JP2014084240A - 窒化アルミニウム単結晶の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】種子基板と蓋体との固着を抑制することにより、種子基板の熱応力による変形や破損を防止することが可能な窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供する。
【解決手段】保持部材15は周縁部が蓋体19の内面19aに向かって延び、その先端で蓋体19に固着されている。このような保持部材15の形状によって、保持部材15に載置された種子基板の結晶成長面14aとは反対側の他面(裏面)14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtが保たれる。即ち、保持部材15および蓋体19は、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtが保たれるように、互いに離間して配される。
【選択図】図1
【解決手段】保持部材15は周縁部が蓋体19の内面19aに向かって延び、その先端で蓋体19に固着されている。このような保持部材15の形状によって、保持部材15に載置された種子基板の結晶成長面14aとは反対側の他面(裏面)14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtが保たれる。即ち、保持部材15および蓋体19は、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtが保たれるように、互いに離間して配される。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化アルミニウム(AlN)の製造装置に関し、詳しくは、種子基板と蓋体との固着を防止する技術に関する。
窒化アルミニウム系半導体は熱伝導率が非常に高く、熱を拡散する上で大変有利である。窒化アルミニウム単結晶の製造方法としては、溶液法ではフラックス法、気相法では有機金属気相成長法、水素化物気相堆積法、昇華法などが挙げられる。特に昇華法は、一般的に成長速度が大きいため、バルク結晶の作製に対して有力な方法である。
従来の昇華法による窒化アルミニウム単結晶の製造装置として、例えば、特許文献1に記載された窒化アルミニウム単結晶の製造装置を図3に示す。
従来の窒化アルミニウム単結晶の製造装置50は、上部に開口部を有する坩堝(結晶成長容器)52と、前記開口部近傍に設けられた蓋体53と、蓋体53の下方に設けられた保持部材55と、蓋体53および保持部材55の間で狭持される種子基板54とを備えて構成される。
坩堝55及び蓋体53で構成される結晶成長空間57全体は、黒鉛製の外側坩堝58及び外側坩堝58の上面に載置された黒鉛性の外側蓋体59により形成される空間内に配置され、これら外側坩堝58及び坩堝52は結晶成長用炉51内に固定されている。坩堝52の内底部には、窒化アルミニウム粉末等の原料56が収納されており、種子基板54の保持部材55と接しない部分は、原料56と対向している。
従来の窒化アルミニウム単結晶の製造装置50は、上部に開口部を有する坩堝(結晶成長容器)52と、前記開口部近傍に設けられた蓋体53と、蓋体53の下方に設けられた保持部材55と、蓋体53および保持部材55の間で狭持される種子基板54とを備えて構成される。
坩堝55及び蓋体53で構成される結晶成長空間57全体は、黒鉛製の外側坩堝58及び外側坩堝58の上面に載置された黒鉛性の外側蓋体59により形成される空間内に配置され、これら外側坩堝58及び坩堝52は結晶成長用炉51内に固定されている。坩堝52の内底部には、窒化アルミニウム粉末等の原料56が収納されており、種子基板54の保持部材55と接しない部分は、原料56と対向している。
窒化アルミニウム単結晶AlNを成長させる際は、加熱手段51によって坩堝(結晶成長容器)52を約2000℃まで加熱して、窒化アルミニウムを主な組成とする原料56を昇華させる。これにより窒化アルミニウム組成の昇華ガスが発生し、種子基板54上に輸送される。そして、種子基板54の一方の主面(以下、結晶成長面と称する)に窒化アルミニウムが再結晶化(析出)し、窒化アルミニウム単結晶AlNとして成長する。
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来の窒化アルミニウム単結晶の製造装置では、種子基板を蓋体53と保持部材55との間に挟持させた構成となっている。このような構成では、結晶成長時に高温となった種子基板54のうち、結晶成長面と反対側の裏面から発生した昇華ガスの再結晶化によって、種子基板54と蓋体53とが固着する虞があった。種子基板54と蓋体53とが固着すると、互いの熱膨張率の違いによって熱応力が生じ、種子基板54が破損する懸念がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、種子基板と蓋体との固着を抑制することにより、種子基板の熱応力による変形や破損を防止することが可能な窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のような窒化アルミニウム単結晶の製造装置を提供した。
すなわち、本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、開口部を有し内部に原料を収納する結晶成長容器と、該結晶成長容器の開口部に設置された蓋体と、前記結晶成長容器内において、結晶成長面を前記原料と対向させるように配置した種子基板と、前記種子基板と前記原料との間に配置され、かつ、前記種子基板の外周部の少なくとも一部に接し、その中心部に前記種子基板の外径より小さな貫通開口を有する保持部材と、を有する窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
前記蓋体と前記種子基板とを離間させたことを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
すなわち、本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、開口部を有し内部に原料を収納する結晶成長容器と、該結晶成長容器の開口部に設置された蓋体と、前記結晶成長容器内において、結晶成長面を前記原料と対向させるように配置した種子基板と、前記種子基板と前記原料との間に配置され、かつ、前記種子基板の外周部の少なくとも一部に接し、その中心部に前記種子基板の外径より小さな貫通開口を有する保持部材と、を有する窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
前記蓋体と前記種子基板とを離間させたことを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
前記保持部材は前記蓋体に設けられ、前記種子結晶を一面で保持することを特徴とする。
前記保持部材は、前記蓋体の内面に一方の端部が固定されて前記原料に向けて延びる垂直壁と、該垂直壁の他方の端部に固定されて前記種子結晶を保持する前記一面を備えた水平壁とを有することを特徴とする。
前記離間距離は、5mm以上であることを特徴とする。
前記種子基板の厚みは、1mm以上であることを特徴とする。
本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造装置によれば、結晶成長時に種子基板の他面から生じた昇華ガスによって、種子基板の他面と蓋体の内面とが接合してしまうことを確実に防止する。即ち、種子基板の他面と、蓋体の内面との間に離間距離を保つことによって、種子基板の他面から昇華ガスが発生しても、従来のように種子基板と蓋体とが接していないので、昇華ガスが再結晶して種子基板と蓋体とが接合する懸念が無い。
従って、種子基板と蓋体との接合によって、互いの熱膨張率の違いから生じる熱応力で種子基板が歪んだり、破損したりすることを確実に防止することが可能になる。
従って、種子基板と蓋体との接合によって、互いの熱膨張率の違いから生じる熱応力で種子基板が歪んだり、破損したりすることを確実に防止することが可能になる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る窒化アルミニウム単結晶の製造装置の一例を模式的に示す概略構成図である。本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、昇華法によって種子基板上に窒化アルミニウムを昇華再結晶させて、窒化アルミニウム単結晶を成長させる装置である。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る窒化アルミニウム単結晶の製造装置の一例を模式的に示す概略構成図である。本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置は、昇華法によって種子基板上に窒化アルミニウムを昇華再結晶させて、窒化アルミニウム単結晶を成長させる装置である。
本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置10は、結晶成長用炉20を備えている。結晶成長用炉20は、上部に開口部11aを有する結晶成長容器(坩堝)11と、前記開口部11aを覆う蓋体19と、この蓋体19の内面19aに設けられた保持部材15とを備えている。また、保持部材15の一面15aには、種子基板14が載置されている。更に、結晶成長容器11及び蓋体19の外側は、黒鉛などから構成される炉体収納容器18により覆われている。結晶成長容器11の内底部には、窒化アルミニウム粉末等の原料12が収納されている。
結晶成長用の種子基板14は、例えば、板状又は円板状のSiC単結晶、AlN単結晶、AlN/SiC単結晶(SiC単結晶上に膜厚200〜500μm程度のAlN単結晶膜をヘテロ成長させた単結晶)である。
更に、結晶成長用炉20の外周に沿って、結晶成長用炉20の内部に配された、炉体収納容器18、結晶成長容器11、原料12、種子基板14を加熱する複数の加熱手段21が設けられている。加熱手段21としては特に限定されるものではなく、高周波誘導加熱(高周波コイル)、抵抗加熱及び赤外加熱といった、従来公知のものを用いることができる。加熱温度の制御は、不図示の放射温度計により炉体収納容器18の表面温度を測定しながら、加熱手段21を調整することにより行うことができる。
なお、結晶成長用炉20の外側には、更に窒素ガスなどの不活性ガスを導入し、結晶成長空間E1を所定のガス圧に調整可能な圧力調整機構(不図示)を更に備えていることが好ましい。
結晶成長容器11、蓋体19及び保持部材15は、例えば、黒鉛、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、炭化珪素、窒化珪素、モリブデン、タングステン、タンタル、炭化モリブデン、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タングステン、窒化タンタルのうち少なくとも一種類から形成されている。これらの材料は、窒化アルミニウム単結晶の結晶成長時の2000℃程度の高温での熱的耐性を有するため、結晶成長容器11、蓋体19及び保持部材15の材料として好ましい。
また、結晶成長容器11の内底部には窒化アルミニウム粉末などの原料12が直接収納されるとともに、保持部材15の一面15aには種子基板14が載置され、原料12の加熱によって得られるバルク結晶成長に適した窒化アルミニウムの昇華ガスに曝される。よって、結晶成長容器11、蓋体19及び保持部材15を構成する材料は、窒化アルミニウムの昇華ガスによる腐食を受けないものが好ましい。
加えて、これらの結晶成長容器11、蓋体19及び保持部材15を構成する材料からの窒化アルミニウム単結晶16への汚染(固溶による汚染)を防ぐために、アルミニウムのイオン半径と大きく異なる金属の単体、ないしはその窒化物又は炭化物が望ましい。従って、結晶成長容器11、蓋体19及び保持部材15の材料として前記した材料の中でも、特にモリブデン、タングステン、タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタルがより好ましい。
なお、酸化物については、放出された酸素により窒化アルミニウム結晶中に酸窒化アルミニウム(AlON)層を形成し、窒化アルミニウムの結晶成長を阻害するため、用いることは好ましくない。
なお、酸化物については、放出された酸素により窒化アルミニウム結晶中に酸窒化アルミニウム(AlON)層を形成し、窒化アルミニウムの結晶成長を阻害するため、用いることは好ましくない。
保持部材15は、蓋体19の内面19aに一方の端部25aが固定されて原料12に向かって延びる垂直壁25と、この垂直壁25の他方の端部25bに固定されて、種子結晶14を保持する一面15aを備えた水平壁26とを備えている。そして、水平壁26の一面15aに種子基板14の結晶成長面(一面)14aが接するように載置される。
保持部材15の水平壁26には、中心から所定の直径で広がる貫通開口24が形成されている。この貫通開口24は、種子基板14の直径よりも小さくなるように形成され、保持部材15の一面15aと他面15b(即ち、原料12と対向する面)とを貫通している。
このような保持部材15は、種子基板14の結晶成長面14aに臨む(結晶成長面14aが貫通開口24を介して露呈された)第一空間E1と、種子基板14の結晶成長面14aと反対側の裏面14bが露呈される第二空間E2とを区画する。
種子基板14は、貫通開口24を介して結晶成長面(一面)14aの一部が原料12に対して露呈される。そして、この貫通開口24によって露呈された結晶成長面14aが、原料12の加熱によって生じた窒化アルミニウム蒸気(昇華ガス)に暴露され、結晶成長面14aに窒化アルミニウム単結晶16が成長する。なお、貫通開口24の形状は特に限定されるものではなく、種子基板14の外径よりも小さく、かつ、結晶が成長する種子基板14上の面積が十分確保されていればよい。
保持部材15は、蓋体19の内面19aと種子基板14の裏面14bとを離間させる。蓋体19の内面19aと種子基板14の裏面14bとの間には、離間距離Δtが保たれる。即ち、保持部材15および蓋体19は、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtが保たれるように、互いに離間して配される。
このような構成の保持部材15および蓋体19によって、結晶成長時に種子基板14の裏面14bから生じた昇華ガスによって、種子基板14の裏面14bと蓋体19の内面19aとが接合してしまうことを確実に防止する。即ち、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtを保つことによって、例え種子基板14の裏面14bから昇華ガスが発生したとしても、従来のように種子基板と蓋体とが十分に離間しているので、昇華ガスが再結晶しても種子基板14と蓋体19とが接合する懸念が無い。
従って、種子基板14と蓋体19との接合によって、互いの熱膨張率の違いから生じる熱応力で種子基板14が歪んだり、破損したりすることを確実に防止できる。
種子基板14の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間の離間距離Δtは、例えば、5mm以上に設定することが好ましい。離間距離Δtが5mm未満であると、種子基板14の他面14aの昇華速度が速い場合や、結晶成長時間が長い場合に、種子基板14の裏面14bと蓋体19の内面19aとの間に形成される空間が、昇華ガスの再結晶物によって埋まってしまう懸念がある。
また、種子基板14の厚みは1mm以上であることが好ましい。種子基板14の厚みが1mm未満であると、種子基板14の一部に穴が生じ、結晶成長面14aに成長した窒化アルミニウム単結晶AlNの結晶構造に欠陥が生じやすい。
なお、本実施形態では、保持部材15は蓋体19に固着された構造となっているが、保持部材15と蓋体19とを一体の部材で形成することも好ましい。保持部材15と蓋体19とを固着する方法としては、融着、接着、ネジ等による固定など、各種の固定方法を採用することができる。また、保持部材15を構成する垂直壁25や水平壁26は、一体の部材として形成されていても、別体に形成されていても良い。
また、本実施形態においては、炉体収納容器18の内部に結晶成長容器11が設置された2重容器構造を例示したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。炉体収納容器18と結晶成長容器11との間に他の容器等が配された3重容器構造であってもよいのは勿論である。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態においては、結晶成長容器内で原料を加熱して昇華ガスを発生させているが、原料の昇華ガスを結晶成長容器の外部から導入する構成も好ましい。
図2は、第2実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置を示す概略構成図である。
この第2実施形態は、CVD法(化学気相成長法)等の気相法によって種子基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させる装置である。
上述した第1実施形態においては、結晶成長容器内で原料を加熱して昇華ガスを発生させているが、原料の昇華ガスを結晶成長容器の外部から導入する構成も好ましい。
図2は、第2実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置を示す概略構成図である。
この第2実施形態は、CVD法(化学気相成長法)等の気相法によって種子基板上に窒化アルミニウム単結晶を成長させる装置である。
窒化アルミニウム単結晶の製造装置30は、上部に開口部31aを有する結晶成長容器31と、前記開口部31aを覆う蓋体32と、結晶成長容器31の下部に設けられた原料ガスを導入する原料ガス供給部33及び原料ガス供給口33aと、原料ガス供給部33に対向して設けられ、一面15aで種子基板14を保持する保持部材15と、保持部材15に載置する種子基板14とを備えて構成される。
原料ガス供給部33及び原料ガス供給口33aからは、窒化アルミニウムの原料ガスとなる、トリメチルアルミニウムの蒸気、窒素、水素、アンモニア等が導入される。
結晶成長容器31の外周に沿って、結晶成長容器31の内部空間及び種子基板14を加熱する複数の加熱手段39が設けられている。また、結晶成長容器31及び加熱手段39はチャンバー38によって覆われている。チャンバー38の天井部には窒素ガス等のガス導入部35及びガス排出部36が設けられている。これにより、チャンバー30の内部を、所定のガス圧力に調整できるようになっている。
結晶成長容器31の外周に沿って、結晶成長容器31の内部空間及び種子基板14を加熱する複数の加熱手段39が設けられている。また、結晶成長容器31及び加熱手段39はチャンバー38によって覆われている。チャンバー38の天井部には窒素ガス等のガス導入部35及びガス排出部36が設けられている。これにより、チャンバー30の内部を、所定のガス圧力に調整できるようになっている。
本実施形態においても、保持部材15は垂直壁25が蓋体32の内面32aに向かって延び、その先端で蓋体32に固着されている。このような保持部材15の形状によって、保持部材15に載置された種子基板の結晶成長面14aとは反対側の裏面14bと、蓋体32の内面32aとの間に離間距離Δtが保たれる。即ち、保持部材15および蓋体32は、種子基板の裏面14bと、蓋体32の内面32aとの間に離間距離Δtが保たれるように、互いに離間して配される。
これによって、結晶成長時に種子基板14の裏面14bから生じた昇華ガスで種子基板14の裏面14bと蓋体32の内面32aとが接合してしまうことを確実に防止する。即ち、種子基板の裏面14bと、蓋体32の内面32aとの間に離間距離Δtを保つことによって、例え種子基板14の裏面14bから昇華ガスが発生したとしても、従来のように種子基板と蓋体とが接していないので、昇華ガスが再結晶しても種子基板14と蓋体32とが接合する懸念が無い。
<製造方法>
次に、図1に示した窒化アルミニウム単結晶の製造装置を用いた、窒化アルミニウム単結晶の製造方法を説明する。本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造装置10を用いて、窒化アルミニウム単結晶AlNを製造する際には、まず、窒化アルミニウム粉末等の原料12を結晶成長容器(坩堝)11内底部にセットする。次に、保持部材15の一面15aに種子基板14を載置して、結晶成長容器(坩堝)11の開口部11aを蓋体19で覆う。
次に、図1に示した窒化アルミニウム単結晶の製造装置を用いた、窒化アルミニウム単結晶の製造方法を説明する。本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造装置10を用いて、窒化アルミニウム単結晶AlNを製造する際には、まず、窒化アルミニウム粉末等の原料12を結晶成長容器(坩堝)11内底部にセットする。次に、保持部材15の一面15aに種子基板14を載置して、結晶成長容器(坩堝)11の開口部11aを蓋体19で覆う。
この後、結晶成長容器11内のを準密閉状態とする。次いで、不図示の真空ポンプを稼動させてガス排出口より炉体収納容器18内部の大気を除去し、結晶成長容器11内の圧力を減圧させる。続いて、結晶成長容器11内に窒素ガスを導入する。これにより、窒化アルミニウム単結晶の成長は、高純度窒素ガス雰囲気下で行われる。
そして、ヒータ等の加熱手段によって炉体収納容器18を介して結晶成長容器11を加熱する。窒化アルミニウム単結晶成長時は炉体収納容器18の温度を1700〜2300℃で一定制御する。なお、窒化アルミニウム単結晶成長時は、炉体収納容器18下端の温度(原料温度)は、炉体収納容器18上側の温度(結晶成長部温度)よりも高温となるように設定する。
結晶成長は、前述の設定温度まで加熱した後に結晶成長用炉20を減圧することで開始され、100torr以上600torr以下に定圧保持することで行われる。
また、加熱中は、結晶成長用炉20内の窒素ガスを排出しつつ、窒素ガスを結晶成長用炉20内に供給することにより、結晶成長用炉20内の窒素ガス圧力及び流量を適切に調整する。
また、加熱中は、結晶成長用炉20内の窒素ガスを排出しつつ、窒素ガスを結晶成長用炉20内に供給することにより、結晶成長用炉20内の窒素ガス圧力及び流量を適切に調整する。
加熱によって昇華させて分解気化された原料12の昇華ガスは、窒素ガス雰囲気下で保持部材15の貫通開口に露出した種子基板14の結晶成長面14a上に析出し、結晶成長することで、種子基板14上に窒化アルミニウム単結晶AlNとなり成長する。
このような窒化アルミニウム単結晶の成長時において、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtを保つことによって、例え種子基板14の裏面14bから昇華ガスが発生したとしても、従来のように種子基板と蓋体とが接していないので、昇華ガスが再結晶しても種子基板14と蓋体19とが接合する懸念が無い。従って、種子基板14と蓋体19との接合によって、互いの熱膨張率の違いから生じる熱応力で種子基板14が歪んだり、破損したりすることを確実に防止できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
直径30mmの面方位(0001)を有するAlN種子基板が準備された。タングステン製の結晶成長容器内に、原料としてAlN粉体が収められた。次に、図1に示すように、AlN種子基板を、蓋体に所定の間隔を開けて固着された保持部材に保持させた。保持部材はタングステン製の蓋体と螺合により接合している。
直径30mmの面方位(0001)を有するAlN種子基板が準備された。タングステン製の結晶成長容器内に、原料としてAlN粉体が収められた。次に、図1に示すように、AlN種子基板を、蓋体に所定の間隔を開けて固着された保持部材に保持させた。保持部材はタングステン製の蓋体と螺合により接合している。
また、AlN粉体に種子基板の結晶成長面が臨むように載置されている。タングステン製の結晶成長容器および蓋体はカーボン製の炉体収納容器で覆われており、コイル(加熱手段)により高周波加熱されるようになっている。不図示だが、カーボン製の炉体収納容器とコイル(加熱手段)の間には石英チャンバーがあり、真空引きポンプやガス導入・排出口等とつながっている。
まず、真空ポンプを使って真空引きした後、窒素を流し窒素雰囲気100Torrとした。結晶成長前に1000℃で1時間加熱することで、種子基板の表面を清浄にした。次に、昇華法によって、種子基板上にAlN単結晶が成長させられた。成長条件は、温度2100℃、圧力100Torr、時間100時間とし、AlN種子基板がAlN粉体の温度より約30℃低温度勾配が生じるようにセッティングした。炉体収納容器の上部と下部にはのぞき穴が設けてあり、放射温度計を使用して測温できるようになっている。AlN粉体と種子基板との温度差はコイル(加熱手段)の位置により調節した。
結晶成長後、室温まで降湿し、AlN単結晶を取り出した。次に、得られたAlN単結晶をスライス・研磨した。
結晶成長後、室温まで降湿し、AlN単結晶を取り出した。次に、得られたAlN単結晶をスライス・研磨した。
(実施例1)
上述したAlN種子基板において、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtを2、4、5、6、8mmにそれぞれ変えたものを用いて、得られたAlN単結晶の評価を行った。こうした実施例1の結果を、以下の表1に示す。なお、このときの種子基板の厚みは1200μmとした。
上述したAlN種子基板において、種子基板の裏面14bと、蓋体19の内面19aとの間に離間距離Δtを2、4、5、6、8mmにそれぞれ変えたものを用いて、得られたAlN単結晶の評価を行った。こうした実施例1の結果を、以下の表1に示す。なお、このときの種子基板の厚みは1200μmとした。
表1における評価で、×を付した離間距離Δtを2mm、4mmとしたものは、種子基板と蓋体とが固着し、成長したAlN単結晶が破損していた。一方、離間距離Δtを5mm以上としたものは、クラックフリーの良好なAIN単結晶を得ることができた。
(実施例2)
上述したAlN種子基板において、種子基板の厚さを700、800、950、1200μmにそれぞれ変えたものを用いて、得られたAlN単結晶の評価を行った。こうした実施例2の結果を、以下の表2に示す。なお、このときの離間距離Δtは8mmとした。
上述したAlN種子基板において、種子基板の厚さを700、800、950、1200μmにそれぞれ変えたものを用いて、得られたAlN単結晶の評価を行った。こうした実施例2の結果を、以下の表2に示す。なお、このときの離間距離Δtは8mmとした。
表2における評価で、×を付した種子基板の厚さを700mm、800mmとしたものは、種子基板に穴が開いて結晶成長ができなくなっていた。また、△を付した種子基板の厚さを950mmとしたものは、成長したAlN単結晶の一部に構造欠陥が生じていた。一方、種子基板の厚さを1200mmとしたものは、クラックフリーの良好なAIN単結晶を得ることができた。
10…製造装置、20…結晶成長用炉、11…結晶成長容器(坩堝)、12…原料、13…蓋体、14…種子基板、15…保持部材、AlN…窒化アルミニウム単結晶。
Claims (5)
- 開口部を有し内部に原料を収納する結晶成長容器と、
該結晶成長容器の開口部に設置された蓋体と、
前記結晶成長容器内において、結晶成長面を前記原料と対向させるように配置した種子基板と、
前記種子基板と前記原料との間に配置され、かつ、前記種子基板の外周部の少なくとも一部に接し、その中心部に前記種子基板の外径より小さな貫通開口を有する保持部材と、
を有する窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、
前記蓋体と前記種子基板とを離間させたことを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造装置。 - 前記保持部材は前記蓋体に設けられ、前記種子結晶を一面で保持することを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
- 前記保持部材は、前記蓋体の内面に一方の端部が固定されて前記原料に向けて延びる垂直壁と、該垂直壁の他方の端部に固定されて前記種子結晶を保持する前記一面を備えた水平壁とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
- 前記離間距離は、5mm以上であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
- 前記種子基板の厚みは、1mm以上であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の窒化アルミニウム単結晶の製造装置。
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-
2012
- 2012-10-22 JP JP2012232801A patent/JP2014084240A/ja active Pending
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