JP2015166298A - 単結晶製造装置及び単結晶製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単結晶を安定した温度条件で成長させることで、単結晶の品質の向上を図ることが可能な単結晶製造装置を提供する。【解決手段】単結晶製造装置1は、原料2を収容する坩堝10と、坩堝10を覆う断熱基材21を少なくとも有する断熱材20と、坩堝10及び断熱材20を収容する結晶成長炉30と、結晶成長炉30の外側に設けられ、坩堝10を誘導加熱する誘導コイル60と、を備えており、断熱材20は、電気的絶縁性を有すると共に断熱基材21を被覆する高融点絶縁層22をさらに有しており、高融点絶縁層22は、断熱基材21の少なくとも一部を被覆しており、高融点絶縁層22を構成する材料の融点は、原料2の昇華温度に対して相対的に高い。【選択図】図1
Description
本発明は、昇華再結晶法(レーリー法)によって単結晶を製造する単結晶製造装置に関するものである。
昇華再結晶法によって単結晶を製造する製造装置として、坩堝の周囲を円筒状の断熱材で囲んだ構造が知られている(例えば特許文献1参照)。このような断熱材は、円筒形状の断熱基材と、断熱基材の内周面を覆う円筒形状の黒鉛シートと、黒鉛シートを覆う炭化タンタル膜と、から構造されている。
上記の単結晶製造装置では、誘導加熱方式により加熱する場合、炭化タンタル膜が発熱体として作用してしまうため、単結晶の成長条件(特に温度条件)に影響を及ぼすおそれがある、といった問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、安定した温度条件下において単結晶を成長させることで、単結晶の品質の向上を図ることが可能な単結晶製造装置を提供することである。
[1]本発明に係る単結晶製造装置は、昇華再結晶法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、原料を収容する坩堝と、前記坩堝を覆う断熱基材を少なくとも有する断熱材と、前記坩堝及び前記断熱材を収容する結晶成長炉と、前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記坩堝を誘導加熱する加熱手段と、を備えており、前記断熱材は、電気的絶縁性を有すると共に前記断熱基材を被覆する絶縁層をさらに有しており、前記絶縁層は、前記断熱基材の少なくとも一部を被覆しており、前記絶縁層を構成する材料の融点は、前記原料の昇華温度に対して相対的に高いことを特徴とする。
[2]上記発明において、前記絶縁層を構成する材料は、窒化ホウ素であってもよい。
[3]上記発明において、前記断熱材は、前記断熱基材の浸透性よりも相対的に低い浸透性を有する黒鉛シートをさらに有しており、前記絶縁層は、前記黒鉛シートを介して、前記断熱基材を被覆していてもよい。
[4]本発明に係る単結晶製造方法は、原料を収容する坩堝と、前記坩堝を覆う断熱基材を有する断熱材と、前記坩堝及び前記断熱材を収容する結晶成長炉と、前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記坩堝を誘導加熱する加熱手段と、を備えた製造装置を用いた単結晶製造方法であって、前記断熱材は、電気絶縁性を有すると共に前記断熱基材を被覆する絶縁層をさらに有しており、前記絶縁層は、前記断熱基材を被覆しており、前記絶縁層を構成する材料の融点は、前記原料の昇華温度に対して相対的に高く、前記坩堝を加熱することにより前記原料を昇華させて、前記原料に対向するように配設された下地基板上に単結晶を成長させることを特徴とする。
本発明によれば、電気絶縁性を有する絶縁層で断熱基材を被覆することで、誘導加熱方式においても、意図しない発熱が生じないので、安定した温度条件下において、単結晶を成長させることができる。これにより、単結晶の品質の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
図1は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図、図2は本実施形態における断熱材を示す図であり、図1のII−II線に沿った断面図、図3は本実施形態における断熱材の変形例を示す断面図、図4及び図5は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
図1は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図、図2は本実施形態における断熱材を示す図であり、図1のII−II線に沿った断面図、図3は本実施形態における断熱材の変形例を示す断面図、図4及び図5は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
本実施形態における単結晶製造装置1は、昇華再結晶法(レーリー法)によって窒化アルミニウム単結晶6を製造する装置である。具体的には、高温領域で原料2を加熱し昇華させ、低温領域に設けられた下地基板5上で当該昇華ガスを再凝縮させることにより窒化アルミニウム単結晶6を製造する。
図1に示すように、この単結晶製造装置1は、坩堝10と、断熱材20と、結晶成長炉30と、ガス供給装置40と、減圧装置50と、誘導コイル60と、複数の温度計71、72と、を備えている。
坩堝10は、原料2を収容すると共に、下地基板5を保持している。この坩堝10は、容器本体11と蓋体12と、を有している。
容器本体11は、円筒状の筒部111と、底部112と、を有している。この筒部111は、その上端に上部開口113を有している。また、底部112は、当該筒部111の下端を塞ぐ円板形状を有している。この容器本体11の内部には原料2が収容されている。原料2の具体例としては、例えば、窒化アルミニウムの粉末や焼結体等を例示することができる。
蓋体12は、下地基板5の外径よりも大きな外径の円板形状を有しており、上部開口113を覆うように容器本体11上に載置されている。この蓋体12の下面には接着剤を介して下地基板5が蓋体12の中央付近に貼り付けられている。
下地基板5は、容器本体11内に収容された原料2に対向している。なお、この蓋体12は、容器本体11に載置されているだけであり、この坩堝10内は流体の出入りが容易な準密閉的な構造となっているので、結晶成長炉30内に導入された窒素ガス等が坩堝10外に流出することが可能となっている。
この下地基板5の具体例としては、例えば、SiC単結晶、AlN単結晶、AlN/SiC単結晶(SiC単結晶上に膜厚200〜500[μm]程度のAlN単結晶膜をヘテロ成長させた単結晶)等から構成される円板形状の種結晶を例示することができる。また、下地基板5を蓋体12に貼り付ける接着剤の具体例としては、例えば、樹脂、無機物化合物系セラミックス、或いは、黒鉛を主成分とした高温用接着剤を例示することができる。なお、下地基板5の形状は、円板形状に限定されず、例えば、矩形板形状であってもよい。
この坩堝10は、窒化アルミニウム単結晶の結晶成長時(2000℃程度)での耐熱性を有する材料から構成されている。具体的には、この坩堝10の容器本体11及び蓋体12は、黒鉛、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、炭化珪素、窒化珪素、モリブデン、タングステン、タンタル、炭化モリブデン、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タングステン、及び、窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも一種類の材料から構成されている。
断熱材20は、断熱基材21と、高融点絶縁層22と、を有している。断熱基材21は、坩堝10の全体を覆うように設けられている。このように断熱基材21が、坩堝の周囲を覆うことで、外部への放熱が抑制される。この断熱基材21は、筒部211と、底部214と、蓋部216と、を有している。
このような断熱基材21を構成する材料としては、繊維状又は多孔質状の組織を有する黒鉛等を例示することができる。この繊維状の組織を有する黒鉛の具体例としては、例えば、炭素フェルトなどを例示することができる。
この断熱基材21として用いられる炭素フェルトは、耐熱性に優れており、高温条件下においても劣化しにくい。また、このような炭素フェルトは、嵩密度が低くなるよう構成されており、断熱材20の軽量化を図ることができる。こうした断熱基材21は、例えば、1×10−10[/m2]程度の高いガス浸透率を有している。
筒部211は、円筒形状を有しており、坩堝10の筒部211の周囲を被覆している。具体的には、断熱材20の筒部211と坩堝の筒部111との間に形成された第1の空間218を介して、坩堝10の筒部111に対向するように設けられている。
なお、第1の空間218を介さずに、筒部211が坩堝10の筒部111を直接被覆していてもよい。
底部214は、筒部211の下側の開口に嵌め込まれている。この底部214は、筒部211の下側の開口に対応した径を有する円板形状を有している。また、底部214は、坩堝10における容器本体11の底部112に対向するように設けられており、坩堝10における容器本体11の底部112を直接被覆している。
この底部214は、開口215を有している。この開口215は、底部214の中央付近に、当該底部214を略鉛直方向(図中Z方向)に貫通するように設けられている。このような開口215は、外部への放熱を抑制するためにできる限り小さな内径(例えば10[mm]程度)を有している。
蓋部216は、筒部211の上側の開口に嵌め込まれている。この蓋部216は、筒部211の上側の開口に対応した径を有する円板形状を有している。また、蓋部216は、坩堝10における蓋体12に対向するように設けられており、第2の空間219を介して坩堝10における蓋体12を被覆している。
このように、第2の空間219は、断熱材20の蓋部216と坩堝10の蓋体12との間に形成されている。この第2の空間219の鉛直方向の高さH1は、例えば、10[mm]程度となっている。こうした第2の空間219を坩堝10の上部と断熱材20との間に設けることで、下地基板5の放熱の均一化を図ることができる。
なお、第2の空間219を介さずに、蓋部216が坩堝10の蓋体12を直接被覆していてもよい。
この蓋部216は、開口217を有している。この開口217は、蓋部216の中央付近に、当該蓋部216を略鉛直方向(図中Z方向)に貫通するように設けられている。このような開口217は、外部への放熱を抑制するためにできる限り小さな内径(例えば10[mm]程度)を有している。
高融点絶縁層22は、図1及び図2に示すように、断熱基材21の全体を被覆するように、断熱基材21の表面に形成されている。このように、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面を被覆していることで、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなるので、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。この高融点絶縁層22を構成する材料としては、特に限定しないが、例えば、窒化ホウ素(BN)や窒化アルミニウム(AlN)等を膜状にしたものを例示することができ、BNを用いることがより好ましい。
このような高融点絶縁層22を断熱基材21の表面に形成する方法としては、気相成膜法を例示することができる。この気相成膜法の具体例としては、例えば、物理蒸着法(Physical Vapor Deposition)や化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition)等を例示することができる。また、この物理蒸着法の具体例としては、例えば、イオンプレーティング法やスパッタリング法等を例示することができる。なお、高融点絶縁層22の形成方法は、特に上述に限定されない。
なお、この高融点絶縁層22は、断熱基材21の全体を被覆することに限定されない。例えば、図3に示すように、断熱基材21の内側面にのみ形成されていてもよい。この場合には、断熱基材21の全体を被覆する場合と同様、当該断熱基材21が劣化するのを抑制することができると共に、高融点絶縁層22を形成する工程の簡略化を図ることができる。
また、図4に示すように、高融点絶縁層22は、断熱基材21における内側面の少なくとも一部が厚くなるように形成されていてもよい。具体的には、筒部211の坩堝10の容器本体11と蓋体12との隙間に対向する部分、及び、蓋部216の坩堝10の蓋体12に対向する部分が厚くなるように高融点絶縁層22を形成してもよい。この場合には、断熱基材21が昇華ガスに曝露されやすい箇所において、高融点絶縁層22の破断が生じにくい構造を得ることができる。これにより、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
また、図5に示すように、高融点絶縁層22は、断熱基材21における内側面の少なくとも一部にのみ形成されていてもよい。この場合には、断熱基材21が昇華ガスに曝露されやすい箇所において、断熱基材21の全体を被覆する場合と同様、当該断熱基材21が劣化するのを抑制することができると共に、高融点絶縁層22を形成する工程の簡略化をさらに図ることができる。
また、特に図示しないが、断熱基材21における内側面の少なくとも一部に炭化タンタル膜が形成されると共に、断熱基材21における外側面の少なくとも一部に高融点絶縁層22が形成されていてもよい。
断熱基材21は、上述のような高いガス浸透率を有しており、このような断熱基材21が昇華ガスに曝露されると、当該断熱基材21の内部まで昇華ガスが侵入している。このように断熱基材21の表面だけでなく、断熱基材21の内部においても、当該断熱基材21と昇華ガスとが化学的に反応することにより、断熱基材21が劣化する。これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面を被覆していることで、断熱基材21が坩堝10内より流出する昇華ガスに曝露されにくくなる。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
また、この高融点絶縁層22は電気絶縁性を有しているため、高周波電流を通電しても発熱体として作用しない。これにより、意図しない発熱が生じないので、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、上述の炭化タンタル膜で断熱基材を被覆する場合にその炭化タンタル膜の発熱量を考慮して、単結晶を成長させる温度条件を決定することも考えられる。しかしながら、この場合には、炭化タンタル膜のような導電性を有する層に減肉や剥離などが生じることで、単結晶を成長させる温度条件が変わってしまい、安定した温度条件下において単結晶を成長させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、電気絶縁性を有している高融点絶縁層22により断熱基材21が被覆されているため、高融点絶縁層22に減肉や剥離などが生じた場合でも、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、上述の炭化タンタル膜で断熱基材の全体を被覆する場合、当該断熱基材の外側面においても、当該炭化タンタル膜が発熱する。この場合には、断熱基材の外側面に形成された炭化タンタル膜が発熱することにより、当該炭化タンタル膜に近接する結晶成長炉が熱影響を受け、意図せず加熱されることとなる。これにより、単結晶製造装置を稼働する上で安全性を確保することが困難となる。このように、断熱基材の外側面においては、炭化タンタル膜を形成することが難しいため、断熱基材が昇華ガスに曝露されやすくなり、断熱基材が劣化するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が電気絶縁性を有しているので、断熱基材21の全体が被覆されている場合でも、断熱基材21の外側面において高融点絶縁層22が発熱しない。このように、結晶成長炉30(後述)に対する意図しない加熱により熱影響を受けることを抑えることで、単結晶製造装置1を稼働する上での安全性を確保することができる。また、断熱基材21の外側面においても高融点絶縁層22により断熱基材21を被覆することができるので、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
また、高融点絶縁層22を構成する材料の融点は、原料2の昇華温度に対して相対的に高い。これにより、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件において、高融点絶縁層22が変質してしまうのを抑制することができる。
また、断熱基材21と昇華ガスとが化学的に反応することで、断熱基材21が劣化すると共に、断熱基材21を構成する黒鉛と昇華ガスとの化合物が生成される。この劣化した断熱基材21や化合物は、当該断熱基材21から容易に剥離する。このような剥離した断熱基材21等が坩堝10内に混入した場合、窒化アルミニウム単結晶6の品質を低下させる(以下単に、コンタミネーションとも称する)。
これに対し、本実施形態では、断熱基材21の表面に高融点絶縁層22が形成されていることで、断熱基材21と昇華ガスとの化学的な反応が生じるのを抑制することができる。これにより、剥離した断熱基材21等によるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、高融点絶縁層22としてBN膜を用いている。このBNは、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件のような還元雰囲気においても、昇華ガスと反応しにくい(以下単に、「熱的安定性に優れる」とも称する)。したがって、高融点絶縁層22が劣化しにくく、膜の破断等が生じにくい構造を得ることができる。これにより、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなるので、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
また、BNは、上述の炭化タンタルよりも熱膨張率が低く、高融点絶縁層22に対する加熱又は冷却が繰り返される場合においても、高融点絶縁層22にクラックなどが生じにくい。このように、高融点絶縁層22にBNを用いることで、断熱材20を繰り返し使用しても、高融点絶縁層22にクラックなどが生じにくいので、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなる。これにより、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
図1に示すように、断熱材20に覆われた坩堝10は、不図示の固定手段を介して結晶成長炉30内に固定されている。この結晶成長炉30は、例えば二重構造の透明な石英管から構成されており、その上部にガス導入口31が設けられていると共に、その下部にガス排出口32が設けられている。ガス導入口31には、窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスを供給可能なガス供給装置40が接続されている。一方、ガス排出口32には、特に図示しない圧力調整弁を介して真空ポンプ等の減圧装置50が接続されている。このガス供給装置40や減圧装置50を駆動させることで、結晶成長炉30内の雰囲気を所定の圧力に調整することが可能となっている。
また、この結晶成長炉30は、外部の温度計71,72が坩堝10の温度を計測するための石英製の窓部33,34を備えている。第1の窓部33は、断熱材20の下側に設けられた開口201に対向するように、結晶成長炉30の下部に設けられている。一方、第2の窓部34は、断熱材20の上側に設けられた開口202に対向するように、結晶成長炉30の上部に設けられている。
誘導コイル60は、結晶成長炉30の周囲に配置されている。この誘導コイル60は、結晶成長炉30内の坩堝10を取り囲んでおり、この誘導コイル60に高周波電流を通電することで坩堝10が自己発熱し、これにより原料2及び下地基板5が所望の温度に加熱される。なお、本実施形態における「誘導コイル60」が本発明の「加熱手段」の一例に相当する。
第1及び第2の温度計71,72は、結晶成長炉30の外側に配置されている。第1及び第2の温度計71,72の具体例としては、例えば放射温度計等を例示することができる。この第1及び第2の放射温度計71,72は、坩堝10から放射される赤外線や可視光線の強度を測定することで、坩堝10の温度を検出する。
具体的には、第1の温度計71は、結晶成長炉30の下部に設けられた第1の窓部33に対向するように配置されており、当該第1の窓部33と断熱材20の下側の開口201を介して、結晶成長炉30内の坩堝10の容器本体11の底面(坩堝10の下部)の温度を計測することが可能となっている。
一方、第2の温度計72は、結晶成長炉30の上部に設けられた第2の窓部34に対向するように配置されており、当該第2の窓部34、断熱材20の上側の開口202を介して、結晶成長炉30内の坩堝10の蓋体12の上面(坩堝10の上部)の温度を計測することが可能となっている。
つまり、本実施形態では、第1の温度計71によって原料2の温度を測定し、第2の温度計72によって下地基板5の温度を測定する。
次に、以上に説明した単結晶製造装置1を用いた窒化アルミニウム単結晶6の製造方法について説明する。
先ず、窒化アルミニウム粉末等の原料2を坩堝10の容器本体11内にセットする。次いで、下地基板5が貼り付けられた蓋体12を容器本体11に載置する。これにより、原料2が坩堝10内に収容されると共に、当該原料2に対向するように下地基板5が坩堝10に保持される。
次いで、坩堝10を断熱材20で覆い当該坩堝10を結晶成長炉30内に設置した後、減圧装置50を駆動させてガス排出口32を介して結晶成長炉30内の大気を除去し、当該結晶成長炉30内を真空引きする。
次いで、ガス供給装置40を駆動させてガス導入口31を介して結晶成長炉30内に窒素ガスを導入して結晶成長炉30内を700[torr]程度まで昇圧する。次いで、誘導コイル60に高周波電流を通電して坩堝10を発熱させることで、原料2及び下地基板5を加熱する。
このとき、窒化アルミニウム単結晶6の成長が始まる前に約1000[℃]で1時間程度加熱することが好ましい。これにより、下地基板5の表面を清浄にすることができるので、窒化アルミニウム単結晶6の品質の向上を図ることができる。
次いで、坩堝10を誘導コイル60により加熱する。この坩堝10の上部と下部の温度は、上述の第1及び第2の温度計71,72によってそれぞれ測定されている。この際、坩堝10の下部温度(すなわち原料2の温度)が2100[℃]程度となり、坩堝10の上部温度(すなわち下地基板5の温度)が坩堝10の下部温度よりも50〜100[℃]程度低くなるよう加熱する。
この際、高融点絶縁層22として電気絶縁性を有するBN膜を用いることにより、高周波電流を通電しても高融点絶縁層22が発熱体として作用しない。これにより、意図しない発熱が生じないので、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、炭化タンタル膜で断熱基材を被覆する場合には、導電性を有する層に減肉や剥離などが生じることで、単結晶を成長させる温度条件が変わってしまう。このため、安定した温度条件下において単結晶を成長させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22として電気絶縁性を有するBN膜を用いる。これにより、高融点絶縁層22に減肉や剥離などが生じた場合でも、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
坩堝10の温度が上記の設定温度に達したら、減圧装置50によって結晶成長炉30内を500[torr]程度に減圧する。この減圧により、窒化アルミニウム単結晶6の成長が始まる。具体的には、下記の(1)及び(2)式に示すように、上述の坩堝10の上部と下部の間に設定された温度勾配によって、原料2から発生した昇華ガスが、下地基板5に向かって移送され、当該下地基板5上で再結晶化し窒化アルミニウム単結晶6が成長する。
2AlN(s) → 2Al(g)+N2(g) …(1)
2Al(g)+N2(g) → 2AlN(s) …(2)
2Al(g)+N2(g) → 2AlN(s) …(2)
この際、図6において実線矢印で示すように、原料2から発生した昇華ガスの一部が、準密閉な坩堝10の容器本体11と蓋体12の間の隙間から第1の空間218及び第2の空間219に漏洩してしまう場合がある。この第1の空間218及び第2の空間219は、2000℃程度まで誘導加熱された坩堝10に面しているため、結晶が析出することなく、昇華ガスが第1の空間218や第2の空間219に充満する。
このとき、断熱基材21の表面に高融点絶縁層22としてBN膜が形成されていることで、断熱基材21が坩堝10内より流出する昇華ガスに曝露されにくくなり、断熱基材21の劣化を抑制することができる。
また、断熱基材21の表面に高融点絶縁層22としてBN膜が形成されていることで、断熱基材21と昇華ガスとの化学的な反応が生じるのを抑制することができる。これにより、剥離した断熱基材21等によるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
窒化アルミニウム単結晶6の成長を停止させる場合には、ガス導入口31から窒素ガスを結晶成長炉30内に供給して結晶成長炉30内を700[torr]程度まで昇圧させた後、誘導コイル60への通電を停止して原料2及び下地基板5を室温まで自然冷却する。
以上のように、本実施形態では、断熱材20は、電気的絶縁性を有する高融点絶縁層22を有しており、この高融点絶縁層22は、断熱基材21の表面を被覆している。さらに、高融点絶縁層22を構成する材料の融点は、原料2の昇華温度に対して相対的に高くなっている。
このように、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面を被覆していることで、断熱基材21が坩堝10内より流出する昇華ガスに曝露されにくくなる。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
また、この高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、誘導加熱方式において、意図しない発熱が生じない。これにより、高融点絶縁層22が窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において、窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、炭化タンタル膜で断熱基材を被覆する場合には、導電性を有する層に減肉や剥離などが生じることで、単結晶を成長させる温度条件が変わってしまう。このため、安定した温度条件下において単結晶を成長させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、高融点絶縁層22に減肉や剥離などが生じた場合でも、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、上述の炭化タンタル膜で断熱基材の全体を被覆する場合には、当該断熱基材の外側面において、当該炭化タンタル膜が発熱する。これにより、結晶成長炉が意図せず加熱されるので、単結晶製造装置を稼働する上で安全性を確保することが困難となる。このように、断熱基材の外側面においては、炭化タンタル膜を形成することが難しいことにより、断熱基材が昇華ガスに曝露されやすくなり、断熱基材21が劣化するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、断熱基材21の外側面において高融点絶縁層22が発熱しない。これにより、単結晶製造装置1を稼働する上での安全性を確保することができる。また、断熱基材21の外側面においても高融点絶縁層22により断熱基材21を被覆することができるので、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
さらに、高融点絶縁層22を構成する材料の融点が原料2の昇華温度に対して相対的に高くなっていることで、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件において、高融点絶縁層22が変質してしまうのを抑制することができる。
さらに、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面に形成されていることで、断熱基材21と昇華ガスとが化学的な反応が生じるのを抑制することができる。これにより、剥離した断熱基材21等によるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、高融点絶縁層22としてBN膜を用いている。このBNは、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件のような還元雰囲気においても、熱的安定性に優れており、膜の破断等が生じにくい構造を得ることができる。これにより、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなるので、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
また、BNは、上述の炭化タンタルよりも熱膨張率が低いため、断熱材20を繰り返し使用しても、高融点絶縁層22にクラックなどが生じにくい。これにより、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなり、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
≪第2実施形態≫
図7は本発明の第2実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図である。また、図8は本発明の第2実施形態における断熱材を示す図であり、図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。以下において、図7及び図8を用いて、第2実施形態における単結晶製造装置1について説明する。
図7は本発明の第2実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造装置の概略構成図である。また、図8は本発明の第2実施形態における断熱材を示す図であり、図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。以下において、図7及び図8を用いて、第2実施形態における単結晶製造装置1について説明する。
図7に示すように、単結晶製造装置1は、坩堝10と、断熱材20と、結晶成長炉30と、ガス供給装置40と、減圧装置50と、誘導コイル60と、複数の温度計71、72と、を備えている。第2実施形態における単結晶製造装置1は、断熱材20は、断熱基材21のガス浸透率よりも相対的に低いガス浸透率を有する黒鉛シート23を有する点において、第1実施形態における単結晶製造装置1と異なる。
なお、第2実施形態に係る単結晶製造装置1を構成する坩堝10、結晶成長炉30、ガス供給装置40、減圧装置50、誘導コイル60、及び、複数の温度計71、72は、第1実施形態における単結晶製造装置1が備える各構成と同じであるため、説明は省略する。
断熱材20は、断熱基材21と、黒鉛シート23と、高融点絶縁層22と、を有している。断熱基材21は、坩堝10の全体を覆うように設けられている。この様に断熱基材21が、坩堝10の周囲を覆うことで、外部への放熱が抑制される。この断熱基材21は、第1実施形態と同様、筒部211と、底部214と、蓋部216と、を有しており、これらは第1実施形態の場合と同様の構成となっている。
黒鉛シート23は、図7及び図8に示すように、断熱基材21の全体を被覆するように、特に図示しない接着剤等を介して、断熱基材21に積層されている。この黒鉛シート23は、断熱基材21のガス浸透率よりも相対的に低いガス浸透率を有する材料により構成されている。このような黒鉛シート23を構成する材料としては、具体的には、グラフォイルやニカフィルム(登録商標)等を例示することができる。
例えば、断熱基材21を構成する繊維状又は多孔質状の黒鉛は、1×10−10[/m2]程度のガス浸透率を有しているのに対し、黒鉛シート23を構成するグラフォイルは、1×10−17[/m2]程度のガス浸透率を有している。すなわち、黒鉛シート23のガス浸透率は、断熱基材21のガス浸透率と比較して極めて小さい値となっている。このように、断熱材20が黒鉛シート23を有していることにより、断熱基材21側へ昇華ガスが侵入するのを抑制することができる。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。なお、本実施形態における「ガス浸透率」が本発明の「浸透性」の一例に相当する。
また、黒鉛シート23は、断熱基材21の全体を被覆することに限定されない。例えば、特に図示しないが、断熱基材21の内側面にのみ形成されていてもよい。この場合には、断熱基材21の全体を被覆する場合と同様、当該断熱基材21が劣化するのを抑制することができると共に、黒鉛シート23を形成する工程の簡略化を図ることができる。
また、黒鉛シート23は、特に図示しないが、断熱基材21における内側面の少なくとも一部にのみ形成されていてもよい。具体的には、坩堝10の容器本体11と蓋体12との隙間に対向する筒部211の一部分、及び、坩堝10の蓋体12に対向する蓋部216の一部分にのみ形成されていてもよい。この場合には、断熱基材21が昇華ガスに曝露されやすい箇所において、黒鉛シート23を設けることで、断熱基材21の全体を被覆する場合と同様、当該断熱基材21が劣化するのを抑制することができるのと共に、黒鉛シート23を形成する工程の簡略化を図ることができる。
高融点絶縁層22は、断熱基材21を被覆するように黒鉛シート23に直接積層されている。このような高融点絶縁層22を構成する材料としては、第1実施形態と同様のものを例示することができる。また、このような高融点絶縁層22は、第1実施形態と同様の表面処理工程を経て、黒鉛シート23の表面に形成されている。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制すると共に、黒鉛シート23の表面が昇華ガスと化学反応し、エッチング等されることにより劣化するのを抑制することができる。
なお、このとき、黒鉛シート23の表面は、繊維状又は多孔質状の黒鉛により構成される断熱基材21の表面と比較して表面粗さが小さくなっている。このように、高融点絶縁層22を黒鉛シート23の表面上に形成させることで、断熱基材21の表面に形成する場合と比較し、膜厚が均一な高融点絶縁層22を得ることができる。
また、高融点絶縁層22は、黒鉛シート23に直接積層されていることに限定されない。特に図示しないが、例えば、高融点絶縁層22が断熱基材の一部に積層されると共に、黒鉛シート23の一部に積層されていてもよい。
以上のように、本実施形態では、断熱材20は、電気的絶縁性を有する高融点絶縁層22と、断熱基材21のガス浸透率よりも相対的に低いガス浸透率を有する黒鉛シート23を有している。また、この黒鉛シート23は、断熱基材21を被覆している。さらに、高融点絶縁層22は、黒鉛シート23を介して、断熱基材21を被覆している。さらに、高融点絶縁層22を構成する材料の融点は、原料2の昇華温度に対して相対的に高くなっている。
このように、本実施形態においても、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面を被覆していることで、断熱基材21が坩堝10内より流出する昇華ガスに曝露されにくくなる。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
また、この高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、誘導加熱方式において、意図しない発熱が生じない。これにより、高融点絶縁層22が窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において、窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、炭化タンタル膜で断熱基材を被覆する場合には、導電性を有する層に減肉や剥離などが生じることで、単結晶を成長させる温度条件が変わってしまう。このため、安定した温度条件下において単結晶を成長させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、高融点絶縁層22に減肉や剥離などが生じた場合でも、窒化アルミニウム単結晶6の温度条件に影響を及ぼすことなく、安定した温度条件下において窒化アルミニウム単結晶6を成長させることができる。
また、例えば、上述の炭化タンタル膜で断熱基材の全体を被覆する場合には、当該断熱基材の外側面において、当該炭化タンタル膜が発熱する。これにより、結晶成長炉が意図せず加熱されるので、単結晶製造装置を稼働する上で安全性を確保することが困難となる。このため、断熱基材の外側面においては、炭化タンタル膜を形成することが難しいため、断熱基材が昇華ガスに曝露されやすくなり、断熱基材21が劣化するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、高融点絶縁層22が電気絶縁性を有していることで、断熱基材21の外側面において高融点絶縁層22が発熱しない。これにより、単結晶製造装置1を稼働する上での安全性を確保することができる。また、断熱基材21の外側面においても高融点絶縁層22により断熱基材21を被覆することができるので、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
さらに、高融点絶縁層22を構成する材料の融点が原料2の昇華温度に対して相対的に高くなっているので、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件において、高融点絶縁層22が変質してしまうのを抑制することができる。
さらに、高融点絶縁層22が断熱基材21の表面に形成されていることで、断熱基材21と昇華ガスとが化学的な反応が生じるのを抑制することができる。これにより、剥離した断熱基材21等によるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においても、高融点絶縁層22としてBN膜を用いている。このBNは、窒化アルミニウム単結晶6の成長条件のような還元雰囲気においても、熱的安定性に優れており、膜の破断等が生じにくい構造を得ることができる。これにより、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなるので、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
また、BNは、上述の炭化タンタルよりも熱膨張率が低いため、断熱材20が繰り返し使用されても、高融点絶縁層22にクラックなどが生じにくい。これにより、断熱基材21が昇華ガスに曝露されにくくなり、断熱基材21が劣化するのをさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、断熱材20は、断熱基材21の少なくとも一部を被覆する黒鉛シート23を有しており、この黒鉛シート23のガス浸透率は、断熱基材21のガス浸透率と比較して小さくなっている。この場合には、断熱基材21側へ昇華ガスが侵入するのを抑制することができる。これにより、断熱基材21が劣化するのを抑制することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態では、窒化アルミニウム(AlN)の単結晶を製造する装置について説明したが、特にこれに限定されず、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)、炭化珪素(SiC)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、窒化硼素(BN)の単結晶を製造する装置に本発明を適用してもよい。
また、坩堝10の蓋体12が2つの蓋部材により構成されていてもよい。具体的には、第1の蓋部材は、下地基板5の外径よりも小さな内径の貫通開口を有するリング状の部材であり、この第1の蓋部材は、容器本体11の上部開口113を覆うように当該容器本体11上に載置されている。下地基板5は、貫通開口を塞ぐように第1の蓋部材に載置されており、第1の蓋部材によって下地基板5の外周部分が保持されている。一方、第2の蓋部材は、下地基板5の外径よりも大きな外径を有する円板状の部材であり、第1の蓋部材に保持されている下地基板5の上に載置されており、下地基板5は第1の蓋部材と第2の蓋部材の間に挟まれている。この場合には、蓋体12に下地基板5を張り付けるための接着剤が不要となる。
また、坩堝10を第2の坩堝内に収容した二重坩堝構造を採用してもよいし、坩堝10を第2及び第3の坩堝内に収容した三重坩堝構造を採用してもよい。
1…単結晶製造装置
2…原料
5…下地基板
6…窒化アルミニウム単結晶
10…坩堝
11…容器本体
111…筒部
112…底部
113…上部開口
12…蓋体
20…断熱材
201…開口
202…開口
21…断熱基材
211…筒部
214…底部
215…開口
216…蓋部
217…開口
218…第1の空間
219…第2の空間
22…高融点絶縁層
23…黒鉛シート
30…結晶成長炉
31…ガス導入口
32…ガス排出口
33,34…窓部
40…ガス供給装置
50…減圧装置
60…誘導コイル
71,72…温度計
2…原料
5…下地基板
6…窒化アルミニウム単結晶
10…坩堝
11…容器本体
111…筒部
112…底部
113…上部開口
12…蓋体
20…断熱材
201…開口
202…開口
21…断熱基材
211…筒部
214…底部
215…開口
216…蓋部
217…開口
218…第1の空間
219…第2の空間
22…高融点絶縁層
23…黒鉛シート
30…結晶成長炉
31…ガス導入口
32…ガス排出口
33,34…窓部
40…ガス供給装置
50…減圧装置
60…誘導コイル
71,72…温度計
Claims (4)
- 昇華再結晶法によって単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
原料を収容する坩堝と、
前記坩堝を覆う断熱基材を少なくとも有する断熱材と、
前記坩堝及び前記断熱材を収容する結晶成長炉と、
前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記坩堝を誘導加熱する加熱手段と、を備えており、
前記断熱材は、電気的絶縁性を有すると共に前記断熱基材を被覆する絶縁層をさらに有しており、
前記絶縁層は、前記断熱基材の少なくとも一部を被覆しており、
前記絶縁層を構成する材料の融点は、前記原料の昇華温度に対して相対的に高いことを特徴とする単結晶製造装置。 - 請求項1に記載の単結晶製造装置であって、
前記絶縁層を構成する材料は、窒化ホウ素であることを特徴とする単結晶製造装置。 - 請求項1又は2に記載の単結晶製造装置であって、
前記断熱材は、前記断熱基材の浸透性よりも相対的に低い浸透性を有する黒鉛シートをさらに有しており、
前記絶縁層は、前記黒鉛シートを介して、前記断熱基材を被覆することを特徴とする単結晶製造装置。 - 原料を収容する坩堝と、
前記坩堝を覆う断熱基材を有する断熱材と、
前記坩堝及び前記断熱材を収容する結晶成長炉と、
前記結晶成長炉の外側に設けられ、前記坩堝を誘導加熱する加熱手段と、を備えた製造装置を用いた単結晶製造方法であって、
前記断熱材は、電気絶縁性を有すると共に前記断熱基材を被覆する絶縁層をさらに有しており、
前記絶縁層は、前記断熱基材を被覆しており、
前記絶縁層を構成する材料の融点は、前記原料の昇華温度に対して相対的に高く、
前記坩堝を加熱することにより前記原料を昇華させて、前記原料に対向するように配設された下地基板上に単結晶を成長させることを特徴とする単結晶製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014041397A JP2015166298A (ja) | 2014-03-04 | 2014-03-04 | 単結晶製造装置及び単結晶製造方法 |
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JP (1) | JP2015166298A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018168051A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 昭和電工株式会社 | 炭化珪素単結晶インゴットの製造装置及び炭化珪素単結晶インゴットの製造方法 |
US20200080227A1 (en) * | 2018-09-06 | 2020-03-12 | Showa Denko K.K. | SiC SINGLE CRYSTAL MANUFACTURING APPARATUS |
-
2014
- 2014-03-04 JP JP2014041397A patent/JP2015166298A/ja active Pending
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JP7242987B2 (ja) | 2018-09-06 | 2023-03-22 | 株式会社レゾナック | SiC単結晶製造装置 |
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