JP6317868B1 - 窒化アルミニウム単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇華した原料物質が種結晶以外の部位に堆積することを防止し、種結晶上で優先的に結晶成長させ、単結晶を効率よく成長させることができる窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供する。【解決手段】昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、育成坩堝1は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体3と、下面中央部に種結晶を保持し、坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体4を備え、この蓋体4は、その中央領域に薄肉部40を有する。薄肉部40は抜熱効果が高いため、種結晶及びその周囲(蓋体の部位)を種結晶<種結晶周囲となるような温度分布とすることができるので、昇華した原料物質の種結晶周囲への堆積を防止し、種結晶上で優先的に結晶成長させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、加熱して昇華させた原料物質を種結晶に堆積させ、種結晶上に窒化アルミニウム単結晶を成長させる単結晶製造装置に関するものである。
近年、AlN、GaN、InNなどの第13族元素の窒化物からなる単結晶が、広いエネルギーバンドギャップ、高い熱伝導率及び高い電気抵抗を有していることから、種々の光デバイスや電子デバイスなどの半導体デバイス用の基板材料として注目されている。
従来、第13族元素の窒化物である窒化アルミニウム単結晶の製造方法としては、加熱により昇華した原料物質を単結晶として成長させる昇華法が知られている(例えば、特許文献1など)。この昇華法では、通常、坩堝内に入れた原料物質を非酸化性雰囲気中で加熱することにより分解気化させ、この分解気化成分を種結晶上に結晶成長させることにより窒化アルミニウム単結晶を得る。
特開平10−53495号公報
昇華法で窒化アルミニウム単結晶を製造する場合、一度に坩堝内に収容できる原料物質の量は限られるため、分解気化させた原料物質を効率よく種結晶上に集めることが重要であるが、従来の製造技術では、昇華した原料物質が種結晶以外にも堆積して多結晶が生成してしまい、種結晶上で効率良く結晶成長させることができないという問題がある。
また、大径サイズの窒化アルミニウム単結晶を製造するためには、繰り返し育成を行うことで結晶を径方向で成長させる必要があるが(例えば、特許文献1参照)、種結晶の周囲に多結晶が生成すると、単結晶が径方向で成長するための物理的スペースがなくなるため、単結晶の径方向での成長が阻害されるという問題がある。また、窒化アルミニウム単結晶は、その結晶成長過程において径方向の成長によりドメインの収斂が起こり、結晶性が向上するが、上記のように径方向の成長が阻害されると、そのドメインの収斂が起こりにくいため、結晶性の向上も阻害されることになる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、昇華した原料物質が種結晶以外の部位に堆積することが防止され、種結晶上で優先的に結晶成長させることにより、窒化アルミニウム単結晶を効率よく成長させることができるとともに、種結晶径方向への単結晶の成長が促進され、ドメインの収斂による結晶性の向上を図ることができる窒化アルミニウム単結晶製造装置及びその部品である育成坩堝用の蓋体を提供することにある。
昇華法による窒化アルミニウム単結晶の製造では、原料物質を収容するとともに、この原料物質の上方に種結晶が保持された育成坩堝が用いられる。この育成坩堝は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体と、下面中央部に種結晶を保持し、坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体を備えている。従来技術では、昇華した原料物質が種結晶周囲の部位(蓋体)にも堆積して多結晶が生成してしまい、上述したように、種結晶上で効率よく結晶成長させることができなかった。本発明者らは、このような課題を解決するために検討を重ねた結果、以下のような知見を得た。
(i)種結晶及びその周囲(蓋体の部位)の温度分布を適正化すること、具体的には、種結晶<種結晶周囲となるような温度分布とすることにより、昇華した原料物質の種結晶周囲への堆積を防止し、種結晶上で優先的に結晶成長させることができる。また、原料物質の種結晶周囲への堆積が防止される結果、種結晶径方向での結晶成長を阻害するものがなくなり、これにより種結晶径方向での結晶成長が促進され、ドメインの収斂による結晶性の向上を図ることができる。
(ii)下面中央部に種結晶を保持する蓋体について、その中央領域の肉厚を外側領域よりも薄くする(すなわち、蓋体の中央領域に薄肉部を形成する)ことにより、上記(i)のような温度分布を形成することができる。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
蓋体(4)は、その中央領域に薄肉部(40)を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[2]上記[1]の単結晶製造装置において、蓋体(4)の上面に窪み(41)が設けられることで薄肉部(40)が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[3]上記[2]の単結晶製造装置において、窪み(41)の外周縁がテーパー状であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[4]上記[2]又は[3]の単結晶製造装置において、窪み(41)の全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[5]上記[4]の単結晶製造装置において、窪み(41)の底面の全体又は中央領域が、円錐形状又は円錐台形状に隆起していることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[6]上記[2]〜[5]のいずれかの単結晶製造装置において、窪み(41)の底面に複数の溝又は/及び小穴が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[7]上記[6]の単結晶製造装置において、複数の溝が、窪み(41)の底面に同心状に形成される複数の環状溝であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの単結晶製造装置において、蓋体(4)の薄肉部(40)の径D1と坩堝本体(3)上端位置の内径D2の比率(D1/D2)が0.3〜0.9であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの単結晶製造装置において、蓋体(4)の薄肉部(40)は、その径D1と蓋体(4)の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.6〜1.2となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[10]上記[1]〜[8]のいずれかの単結晶製造装置において、蓋体(4)の薄肉部(40)は、その径D1と蓋体(4)の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.80〜1.05となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかの単結晶製造装置において、蓋体(4)が、上下に重ねられた蓋本体(4a)とプレート(4b)からなり、プレート(4b)の下面中央部に種結晶が保持されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかの単結晶製造装置において、雰囲気ガスの導入口と排出口を備えた炉体(A)内に育成坩堝(1)と加熱手段(2)が収納され、加熱手段(2)と炉体(A)の内壁面との間に遮熱体(5)が設けられることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[13]昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、中央領域に薄肉部(40)を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[14]上記[13]の蓋体において、上面に窪み(41)が設けられることで薄肉部(40)が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[15]上記[14]の蓋体において、窪み(41)の外周縁がテーパー状であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[16]上記[14]又は[15]の蓋体において、窪み(41)の全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[17]上記[16]の蓋体において、窪み(41)の底面の全体又は中央領域が、円錐形状又は円錐台形状に隆起していることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[18]上記[14]〜[17]のいずれかの蓋体において、窪み(41)の底面に複数の溝又は/及び小穴が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[19]上記[18]の蓋体において、複数の溝が、窪み(41)の底面に同心状に形成される複数の環状溝であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[20]上記[13]〜[19]のいずれかの蓋体において、薄肉部(40)の径D1は、坩堝本体上端位置の内径D2との比率(D1/D2)が0.3〜0.9であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[21]上記[13]〜[20]のいずれかの蓋体において、薄肉部(40)は、その径D1と蓋体の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.6〜1.2となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[22]上記[13]〜[20]のいずれかの蓋体において、薄肉部(40)は、その径D1と蓋体の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.80〜1.05となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[23]上記[13]〜[22]のいずれかの蓋体において、上下に重ねられた蓋本体(4a)とプレート(4b)からなり、プレート(4b)の下面中央部に種結晶が保持されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置及びその部品である育成坩堝用の蓋体は、下面中央部に種結晶を保持する蓋体の中央領域に薄肉部を形成することにより、種結晶及びその周囲(蓋体の部位)を種結晶<種結晶周囲となるような温度分布とすることができる。このため、昇華した原料物質の種結晶周囲への堆積を防止し、種結晶上で優先的に結晶成長させることができ、窒化アルミニウム単結晶を効率よく成長させることができる。また、原料物質の種結晶周囲への堆積が防止される結果、種結晶径方向での結晶成長を阻害するものがなくなり、これにより種結晶径方向での結晶成長が促進され、ドメインの収斂による結晶性の向上を図ることができる。このため、半導体デバイス用の基板材料などに適した高品質の窒化アルミニウム単結晶を効率的且つ低コストに製造することができる。
本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置の一実施形態を示す縦断面図 図1のII-II線に沿う断面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図
本発明の単結晶製造装置は、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置である。図1及び図2は、本発明の単結晶製造装置の一実施形態を示すもので、図1は縦断面図、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
図において、1は育成坩堝、2はこの育成坩堝1を外側から加熱する加熱手段であり、これらは炉体A(結晶成長炉)内に収納されている。
育成坩堝1は、上部が開放し、下部に原料物質xが収容される円筒状で有底の坩堝本体3と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、この坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体4を備えている。
坩堝本体3は、原料物質xのセットを容易にするため上下2分割されており、原料物質xが収容される有底の下部坩堝本体3aと、その上に置かれる筒状の上部坩堝本体3bで構成されている。なお、本実施形態では、下部坩堝本体3aと上部坩堝本体3bは同径としてあるが、例えば、結晶成長部である上部坩堝本体3bの方を下部坩堝本体3aより大径に構成してもよい。また、坩堝本体3は、本実施形態のように上下2分割された構造ではなく、一体型の構造としてもよい。
蓋体4は、下面中央部に種結晶sを保持(密着状態で保持)しており、坩堝本体3の上部にセット(載置)された状態で、保持した種結晶sが下向きとなり、坩堝本体3の下部に収容された原料物質xと対向する。
本発明装置の蓋体4は、その中央領域(保持した種結晶sの背面側となる中央領域)に薄肉部40を有することを特徴とするが、これについては後に詳述する。
本実施形態の蓋体4は、種結晶sの交換や育成で得られた単結晶の取り出しを容易にするため、上下に重ねられた蓋本体4aとプレート4bで構成され、プレート4bの下面中央部に種結晶sが保持されている。したがって、蓋体4は、下面中央部に種結晶sを保持したプレート4bが坩堝本体3の上部に置かれ、その上に重ねて蓋本体4aが置かれることで、坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる。なお、蓋体4は、本実施形態のように蓋本体4aとプレート4bからなるのではなく、一体型のものとしてもよい。
蓋体4の径は、坩堝本体3(本実施形態では上部坩堝本体3b)の外径とほぼ同じであり、特に制限はないが、一般には10〜150mm程度である。また、蓋体4の厚み(蓋本体4aとプレート4bを合わせた厚み)も特に制限はないが、一般には、中央領域の薄肉部40及び外側領域の厚肉部を含めて0.2〜20mm程度の範囲とする。
種結晶sは、任意の形状を有することができるが、本実施形態では円板状であり、蓋体4(本実施形態ではプレート4b)の下面中央部に密着した状態で固定される。固定方法としては、例えば、熱融着による固定、固定具を用いた機械的な固定など、適宜な方法を採ることができる。
通常、種結晶sは、窒化アルミニウム単結晶を結晶成長させ得るような方位を持った単結晶であって、表面(下面)が化学機械的研磨(CMP)された窒化アルミニウム単結晶である。なお、種結晶sは、表面(下面)だけでなく、裏面についてもCMPなどにより処理されていてもよい。
育成坩堝1は、下部坩堝本体3aの上に上部坩堝本体3bを重ね置いて坩堝本体3を構成し、この坩堝本体3の上に、下面中央部に種結晶sを保持した蓋体4(蓋本体4a及びプレート4b)を置くだけで組み立てられる。このように育成坩堝1は、原料物質xや種結晶sのセッティングの都合上、分解・組立式としてあるが、昇華した原料物質が育成坩堝1から漏出しないようにするため、育成坩堝1を構成する各部材間になるべく隙間が生じないように組み立てられることが好ましい。このため、例えば、隙間を生じやすい部分にシール材を巻き付けるようにしてもよい。
加熱手段2(ヒーター)は、例えば、抵抗加熱式ヒーター、高周波加熱装置、高周波誘導加熱装置などで構成される。加熱手段2は、育成坩堝1を所定の間隔で外囲するように配置される。この加熱手段2は、種結晶s上で結晶成長させるのに最適な温度と、原料物質xを昇華させるのに最適な温度となるように、育成坩堝1を加熱する。
炉体Aは、雰囲気ガスの導入口6と排気口7を備えている。導入口6にはガス供給管8が接続され、図示しないガス供給源から雰囲気ガスが供給される。また、排気口7には排気管9が接続され、この排気管9には排気ポンプ(図示せず)が設けられる。
この炉体A内に収納された加熱手段2と炉体Aの内壁面との間には、加熱手段2の熱から炉体Aを保護するための遮熱体5が設けられている。本実施形態の遮熱体5は、上部及び下部に開口部50、51を有する筒体であり、炉体Aの底部に置かれ、その内部に育成坩堝1と加熱手段2が収納されている。遮熱体5の下端には内フランジ52が形成され、この内フランジ52の上面に支持台11がその外縁部を介して支持されるとともに、この支持台11上に育成坩堝1と加熱手段2が支持されている。なお、遮熱体5は、複数のリング状部材を重ねて構成してもよいし、一体型に構成してもよい。
炉体Aの上部中央部には石英ガラス板が嵌め込まれた窓12が設けられ、この窓12に面して放射温度計10が配置され、この放射温度計10により遮熱体5の開口部50を通して蓋体4の温度が測定できるようになっている。
育成坩堝1を構成する坩堝本体3(下部坩堝本体3a、上部坩堝本体3b)と蓋体4(蓋本体4a、プレート4b)は、窒化アルミニウム単結晶よりも高い融点を有する材料で構成される。例えば、窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物などの中から選ばれる1種以上で構成することができる。また、金属などの適当な母材に窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物などの中から選ばれる1種以上からなるコーティングを施したもので構成してもよい。また、窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物としては、特に、タンタル(Ta)、タングステン(W)、これらの各金属の合金、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)、窒化ホウ素(BN)が好ましい。これらの材料は、窒化アルミニウム単結晶との反応性が低く、且つ高温での耐熱性に優れているため特に好適な材料である。
蓋体4は、その中央領域(保持した種結晶sの背面側となる中央領域)に薄肉部40、すなわち外側領域よりも肉厚が薄い部分を有するが、本実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に窪み41(凹陥部)が設けられることで薄肉部40が形成されている。通常、薄肉部40(窪み41)は、種結晶sと同じく円形状に形成され、且つ蓋体4の下面中央部に保持される種結晶sと同心状になるように形成される。
蓋体4の中央領域に薄肉部40を形成する狙いは、次の通りである。育成坩堝1内で昇華した原料物質は温度が低い部位ほど堆積しやすい。一方、育成坩堝1の外側の雰囲気ガス温度は、加熱されている育成坩堝1よりも低く、このため蓋体4からその外側の雰囲気ガス中に抜熱が生じるが、蓋体4は厚さが薄いほど熱容量が小さいために抜熱効果が大きく、温度が低下しやすい。そこで、種結晶sの背面側(蓋体4の中央領域)の蓋体部分を薄肉部40とすることで、種結晶sの温度が周囲の温度よりも低くなるようにし、原料物質が種結晶sに優先的に堆積し、種結晶s上での結晶成長が促進されるようにしたものである。
薄肉部40の厚さや径を選択することで、蓋体径方向での温度分布を調整することができる。
上述したように、薄肉部40は抜熱効果によって種結晶sの温度を低下させるために設けられるので、その大きさ(径)は基本的に種結晶sの大きさ(径)との関係で決めることが好ましいが、種結晶sの一般的な大きさ(径)や、薄肉部40を設けることによる効果を考慮した場合、通常、蓋体4の薄肉部40の径D1と坩堝本体3の上端位置の内径D2の比率(D1/D2)は0.3〜0.9程度となる。
また、薄肉部40(窪み41)は、種結晶sの背面側の領域の温度だけが限定的に低下するように形成されることが好ましいので、蓋体4の薄肉部40は、その径D1と蓋体4の下面中央部に保持される種結晶sの径Dsとの比率(D1/Ds)が0.6〜1.2となるように形成されるが好ましく、0.80〜1.05となるように形成されることが特に好ましい。ここで、比率(D1/Ds)の下限側の許容範囲に較べて上限側の許容範囲が狭いのは、種結晶sの径Dsに対して薄肉部40の径D1が大きくなりすぎると、薄肉部40により温度が低下して原料物質が堆積しやすくなる範囲が、種結晶周囲(蓋体下面)に大きく広がり、薄肉部40を設けることによる効果が阻害されことになるからである。
薄肉部40の厚さtは、抜熱効果に大きな影響を与えるので、所望の温度分布に応じて決められる。したがって、薄肉部40の厚さtは特に限定しないが、通常、本実施形態や後述する図3、図9、図10の実施形態のように窪み41の底面がフラットの場合には、薄肉部40の厚さtは、外側領域の厚さtとの比率(t/t)が0.05〜0.9程度となるようにすることが好ましい。
一方、後述する図4〜図8の実施形態のように窪み41の底面の全体又は中央領域が、中心側ほど高くなるような形状に隆起している場合には、窪みが最も深い薄肉部40の外縁部での厚さtは、外側領域の厚さtとの比率(t/t)が0.05〜0.9程度となるようにし、また、薄肉部40の中心部での厚さt(図4、図6〜図8の実施形態のように、この厚さtは外側領域の厚さtと同等かそれ以上の場合がある)は、外側領域の厚さtとの比率(t/t)が0.1〜2.0程度となるようにすることが好ましい。なお、代表して、図4にt、t、tを示した。
図1及び図2の実施形態では、蓋体4の窪み41は底面がフラットで外周縁が垂直に形成されているが、これに限らず種々の形態で形成することができる。
図3〜図10は、それぞれ蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図である。
図3の蓋体4は、窪み41の外周縁がテーパー状(傾斜面)に構成されている。この場合、テーパー面410の直下に種結晶sの外周縁を位置させることにより、薄肉部40により温度低下する領域を、種結晶sの背面側の領域に一致させやすくなる利点がある。
図4〜図8の蓋体4は、窪み41全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成されたものであり、これらの実施形態では、窪み41の底面の全体又は中央領域が、中心側ほど高くなるような形状(円錐形状又は円錐台形状)に隆起している。種結晶sと蓋体4は加熱手段2で外側から加熱されるので、窪み41により形成される薄肉部40は、その中心側ほど温度が低くなる。そこで、薄肉部40の温度を径方向で均一化するため、薄肉部40について中心側ほど厚みをもたせるようにしたものである。
なお、窪み41の中心部の厚さtに特に制限はなく、薄肉部40の温度を径方向で均一化するために、必要に応じて外側領域の厚さtよりも厚くしてもよい。
図4の蓋体4は、窪み41の底面全体を円錐形状(図中の二点鎖線よりも上の部分)に隆起させ、窪み41全体の厚さが中心側ほど厚くなるように構成されたものであるが、この実施形態の場合、窪み41の中心部での蓋体4の厚さtは、外側領域での蓋体4の厚さtとほぼ同じである。
図5の蓋体4は、窪み41の底面の中央領域を円錐形状(図中の二点鎖線よりも上の部分)に隆起させ、窪み41の中央領域の厚さが中心側ほど厚くなるように構成されたものであるが、この実施形態の場合、窪み41の中心部での蓋体4の厚さtは、外側領域での蓋体4の厚さtよりも薄い。
図6の蓋体4は、窪み41の底面全体を円錐台形状(図中の二点鎖線よりも上の部分)に隆起させ、窪み41全体の厚さが中心側ほど厚くなるように構成されたものであるが、この実施形態の場合、窪み41の中心部での蓋体4の厚さtは、外側領域での蓋体4の厚さtとほぼ同じである。
図7の蓋体4は、窪み41の底面全体を円錐形状(図中の二点鎖線よりも上の部分)に隆起させ、窪み41全体の厚さが中心側ほど厚くなるように構成されたものであるが、この実施形態の場合、窪み41の中心部での蓋体4の厚さtは、外側領域での蓋体4の厚さtよりも厚い。
図8の蓋体4は、窪み41の底面全体を円錐台形状(図中の二点鎖線よりも上の部分)に隆起させ、窪み41全体の厚さが中心側ほど厚くなるように構成されたものであるが、この実施形態の場合も、窪み41の中心部での蓋体4の厚さtは、外側領域での蓋体4の厚さtよりも厚い。
なお、図4〜図8の実施形態では、窪み41の底面の全体又は中央領域を、円錐形状又は円錐台形状に隆起させているが、底面の全体又は中央領域を球面状やドーム状に隆起させてもよい。
図9の蓋体4は、窪み41の底面(フラットな底面)に複数の溝411が格子状に形成され、薄肉部4の表面積を増加させることで抜熱効果が高められるようにしている。また、溝の代わりに或いは溝とともに小穴を形成してもよい。
図10の蓋体4は、図9の蓋体4と同じ目的で、窪み41の底面(フラットな底面)に複数の環状溝411aが同心状に形成されている。また、さきに述べたように、窪み41により形成される薄肉部40は、その中心側ほど温度が低くなるので、薄肉部40の温度を径方向で均一化するため、最内側の環状溝411aの直径をある程度の大きさとし、その内側に適当な大きさの平坦部412が形成されるようにしてもよい。
また、図9、図10の実施形態では、窪み41の底面に溝411や環状溝411aを設けることにより、薄肉部40に凹凸が形成されて厚みが一定でない構造となるが、このような構造により、次のような作用効果も得られる。種結晶sの表面は、温度が低い部位ほど原料物質が堆積しやすい(結晶成長がしやすい)。蓋体4(薄肉部40)に凹凸を形成して厚みが一定でない構造とすると、蓋体4の抜熱効果が面内で不均一になるため、種結晶sの面内に温度が高い部位と低い部位が生じ、種結晶面内の温度分布が不均一となる。これにより、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差が生じて、種結晶面内において温度が低い部位のドメイン領域に堆積が起こりやすくなり(すなわち結晶成長速度が大きくなる)、当該ドメイン領域の優先的な成長が起こり、成長速度の遅いドメインを覆いこむように結晶成長が生じる。このためドメインの収斂が効率的に起こり、窒化アルミニウム単結晶の結晶性を向上させることができる。
なお、薄肉部40に形成する凹凸は、図9や図10に示すような複数の溝や小穴を、蓋体4の下面に設けることにより形成してもよく、さらに、窪み41の底面と蓋体4の下面の両方に設けることにより形成してもよい。また、溝や穴の形態、設け方などは任意である。
また、図3〜図10の実施形態の窪み41の構成を組み合わせたもの、すなわち、(i)窪み41の外周縁がテーパー状(傾斜面)に構成される、(ii)窪み41全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成される(例えば、窪み41の底面の全体又は中央領域を、中心側ほど高くなるような形状(円錐形状又は円錐台形状など)に隆起させる)、(iii)窪み41の底面に複数の溝又は/及び小穴が形成される(複数の溝が、同心状に形成される複数の環状溝である場合を含む)、という構成を2つ以上を備える蓋体4としてもよい。
また、以上述べた各実施形態では、薄肉部40は蓋体4の上面に窪み41を設けることで形成されているが、薄肉部40の設け方はこれに限定されるものではない。
次に、本実施形態の単結晶製造装置を使用した単結晶の製造方法について説明する。
原料物質xとしては、例えば、市販のAlN粉末を1800〜2300℃程度で加熱処理し、凝集体としたものを使用する。
原料物質xを収容した坩堝本体3(下部坩堝本体3a及び上部坩堝本体3b)と、下面中央部に種結晶sを保持した蓋体4(蓋本体4a及びプレート4b)を図1のような育成坩堝1に組み立て、この育成坩堝1と加熱手段2と遮熱体5を図1のように炉体A内にセットする。
製造開始に当たり、炉体Aの排出口7に接続された排気管9の排気ポンプにより炉体A内を減圧し、ガス供給源から供給される雰囲気ガス(窒素ガスなどの非酸化性ガス)をガス供給管8及び導入口6を通じて炉体A内に導入し、炉体A内を非酸化性ガス雰囲気とする。
次いで、加熱手段2による加熱を開始し、種結晶sの表面を昇温させるとともに、原料物質xを昇温させる。この時、蓋体4からの抜熱の影響により、育成坩堝1内では、上部側ほど温度が低く、下部側ほど温度が高くなるような温度勾配が形成される。原料物質xが一定温度まで加熱されると、原料物質xの昇華が始まる。昇華した原料物質xは、上記のような温度勾配に従い低温側である育成坩堝1の上部側に移動する。昇華した原料物質xは、温度が低い部位ほど堆積しやすいが、坩堝本体3の上部坩堝本体3bは加熱手段2による加熱の影響を大きく受けるために、種結晶sや蓋体4よりも高温状態となっているため、その内面には原料物質xの堆積は生じにくい。
一方、種結晶sと蓋体4の温度は、加熱手段2による加熱と蓋体4からの抜熱の影響を大きく受ける。育成坩堝1の外側の炉内雰囲気ガス温度(一般に1500〜2000℃程度)は、加熱手段2で加熱されている種結晶sや蓋体4の温度(一般に1800〜2300℃程度)よりも低く、このため蓋体4から炉内雰囲気ガス中に抜熱が生じるが、蓋体4は厚さが薄いほど熱容量が小さいために抜熱効果が大きい。したがって、蓋体4の中央領域(保持した種結晶sの背面側となる中央領域)に形成された薄肉部40は、外側領域の部分(厚肉部)よりも抜熱効果が大きく、外側領域よりも温度が低くなり、このため蓋体4の下面中央部に保持(密着保持)された種結晶sの温度も、その周囲(蓋体4の外側領域の部分)よりも低くなる。昇華した原料物質は、温度が低い部位ほど堆積しやすいため、温度が高い種結晶sの周囲に堆積することなく、温度が低い種結晶s上に優先的に堆積し、種結晶s上での結晶成長が促進されることになる。また、昇華した原料物質が種結晶sの周囲に堆積することが防止される結果、種結晶径方向での結晶成長を阻害するものがなくなり、このため種結晶径方向での結晶成長が促進され、ドメインの収斂による結晶性の向上を図ることが可能となる。
なお、以上のような窒化アルミニウム単結晶の製造中、炉体A内にはガス供給管8及び導入口6を通じて雰囲気ガスが導入されるとともに、排気ポンプにより排気口7及び排気管9を通じて炉体A内の雰囲気ガスが排出され、且つ炉内圧力が一定に保たれる。このようなガスの給排気と炉内圧力のコントロールにより、炉体Aや育成坩堝1内に酸素を浸入させることなく、安定した操業を行うことができる。
また、放射温度計10で蓋体4の温度を測定し、例えば、加熱手段2の不具合による蓋体4の温度異常などを検知する。
また、窒化アルミニウム単結晶製造装置の部品である本発明に係る育成坩堝用の蓋体は、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、中央領域に薄肉部40を有するものであり、その構成及び実施形態は、上述した通りである。
[窒化アルミニウム単結晶の製造例]
図1及び図2に示す本発明の単結晶製造装置を用い、窒化アルミニウム単結晶を製造した。装置の仕様は以下の通りである。
(1)坩堝本体3
・高さ:100mm
・内径D2:65mm
(2)蓋体4
・薄肉部40の厚さ:0.5mm
・薄肉部40以外の部分(外側領域)の厚さ:5mm
・薄肉部40(窪み41)の径D1:41mm
(3)加熱手段2
・加熱方式:高周波誘導加熱式ヒーター
(4)種結晶s
・(0001)方位を有し、表面がCMPで表面処理されたAlN単結晶板
・径Ds:40mm
・厚さ:1.0mm
原料物質としては、市販のAlN粉末(平均粒径1.2μm)を予め窒素雰囲気中で約1500〜2000℃で加熱処理し、凝集させて得られたAlN凝集体を用いた。この原料物質を坩堝本体3に収容した後、装置を構成する各部材を組み立て、図1及び図2に示すような装置とした。
製造開始に当たり、排気管9に設けられた排気ポンプを用いて、炉体A内の空気を1.0×10−3Pa以下となるまで排気した後、原料物質x中の吸着酸素の蒸発を容易にするために、坩堝本体3を加熱手段2により下部坩堝本体3aが約400℃になるまで加熱した。その後、前記排気ポンプで炉体A内を5.0×10−4Pa以下まで排気した後、窒素ガスを導入し、炉体A内が所定圧力(300kPa)に到達したところで、加熱手段2によるさらなる加熱を行い、種結晶sの温度が1800〜2000℃、原料物質xの温度が2000〜2300℃になるまで昇温を行いながら(蓋体4からの抜熱の影響によってこのような温度勾配となる)、前記排気ポンプで炉体A内を100kPaまで排気し、原料物質xを昇華させ、種結晶sの方位(0001)でAlN単結晶の育成を100時間行った。育成後、育成坩堝1を取り出し、種結晶sの周囲を確認したところ、蓋体4(プレート4b)下面や坩堝本体3(上部坩堝本体3b)の内壁面にはAlN多結晶の堆積はほとんど見られず、種結晶sにのみAlNが堆積し、AlN単結晶が成長しているのが確認できた。AlNの堆積している範囲の直径は約40mmであった。
比較例の製造装置として、蓋体4のみを薄肉部40(窪み41)がない平坦な蓋体(厚さ5mm)に変更した製造装置を用い、AlN単結晶を製造した。その結果、種結晶sの周囲の蓋体面にAlN多結晶の堆積が多く確認された。AlNの堆積している範囲の直径は約65mmであり、坩堝本体の内径と同等の範囲にAlNの堆積が見られた。
上述した本発明の製造装置と比較例の製造装置でそれぞれ製造されたAlN単結晶の結晶性を以下のように評価した。製造されたAlN単結晶から所定の面方位に切り出し、外形を整えたAlN単結晶基板を、遊離砥粒にて両面ラッピング加工した後、化学機械的研磨(CMP)を実施した。このようにして得られたAlN単結晶基板のロッキングカーブ測定を行い、半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)を求めた。
その結果、比較例の製造装置で製造されたAlN単結晶基板は147arcsecであったのに対して、本発明の製造装置で製造されたAlN単結晶基板は90arcsecであり、本発明の製造装置で製造されたAlN単結晶は、比較例の製造装置で製造されたAlN単結晶に較べて結晶性の面でも優れていることが確認できた。
1 育成坩堝
2 加熱手段
3 坩堝本体
3a 下部坩堝本体
3b 上部坩堝本体
4 蓋体
4a 蓋本体
4b プレート
5 遮熱体
6 導入口
7 排気口
8 ガス供給管
9 排気管
10 放射温度計
11 支持台
12 窓
40 薄肉部
41 窪み
50,51 開口部
52 内フランジ
410 テーパー面
411 溝
411a 環状溝
412 平坦部
A 炉体
a 炉内空間

Claims (21)

  1. 育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
    育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
    蓋体(4)は、その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    蓋体(4)の薄肉部(40)の径D1と坩堝本体(3)上端位置の内径D2の比率(D1/D2)が0.3〜0.9であることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  2. 育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
    育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
    蓋体(4)は、その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    蓋体(4)の薄肉部(40)は、その径D1と蓋体(4)の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.6〜1.2となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  3. 蓋体(4)の薄肉部(40)は、その径D1と蓋体(4)の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.80〜1.05となるように形成されることを特徴とする請求項2に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  4. 蓋体(4)の薄肉部(40)の径D1と坩堝本体(3)上端位置の内径D2の比率(D1/D2)が0.3〜0.9であることを特徴とする請求項2又は3に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  5. 育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
    育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
    蓋体(4)は、その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    窪み(41)の全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  6. 窪み(41)の底面の全体又は中央領域が、円錐形状又は円錐台形状に隆起していることを特徴とする請求項5に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  7. 育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
    育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
    蓋体(4)は、その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    窪み(41)の底面に複数の溝又は/及び小穴が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  8. 複数の溝が、窪み(41)の底面に同心状に形成される複数の環状溝であることを特徴とする請求項7に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  9. 窪み(41)の外周縁がテーパー状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  10. 蓋体(4)が、上下に重ねられた蓋本体(4a)とプレート(4b)からなり、プレート(4b)の下面中央部に種結晶が保持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  11. 雰囲気ガスの導入口と排出口を備えた炉体(A)内に育成坩堝(1)と加熱手段(2)が収納され、加熱手段(2)と炉体(A)の内壁面との間に遮熱体(5)が設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  12. 昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
    その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    薄肉部(40)は、その径D1と坩堝本体上端位置の内径D2との比率(D1/D2)が0.3〜0.9となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  13. 昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
    その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    薄肉部(40)は、その径D1と蓋体の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.6〜1.2となるように形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  14. 薄肉部(40)は、その径D1と蓋体の下面中央部に保持される種結晶の径Dsとの比率(D1/Ds)が0.80〜1.05となるように形成されることを特徴とする請求項13に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  15. 薄肉部(40)は、その径D1と坩堝本体上端位置の内径D2との比率(D1/D2)が0.3〜0.9となるように形成されることを特徴とする請求項13又は14に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  16. 昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
    その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    窪み(41)の全体又は中央領域の厚さが、中心側ほど厚くなるように構成されることを特徴とする記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  17. 窪み(41)の底面の全体又は中央領域が、円錐形状又は円錐台形状に隆起していることを特徴とする請求項16に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  18. 昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
    その中央領域に、蓋体上面に窪み(41)が設けられることで形成される薄肉部(40)を有するとともに、蓋体下面が種結晶保持用の台座がない単一の平坦面で構成され、
    窪み(41)の底面に複数の溝又は/及び小穴が形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  19. 複数の溝が、窪み(41)の底面に同心状に形成される複数の環状溝であることを特徴とする請求項18に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  20. 窪み(41)の外周縁がテーパー状であることを特徴とする請求項12〜19のいずれかに記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  21. 上下に重ねられた蓋本体(4a)とプレート(4b)からなり、プレート(4b)の下面中央部に種結晶が保持されることを特徴とする請求項12〜20のいずれかに記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
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