオン液体は、電気化学的にも安定であるとされており、電解質として有機溶媒を用いる電池よりも、高電圧での充放電が可能であると考えられている。しかし、例えば4.0V以上で充放電した場合に、イオン液体に含まれるアニオンが分解してしまう場合がある。
本発明の第一の局面は、正極活物質および導電助剤を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質と、を含む溶融塩電池であって、前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上であり、前記正極が、前記導電助剤の周囲を覆う被膜を含み、前記被膜が、ホウ素原子を含む、溶融塩電池に関する。
本発明の第二の局面は、(i)正極活物質および導電助剤を有する正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を含む電極群を準備する工程と、(ii)アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質およびホウ素化合物を、前記電極群に含浸させて発電要素を得る工程と、(iii)前記発電要素を所定の電圧まで充電し、ホウ素原子を含む被膜を前記導電助剤の周囲に形成する工程と、を含み、前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上である、溶融塩電池の製造方法に関する。
本発明の溶融塩電池は、高電圧での充放電においても、優れたサイクル特性を示す。
本発明の一実施形態に係る溶融塩電池を概略的に示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る充放電システムの概要を示す構成図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の第一の局面は、正極活物質および導電助剤を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質と、を含む溶融塩電池であって、前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上であり、前記正極が、前記導電助剤の周囲を覆う被膜を含み、前記被膜がホウ素原子を含む、溶融塩電池に関する。これにより、溶融塩電解質を構成するアニオンの分解が抑制され、高電圧での充放電におけるサイクル特性が向上する。
前記ホウ素原子が、前記導電助剤1gあたり、0.01ミリモル以上含まれていることが好ましい。アニオンの分解を抑制する効果が、より向上するためである。
前記正極活物質が、アルカリ金属元素、NiおよびMnを含む金属酸化物であることが好ましい。より高い電圧での充放電が可能となるためである。
前記導電助剤が、導電性炭素材料を含むことが好ましい。導電性がより向上するためである。
本発明の他の局面は、(i)正極活物質および導電助剤を有する正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を含む電極群を準備する工程と、(ii)アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質およびホウ素化合物を、前記電極群に含浸させて発電要素を得る工程と、(iii)前記発電要素を所定の電圧まで充電し、ホウ素原子を含む被膜を前記導電助剤の周囲に形成する工程と、を含み、前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上である、溶融塩電池の製造方法に関する。この方法により得られる溶融塩電池は、高電圧での充放電におけるサイクル特性が向上する。
前記ホウ素化合物が、ホウ酸、ホウ酸エステル、ボロキシン化合物およびホウ素含有アニオンとカチオンとの塩よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。アニオンの分解を抑制する効果が、より向上するためである。
[発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態を具体的に以下に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
近年、高容量の電池の開発が進んでいる。高容量の電池を実現するには、電池電圧を高めることが重要である。電池電圧を高めるためには、電解質の酸化分解を抑制する必要がある。そこで、電位窓の広いイオン液体を電解質成分として用いることが検討されている。現在、市販されている一般的なリチウムイオン二次電池の公称電圧は3.6〜3.7Vであり、イオン液体の分解はほとんど起こらない。また、イオン液体は、5.0V程度まで充電可能な電池内でも安定であると考えられている。
ところが、イオン液体を含む電解質を用いて電池を作製し、高電圧で充放電を行うと、イオン液体の分解が進行することがある。イオン液体の分解は、正極の電位がアルカリ金属電極基準で4.0Vを超えるまで充電され、かつ、正極が導電助剤を含む場合に特有の現象であると見られる。
高電圧下では、電極に含まれる黒鉛などの導電助剤と、イオン液体のアニオンとが反応し、アニオンが分解されているようである。導電助剤は、触媒的にも作用しており、アニオンの分解を促進していることも推察される。この考察に基づき検討を行った結果、導電助剤の周囲をホウ素原子を含有する被膜で覆うことにより、イオン液体に含まれるアニオンの分解を抑制できることが見出された。
[正極]
正極は、正極集電体および正極集電体に保持された正極活物質層を有する。正極活物質層は、正極活物質および導電助剤を必須成分として含み、任意成分として、結着剤等を含む正極合剤により形成される。導電助剤の周囲は、ホウ素原子を含む被膜(以下、ホウ素含有被膜と称する)で覆われている。
正極合剤には、通常、正極活物質とともに導電助剤が配合される。正極活物質として使用されるアルカリ金属含有金属酸化物などは、一般的に導電性が乏しいためである。導電助剤により、正極の内部抵抗が低減し、電荷のキャリアであるアルカリ金属イオンがスムーズに移動できる。そのため、ある程度大きな容量を得るためには、導電助剤(主に、導電性炭素材料)が不可欠である。一方、導電助剤は、前記の通り、溶融塩電解質であるイオン液体を構成するアニオン(例えば、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオン)と反応し、アニオンを分解する。
導電助剤としては、導電性炭素材料などが挙げられる。導電性炭素材料としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。なかでも、少量で十分な導電経路を形成しやすいことから、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。導電助剤の量は、正極活物質100質量部あたり、2〜15質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。導電助剤の周囲をホウ素含有被膜で覆うことにより、通常、配合されているのと同程度の量の導電助剤を配合した場合であっても、アニオンの分解が抑制される。なお、導電助剤の粒子の平均粒径(一次粒子径であって、体積粒度分布の累積体積50%における粒径D50、以下同じ。)は、100nm〜15μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
ホウ素含有被膜は、導電助剤の表面を直接、覆っていてもよいし、正極の表面全体を覆うことで、間接的に導電助剤を覆っていてもよい。本実施形態においては、いずれの態様も含めて、導電助剤の周囲を覆う、と表現する。ホウ素含有被膜に含まれるホウ素が、導電助剤に近づくアニオンを効率的に捕捉することにより、導電助剤とアニオンとの反応が抑制され、アニオンの分解が抑制される。その結果、サイクル特性の低下を抑制することができる。
導電助剤の表面を、直接的にホウ素含有被膜で覆う方法としては、導電助剤の粒子の表面に、例えば、CVD、スパッタリング、真空蒸着、レーザー蒸着などの気相法、スプレーコーティング法、メカノフュージョン法、ゾルゲル法または溶射法などの薄膜形成法により、ホウ素および/またはホウ素化合物を付着させ、ホウ素含有被膜を形成する方法が挙げられる。ホウ素含有被膜で覆われた導電助剤は、次いで、正極活物質などと混合されて、正極合剤が調製され、正極が作製される。
また、例えば、溶融塩電解質にホウ素化合物を添加したり、導電助剤とともにホウ素化合物を添加した正極合剤を用いて発電要素を作製した後、この発電要素をホウ素化合物の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)以上の電圧にまで充電することにより、導電助剤の表面を直接的に(さらには間接的に)被覆するホウ素含有被膜を形成することもできる。発電要素の充電とともに、導電助剤と、溶融塩電解質または正極合剤に含まれるホウ素化合物とが反応して、導電助剤の表面(さらには、正極の表面)にホウ素含有被膜が形成されるためである。ここで、発電要素とは、正極、負極およびセパレータを含む電極群に、溶融塩電解質とホウ素化合物とを含浸して得られる、溶融塩電池の前駆体を指す。
ホウ素含有被膜がホウ素を含むことは、例えば、X線光電子分光法(XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)またはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも言われる)を用いて、被膜表面におけるホウ素と他元素(例えば、炭素、酸素)との結合エネルギーを測定することにより、確認することができる。
ホウ素含有被膜が導電助剤の表面に直接的に形成されていることは、例えば、X線光電子分光法によって、確認することができる。また、イオンエッチングを併用したオージェ電子分光分析により、導電助剤の深さ方向の元素分布状態(デプスプロファイル)を評価することによっても、確認することができる。また、ホウ素含有被膜の厚みも、X線光電子分光法により測定することができる。ホウ素含有被膜の厚みは、任意の複数箇所(例えば、10箇所)のホウ素含有被膜の厚みを測定し、平均化することにより、ホウ素含有被膜の平均厚みとして算出することができる。
導電助剤を間接的にホウ素含有被膜で覆う(正極の表面をホウ素含有被膜で覆う)方法としては、導電助剤を含む正極合剤を用いて正極を形成した後、上記したような薄膜形成法により、正極の表面にホウ素および/またはホウ素化合物を付着させ、正極の表面全体にホウ素含有被膜を形成する方法が挙げられる。なお、表面にホウ素含有被膜が形成された正極を含む溶融塩電池を使用することにより、導電助剤の表面に、直接的にホウ素含有被膜が形成されることもあり得る。
ホウ素含有被膜が正極の表面全体に形成されていることは、正極の断面を電子顕微鏡等で観察することにより、確認することができる。ホウ素含有被膜の厚みも同様に、電子顕微鏡にて任意の複数箇所(例えば、10箇所)の被膜の厚みを測定し、平均化することにより、ホウ素含有被膜の平均厚みとして算出することができる。
ホウ素原子は、導電助剤1gあたり、0.01ミリモル以上含まれていることが好ましく、0.05ミリモル以上含まれていることがより好ましく、0.1ミリモル以上含まれていることがさらに好ましい。ホウ素含有被膜に含まれるホウ素原子の量は、X線光電子分光法で得られるピーク比から算出することができる。ホウ素原子の量がこの範囲であると、アニオンの分解を抑制する効果が、より向上する。また、十分な導電性を確保する観点から、ホウ素原子の含有量の上限は、導電助剤1gあたり、5ミリモルが好ましく、3ミリモルがより好ましく、1.5ミリモルがさらに好ましく、0.5ミリモルが特に好ましい。
ホウ素含有被膜の平均厚みは、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。また、ホウ素含有被膜の平均厚みは、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、60nm以下であることが特に好ましい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。ホウ素含有被膜の平均厚みがこのような範囲である場合、正極の抵抗が増加するのを抑制しながら、導電助剤の表面でのアニオンの分解をより効果的に抑制できる。
ホウ素化合物としては、イオン液体に溶解し、ホウ素原子を含む化合物であれば特に限定されない。例えば、ホウ酸(B(OH)3)、ホウ酸エステル、ボロキシン化合物、ホウ素含有アニオンとカチオンとの塩などが挙げられる。アニオンの分解を抑制する効果が、より向上するためである。これらは、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ホウ酸エステルとしては、例えば、一般式:B(OR13(式中、R1はそれぞれ独立に、C〜Cのアルキル基またはC〜C11のアリール基であり、前記アルキル基およびアリール基は、それぞれ置換基を有していてもよく、前記置換基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン基(F、Cl、Brなど)、シアノ基、アルコキシ基などが例示できる)で表わされる有機ホウ素化合物などが挙げられる。具体的には、トリイソプロピルホウ酸エステル、トリフルオロエチルホウ酸エステルおよびトリシアノエチルホウ酸エステルなどが例示できる。
ボロキシン化合物としては、下記一般式(1)で表わされる有機ホウ素化合物などが挙げられる。具体的にはトリイソプロポキシボロキシンなどが例示できる。
Figure 2016038946
(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、H、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基またはC〜C11のアリール基であり、前記アルキル基、アルコキシ基およびアリール基は、それぞれ置換基を有していてもよく、前記置換基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン基(F、Cl、Brなど)、アルコキシ基などが例示できる。)
ホウ素含有アニオンとカチオンとの塩としては、ホウ素含有アニオンとアルカリ金属イオンとの塩が例示できる。アルカリ金属元素として、具体的には、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどが例示できる。ホウ素含有アニオンとして、具体的には、BF4 -、BO3 3-、HBO3 2-、ジフルオロオキサラトボレートアニオンおよび下記式(2)で表わされるビスオキサラトボレートアニオン、などが例示できる。
Figure 2016038946
高電圧での充放電におけるアニオンの分解を抑制するには、ホウ素含有被膜が、高電圧に対して耐性を有していることが望ましい。また、溶融塩電池は、熱安定性に優れる溶融塩電解質を用いているため、高温での使用も想定される。さらに、溶融塩電解質は、アニオンとカチオンとで構成されるイオン液体を80質量%以上含んでいるため、ホウ素含有被膜は、これらのイオン種に対して安定であることが望ましい。これらの点から、ホウ素化合物としては、特に、ナトリウムビス(オキサラト)ボレートなどのアルカリ金属イオンとホウ素含有オキサラト錯体アニオンとの塩や、トリイソプロポキシボロキシンなどのボロキシン化合物が好ましい。
正極活物質としては、電気化学的にアルカリ金属イオンを吸蔵および放出する材料であって、酸化還元電位が、アルカリ金属電極基準で4.0V以上であれば、特に限定されない。正極活物質の酸化還元電位は、アルカリ金属の酸化還元電位よりも4.1V以上大きいことが好ましく、4.2V以上大きいことがより好ましい。ここで、酸化還元電位とは、充放電反応における電極電位である。正極活物質の酸化還元電位がアルカリ金属の酸化還元電位よりも4.0V以上大きいとは、正極の充放電カーブにおけるプラトー領域での電位が、アルカリ金属電極基準で平均的に4.0V以上であることをいう。このように高電位の正極活物質を用いて、高電圧の充放電を行う場合であっても、本実施形態によれば、優れたサイクル特性を示す。
正極活物質としては、例えば、アルカリ金属イオンと層間化合物を形成するO3型またはP2型層状構造を有する化合物や、ポリアニオン型の化合物が挙げられる。なかでも、アルカリ金属元素、NiおよびMnを含むアルカリ金属含有金属酸化物などが好ましく例示できる。
上記アルカリ金属含有金属酸化物は、一般式:AabNicMnd2(Aは、アルカリ金属元素、0.1≦a≦1、b+c+d=1、MはAlまたは遷移金属元素であって、例えばCo、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種である)で表わすことができる。アルカリ金属元素として、具体的には、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどが例示できる。なかでも、ナトリウムであることが、充放電特性に優れた溶融塩電池を安価で得ることができる点で、好ましい。また、Mは、Tiであることが好ましい。ナトリウム含有金属酸化物としては、具体的に、NaTi1/3Ni1/3Mn1/32、Na2/3Ti1/6Ni1/3Mn1/22などが挙げられる。これらの酸化還元電位(vs.Na/Na+)は、4.3〜4.4V程度である。
上記アルカリ金属含有金属酸化物は、A(アルカリ金属元素)、NiおよびMnを必須元素として含むが、Aのサイトの一部をA以外の他元素が占有してもよい。Aのサイトを占有し得る他元素としては、例えばFe、Mn、Ti、Ni、Co、Crなどの遷移金属元素、Alなどの典型元素、A以外のアルカリ金属元素などが挙げられる。ただし、安定な充放電を行う観点からは、Aのサイトを占める他元素の割合は、Aと他元素との合計に対して0.1原子%以下であることが好ましい。
同様に、遷移金属サイトの一部をNiおよびMn以外の他元素が占有してもよい。遷移金属サイトを占有し得る他元素としては、例えばNa、K、Liなどのアルカリ金属、Alなどの典型元素、Ti、Co、Crなどの遷移金属元素などが挙げられる。ただし、安定な結晶構造を維持する観点からは、遷移金属サイトを占める他元素の割合は、NiおよびMnと他元素との合計に対して0.1原子%以下であることが好ましい。
正極活物質の粒子の平均粒径(体積粒度分布の累積体積50%における粒径D50、以下同じ。)は、2μm以上、20μm以下であることが好ましい。
結着剤は、正極活物質同士を結合させるとともに、正極活物質を正極集電体に固定する役割を果たす。結着剤としては、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を用いることができる。結着剤の量は、正極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
正極集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。正極集電体を構成する金属としては、正極電位で安定であることから、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましいが、特に限定されない。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウム以外の金属成分(例えばFe、Si、Ni、Mnなど)は0.5質量%以下であることが好ましい。正極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜600μmである。なお、市販されているアルミニウム製の多孔体としては、住友電気工業株式会社製の「アルミセルメット」(登録商標)を用いることができる。
正極は、正極集電体に正極合剤を塗布または充填し、乾燥し、必要に応じて、厚み方向に圧縮(または圧延)することにより形成できる。正極合剤は、通常、分散媒を含むスラリー(またはペースト)の形態で使用される。分散媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒および/または水などが用いられる。
[溶融塩電解質]
溶融塩電解質は、イオン液体を80質量%以上含む。イオン液体は、溶融状態の塩(溶融塩)と同義であり、アニオンとカチオンとで構成される液状イオン性物質である。イオン液体は、少なくともアルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、当該アルカリ金属イオンが、充放電反応に関与する電荷のキャリアとなる。イオン液体が溶融塩電解質の80質量%以上であっても、本実施形態によれば、アニオン(第一アニオンおよび後述する第二アニオンなど)の分解が抑制される。イオン液体は、溶融塩電解質の90質量%以上を占めることが好ましい。
アルカリ金属イオン濃度は、溶融塩電解質に含まれるカチオン(例えば、アルカリ金属イオンと、後述する第二カチオンとの合計に対して)の20〜50モル%を占めることが好ましい。アルカリ金属イオン濃度がこの範囲であれば、活物質の利用率がより向上する。上記アルカリ金属イオン濃度は、25〜45モル%であることが好ましい。
溶融塩電解質は、イオン液体以外に、有機溶媒を20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下の割合で含んでもよい。有機溶媒としては、カーボネート化合物が好ましい。カーボネート化合物としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジエチルカーボネートやジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、フルオロエチレンカーボネートのようなフッ素含有カーボネート化合物が挙げられる。
第一塩は、アルカリ金属イオンと、第一アニオンとの塩である。アルカリ金属イオンとしては、具体的には、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオンおよびセシウムイオンなどが例示できる。なかでも、ナトリウムイオンであることが、充放電特性に優れた溶融塩電池を安価で得ることができる点で、好ましい。
第一アニオンは、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含む。耐熱性やイオン伝導性に優れるためである。一方、前記の通り、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンは、正極に含まれる導電助剤(特には、導電性炭素材料)により分解され易い。
フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンは、一般式[(R1SO2)(R2SO2)]N-(R1およびR2は、それぞれ独立に、FまたはCn2n+1であり、1≦n≦5である)で表わすことができる。具体的には、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion));ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン(PFSA-:bis(perfluoroalkylsulfonyl)amide anion)などが好ましく例示できる。
第一塩は、充放電反応に関与する電荷のキャリアであるアルカリ金属イオンと、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオン以外のアニオンとの塩を含んでいてもよい。つまり、第一塩は、単独の塩であってもよいし、複数種の塩の組み合わせであってもよい。
フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオン以外のアニオンとしては、例えば、フッ素含有酸のアニオン[ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)などのフッ素含有リン酸のアニオンなど]、塩素含有酸のアニオン[過塩素酸イオン(ClO4 -)など]、オキサレート基を有する酸素酸のアニオン[トリス(オキサラト)ホスフェートイオン(P(C243 -)などのオキサラトホスフェートイオンなど]、フルオロアルカンスルホン酸のアニオン[トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)など]などが挙げられる。
また、イオン液体は、第一塩以外の塩として、第一塩を形成するカチオン以外のカチオン(第二カチオン)と、アニオン(第二アニオン)との塩(第二塩)を含んでいてもよい。第二アニオンとしては、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンであってもよいし、他のアニオンであってもよい。第二塩は、単独の塩であってもよいし、複数種の塩の組み合わせであってもよい。
フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンは、溶融塩電解質に含まれるアニオン(例えば、第一アニオンと第二アニオンとの合計に対して)の80モル%以上を占めることが好ましく、90モル%以上を占めることがより好ましい。フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンが溶融塩電解質に含まれるアニオンの80モル%以上を占める場合であっても、本実施形態によれば、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンの分解が抑制される。
第二カチオンとしては、有機カチオンや、第一塩を形成するカチオン以外のアルカリ金属イオンが挙げられる。有機カチオンとしては、窒素含有カチオン;イオウ含有カチオン;リン含有カチオンなどが例示できる。窒素含有カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンや芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有する有機カチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などが例示できる。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン(ethyltrimethylammonium cation)、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン(TEA+:tetraethylammonium cation)、トリエチルメチルアンモニウムカチオン(TEMA+:triethylmethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
イオウ含有カチオンとしては、第3級スルホニウムカチオン、例えば、トリメチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキルスルホニウムカチオンなど)などが例示できる。
リン含有カチオンとしては、第4級ホスホニウムカチオン、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラC1-10アルキルホスホニウムカチオン);トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、ジエチルメチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、トリヘキシル(メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどのアルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキル(C1-5アルコキシC1-5アルキル)ホスホニウムカチオンなど)などが挙げられる。なお、アルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオンにおいて、リン原子に結合したアルキル基およびアルコキシアルキル基の合計個数は、4個であり、アルコキシアルキル基の個数は、好ましくは1または2個である。
なお、第4級アンモニウムカチオンの窒素原子、第3級スルホニウムカチオンのイオウ原子、または第4級ホスホニウムカチオンのリン原子に結合したアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2または3であるのが特に好ましい。
ここで、有機カチオンは、窒素含有へテロ環を有する有機カチオンであることが好ましい。窒素含有へテロ環を有する有機カチオンを具備するイオン液体は、耐熱性が高く、かつ粘度が低いため、溶融塩電解質として有望である。有機カチオンの窒素含有ヘテロ環骨格としては、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジンなど、環の構成原子として1または2個の窒素原子を有する5〜8員ヘテロ環;モルホリンなど、環の構成原子として1または2個の窒素原子と他のヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子など)とを有する5〜8員ヘテロ環が例示できる。
なお、環の構成原子である窒素原子は、アルキル基などの有機基を置換基として有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭素数が1〜10個のアルキル基が例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2または3であるのが特に好ましい。
窒素含有へテロ環を有する有機カチオンの中でも、ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、特に耐熱性が高く、製造コストも小さく、溶融塩電解質として有望である。ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機カチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾール骨格を有する有機カチオンは、イミダゾール環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジエチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(P13+:1-methyl-1-propylpyrrolidinium cation)、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1-methyl-1-butylpyrrolidinium cation)、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。これらのうちでは、特に電気化学的安定性が高いことから、P13+、MBPY+などの、メチル基と、炭素数2〜4のアルキル基とを有するピロリジニウムカチオンが好ましい。
ピリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−プロピルピリジニウムカチオンなどの1−アルキルピリジニウムカチオンが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基を有するピリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾール骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1-ethyl-3-methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1-buthyl-3-methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
[負極]
負極は、負極集電体および負極集電体に保持された負極活物質層を含む。負極活物質層は、負極活物質を必須成分として含み、任意成分として導電助剤、結着剤などを含んでもよい。以下、ナトリウムイオンを電荷のキャリアとする溶融塩電池に用いられる負極について例示するが、これに限定されるものではない。
負極活物質層には、負極活物質としてナトリウムと合金化する金属や、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料を使用することができる。
ナトリウムと合金化する金属としては、例えば、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ケイ素、ケイ素合金などを挙げることができる。これらの材料を用いる場合、負極活物質層は、例えば、金属のシートを負極集電体に貼り付けたり、圧着したりすることにより得ることができる。また、真空蒸着法、スパッタリング法などの気相法により、金属をガス化させて負極集電体に付着させてもよく、あるいは、めっき法などの電気化学的方法により、金属の微粒子を負極集電体に付着させてもよい。気相法やめっき法によれば、薄く均一な負極活物質層を形成することができる。
また、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料としては、熱的安定性や電気化学的安定性の観点から、ナトリウム含有チタン化合物、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)などが好ましく用いられる。ナトリウム含有チタン化合物としては、チタン酸ナトリウムが好ましく、より具体的には、Na2Ti37およびNa4Ti512などが挙げられる。また、チタン酸ナトリウムのTiまたはNaの一部を他元素(例えば、Ni、Co、Mn、Fe、Al、Crなど)で置換してもよい。ナトリウム含有チタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ナトリウム含有チタン化合物は、難黒鉛化性炭素と組み合わせて用いてもよい。
難黒鉛化性炭素とは、不活性雰囲気中で加熱しても黒鉛構造が発達しない炭素材料であり、微小な黒鉛の結晶がランダムな方向に配置され、結晶層と結晶層との間にナノオーダーの空隙を有する材料をいう。代表的なアルカリ金属であるナトリウムイオンの直径は、0.95オングストロームであることから、空隙の大きさは、これより十分に大きいことが好ましい。難黒鉛化性炭素の平均粒径は、例えば3〜20μmであればよく、5〜15μmであることが、負極における負極活物質の充填性を高め、かつ電解質(イオン液体)との副反応を抑制する観点から望ましい。また、難黒鉛化性炭素の比表面積は、ナトリウムイオンの受け入れ性を確保するとともに、電解質との副反応を抑制する観点から、例えば1〜10m2/gであればよく、3〜8m2/gであることが好ましい。難黒鉛化性炭素は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
負極に用いる導電助剤および結着剤としては、正極の構成要素として例示した材料を用いることができる。結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。導電助剤の量は、負極活物質100質量部あたり、5〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
負極集電体としては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。前記金属としては、ナトリウムと合金化しない金属を使用することができる。なかでも負極電位で安定であることから、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金などが好ましい。これらのうち、軽量性に優れる点では、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金は、例えば、正極集電体として例示したものと同様のアルミニウム合金を用いてもよい。負極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜600μmである。なお、市販されている金属多孔体としては、住友電気工業株式会社製の銅またはアルミニウムの「セルメット」(登録商標)を用いることができる。
[セパレータ]
セパレータとしては、例えば、樹脂製の微多孔膜および/または不織布などが使用できる。セパレータの材質は、電池の使用温度等を考慮して選択できる。微多孔膜または不織布を形成する繊維に含まれる樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂(芳香族ポリアミド樹脂など)、および/またはポリイミド樹脂などが例示できる。不織布を形成する繊維は、ガラス繊維などの無機繊維であってもよい。セパレータは、セラミックス粒子などの無機フィラーを含んでもよい。
セパレータの厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜300μm程度の範囲から選択できる。
[溶融塩電池]
溶融塩電池は、上記の正極と負極とを含む電極群と、溶融塩電解質と、これらを収容する電池ケースとを具備する。電極群は、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層または捲回することにより形成される。
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る溶融塩電池の構造について説明する。ただし、本発明に係る溶融塩電池の構造は、以下の構造に限定されるものではない。
溶融塩電池100は、セパレータ1、正極2および負極3を含む積層型の電極群、溶融塩電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体11と、上部開口を塞ぐ蓋部12とで構成されている。
溶融塩電池100を組み立てる際には、まず、電極群が構成され、電池ケース10の容器本体11に挿入される。その後、容器本体11に溶融塩電解質を注液し、電極群を構成するセパレータ1、正極2および負極3の空隙に溶融塩電解質を含浸させる。あるいは、溶融塩電解質に電極群を含浸させ、その後、溶融塩電解質を含んだ状態の電極群を容器本体11に収容してもよい。
蓋部12の一方側寄りには、蓋部12を貫通する外部正極端子(図示せず)が設けられ、蓋部12の他方側寄りの位置には、蓋部12を貫通する外部負極端子15が設けられている。各端子は、ケースと絶縁することが好ましい。蓋部12の中央には、電池ケース10の内圧が上昇したときに、内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。
積層型の電極群は、いずれも矩形のシート状である複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図1では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2cを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2cを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部12に設けられた外部正極端子に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3cを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3cを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部12に設けられた外部負極端子15に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2cの束と負極リード片3cの束は、互いの接触を避けるように、電極群の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子および外部負極端子15は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット13が嵌められ、ナット13を回転することにより蓋部12に対してナット13が固定される。各端子の電池ケース内部に収容される部分には、鍔部14が設けられており、ナット13の回転により、鍔部14が、蓋部12の内面に、ワッシャ17を介して固定される。
[溶融塩電池の製造方法]
本実施形態においては、正極に含まれる導電助剤の周囲に、ホウ素原子を含む被膜を形成することを特徴とする。導電助剤の周囲に、ホウ素原子を含む被膜を形成する方法は、上記した方法などが挙げられる。なかでも、簡便である点で、溶融塩電解質にホウ素化合物を添加し、発電要素を所定の電圧まで充電する方法により、導電助剤の周囲にホウ素原子を含む被膜を形成する方法が好ましい。この方法によれば、導電助剤の表面を直接的に被覆するホウ素含有被膜が形成される。さらには、正極の表面を被覆し、間接的に導電助剤を被覆するホウ素含有被膜が形成される場合もあり得る。
ホウ素化合物の添加量は、溶融塩電解質とホウ素化合物との合計質量に対して、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましく、0.02〜5質量%であることがさらに好ましく、0.1〜1質量%であることが特に好ましい。ホウ素化合物の添加量がこの範囲であると、正極の抵抗が増加するのを抑制しながら、導電助剤の表面でのアニオンの分解をより効果的に抑制できる程度のホウ素含有被膜を、導電助剤の表面に容易に形成することができる。
ホウ素含有被膜を形成させるために行う充電(以下、被膜形成用充電と称す)の電圧は、ホウ素含有被膜が形成される電圧であれば、特に限定されず、適宜、設定することができる。ホウ素含有被膜が形成される電圧とは、添加されたホウ素化合物の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準で3〜4V程度)以上の電圧(例えば、4V以上)である。
例えば、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)と同じ電圧まで充電してもよく、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)より高い電圧まで充電してもよい。なかでも、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)より高い電圧まで充電することが、ホウ素含有被膜が形成され易い点で好ましい。例えば、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)が4.3〜4.4V程度である場合、被膜形成用充電は、4.3〜4.6V程度まで行うことが好ましい。
また、被膜形成用充電は、定格電圧以上の電圧でよい場合もある。定格電圧は、通常、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)よりも低く設定される。すなわち、被膜形成用充電は、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)と同じかそれ以下の電圧まで行っても良い。
なかでも、被膜形成用充電は、正極活物質の酸化還元電位(アルカリ金属電極基準)がV1(V)である場合、V1±0.1(V)まで行うことが好ましい。正極活物質の酸化還元電位V1とは、充放電反応におけるアルカリ金属電極基準での電極電位であって、正極の充放電カーブにおけるプラトー領域での平均的な電極電位(アルカリ金属電極基準)をいう。また、被膜形成用充電は、組立直後に行われる予備充放電と兼ねて行ってもよい。
[充放電システム]
発電要素(溶融塩電池を含む)の充電(被膜形成用充電を含む)および放電は、例えば、図2に示されるような充放電システムにより行うことができる。充放電システムは、発電要素(溶融塩電池)100と、発電要素(溶融塩電池)100の充電電流Iinを制御する充電制御装置(充電回路)101および発電要素100(溶融塩電池)の放電電流Ioutを制御する放電制御装置(放電回路)102を備える制御部103と、を具備する。被膜形成用充電が行われた発電要素(すなわち溶融塩電池)100は、外部負荷105の電源として使用される。
充電制御装置(充電回路)101は、発電要素(溶融塩電池)100の充電終止電圧Vが、所定の電圧、例えば、正極活物質の酸化還元電位V1(アルカリ金属電極基準)±0.1になるように、電源104から供給される充電電流を制御する。充電終止電圧Vは、例えば、3.8V以上であることが好ましく、4.2V以上であることがより好ましく、4.3V以上であることがさらに好ましい。被膜形成用充電を兼ねた予備充放電が行われる場合にも、この充放電システムをそのまま使用することができる。
[実施例]
次に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
≪実施例1≫
以下のようにして作製した作用極を用いて、コイン型のハーフセルを作製し、評価を行った。なお、対向極としては、金属ナトリウム(直径14mmのコイン型)を用いた。
(作用極の作製)
平均粒径7μmのNa2/3Ti1/6Ni1/3Mn1/22(正極活物質、酸化還元電位(vs.Na/Na+):4.3V)92質量部、平均粒径150nmのアセチレンブラック(導電助剤)5質量部およびPVDF(結着剤)3質量部を、分散媒であるNMPに分散させ、正極ペーストを調製した。得られた正極ペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥させ、圧延し、所定の寸法に裁断して、厚さ65μmの正極活物質層を有する作用極(正極)を作製した。作用極は、直径12mmのコイン型に打ち抜いた。
(セパレータ)
厚さ50μm、空隙率90%の耐熱層を有するポリオレフィン製のセパレータを準備し、直径16mmのコイン型に打ち抜いた。
(溶融塩電解質)
Na・FSA(第一塩)とP13・FSA(第二塩)とを、Na・FSA濃度が30モル%になるように混合した。
(ホウ素化合物)
ナトリウムビス(オキサラト)ボレートを、上記溶融塩電解質とナトリウムビス(オキサラト)ボレートとの合計質量に対して0.05質量%となるように、上記溶融塩電解質に添加した。
(コイン型電池Aの作製)
コイン型の作用極、対向極(金属ナトリウム)およびセパレータを、0.3Paの減圧下で、90℃以上で加熱して十分に乾燥させた。その後、浅底の円筒型のSUS/Alクラッド製容器に、コイン型の作用極を載置し、その上にセパレータを介して対向極を載置し、所定量の溶融塩電解質を容器内に注液した。その後、周縁に絶縁ガスケットを具備する浅底の円筒型のSUS製封口板で、容器の開口を封口した。これにより、容器底面と封口板との間で、作用極、セパレータおよび対向極からなる電極群に圧力を印加し、部材間の接触を確保した。こうして、設計容量1.5mAhのコイン型電池Aを作製した。
(被膜形成用充電)
コイン型電池Aを、恒温室内で60℃になるまで加温した。コイン型電池Aの温度が安定した状態で、以下の(1)および(2)の条件で予備充放電を行った。その後、X線光電子分光法により、少なくとも導電助剤の表面に直接、ホウ素含有被膜が形成されていることを確認した。さらに、このホウ素含有被膜に、ホウ素原子が導電助剤1gあたり0.05ミリモル含まれていること、および、ホウ素含有被膜の平均厚みが10nmであることを、X線光電子分光法により確認した。
(1)充電電流0.2Cで、充電終止電圧4.4Vまで充電
(2)放電電流0.5Cで、放電終止電圧2.65Vまで放電
なお、放電電流0.5Cで放電するとは、設計容量の電池を定電流放電して2時間で放電が終了となる電流値で放電する、ということである。
(評価)
導電助剤の表面にホウ素含有被膜が形成されたコイン型電池Aを、上記(1)および(2)の条件を1サイクルとして500サイクルの充放電を行い、コイン型電池Aの初期放電容量(1サイクル目)、50サイクル目および500サイクル目の放電容量を測定した。これらの値から、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目および500サイクル目の放電容量の割合(容量維持率)を求めた。さらに、1サイクル目について、充電容量に対する放電容量の割合(クーロン効率)を求めた。結果を表1に示す。
《実施例2》
ナトリウムビス(オキサラト)ボレートを、溶融塩電解質とナトリウムビス(オキサラト)ボレートとの合計質量に対して0.5質量%となるように、溶融塩電解質に添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池Bを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、X線光電子分光法により、予備充放電後の導電助剤の表面にホウ素含有被膜が形成されていること、ホウ素原子は、ホウ素含有被膜に導電助剤1gあたり0.2ミリモル含まれており、ホウ素含有被膜の平均厚みは35nmであることを確認した。
《実施例3》
ナトリウムビス(オキサラト)ボレートを、溶融塩電解質とナトリウムビス(オキサラト)ボレートとの合計質量に対して2質量%となるように、溶融塩電解質に添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池Cを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、X線光電子分光法により、予備充放電後の導電助剤の表面にホウ素含有被膜が形成されていること、ホウ素原子は、ホウ素含有被膜に導電助剤1gあたり1.3ミリモル含まれており、ホウ素含有被膜の平均厚みは230nmであることを確認した。
《実施例4》
ホウ素化合物として、トリイソプロポキシボロキシンを、溶融塩電解質とトリイソプロポキシボロキシンとの合計質量に対して0.5質量%となるように溶融塩電解質に添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池Dを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、X線光電子分光法により、予備充放電後の導電助剤の表面にホウ素含有被膜が形成されていること、ホウ素原子は、ホウ素含有被膜に導電助剤1gあたり0.35ミリモル含まれており、ホウ素含有被膜の平均厚みは50nmであることを確認した。
《実施例5》
実施例1と同様にして正極を作製した後、ホウ素を用いて、CVD法により、正極の表面全体にホウ素原子を含む被膜を形成し、溶融塩電解質にホウ素化合物を添加しなかったこと、および、上記被膜形成用充電を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池Eを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、正極の表面にホウ素含有被膜が形成されていることは、正極を切断し、電子顕微鏡で観察することにより確認した。また、ホウ素含有被膜の平均厚みは、70nmであった。さらに、ホウ素原子が、ホウ素含有被膜に、導電助剤1gあたり0.45ミリモル含まれていることを、X線光電子分光法により確認した。
《比較例1》
ホウ素化合物を溶融塩電解質に添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてコイン型電池aを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016038946
表1からわかるように、正極がホウ素原子を含む被膜を有する電池A〜Eでは、高電圧で500回の充放電を行った場合においても、非常に優れたサイクル特性を示す。
本発明に係る溶融塩電池は、高電圧での充放電においても、優れたサイクル特性を示すことから、様々な用途の電源として有用である。
1:セパレータ、2:正極、2c:正極リード片、3:負極、3c:負極リード片、10:電池ケース、11:容器本体、12:蓋部、13:ナット、14:鍔部、15:外部負極端子、16:安全弁、17:ワッシャ、100:発電要素(溶融塩電池)、101:充電制御装置、102:放電制御装置、103:制御部、104:電源、105:外部負荷

Claims (6)

  1. 正極活物質および導電助剤を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質と、を含む溶融塩電池であって、
    前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、
    前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、
    前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、
    前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上であり、
    前記正極が、前記導電助剤の周囲を覆う被膜を含み、
    前記被膜が、ホウ素原子を含む、溶融塩電池。
  2. 前記ホウ素原子が、前記導電助剤1gあたり、0.01ミリモル以上含まれている、請求項1に記載の溶融塩電池。
  3. 前記正極活物質が、アルカリ金属元素、NiおよびMnを含む金属酸化物である、請求項1または2に記載の溶融塩電池。
  4. 前記導電助剤が、導電性炭素材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶融塩電池。
  5. (i)正極活物質および導電助剤を有する正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を含む電極群を準備する工程と、
    (ii)アルカリ金属イオン伝導性を有する溶融塩電解質およびホウ素化合物を、前記電極群に含浸させて発電要素を得る工程と、
    (iii)前記発電要素を所定の電圧まで充電し、ホウ素原子を含む被膜を前記導電助剤の周囲に形成する工程と、を含み、
    前記溶融塩電解質が、イオン液体を80質量%以上含み、
    前記イオン液体が、前記アルカリ金属イオンと第一アニオンとの第一塩を含み、
    前記第一アニオンが、フッ素含有ビス(スルホニル)アミドアニオンを含み、
    前記正極活物質の酸化還元電位が、前記アルカリ金属電極基準で4.0V以上である、溶融塩電池の製造方法。
  6. 前記ホウ素化合物が、ホウ酸、ホウ酸エステル、ボロキシン化合物およびホウ素含有アニオンとカチオンとの塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項5に記載の溶融塩電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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