JP2015059160A - アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板 - Google Patents

アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2015059160A
JP2015059160A JP2013193071A JP2013193071A JP2015059160A JP 2015059160 A JP2015059160 A JP 2015059160A JP 2013193071 A JP2013193071 A JP 2013193071A JP 2013193071 A JP2013193071 A JP 2013193071A JP 2015059160 A JP2015059160 A JP 2015059160A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
resin composition
receiving layer
substrate
acrylate copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013193071A
Other languages
English (en)
Inventor
浩平 高田
Kohei Takada
浩平 高田
淳也 葉室
Junya Hamuro
淳也 葉室
哲也 的場
Tetsuya Matoba
哲也 的場
宗哲 山下
Muneaki Yamashita
宗哲 山下
白井 正充
Masamitsu Shirai
正充 白井
晴之 岡村
Haruyuki Okamura
晴之 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wakayama Prefecture
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Osaka University NUC
Osaka Prefecture University PUC
Original Assignee
Wakayama Prefecture
Shin Nakamura Chemical Co Ltd
Osaka University NUC
Osaka Prefecture University PUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wakayama Prefecture, Shin Nakamura Chemical Co Ltd, Osaka University NUC, Osaka Prefecture University PUC filed Critical Wakayama Prefecture
Priority to JP2013193071A priority Critical patent/JP2015059160A/ja
Publication of JP2015059160A publication Critical patent/JP2015059160A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】低温・短時間での硬化が可能であるとともに、印刷特性に優れる受容層(アンカー層)を形成することのできるアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物を提供する。【解決手段】ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基を含有するモノマー単位(1)を1〜30mol%と、ラジカル重合性二重結合が特定の側鎖構造によって主鎖に結合された構造を有するモノマー単位(2)を1〜30mol%と、(メタ)アクリル酸C1〜C12アルキル由来のモノマー単位(3)を40〜98mol%とを含み、重量平均分子量が80000以上であるアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに該アクリレート系共重合体又は該樹脂組成物からなる受容層を備える基板に関する。
近年、電子デバイスの構成部材の製造において、汎用の印刷技術を適用する試みが盛んになっている。このように印刷技術を用いて、電子デバイスの部材を作製する技術をプリンテッド・エレクトロニクスと呼んでいる。プリンテッド・エレクトロニクスは、設備投資のコストが比較的安く、しかも大面積の大量生産に適するというメリットがある。
このことから、現在では、タッチパネルやEL電極等の透明導電性フィルムがプリンテッド・エレクトロニクスを利用して製造されている。今後は、上記分野のみならず、大型ディスプレイや太陽電池、電子ペーパー等にもプリンテッド・エレクトロニクスを適用したいというニーズがあり、さらなる用途展開が期待されている。
ところで、プリンテッド・エレクトロニクスを適用するときの問題として、印刷時のインクの解像度がある。すなわち、電子デバイスの部材を作製するためには、通常50μm程度の太さの配線を緻密に印刷する必要があるが、プリンテッド・エレクトロニクスによってその印刷をすると、インクがかすれてしまったり、インクが滲んでしまったりして、導電性ペーストが均一に塗布されず、電子デバイスの動作に支障をきたすことがある。
そこで、プリンテッド・エレクトロニクスにおける解像度を向上させるための試みとして、印刷対象物の表面に無機系材料からなる受容層を形成することが行われている。無機系材料からなる受容層は、インクが付着しやすく、かつ広がりにくいという性質を有するため、緻密な配線を高解像度で印刷することができる。しかも無機系材料は、シリコンやチタンを原料として作製されるため、耐熱性や耐溶剤性に優れるというメリットを有し、電子デバイスの要求性能を満たしている。
このようなプリンテッド・エレクトロニクスの先行技術として、例えば特許文献1には、平均粒子径が100nm以下のアルミナ微粒子やシリカ微粒子を含む溶液を被印刷面に塗布してスクリーン印刷用受容層を形成する技術が開示されている。特許文献2には、SiやTiのアルコキシドを基板に塗布し、ゾルゲル法にてスクリーン印刷用受容層を形成する技術が開示されている。
一方、有機系材料からなる受容層を形成するものとして、特許文献3には、カチオン系水溶性アクリルポリマーとエポキシ樹脂との混合物からなるインキ受容層を備える基板が開示されている。また、特許文献4には、所定のN含有基を有するモノマー単位を含有するアクリレート系共重合体、及び、エポキシ系樹脂のようなアクリレート系共重合体と架橋反応を起こす樹脂を含む硬化性樹脂組成物からなる受容層を備える基板が開示されている。
特開2002−038095号公報 特開2010−147209号公報 特開平06−340163号公報 特開2012−184384号公報
特許文献1に記載の受容層は、受容層の形成に高温のプロセスが必要であるという問題があった。特許文献2に示されるような無機系のゾルゲル法により形成される受容層は、低温プロセスが可能であり、電子デバイスの要求性能を満たすものの、その原料コストが高く、また、受容層が割れやすいことが問題とされていた。
特許文献3に記載の受容層は、紙用であるため、水や溶剤で容易に膨張・剥離することが問題とされていた。
また、特許文献4に記載の受容層は、これに硬化性を付与するには、アクリレート系共重合体と架橋反応を起こすエポキシ系樹脂のような樹脂の添加が必要であり、また、硬化後の受容層に所望の物性を付与するためには、硬化温度を高くしたり、硬化時間を長くしたりする必要があった。受容層を硬化させる場合、その上に形成される配線(導電性ペースト)を焼成(熱処理)するのと同時に行うことが可能であるが、近年、焼成条件の低温化及び短時間化が進んでおり、これに伴い、受容層の硬化条件においても低温化及び短時間化が求められている。また、特許文献4に記載のアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物は、保存安定性の面でも改善の余地があった。
そこで本発明の目的は、低温・短時間での硬化が可能であるとともに、印刷特性に優れる受容層を形成することのできるアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下に示すアクリレート系共重合体、樹脂組成物及び受容層付き基板を提供する。
[1] 下記式(1):
Figure 2015059160
〔式中、XはN(CH32又はN(C252を表し、R1はH又はCH3を表す。〕
で示されるモノマー単位を1〜30mol%と、
下記式(2):
Figure 2015059160
〔式中、R2、R3はそれぞれ独立してH又はCH3を表す。〕
で示されるモノマー単位を1〜30mol%と、
下記式(3):
Figure 2015059160
〔式中、R4はH又はCH3を表し、R5はC1〜C12のアルキル基を表す。〕
で示されるモノマー単位を40〜98mol%と、
を含み、
重量平均分子量が80000以上である、アクリレート系共重合体。
[2] [1]に記載のアクリレート系共重合体と、ラジカル重合開始剤とを含む、樹脂組成物。
[3] 熱硬化性である、[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 基板と、
前記基板上に積層される、[1]に記載のアクリレート系共重合体、[2]〜[3]に記載の樹脂組成物のいずれかを含む受容層と、
を備える、受容層付き基板。
[5] 基板と、
前記基板上に積層される、[3]に記載の樹脂組成物の硬化物からなる受容層と、
前記受容層上に配置される導電性ペーストと、
を備える、受容層付き基板。
本発明によれば、低温・短時間での硬化が可能であるとともに、導電性ペースト(導電性インク)の印刷特性に優れる受容層を形成することのできるアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、保存安定性の良好なアクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物を提供することができる。
本発明に係る受容層付き基板の表面に導電性ペーストのパターンを形成したときの状態を示す模式的な断面図である。
<アクリレート系共重合体>
本発明のアクリレート系共重合体は、基板上に設ける受容層(アンカー層)を形成するためのコーティング材料として好適な重合体である。「受容層」とは、印刷等によってその上に置かれるインク(ペースト)を受容する(インクに含まれる溶剤成分等を吸収することを含む)層である。このアクリレート系共重合体は、上記式(1)で示されるモノマー単位〔以下、モノマー単位(1)ともいう。〕を1〜30mol%と、上記式(2)で示されるモノマー単位〔以下、モノマー単位(2)ともいう。〕を1〜30mol%と、上記式(3)で示されるモノマー単位〔以下、モノマー単位(3)ともいう。〕を40〜98mol%とを含む。
モノマー単位(1)〜(3)をそれぞれ所定量含む本発明のアクリレート系共重合体は、ラジカル重合開始剤との併用によって低温・短時間での硬化が可能であり、また、それを含む受容層上に印刷される導電性ペースト(インク)の印刷特性を向上させることができる。本発明では、スクリーン印刷版の開口部パターンが直線状のものを用いて導電性ペーストを印刷したときに、導電性ペーストのパターンが断線することなく、線幅のばらつきの小さい導電性ペーストのパターンを形成できることを印刷特性に優れるという。
〔a〕モノマー単位(1)
モノマー単位(1)は、置換基Xであるジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基を有するため、塩基性を示す。このようなモノマー単位(1)を含有するアクリレート系共重合体を用いて受容層を基板上に形成すると、受容層中のアクリレート系共重合体が導電性ペーストに含まれる酸性成分と相互作用し、導電性ペースト中の溶剤以外の成分を受容層上に固着させることができる。これにより、導電性ペーストの溶剤成分が分離し、導電性ペーストの溶剤以外の成分が滲みにくくなるため、導電性ペーストの印刷特性を向上させることができる。上記式(1)においてR1は、H又はCH3である。
モノマー単位(1)を形成するモノマーを具体的に例示すれば、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルである。アクリレート系共重合体は、これらのうちの1種のみを含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
アクリレート系共重合体に含まれる全モノマー単位中、モノマー単位(1)の含有量は、1〜30mol%であり、好ましくは2〜15mol%である。モノマー単位(1)の含有量が1mol%未満であると、アクリレート系共重合体の塩基性が弱くなるため、導電性ペーストの酸性成分との相互作用が弱くなり、良好な印刷特性を得ることができない。一方、30mol%を超えると、導電性ペーストの酸性成分との相互作用が必要以上に強くなり、スクリーン印刷特有の不均一な印刷となったり、導電性ペーストのパターンに断線が生じやすくなったりする。
アクリレート系共重合体におけるモノマー単位(1)の重合度は、例えば1以上2000以下であることができる。モノマー単位(1)の重合度とは、アクリレート系共重合体に含まれるモノマー単位(1)の全数である。以下で説明する他のモノマー単位についても同様である。
〔b〕モノマー単位(2)
モノマー単位(2)は、上記式(2)に示されるとおり、側鎖にラジカル重合性二重結合を含んでおり、架橋性を示す。これにより、アクリレート系共重合体は、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射や加熱により、ラジカル重合開始剤の存在下に3次元架橋反応を起こすことができる。上記式(2)に示されるとおり、モノマー単位(2)は、上記ラジカル重合性二重結合(エチレン性不飽和基)が特定の側鎖構造によって主鎖に結合された構造を有しており、このような構造を有するモノマー単位(2)を含むアクリレート系共重合体は、モノマー単位(1)及び(3)を含むことと相俟って、硬化性に優れており、低温・短時間で硬化することができる。例えば、130℃、15分又はそれよりも緩い硬化条件、さらには、100℃、5分又はそれよりも緩い硬化条件でも、十分な架橋密度で硬化することができる。
このような硬化性の良好なアクリレート系共重合体を含む受容層を硬化させると、受容層、ひいては受容層上に導電性ペーストのパターン(配線パターン)が形成された基板の耐溶剤性や耐熱性を顕著に向上させることができる。
上記式(2)においてR2、R3はそれぞれ独立してH又はCH3である。例えば、R2=R3=CH3である場合やR2=R3=Hである場合などを例示することができるが、これに限定されるものではない。
上記式(2)に示される、ラジカル重合性二重結合を含む特定の側鎖構造は、アクリレート系共重合体の前駆体となる共重合体に水酸基を導入しておき、この水酸基に(メタ)アクリロイル基を有するイソシアナート化合物を付加させる方法によって形成することができる。(メタ)アクリロイル基を有するイソシアナート化合物を具体的に例示すれば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナートである。なお、これらの化合物は、必要に応じて上記の2種を併用してもよい。
アクリレート系共重合体に含まれる全モノマー単位中、モノマー単位(2)の含有量は、1〜30mol%であり、好ましくは10〜25mol%である。モノマー単位(2)の含有量が1mol%未満であると、アクリレート系共重合体に十分な硬化性を付与することができず、硬化して得られる受容層に対して、十分な耐溶剤性及び耐熱性を付与することができない。一方、30mol%を超えると、印刷特性が悪くなり、設計通りの導電性ペーストのパターン(配線パターン)を形成することが困難となる。
アクリレート系共重合体におけるモノマー単位(2)の重合度は、例えば1以上2000以下であることができる。
〔c〕モノマー単位(3)
モノマー単位(3)は、(メタ)アクリレートモノマー由来の単位であり、上記式(3)においてR4はH又はCH3であり、R5はC1〜C12のアルキル基である。R5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってよいが、好ましくは直鎖状又は分岐状である。
アクリレート系共重合体にモノマー単位(3)を所定量含有させることにより、受容層の上に形成される導電性ペーストの印刷特性を向上させることができる。より具体的には、モノマー単位(3)を所定量含有するアクリレート系共重合体を用いて受容層を形成することにより、導電性ペースト中の溶剤の吸収性を高めることができる。これにより、導電性ペーストの溶剤の滲みを抑制することができるため、導電性ペーストの印刷特性を向上させることができる。
モノマー単位(3)を形成するモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、等が挙げられる。なかでも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルが好ましい。なお、これらの化合物は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
アクリレート系共重合体に含まれる全モノマー単位中、モノマー単位(3)の含有量は、40〜98mol%であり、好ましくは50〜88mol%である。モノマー単位(3)の含有量が40mol%未満であると、良好な印刷特性を得ることができない。一方、98mol%を超えると、モノマー単位(1)及び/又は(2)の含有量が所定量を下回るため、印刷特性が低下したり、硬化性が低下したりする。
アクリレート系共重合体におけるモノマー単位(3)の重合度は、例えば1以上2000以下であることができる。
〔d〕その他のモノマー単位
本発明のアクリレート系共重合体は、モノマー単位(1)、(2)及び(3)以外の他のモノマー単位を含むことができる。当該他のモノマー単位を含有させることにより、受容層の硬度、屈折率、基板との密着性等の制御を容易にしたり、受容層に柔軟性、透明性、耐候性、添加物との相溶性等を付与又は向上させたり、受容層上に形成される導電性ペースト(配線)の腐食防止性を付与又は向上させたり、導電性ペースト(配線)の導電性の制御を容易にしたりすることが可能となることがある。
モノマー単位(1)、(2)及び(3)以外の他のモノマー単位を形成するモノマーとしては、例えば、アクリル酸2−テトラヒドロピラニル、メタクリル酸2−テトラヒドロピラニル、スチレン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシポリエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシポリエチレングリコール、アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、メタクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、アクリル酸ノニルフェノキシポリプロピレン、メタクリル酸ノニルフェノキシポリプロピレン、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸グリセロール、メタクリル酸グリセロール、アクリル酸グリセリン、メタクリル酸グリセリン、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリルアミドやメタクリルアミドやアクリロイルモルホリンなどのアミド類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができる。
アクリレート系共重合体に含まれる全モノマー単位中、モノマー単位(1)、(2)及び(3)以外の他のモノマー単位の含有量は、1〜58mol%であり、好ましくは10〜30mol%である。他のモノマー単位の含有量が1mol%未満であると、他のモノマー単位を含有させることによって得られ得る上述の効果を十分に得ることができない。一方、58mol%を超えると、相対的にモノマー単位(1)、(2)及び/又は(3)の含有量が所定量を下回るため、印刷特性が低下したり、硬化性が低下したりする。
アクリレート系共重合体は、次の工程:
I.モノマー単位(1)及び(3)を構成するモノマー、並びにモノマー単位(2)を形成するモノマー単位であるアクリル酸2−ヒドロキシエチル及び/又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、さらに任意で導入されるその他のモノマー単位を構成するモノマーからなるモノマー組成物を、溶液重合法等の公知の方法を用いてラジカル重合させる工程、及び
II.アクリル酸2−ヒドロキシエチル及び/又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの水酸基に、上述の(メタ)アクリロイル基を有するイソシアナート化合物を付加させる工程
によって製造することができる。
アクリレート系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、80000以上とされる。アクリレート系共重合体が上述のモノマー単位(1)〜(3)をそれぞれ所定量含み、かつそのMwが80000以上であることにより、印刷特性に優れ、低温・短時間でも硬化可能なアクリレート系共重合体を実現することができる。アクリレート系共重合体が上述のモノマー単位(1)〜(3)をそれぞれ所定量含んでいても、Mwが80000未満であると、十分な印刷特性を得ることができない。アクリレート系共重合体のMwは、好ましくは100000以上である。アクリレート系共重合体のMwは、後述の実施例の項に記載の測定方法に従う。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、上記アクリレート系共重合体の1種又は2種以上と、ラジカル重合開始剤とを含む硬化性の樹脂組成物である。ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤を挙げることができ、これらの双方を含むこともできる。本発明の樹脂組成物は、紫外線や電子線のような活性エネルギー線の照射、加熱、又は活性エネルギー線の照射と加熱との双方によって硬化し、架橋反応を起こし得る。当該樹脂組成物からなる受容層の硬化物、ひいては当該硬化物層上に導電性ペーストのパターン(配線パターン)が形成された基板は、耐溶剤性及び耐熱性に優れる。また上述したように、硬化性に優れており、低温・短時間で硬化することができる。また、本発明の樹脂組成物(及びアクリレート系共重合体)は、保存安定性にも優れたものであり得る。
例えば本発明の樹脂組成物が熱硬化性であり、加熱によって受容層を硬化させる場合、その上に形成される導電性ペーストの焼成における熱処理によって受容層を硬化させることができる。このように導電性ペーストの焼成と受容層の硬化とを同時に行うことは、導電性ペースト(配線)の割れを回避するうえで有利である。
〔a〕光ラジカル重合開始剤
光ラジカル重合開始剤は、樹脂組成物を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とする場合に使用される。使用し得る光ラジカル重開始剤の例を挙げれば、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエ−テル類;ベンジルジメチルケタール、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン等のイオウ化合物;2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類;2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等のイミダゾリル化合物;p−メトキシトリアジン等のトリアジン化合物;2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン化合物;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1オン等のアミノケトン化合物などである。光ラジカル重合開始剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物における光ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂(アクリレート系共重合体、並びに任意で使用される後述の多官能アクリル系モノマー及び多官能アクリル系オリゴマーの合計)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
〔b〕熱ラジカル重合開始剤
熱ラジカル重合開始剤は、樹脂組成物を熱硬化性樹脂組成物とする場合に使用される。使用し得る熱ラジカル重開始剤の例を挙げれば、例えば、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のニトリル系アゾ化合物(ニトリル系アゾ系重合開始剤);ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等の非ニトリル系アゾ化合物(非ニトリル系アゾ系重合開始剤);tert−ヘキシルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニックペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1’−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物(パーオキサイド系重合開始剤);及び過酸化水素などである。
熱ラジカル重合開始剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、本発明の樹脂組成物は、光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤を含み、デュアル硬化型とすることもできる。
樹脂組成物における熱ラジカル重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂(アクリレート系共重合体、並びに任意で使用される後述の多官能アクリル系モノマー及び多官能アクリル系オリゴマーの合計)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
〔c〕多官能アクリル系モノマー、多官能アクリル系オリゴマー
本発明の樹脂組成物は、硬化物の特性を制御したり、向上させたりする目的で、多官能アクリル系モノマー及び/又は多官能アクリル系オリゴマーをさらに含むことができる。アクリル系モノマー、多官能アクリル系オリゴマーは、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤によって発生したラジカルの作用によりアクリレート系共重合体とラジカル共重合して架橋し得る化合物であることができる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(DPPA)、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような、多価アルコールの(メタ)アクリレートやこれらのオリゴマーを挙げることができる。多価アルコールは、その分子内にエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合を有していてもよい。多官能アクリル系モノマー、多官能アクリル系オリゴマーは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物における多官能アクリル系モノマー及び多官能アクリル系オリゴマーの合計含有量は、印刷特性の悪化を防止する観点から、アクリレート系共重合体100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部である。
〔d〕溶剤
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。使用し得る溶剤の例を挙げれば、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフタ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ(登録商標)#100〔エクソン化学(株)〕、ソルベッソ(登録商標)#150〔エクソン化学(株)〕等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル及びエーテルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メシチルオキサイド、メチルイソアミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。なかでも、塗膜の乾燥速度や樹脂組成物の均一分散性の観点から、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等が好ましい。溶剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のほか、本発明の樹脂組成物は、例えばシリカなどの無機物や、カップリング剤などの密着性向上成分のような添加剤を必要に応じて含むことができる。
<受容層付き基板>
図1は、本発明に係る受容層付き基板の表面に導電性ペーストのパターン(配線パターン)を形成したときの状態を示す模式的な断面図である。図1に示されるように、本発明の受容層付き基板は、基板10と、基板10の表面上に形成される受容層11とを含む。この受容層11の表面上に導電性ペースト12によるパターンを印刷することにより、配線基板を得ることができる。本発明の受容層付き基板は、受容層11が上述のアクリレート系共重合体又はこれを含む樹脂組成物からなるので、受容層11の上に導電性ペースト12を印刷しても導電性ペースト12がかすれにくく、かつ滲みにくく、印刷特性に優れる。
また受容層11は、硬化性に優れており、低温・短時間で硬化することができる。例えば、130℃、15分又はそれよりも緩い硬化条件、さらには、100℃、5分又はそれよりも緩い硬化条件でも、十分な架橋密度で硬化することができ、受容層11の硬化物は、耐溶剤性及び耐熱性に優れている。
受容層11は、上述のアクリレート系共重合体又は樹脂組成物を、例えばバーコーター法、ロールコーター法、スクリーン印刷法のようなコーティング法で塗布することにより形成できる。受容層11を形成する前に、放電処理や紫外線照射によって基板10を表面処理してもよいし、基板10の表面にシランカップリング剤を塗布することによってプライマーを形成して表面処理を行ってもよい。
受容層11の厚みは特に制限されないが、通常0.1〜20μm程度である。本発明に係る受容層11が示す優れた印刷特性は、十分に小さい膜厚でも発揮されるので受容層11は十分に小さい厚みを有することができる。これにより、基板10自体の特性を阻害することなく、基板10上に受容層11を形成することができる。
基板10としては、アクリレート系共重合体を弾くことなくコーティングできる材料であれば、特に限定されず、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルムや、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板などを挙げることができる。金属箔を基板として用いることもできる。
導電性ペースト12は、金属成分等の導電性成分、有機成分及び溶剤を含むインク組成物であることが好ましい。導電性成分としては、Ag、Cu、Pd、Au及びPtからなる群より選択される1種以上の金属;炭素粉末;前述した金属の酸化物や有機金属化合物を用いることができる。
有機成分としては、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂のような樹脂の他、低分子量化合物を用いることも可能である。有機成分は、カルボキシル基又はフェノール性水酸基のような酸性官能基を有するものであることが好ましく、有機成分が樹脂である場合、当該樹脂は、主鎖や側鎖の末端に酸性官能基を有することができる。
カルボキシル基を有する有機成分の具体例は、酸無水物、脂肪酸、(メタ)アクリル酸、末端にカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂及びアクリル系樹脂を含む。フェノール性水酸基を有する有機成分の具体例は、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾルシノール誘導体、ナフトール誘導体を含む。
導電性ペースト12に含まれる溶剤は、極性の低い溶剤を主に含むものであることが好ましい。極性の低い溶剤とは、エステル基、エーテル基、ケトン基等の官能基を有する溶剤であり、例えばトルエン、キシレン、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
本発明の受容層付き基板は、上記の導電性ペーストのみに適用されるものではなく、例えばインクジェットプリンタによって塗布されるインク等の他、従来公知のインクに対しても有効に効果を発揮する。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<製造例1〜6:アクリレート系共重合体の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却機を備えたフラスコに、表1に示されるモノマーうち、メタクリル酸2−イソシアナトエチル(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート)以外のモノマーを表1に示されるモル比で仕込み、溶媒としてメチルイソブチルケトン、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアートを入れ、窒素雰囲気下、80℃で6時間、次いで105℃で1時間攪拌した。次に、表1に示されるモル比で、メタクリル酸2−イソシアナトエチルを加え、さらにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びジオクチル錫〔日東化成(株)製「ネオスタン U−810」〕を加えた後、75℃で4時間撹拌して、アクリレート系共重合体溶液を得た。
なお、製造例5及び6においては、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアートの代わりに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を用いた。表1は、使用した各モノマーのモル比を示している。
Figure 2015059160
また、得られたアクリレート系共重合体におけるモノマー単位(1)〜(3)及びその他のモノマー単位の含有量(モル%)、アクリレート系共重合体の重量平均分子量(Mw)、並びに得られたアクリレート系共重合体溶液の固形分濃度(重量%)を表2に示す。
Figure 2015059160
重量平均分子量は、ポンプ〔製品名:ポンプPU−2080plus(JASCO製)〕、検出器〔製品名:RI−2030plus(JASCO製)〕、デガッサー〔製品名:DG−2080−53(JASCO製)〕、恒温槽〔製品名:CO-2065plus(JASCO製)〕で構成したSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定装置により測定した。なお、SEC測定のカラムとしては、Shodex(登録商標)のKF−805L(昭和電工株式会社製)を用いた。
<実施例1〜4、比較例1〜2>
製造例1で得られたアクリレート系共重合体溶液を用い、樹脂組成物を調製した(実施例1)。樹脂組成物としては、アクリレート系共重合体溶液自体からなるもの;熱ラジカル重合開始剤として、アクリレート系共重合体溶液に、その固形分に対して2.5重量%のパーブチルO〔化学名:t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、株式会社日油製〕を添加したもの;熱ラジカル重合開始剤として、アクリレート系共重合体溶液に、その固形分に対して2.5重量%のパーヘキサHC〔化学名:1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、株式会社日油製〕を添加したもの、の3種類を調製した。
製造例2〜4(それぞれ実施例2〜4)及び製造例5〜6(それぞれ比較例1〜2)についても実施例1と同様にして、3種類の樹脂組成物を調製した。
<比較例3>
メタクリル酸メチル:メタクリル酸n−ブチル:メタクリル酸グリシジル=0.28:0.56:0.16(モル比)のモノマー組成からなるアクリレート系共重合体と、メタクリル酸ジメチルアミノエチル:メタクリル酸2−テトラヒドロピラニル:アクリル酸ブチル:スチレン=0.15:0.10:0.28:0.47(モル比)のモノマー組成からなるアクリレート系共重合体とを、固形分比50/50の比率で混合し、樹脂組成物を得た。
<性能評価試験>
得られた樹脂組成物について、次の性能評価試験を行った。
(印刷特性)
熱ラジカル重合開始剤を含有しない樹脂組成物を、PETフィルムからなる基板上に塗布した後、45℃で30分間放置し、基板上に受容層を形成した。次いで、スクリーン印刷版として、SUS304製、線径23μm、平織りカレンダー加工・黒染め有り・400番メッシュ(40μm厚)に13μmの厚みの樹脂を塗布したものを準備した。
このスクリーン印刷版を用い、スクリーン印刷機〔製品名:LS−150(ニューロング精密工業株式会社製)〕によって、スキージ幅170mm、スキージ速度30mm/s、スキージ角度70°、印圧0.15MPa、背圧0.1MPa、クリアランス1.5mmというスキージ条件で導電性ペーストを塗布することにより、幅約55μmを基準とする導電性ペーストのパターンを印刷した。導電性ペーストには、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを含み、金属成分としてAgを含み、有機成分としてフェノール樹脂とアクリル樹脂とを含むもの〔製品名:CA−2503−4(大研化学工業株式会社製)〕を用いた。
印刷された導電性ペーストの線幅を観察し、線幅が広がっている箇所と線幅が狭くなっている箇所をそれぞれ5箇所(計10箇所)選択し、これらの線幅を測定した。これら10箇所の線幅の中から、最大の線幅と最小の線幅を選択し、これらの差を求め、次の評価基準に基づいて印刷特性を評価した。結果を表3に示す。
A:最大線幅と最小線幅との差が15μm未満、
B:最大線幅と最小線幅との差が15μm以上25μm未満、
C:最大線幅と最小線幅との差が25μm以上30μm未満、
D:最大線幅と最小線幅との差が30μm以上又はパターンが断線している。
なお、受容層を形成せず、基板上に直接、導電性ペーストのパターンを印刷したときの、最大線幅と最小線幅との差は31.6μmであった。
また、上記10箇所の線幅の平均値を求めた。結果を表3に示す。
(硬化性)
パーブチルOを含む樹脂組成物及びパーヘキサHCを含む樹脂組成物について、硬化性を評価した。具体的には、レオメーターを用いて加熱時における樹脂組成物の粘弾性を測定し、位相角が急激に減少し始める温度を測定し、この温度を硬化温度と定義した。また、レオメーターを用いて各硬化温度での等温保持過程における樹脂組成物の粘弾性を測定し、位相角の減少が収束するまでに要した時間を測定し、この温度を硬化時間と定義した。そして、次の評価基準に基づいて印刷特性を評価した。結果を表3に示す。
A:硬化温度が100℃以下、かつ、硬化時間が5分以下、
B:硬化温度が130℃以下、かつ、硬化時間が15分以下、
C:硬化温度が130℃以上、
D:硬化しない。
なお、実施例1〜4及び比較例1〜2の樹脂組成物は、横軸を温度、縦軸を位相角とする粘弾性特性グラフにおいて、位相角が極めて急激に減少した(位相角が減少し始める温度と、再び一定の位相角を示すようになる温度との差が極めて小さかった)。一方、比較例3の樹脂組成物における位相角が減少し始めてからの減少の仕方は、実施例1〜4及び比較例1〜2と比べてかなりなだらかであった。
また、熱ラジカル重合開始剤を含有しない樹脂組成物について、硬化性を評価したところ、比較例3の樹脂組成物は硬化性を示し、その評価はCであった。実施例1〜4及び比較例1〜2の樹脂組成物の評価はDであった。
(接触角)
熱ラジカル重合開始剤を含有しない樹脂組成物を、PETフィルムからなる基板上に塗布した後、45℃で30分間放置し、基板上に受容層を形成した。次いで、液体試料の液滴を受容層上に置き、接触角測定装置〔協和界面科学社製DropMaster DMs−400〕を用いて接触角を測定した。液体試料には、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレン、純水の3種を用いた。結果を表3に示す。
(表面自由エネルギー)
上で得られた接触角の値から、協和界面科学社製FAMAS表面自由エネルギー解析アドインソフトウェアを用い、「北崎−畑」理論より算出した表面自由エネルギーγ(γ=γd+γp+γh)を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2015059160
10 基板、11 受容層、12 導電性ペースト。

Claims (5)

  1. 下記式(1):
    Figure 2015059160
    〔式中、XはN(CH32又はN(C252を表し、R1はH又はCH3を表す。〕
    で示されるモノマー単位を1〜30mol%と、
    下記式(2):
    Figure 2015059160
    〔式中、R2、R3はそれぞれ独立してH又はCH3を表す。〕
    で示されるモノマー単位を1〜30mol%と、
    下記式(3):
    Figure 2015059160
    〔式中、R4はH又はCH3を表し、R5はC1〜C12のアルキル基を表す。〕
    で示されるモノマー単位を40〜98mol%と、
    を含み、
    重量平均分子量が80000以上である、アクリレート系共重合体。
  2. 請求項1に記載のアクリレート系共重合体と、ラジカル重合開始剤とを含む、樹脂組成物。
  3. 熱硬化性である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 基板と、
    前記基板上に積層される、請求項1に記載のアクリレート系共重合体、請求項2〜3に記載の樹脂組成物のいずれかを含む受容層と、
    を備える、受容層付き基板。
  5. 基板と、
    前記基板上に積層される、請求項3に記載の樹脂組成物からなる受容層と、
    前記受容層上に配置される導電性ペーストと、
    を備える、受容層付き基板。
JP2013193071A 2013-09-18 2013-09-18 アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板 Pending JP2015059160A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013193071A JP2015059160A (ja) 2013-09-18 2013-09-18 アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013193071A JP2015059160A (ja) 2013-09-18 2013-09-18 アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015059160A true JP2015059160A (ja) 2015-03-30

Family

ID=52816953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013193071A Pending JP2015059160A (ja) 2013-09-18 2013-09-18 アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015059160A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020027103A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、並びに、重合体、(メタ)アクリル系エラストマー及びシート
JP2021143300A (ja) * 2020-03-13 2021-09-24 日油株式会社 硬化物の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5098527A (en) * 1988-09-21 1992-03-24 Ciba-Geigy Corporation Method of making electrically conductive patterns
JPH11158223A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Dainippon Ink & Chem Inc エネルギー線硬化性アクリル樹脂組成物の製造方法
JP2002226530A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Showa Highpolymer Co Ltd 硬化性樹脂組成物
JP2006070052A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Kansai Paint Co Ltd 帯電防止剤、帯電防止塗料、帯電防止膜形成方法、及び帯電防止膜形成物品
JP2012184384A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Wakayama Prefecture アクリレート系共重合体、およびそれを含む樹脂組成物、ならびにそれをコーティングした受容層付き基板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5098527A (en) * 1988-09-21 1992-03-24 Ciba-Geigy Corporation Method of making electrically conductive patterns
JPH11158223A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Dainippon Ink & Chem Inc エネルギー線硬化性アクリル樹脂組成物の製造方法
JP2002226530A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Showa Highpolymer Co Ltd 硬化性樹脂組成物
JP2006070052A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Kansai Paint Co Ltd 帯電防止剤、帯電防止塗料、帯電防止膜形成方法、及び帯電防止膜形成物品
JP2012184384A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Wakayama Prefecture アクリレート系共重合体、およびそれを含む樹脂組成物、ならびにそれをコーティングした受容層付き基板

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020027103A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、並びに、重合体、(メタ)アクリル系エラストマー及びシート
JPWO2020027103A1 (ja) * 2018-07-31 2021-08-02 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、並びに、重合体、(メタ)アクリル系エラストマー及びシート
JP7330978B2 (ja) 2018-07-31 2023-08-22 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、並びに、重合体、(メタ)アクリル系エラストマー及びシート
JP2021143300A (ja) * 2020-03-13 2021-09-24 日油株式会社 硬化物の製造方法
JP7385830B2 (ja) 2020-03-13 2023-11-24 日油株式会社 硬化物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5954957B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
US20200006087A1 (en) Method for manufacturing electronic component, resin composition for temporary protection, and resin film for temporary protection
JP5955076B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
JP7287432B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び樹脂組成物の製造方法
JP5979953B2 (ja) 透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
JP5904860B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
JP2013018937A (ja) 光学部材用粘着剤および粘着剤層付き光学部剤、ならびに画像表示装置
WO2017078052A1 (ja) 第1保護膜形成用シート
JP5014299B2 (ja) 耐傷つき性良好な紫外線硬化型カチオン電着塗料用組成物及びその塗膜
JP2014074158A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびこれを用いてなるコーティング剤組成物
JPWO2020100696A1 (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体ウエハ加工用接着フィルム
JP5350855B2 (ja) 光学部材用粘着剤およびそれを用いて得られる粘着剤層付き光学部材
JP6301123B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
JP2015059160A (ja) アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板
EP3733721B1 (en) Photocurable acrylic resin, adhesive composition comprising same, and adhesive film formed by using same
JP2014201709A (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法
CN112449649A (zh) 粘着剂及粘着片
JP2017101100A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤組成物
JP2016172811A (ja) アクリレート系共重合体及びそれを含む樹脂組成物、並びに受容層付き基板
JP2002109957A (ja) 導電性ペースト組成物
TW202302787A (zh) 可固化組合物及其用途
JP5663780B2 (ja) アクリレート系共重合体、およびそれを含む樹脂組成物、ならびにそれをコーティングした受容層付き基板
KR101804598B1 (ko) 광중합에 의한 용제형 점착제 조성물 제조방법
KR101687478B1 (ko) 점착제 조성물, 이를 포함하는 비산방지필름 및 데코필름
JPWO2012124527A1 (ja) 半導体素子接着用樹脂ペースト組成物及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180320