JP6291615B1 - 窒化アルミニウム単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶成長過程においてドメインの収斂が起こりやすく、これによりドメイン領域が少なく結晶性の高い窒化アルミニウム単結晶を効率的に製造することができる窒化アルミニウム単結晶製造装置を提供する。【解決手段】育成坩堝1と、この育成坩堝1を外側から加熱する加熱手段2を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、育成坩堝1は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体3と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体4を備え、蓋体4の平面における少なくとも種結晶が保持される領域eは、その上面側又は/及び下面側に凹凸40が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有する。蓋体の抜熱効果が面内で不均一になり、種結晶表面の温度分布を不均一にすることができるので、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差が生じることになるので、ドメインを効率よく収斂させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化アルミニウム単結晶の製造装置であって、加熱して昇華させた原料物質を種結晶に堆積させ、種結晶上に窒化アルミニウム単結晶を成長させる単結晶製造装置に関するものである。
近年、AlN、GaN、InNなどの第13族元素の窒化物からなる単結晶が、広いエネルギーバンドギャップ、高い熱伝導率及び高い電気抵抗を有していることから、種々の光デバイスや電子デバイスなどの半導体デバイス用の基板材料として注目されている。
従来、第13族元素の窒化物である窒化アルミニウム単結晶の製造方法としては、加熱により昇華した原料物質を単結晶として成長させる昇華法が知られている(例えば、特許文献1など)。この昇華法では、通常、坩堝内に入れた原料物質を非酸化性雰囲気中で加熱することにより分解気化させ、この分解気化成分を種結晶上に結晶成長させることにより窒化アルミニウム単結晶を得る。
特開平10−53495号公報
窒化アルミニウム単結晶は、その結晶成長過程において径方向の成長によりドメインの収斂が起こり、結晶性が向上するが、種結晶中に多くのドメイン領域が存在する場合、昇華法による従来の製造技術を用いて、そのドメインを収斂させるには、数多くの繰り返しの育成が必要となり、ドメイン領域が少なく結晶性の高い窒化アルミニウム単結晶を得るには長い時間を要する。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、結晶成長過程においてドメインの収斂が起こりやすく、これによりドメイン領域が少なく結晶性の高い窒化アルミニウム単結晶を効率的に製造することができる窒化アルミニウム単結晶製造装置及びその部品である育成坩堝用の蓋体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわち、従来の窒化アルミニウム単結晶製造装置では、種結晶表面の温度分布が均一であるため、昇華した原料物質が種結晶に堆積する際に種結晶面内において結晶成長速度(堆積速度)に差がなく、ドメインの収斂が起こりにくい状態となっていることが判った。このため、ドメインを収斂させるには数多くの繰り返しの育成が必要であった。これに対して、種結晶表面の温度分布を不均一とすることにより、ドメイン領域ごとの結晶成長速度に差を生じさせることで、ドメインの収斂が起こりやすくなり、このため、ドメイン領域が少なく結晶性の高い窒化アルミニウム単結晶を効率的に製造できることが判った。
具体的には、下面に種結晶が取り付けられた育成坩堝の蓋体について、凹凸を形成することにより厚みが一定でない構造(部位により厚みが異なる不均一な厚みを有する構造)とすることが有効であることが判った。すなわち、蓋体をこのような構造とすることにより、蓋体の抜熱効果が面内で不均一になるため、種結晶表面の温度分布が不均一となり、その結果、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差が生じる。これにより、特定の領域のドメインが優先的に成長し、成長速度の遅いドメインを覆いこむように結晶成長が生じる。このためドメインの収斂が効率的に起こり、結晶性が向上した窒化アルミニウム単結晶を得ることができる。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
蓋体(4)の平面における少なくとも種結晶が保持される領域(e)は、その上面側又は/及び下面側に凹凸(40)が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[2]上記[1]の製造装置において、凹凸(40)は、蓋体(4)の上面側又は/及び下面側に設けられる溝又は/及び穴により形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
[3]昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
蓋体平面における少なくとも種結晶が保持される領域(e)は、その上面側又は/及び下面側に凹凸(40)が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
[4]上記[3]の蓋体において、凹凸(40)は、蓋体の上面側又は/及び下面側に設けられる溝又は/及び穴により形成されることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置は、蓋体4の平面における少なくとも種結晶が保持される領域eが、凹凸40が形成されることにより厚みが一定でない構造を有するので、蓋体の抜熱効果が面内で不均一になり、種結晶表面の温度分布を不均一にすることができる。このため、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差を生じさせ、特定の領域のドメインを優先的に成長させることでドメインを効率よく収斂させることができ、半導体デバイス用の基板材料などに適した結晶性の高い高品質な窒化アルミニウム単結晶を効率よく製造することができる。
本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置の一実施形態を示す縦断面図 図1のII-II線に沿う断面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図 本発明の窒化アルミニウム単結晶製造装置に用いる蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図
本発明の単結晶製造装置は、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置である。図1及び図2は、本発明の単結晶製造装置の一実施形態を示すもので、図1は縦断面図、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
図において、1は育成坩堝、2はこの育成坩堝1を外側から加熱する加熱手段であり、これらは炉体A(結晶成長炉)内に収納されている。
育成坩堝1は、上部が開放し、下部に原料物質xが収容される円筒状で有底の坩堝本体3と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、この坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体4を備えている。
坩堝本体3は、原料物質xのセットを容易にするため上下2分割されており、原料物質xが収容される有底の下部坩堝本体3aと、その上に置かれる筒状の上部坩堝本体3bで構成されている。なお、本実施形態では、下部坩堝本体3aと上部坩堝本体3bは同径としてあるが、例えば、結晶成長部である上部坩堝本体3bの方を下部坩堝本体3aより大径に構成してもよい。また、坩堝本体3は、本実施形態のように上下2分割された構造ではなく、一体型の構造としてもよい。
蓋体4は、下面中央部に種結晶sを保持(密着状態で保持)しており、坩堝本体3の上部にセット(載置)された状態で、保持した種結晶sが下向きとなり、坩堝本体3の下部に収容された原料物質xと対向する。
本発明装置の蓋体4は、凹凸40が形成されることにより厚みが一定でない構造を有することを特徴とするが、これについては後に詳述する。
本実施形態の蓋体4は、種結晶sの交換や育成で得られた単結晶の取り出しを容易にするため、上下に重ねられた蓋本体4aとプレート4bで構成され、プレート4bの下面中央部に種結晶sが保持されている。したがって、蓋体4は、下面中央部に種結晶sを保持したプレート4bが坩堝本体3の上部に置かれ、その上に重ねて蓋本体4aが置かれることで、坩堝本体3に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる。なお、蓋体4は、本実施形態のように蓋本体4aとプレート4bからなるのではなく、一体型のものとしてもよい。
蓋体4の径は、坩堝本体3(本実施形態では上部坩堝本体3b)の外径とほぼ同じであり、特に制限はないが、一般には10〜150mm程度である。また、蓋体4の厚み(蓋本体4aとプレート4bを合わせた厚み)も特に制限はないが、一般には、その上面側又は/及び下面側に凹凸40が形成される中央領域及びその外側領域を含めて0.2〜20mm程度の範囲とする。
種結晶sは、任意の形状を有することができるが、本実施形態では円板状であり、蓋体4(本実施形態ではプレート4b)の下面中央部に密着した状態で固定される。固定方法としては、例えば、熱融着による固定、固定具を用いた機械的な固定など、適宜な方法を採ることができる。
通常、種結晶sは、窒化アルミニウム単結晶を結晶成長させ得るような方位を持った単結晶であって、表面(下面)が化学機械的研磨(CMP)された窒化アルミニウム単結晶である。なお、種結晶sは、表面(下面)だけでなく、裏面についてもCMPなどにより処理されていてもよい。
育成坩堝1は、下部坩堝本体3aの上に上部坩堝本体3bを重ね置いて坩堝本体3を構成し、この坩堝本体3の上に、下面中央部に種結晶sを保持した蓋体4(蓋本体4a及びプレート4b)を置くだけで組み立てられる。このように育成坩堝1は、原料物質xや種結晶sのセッティングの都合上、分解・組立式としてあるが、昇華した原料物質が育成坩堝1から漏出しないようにするため、育成坩堝1を構成する各部材間になるべく隙間が生じないように組み立てられることが好ましい。このため、例えば、隙間を生じやすい部分にシール材を巻き付けるようにしてもよい。
加熱手段2(ヒーター)は、例えば、抵抗加熱式ヒーター、高周波加熱装置、高周波誘導加熱装置などで構成される。加熱手段2は、育成坩堝1を所定の間隔で外囲するように配置される。この加熱手段2は、種結晶s上で結晶成長させるのに最適な温度と、原料物質xを昇華させるのに最適な温度となるように、育成坩堝1を加熱する。
炉体Aは、雰囲気ガスの導入口6と排気口7を備えている。導入口6にはガス供給管8が接続され、図示しないガス供給源から雰囲気ガスが供給される。また、排気口7には排気管9が接続され、この排気管9には排気ポンプ(図示せず)が設けられる。
この炉体A内に収納された加熱手段2と炉体Aの内壁面との間には、加熱手段2の熱から炉体Aを保護するための遮熱体5が設けられている。本実施形態の遮熱体5は、上部及び下部に開口部50、51を有する筒体であり、炉体Aの底部に置かれ、その内部に育成坩堝1と加熱手段2が収納されている。遮熱体5の下端には内フランジ52が形成され、この内フランジ52の上面に支持台11がその外縁部を介して支持されるとともに、この支持台11上に育成坩堝1と加熱手段2が支持されている。なお、遮熱体5は、複数のリング状部材を重ねて構成してもよいし、一体型に構成してもよい。
炉体Aの上部中央部には石英ガラス板が嵌め込まれた窓12が設けられ、この窓12に面して放射温度計10が配置され、この放射温度計10により遮熱体5の開口部50を通して蓋体4の温度が測定できるようになっている。
育成坩堝1を構成する坩堝本体3(下部坩堝本体3a、上部坩堝本体3b)と蓋体4(蓋本体4a、プレート4b)は、窒化アルミニウム単結晶よりも高い融点を有する材料で構成される。例えば、窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物などの中から選ばれる1種以上で構成することができる。また、金属などの適当な母材に窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物などの中から選ばれる1種以上からなるコーティングを施したもので構成してもよい。また、窒化アルミニウム単結晶の融点よりも高い融点を有する金属、窒化物、炭化物としては、特に、タンタル(Ta)、タングステン(W)、これらの各金属の合金、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)、窒化ホウ素(BN)が好ましい。これらの材料は、窒化アルミニウム単結晶との反応性が低く、且つ高温での耐熱性に優れているため特に好適な材料である。
蓋体4は、蓋体平面における少なくとも種結晶sが保持される領域eが、その上面側又は/及び下面側に凹凸40が形成されることにより、厚みが一定でない構造(部位により厚みが異なる不均一な厚みを有する構造)を有する。このような蓋体の構造は、面内において厚肉部位と薄肉部位が混在した構造であるとも言える。一般に、凹凸40は、蓋体4の上面側又は/及び下面側に設けられる溝又は/及び穴により形成されるが、本実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に複数の環状溝400が同心円状に設けられることで凹凸40が形成されている。
このように蓋体4に凹凸40を形成して厚みが一定でない構造とする狙いは、次の通りである。種結晶sの表面は、温度が低い部位ほど原料物質が堆積しやすい(結晶成長がしやすい)。蓋体4に凹凸40を形成して厚みが一定でない構造とすると、蓋体4の抜熱効果が面内で不均一になるため、種結晶sの面内に温度が高い部位と低い部位が生じ、種結晶面内の温度分布が不均一となる。これにより、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差が生じて、種結晶面内において温度が低い部位のドメイン領域に堆積が起こりやすくなり(すなわち結晶成長速度が大きくなる)、当該ドメイン領域の優先的な成長が起こり、成長速度の遅いドメインを覆いこむように結晶成長が生じる。このためドメインの収斂が効率的に起こり、結晶性が向上した窒化アルミニウム単結晶を効率的に製造することができる。
蓋体4の凹凸40は、図1及び図2の実施形態に限らず、種々の形態で形成することができる。また、凹凸40は蓋体4の上面側、下面側のいずれに形成してよく、また、上面側と下面側の両方に形成してもよい。
図3〜図11は、それぞれ蓋体の他の実施形態を示すもので、図(a)は縦断面図、図(b)は平面図である。
図3の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に平行に設けられる複数の直線溝401と、これら直線溝401を周方向で連通させるように設けられる溝402により凹凸40が形成されている。
図4の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に格子状に設けられる複数の直線溝403と、これらの直線溝403を周方向で連通させるように設けられる溝404により凹凸40が形成されている。
図5の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に同心円状に設けられる、図1の実施形態に較べて溝幅が小さい複数の環状溝400により凹凸40が形成されている。
図6の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に同心状に設けられる六角形状の複数の環状溝405により凹凸40が形成されている。
図7の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に平行に設けられる複数の谷状の直線溝406により凹凸40が形成されている。
図8の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に設けられる複数の穴407により凹凸40が形成されている。
図9の実施形態では、蓋体4の下面に同心円状に設けられる複数の環状溝400により凹凸40が形成されている。なお、図1、図3〜図8のような形態の凹凸40を、図9の実施形態のように蓋体4の下面に設けることもでき、また、蓋体4の上面と下面の両方に設けることもできる。
図10及び図11の各実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面の中央領域に窪み41(凹陥部)が設けられることで薄肉部42が形成され、この薄肉部42に凹凸40が形成されている。通常、薄肉部42(窪み41)は、種結晶sと同じく円形状に形成され、且つ蓋体4の下面中央部に保持される種結晶sと同心状になるように形成される。
ここで、蓋体4の中央領域に薄肉部42を形成する狙いは、次の通りである。育成坩堝1内で昇華した原料物質は温度が低い部位ほど堆積しやすい。一方、蓋体4は厚さが薄いほど熱容量が小さいために抜熱効果が大きく、温度が低下しやすい。そこで、種結晶sの背面側(蓋体4の中央領域)の蓋体部分を薄肉部42とすることで、種結晶sの温度が周囲の温度よりも低くなるようにし、原料物質の種結晶周囲への堆積を防止し、原料物質が種結晶sに優先的に堆積し(種結晶周囲への堆積が防止される)、種結晶s上での結晶成長が促進されるようにしたものである。また、原料物質の種結晶周囲への堆積が防止される結果、種結晶径方向での結晶成長を阻害するものがなくなり、これにより種結晶径方向での結晶成長が促進され、ドメインの収斂による結晶性をより高めることができる。
図10の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に窪み41(凹陥部)が設けられることで薄肉部42が形成され、この薄肉部42の上面に格子状に設けられる複数の直線溝403により凹凸40が形成されている。
また、図11の実施形態では、蓋体4(蓋本体4a)の上面に窪み41(凹陥部)が設けられることで薄肉部42が形成され、この薄肉部42の上面に同心円状に設けられる複数の環状溝400により凹凸40が形成されている。
次に、本実施形態の単結晶製造装置を使用した単結晶の製造方法について説明する。
原料物質xとしては、例えば、市販のAlN粉末を1800〜2300℃程度で加熱処理し、凝集体としたものを使用する。
原料物質xを収容した坩堝本体3(下部坩堝本体3a及び上部坩堝本体3b)と、下面中央部に種結晶sを保持した蓋体4(蓋本体4a及びプレート4b)を図1のような育成坩堝1に組み立て、この育成坩堝1と加熱手段2と遮熱体5を図1のように炉体A内にセットする。
製造開始に当たり、炉体Aの排出口7に接続された排気管9の排気ポンプにより炉体A内を減圧し、ガス供給源から供給される雰囲気ガス(窒素ガスなどの非酸化性ガス)をガス供給管8及び導入口6を通じて炉体A内に導入し、炉体A内を非酸化性ガス雰囲気とする。
次いで、加熱手段2による加熱を開始し、種結晶sの表面を昇温させるとともに、原料物質xを昇温させる。この時、蓋体4からの抜熱の影響により、育成坩堝1内では、上部側ほど温度が低く、下部側ほど温度が高くなるような温度勾配が形成される。原料物質xが一定温度まで加熱されると、原料物質xの昇華が始まる。昇華した原料物質xは、上記のような温度勾配に従い低温側である育成坩堝1の上部側に移動する。昇華した原料物質xは、温度が低い部位ほど堆積しやすいが、坩堝本体3の上部坩堝本体3bは加熱手段2による加熱の影響を大きく受けるために、種結晶sや蓋体4よりも高温状態となっているため、その内面には原料物質xの堆積は生じにくい。
一方、種結晶sと蓋体4の温度は、加熱手段2による加熱と蓋体4からの抜熱の影響を大きく受ける。育成坩堝1の外側の炉内雰囲気ガス温度(一般に1500〜2000℃程度)は、加熱手段2で加熱されている種結晶sや蓋体4の温度(一般に1800〜2300℃程度)よりも低く、このため蓋体4から炉内雰囲気ガス中に抜熱が生じる。蓋体4は、凹凸40が形成されることにより厚みが一定でない構造を有し、厚さが薄いほど熱容量が小さいために抜熱効果が大きくなるので、蓋体の抜熱効果が面内で不均一になり、このため種結晶sの面内に温度が高い部位と低い部位が生じ、種結晶面内の温度分布が不均一となる。これにより、種結晶面内におけるドメイン領域ごとの結晶成長速度に差が生じて、種結晶面内において温度が低い部位のドメイン領域に堆積が起こりやすくなり(すなわち結晶成長速度が大きくなる)、当該ドメイン領域の優先的な成長が起こり、成長速度の遅いドメインを覆いこむように結晶成長が生じる。このためドメインの収斂が効率的に起こり、結晶性が向上した窒化アルミニウム単結晶を効率的に製造することができる。
なお、以上のような窒化アルミニウム単結晶の製造中、炉体A内にはガス供給管8及び導入口6を通じて雰囲気ガスが導入されるとともに、排気ポンプにより排気口7及び排気管9を通じて炉体A内の雰囲気ガスが排出され、且つ炉内圧力が一定に保たれる。このようなガスの給排気と炉内圧力のコントロールにより、炉体Aや育成坩堝1内に酸素を浸入させることなく、安定した操業を行うことができる。
また、放射温度計10で蓋体4の温度を測定し、例えば、加熱手段2の不具合による蓋体4の温度異常などを検知する。
また、窒化アルミニウム単結晶製造装置の部品である本発明に係る育成坩堝用の蓋体は、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、蓋体平面における少なくとも種結晶が保持される領域eが、その上面側又は/及び下面側に凹凸40が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有するものであり、その構成及び実施形態は、上述した通りである。
[窒化アルミニウム単結晶の製造例]
図1及び図2に示す本発明の単結晶製造装置を用い、窒化アルミニウム単結晶を製造した。装置の仕様は以下の通りである。
(1)坩堝本体3
・高さ:100mm
・内径:65mm
(2)蓋体4
・凹凸40(環状溝400)の深さ:4.0mm
・凹凸40以外の部分(外側領域)の厚さ:5.0mm
(3)加熱手段2
・加熱方式:高周波誘導加熱式ヒーター
(4)種結晶s
・(0001)方位を有し、表面がCMPで表面処理されたAlN単結晶板
・径Ds:40mm
・厚さ:1.0mm
原料物質としては、市販のAlN粉末(平均粒径1.2μm)を予め窒素雰囲気中で約1500〜2000℃で加熱処理し、凝集させて得られたAlN凝集体を用いた。この原料物質を坩堝本体3に収容した後、装置を構成する各部材を組み立て、図1及び図2に示すような装置とした。
製造開始に当たり、排気管9に設けられた排気ポンプを用いて、炉体A内の空気を1.0×10−3Pa以下となるまで排気した後、原料物質x中の吸着酸素の蒸発を容易にするために、坩堝本体3を加熱手段2により下部坩堝本体3aが約400℃になるまで加熱した。その後、前記排気ポンプで炉体A内を5.0×10−4Pa以下まで排気した後、窒素ガスを導入し、炉体A内が所定圧力(300kPa)に到達したところで、加熱手段2によるさらなる加熱を行い、種結晶sの温度が1800〜2000℃、原料物質xの温度が2000〜2300℃になるまで昇温を行いながら、前記排気ポンプで炉体A内を100kPaまで排気し、原料物質xを昇華させ、種結晶sの方位(0001)でAlN単結晶の育成を100時間行った。
また、比較例の製造装置として、蓋体4のみを平坦な蓋体(厚さ5mm)に変更した製造装置を用い、AlN単結晶を製造した。
上述した本発明の製造装置と比較例の製造装置でそれぞれ製造されたAlN単結晶の結晶性を以下のように評価した。製造されたAlN単結晶から所定の面方位に切り出し、外形を整えたAlN単結晶基板を、遊離砥粒にて両面ラッピング加工した後、化学機械的研磨(CMP)を実施した。このようにして得られたAlN単結晶基板のロッキングカーブ測定を行い、半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)を求めた。
その結果、比較例の製造装置で製造されたAlN単結晶基板は147arcsecであったのに対して、本発明の製造装置で製造されたAlN単結晶基板は80arcsecであった。このため、本発明の製造装置によれば、比較例の製造装置に較べてAlN単結晶のドメインを効率よく収斂させることができ、結晶性の高い高品質なAlN単結晶を効率よく製造できることが確認できた。
1 育成坩堝
2 加熱手段
3 坩堝本体
3a 下部坩堝本体
3b 上部坩堝本体
4 蓋体
4a 蓋本体
4b プレート
5 遮熱体
6 導入口
7 排気口
8 ガス供給管
9 排気管
10 放射温度計
11 支持台
12 窓
40 凹凸
41 窪み(凹陥部)
42 薄肉部
50,51 開口部
52 内フランジ
400 環状溝
401 直線溝
402 溝
403 直線溝
404 溝
405 環状溝
406 直線溝
407 穴
A 炉体
a 炉内空間
e 領域

Claims (6)

  1. 育成坩堝(1)と、該育成坩堝(1)を外側から加熱する加熱手段(2)を備え、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置であって、
    育成坩堝(1)は、上部が開放し、下部に原料物質が収容される坩堝本体(3)と、下面中央部に種結晶を保持した状態で、坩堝本体(3)に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体(4)を備え、
    蓋体(4)の平面における少なくとも種結晶が保持される領域(e)は、その上面側に凹凸(40)が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  2. 凹凸(40)は、蓋体(4)の上面側に設けられる溝又は/及び穴により形成されることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  3. 蓋体(4)の上面の中央領域に窪み(41)が設けられることで薄肉部(42)が形成され、該薄肉部(42)の上面側に凹凸(40)が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置。
  4. 昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する装置において、下面中央部に種結晶を保持した状態で、育成坩堝を構成する坩堝本体に対してその開放した上部を塞ぐようにセットされる蓋体であって、
    蓋体平面における少なくとも種結晶が保持される領域(e)は、その上面側に凹凸(40)が形成されることにより、厚みが一定でない構造を有することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  5. 凹凸(40)は、蓋体の上面側に設けられる溝又は/及び穴により形成されることを特徴とする請求項に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
  6. 蓋体上面の中央領域に窪み(41)が設けられることで薄肉部(42)が形成され、該薄肉部(42)の上面側に凹凸(40)が形成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の窒化アルミニウム単結晶製造装置における育成坩堝の蓋体。
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