JP2016020286A - AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材 - Google Patents

AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2016020286A
JP2016020286A JP2014143936A JP2014143936A JP2016020286A JP 2016020286 A JP2016020286 A JP 2016020286A JP 2014143936 A JP2014143936 A JP 2014143936A JP 2014143936 A JP2014143936 A JP 2014143936A JP 2016020286 A JP2016020286 A JP 2016020286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
base material
aln single
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014143936A
Other languages
English (en)
Inventor
真至 畠田
Shinji Hatada
真至 畠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2014143936A priority Critical patent/JP2016020286A/ja
Publication of JP2016020286A publication Critical patent/JP2016020286A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】AlN単結晶のクラックの発生を抑制することができるAlN単結晶製造方法の提供。【解決手段】昇華再結晶法によりAlN単結晶6を基材5に成長させるAlN単結晶の製造方法であり、基材5は、AlN単結晶6が成長する成長面54を有し、成長面54は、Ta2Cで構成されており、基材5は、好ましくは、Taから構成される母材51と、Ta2Cから構成され、母材5を覆うと共に成長面54を構成する第1の層52と、TaCから構成され、成長面54を除いて第1の層52を覆う第2の層53とを有し、AlN単結晶6が成長する基材5の成長面54が、AlNよりも熱膨張率の大きなTa2Cで構成されているので、基材5上に成長したAlN単結晶6が冷却される際、AlN単結晶6に引っ張り応力が働くことを防ぎ、AlN単結晶6のクラックの発生を抑制するAlN単結晶6の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、昇華再結晶法によってAIN単結晶(窒化アルミニウム単結晶)を製造する方法及びAlN単結晶を成長させるための基材に関するものである。
炭化珪素(SiC)単結晶を種子基板として用い、昇華法により窒化アルミニウム単結晶を製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−132079号公報
炭化珪素の熱膨張係数(3.1×10−6−1)は、窒化アルミニウムの熱膨張係数(4.2×10−6−1)に比べて小さい。このため、上記技術において、種子基板上に成長した窒化アルミニウム単結晶を冷却する際、炭化珪素及び窒化アルミニウムの熱膨張率の差から窒化アルミニウム単結晶に引っ張り応力が働き、当該窒化アルミニウム単結晶にクラックが生じる場合があるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、AlN単結晶へのクラックの発生を抑制することができるAlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材を提供することである。
[1]本発明に係るAlN単結晶の製造方法は、昇華再結晶法によりAlN単結晶を基材に成長させるAlN単結晶の製造方法であって、前記基材は、前記AlN単結晶が成長する成長面を有し、前記成長面は、TaCで構成されていることを特徴とする。
[2]上記発明において、前記成長面を除く前記基材の外面は、TaCで構成されていてもよい。
[3]上記発明において、前記基材は、Taから構成される母材と、TaCから構成され、前記母材を覆うと共に前記成長面を構成する第1の層と、TaCから構成され、前記成長面を除いて前記第1の層を覆う第2の層と、を有していてもよい。
[4]本発明に係るAlN単結晶の製造方法は、昇華再結晶法によりAlN単結晶を基材に成長させるAlN単結晶の製造方法であって、前記基材は、Taから構成される母材と、TaCから構成され、前記母材を覆う第1の層と、AlNから構成され、前記第1の層を覆うと共にAlN単結晶が成長する成長面を構成する第3の層と、を有することを特徴とする。
[5]上記発明において、前記AlN単結晶の成長温度は、1900[℃]以上且つ2500[℃]以下であってもよい。
[6]本発明に係る基材は、昇華再結晶法によりAlN単結晶を成長させるための基材であって、前記基材は、前記AlN単結晶が成長する成長面を有し、前記成長面は、TaCで構成されていることを特徴とする。
[7]本発明に係る基材は、昇華再結晶法によりAlN単結晶を成長させるための基材であって、前記基材は、Taから構成される母材と、TaCから構成され、前記母材を覆う第1の層と、AlNから構成され、前記第1の層を覆うと共にAlN単結晶が成長する成長面を構成する第3の層と、を有することを特徴とする基材。
本発明によれば、AlN単結晶(窒化アルミニウム単結晶)が成長する基材の成長面は、TaCで構成されており、このTaCの熱膨張率はAlNの熱膨張率に比べて大きい。このため、基材上に成長したAlN単結晶が冷却される際、当該AlN単結晶に引っ張り応力が働くことを防ぎAlN単結晶へのクラックの発生を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造方法を用いた製造装置を示す概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態における基材及び坩堝を示す断面図である。 図3(A)〜図3(C)は、本発明の実施形態における基材の製造工程を示す断面図である。 図4は、本発明の実施形態における基材の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態における窒化アルミニウム単結晶の製造方法を用いた製造装置を示す概略構成図であり、図2は本実施形態における基材及び坩堝を示す断面図である。
本実施形態における窒化アルミニウム単結晶(AlN単結晶)の製造装置1は、高温領域で原料2を加熱して昇華させ、低温領域に設けられた基材5上で当該昇華ガスを再凝縮させること(昇華再結晶法)により窒化アルミニウム単結晶6を製造する装置である。この単結晶製造装置1は、図2に示すように、原料2を収容すると共に基材5を保持する坩堝10と、坩堝10を収容する断熱材15と、坩堝10及び断熱材15を収容する結晶成長炉20と、結晶成長炉20内に窒素ガスを供給するガス供給装置30と、結晶成長炉20内を減圧する減圧装置40と、結晶成長炉20の外側に配置された誘導コイル50と、を備えている。
坩堝10は、図2に示すように、上部開口111aを有する容器本体11と、当該上部開口111aを覆う蓋体12と、を有している。なお、この蓋体12は容器本体11に載置されているだけであり、この坩堝10内は流体の出入りが容易な準密閉的な空間となっているため、結晶成長炉20内に導入された窒素ガスが坩堝10内に流入することが可能となっている。
容器本体11は、有底の円筒形状を有しており、その内部には原料2が収容されている。この容器本体11は、例えば、タングステン、モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化ホウ素又は窒化ジルコニウムから構成されている。なお、この容器本体11を、例えば、タングステン、モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化ホウ素及び窒化ジルコニウムからなる群から選択される二つ以上の材料の混合物で構成してもよい。また、原料2の具体例としては、例えば、窒化アルミニウムの粉末や焼結体等を例示することができる。
本実施形態における坩堝10の容器本体11の内側には、当該容器本体11と蓋部材13との間に誘導部113が設けられている。この誘導部113は、下方(原料2側)から上方(基材5側)に向かって漸次的に小径となる円筒形状を有しており、誘導部113の上端の開口は、蓋部材13に形成された貫通開口131と略等しい大きさ及び形状となっている。窒化アルミニウム単結晶6の製造時には、原料2から発生した昇華ガスは、当該誘導部113の内壁面に沿って基材5の主面54(成長面)へと誘導され、蓋部材13等で窒化アルミニウムが結晶化してしまうことを抑制できる。
誘導部113を構成する材料としては、タングステン、モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、ジルコニウム(Zr)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭化ジルコニウム(ZrC)等を例示することができる。
誘導部113を構成する材料は、特に上記に限定されないが、ジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。この場合には、酸化ジルコニウム(ZrO)の標準生成自由エネルギーが酸化アルミニウム(Al)の標準生成自由エネルギーよりも小さいと共に、炭化ジルコニウム(ZrC)の標準生成自由エネルギーが炭化アルミニウム(Al)の標準生成自由エネルギーよりも小さいことにより、窒化アルミニウム単結晶製造時の昇華ガスに含まれる酸化アルミニウム(Al)及び炭化アルミニウム(Al)の量を低減し、製造する窒化アルミニウム単結晶の純度を向上することができる。
本実施形態における蓋体12は、2つの蓋部材13、14から構成されている。第1の蓋部材13は、円形の貫通開口131がその中央に形成されたリング形状を有しており、この貫通開口131は、基材5の外径Dよりも小さな内径Dを有しており、基材5の外縁部は貫通開口131の周縁部に接触している。なお、貫通開口131の形状は、基材5の外径よりも小さな内径を有し、且つ、基材5上に結晶成長に必要な面積が十分に確保されていれば、特に限定されない。
この第1の蓋部材13は、容器本体11の上部開口111aを覆うように当該容器本体11の上端112に載置されている。そして、基材5は、貫通開口131を塞ぐように第1の蓋部材13に載置されており、第1の蓋部材13によって基材5の外周部分が保持されている。このため、基材5の主面54の中央部分は、貫通開口131を介して容器本体11内に露出しており、当該貫通開口131を介して原料2に対向している。
この第1の蓋部材13は、上述の容器本体11を構成する材料よりも相対的に高い電気抵抗率(比抵抗)を有する材料から構成されており、例えば、黒鉛、タンタル、窒化タンタル、炭化ジルコニウム、又は、炭化モリブデンから構成されている。なお、この第1の蓋部材13を、例えば、黒鉛、タンタル、窒化タンタル、炭化ジルコニウム、及び、炭化モリブデンからなる群から選択される二つ以上の材料の混合物で構成してもよい。
本実施形態における基材5は、板形状又は円板形状を有しており、母材51と、当該母材51の周囲に位置する第1の層52及び第2の層53と、から構成されている。なお、基材5の大きさ及び形状は特に限定されない。
母材51は、板形状又は円板形状を有しており、タンタル(Ta)で構成されている。第1の層52は、母材51の全面(即ち、上面、底面及び側面)を覆っており、TaCで構成されている。第2の層53は、主面54を除いて第1の層52を覆っており、TaCから構成されている。これにより、基材5の主面(即ち、底面)54では、第1の層52が露出して基材5の外面を形成している。一方、主面54以外の他の部分では、第2の層が露出して基材5の外面(即ち、上面及び側面)を形成している。窒化アルミニウム単結晶6の製造時には、主面54が原料2と対向するように配置され、当該主面54に窒化アルミニウム単結晶が成長する。即ち、基材5の主面54が窒化アルミニウム単結晶の成長面となる。本実施形態における第1の層52が本発明のTaC層の一例に相当する。
本実施形態における基材5は、例えば、以下の様にして製造することができる。図3(A)〜図3(C)は、本実施形態における基材5の製造工程を示す断面図である。
まず、板形状又は円板形状のTa単結晶501を準備する(図3(A)参照)。このようなTa単結晶501は、例えば、浮遊帯域溶融法(Floating Zone法)により得ることができる。なお、不活性ガス(例えば、アルゴン(Ar))の雰囲気の下、所定条件(例えば、900〜1450[℃]、100〜760[torr])で加熱したTa単結晶を、所定温度(例えば、900〜1450[℃])で再結晶させることにより粗大化したTa単結晶を用いてもよい。
次いで、Ta単結晶501を、例えば、2100[℃]で5時間程度加熱する。この加熱により、図3(B)に示すように、Ta単結晶からなる母材51の周囲全体がTaCからなる第1の層52で覆われると共に、当該第1の層52の周囲全体がTaCからなる第2の層53で覆われる。
次いで、片側の主面531を形成する第2の層53を研削、研磨等で除去する。このような研削、研磨方法としては、例えば、バックグラインディングや、CMP(化学的機械的研磨)処理等のポリッシングを例示することができる。この研削、研磨により、図3(C)に示すように、主面531を形成していた第2の層53が取り除かれて第1の層52が露出し、露出した当該第1の層52が主面54を形成する。
窒化アルミニウム単結晶6の製造時には、この主面54が当該窒化アルミニウム単結晶6の成長面となる。なお、この主面54はC面(面方位(0001))となっている。この主面54は、成長させる窒化アルミニウム単結晶6の結晶性向上の観点から、CMP処理が施されることが好ましく、主面54を含む基材5の主面全てにCMP処理が施されることがさらに好ましい。
第2の蓋部材14は、基材5の外径よりも大きな外径Dの円板形状を有している。この第2の蓋部材14は、第1の蓋部材13に保持された基材5の上に載置されており、基材5は第1の蓋部材13の上面と第2の蓋部材14の下面との間に挟まれている。なお、第2の蓋部材14が基材5を覆っていれば、当該第2の蓋部材14の形状は特に限定されない。
ここで、従来の製造装置のように基材を蓋体に接着する場合には、結晶成長時の熱膨張差等により基材が蓋体から剥離したり脱落するおそれがある。これに対し、本実施形態では上記のように第1及び第2の蓋部材13、14の間に基材5を挟むので、蓋体12への基材5の接着が不要となり、結晶成長時の基材5の剥離や脱落を防止することが可能となっている。
この第2の蓋部材14は、容器本体11と同様に、例えば、タングステン、モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化ホウ素又は窒化ジルコニウムから構成されている。なお、この第2の蓋部材14を、例えば、タングステン、モリブデン、炭化タングステン、炭化タンタル、窒化ホウ素及び窒化ジルコニウムからなる群から選択される二つ以上の材料の混合物で構成してもよい。このように、第2の蓋部材14を、容器本体11と同じ材料で構成することで、基材5を適切に加熱することができる。
なお、蓋体の構造は上記に特に限定されない。例えば、特に図示しないが、蓋体12が、上述した第1及び第2の蓋部材13、14に加えて、当該第1及び第2の蓋部材13、14の間に介装されて基材5の外周を取り囲む第3の蓋部材を備えてもよい。この場合において、当該第3の蓋部材が第1の蓋部材13又は第2の蓋部材14と一体的に形成されていてもよい。また、坩堝10の構成として、例えば、坩堝10を第2の坩堝内に収容した二重坩堝構造を採用してもよいし、坩堝10を第2及び第3の坩堝内に収容した三重坩堝構造を採用してもよい。
以上に説明した坩堝10の周囲は、図1に示すように、外部への放熱を抑制するために断熱材15が設けられている。この断熱材15の具体例としては、例えば、炭素繊維を用いた成形断熱材等を例示することができる。
この断熱材15は、筒部151、底部152、及び、蓋部153を有しており、坩堝10の全面を囲っている。具体的には、断熱材15の筒部151及び底部152は、坩堝10の容器本体11の筒部11A及び底部11Bを直接覆っている。一方、断熱材15の蓋部153は、坩堝10の蓋体12から一定距離離れて覆っている。断熱材15の底部152には、結晶成長炉20の下方に設けられた第1の放射温度計71の視路を確保するための円形の開口152a(φ15mm程度)が形成されている。また、断熱材15の蓋部153には、結晶成長炉20の上方に設けられた第2の放射温度計72の視路を確保するための円形の開口153a(φ15mm程度)が形成されている。これにより底部152及び蓋部153の温度を測定することが可能となっている。
断熱材15に収容された坩堝10は、不図示の固定手段を介して結晶成長炉20内に固定されている。この結晶成長炉20は、例えば二重構造の石英管から構成されており、その上部にガス導入口21が設けられていると共に、その下部にガス排出口22が設けられている。
ガス導入口21には、窒素(N)やアルゴン(Ar)等のガスを供給可能なガス供給装置30が接続されている。一方、ガス排出口22には、特に図示しない圧力調整弁を介して真空ポンプ等の減圧装置40が接続されている。このガス供給装置30や減圧装置40を駆動させることで、結晶成長炉20内の雰囲気を所定の圧力に調整することが可能となっている。
結晶成長炉20の周囲には誘導コイル50が配置されている。この誘導コイル50は、結晶成長炉20内の坩堝10を取り囲んでおり、この誘導コイル50に高周波電流を通電することで坩堝10が自己発熱し、これにより原料2及び基材5が所望の温度に加熱される。
次に、以上に説明した単結晶製造装置1を用いて窒化アルミニウム単結晶6を成長させる際の操作方法について説明する。
先ず、窒化アルミニウム粉末等の原料2を、断熱材15の筒部151及び底部152によって覆われた坩堝10の容器本体11内にセットする。次いで、第1の蓋部材13を容器本体11の上に載置した後に、当該第1の蓋部材13の上に基材5を、主面54が結晶成長面となるよう載置し、さらに当該基材5の上に第2の蓋部材14を載置する。次いで、断熱材15の蓋部153を筒部151の上に載置する。これにより、基材5が第1の蓋部材13に保持され第1及び第2の蓋部材13、14の間に挟まれると共に、第1の蓋部材13の貫通開口131を介して基材5の成長面(主面54)が原料2に対向する。
次いで、断熱材15で覆われた坩堝10を結晶成長炉20内に設置した後、減圧装置40を駆動させてガス排出口22を介して結晶成長炉20内の大気を除去し、当該結晶成長炉20内を真空引きし、結晶成長炉20内の圧力を5×10−6[torr]程度とする。
次いで、ガス供給装置30を駆動させてガス導入口21を介して結晶成長炉20内に窒素ガスを導入して結晶成長炉20内を500[torr]程度まで昇圧する。次いで、誘導コイル50に高周波電流を通電して坩堝10を発熱させて、基材5を1000[℃]程度まで加熱することにより、当該基材5の成長面(主面54)を清浄化する。続いて、誘導コイル50に高周波電流を通電して坩堝10をさらに発熱させることで、原料2及び基材5を加熱する。
この際、第1の放射温度計71によって坩堝10の下部の温度を測定すると共に、第2の放射温度計72によって坩堝10の上部の温度を測定する。誘導コイル50は、この測定結果に基づいて、坩堝10の上部温度(すなわち基材5の温度)が1900〜2500[℃]とするように制御されるとともに、坩堝10の下部温度(すなわち原料2の温度)が坩堝10の上部温度(基材5の温度)よりも80℃程度高い温度となるように制御される。この制御は、例えば、誘導コイル50の位置を坩堝10に対して上下方向に移動させることにより行うことができる。
坩堝10の温度が上記の設定温度に達したら、減圧装置40によって結晶成長炉20内を100〜600[torr]に減圧する。この減圧により、窒化アルミニウム単結晶6の成長が開始する。具体的には、下記の(1)式及び(2)式に示すように、上述の坩堝10の上部と下部の間に設定された温度勾配によって、原料2から発生した昇華ガスが、基材5に向かって移送され、基材5上で再結晶化する。これにより、第1の蓋部材13の貫通開口131を介して露出している基材5の主面54の中央部分に窒化アルミニウム単結晶6が成長する。
2AlN(s) → 2Al(g)+N(g) …(1)
2Al(g)+N(g) →2AlN(s) …(2)
この際、本実施形態では、上述のように、第1の蓋部材13を構成する材料の電気抵抗率が容器本体11を構成する材料の電気抵抗率よりも相対的に高いので、窒化アルミニウム単結晶6が成長して第1の蓋部材13よりも厚くなっても、第1の蓋部材13の温度が窒化アルミニウム単結晶の温度よりも高くなる。そのため、第1の蓋部材13に窒化アルミニウムの多結晶が析出することはない。
窒化アルミニウム単結晶6の成長開始から例えば20〜120時間が経過し、当該成長を停止させる場合には、ガス導入口21から窒素ガスを結晶成長炉20内に供給して結晶成長炉20内の圧力を700[torr]程度まで昇圧させた後に、誘導コイル50への通電を停止して原料2及び基材5を室温まで自然冷却する。以上の操作を経て、窒化アルミニウム単結晶6を得ることができる。
本実施形態では、窒化アルミニウム単結晶6の製造時に用いる基材5において、当該単結晶6が成長する成長面(主面54)はTaCで構成されている。このTaCの結晶構造は、六方晶系、a=3.1059Å、b=3.1059Å、c=4.9464Å、α=90°、β=90°、γ=120°である。一方、窒化アルミニウムの結晶構造は、六方晶系、a=3.1114Å、b=3.1114Å、c=4.9792Å、α=90°、β=90°、γ=120°であり、TaCの結晶構造に近い結晶構造を有する。このため、結晶性の高い窒化アルミニウム単結晶6を製造することができる。
さらに、窒化アルミニウムの熱膨張率(熱収縮率)に比べて大きい熱膨張率(熱収縮率)をTaCは有する。このため、成長した窒化アルミニウム単結晶6を室温まで冷却する際、当該単結晶6が基材5よりも収縮することによって引っ張り応力が単結晶6に発生しすることを防ぎ、窒化アルミニウム単結晶6にクラックが生じることを抑制することができる。
また、窒化アルミニウム単結晶6が成長する成長面(主面54)を除いた基材5の外面は、TaCからなる第2の層53で構成されている。これにより、基材5に対して優れた耐熱性を付与することができる。
さらに、本実施形態における基材5は母材51を有しており、TaCからなる第1の層52は当該母材51の周囲を覆っていると共に、第2の層53は成長面(主面54)を除いた第1の層52の周囲を覆っている。そして、この母材51は金属材料であるTaから構成されているため、基材5に優れた強靭性を付与することができる。
また、本実施形態における窒化アルミニウム単結晶6の成長温度は、1900[℃]以上且つ2500[℃]以下となっている。この温度域において、TaCの標準生成自由エネルギーは、Alの標準生成自由エネルギーよりも小さい。このため、基材5の成長面を構成するTaCが脱炭してAlが形成されることを抑制できると共に、Alが不純物として窒化アルミニウム単結晶6に混入することを防ぐことができる。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、基材が図4に示すような構成であってもよい。図4に示す基材5Bでは、母材51と、当該母材51の周囲を覆う第1の層52と、窒化アルミニウムから構成されると共に第1の層52の一部(第1の層52において原料2に対向する部分)を覆う第3の層55と、当該第3の層55に覆われた部分を除いて第1の層52を覆う第2の層53と、から構成されている。この例では、第3の層55により成長面(主面54)が構成される。この基材5Bを用いて窒化アルミニウム単結晶6を成長させる場合においても、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
1・・・単結晶製造装置
2・・・原料
5、5B・・・基材
51・・・母材
52・・・第1の層
53・・・第2の層
54・・・主面(成長面)
55・・・第3の層
6・・・窒化アルミニウム単結晶(AlN単結晶)
10・・・坩堝
11・・・容器本体
111・・・上部開口
112・・・上端
113・・・誘導部
11A・・・筒部
11B・・・底部
12・・・蓋体
13・・・第1の蓋部材
14・・・第2の蓋部材
15・・・断熱材
151・・・筒部
152・・・底部
153・・・蓋部
20・・・結晶成長炉

Claims (7)

  1. 昇華再結晶法によりAlN単結晶を基材に成長させるAlN単結晶の製造方法であって、
    前記基材は、前記AlN単結晶が成長する成長面を有し、
    前記成長面は、TaCで構成されていることを特徴とするAlN単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のAlN単結晶の製造方法であって、
    前記成長面を除く前記基材の外面は、TaCで構成されていることを特徴とするAlN単結晶単結晶の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のAlN単結晶の製造方法であって、
    前記基材は、
    Taから構成される母材と、
    TaCから構成され、前記母材を覆うと共に前記成長面を構成する第1の層と、
    TaCから構成され、前記成長面を除いて前記第1の層を覆う第2の層と、を有することを特徴とするAlN単結晶の製造方法。
  4. 昇華再結晶法によりAlN単結晶を基材に成長させるAlN単結晶の製造方法であって、
    前記基材は、
    Taから構成される母材と、
    TaCから構成され、前記母材を覆う第1の層と、
    AlNから構成され、前記第1の層を覆うと共にAlN単結晶が成長する成長面を構成する第3の層と、を有することを特徴とするAlN単結晶の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のAlN単結晶の製造方法であって、
    前記AlN単結晶の成長温度は、1900[℃]以上且つ2500[℃]以下であることを特徴とするAlN単結晶の製造方法。
  6. 昇華再結晶法によりAlN単結晶を成長させるための基材であって、
    前記基材は、前記AlN単結晶が成長する成長面を有し、
    前記成長面は、TaCで構成されていることを特徴とする基材。
  7. 昇華再結晶法によりAlN単結晶を成長させるための基材であって、
    前記基材は、
    Taから構成される母材と、
    TaCから構成され、前記母材を覆う第1の層と、
    AlNから構成され、前記第1の層を覆うと共にAlN単結晶が成長する成長面を構成する第3の層と、を有することを特徴とする基材。
JP2014143936A 2014-07-14 2014-07-14 AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材 Pending JP2016020286A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014143936A JP2016020286A (ja) 2014-07-14 2014-07-14 AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014143936A JP2016020286A (ja) 2014-07-14 2014-07-14 AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016020286A true JP2016020286A (ja) 2016-02-04

Family

ID=55265411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014143936A Pending JP2016020286A (ja) 2014-07-14 2014-07-14 AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016020286A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019222997A1 (zh) * 2018-05-25 2019-11-28 深圳大学 一种制备氮化铝晶体的装置和方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019222997A1 (zh) * 2018-05-25 2019-11-28 深圳大学 一种制备氮化铝晶体的装置和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1866464B1 (en) Seeded growth process for preparing aluminum nitride single crystals
JP5392169B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP6302192B2 (ja) 単結晶の育成装置及び育成方法
JP6338439B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP2011105575A (ja) 単結晶引き上げ装置
JP5124402B2 (ja) 炭化珪素単結晶材の焼鈍方法
US9777401B2 (en) Method for producing single crystal
KR102276450B1 (ko) 탄화규소 잉곳의 제조방법, 탄화규소 웨이퍼의 제조방법 및 이의 성장 시스템
JP6681687B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴット製造用の黒鉛坩堝及び炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP4833780B2 (ja) 蓋付き黒鉛坩堝及び炭化珪素単結晶成長装置
KR101842487B1 (ko) 도가니 및 단결정 육성 장치 및 단결정 육성 방법
JP2016020286A (ja) AlN単結晶の製造方法及びAlN単結晶を成長させるための基材
JP6180024B2 (ja) 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法
JP2013075789A (ja) 化合物半導体単結晶の製造装置および製造方法
JP2015054799A (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造装置
JP6861557B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造装置及び炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP2013075793A (ja) 単結晶の製造装置、および単結晶の製造方法
JP6128646B2 (ja) 単結晶成長装置
JP2015229608A (ja) 単結晶製造装置
JP6214038B2 (ja) 窒化アルミニウム単結晶の製造方法
JP2015168600A (ja) Iii族窒化物単結晶製造装置及び製造方法
JP2015086114A (ja) 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法
WO2019176447A1 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置
JP2015166298A (ja) 単結晶製造装置及び単結晶製造方法
JP2015171976A (ja) 単結晶製造装置