導入として、本願で開示される回路の適用の一例は、ICチップに実装され得るDAC及びADCの両回路における機能ユニットによって必要とされるクロック信号の生成、制御及びアライメントのためである。
本適用の高速DAC及びADC回路は、通常、多数の非常に高速なクロック信号を生成し分配することが必要であり、それらの信号の、互いに対する及び他の回路におけるクロック信号に対するタイミングは、そのような機能ユニット並びにDAC及びADC回路の全体の動作に影響を及ぼすことを特徴とする。
図1は、回路の一例として本発明が用いられ得るDAC及びADC複合回路10の部分を示す概略図である。回路10は、左側に示されているADC回路100と、右側に示されているDAC回路200と、真ん中に示されているクロック生成及び分配回路300とを有する。
DAC回路200はスイッチング回路210を有し、スイッチング回路210はクロック制御回路及びデータ制御回路を有する。スイッチング回路210は、入力されるデータ及びクロック信号に基づき、入力データを表すアナログ信号を出力するよう動作する。
実行中の例として、64Gs/sの所望DACサンプルレートが仮定され、スイッチング回路210へ入力されるデータ信号DATA1乃至DATA4(図示される4つの入力データ信号に対応)は16GHz(すなわち、時間インターリーブされた)データ信号である。4つの入力クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は、4つの時間インターリーブされた16GHzクロック信号であると仮定され、実質的に正弦波(二乗余弦信号)である。
マルチプレキシング/リタイミングの3つの段220、230及び240も一例として示されており、リタイミングが実行される場合に64個の1GHzデータ信号の並列な組を(すなわち、マルチプレキシングが実行される場合に128個の500MHz信号の並列な組を)第1のマルチプレクサ/リタイミング回路240で入力し、それらを64個の1GHzデータ信号の並列な組として第2のマルチプレクサ230へ出力し、次いで第2のマルチプレクサ230が16個の4GHz信号を第3の最後のマルチプレクサ220へ出力し、次いで第3のマルチプレクサ220が上述されたようにデータ信号DATA1乃至DATA4を4個の16GHz信号として出力することを可能にする。
データ信号は差動データ信号であってよく、その場合に、回路210、220、230及び240も差動回路であってよい。
スイッチング回路210は、DAC200の全体における信号セグメント又は“スライス”を表す。よって、最終的な入力デジタル信号の如何なるコーディングも、図1において入力されるデジタル信号の上流で起きていると考えられ、それにより、入力されるそれらの入力デジタル信号は、示されているセグメント又はスライスを対象とした信号でしかない。
DAC200の全体は更なるスライス又はセグメントを有してよく、それらの夫々が自身のマルチプレキシング/リタイミング段220、230及び240を有する。クロック生成及び分配回路300は、セグメントの間で(少なくとも部分的に)共有されてよい(すなわち、少なくとも部分的に、別々に設けられる)。
様々なスライス又はセグメントのアナログ出力は、DAC全体の単一のアナログ出力を生成するよう結合されてよい。例えば、7つのセグメントが、(サーモメータ符号化により)8ビットDACの3つのMSBのための出力を生成するよう設けられてよく、5つのセグメント(それらの出力は2進重み付けされる。)が、5つのLSBのための出力を生成するよう設けられてよい。他の変形例も当然に可能である。例えば、インピーダンスラダーが、欧州特許出願公開第2019490(A1)号明細書(特許文献1)において開示されるように、用いられてよい。
クロック生成及び分配回路300において更に、リファレンスクロック信号REFCLKからクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4を生成し、それらをスイッチング回路210へ供給するよう構成されるクロック発生器310が示されている。更に、入力クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4をとり、次いで、図1に示されるマルチプレキシング/リタイミングの3つの段220、230、240によって必要とされるクロック信号(4GHz及び1GHz)を生成するために、クロック生成の3つの段320、330、340が示されている。クロック発生器310によって生成されるクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は正弦波であるが、クロック生成の3つの段320、330、340によって生成されるクロック信号はそうである必要はなく、スイッチド論理信号であってよい。
同様にして、ADC回路100はサンプラ回路110を有する。先と同じく、シングルエンド又は差分信号のいずれかが使用されてよい。
同様の実行中の例がここで用いられ、すなわち、64Gs/sの所望ADCサンプルレートと、夫々が1:4デマルチプレキシングを実行する120及び130として示されているデマルチプレキシングの2つの段と、サブADCユニット140とを備える。サンプラ回路110は、電流モードにおいて電流ステアリングによって全体として64Gs/sサンプルレートでアナログ入力からサンプルをとり、夫々16Gs/s(ここでは16GHzと表され得る。)で4つのサンプルストリーム(シングルエンド又は差分)を出力するよう構成され、第1のデマルチプレキシング段120は16個の4Gs/s信号を出力し、第2のデマルチプレキシング段120は64個の1Gs/s信号を出力する。
同じクロック生成及び分配回路300は(少なくとも概略的に)然るべくそのクロック信号をADC回路100へ及びDAC回路200へ供給する。特に、サンプラ回路110及びスイッチング回路210から下流で動作する図1に目を向けると、DAC及びADCの両回路において、連続する段における信号は4つの16GHz信号、次いで16個の4GHz信号、そして次いで64個の1GHz信号である。
例えば、如何にしてクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4が図1において用いられ得るのかに関して、何らかのコンテクストを提供するよう、図2乃至4は、図1におけるスイッチング回路210及びサンプラ回路110に対応するDACおよびADC回路を提示する。
図2は、スイッチング回路210の部分を形成することができる差動スイッチング回路500の概略図である。
回路500は、電流源(又は、今回限りで、シンク)が接続されているコモンノードCN(又はテイルノード)を有する。4つのトランジスタSW1乃至SW4が、コモンノードCNと第1出力ノードAとの間に(並列なブランチにおいて)並列接続されて示されている。同様に、4つのトランジスタSW5乃至SW8が、コモンノードCNと第2出力ノードBとの間に並列に接続されて示されている。それらのトランジスタSW1乃至SW8は、以降で出力スイッチと呼ばれる。
出力スイッチSW1乃至SW8のゲートは、示されているようにクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4によって直接駆動されるが、バッファ又はカップリングキャパシタがゲートへのクロック経路に沿って設けられてよい(図示せず。)。データ制御スイッチD1乃至D8は夫々、出力スイッチSW1乃至SW8との直列接続において設けられている。
出力スイッチのゲートをクロック信号により直接駆動することは、良好な制御がそれらのゲートに到達する信号について得られることを条件として、有利である。
図2を見ると、夫々の出力スイッチSW1乃至SW8は、事実上、直列接続されているスイッチ(この場合に、電界効果トランジスタ)の対の1つである。それらのスイッチは、NMOS電界効果トランジスタとして実装されてよい。
クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は、本例において実質的に正弦波である。有効に、4つの等しく時間インターリーブされた正弦クロック信号が供給される。
図2の回路の全体的な動作は、出力スイッチSW1乃至SW8及びデータ制御スイッチD1乃至D8が、使用において、電流源(又はシンク)からの/の電流を、データ制御スイッチD1乃至D8へ印加されるように示されているデータ信号DATA1乃至DATA4の値に応じて、第1出力ノードA又は第2出力ノードBを通って導くように、駆動されるものである。
これを達成するために、出力スイッチSW1及びSW5はクロック信号CLKΦ1を供給され、SW2及びSW6はクロック信号CLKΦ2を供給され、SW3及びSW7はクロック信号CLKΦ3を供給され、SW4及びSW8はクロック信号CLKΦ4を供給される。加えて、データ制御スイッチD1及びD5は夫々データ信号DATA1及びバーDATA1を供給され、D2及びD6は夫々DATA2及びバーDATA2を供給され、D3及びD7は夫々DATA3及びバーDATA3を供給され、D4及びD8は夫々DATA4及びバーDATA4を供給される。
4相クロック信号の効果は、出力スイッチSW1又はSW5のいずれか一方がデータ信号DATA1の値に応じて第1クロック周期又は位相(Φ1)において電流パルスを搬送する点である。同様に、データに応じて、SW2又はSW6は第2クロック周期又は位相(Φ2)において電流パルスを搬送し、SW3又はSW7は第3クロック周期又は位相(Φ3)において電流パルスを搬送し、SW4又はSW8は第4クロック周期又は位相(Φ4)において電流パルスを搬送する。図2中の出力スイッチはNMOSトランジスタであり、そのようなものとして、関連するクロック信号の+veピーク部分においてオンする。
然るに、夫々のクロック周期について、関連するデータ信号の値が1である場合は、電流ItailはノードAを通って導かれ、関連するデータ信号の値が0である場合は、電流ItailはノードBを通って導かれる。加えて、夫々の周期において、データにかかわりなく、(出力スイッチの)2つのトランジスタがオンし、2つのトランジスタがオフする。
図3に表されている16GHz、4相クロック信号の例を鑑み、この動作は64Gs/sの全体的なサンプルレートの例に至ることが認識されるであろう。
出力ノードA及びBは、図2に示されているように、夫々の出力カスコードを介してDAC200の出力スイッチへ接続されている。スイッチング回路の差動出力信号は、このようにして、終端抵抗(図示せず。)によって電流信号又は電圧信号として2つの出力端子の間で測定され得る。
単一ユニットとして図2における直列接続スイッチの各対を見ると、いずれか特定の周期又は状態において、1はオフであり且つ7はオンである。各対の上側スイッチ(出力スイッチ)を見ると、いずれかの状態において、2はオンであり且つ6はオフである。各対の下側スイッチ(データ制御スイッチ)を見ると、いずれかの状態において(理想的な場合において瞬間的であるデータ値の過渡的な変化を無視する。)、4はオンであり且つ4はオフである。
加えて、単一ユニットして各対を見ると、1つの周期から次の周期まで1はオンし且つ1はオフする。各対の上側スイッチ(出力スイッチ)を見ると、1つの周期から次の周期まで2はオンし且つ2はオフする。各対の下側スイッチ(データ制御スイッチ)を見ると、1つの周期から次の周期まで、オフするのと同じ番号がオンするか(データが変化する場合)、あるいは、スイッチはその状態を保つ(データが同じままである場合)。
更に図2を見ると、出力スイッチSW1乃至SW8を有する回路部分は、クロック制御回路520と呼ばれてよく、データ制御スイッチを有する回路部分は、データ制御回路540と呼ばれてよい。クロック制御回路520におけるスイッチは、データ信号によってではなくクロック信号によって制御され、そのようなものとして、それらはデータ非依存であると考えられ得る。反対に、データ制御回路540におけるスイッチは、クロック信号によってではなくデータ信号によって制御され、そのようなものとして、それらはクロック非依存であると考えられ得る。例えば、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は、クロック制御回路520へ、具体的に、出力スイッチSW1乃至SW8(電界効果トランジスタ)のゲートへ連続的に(すなわち、アクティブ動作の間)供給されてよい。
クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4の重要性を説明するよう、図4が参照され得る。
図4は、図2の差動スイッチング回路500の動作をより良く理解するために、上側のグラフにおいてクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4の波形を、及び下側のグラフにおいてIOUTA及びIOUTBと符号を付された出力ノードA及びBで受信される電流の波形を提示する。
上述されたように、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は、時間インターリーブされた二乗(実質的に)余弦波形であり、互いに90度位相がずれている。示されているクロック信号は正弦波であるが、厳密に完璧な正弦波である必要はない。明らかに、本実施形態において、波形の形状は、下側に向かう部分よりも一番上の部分において重要である。
余談として、図3及び図4に示されているクロック信号の数は、図2におけるノードA及びBの夫々への並列な経路の数に関係がある。図2においてノードA及びBの夫々への並列な経路は4つであるから、4つの時間インターリーブされたクロック信号が、互いに90度位相がずれて供給される。ノードA及びBの夫々へのX個の並列な経路が設けられる場合に、X個の時間インターリーブされたクロック信号が、互いに対して(360/X)度位相がずれて供給され得ることが予想される。この場合に、Xは2以上、望ましくは3以上、より望ましくは4以上の整数である。
図4に戻り、更なる説明のために、クロック信号CLKΦ4が太線で強調表示されている。
クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4は、図2に関して既に記載されたように、出力スイッチSW1乃至SW8のゲートを制御する。然るに、出力スイッチ対(なお、対はSW1/SW5、SW2/SW6、SW3/SW7、SW4/SW8である。)は順にオン及びオフされる。それにより、出力スイッチ対のうちの一対はオフしており、順序における次の対がオンしている。更に、それにより、出力スイッチ対のうちの一対が完全にオンされる場合に、残りは実質的にオフされる。上述されたように、一対の出力スイッチがオンされる場合に当該対のどちらのスイッチが電流パルスを搬送するのかは、関連する(DATA1乃至DATA4の)データ信号に依存する。
スイッチSW1乃至SW8を介してコモンノードを通る実質的に全ての電流が電流Itailに等しくなければならないので、いつでもノードA及びBを通って流れる電流の和は実質的にItailに等しくなければならない。上記のデータ制御スイッチD1乃至D8の効果は、従って、電流Itailが、出力スイッチ対がオン及びオフされる順に夫々の出力スイッチ対からの一方のスイッチを通るよう導かされることである。すなわち、出力スイッチ対の1つがオフしており、よって、その出力スイッチの一方がより少ないItailの部分しか搬送せず、順序における次の出力スイッチ対がオンしており、よって、その出力スイッチの一方がItailのより多くを搬送し始める。更に、出力スイッチ対の1つが完全にオンされる場合に、その出力スイッチ対の他方の出力スイッチが実質的にオフされたデータ制御スイッチを直列接続されており且つ他の出力スイッチ対の出力スイッチが実質的にオフされるので、その出力スイッチの一方がItailの実質的に全てを搬送する。
この効果は、図4の下側のグラフにおいて示されている。クロック信号CLKΦ3、Φ4及びΦ1についての3つの出力電流しか簡単のために示されていないが、示されている波形のパターンは、データに依存するIOUTA又はIOUTBについての連続的なピークにより続く。本例では、データシーケンスはDATA3=0(それにより電流はノードBへ伝わる。)、DATA4=1(それにより電流はノードAへ伝わる。)、及びDATA1=0(それにより電流はノードBへ伝わる。)であると仮定される。クロック信号の上側のグラフとの比較のために、クロック信号CLKΦ4に対応する出力電流についての波形は太線で強調表示されている。
図4における下側のグラフのより良い理解を得るために、3つの点600、620及び640が波形Φ4上に示されており、対応する3つの点700、720及び740が対応する電流は形状に示されている。
点600で、波形CLKΦ4はそのピーク値、すなわち、VDDにあり、他のクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ3は実質的にそれらのピーク値を下回っている。然るに、(DATA4=1を鑑み)スイッチSW4及びSW8は完全にオンしており、D4はオンし且つD8はオフし、少なくとも他の出力スイッチ(SW1乃至SW3及びSW5乃至SW7)は実質的にオフである。従って、対応する点700で、電流IOUTAはItailに等しく、電流IOUTBは実質的に零に等しい。
点600に先行する点620で、波形Φ4は、そのピーク値に向かって立ち上がっているが、未だそのピーク値に達していない。また、点620で、波形Φ3は、そのピーク値から立ち下がっている。重要なことは、点620で、クロック信号Φ3及びΦ4は等しい値を有する。従って、スイッチSW3及びSW4並びにSW7及びSW8は、それらのソース端子が共に結合されているので、互いと同一程度にオンする。点620で、クロック信号Φ1及びΦ2はまた互いと等しく、スイッチSW1及びSW2並びにSW5及びSW6がオフすることを確かにする程十分に低い。よって、この時点で、点720で示されるように、電流Itailの半分は(DATA4=1を鑑み)スイッチSW4及びD4を通って流れ、残り半分は(DATA3=0を鑑み)スイッチSW7及びD7を通って流れる。それにより、IOUTB=IOUTA=(Itail)/2である。
点640は、この点でオンされるのがスイッチSW4及びSW1並びにSW8及びSW8である点を除いて、点620と等価である。従って、対応する点740で、IOUTA=IOUTB=(Itail)/2である。
従って、夫々の電流波形についての3つの点(例えば、図4における電流波形IOUTAについての点700、720及び740)は、クロック波形に対しては時間において、及び電流Itailに対しては大きさにおいて固定又は定義されることが認識されるであろう。すなわち、電流IOUTAを一例として、点700で電流はItailに等しく、点720及び740で電流はItailの半分に等しい。点700、720及び740の位置は、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4に対して固定される。同じことが、データに依存するIOUTA又はIOUTBについての次の電流信号パルス又は電荷パケットに当てはまる。点600、620及び640への焦点は、クロック信号の上側部分が重要であること、及び下側部分はそれほど重要でないことを明示する(それにより、例えば、下側部分の正確な形状は厳密には重要でない。)。
よって、(データに依存するIOUTA又はIOUTBについての)波形の電流パルス列は全て同じ形状であり、その形状はクロック信号の二乗余弦形状によって定義される。
ついでに言えば、図の下側半分におけるいずれかの特定の電流パルスがIOUTA又はIOUTBのいずれであるかを決定するために、関連するデータ値は関連するパルスを生成するよう時間において安定しているべきであることが認識されるであろう。例えば、クロック信号CLKΦ4に対応する図4の太線の電流信号の場合に、関連するデータ信号DATA4は少なくとも、5本の垂直な破線に及ぶ時間の期間にわたって、安定しているべきである。例えば、データ信号DATA4は、クロック信号CLKΦ4の底値(負ピーク)で又は略底値で状態を変化させるよう配置されてよい。同様に、データ信号DATA1乃至DATA3の夫々は、それらの夫々のクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ3の底値で又は略底値で状態を変化させるよう配置されてよい。よって、図3において見られるような16GHzクロック信号の実行中の例において、データ信号DATA1乃至DATA4も、それらの夫々のクロック信号の底値で又は略底値で状態を変化させるよう構成される16GHz信号であってよい。
このために、留意すべき点は、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4の正確さが図4の下側部分における電流パルスの正確さ、結果としてDAC回路全体の正確さに作用する点である。加えて、データ信号DATA1乃至DATA4は、正確なタイミングでデータ制御スイッチD1乃至D8へ供給されることが重要である。図2乃至4におけるデータ信号DATA1乃至DATA4は、図1のスイッチング回路210へ入力されるデータ信号DATA1乃至DATA4に対応し、よって、マルチプレキシング/リタイミング段220、230及び240の動作もタイムクリティカルである。
図5は、図1のサンプラ回路110の部分を形成することができるサンプラ回路800を表す。図5は、目下参照され得る欧州特許出願公開第2211468(A1)号明細書(特許文献2)の図10に対応する。図5において、留意すべき点は、サンプリングスイッチSW1乃至SW8が図2の出力スイッチSW1乃至SW8に対応し、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4がまた図2乃至4のクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4に対応する点である。加えて、図3に関連して説明されたクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4の一番上の部分の相対的重要度がまた、特許文献2の図12において説明されるように、図5のサンプリング回路800に当てはまる。サンプリング回路800の詳細な理解は特許文献2において見出され得る。
先と同じく、このために、留意すべき点は、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4の正確さが、図5のサンプリング回路800に同様に当てはまる図4の下側部分における電流パルスの正確さ、結果としてADC回路全体の正確さに作用する点である。加えて、図5におけるノードIOUTA乃至IOUTDで出力されるサンプルストリーム(差動対を構成するよう対応するノードIOUTBA乃至IOUTBDが更に示される。)は、図1のサンプラ回路110から出力されるサンプルストリームに対応する。よって、デマルチプレキシング段120、130の動作もタイムクリティカルである。
図6は、クロック要件の性質を正当に理解するよう、サブADCユニット(ADCバンク140)へ通じるデマルチプレキシング段120、130の構造及び動作をより良く理解するのに有用なADC回路100の部分の略回路図である。
簡単のために、図5のサンプラ回路800の部分に対応するサンプラ回路110の部分しか示されない。すなわち、サンプラ回路800の“プラス”(左側)部分しか示されておらず、一部の要素は簡単のために省略される。
デマルチプレキシング段120及び130に関して、出力IOUTA(図5を参照)のためのデマルチプレキシング回路のみが示される。同様の回路はまた、他の7つの出力IOUTB乃至IOUTD及びIOUTBA乃至IOUTBDに関して設けられ得る。
図6に示されるように、デマルチプレキシング段120及び130は、2つの連続するデマルチプレキシング段を構成する。第1の段120は1:Nデマルチプレキングを実行し、第2の段130は1:Mデマルチプレキシングを実行する。
段120及び130は概して、サンプラ回路110又は800のサンプリングスイッチSWのアレイと同じ構造を有する。すなわち、夫々の段は、コモンテイルノードで共に接続されているソース端子を有する複数のトランジスタ(この場合に、nチャネルMOSFET)を有する。
サンプラ回路800の上記の説明から、一例として“プラス”部分54のみを考えると、回路は、入力電流IINをX個の時間インターリーブされたパルス列に分割することが認識されるであろう。なお、本実施形態ではX=4である。本実施形態において、それらのパルス列は出力部IOUTA乃至IOUTDで供給される。サンプラ回路110は、よって、1:Xデマルチプレキシング機能を実行すると考えられ得る。同じように、サンプラ回路からの夫々の出力は更に、段120によって1:Nデマルチプレキングされ、段120の夫々の出力は更に、段130によって1:Mデマルチプレキシングされ得る。
1つの完全なデマルチプレキシング経路のみが図6に示されている。すなわち、入力電流IINは、X(この場合にX=4)個の出力IOUTA乃至IOUTDを供給するようデマルチプレキシングされる。それらの出力の夫々は次いで、段120によって1:Nデマルチプレキングされるが、これは、最左の出力IOUTAに関してのみ図6では示されている。結果として、その図示される段120からの出力は出力IOUTA10乃至IOUTA1(N−1)である。それらの(全段120にわたる)出力の夫々は次いで、段130によって1:Mデマルチプレキシングされるが、これはやはり、最左の出力IOUTA10に関してのみ図6では示されている。結果として、段130のその示されている部分からの出力はIOUTA1020乃至IOUTA102(M−1)である。対応する出力が段130の残りの部分によって生成される。
サンプラ回路110/800並びにデマルチプレキシング段120及び130は集合的に、1:Zデマルチプレキシング機能を実行する。なお、Z=X×N×Mである。本例では、X=4、N=8及びM=10である。よって、本例は(上記の説明に沿って)1:320デマルチプレキシングを実行し、“プラス”側での320個の出力と、対応する“マイナス”側(図5の右側部分)での対応する320個の出力とをもたらす。
図1を見直すと、デマルチプレキシング段120及び120からの出力信号は、サブADCユニット(ADCバンク)140へ移る。サブADCユニット(ADCバンク)140は、それに入力される夫々の電流パルスの面積に対応するデジタル値を生成するために使用される。
図6から明らかに、デマルチプレキシング段120及び130のトランジスタへ入力される時間インターリーブされたクロック信号のタイミングは、同期化/アライメントされて、正確に順序付けられなければならない。同様の考えは、当然に、マルチプレキシング/リタイミング段220、230及び240のクロック要件についても言える。
実際に、図1において、例えば、16GHz信号CLKΦ1乃至CLKΦ4並びに4GHz及び1GHz信号を含む、多数の非常に高速な時間インターリーブされたクロック信号は、全体の回路10又は100又は200が正確に動作するようクロック信号が適切に同期化されて時間において正確に順序付けられるように、生成及び分配される必要がある。特に、多くの高速クロック信号(例えば、4GHz及び1GHz)は、ADC回路100におけるDEMUX(デマルチプレクサ)120、130及びサブADCユニット140並びにDAC回路200におけるMUX(マルチプレクサ又はリタイマ)220、230及び240によって必要とされる。
図7は、全体のシステム900、例えば、複合信号(DAC又はADC)回路を有する半導体チップ、を表す簡略化された概略図である。複数のADC及びDAC回路は、単一のそのようなシステムにおいて一緒に設けられてよい(夫々のそのような別個のADC又はDAC回路はここで“チャネル”と呼ばれる。)。一例として、4つのADC回路910(すなわち、4つのチャネル)が図7において一緒に示されている。当然に、一緒に設けられるADC/DAC回路の数はシステムごとに様々であってよく、ADC及びDAC回路の組み合わせが提供されてよい。
図7において、ADC回路910は、図1のADC回路100並びにクロック生成及び分配回路300の組み合わせに対応する。
図7において、共通の2GHzリファレンス信号REFCLKは、クロックツリー920を介して4つのADC回路へ供給され、そのリファレンス信号REFCLKは、図1に示されているリファレンス信号REFCLKに対応する。クロックツリー920は、ADC回路910への入力としてのクロック信号が厳密に(理想的には、完全に)同期化される、すなわち、同じであるように、構成される。
また、4つのADC回路910への入力は、別個のアナログ入力信号及びリセット信号である。アナログ入力信号は夫々、図1の回路のADC回路100へのアナログ入力に対応する。リセット信号は、4つのADC回路910に共通に供給されてよい。夫々のADC回路910は、それ自身のデータ信号及び単一の500MHzクロック信号を出力し、夫々の出力データ信号は、図1のADC回路100のデジタル出力データ信号に対応する。
本発明者は、夫々のADC回路910(すなわち、チャネル)の様々な内部動作が適切に同期化されることを如何にして確かにするのか、及び異なるADC回路910(すなわち、チャネル)の間の同期化された動作を如何にして確かにするのかの問題を確認している。例えば、図1乃至6の説明から明らかなように、夫々のADC回路910内で、様々なクロック信号はREFCLKから生成され、500MHzの出力クロック信号を生成する。そのようなものとして、様々な回路素子が用いられ、それらの素子は、(ADC回路910のリセットに関して、)少なくとも部分的に定義されていない様態においてオンライン化され得、それにより、夫々のADC回路内及びそれらの間の両方の同期化問題が生じる。
上記の問題の1又はそれ以上を解決することが望ましい。チャネル(例えば、ADC回路910、又は対応するDAC回路)の間で如何なる高速同期化信号も必要とせずに、且つ夫々のチャネル内又はチャネル間で如何なるタイムクリティカルなリセット信号も必要とせずに、そのような問題を解決することが望ましい。
本発明の第1の態様に従って、1又はそれ以上の入力クロック信号を受信するよう接続され、該入力クロック信号から1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能な相回転回路と、複数のアライメント動作を実行するように、前記相回転回路によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能な制御回路とを有し、前記アライメント動作は、前記出力クロック信号又は該出力クロック信号から導出される派生クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第1の動作と、前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記入力クロック信号又は外部リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号の全てをまとめて回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第2の動作とを含む、信号アライメント回路が提供される。
そのようなクロック信号は、本発明が適用され得る好ましい信号であるが、本発明は、制御又はデータ信号のような他の信号に適用されてよく、開示は然るべく理解されるであろう。
そのような相回転回路は、位相補間回路を有してよい。入力クロック信号は、時間インターリーブされたクロック信号、例えば、4つの時間インターリーブされた正弦クロック信号の組であってよい。出力クロック信号はまた、そのような時間インターリーブされたクロック信号であってよい。入力クロック信号及び出力クロック信号は、同じ形状及び特性周波数を有してよい。
第1の動作は、出力クロック信号の2又はそれ以上を、他の出力クロック信号の2又はそれ以上に対して回転させることを含んでよい。第1の動作は全て、特定の2つの出力クロック信号を、他の特定の2つの出力クロック信号に対して回転させることを含んでよい。所与の位相関係は、出力クロック信号又は派生クロック信号が互いにアライメント又は同期化されて順序付けられる関係であってよい。
第2の動作は、出力/派生クロック信号を、それらの本質的なアライメントを保ちつつそれらをまとめて入力クロック信号又は外部リファレンス信号とのアライメント又は同期化に至らせるように、まとめて回転させることを含んでよい。
第1の動作は、出力クロック信号の間の位相関係を保つために、整数回の全回転(すなわち、360度又は2πラジアンの全相回転)によって前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを含んでよい。
相回転回路は、入力クロック信号の1又はそれ以上に基づき出力クロック信号の1又はそれ以上を生成するよう夫々が動作可能な複数の相回転器(例えば、位相補間器)を有してよい。第1の動作は、相回転器の夫々によって、すなわち、個々に、適用される相回転の量を制御することを含んでよい。
派生クロック信号は、分周によって(例えば、クロック分周器を用いて)出力クロック信号から導出されてよい。第1の動作は、派生クロック信号の間の位相関係を調整するよう整数回の全回転によって出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを含んでよい。
例えば、派生クロック信号は、異なる出力クロック信号を夫々が受信する少なくとも第1及び第2の分周器によって生成されてよい。分周器の夫々は、相回転器の異なる1つからその出力クロック信号を受信してよい。分周器は(最初に)互いに同期化されなくてよい。そのような第1の動作は、派生クロック信号が互いに対してアライメント又は同期化されて順序付けられるという意味で、それらの分周器を同期化に至らせることができる。
第2の動作は、全回転の分数量によって、例えば、全回転に及ばずに、出力クロック信号を回転させることを含んでよい。第2の動作は、一連のステップにおいて出力クロック信号を回転させることを含んでよく、夫々のステップは45度より小さく、望ましくは15度より小さく、より望ましくは6度より小さい。
当該信号アライメント回路は、信号の少なくとも対の間の位相差を検出するよう動作可能な位相検出回路を有してよい。制御回路は、位相検出回路によって検出された1又はそれ以上の位相差に応じて第1及び第2の動作を実行するよう動作可能であってよい。
位相検出回路は、少なくとも第1及び第2の派生クロック信号の間の位相差を検出するよう動作可能な派生信号位相検出器を有してよい。制御回路は、派生信号位相検出器によって検出された位相差に応じて第1の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作可能であってよい。
位相検出回路は、少なくとも1つの出力又は派生クロック信号と外部リファレンス信号との間の位相差を検出するよう動作可能な外部リファレンス位相検出器を有してよい。制御回路は、外部リファレンス位相検出器によって検出された位相差に応じて第2の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作可能であってよい。
位相検出回路は、少なくとも1つの出力又は派生クロック信号と少なくとも1つの入力クロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能な入出力位相検出器を有してよい。制御回路は、入出力位相検出器によって検出された位相差に応じて第2の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作可能であってよい。
相回転回路は、デジタル入力に基づき動作するよう構成されてよい。制御回路は、適用される相回転の量をデジタル制御するようにデジタル入力を相回転回路へ供給するよう動作可能であってよい。
制御回路は、第2の動作の前に第1の動作を実行するよう動作可能であってよい。制御回路は、出力又は派生クロック信号と入力クロック信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように他の第2の動作(b)を実行する前に、出力又は派生クロック信号と外部リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように第2の動作(a)を実行するよう動作可能であってよい。
本発明の第2の態様に従って、本発明の上記の第1の態様に従う信号アライメント回路と、少なくとも1つの入力クロック信号に基づきデータを処理するよう構成される第1のクロック制御回路と、少なくとも1つの出力又は派生クロック信号に基づきデータを処理するよう構成される第2のクロック制御回路とを有するデータ処理回路が提供される。
そのようなデータ処理回路は、処理されたデータをデジタル形式とアナログ形式との間で変換するよう動作可能なデジタル−アナログコンバータ回路又はアナログ−デジタルコンバータ回路であってよい。
本発明の第3の態様に従って、本発明の上記の第1の態様に従う信号アライメント回路の複数組、又は本発明の上記の第2の態様に従うデータ処理回路の複数組を有し、外部リファレンス信号がそれら複数組の回路の夫々について同じであるシステムが提供される。
そのようなシステムにおいて、複数組の回路は、それらの第1及び第2の動作を互いに並行して実行するよう構成されてよい。そのようなシステムにおいて、少なくとも一組のデータ処理回路はデジタル−アナログコンバータ回路であり、少なくとも一組のデータ処理回路はアナログ−デジタルコンバータ回路であることができる。
本発明の第4の態様に従って、本発明の上記の第1の態様に従う信号アライメント回路、又は本発明の上記の第2の態様に従うデータ処理回路、又は本発明の上記の第3の態様に従うシステムを有するICチップが提供される。
本発明の第5の態様に従って、1又はそれ以上の入力クロック信号を受信するよう接続され、該入力クロック信号から1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能な相回転回路を有する信号アライメント回路において使用される方法であって、前記出力クロック信号又は該出力クロック信号から導出される派生クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第1の動作と、前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記入力クロック信号又は外部リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号の全てをまとめて回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第2の動作とを含む方法が提供される。
本発明の第6態様に従って、1又はそれ以上の入力クロック信号を受信するよう接続され、該入力クロック信号から1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能な相回転回路と、少なくとも、前記出力クロック信号の1つ又はそれに基づく信号である第1の信号と、同期化リファレンス信号である第2の信号との間の位相差を検出するよう動作可能な位相検出回路と、前記出力クロック信号又はそれに基づく信号と前記同期化リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、前記検出された位相差に応じて、前記相回転回路によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能な制御回路とを有する信号アライメント回路が提供される。
第2の信号は、入力若しくは出力クロック信号又はそれに基づく信号の1つであってよく、第1の信号とは異なる信号である。第2の信号は、入力若しくは出力クロック信号又はそれに基づく信号の1つ以外の信号であってよい。第2の信号は、リファレンスクロック信号であってよい。
相回転回路は、対応する1又はそれ以上の入力クロック信号に基づき1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう夫々が動作可能な複数の相回転器を有してよい。制御回路は、出力クロック信号又はそれに基づく信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、相回転器の夫々によって(個々に)適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。
相回転器の対応する1つの出力クロック信号又は信号を受信して、それらの出力クロック信号に基づき派生クロック信号を生成するよう夫々が接続されている複数のクロック信号発生器が設けられてよい。位相検出回路は、異なるクロック信号発生器によって生成された少なくとも第1及び第2の派生クロック信号の間の位相差を検出するよう動作可能な派生信号位相検出器を有してよい。制御回路は、派生クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、派生信号位相検出器によって検出された位相差に応じて、相回転器の少なくとも1つによって適用される相回転の量を、相回転器の他の1つによって適用される相回転に対して制御するよう動作可能であってよい。
相回転回路は、第1及び第2の相回転器を有してよい。第1の相回転器は、入力クロック信号の一部又は全てを受信するよう接続され、それらから第1及び第3の出力クロック信号を生成するよう動作可能であってよい。第2の相回転器は、入力クロック信号の一部又は全てを受信するよう接続され、それらから第2及び第4の出力クロック信号を生成するよう動作可能であってよい。
入力クロック信号は、4相クロック信号の夫々の位相であってよい。
第1及び第3の出力クロック信号は、実質的に逆位相にあってよい。第2及び第4の出力クロック信号は、実質的に逆位相にあってよい。第1及び第3の出力クロック信号は夫々、第2及び第4の出力クロック信号と実質的に直角位相にあってよい。
第1及び第2の分周器を備えるクロック制御回路が設けられてよい。第1の分周器は、第1の相回転器の出力信号を受信して、第1の分周(派生)クロック信号を出力するよう動作可能であってよい。第2の分周器は、第2の相回転器の出力信号を受信して、第2の分周(派生)クロック信号を出力するよう動作可能であってよい。派生信号位相検出器は、第1及び第2の派生クロック信号としての少なくとも1つの第1の分周クロック信号及び少なくとも1つの第2の分周クロック信号の間の位相差を検出するよう動作可能であってよい。
制御回路は、相回転器の1つに、その出力クロック信号又は信号の位相を、相回転器の他の1つによって適用される回転に対して整数回の全回転だけ回転させることによって、制御を実行するよう動作可能であってよい。
制御回路は、相回転器の1つに、その出力クロック信号又は信号の位相を、整数回の全回転だけ回転させ、且つ、相回転の他の1つに、その適用される相回転の量を維持させることによって、制御を実行するよう動作可能であってよい。
位相検出回路は、少なくとも1つの出力クロック信号又はそれに基づく信号とリファレンスクロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能な外部リファレンス位相検出器を有してよい。制御回路は、少なくともその出力クロック信号とリファレンスクロック信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、外部リファレンス位相検出器によって検出された位相差に応じて、相回転回路によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。制御回路は、相回転回路に、出力クロック信号をまとめて同じ量(1倍以上)だけ回転させることによって、制御を実行するよう動作可能であってよい。その量は、実質的に4分の1回転より小さく、望ましくは実質的に6度より小さくてよい。
位相検出回路は、少なくとも1つの出力クロック信号と少なくとも1つの入力クロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能な入出力位相検出器を有してよい。制御回路は、少なくともそれらの出力及び入力クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、入出力位相検出器によって検出された位相差に応じて、相回転回路によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。制御回路は、相回転回路に、出力クロック信号をまとめて同じ量(1倍以上)だけ回転させることによって、制御を実行するよう動作可能であってよい。その量は、実質的に4分の1回転より小さく、望ましくは実質的に6度より小さくてよい。
制御回路は、外部リファレンス位相検出器又は入出力位相検出器によって検出された位相差に応じて制御を実行する前に、派生信号位相検出器によって検出された位相差に応じて制御を実行するよう構成されてよい。制御回路は、第1の制御動作として、派生信号位相検出器によって検出された位相差に応じて制御を実行し、次いで、第2の制御動作として、外部リファレンス位相検出器によって検出された位相差に応じて制御を実行し、次いで、第3の制御動作として、入出力位相検出器によって検出された位相差に応じて制御を実行するよう構成されてよい。
相回転回路は、1又はそれ以上の位相補間器を有してよい。当該信号アライメント回路は、デジタル−アナログコンバータ回路又はアナログ−デジタルコンバータ回路の部分であってよい。
本発明の第7の態様に従って、本発明の上記の第6の態様に従う信号アライメント回路と、少なくとも1つの入力クロック信号又はそれから導出されるクロック信号に基づきデータを処理するよう構成される第1のクロック制御回路と、少なくとも1つの出力クロック信号又はそれに基づく信号に基づきデータを処理するよう構成される第2のクロック制御回路とを有するデータ処理回路が提供される。
そのようなデータ処理回路は、処理されたデータをデジタル形式とアナログ形式との間で変換するよう動作可能なデジタル−アナログコンバータ回路又はアナログ−デジタルコンバータ回路であってよい。
本発明の第8の態様に従って、本発明の上記の第6の態様に従う信号アライメント回路の複数組、又は本発明の上記の第7の態様に従うデータ処理回路の複数組を有し、外部リファレンス信号がそれら複数組の回路の夫々について同じであるシステムが提供される。そのようなシステムにおいて、そのようなシステムにおいて、少なくとも一組のデータ処理回路はデジタル−アナログコンバータ回路であり、少なくとも一組のデータ処理回路はアナログ−デジタルコンバータ回路であることができる。
本発明の第9の態様に従って、本発明の上記の第6の態様に従う信号アライメント回路、又は本発明の上記の第7の態様に従うデータ処理回路、又は本発明の上記の第8の態様に従うシステムを有するICチップが提供される。
本発明の第10の態様に従って、1又はそれ以上の入力クロック信号を受信し、1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するように前記入力クロック信号に制御可能な量の相回転を適用することと、少なくとも、前記出力クロック信号の1つ又はそれに基づく信号である第1の信号と、同期化リファレンス信号である第2の信号との間の位相差を検出することと、前記出力クロック信号又はそれに基づく信号と前記同期化リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、前記検出された位相差に応じて、相回転回路によって適用される相回転の量を制御することを含む方法が提供される。
そのような方法は、対応する1又はそれ以上の入力クロック信号に基づき1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう夫々が動作可能な複数の相回転器と、該相回転器の対応する1つの出力クロック信号又は信号を受信して、それらの出力信号に基づき派生クロック信号を生成するよう夫々が接続されている複数のクロック信号発生器とを有する信号アライメント回路において使用されてよく、当該方法は、異なるクロック信号発生器によって生成された少なくとも第1及び第2の派生クロック信号の間の位相差を検出し、その検出された位相差に応じて、派生クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、位相回転器の少なくとも1つによって適用される相回転の量を、位相回転器の他の1つによって適用される相回転に対して制御することを含む第1の制御動作と、少なくとも1つの出力クロック信号又はそれに基づく信号とリファレンスクロック信号との間の位相差を検出し、その検出された位相差に応じて、少なくともその出力クロック信号とリファレンスクロック信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、出力クロック信号に適用される相回転の量を制御することを含む第2の制御動作と、少なくとも1つの出力クロック信号と少なくとも1つの入力クロック信号との間の位相差を検出し、その検出された位相差に応じて、少なくともそれらの出力クロック信号と入力クロック信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、出力クロック信号に適用される相回転の量を制御することを含む第3の制御動作とを含む。
第1、第2及び第3の制御動作は、その順序において実行されてよい。第1、第3及び第2の制御動作は、その順序において実行されてよい。
本発明の実施形態によれば、チャネルの間で如何なる高速同期化信号も必要とせずに、且つ夫々のチャネル内又はチャネル間で如何なるタイムクリティカルなリセット信号も必要とせずに、各チャネル内及びチャネルどうしの同期化させることが可能となる。
ここで、一例として、添付の図面が参照され得る。
図8は、本発明を具現するシステム1000の概略図である。システム1000は、クロック発生器A1010、相回転回路1020、クロック発生器B1030、位相検出回路1040、制御回路1050、クロック制御回路A1060、及びクロック制御回路B1070を有する。
クロック発生器A1010は、リファレンスクロック信号REFCLKを受信するよう接続されており、その信号に基づき、1又はそれ以上のクロック信号を生成する。生成されたクロック信号は、それらがシステムの他の要素の動作を制御又は支配するので、ソース又は入力クロック信号と呼ばれることがある。便宜上、下記の説明は、複数の入力クロック信号が生成されることを前提とする。クロック発生器A1010は、時間インターリーブされた入力信号、例えば、時間インターリーブされた正弦波入力信号の組を生成してよい。その組は、4つのそのような入力信号を含んでよい。
相回転回路1020は、入力クロック信号を受信するよう接続されており、制御可能な量の相回転をそれらの入力クロック信号に適用して1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能である。相回転回路1020は、出力信号の全てをまとめて、又は個々に、又は対/グループで相回転させるよう構成されてよい。
クロック発生器B1030は、出力クロック信号を受信するよう接続されており、出力クロック信号に基づき派生クロック信号の組を生成又は導出する。二組のそのような派生クロック信号が図8には示されているが、1又はそれ以上のそのような組が生成されてよい。クロック発生器B1030は、例えば、分周器として機能してよく、出力クロック信号よりも低い特性周波数を有する派生クロック信号を生成する。
クロック制御回路A1060は、入力クロック信号を受信するよう接続されており、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。クロック制御回路B1070は、派生クロック信号を受信するよう接続されており、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。当然、クロック制御回路B1070は、出力クロック信号を受信するよう接続されて、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能であってもよい。
クロック制御回路A1060及びB1070は、(デジタル又はアナログの形で)データを処理するものとして示されている。更に、必須ではないが、それらの回路は、互いの間でそのようなデータ信号を入力及び/又は出力するように示されている。そのようなクロック制御回路は、デジタル−アナログコンバータ回路又はアナログ−デジタルコンバータ回路の部分を形成してよい。
位相検出回路1040は、入力、出力及び派生クロック信号(又はそれらに基づく信号)の1又はそれ以上を受信するように示されている。それはまた、クロック制御回路A1060又はクロック制御回路B1070内からの1又はそれ以上の信号を受信してよい。それは、それらの信号の全て、又は単にそれらの信号の1又はそれ以上を受信してよい。
位相検出回路1040は、少なくとも第1及び第2の信号の間の位相差を検出するよう動作可能である。第1の信号は、上記の受信された信号(又はそれらに基づく信号)の1つであり、第2の信号は、図示されるように同期化リファレンス信号である。
第2の信号は、(簡単のために明示されていないが、)第1の信号とは異なる信号である入力、出力又は派生クロック信号(又はそれらに基づく信号)であってよい。例えば、第1及び第2の信号は、2つの異なる派生クロック信号であってよい。第2の信号はまた、入力、出力又は派生クロック信号(又はそれらに基づく信号)の1つ以外の他の信号であってよい。例えば、第2の信号は、外部源から供給されるリファレンスクロック信号であってよい。
位相検出回路1040は、明らかになるであろうように、異なる制御動作中の異なる第1及び第2の信号の間の位相差を検出するよう動作可能であってよい。
制御回路1050は、出力クロック信号又はそれに基づく信号と同期化リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように、位相検出回路1040による検出結果(すなわち、検出された位相差)に応じて、図示されるように制御信号を用いて、相回転回路1020によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能である。
例えば、第1の制御動作において、位相検出回路1040は、異なる派生クロック信号の間の位相差を検出するよう動作可能であってよく、制御回路1050は、派生クロック信号をアライメントの所望のパターンにおいて互いとアライメントするように、相回転回路1020によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。そのような動作、又は一連のそのような動作を通じて、派生クロック信号の全てを互いとアライメント/同期化することが可能であることができる。これは、クロック制御回路B1070が望むように動作することを確かにする効果を有することができる。
他の例として、第2の制御動作において、位相検出回路1040は、出力又は派生クロック信号と外部源から供給されたリファレンスクロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能であってよく、制御回路150は、出力及び/又は派生クロック信号をリファレンスクロック信号とアライメント/同期化/配置するように、相回転回路1020によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。そのような動作、又は一連のそのような動作を通じて、派生/出力クロック信号の全てをリファレンスクロック信号とアライメント/同期化することが可能であることができる。これは、システム1000(チャネルを表す。)及び他のそのようなシステム1000(他のチャネルを表す)が同じリファレンスクロック信号を供給されて、そのような第2の制御動作を受ける場合に、システム1000が他のシステム1000と同期して動作することを確かにする効果を有することができる。
更なる例として、第3の制御動作において、位相検出回路1040は、出力又は派生クロック信号と入力クロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能であってよく、制御回路1050は、出力及び/又は派生クロック信号を入力クロック信号とアライメント/同期化/配置するように、相回転回路1020によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能であってよい。そのような動作、又は一連のそのような動作を通じて、派生/出力クロック信号の全てを入力クロック信号とアライメント/同期化することが可能であることができる。これは、クロック制御回路B1070がクロック制御回路A1060と同期して動作することを確かにする効果を有することができる。例えば、クロック制御回路A1060及び/又はクロック制御回路B1070にはスイッチング又は他の遅延が存在することがあり、そのような第3の制御動作は、あらゆるそのような遅延を無効にするようそれらの回路の動作を互いに対して調整し、それらの回路がデータ信号を共に望むように処理することを可能にするのに適切であることができる。
図9は、本発明を具現するシステム2000の概略図である。明らかになるであろうように、システム2000は、アナログ−デジタルコンバータ回路の機能性を備え、図1のADC回路100並びにクロック生成及び分配回路300に対応する。1つのADCチャネルが図9には示されるが、図7において見られるように、他が同じチップ上に存在してよいことが理解される。
システム2000は、クロック発生器A2010、相回転回路2020、クロック発生器B2030、位相検出回路(これの要素は以下で論じられるように図9において特定される。)、制御回路(コントローラ)2050、クロック制御回路A2060、及びクロック制御回路B2070を有し、それらは、図8における等価な要素に対応する(そのようなものとして、類似する参照符号により表される。)。
クロック発生器A2010は4相クロック発生器であり、本例では2GHz信号であるリファレンスクロック信号REFCLKを受信するよう接続されている。クロック発生器A2010は、4相16GHz正弦入力クロック信号を出力するよう動作可能である。4×16GHz出力信号が図9に示されており、図3において表されている16GHzの4相クロック信号に対応し、すなわち、クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4を含む。
相回転回路2020は、入力クロック信号を受信するよう接続されており、制御可能な量の相回転をそれらの入力クロック信号に適用して1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能である。特に、相回転回路2020は、全体として位相補間器として実装され、2つの位相補間器(又は相回転器)2022及び2024を有する。
“偶数の”位相補間器2022は、4つ全てのクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4、すなわち、4×16GHz信号を受信し、2×16GHz出力クロック信号(CLKΦ1及びCLKΦ3に対応し、それら自体は位相0°及び180°を有してよい。)を出力する。それらの位相は、入力クロック信号に対して回転されてもされなくてもよい。同様に、“奇数の”位相補間器2024は、4つの全てのクロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4、すなわち、4×16GHz信号を受信し、2×16GHz出力クロック信号(CLKΦ2及びCLKΦ4に対応し、それら自体は位相90°及び270°を有する。)を出力する。それらの位相は、入力クロック信号に対して回転されてもされなくてもよい。よって、夫々の位相補間器2022,2024は、4つの全ての入力クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4を使用する。しかし、“奇数の”位相補間器2024のための入力クロック信号は、“偶数の”位相補間器2022のための入力クロック信号に対して90°移相されてよく、それにより、0の同じ入力位相補間器コードに関し(すなわち、デジタル制御下で)、“偶数の”位相補間器2022の出力は0°及び180°であり、“奇数の”位相補間器2024の出力は90°及び270°である。
別個の“偶数”及び“奇数”の位相補間器2022及び2024を鑑み、全体の位相補間器2020は、(制御回路2050からの制御下で、)それらの位相補間器2022,2024のうちの一方の出力信号を他方の出力信号とは別個に回転させるよう動作可能である。
クロック発生器B2030は、位相補間器2022及び2024から出力クロック信号の対を受信するよう接続されているクロック生成ユニットである。最初に、それらの対は、分周器ユニット2031の夫々の分周器2032及び2034に入る。分周器2032及び2034は、この場合に、÷4(DIV4)分周器である。それらの分周器2032,2034の夫々は、図示されるように、8×4GHzクロック信号のインターリーブされた組を出力する。出力されたクロック信号は、分周器ユニット2035の更なる分周器2036及び2038に入る。分周器2036及び2038は、この場合に、やはり÷4(DIV4)分周器である。それらの分周器2036,2038の夫々は、図示されるように、32×1GHzクロック信号のインターリーブされた組を出力する。更なる分周器2039が更に示されており、これは4GHzクロック信号の1つを受信する。この分周器2039は÷8(DIV8)分周器であり、よって、500MHzクロック信号を出力する。それらの4GHz及び1GHzクロック信号は、それらが全て出力クロック信号から(究極に、入力クロック信号及びREFCLKから)導出されるので、派生クロック信号と呼ばれることがある。
クロック制御回路A2060は、入力クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4を受信するよう接続されており、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。ここで、クロック制御回路A2060は、サンプラであるように示されており、その回路は、上記のサンプラ回路110及び800に対応する。
クロック制御回路B2070は、派生クロック信号、すなわち、上記の4GHz及び1GHzクロック信号を受信するよう接続されているデータパス(クロック制御回路A2060から出力された電流パルスのストリームを搬送する。)であり、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。
図9に示されるように、クロック制御回路B2070は、夫々が1:4デマルチプレキシングを実行する、2072および2074として示されている2段のデマルチプレキシングと、サブADCユニット2076とを有する。それらは夫々、図1の2段のデマルチプレキシング120及び130と、サブADCユニット140とに対応する。第1のデマルチプレキシング段2072は、クロック制御回路A2060から4つの16Gs/s信号(電流パルスストリーム)を受信し、16個の4Gs/s信号を第2のデマルチプレキシング段2074へ出力する。次いで、第2のデマルチプレキシング段2074は、64個の1Gs/s信号をADCユニット2076へ出力する。第1のデマルチプレキシング段2072は、分周器ユニット2031によって出力された16個の4GHzクロック信号を受信し、第2のデマルチプレキシング段2074及びADCユニット2076は、分周器ユニット2035によって出力された64個の1GHzクロック信号を受信する。これはまた図1と一致する。
ADCユニット2076は、入力されたパルスストリームをデジタル(例えば、8ビット)値へ変換し、それらを図示されるようにデジタル区間2080へ出力する。また、デジタル区間2080へは、分周器2039からの500MHzクロック信号及び(任意に)分周器ユニット2035からの1GHzクロック信号が出力される。
クロック制御回路A2060及びB2070は、データ信号を(デジタル形式で、例えば、8ビット値として、又はアナログ形式で、例えば、電流パルスのストリームとして)処理すると考えられる。
システム2000の位相検出回路は、第1の位相検出器2042、第2の位相検出器2044、及び第3の位相検出器2046を有する。夫々の位相検出器は、図示されるように、少なくとも第1及び第2の信号の間の位相差を検出するよう動作可能である。
第1の位相検出器2042(派生信号位相検出器)は、分周器2032から出力された4GHz派生クロック信号(“偶数の”位相補間器2022を起源とする。)の少なくとも1つと、分周器2034から出力された4GHz派生クロック信号の少なくとも1つ(“奇数の”位相補間器2024を起源とする。)とを受信するよう接続されている。それは、4GHzクロック信号の一部又は全てを受信してよい。位相検出の結果は、経路Aを介して制御回路(コントローラ)2050へ送信される。
第2の位相検出器2044(外部リファレンス位相検出器)は、分周器2039から出力された500MHz派生クロック信号と、システム2000の外から受信された500MHz同期化クロック信号(SYNCH CLOCK)とを受信するよう接続されている。それはまた、図9に示されるように、上記の4GHzクロック信号の一部又は全てを受信してよい。位相検出の結果は、経路Bを介して制御回路(コントローラ)2050へ送信される。
第3の位相検出器2046は、分周器ユニット2031から出力された4GHz派生クロック信号の少なくとも1つと、16GHz入力クロック信号の少なくとも1つとを受信するよう接続されている。それは、4GHz及び16GHzクロック信号の一部又は全てを受信してよい。位相検出の結果は、経路Cを介して制御回路(コントローラ)2050へ送信される。
位相補間(PI)回路2020は、16相4GHzクロック信号を生成するために分周器ユニット2031(÷4)によって使用される4相16GHzクロック信号の相回転を可能にする。特に、2つの位相補間器(PI)2022及び2024は、例えば、上述されたようにデジタル制御されてよく、例えば、(16GHzクロック信号を前提として)おおよそ1psステップに対応する64ステップ毎周期を有する。64ステップによるこのデジタル制御が、便宜上、下記の説明において仮定される。
この場合に、システム2000で採用される方法は、下記の段階を用いて説明される。
段階1:内部チャネルクロックアライメント
最初に、クロック発生器A2010は、位相ロックループ(PLL)及び多相フィルタ(PPF)回路を有してよく、4相16GHz信号をクロック制御回路A(サンプラ回路)2060及び相回転回路(位相補間器,PI)2020へ供給するよう使用可能である。
この段階で、PI2022及び2024は両方とも、デジタル制御コード0にある(すなわち、零相回転を適用する。)。“偶数”及び“奇数”のPIへの入力は、位相が90°ずれており、それにより、同じ位相コードを有するそれらのPIに関して、PI出力は、位相が90°ずれている。これは、PIの出力を受信する÷4分周器ユニット2031によって必要とされる直角位相クロックを供給する。
位相補間器2022及び2024によって夫々駆動される2つのDIV4分周器2032及び2034もこの段階で使用可能であり作動している。しかし、DEMUX1(第1のデマルチプレキシング段2072)及び分周器ユニット2035における8×DIV4分周器(便宜上分周器2036及び2038として示される。)を駆動するDIV4分周器出力は、この段階では2つのDIV4分周器2032及び2034が正確な位相においてアライメントされていると考えられないので、未だ使用可能でない。
第1の位相検出器2042(4GHz位相検出器)は、2つのDIV4分周器2032及び2034が互いに対して正確なアライメントにあるかどうかを見分けるために使用され、上記のように位相検出の結果(PHASE DETECT(4GHz))を経路Aを介して制御回路(コントローラ)2050へ出力する。
2つのDIV4分周器2032及び2034が正確なアライメントにない場合は、制御回路2050は、制御信号(PI CONTROL)を相回転回路202へ発し、単一のPI2022又は2024に全相回転を適用させて、16相4GHz出力クロック信号を正確な順序に置かせる。全回転は、コード0から全てのコードを通ってコード0に戻る。これは、全回転後に互いに対するPI出力の正確な位相関係を保つ。
第1の位相検出器2042(4GHz位相検出器)が、2つのDIV4分周器2032及び2034が正確なアライメントにあることを示す場合に、16相4GHzクロック出力は次いで、経路Dを介してCLK ENABLE信号により有効にされる。このイネーブル信号は、16相クロックが既知の順序で開始するように、16の位相上に時間合わせされる。有効に、夫々のDIV4分周器2032,2034自体は、2つのDIV4分周器2032及び2034の間の如何なるずれも処理する上記の相回転により、互いに対して正確にアライメントされるよう構成されたそれ自身の出力(派生)クロックを有する。
分周器ユニット2035における続く8×DIV4分周器(便宜上分周器2036及び2038として示されている。)及びDIV8分周器2039は次いで、経路E及びFを介してRESET信号を用いて既知の開始位置にリセットされ、それらへのクロックは(上述されたように)既知の順序において開始される。そのようなものとして、64相1GHzクロック及び500MHzクロックの全ての位相関係は知られており、正確な位相関係にある。
本例では、DIV4分周器2036,2038のリセットは、CLK ENABLEが16×4GHzクロックを起動する前に起こる。実際に、DIV4分周器2036,2038は、それらを既知の状態へ設定するよう起動時にリセットにあり、次いで、CLK ENABLEが発せられる前にリセットを脱する。DIV4分周器2036,2038は、このように、クロックのクロッキングによらずに既知の状態にあり、CLK ENABLE信号が発せられる(例えば、ハイになる)場合に、順序付けられた起動を開始する用意ができている。
この時点で、全てのクロック関係は、システム2000によって表される単一チャネル内で知られている。複数のそのようなチャネルが単一チップ上に設けられる場合に、上記のステップはチャネルごとに実行されると考えられる。
この時点で、しかしながら、チャネルどうしのアライメントは知られておらず(段階2を参照)、チャネルごとのSAMPLER2060へのDEMUX12072のアライメントも知られていない(段階3を参照)。
段階2:チャネル間のアライメント
段階1から、全てのクロック関係のアライメントは、システム2000によって表されるチャネルのような単一のチャネル内で正確な順序にある。複数のチャネルどうしの同期化のために、上記の単一のSYNCH CLOCK(500MHz)が(REFCLKと共に)各チャネルへ分配され、それにより、各チャネルについて、SYNCH CLOCKは事実上同じである。そのようなSYNCH CLOCKはまた、システム2000によって表されるチャネルの動作を簡単にその信号により同期化/アライメントするよう当該チャネルへ供給されてよい。
第2の位相検出器2044(500MHz位相検出器)は次いで、チャネルを互いに(PHASE DETECT(500MHz))又は夫々SYNCH CLOCK信号にアライメントするために使用される。第2の位相検出器2044は、上記のように経路Bを介して位相検出の結果(PHASE DETECT(500MHz))を制御回路(コントローラ)2050へ出力する。
この場合に、制御回路2050は、制御信号(PI CONTROL)を相回転回路202へ発し、両方のPI2022及び2024を(各チャネル内で)共に回転させて、DIV8分周器2039によって出力された500MHzクロック信号を分配されたSYNCH CLOCKとアライメントさせる。細かい位相ステップ(例えば、単一コードステップ未満、すなわち、64ステップのために6°未満)が、SYNCH CLOCKへの周到なアライメントを与えるために使用される。両方のPI2022及び2024は、必要とされる直角位相を保つよう同じコードを有する(それらは共に回転されるので)。
この時点で、各チャネルは、他のチャネルに対する、すなわち、特に、SYNCH CLOCKに対する既知の位相関係を有する。SAMPLERクロック(4相16GHz)は、クロックツリーを介する入念に分配されたREFCLK(図7を参照)により、チャネル間で適切にアライメントされると考えられる。DEMUX1/DEMUX22072及び2074並びにDIV8(500MHz)2039もチャネル間でアライメントされる。
しかし、DEMUX12072及びSAMPLER2060の動作間のアライメントが依然として達成されるべきである。
段階3:DEMUX1に対するSAMPLERのアライメント
上述されたように、クロック制御回路A2060(SAMPLER)及び/又はクロック制御回路B2070(DEMUX1等)にはスイッチング又は他の遅延が存在することがあり、よって、あらゆるそのような遅延を無効にするようそれらの回路の動作を互いに対して調整し、それらの回路が共に望むようにデータ信号を処理することを可能にすることが有利である。
SAMPLERとDEMUX1とのアライメントは、両方のPI2022及び2024の微回転によって達成される。
本システム2000において、最初に、ソフトウェアアライメント(図9に明示せず。)がこのアライメントのために使用される。ソフトウェア位相アライメントは、正確なアライメント位置を見つけるためにDEMUX1パワーシグマ(power sigma)を使用する。これは、夫々のチャネルについて別々に行われ、決定は、各チャネルが(SAMPLERの)同じサンプルパルスへアライメントされるように、夫々のチャネルのための正確なアライメントについてなされる。
この決定後、第3の位相検出器2046を有するハードウェア整列器が、このパルスへの各チャネルのアライメントを保つよう有効にされる。よって、例となるシステム200(1つのチャネルを表す。)内で、第3の位相検出器2046は、上記のように経路Cを介して位相検出の結果を制御回路(コントローラ)2050へ出力する。
この場合に、制御回路250は、制御信号(PI CONTROL)を相回転回路202へ発し、両方のPI2022及び2024を(各チャネル内で)共に回転させて、ソフトウェアアライメントによる最初のセットアップとしての正確なサンプルパルスへのアライメントを保たせる。細かい位相ステップ(例えば、単一コードステップ未満)が周到なアライメントを与えるために使用される。両方のPI2022及び2024は、必要とされる直角位相を保つよう同じコードを有する(それらは共に回転されるので)。このデジタルフィードバックループは、所望のサンプルパルスとのアライメントを保つよう時間にわたってPI2022及び2024を同期して(すなわち、一緒に)逓増又は逓減させる。
最初のソフトウェアアライメントは、正確なサンプルパルスが夫々のチャネルについて合わせられることを確かにするために望ましい。これは、電流パルス位置がサンプルパルス間にある場合に、ハードウェアアライメントが異なるチャネルを異なる隣接サンプルパルスに合わせることが起こり得るためである(すなわち、1つのチャネルは正の相に移動し、一方、他は負の相に移動してよい。)。ソフトウェアアライメントは、ハードウェアアライメントが有効にされる前にクロックがアライメントされることを確かにする。
段階4:通常の動作
この段階で、当該又は夫々のチャネルは、正確に内部でアライメントされており、夫々のチャネルは、(チャネル間のアライメントをもたらす)SYNCH CLOCKとアライメントされている。
認識されるであろうように、上記の方法は、システム2000の動作、及び潜在的に4つ(又はあらゆる数)のそのようなシステムの動作をREFCLK及びSYNCH CLOCKに対して同期化/アライメントするために、更には、個々のシステム2000(ADC回路)内でサンプラ2060及びマルチプレクサ2072/2074の回路間の如何なる時間遅延も適応させるために、PI及び位相検出器を用いる。
この技術の利点は、ADC回路間の高速な信号、又は時間クリティカルな信号を必要としない点である。更に、制御は決定論的であり、すなわち、単一の調整がデジタル制御下で位相補間器2022及び2024でなされ得る。
加えて、アナログ位相調整信号の必要性及びそのようなものとして関連するノイズ問題は存在しない。ここで開示される信号速度における如何なるアナログ信号も、回路エラー(例えば、不整合による)又は干渉(例えば、他のクロックからのクロストーク又はノイズのピックアップによる)を生じさせ得る。アナログ接続が介在する複数のチャネルにわたって最初の決定プロセスを完全に信頼できるものとすること、例えば、アライメントが何らかのノイズ又は異常によって動作中に台無しにされないことを確かにすることは困難であり得る。
図10は、本発明を具現するシステム3000の概略図である。明らかになるであろうように、システム3000は、デジタル−アナログコンバータ回路(又はその少なくとも1つのスライス)の機能性を備え、図1のDAC回路200並びにクロック生成及び分配回路300に対応する。1つのDACチャネルが図10に示されているが、図7と同じく、他が同じチップ上に存在してよいことが理解される。実際に、システム3000の要部はシステム2000の対応する部分と同様であり、そのようなものとして、図7において見られるような単一のチップはADC及びDAC回路の組み合わせ/複合を有してよいことが認識されるであろう。
システム3000は、クロック発生器A2010、相回転回路2020、クロック発生器B2030、位相検出回路(その要素は後述されるように図9において特定される。)、制御回路2050、クロック制御回路A3060、及びクロック制御回路B3070を有し、それらは、図8における等価な要素に対応する(そのようなものとして、類似の/同じ参照符号により表される。)。
図9と同じ参照符号により表されている要素は、図1と同じように構成され、説明の繰り返しは省略される。図9と図10との間の主な違いは、次のように焦点を当てられる。
クロック制御回路A3060は、入力クロック信号CLKΦ1乃至CLKΦ4を受信するよう接続されており、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。ここで、クロック制御回路A3060は、出力DACであるように示されており、その回路は、上記のスイッチング回路210及び500に対応する。
クロック制御回路B3070は、派生クロック信号、すなわち、上記の4GHz及び1GHzクロック信号を受信するよう接続されているデータパス(デジタルユニット3080から出力されるデータ信号及びクロック制御回路A3060へ入力されるデータ信号のストリームを搬送する。)であり、それらのクロック信号の制御下で機能するよう動作可能である。
図10に示されるように、クロック制御回路B3070は、3072及び3074として示されている2段のマルチプレキシングと、リタイミング段3076とを有する。それらは夫々、図2の2段のマルチプレキシング220及び230と、リタイミング段240とに対応する。リタイミング段3076は、デジタルユニット3080から64個の並列な1GHzデータ信号を受信し、それらをリタイミングしてMUX13074へ出力する。MUX13074は、それらをマルチプレキシングし、16個の並列な4GHzデータ信号をMUX23072へ出力する。MUX23072は次いで、それらをマルチプレキシングし、4個の並列な16GHzデータ信号を出力DAC3060へ出力する。MUX23072は、分周器ユニット2031によって出力された16個の4GHzクロック信号を受信し、MUX13074及びリタイマ3076は、分周器ユニット2035によって出力された64個の1GHzクロック信号を受信する。これはまた図1と一致し且つ図9に類似する。
クロック制御回路A3060及びB3070は、データ信号を(デジタル形式で、例えば、8ビット値として、又はアナログ形式で、例えば、電流パルスとして)処理すると考えられ、上記の図1の説明と一致してDAC全体の単一のスライスを表してよい。
システム3000の位相検出回路は、図9と同じく、第1の位相検出器2042、第2の位相検出器2044、及び第3の位相検出器2046を有する。
システム300で採用される方法はまた、概してシステム200における方法と同じであり、結果としてもう一度詳細に説明される必要はない。下記は、単に明りょうさのためである。
段階1:内部チャネルクロックアライメント
最初に、クロック発生器A2010は、4相16GHz信号をクロック制御回路A(出力DAC)3060及び相回転回路(位相補間器,PI)2020へ供給するよう使用可能である。
この段階で、PI2022及び2024は両方とも、デジタル制御コード0にある(すなわち、零相回転を適用する。)。位相補間器2022及び2024によって夫々駆動される2つのDIV4分周器2032及び2034もこの段階で使用可能であり作動している。しかし、MUX23072及び分周器ユニット2035における8×DIV4分周器(便宜上分周器2036及び2038として示される。)を駆動するDIV4分周器出力は、この段階では2つのDIV4分周器2032及び2034が正確な位相においてアライメントされていると考えられないので、未だ使用可能でない。
第1の位相検出器2042(4GHz位相検出器)は、2つのDIV4分周器2032及び2034が互いに対して正確なアライメントにあるかどうかを見分けるために使用され、上記のように位相検出の結果(PHASE DETECT(4GHz))を経路Aを介して制御回路(コントローラ)2050へ出力する。
2つのDIV4分周器2032及び2034が正確なアライメントにない場合は、制御回路2050は、制御信号(PI CONTROL)を相回転回路202へ発し、単一のPI2022又は2024に全相回転を適用させて、16相4GHz出力クロック信号を正確な順序に置かせる。全回転は、コード0から全てのコードを通ってコード0に戻る。これは、全回転後に互いに対するPI出力の正確な位相関係を保つ。
第1の位相検出器2042(4GHz位相検出器)が、2つのDIV4分周器2032及び2034が正確なアライメントにあることを示す場合に、16相4GHzクロック出力は次いで、経路Dを介してCLK ENABLE信号により有効にされる。このイネーブル信号は、16相クロックが既知の順序で開始するように、16の位相上に時間合わせされる。
分周器ユニット2035における続く8×DIV4分周器(便宜上分周器2036及び2038として示されている。)及びDIV8分周器2039は次いで、経路E及びFを介してRESET信号を用いて既知の開始位置にリセットされ、それらへのクロックは(上述されたように)既知の順序において開始される。そのようなものとして、64相1GHzクロック及び500MHzクロックの全ての位相関係は知られており、正確な位相関係にある。
この時点で、全てのクロック関係は、システム3000によって表される単一チャネル内で知られている。(システム300又はシステム2000とシステム3000との複合の)複数のそのようなチャネルが単一チップ上に設けられる場合に、上記のステップはチャネルごとに実行されると考えられる。
この時点で、しかしながら、チャネルどうしのアライメントは知られておらず(段階2を参照)、チャネルごとの出力DAC3060へのMUX23072のアライメントも知られていない(段階3を参照)。
段階2:チャネル間のアライメント
段階1から、全てのクロック関係のアライメントは、システム3000によって表されるチャネルのような単一のチャネル内で正確な順序にある。複数のチャネルどうしの同期化のために、上記の単一のSYNCH CLOCK(500MHz)が各チャネルへ分配され、それにより、各チャネルについて、SYNCH CLOCKは事実上同じである。そのようなSYNCH CLOCKはまた、システム3000によって表されるチャネルの動作を簡単にその信号により同期化/アライメントするよう当該チャネルへ供給されてよい。
第2の位相検出器2044(500MHz位相検出器)は次いで、チャネルを互いに(PHASE DETECT(500MHz))又は夫々SYNCH CLOCK信号にアライメントするために使用される。第2の位相検出器2044は、上記のように経路Bを介して位相検出の結果(PHASE DETECT(500MHz))を制御回路(コントローラ)2050へ出力する。
この場合に、制御回路2050は、制御信号(PI CONTROL)を相回転回路202へ発し、両方のPI2022及び2024を(各チャネル内で)共に回転させて、DIV8分周器2039によって出力された500MHzクロック信号を分配されたSYNCH CLOCKとアライメントさせる。細かい位相ステップ(例えば、単一コードステップ未満)が、SYNCH CLOCKへの周到なアライメントを与えるために使用される。両方のPI2022及び2024は、必要とされる直角位相を保つよう同じコードを有する(それらは共に回転されるので)。
この時点で、各チャネルは、他のチャネルに対する、すなわち、特に、SYNCH CLOCKに対する既知の位相関係を有する。出力DACクロック(4相16GHz)は、クロックツリーを介する入念に分配されたREFCLK(図7を参照)により、チャネル間で適切にアライメントされると考えられる。MUX2/MUX23072及び2074並びにDIV8(500MHz)2039もチャネル間でアライメントされる。
しかし、MUX23072及び出力DAC3060の動作間のアライメントが依然として達成されるべきである。
段階3:MUX2に対する出力DACのアライメント
上述されたように、クロック制御回路A3060(出力DAC)及び/又はクロック制御回路B3070(MUX2等)にはスイッチング又は他の遅延が存在することがあり、よって、あらゆるそのような遅延を無効にするようそれらの回路の動作を互いに対して調整し、それらの回路が共に望むようにデータ信号を処理することを可能にすることが有利である。
出力DACとMUX2とのアライメントは、両方のPI2022及び2024の微回転によって達成される。
本システム3000において、第3の位相検出器2046を有するハードウェア整列器は、図9と同様に、所与のパルスへの各チャネルのアライメントを保つよう有効にされる。
段階4:通常の動作
この段階で、当該又は夫々のチャネルは、正確に内部でアライメントされており、夫々のチャネルは、(チャネル間のアライメントをもたらす)SYNCH CLOCKとアライメントされている。
図9に関連して記載されるプロシージャは主にシステム2000に焦点を当て、図10に関連して記載されるプロシージャは主にシステム3000に焦点を当てることが認識されるであろう。とはいえ、両プロシージャの段階は互いに対応しており、2つのプロシージャは、システム2000(ADC)及び3000(DAC)の複合体が図7に一致して共に用いられる場合に、事実上並行して実行されてよいことが認識されるであろう。
実際に、プロシージャ及びシステムは、幾つのチャネル(DAC又はADC)が同期化されるべきかに関わらず、且つ、チャネル間を接続するために如何なる高速なアナログ又はデジタル信号も必要とせずに、信頼できるREFCLK及びSYNCH CLOCK信号、クロックツリー、並びにサンプラ/出力DAC回路を利用し、位相補間器及び簡単な位相検出器を用いてデジタルでシステムを動作同期化に至らせる。これは、複数のADC/DAC回路(システム2000/3000に同じ)がチップにわたって展開され、REFCLK及びSYNCH CLOCK信号を除いて更なる信号分配なしで正確に同期化されることを意味する。なお、REFCLKは、ADC/DAC回路が機能するためにとにかく必要とされる。
ちなみに、図9及び図10に示されている信号周波数及びサンプリングレート、並びに分周器の分周係数は、図1との整合性、ひいては、本発明の理解の容易のためである。当然、他の周波数、レート及び分周係数が、例えば、クロック制御回路2060及び2070並びに3060及び3070のシステム要件に依存して、用いられてよい。
図10における位相検出器2046は、出力DAC3060における回路と同様の回路を用いて実施されてよい。図2から認識されるであろうように、出力DAC3060内で、データはクロックCLKΦ1乃至CLKΦ4の谷で変化するので、この時点で出力電流に作用しない。しかしながら、この回路の“位相検出器”バージョンにおけるクロックの位相が反転されたならば、その場合にデータはクロックのピークで変化し、これは電流パルスを半分に“切る”(1つの出力から他の出力への電流スイッチング)。この分割は、その場合に、正確な位相関係が電流の均等な分割を生じさせるべきであると考えれば、事実上デジタル信号として使用されるDEMUX12072へ入力されるクロック信号により、“通常の”出力DAC3060の出力段において正確に遅延を整合させる位相検出メカニズムとして使用されてよい。
同様の技術は、出力電流を分割して、それらの出力電流が等しく分割されていることを確認するために、図9における位相検出器2046において、すなわち、定電流入力を有しながら図5において見られるようなサンプラ2060と同様の回路を用いることによって、及びDEMUX12072へ入力されるクロック信号の組み合わせにより制御される一連のスイッチ段を用いることによって、用いられてよい。
図11は、図9及び図10の位相補間器2022,2024の1つの実施例4000を提示する概略図である。明らかなように、回路4000は、4つ全てのクロック位相CLKΦ1乃至CLKΦ4を取り込む。示されるような4つのトランジスタ(スイッチ)へのデジタル制御、すなわち、どれがオンするのか及びどれがオフするのかを制御することに基づき、関心のある象限が選択され、示されるような可変電流源のデジタル制御によって、選択された象限内の精細な位相シフトが達成される。総称的にOUT及び/OUTとして示される出力信号は、関連する、すなわち、実質的に逆位相にある補間器の2つの出力クロックに対応する。
デジタル制御は、入力デジタルコードに基づいてよく、コードは、例えば、(上記の説明に一致して)全回転を行うよう64個の値をスイープする。上述されたように、位相補間器2022,2024の1つのクロック入力CLKΦ1乃至CLKΦ4は、他の位相補間器のそれらに対して90°位相をシフトされてよい。それにより、両方の位相補間器へ供給される同じデジタルコードは、(望まれるように)全体的な直角位相出力クロックを与える。
図12は、本発明を具現する方法を図式的に表すフロー図である。方法は、チャネルごとにステップS2、S4、S6及びS8を有する。よって、図12では、複数のチャネルが存在する場合に、方法は並行して複数回実行され得ることが示されている。
ステップS2で、出力及び派生クロック信号が生成され、ステップS4で、派生クロック信号は互いにアライメントされる。これは、図9及び図10に関連して記載された段階1に対応する。
ステップS6で、出力及び/又は派生クロック信号はSYNCH CLOCKとアライメントされ、これは、図9及び図10に関連して記載された段階2に対応する。
ステップS8で、出力及び/又は派生クロック信号は、第1及び第2のクロック制御回路の動作を同期化させるために、入力クロックとアライメントされる。
ステップS8は(ことによるとステップS6と共に)、関連するチャネルの動作中に繰り返されてよい。SYNCH CLOCKは、関連する全てのチャネルについて同じであってよい。ステップS6及びS8の関連した重要性に応じて、それらは反対の順序で又は並行して実行されてよい。
本発明の回路は、アナログ−デジタルコンバータ回路、又はデジタル−アナログコンバータ回路、又はそれらの一方若しくは両方を備えるシステム(それらの組み合わせを含む。)の部分を形成してよい。本発明の回路は、例えば、ICチップ上で、集積回路として実施されてよい。本発明は、上記の集積回路及びICチップ、そのようなICチップを有する回路基板、並びにそのような回路基板を有する通信ネットワーク(例えば、インターネット光ファイバネットワーク及び無線ネットワーク)及びそのようなネットワークのネットワーク設備にまで及ぶ。
本発明は、添付の特許請求の範囲の適用範囲内で、多くの他の異なる形態において具現されてよい。
上記の実施形態に加えて、以下の付記を開示する。
(付記1)
1又はそれ以上の入力クロック信号を受信するよう接続され、該入力クロック信号から1又はそれ以上の出力クロック信号を生成するよう動作可能な相回転回路と、
複数のアライメント動作を実行するように、前記相回転回路によって適用される相回転の量を制御するよう動作可能な制御回路と
を有し、
前記アライメント動作は、
前記出力クロック信号又は該出力クロック信号から導出される派生クロック信号の間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第1の動作と、
前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記入力クロック信号又は外部リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるために、前記出力クロック信号の全てをまとめて回転させることを夫々が含む1又はそれ以上の第2の動作と
を含む、信号アライメント回路。
(付記2)
前記第1の動作は、前記出力クロック信号の間の位相関係を保つために、整数回の全回転によって前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを含む、
付記1に記載の信号アライメント回路。
(付記3)
前記相回転回路は、前記入力クロック信号に基づき1又はそれ以上の前記出力クロック信号を生成するよう夫々が動作可能な複数の相回転器を有し、
前記第1の動作は、前記相回転器の夫々によって適用される相回転の量を制御することを含む、
付記1又は2に記載の信号アライメント回路。
(付記4)
前記派生クロック信号は、分周によって前記出力クロック信号から導出され、前記第1の動作は、前記派生クロック信号の間の位相関係を調整するよう整数回の全回転によって前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上を残りの前記出力クロック信号のうちの1又はそれ以上に対して回転させることを含み、
任意に、前記派生クロック信号は、異なる前記出力クロック信号を夫々が受信する少なくとも第1及び第2の分周器によって生成される、
付記1乃至3のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記5)
前記第2の動作は、全回転の分数量によって前記出力クロック信号を回転させることを含み、及び/又は
前記第2の動作は、一連のステップにおいて前記出力クロック信号を回転させることを含み、夫々のステップは45度より小さく、望ましくは15度より小さく、より望ましくは6度より小さい、
付記1乃至4のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記6)
前記信号の少なくとも対の間の位相差を検出するよう動作可能な位相検出回路を更に有し、
前記制御回路は、前記位相検出回路によって検出された1又はそれ以上の位相差に応じて前記アライメント動作を実行するよう動作する、
付記1乃至5のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記7)
前記位相検出回路は、少なくとも第1及び第2の派生クロック信号の間の位相差を検出するよう動作可能な派生信号位相検出器を有し、
前記制御回路は、前記派生信号位相検出器によって検出された位相差に応じて前記第1の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作する、
付記6に記載の信号アライメント回路。
(付記8)
前記位相検出回路は、少なくとも1つの前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記外部リファレンス信号との間の位相差を検出するよう動作可能な外部リファレンス位相検出器を有し、
前記制御回路は、前記外部リファレンス位相検出器によって検出された位相差に応じて前記第2の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作する、
付記6又は7に記載の信号アライメント回路。
(付記9)
前記位相検出回路は、少なくとも1つの前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と少なくとも1つの前記入力クロック信号との間の位相差を検出するよう動作可能な入出力位相検出器を有し、
前記制御回路は、前記入出力位相検出器によって検出された位相差に応じて前記第2の動作の1又はそれ以上を実行するよう動作する、
付記6乃至8のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記10)
前記相回転回路は、デジタル入力に基づき動作するよう構成され、
前記制御回路は、適用される相回転の量をデジタル制御するように前記デジタル入力を前記相回転回路へ供給するよう動作する、
付記1乃至9のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記11)
前記制御回路は、前記第2の動作の前に前記第1の動作を実行するよう動作し、及び/又は
前記制御回路は、前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記入力クロック信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように他の第2の動作を実行する前に、前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号と前記外部リファレンス信号との間の位相関係を所与の位相関係に至らせるように第2の動作を実行するよう動作する、
付記1乃至10のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路。
(付記12)
付記1乃至11のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路と、
少なくとも1つの前記入力クロック信号に基づきデータを処理するよう構成される第1のクロック制御回路と、
少なくとも1つの前記出力クロック信号又は前記派生クロック信号に基づきデータを処理するよう構成される第2のクロック制御回路と
を有するデータ処理回路。
(付記13)
前記処理されたデータをデジタル形式とアナログ形式との間で変換するよう動作可能なデジタル−アナログコンバータ回路又はアナログ−デジタルコンバータ回路である、
付記12に記載のデータ処理回路。
(付記14)
付記1乃至11のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路の複数組、又は付記12又は13に記載のデータ処理回路の複数組を有し、
前記外部リファレンス信号は、前記複数組の夫々について同じであり、
任意に、前記複数組は、前記第1の動作及び前記第2の動作を互いに並行して実行するよう構成される、
システム。
(付記15)
付記1乃至11のうちいずれか一項に記載の信号アライメント回路、又は付記12又は13に記載のデータ処理回路、又は付記14に記載のシステムを有するICチップ。