JP2015060928A - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエーハの裏面に絶縁性を有する補強シートが貼着される場合においても、内部加工を実施することができるウエーハの加工方法を提供する。【解決手段】表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成され区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法で、ウエーハの表面に保護部材3を貼着する工程と、裏面2bを研削して所定の厚みに形成する工程と、裏面側から透過性を有する波長のレーザー光線を照射し、ウエーハの内部に改質層を形成する工程と、裏面に絶縁機能を備えた補強シート6を装着する工程と、補強シートを加熱して固化させる工程と、固化された補強シートにダイシングテープを貼着し外周部を環状フレームに装着する工程と、ウエーハに外力を付与し個々のデバイスに分割するとともに補強シートを個々のデバイスに沿って破断する分割工程とを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って分割するウエーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。このように形成された半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することにより、デバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。
上述した半導体ウエーハの分割予定ラインに沿った切断は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードおよび回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を備えたスピンドルユニットを含んでいる。切削ブレードは円盤状の基台と該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、切れ刃は例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって基台に固定し厚さ20μm程度に形成されている。
しかるに、切削ブレードは20μm程度の厚さを有するため、デバイスを区画する分割予定ラインとしては幅が50μm程度必要となり、ウエーハの面積に対する分割予定ラインが占める面積比率が大きく、生産性が悪いという問題がある。
一方、近年半導体ウエーハ等のウエーハを分割する方法として、ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を位置付けてパルスレーザー光線を照射する内部加工と呼ばれるレーザー加工方法も実用化されている。この内部加工と呼ばれるレーザー加工方法を用いた分割方法は、ウエーハの一方の面側から内部に集光点を合わせてウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を連続的に形成し、この改質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、ウエーハを破断して分割する技術である(例えば、特許文献1参照)。
特許第3408805号公報
而して、ウエーハの表面にはデバイスを構成する複数の機能層が積層されているため、パルスレーザー光線の集光点をウエーハの内部に位置付けて内部加工を実施するには、ウエーハの裏面側からレーザー光線を照射する必要がある。
しかるに、デバイスを上下に積層して半導体装置を構成するデバイスが形成されたウエーハにおいては予めウエーハの裏面に絶縁性を有する補強シートが装着されており、この補強シートがレーザー光線を遮断するためウエーハの裏面側から内部加工を実施することができないという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、ウエーハの裏面に絶縁性を有する補強シートが貼着される場合においても、内部加工を実施することができるウエーハの加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法であって、
ウエーハの表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、
該保護部材貼着工程によって表面に保護部材が貼着されたウエーハの保護部材側を研削装置のチャックテーブルに保持し、ウエーハの裏面を研削して所定の厚みに形成する裏面研削工程と、
該裏面研削工程によって所定の厚みに形成されたウエーハの保護部材側をレーザー加工装置のチャックテーブルに保持し、ウエーハの裏面側からウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を内部に集光点を位置付けて分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、
該改質層形成工程が実施されたウエーハの裏面に絶縁機能を備えた補強シートを装着する補強シート装着工程と、
該補強シート装着工程によってウエーハの裏面に装着された補強シートを加熱して補強シートを固化させる補強シート加熱工程と、
該補強シート加熱工程が実施されたウエーハの裏面に装着されている固化された補強シートにダイシングテープを貼着し該ダイシングテープの外周部を環状のフレームに装着するウエーハ支持工程と、
該ウエーハ支持工程が実施されたウエーハに外力を付与し、ウエーハを改質層が形成された分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに補強シートを個々のデバイスに沿って破断する分割工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
上記補強シート加熱工程はウエーハの表面に保護部材が貼着された状態で補強シートを加熱し、上記分割工程を実施する前に保護部材を剥離する保護部材剥離工程を実施する。
上記補強シート装着工程を実施した後、補強シート加熱工程を実施する前に、ウエーハの裏面に装着された補強シートを冷却して粘着性を低下させる補強シート冷却工程を実施し、該補強シート冷却工程が実施され粘着性が低下せしめられた補強シート側をチャックテーブルに保持した後にウエーハの表面に貼着されている保護部材を剥離する保護部材剥離工程を実施する。
上記補強シート加熱工程を実施した後に、補強シートにおける各デバイスに対応した領域にレーザー光線を照射してデバイスを特定するIDマークを印字する印字工程を実施する。
本発明におけるウエーハの加工方法においては、ウエーハの表面に保護部材を貼着し、該保護部材側を研削装置のチャックテーブルに保持してウエーハの裏面を研削することにより所定の厚みに研削する裏面研削工程を実施し、所定の厚みに研削されたウエーハの保護部材側をレーザー加工装置のチャックテーブルに保持してウエーハの裏面側からウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を内部に集光点を位置付けて分割予定ラインに沿って照射することによりウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程を実施した後に、ウエーハの裏面に絶縁機能を備えた補強シートを装着する補強シート装着工程を実施するので、ウエーハの裏面に補強シートが貼着される場合においても、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する内部加工としての改質層形成工程を実施することができる。そして、ウエーハの裏面に装着された補強シートを加熱して補強シートを固化させるので、ウエーハに外力を付与することによりウエーハを改質層が形成された分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに補強シートを個々のデバイスに沿って破断することができる。
本発明によるウエーハの加工方法によって分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における保護部材貼着工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における裏面研削工程を実施するための研削装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における裏面研削工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における改質層形成工程を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における改質層形成行程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における補強シート装着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における補強シート加熱工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における印字工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるウエーハ支持工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における保護部材剥離工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における分割工程を実施するためのテープ拡張装置の斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における分割工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるピックアップ工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における補強シート冷却工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における保護部材剥離工程の他の実施形態を示す説明図。
以下、本発明によるウエーハの加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って加工されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、厚みが例えば500μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aに複数の分割予定ライン21が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。以下、この半導体ウエーハ2を分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割するウエーハの加工方法について説明する。
先ず、半導体ウエーハ2の表面2aに形成されたデバイス22を保護するために、半導体ウエーハ2の表面2aに保護部材を貼着する保護部材貼着工程を実施する。即ち、図2に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに保護部材としての保護テープ3を貼着する。なお、保護テープ3は、図示の実施形態においては厚さが100μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート状基材の表面にアクリル樹脂系の糊が厚さ5μm程度塗布されている。
半導体ウエーハ2の表面2aに保護部材としての保護テープ3を貼着したならば、半導体ウエーハ2の保護部材側を研削装置のチャックテーブルに保持し、半導体ウエーハ2の裏面を研削して所定の厚みに研削する裏面研削工程を実施する。この裏面研削工程は、図3に示す研削装置4を用いて実施する。図3に示す研削装置4は、被加工物を保持するチャックテーブル41と、該チャックテーブル41に保持された被加工物を研削する研削手段42を具備している。チャックテーブル41は、上面に被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない回転駆動機構によって図3において矢印41aで示す方向に回転せしめられる。研削手段42は、スピンドルハウジング421と、該スピンドルハウジング421に回転自在に支持され図示しない回転駆動機構によって回転せしめられる回転スピンドル422と、該回転スピンドル422の下端に装着されたマウンター423と、該マウンター423の下面に取り付けられた研削ホイール424とを具備している。この研削ホイール424は、円環状の基台425と、該基台425の下面に環状に装着された研削砥石426とからなっており、基台425がマウンター423の下面に締結ボルト427によって取り付けられている。
上述した研削装置4を用いて上記裏面研削工程を実施するには、図3に示すようにチャックテーブル41の上面(保持面)に上記保護部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2の保護テープ3側を載置する。そして、図示しない吸引手段によってチャックテーブル41上に半導体ウエーハ2を保護テープ3を介して吸着保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル41上に保持された半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。このようにチャックテーブル41上に半導体ウエーハ2を保護テープ3を介して吸引保持したならば、チャックテーブル41を図3において矢印41aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削手段42の研削ホイール424を図3において矢印424aで示す方向に例えば6000rpmで回転せしめて、図4に示すように研削砥石426を被加工面である半導体ウエーハ2の裏面2bに接触せしめ、研削ホイール424を図3および図4において矢印424bで示すように例えば1μm/秒の研削送り速度で下方(チャックテーブル41の保持面に対し垂直な方向)に所定量研削送りする。この結果、半導体ウエーハ2の裏面2bが研削されて半導体ウエーハ2は所定の厚み(例えば100μm)に形成される。
次に、所定の厚みに研削された半導体ウエーハ2の保護部材側をレーザー加工装置のチャックテーブルに保持し、半導体ウエーハ2の裏面側から半導体ウエーハ2に対して透過性を有する波長のレーザー光線を内部に集光点を位置付けて分割予定ラインに沿って照射し、半導体ウエーハ2の内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程を実施する。この改質層形成工程は、図5に示すレーザー加工装置5を用いて実施する。図5に示すレーザー加工装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52と、チャックテーブル51上に保持された被加工物を撮像する撮像手段53を具備している。チャックテーブル51は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構によって図5において矢印Xで示す加工送り方向および矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521の先端に装着された集光器522からパルスレーザー光線を照射する。また、上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の先端部に装着された撮像手段53は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を後述する制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置5を用いて実施する改質層形成工程について、図5および図6を参照して説明する。
この改質層形成工程は、先ず上述した図5に示すレーザー加工装置5のチャックテーブル51上に上記研削工程が実施された半導体ウエーハ2の保護テープ3側を載置する。そして、図示しない吸引手段によってチャックテーブル51上に半導体ウエーハ2を保護テープ3を介して吸着保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル51上に保持された半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル51は、図示しない加工送り手段によって撮像手段53の直下に位置付けられる。
チャックテーブル51が撮像手段53の直下に位置付けられると、撮像手段53および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段53および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン21に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ2の分割予定ライン21が形成されている表面2aは下側に位置しているが、撮像手段53が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かして分割予定ライン21を撮像することができる。
以上のようにしてチャックテーブル51上に保持されている半導体ウエーハ2に形成されている分割予定ライン21を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図6の(a)で示すようにチャックテーブル51をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン21の一端(図6の(a)において左端)をレーザー光線照射手段52の集光器522の直下に位置付ける。次に、集光器522から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ2の厚み方向中間部に位置付ける。そして、集光器522からシリコンウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2を図6の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図6の(b)で示すようにレーザー光線照射手段52の集光器522の照射位置が分割予定ライン21の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2の移動を停止する。この結果、半導体ウエーハ2の内部には、分割予定ライン21に沿って改質層210が形成される。
なお、上記改質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
波長 :1064nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :0.3W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :100mm/秒
上述したように所定の分割予定ライン21に沿って上記改質層形成工程を実施したら、チャックテーブル51を矢印Yで示す方向に半導体ウエーハ2に形成された分割予定ライン21の間隔だけ割り出し送りし(割り出し送り工程)、上記改質層形成工程を遂行する。このようにして所定方向に形成された全ての分割予定ライン21に沿って上記改質層形成工程を実施したならば、チャックテーブル51を90度回動せしめて、上記所定方向に形成された分割予定ライン21に対して直交する方向に延びる分割予定ライン21に沿って上記改質層形成工程を実行する。
上述した改質層形成工程を実施することによって半導体ウエーハ2の内部に分割予定ライン21に沿って改質層210を形成したならば、半導体ウエーハ2の裏面に絶縁機能を備えた補強シートを装着する補強シート装着工程を実施する。即ち、図7の(a)および(b)に示すように内部に分割予定ライン21に沿って改質層210が形成された半導体ウエーハ2の裏面2bに絶縁機能を備えた補強シート6を装着する。なお、補強シート6は、粘着性を有しており、冷却すると粘着性が低下せしめられ、加熱すると固化せしめられる樹脂シートによって形成されている。このように補強シート装着工程は上述した改質層形成工程を実施した後に実施するので、半導体ウエーハ2の裏面に絶縁性を有する補強シート6が貼着される場合においても、半導体ウエーハ2の内部に分割予定ライン21に沿って改質層210を形成する内部加工としての改質層形成工程を実施することができる。
次に、半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6を加熱して補強シート6を固化させる補強シート加熱工程を実施する。この補強シート加熱工程は、図8に示す加熱装置7を用いて実施する。加熱装置7は、上端が開放した処理ケース71と、該処理ケース71の上端を閉塞するケース蓋72と、処理ケース71内に配設され被加工物を載置する被加工物載置テーブル73と、ケース蓋72の内面に配設されたヒーター74とからなっている。このように構成された加熱装置7を用いて補強シート加熱工程を実施するには、ケース蓋72を開放して被加工物載置テーブル73上に半導体ウエーハ2の表面に貼着された保護テープ3側を載置する。従って、被加工物載置テーブル73上に載置された半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6が上側となる。このようにして被加工物載置テーブル73上に半導体ウエーハ2の表面に貼着された保護テープ3側を載置したならば、ケース蓋72を閉塞した後、ヒーター74を作動して被加工物載置テーブル73上に載置された半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6を加熱する。この補強シート加熱工程においては、130℃で2時間加熱する。この結果、半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6は、固化せしめられる。
上述した補強シート加熱工程を実施したならば、補強シート6における各デバイスに対応した領域にレーザー光線を照射してデバイスを特定するIDマークを印字する印字工程を実施する。この印字工程は、上記図5に示すレーザー加工装置5と同様のレーザー加工装置を用いて実施することができる。即ち、印字工程を実施するには、図9に示すレーザー加工装置5のチャックテーブル51上に半導体ウエーハ2の表面2aに貼着された保護テープ3側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、保護テープ3を介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル51上に保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル51に保持された半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6が上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を保護テープ3を介して吸引保持したチャックテーブル51は、図示しない加工送り手段によって撮像手段53の直下に位置付けられる。
チャックテーブル51が撮像手段53の直下に位置付けられると、チャックテーブル51上の半導体ウエーハ2は、所定の座標位置に位置付けられた状態となる。この状態で、チャックテーブル51に保持された半導体ウエーハ2に形成されている格子状の分割予定ライン21がX方向とY方向に平行に配設されているか否かのアライメント作業を実施する(アライメント工程)。即ち、撮像手段53によってチャックテーブル51に保持された半導体ウエーハ2を撮像し、パターンマッチング等の画像処理を実行してアライメント作業を行う。このとき、半導体ウエーハ2の分割予定ライン21が形成されている表面2aは下側に位置しているが、撮像手段53が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かして分割予定ライン21を撮像することができる。
上述したアライメント工程を実施することにより、チャックテーブル51上に保持された半導体ウエーハ2は、所定の座標位置に位置付けられたことになる。次に、図9に示すようにチャックテーブル51を移動して補強シート6における所定のデバイスに対応した位置を集光器422の直下に位置付けるとともに、集光器422から照射されるパルスレーザー光線の集光点を補強シート6の表面(上面)付近に位置付ける。そして、集光器422から補強シート6に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51をX方向およびY方向に移動せしめることにより、補強シート6における所定のデバイスに対応した領域にデバイスを特定するIDマーク61を印字する(印字工程)。この印字工程を補強シート6における全てのデバイスに対応した領域に実施する。
上記印字工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
波長 :355nmのパルスレーザー
繰り返し周波数 :10kHz
平均出力 :1W
集光スポット径 :φ50μm
上述した印字工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面に装着されている固化された補強シート6にダイシングテープを貼着し該ダイシングテープの外周部を環状のフレームに装着するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図10の(a)および(b)に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に上記印字工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面に装着されている固化された補強シート6側を貼着する(ウエーハ支持工程)。従って、半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ3が上側となる。そして、図11に示すように半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ3を剥離する(保護部材剥離工程)。
上述したようにウエーハ支持工程および保護部材剥離工程を実施したならば、半導体ウエーハ2に外力を付与し、半導体ウエーハ2を改質層210が形成された分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割するとともに補強シート6を個々のデバイス22に沿って破断する分割工程を実施する。この分割工程は、図12に示すテープ拡張装置8を用いて実施する。図12に示すテープ拡張装置8は、上記環状のフレームFを保持するフレーム保持手段81と、該フレーム保持手段81に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段82と、ピックアップコレット83を具備している。フレーム保持手段81は、環状のフレーム保持部材811と、該フレーム保持部材811の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ812とからなっている。フレーム保持部材811の上面は環状のフレームFを載置する載置面811aを形成しており、この載置面811a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面811a上に載置された環状のフレームFは、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定される。このように構成されたフレーム保持手段81は、テープ拡張手段82によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811の内側に配設される拡張ドラム821を具備している。この拡張ドラム821は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム821は、下端に支持フランジ822を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811を上下方向に進退可能な支持手段823を具備している。この支持手段823は、上記支持フランジ822上に配設された複数のエアシリンダ823aからなっており、そのピストンロッド823bが上記環状のフレーム保持部材811の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ823aからなる支持手段823は、図13の(a)に示すように環状のフレーム保持部材811を載置面811aが拡張ドラム821の上端と略同一高さとなる基準位置と、図13の(b)に示すように拡張ドラム821の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
以上のように構成されたテープ拡張装置8を用いて実施する分割工程について図13を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ2の補強シート6側が貼着されているダイシングテープTが装着された環状のフレームFを、図13の(a)に示すようにフレーム保持手段81を構成するフレーム保持部材811の載置面811a上に載置し、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材811は図13の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段82を構成する支持手段823としての複数のエアシリンダ823aを作動して、環状のフレーム保持部材811を図13の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材811の載置面811a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図13の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム821の上端縁に接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、ダイシングテープTに貼着されている補強シート6および該補強シート6が装着された半導体ウエーハ2は放射状に引張力が作用する。このように補強シート6および半導体ウエーハ2に放射状に引張力が作用すると、半導体ウエーハ2は分割予定ライン21に沿って破断の起点となる改質層210が形成されているので分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割されるとともに、個々のデバイス22間に間隔(s)が形成されるため、上記補強シート加熱工程を実施することにより固化せしめられた補強シート6には引張力が作用して個々のデバイス22に沿って破断される。
上述した分割工程を実施したならば、図14の(a)に示すようにピックアップコレット83を作動してデバイス22(裏面に補強シート6が装着されている)を吸着し、ダイシングテープTから剥離してピックアップすることにより、図14の(b)に示すようにデバイス22の外周縁に沿って破断された補強シート6が裏面に装着された半導体デバイス22が得られる(ピックアップ工程)。なお、ピックアップ工程においては、上述したように補強シート6が装着された個々のデバイス22間の隙間Sが広げられているので、隣接するデバイス22と接触することなく容易にピックアップすることができる。このようにしてピックアップされたデバイス22の裏面に装着された補強シート6にはデバイスを特定するIDマーク61が印字されているので、デバイス22を各装置に組み付ける際に確認することができる。
次に、本発明によるウエーハの加工方法における他の実施形態につい説明する。
この実施形態は、上記補強シート装着工程を実施した後、補強シート加熱工程を実施する前に、補強シート6を冷却して粘着性を低下させる補強シート冷却工程を実施する。この補強シート冷却工程は、図15に示す冷却装置9を用いて実施する。冷却装置9は、上端が開放した処理ケース91と、該処理ケース91の上端を閉塞するケース蓋92と、処理ケース91内に配設され被加工物を載置する被加工物載置テーブル93と、ケース蓋92の内面に配設された冷気噴射ノズル94とからなっており、冷気噴射ノズル94が図示しない冷気供給手段に接続されている。このように構成された冷却装置9を用いて補強シート冷却工程を実施するには、ケース蓋92を開放して被加工物載置テーブル93上に半導体ウエーハ2の表面に貼着された保護テープ3側を載置する。従って、被加工物載置テーブル93上に載置された半導体ウエーハ2の裏面に装着された補強シート6が上側となる。このようにして被加工物載置テーブル93上に半導体ウエーハ2の表面に貼着された保護テープ3側を載置したならば、ケース蓋92を閉塞した後、図示しない冷気供給手段を作動して、冷気噴射ノズル94から冷気を噴出することにより補強シート6を冷却する。この補強シート冷却工程においては、補強シート6を−5〜5℃に冷却することにより、補強シート6の粘着性を低下させることができる。
上述した補強シート冷却工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ3を剥離する保護部材剥離工程を実施する。この保護部材剥離工程は、図16の(a)に示すように剥離装置10のチャックテーブル101上に上記補強シート冷却工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面に装着された粘着性が低下した補強シート6側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル101上に補強シート6を介して半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、チャックテーブル101上に補強シート6を介して吸引保持された半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ3が上側となる。このようにして、チャックテーブル101上に補強シート6を介して半導体ウエーハ2を吸引保持したならば、図16の(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ3を剥離する。
以上のようにして補強シート冷却工程および保護部材剥離工程を実施した後に、上述した補強シート加熱工程、印字工程、ウエーハ支持工程、分割工程、ピックアップ工程を実施する。
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:デバイス
210:改質層
3:保護テープ(保護部材)
4:研削装置
41:チャックテーブル
42:研削手段
424:研削ホイール
5:レーザー加工装置
51:チャックテーブル
52:レーザー光線照射手段
522:集光器
6:補強シート
7:加熱装置
71:処理ケース
74:ヒーター
8:テープ拡張装置
81:フレーム保持手段
82:テープ拡張手段
83:ピックアップコレット
9:冷却装置
91:処理ケース
94:冷気噴射ノズル
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ

Claims (4)

  1. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法であって、
    ウエーハの表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、
    該保護部材貼着工程によって表面に保護部材が貼着されたウエーハの保護部材側を研削装置のチャックテーブルに保持し、ウエーハの裏面を研削して所定の厚みに形成する裏面研削工程と、
    該裏面研削工程によって所定の厚みに形成されたウエーハの保護部材側をレーザー加工装置のチャックテーブルに保持し、ウエーハの裏面側からウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を内部に集光点を位置付けて分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、
    該改質層形成工程が実施されたウエーハの裏面に絶縁機能を備えた補強シートを装着する補強シート装着工程と、
    該補強シート装着工程によってウエーハの裏面に装着された補強シートを加熱して補強シートを固化させる補強シート加熱工程と、
    該補強シート加熱工程が実施されたウエーハの裏面に装着されている固化された補強シートにダイシングテープを貼着し該ダイシングテープの外周部を環状のフレームに装着するウエーハ支持工程と、
    該ウエーハ支持工程が実施されたウエーハに外力を付与し、ウエーハを改質層が形成された分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに補強シートを個々のデバイスに沿って破断する分割工程と、を含む、
    ことを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 該補強シート加熱工程はウエーハの表面に保護部材が貼着された状態で補強シートを加熱し、該分割工程を実施する前に保護部材を剥離する保護部材剥離工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  3. 該補強シート装着工程を実施した後、該補強シート加熱工程を実施する前に、ウエーハの裏面に装着された補強シートを冷却して粘着性を低下させる補強シート冷却工程を実施し、該補強シート冷却工程が実施され粘着性が低下せしめられた補強シート側をチャックテーブルに保持した後にウエーハの表面に貼着されている保護部材を剥離する保護部材剥離工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  4. 該補強シート加熱工程を実施した後に、補強シートにおける各デバイスに対応した領域にレーザー光線を照射してデバイスを特定するIDマークを印字する印字工程を実施する、請求項1から3のいずれかに記載のウエーハの加工方法。
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