JP2015054799A - 窒化アルミニウム単結晶の製造装置 - Google Patents

窒化アルミニウム単結晶の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015054799A
JP2015054799A JP2013189542A JP2013189542A JP2015054799A JP 2015054799 A JP2015054799 A JP 2015054799A JP 2013189542 A JP2013189542 A JP 2013189542A JP 2013189542 A JP2013189542 A JP 2013189542A JP 2015054799 A JP2015054799 A JP 2015054799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum nitride
crucible
lid
single crystal
seed crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013189542A
Other languages
English (en)
Inventor
秀行 高嶋
Hideyuki Takashima
秀行 高嶋
智久 加藤
Tomohisa Kato
智久 加藤
知則 三浦
Tomonori Miura
知則 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Fujikura Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2013189542A priority Critical patent/JP2015054799A/ja
Publication of JP2015054799A publication Critical patent/JP2015054799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】坩堝の破損を防止することができる窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供する。【解決手段】窒化アルミニウム単結晶6の製造装置1は、原料2を収容すると共に種結晶5を保持する第1の坩堝10を備えており、第1の坩堝10は、上部開口111を有する容器本体11と、上部開口111を覆う蓋体12と、を備えており、蓋体12は、種結晶5の外径よりも小さな内径を有する貫通開口131と、貫通開口131を囲むように設けられ、容器本体11側に向かって突出する突起132と、を有し、蓋体12は、種結晶5が貫通開口131を介して原料2に対向するように種結晶5を保持する。【選択図】 図2

Description

本発明は、昇華再結晶法(改良レーリー法)によって窒化アルミニウム(AlN)単結晶を製造する窒化アルミニウム単結晶の製造装置に関するものである。
窒化アルミニウム単結晶の製造装置として、原料を収容する坩堝と、種結晶の外径よりも小さな貫通開口を有すると共に坩堝の開口部上に設置された保持部材と、を備え、当該保持部材が種結晶を保持することで種結晶を原料に対向させるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−132079号公報
上記の製造装置では、窒化アルミニウム単結晶が成長して保持部材よりも厚くなると、当該単結晶の温度が保持部材の温度よりも高くなるため、窒化アルミニウム多結晶が保持部材に析出し坩堝の内壁面に接触する場合がある。一般的に冷却時には窒化アルミニウム多結晶よりも坩堝の方が大きく収縮するため、多結晶が坩堝に接触している状態でこれらが冷却されると、多結晶から坩堝の内壁面に対して大きな応力が印加される。この際に坩堝が炭化タンタル等の脆性の高い材料で構成されていると、上記の応力によって坩堝にクラックが発生し破損してしまう場合がある、という問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、坩堝の破損を防止することができる窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供することである。
[1]本発明に係る窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、原料を収容すると共に種結晶を保持する第1の坩堝を備えた窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、前記第1の坩堝は、上部開口を有する容器本体と、前記上部開口を覆う蓋体と、を備えており、前記蓋体は、前記種結晶の外径よりも小さな内径を有する貫通開口と、前記貫通開口を囲むように設けられ、前記容器本体側に向かって突出する突起と、を有し、前記蓋体は、前記種結晶が前記貫通開口を介して前記原料に対向するように、前記種結晶を保持することを特徴とする。
[2]上記発明において、前記蓋体は、前記上部開口を覆うと共に、前記種結晶を保持する第1の蓋部材と、前記第1の蓋部材に保持された前記種結晶を覆う第2の蓋部材と、を有しており、前記貫通開口及び前記突起は、前記第1の蓋部材に設けられていてもよい。
[3]上記発明において、前記蓋体は、前記種結晶を収容する収容空間を有しており、前記貫通開口は、前記蓋体の底部を貫通して前記収容空間と連通していてもよい。
[4]上記発明において、前記第1の坩堝は、モリブデン、タングステン、タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングステン、及び、炭化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されていてもよい。
[5]上記発明において、前記窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、前記第1の坩堝を収容する第2の坩堝と、前記第2の坩堝を収容する結晶成長炉と、前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記第1及び第2の坩堝を加熱する加熱手段と、を備えてもよい。
本発明によれば、容器本体側に向かって突出する突起が貫通開口を囲むように蓋体に設けられているので、蓋体に析出した窒化アルミニウム多結晶が容器本体の内壁面に接触するのを防止することができ、坩堝の破損を防止することができる。
図1は、本発明の実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態における第1の坩堝の断面図である。 図3は、本発明の実施形態における蓋体の底面図である。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の実施形態における蓋体の第1〜第3の変形例を示す拡大断面図である。 図5(a)〜図5(b)は、本発明の実施形態における蓋体の第4〜第5の変形例を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図、図2は本実施形態における第1の坩堝の断面図、図3は本実施形態における蓋体の底面図である。
本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置1は、昇華再結晶法(改良レーリー法)によって窒化アルミニウム単結晶を製造する装置である。具体的には、高温領域で原料2を加熱して昇華させ、低温領域に設けられた種結晶5上で当該昇華ガスを再凝縮させることにより窒化アルミニウム単結晶6を製造する。
図1に示すように、この単結晶製造装置1は、原料2を収容すると共に種結晶5を保持する第1の坩堝10と、第1の坩堝10を収容する第2の坩堝20と、第2の坩堝20を収容する結晶成長炉30と、結晶成長炉30内に窒素ガスを供給するガス供給装置40と、結晶成長炉30内を減圧する減圧装置50と、結晶成長炉30の外側に配置された誘導コイル60と、を備えている。
第1の坩堝10は、図2に示すように、上部開口111を有する容器本体11と、当該上部開口111を覆う蓋体12と、を有している。なお、この蓋体12は容器本体11に載置されているだけであり、この第1の坩堝10内は流体の出入りが容易な準密閉的な空間となっているため、結晶成長炉30内に導入された窒素ガス等が第1の坩堝10内に流入することが可能となっている。
容器本体11は、有底の円筒形状を有しており、その内部には原料2が収容されている。この原料2の具体例としては、例えば、窒化アルミニウムの粉末等を例示することができる。
本実施形態における蓋体12は、2つの蓋部材13,14から構成されている。第1の蓋部材13は、円形の貫通開口131がその中央に形成された略リング形状を有しており、この貫通開口131は、種結晶5の外径Dよりも小さな内径Dを有している(D<D)。なお、貫通開口131の形状は、種結晶5の外径Dよりも小さな内径Dを有し(D<D)、且つ、種結晶5上に結晶成長に必要な面積が十分に確保されていれば、特に限定されない。
この第1の蓋部材13は、容器本体11の上部開口111を覆うように当該容器本体11の上端112に載置されている。そして、種結晶5は、貫通開口131を塞ぐように第1の蓋部材13に載置されており、第1の蓋部材13によって種結晶5の外周部分が保持されている。このため、種結晶5の中央部分は、貫通開口131を介して容器本体11内に露出しており、当該貫通開口131を介して原料2に対向している。
種結晶5の具体例としては、例えば、SiC単結晶、AlN単結晶、AlN/SiC単結晶(SiC単結晶上に膜厚200〜500[μm]程度のAlN単結晶膜をヘテロ成長させた単結晶)等から構成される板状又は円板状の基板を例示することができ、例えば、2インチ(=約50[mm])の直径を有している。
一方、第2の蓋部材14は、種結晶5の外径Dよりも大きな外径Dの円板形状を有している(D>D)。この第2の蓋部材14は、第1の蓋部材13に保持された種結晶5の上に載置されており、種結晶5は第1の蓋部材13の上面と第2の蓋部材14の下面との間に挟まれている。なお、第2の蓋部材14が種結晶5を覆っていれば、当該第2の蓋部材14の形状は特に限定されない。
ここで、従来の製造装置のように種結晶を蓋体に接着する場合には、結晶成長時の熱膨張差等により種結晶が蓋体から剥離したり脱落するおそれがある。これに対し、本実施形態では上記のように第1及び第2の蓋部材13,14の間に種結晶5を挟むので、蓋体12への種結晶5の接着が不要となり、結晶成長時の種結晶5の剥離や脱落を防止することが可能となっている。
さらに、本実施形態では、図2及び図3に示すように、上述の第1の蓋部材13の下面に環状の突起132が立設されている。この突起132は、容器本体11側に向かうように突出し且つ貫通開口131を囲むように、第1の蓋部材13の下面に設けられている。
上述のように、窒化アルミニウム単結晶6の成長に伴って第1の蓋部材13の下面に窒化アルミニウム多結晶が析出するが、本実施形態では、突起132を貫通開口131と容器本体11の内壁面113との間に介在させることで、当該窒化アルミニウム多結晶が容器本体11の内壁面113に接触するのを妨げることができる。
この突起132の高さHは、例えば、1[mm]以上であることが好ましい(H≧1[mm])。突起132の高さHが低すぎると、第1の蓋部材13の下面に析出した窒化アルミニウム多結晶が突起132を乗り越えてしまうおそれがある。
また、この突起132は、貫通開口131の周縁から離れると共に容器本体11の内壁面113から離れるように、第1の蓋部材13の下面に設けられている。具体的には、貫通開口131の内径Dや容器本体11の上部開口111の内径Dにもよるが、容器本体11の内壁面113から突起132までの距離Lは、例えば、0.5[mm]〜2[mm]であることが好ましい(0.5[mm]≦L≦2[mm])。当該距離Lが0.5[mm]未満であると、突起132が内壁面113に近いために窒化アルミニウム多結晶が内壁面113に到達してしまうおそれがある。一方、当該距離Lが2[mm]よりも大きいと、突起132と内壁面113との間にも窒化アルミニウム多結晶が析出してしまう。
なお、蓋体の構造は上記に特に限定されず、図4(a)〜図5(b)に示すようにしてもよい。図4(a)〜図5(b)は本発明の実施形態における蓋体の変形例を示す図である。
図4(a)に示すように、蓋体12Bが、上述した第1及び第2の蓋部材13,14に加えて、第3の蓋部材15を備えてもよい。この第3の蓋部材15は、中央に貫通開口151が形成されたリング形状を有しており、この貫通開口151は、種結晶5の外径Dよりも大きな内径Dを有している(D>D)。この第3の蓋部材15は、種結晶5を貫通開口151に挿入した状態で第1の蓋部材13上に載置されており、種結晶5を取り囲んでいる。
ここで、種結晶5の外周部分が第1の坩堝10の外部に曝されていると、結晶成長の条件によっては当該外周部分から昇華し、種結晶5が消失してしまうおそれがある。これに対し、図4(a)に示す例では、第3の蓋部材15によって種結晶5を囲んでいるので、種結晶5の消失を抑制することができる。
なお、この第3の蓋部材15の厚さは特に限定されないが、結晶成長時に種結晶5が動いたり落下するのを防止するためには、第3の蓋部材15の厚さを種結晶5の厚さ以下とすることで、第1の蓋部材13と第2の蓋部材14との間に種結晶5を挟むことが好ましい。因みに、第3の蓋部材15の厚さを種結晶5の厚さ以下とした場合には、第2の蓋部材14は種結晶5の上に載置される。一方、第3の蓋部材15を種結晶5よりも厚くした場合には、第2の蓋部材14は第3の蓋部材15の上に載置される。
また、図4(b)に示す蓋体12Cのように、第1の蓋部材13と第3の蓋部材15とを一体的に形成してもよいし、若しくは、特に図示しないが、第3の蓋部材15を接着や溶接等により第1の蓋部材13に接合してもよい。なお、第1の蓋部材13と第3の蓋部材15を一体的に形成した場合には、貫通開口131,151を連続的にテーパ状に形成してもよい。
或いは、図4(c)に示す蓋体12Dのように、第2の蓋部材14と第3の蓋部材15とを一体的に形成してもよいし、若しくは、特に図示しないが、第3の蓋部材15を接着や溶接等により第2の蓋部材14に接合してもよい。
さらに、図5(a)に示すように、第1〜第3の蓋部材13〜15を一体的に形成することで蓋体12Eを構成してもよい。この蓋体12Eには、収容空間16、貫通開口17、及び、突起18が形成されている。また、特に図示しないが、第1〜第3の蓋部材13〜15を接着や溶接等により接合することで、蓋体12Eを構成してもよい。なお、収容空間16が上述の第3の蓋部材15の貫通開口151に対応し、貫通開口17が上述の第1の蓋部材13の貫通開口131に対応し、突起18が上述の第1の蓋部材13の突起132に対応する。
この蓋体12Eの収容空間16は、種結晶5の外径Dよりも大きな内径Dを有しており(D>D)、種結晶5を収容することが可能となっている。なお、この蓋体12Dには、収容空間16に種結晶5を挿入するためのスリット(不図示)が形成されており、種結晶5が収容空間16内に挿入された後にこのスリットは埋められる。また、成長後の窒化アルミニウム単結晶6は、蓋体12Eの一部を破壊したり当該単結晶6を種結晶5から切り離すことで回収される。
貫通開口17は、上述の収容空間16を区画する蓋体12Eの底部19を貫通しており、収容空間16に当該貫通開口17が連通している。この貫通開口17は、種結晶5の外径Dよりも小さな内径Dを有している(D<D)。そのため、スリットを介して収容空間16内に挿入された種結晶5の外周部分が蓋体12Eの底部19に保持されると共に、当該種結晶5の中央部分が貫通開口17を介して容器本体11内に露出して原料2に対向する。
突起18は、蓋体12Eの底部19の下面に環状に立設されている。この突起18は、容器本体21側に向かうように突出し且つ貫通開口131を囲むように底部19の下面に設けられている。このように、貫通開口17と容器本体21の内壁面113との間に突起18を介在させることで、蓋体12Eの下面に析出した窒化アルミニウム多結晶が容器本体21の内壁面113に接触するのを妨げることができる。
或いは、図5(b)に示すように、蓋体12Fの一部を容器本体11の内部に入り込ませてもよい。なお、同図に示すように、第1〜第3の蓋部材13〜15を一体的に形成することで蓋体12Fを構成してもよいし、若しくは、特に図示しないが、第1〜第3の蓋部材13〜15を接着や溶接等により接合することで蓋体12Fを構成してもよい。
図1に戻り、以上に説明した第1の坩堝10は、第2の坩堝20の中に収容されている。この第2の坩堝20も、容器本体21と、蓋体22と、を有している。なお、この蓋体22も容器本体21に載置されているだけであり、この第2の坩堝20内は流体の出入りが容易な準密閉的な構造となっているので、結晶成長炉30内に導入された窒素ガス等が第2の坩堝20内に流入することが可能となっている。
この第2の坩堝20は、窒化アルミニウム単結晶の結晶成長時の高温(2000℃程度)での耐熱性を有する材料から構成されている。具体的には、この第2の坩堝20の容器本体21及び蓋体22は、黒鉛、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、炭化珪素、窒化珪素、モリブデン、タングステン、タンタル、炭化モリブデン、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タングステン、及び、窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されている。この中でも、黒鉛は耐熱性が高く加工も容易であるので、第2の坩堝20を黒鉛で構成することが好ましい。
これに対し、第1の坩堝10は、上記の耐熱性に加えて、窒化アルミニウム単結晶6の汚染(固溶による汚染)を防止する観点から、アルミニウムのイオン半径と大きく異なる金属の単体、又は、その窒化物若しくは炭化物から構成されている。具体的には、この第1の坩堝10の容器本体11及び蓋体12は、モリブデン、タングステン、タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングステン、及び、炭化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されている。なお、上述の窒化アルミニウム単結晶6の汚染は、窒化アルミニウムから生じた昇華ガスにより第1の坩堝10がエッチングされ、当該微粒子が窒化アルミニウム単結晶6に混入することで発生するものである。
第2の坩堝20は、不図示の固定手段を介して結晶成長炉30内に固定されている。この結晶成長炉30は、例えば二重構造の石英管から構成されており、その上部にガス導入口31が設けられていると共に、その下部にガス排出口32が設けられている。ガス導入口31には、窒素(N)ガス等の不活性ガスを供給可能なガス供給装置40が接続されている。一方、ガス排出口32には、特に図示しない圧力調整弁を介して真空ポンプ等の減圧装置50が接続されている。このガス供給装置40や減圧装置50を駆動させることで、結晶成長炉30内の雰囲気を所定の圧力に調整することが可能となっている。
結晶成長炉30の周囲には誘導コイル60が配置されている。この誘導コイル60は、結晶成長炉30内の第1及び第2の坩堝10,20を取り囲んでおり、この誘導コイル60に高周波電流を通電することで第1及び第2の坩堝10,20が自己発熱し、これにより原料2及び種結晶5が所望の温度に加熱される。なお、誘導コイル60に代えて、抵抗加熱や赤外加熱を利用した加熱手段を用いてもよい。
次に、以上に説明した単結晶製造装置1を用いた窒化アルミニウム単結晶6の製造方法について説明する。
先ず、窒化アルミニウム粉末等の原料2を第1の坩堝10の容器本体11内にセットする。次いで、第1の蓋部材13を容器本体11の上に載置した後に当該第1の蓋部材13の上に種結晶5を載置し、さらに当該種結晶5の上に第2の蓋部材14を載置する。これにより、種結晶5が第1の蓋部材13に保持されて第1及び第2の蓋部材13,14の間に挟まれると共に、第1の蓋部材13の貫通開口131を介して種結晶5が原料2に対向する。
次いで、第1の坩堝10を第2の坩堝20に収容し当該第2の坩堝20を結晶成長炉30内に設置した後、減圧装置50を駆動させてガス排出口32を介して結晶成長炉30内の大気を除去し、当該結晶成長炉30内を真空引きする。
次いで、ガス供給装置40を駆動させてガス導入口31を介して結晶成長炉30内に窒素ガスを導入して結晶成長炉30内の圧力を700[torr]程度まで昇圧する。次いで、誘導コイル60に高周波電流を通電して第1及び第2の坩堝10,20を発熱させることで、原料2及び種結晶5を加熱する。この際、不図示の放射温度計によって第2の坩堝20の上部と下部の温度がそれぞれ測定されている。誘導コイル60は、この測定結果に基づいて、第2の坩堝20の下部温度(すなわち原料2の温度)を1800[℃]〜2300[℃]とするように制御されると共に、第2の坩堝20の上部温度(すなわち種結晶5の温度)を1700[℃]〜2200[℃]とするように制御される。
第2の坩堝20の温度が上記の設定温度に達したら、減圧装置50によって結晶成長炉30内を100[torr]〜600[torr]に減圧する。この減圧により、窒化アルミニウム単結晶6の成長が開始する。具体的には、下記の(1)式及び(2)式に示すように、上述の第2の坩堝20の上部と下部の間に設定された温度勾配によって、原料2から発生した昇華ガスが、種結晶5に向かって移送され、種結晶5上で再結晶化する。これにより、第1の蓋部材13の貫通開口131を介して露出している種結晶5の中央部分に窒化アルミニウム単結晶6が成長する。
2AlN(s) → 2Al(g)+N(g) …(1)
2Al(g)+N(g) →2AlN(s) …(2)
そして、窒化アルミニウム単結晶6が成長して第1の蓋部材13よりも厚くなると、窒化アルミニウム単結晶6の温度が第1の蓋部材13の温度よりも高くなる。そのため、第1の蓋部材13の下面に窒化アルミニウム多結晶が析出する。
この際、本実施形態では、第1の蓋部材13の下面に環状の突起132が設けられており、当該突起132が第1の蓋部材13の貫通開口131と容器本体11の内壁面113との間に介在している。このため、第1の蓋部材13の下面に析出した窒化アルミニウム多結晶が容器本体11の内壁面113まで到達することが妨げられている。
窒化アルミニウム単結晶6の成長を停止させる場合には、ガス導入口32から窒素ガスを結晶成長炉30内に供給して結晶成長炉30内の圧力を700[torr]程度まで昇圧させた後に、誘導コイル60への通電を停止して原料2及び種結晶5を室温まで自然冷却する。
この冷却の際、本実施形態では、上述のように第1の蓋部材13の突起132によって容器本体11の内壁面113への窒化アルミニウム多結晶の到達が妨げられており、当該多結晶が内壁面113と接触していないので、第1の坩堝10にクラックが発生することがない。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、第1の坩堝10を第2の坩堝20内に収容した二重坩堝構造について説明したが、特にこれに限定されず、第1の坩堝10と第2の坩堝20の間に他の坩堝が介在する三重坩堝構造であってもよい。
1…単結晶製造装置
2…原料
5…種結晶
6…窒化アルミニウム単結晶
10…第1の坩堝
11…容器本体
111…上部開口
112…上端
113…内壁面
12,12B〜12F…蓋体
13…第1の蓋部材
131…貫通開口
132…突起
14…第2の蓋部材
15…第3の蓋部材
151…貫通開口
16…収容空間
17…貫通開口
18…突起
19…底部
20…第2の坩堝
21…容器本体
22…蓋体
30…結晶成長炉
31…ガス導入口
32…ガス排出口
40…ガス供給装置
50…減圧装置
60…誘導コイル

Claims (5)

  1. 原料を収容すると共に種結晶を保持する第1の坩堝を備えた窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
    前記第1の坩堝は、
    上部開口を有する容器本体と、
    前記上部開口を覆う蓋体と、を備えており、
    前記蓋体は、
    前記種結晶の外径よりも小さな内径を有する貫通開口と、
    前記貫通開口を囲むように設けられ、前記容器本体側に向かって突出する突起と、を有し、
    前記蓋体は、前記種結晶が前記貫通開口を介して前記原料に対向するように、前記種結晶を保持することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
  2. 請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
    前記蓋体は、
    前記上部開口を覆うと共に、前記種結晶を保持する第1の蓋部材と、
    前記第1の蓋部材に保持された前記種結晶を覆う第2の蓋部材と、を有しており、
    前記貫通開口及び前記突起は、前記第1の蓋部材に設けられていることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
  3. 請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
    前記蓋体は、前記種結晶を収容する収容空間を有しており、
    前記貫通開口は、前記蓋体の底部を貫通して前記収容空間と連通していることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
    前記第1の坩堝は、モリブデン、タングステン、タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングステン、及び、炭化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されていることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
    前記第1の坩堝を収容する第2の坩堝と、
    前記第2の坩堝を収容する結晶成長炉と、
    前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記第1及び第2の坩堝を加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
JP2013189542A 2013-09-12 2013-09-12 窒化アルミニウム単結晶の製造装置 Pending JP2015054799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189542A JP2015054799A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 窒化アルミニウム単結晶の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013189542A JP2015054799A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 窒化アルミニウム単結晶の製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015054799A true JP2015054799A (ja) 2015-03-23

Family

ID=52819439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013189542A Pending JP2015054799A (ja) 2013-09-12 2013-09-12 窒化アルミニウム単結晶の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015054799A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6291615B1 (ja) * 2017-05-23 2018-03-14 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
JP6317868B1 (ja) * 2017-05-23 2018-04-25 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
CN108103569A (zh) * 2017-12-29 2018-06-01 苏州奥趋光电技术有限公司 一种通过物理气相传输法生长氮化铝单晶的坩埚装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6291615B1 (ja) * 2017-05-23 2018-03-14 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
JP6317868B1 (ja) * 2017-05-23 2018-04-25 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
JP2018197174A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
JP2018197173A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 Jfeミネラル株式会社 窒化アルミニウム単結晶製造装置
CN108103569A (zh) * 2017-12-29 2018-06-01 苏州奥趋光电技术有限公司 一种通过物理气相传输法生长氮化铝单晶的坩埚装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9376764B2 (en) Physical vapor transport growth system for simultaneously growing more than one SiC single crystal and method of growing
JP5517123B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶とその製造方法および製造装置
JP2015054799A (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造装置
US10287706B2 (en) Heating unit comprised of ring heaters with ring support units disposed between the ring heaters and ingot growing device including the same
JP7346995B2 (ja) SiC単結晶インゴットの製造方法
US9777400B2 (en) Method for producing single crystal
JPH11268990A (ja) 単結晶の製造方法および製造装置
JP5602093B2 (ja) 単結晶の製造方法および製造装置
JP2000219595A (ja) 坩堝、結晶成長装置、および、結晶成長方法
JP6180024B2 (ja) 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法
US9951441B2 (en) Method for producing SiC substrate
KR20130083653A (ko) 단결정 성장 장치
JP2015054800A (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造装置
JP2015229608A (ja) 単結晶製造装置
JP2015166298A (ja) 単結晶製造装置及び単結晶製造方法
JP2013159511A (ja) 単結晶製造装置
JP6474670B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP6214038B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造方法
CN106167916A (zh) SiC单晶的制造方法
JP6128646B2 (ja) 単結晶成長装置
JP2016190762A (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造装置
JP2009078929A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置
JP2016020286A (ja) AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材
KR20130083654A (ko) 단결정 성장 장치
JP2015086114A (ja) 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法