JP2015053229A - 電磁調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 利用者の使い勝手を一段と高めた電磁調理器を提供する。【解決手段】 本発明は、複数の加熱部を備えた電磁調理器に関する。少なくとも1つの加熱部は、異なる加熱段階から選択された加熱段階の加熱動作を実行できるものである。電磁調理器は、各加熱部による加熱のオン、オフを指示する、加熱部毎の加熱起動・終了指示手段と、いずれかの加熱起動・終了指示手段に加熱の起動操作がなされたとき、起動操作された加熱部の起動時用の消費電力を追加したと仮定した新合算消費電力が、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力を超過するか否かを判断し、超過する場合には、少なくとも一部の加熱部の加熱段階を低下させ、起動操作された加熱部の加熱を開始させる起動操作時制御手段とを有する。起動操作前の合算消費電力に拘らず、起動操作を受け入れることができ、利用者の使い勝手を高めることができる。【選択図】 図5
Description
本発明は電磁調理器に関し、例えば、100Vの商用電源を利用する、加熱部が複数有するものに適用し得るものである。
誘導コイルに流れる電流によって生じる電磁誘導作用によって鍋、やかん、フライパン等の調理容器(以下、各種の調理容器をまとめて「鍋」とよぶこととする)が発熱し、鍋内の液体等を加熱して調理を行う電磁調理器として、従来、システムキッチンに組み込まれたような持ち運びができない据え置き型のものに加え、持ち運び可能な卓上型のものもある。
卓上型の電磁調理器の多くは、湯を沸かす等の単純な用途に対応する、加熱部が1つのものであった。また、卓上型の電磁調理器は、その可搬性のため、持ち運び先でも容易に電源を確保できるように、100Vの商用電源を電源として利用するものである。
最近、卓上型の電磁調理器として、据え置き型の電磁調理器の代替品となるような調理に適用することも可能な複数の加熱部を有する電磁調理器が提案され、このような電磁調理器も、電源として100Vの商用電源を利用するものである。因みに、据え置き型の電磁調理器は、200Vの商用電源を利用し、複数の加熱部とグリルとを有するものが大半である(特許文献1参照)。
100Vの商用電源を利用する複数の加熱部を有する卓上型の電磁調理器の実製品の提供は、最近、提供されるようになったばかりであり、まだまだ改良の余地は大きい。例えば、100Vの商用電源を利用するため最大消費電力が小さく、オフ状態の加熱部をオンしたとき、オン状態の複数の加熱部による合算の消費電力が最大消費電力を超えてしまい、オン操作を受け入れることができない。利用者の中には、オン操作してもオン操作が拒否され、使い勝手を悪いと思ってしまう利用者もいる。
そのため、利用者の使い勝手を一段と高めた電磁調理器が望まれている。
本発明は、誘導コイルに交流電流を流すことで加熱動作を行う複数の加熱部を備えた電磁調理器において、(1)少なくとも1つの上記加熱部は、異なる加熱段階から選択された加熱段階の加熱動作を実行できるものであり、(2−1)上記各加熱部による加熱のオン、オフを指示する、上記各加熱部毎に設けられた加熱起動・終了指示手段と、(2−2)いずれかの上記加熱部に対応する上記加熱起動・終了指示手段に加熱の起動操作がなされたとき、起動操作された加熱部の起動時用の消費電力を追加したと仮定した新合算消費電力が、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力を超過するか否かを判断し、超過する場合には、少なくとも一部の加熱部の加熱段階を低下させ、起動操作された上記加熱起動・終了指示手段に対応する上記加熱部の加熱を開始させる起動操作時制御手段とを有することを特徴とする。
本発明の電磁調理器によれば、いずれかの加熱部に対する起動操作を、起動操作前の合算消費電力に拘らず、受け入れることができるので、利用者の使い勝手を一段と高めることができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による電磁調理器の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第1の実施形態に係る電磁調理器は、100Vの商用電源を利用する2個の加熱部(ここでの加熱部は、誘導加熱の加熱部だけを含み、ラジエントヒーターやハロゲンヒーター等の他の加熱部を含まない用語である)を有する卓上型の電磁調理器である。
以下、本発明による電磁調理器の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第1の実施形態に係る電磁調理器は、100Vの商用電源を利用する2個の加熱部(ここでの加熱部は、誘導加熱の加熱部だけを含み、ラジエントヒーターやハロゲンヒーター等の他の加熱部を含まない用語である)を有する卓上型の電磁調理器である。
図1は、第1の実施形態に係る電磁調理器1の外観を示す斜視図である。
第1の実施形態の電磁調理器1Xは、概ね、薄い直方体の箱形状をしている。電磁調理器1は、主として上蓋2及び下蓋(図1では見えない)からなる。上蓋2は、4角形状の天板3と、天板3の周縁から下方に延びている側板を中心に構成されているスカート部4とを有する。
ここで、天板3を除いた上蓋2の部分や下蓋の材質としてプラスチックを適用する。従来より小さい100Vの商用電源を適用しているため、筐体内部で生じる不要な電磁波が従来より少なく、筐体外への電磁波放出を避けるシールドを考慮する必要がない。そのため、プラスチックを適用することができる。
天板3は、調理容器載置領域5と、タッチパネル領域6とを有する。
第5の実施形態の場合、加熱部が2つであるので、それに応じて、調理容器載置部領域5の表面には、3つの同心円の組が2組描かれている。同心円の組が描かれている領域5L及び5R(以下では、左領域若しくは右領域、又は、左加熱部若しくは右加熱部と呼んで区別することがある)がそれぞれ、異なる加熱部がその下方に位置していることを表している。第1の実施形態の電磁調理器1の場合、左加熱部5Lに加熱時に供給し得る最大電力が右加熱部5Rに加熱時に供給し得る最大電力より大きくなっている。3つの同心円のうち半径が大きい方の2つの円(ほぼ同一半径の2つの円)の半径が右加熱部5Rと左加熱部5Lとで違うのは、右加熱部5Rの最大加熱能力と左加熱部5Lの最大加熱能力とが違うことによる。下方に加熱部が位置していることを表している2つの同心円の中心に文字「IH」が描画され、加熱部5L、5Rが電磁誘導作用を利用した加熱部であることを明示している。
タッチパネル領域6は、左加熱部5Lの領域6L、右加熱部5Rの領域6Rに分かれている。各タッチパネル部分領域6L、6Rの詳細について、図2を参照しながら後述する。
電源スイッチ7は、上蓋2の手前側側板の下方の下蓋の位置であって、上蓋2の右側側板に近い位置に設けられている。また、電源スイッチ7の操作子が最も突出した状態でも、その操作子表面が、上蓋2の手前側側板の面一平面から数mm(例えば1mm)だけ奥側に離れるようになされている。
図2は、第1の実施形態のタッチパネル領域6におけるキーや発光素子(例えば、LED)の配置等を示す説明図である。
タッチパネル領域6は、上述したように、左加熱部5Lに係る領域6Lと、右加熱部5Rに係る領域6Rとに分かれている。
左加熱部用タッチパネル領域6Lは、左加熱部5Lにおける通常加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「加熱」キー10と、左加熱部5Lにおける揚げ物加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「揚げ物」キー11と、左加熱部5Lにおける通常加熱や揚げ物加熱の段階を1段階上げることを指示する「強く」キー12と、左加熱部5Lにおける通常加熱や揚げ物加熱の段階を1段階下げることを指示する「弱く」キー13と、左加熱部5Lにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ長くすることを指示する「+」キー14と、左加熱部5Lにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ短くすることを指示する「−」キー15とを備えている。
また、左加熱部用タッチパネル領域6Lは、通常加熱が選択されていることを表す発光素子16と、揚げ物加熱が選択されていることを表す発光素子17と、通常加熱若しくは揚げ物加熱で選択されている段階を表示する6個の発光素子でなる段階表示部18と、タイマの残り時間や揚げ物加熱時の温度等を表示する数字表示部19とを有する。なお、数字表示部19は、表示している数字がタイマの残り時間が揚げ物加熱時の温度かを表すインジケータも含んでいる。
左加熱部5Lにおける6段階の加熱段階(火力)は、図3に示すように、100W、300W、500W、700W、900W、1400Wの消費電力が割当てられている。最大消費電力1400の加熱段階(6段階目)を「ハイパワー」と呼んでいる(図2の表記参照)。最大消費電力1400Wは、100Vの商用電源を動作電源としている場合に実現可能なほぼ限界の消費電力となっている。左加熱部5Lにおける「加熱」キー10がオンされた直後のデフォルトの加熱段階は、例えば、消費電力が700Wである4段階目である。揚げ物温度における割当は、図示は省略するが、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃の6種類の温度になっている。
右加熱部用タッチパネル領域6Rは、右加熱部5Rにおける通常加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「加熱」キー20と、右加熱部5Rにおける通常加熱の段階を1段階上げることを指示する「強く」キー21と、右加熱部5Rにおける通常加熱の段階を1段階下げることを指示する「弱く」キー74と、右加熱部5Rにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ長くすることを指示する「+」キー23と、右加熱部5Rにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ短くすることを指示する「−」キー24とを備えている。
また、右加熱部用タッチパネル領域6Rは、通常加熱が選択されていることを表す発光素子25と、通常加熱で選択されている段階を表示する4個の発光素子でなる段階表示部26と、タイマの残り時間を表示する数字表示部27とを有する。
右加熱部5Rにおける4段階の加熱段階は、図3に示すように、100W、300W、500W、700Wの消費電力が割当てられている。右加熱部5Rにおける「加熱」キー10がオンされた直後のデフォルトの加熱段階は、例えば、消費電力が500Wである3段階目である。
タッチパネル領域6には、その他、電源スイッチ7のオンオフ状態を表す発光素子28や、動作モードや所定の加熱部の加熱段階等から定まる「高温」の注意を促すための発光素子29も設けられている。
図4は、当該電磁調理器1における加熱動作を制御する電気的な構成等を示すブロック図である。
100Vの商用電源40は整流回路41によって直流に変換された後、制御部45の制御下で、電力分配器42によって電力が分配され、分配された電力に基づいて、左加熱部用インバータ回路43L、右加熱部用インバータ回路43Rによって高周波数の駆動用の交流電流が形成され、左加熱部用誘導コイル44L、右加熱部用誘導コイル44Rに供給されて適宜交番磁界を発生させ、天板3を挟んで誘導コイル44L、44Rに対向する鍋を自己発熱させるようになされている。すなわち、左加熱部用誘導コイル44L、右加熱部用誘導コイル44Rがそれぞれ、左加熱部5L、右加熱部5Rにおける加熱のための中心的な構成となっている。
ここで、制御部45は、例えば、CPU45a、ROM(EEPROM等の書き換え可能なROMであっても良い)45b、RAM45c(その他の素子を備えていても良いことは勿論である)等を備えたマイクロコンピュータで構成され、インタフェース部46を介して各部と接続していて各種信号を授受できるようになされている。例えば、制御部45は、インタフェース部46を介して電力分配器42やインバータ回路43L、43Rと接続しているだけでなく、タッチパネル部47(上述した図2参照)や、各種のセンサ群48や、ファン群49、図示しないスピーカなどと接続している。センサ群48には、温度センサや、鍋の載置を検出するセンサ等が含まれる。ファン群49には、左加熱部5L近傍を冷却するためのファンと、右加熱部5Rに近傍を冷却するためのファンとが含まれている。
なお、制御部45は、図4では図示を省略している電源スイッチ(図1の符号7参照)のオンによる電源供給により、動作するようになされている。また、図4では、音声ガイダンス機能に関係する構成の図示を省略している。図4では、1個のインタフェース部46のように記載しているが、インタフェース部は、制御部45との接続対象毎に別個のものが用意されたものであっても良い。
制御部45においては、CPU45aが、ROM45bに格納されているプログラムや固定データ、並びに、各部からの入力信号や現在の状態などに基づき、RAM45cをワーキングメモリとして利用しながら各種の制御を行う。例えば、現在の状態として、左加熱部5L、右加熱部5Rが加熱動作中か否か、加熱動作して加熱部の加熱段階若しくは加熱モード等をRAM45c等に書き込んで管理する。制御部45への入力信号としては、タッチパネル部47におけるキーの操作信号や、温度センサ等の検出温度信号などを挙げることができる。制御部45への出力信号としては、タッチパネル部47における発光素子のオンオフ制御信号や、タッチパネル部47における数字表示部の表示制御信号や、ファンに対する駆動制御信号を挙げることができる。また、制御部45には、ソフトタイマとして機能する処理プログラムも用意され、CPU45aは、加熱部5L若しくは5Rについてタイマ設定された際には、設定時間を計時するようにソフトタイマが起動される。
なお、以下の動作説明において言及しないが、制御部45は、以下のように、左加熱部用のファン、右加熱部用のファンの回転を制御する。左加熱部5L及び右加熱部5Rの少なくとも一方が加熱動作している際には、制御部45は、全てのファンを回転させ、左加熱部5L及び右加熱部5Rが共に加熱動作をしないように変化したときも、制御部45は、内蔵するタイマの計時に基づいて、その時点から所定時間だけ経過するまで、全てのファンの回転を継続させる。制御部45が各ファンの回転速度を制御することはなく、制御部45は、全てのファンのオンオフだけを同時に制御する。後述する第2の実施形態も同様である。
以下、第1の実施形態の電磁調理器1における特徴的な動作である、左加熱部5Lが加熱動作している最中に右加熱部5Rに係る「加熱」キー20がオン操作されたときの動作を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
右加熱部5Rに係る「加熱」キー20がオン操作されると、制御部45は、図5に示す処理ルーチンを開始し、まず、オン操作される直前の状態が、左加熱部5Lが揚げ物加熱を行っている状態か否かを判別する(ステップ100)。
左加熱部5Lが揚げ物加熱を行っている状態であると、制御部45は、今回のオン操作を拒否する旨を利用者に通知する処理を行った後(ステップ101)、図5に示す一連の処理を終了する。今回のオン操作を拒否する旨を利用者に通知する処理としては、(例1)拒否する旨の音声ガイダンスを発音出力させる、(例2)ブザーから拒否時警告音を発音出力させる、(例3)「加熱」キー20に対応する発光素子25を所定時間だけ点滅させた後に消灯させる、等を挙げることができる。
当該電磁調理器1が適用し得る総消費電力1400Wのうち、揚げ物加熱では、左加熱部5Lにおける最大の消費電力1400Wを適用するので、右加熱部5Rを加熱動作させることができず、右加熱部5Rの「加熱」キー20のオン操作を無視することとした。言い換えると、揚げ物加熱時に、他の加熱部5R、5Bに幾分かの消費電力を回した場合には、揚げ物に適した温度を確保できず、そのため、他の加熱部の加熱を禁止することとしている。
左加熱部5Lが通常の加熱を行っている状態(揚げ物加熱を行っていない状態)であると、制御部45は、左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)か否かを判別する(ステップ102)。
左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)であると、制御部45は、左加熱部5Lの加熱段階を5段階目に切り替えた後(ステップ103)、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ104)、図5に示す一連の処理を終了する。左加熱部5Lの加熱段階を5段階目に切り替えて、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定すると、左加熱部5Lの消費電力と右加熱部5Rの消費電力とを合算した総消費電力は1400W(=900W+500W)となり、当該電磁調理器1で提供可能な最大消費電力と等しくなる。因みに、左加熱部5Lの加熱段階をハイパワーのまま、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定すると、左加熱部5Lの消費電力と右加熱部5Rの消費電力とを合算した総消費電力は1900W(=1400W+500W)となり、当該電磁調理器1で提供可能な最大消費電力を超えてしまう。
一方、左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)以外であると、制御部45は、直ちに、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ104)、図5に示す一連の処理を終了する。
左加熱部5Lの5段階目への切替えでは、制御部45は、電力分配器42やインバータ回路43Lを制御して、誘導コイル44Lにおける消費電力が5段階目の900Wになるようにする。また、制御部45、段階表示部18における6個の発光素子が全て点灯していたハイパワーを表す状態から、最も右の発光素子を消灯させ、左寄りの5個の発光素子が点灯している5段階目を表す状態にする。
右加熱部5Rのデフォルト段階の設定では、制御部45は、電力分配器42やインバータ回路43Rを制御して、誘導コイル44Rにおける消費電力が3段階目の500Wになるようにする。また、制御部45、段階表示部26における4個の発光素子が全て消灯していた加熱オフを表す状態から、左寄りの3個の発光素子が点灯している3段階目を表す状態にする。
左加熱部5Lのハイパワー時においてなされた、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20のオン操作を、左加熱部5Lの加熱段階を強制的に下げて受け入れることとしたのは、以下の理由による。
左加熱部5Lで調理を行っているときに、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20をオン操作することは、利用者が左加熱部5L及び右加熱部5Rの双方共に調理に用いることを望む場合が大半である。左加熱部5Lがハイパワーであることを理由に、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20のオン操作を無視しても、2つの加熱部5L及び5R共に調理に用いることを望む利用者は、左加熱部5Lの段階をハイパワーから下げてから、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20を再度オン操作する。これでは、操作回数が徒に多くなってしまう。第1の実施形態のように、左加熱部5Lのハイパワー時においてなされた、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20のオン操作を、左加熱部5Lの加熱段階を強制的に下げて受け入れることとすると、利用者のキー操作は1回で済む。
以上のように、第1の実施形態によれば、左加熱部5Lのハイパワー時においてなされた、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20のオン操作を、左加熱部5Lの加熱段階を強制的に下げて受け入れるようにしたので、当該電磁調理器の使い勝手を良好なものとすることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による電磁調理器の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第2の実施形態に係る電磁調理器は、100Vの商用電源を利用する3個の加熱部(第1の実施形態と同様に、誘導加熱の加熱部だけを含む)を有する卓上型の電磁調理器である。
次に、本発明による電磁調理器の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第2の実施形態に係る電磁調理器は、100Vの商用電源を利用する3個の加熱部(第1の実施形態と同様に、誘導加熱の加熱部だけを含む)を有する卓上型の電磁調理器である。
第2の実施形態に係る電磁調理器1Xと第1の実施形態に係る電磁調理器1とは、加熱部の数は異なるが、適用している技術思想が共通していることが多く、以下では、共通している技術思想を中心に、第2の実施形態に係る電磁調理器1Xを説明する。
図6は、第2の実施形態に係る電磁調理器1Xの外観を示す斜視図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
る。
第2の実施形態の場合、調理容器載置部領域5には、手前側の左右に2つ、奥側に1つの計3個の加熱部(以下では、左加熱部、右加熱部、奥加熱部と呼んで区別する)5L、5R、5Bが設けられている。同心円の外側の円の半径が示すように、最大加熱能力は、大きい方から、左加熱部5L、右加熱部5R、奥加熱部5Bの順になっている。
3個の加熱部5L、5R及び5Bを有することから、第2の実施形態の場合、タッチパネル領域6も、左加熱部5Lの領域6L、右加熱部5Rの領域6R、奥加熱部5Bの領域6Bに分かれている。
図7は、第2の実施形態のタッチパネル領域6におけるキーや発光素子の配置等を示す説明図であり、第1の実施形態に係る図2と同様な図面である。
タッチパネル領域6は、上述したように、左加熱部5Lに係る領域6Lと、右加熱部5Rに係る領域6Rと、奥加熱部5Bに係る領域6Bとに分かれている。
左加熱部用タッチパネル領域6Lは、左加熱部5Lにおける通常加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「加熱」キー60と、左加熱部5Lにおける湯沸かし加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「湯沸かし」キー61と、左加熱部5Lにおける揚げ物加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「揚げ物」キー62と、左加熱部5Lにおける通常加熱や揚げ物加熱の段階を1段階上げることを指示する「強く」キー63と、左加熱部5Lにおける通常加熱や揚げ物加熱の段階を1段階下げることを指示する「弱く」キー64と、左加熱部5Lにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ長くすることを指示する「+」キー65と、左加熱部5Lにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ短くすることを指示する「−」キー66とを備えている。
また、左加熱部用タッチパネル領域6Lは、通常加熱が選択されていることを表す発光素子67と、湯沸かし加熱が選択されていることを表す発光素子68と、揚げ物加熱が選択されていることを表す発光素子69と、通常加熱若しくは揚げ物加熱で選択されている段階を表示する6個の発光素子でなる段階表示部70と、タイマの残り時間や揚げ物加熱時の温度等を表示する数字表示部71とを有する。
左加熱部5Lの通常加熱時における第1〜第6段階は、消費電力の相違を表しており、第1〜第6段階はそれぞれ、図8に示すように、基本的には、100W、300W、500W、700W、900W、1400Wの消費電力に対応付けられている。左加熱部5Lにおける「加熱」キー60がオンされた直後のデフォルトの加熱段階は、例えば、消費電力が500Wである3段階目である。
この第2の実施形態の場合、通常加熱時における各段階の割当て消費電力は一定ではなく、図8は基本的な割当てを示しており、同じ段階でも異なる消費電力が割り当てられることがある。例えば、第5段階の基本的な割当て消費電力は900Wであるが、実際には、消費電力800Wで加熱動作させることもあり得る。左加熱部5Lだけでなく、右加熱部5Rについても同様である。このような実動作時の消費電力は、基本的な割当て消費電力と異なることもあることについては後述する。
右加熱部用タッチパネル領域6Rは、右加熱部5Rにおける通常加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「加熱」キー73と、右加熱部5Rにおける通常加熱の段階を1段階上げることを指示する「強く」キー74と、右加熱部5Rにおける通常加熱の段階を1段階下げることを指示する「弱く」キー75と、右加熱部5Rにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ長くすることを指示する「+」キー76と、右加熱部5Rにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ短くすることを指示する「−」キー77とを備えている。
また、右加熱部用タッチパネル領域6Rは、通常加熱が選択されていることを表す発光素子78と、通常加熱で選択されている段階を表示する4個の発光素子でなる段階表示部79と、タイマの残り時間を表示する数字表示部80とを有する。
右加熱部5Rの通常加熱時における第1〜第4段階も、消費電力の相違を表しており、第1〜第4段階はそれぞれ、図8に示すように、基本的には、100W、300W、500W、700Wの消費電力に対応付けられている。右加熱部5Rにおける「加熱」キー73がオンされた直後のデフォルトの加熱段階は、例えば、消費電力が500Wである3段階目である。
奥加熱部用タッチパネル領域6Bは、奥加熱部5Bにおける加熱のオン(入)オフ(切)を指示する「加熱」キー82と、奥加熱部5Bにおける加熱モードを巡回的に切り替えることを指示する「加熱調整」キー83と、奥加熱部5Bにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ長くすることを指示する「+」キー84と、奥加熱部5Bにおけるタイマの計時時間を1単位分だけ短くすることを指示する「−」キー85とを備えている。奥加熱部5Bに係る加熱モードは3種類ある。すなわち、保温を意図した「保温」モードと、奥加熱部5Bに係る2段階の加熱段階の大きい方の段階である「強」モードと、奥加熱部5Bに係る2段階の加熱段階の小さい方の段階である「弱」モードとがある。
奥加熱部5Bの通常加熱時における第1段階(弱)及び第2段階(強)も、消費電力の相違を表しており、第1及び第2段階はそれぞれ、基本的には、100W、300Wの消費電力に対応付けられている。奥加熱部BRにおける「加熱」キー82がオンされた直後のデフォルトの加熱段階は、例えば、消費電力が300Wである2段階目である。
タッチパネル領域6には、その他、電源スイッチ7のオンオフ状態を表す発光素子90や、動作モードや所定の加熱部の加熱段階等から定まる「高温」の注意を促すための発光素子91も設けられている。
図9は、第2の実施形態の電磁調理器1Xにおける加熱動作を制御する電気的な構成等を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図4との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
第2の実施形態の電磁調理器1Xは、3個の加熱部5L、5R及び5Bに対応するように、インバータ回路として、左加熱部用インバータ回路43L、右加熱部用インバータ回路43R、奥加熱部用インバータ回路43Bが設けられ、誘導コイルとして、左加熱部用誘導コイル44L、右加熱部用誘導コイル44R、奥加熱部用誘導コイル44Bが設けられている点が、第1の実施形態と異なっており、その他は、第1の実施形態とほぼ同様である。但し、制御部45が、後述するような加熱段階変換情報記憶部(図12、図14、図16参照)
この第2の実施形態の場合、左加熱部5L及び右加熱部5Rについては、駆動構成(インバータ回路や誘導コイル等)で提供可能な消費電力の段階数より、選択可能な消費電力の段階数の方が多くなっている。例えば、左加熱部5Lにおいては、基本的には、100W、300W、500W、700W、900W、1400Wが提供可能な消費電力であるが、800Wも実現することができる。このような基本的な消費電力以外の消費電力は、基本的な消費電力の間欠的な運転によって実現するようになされている。
この第2の実施形態の場合、左加熱部5L及び右加熱部5Rについては、駆動構成(インバータ回路や誘導コイル等)で提供可能な消費電力の段階数より、選択可能な消費電力の段階数の方が多くなっている。例えば、左加熱部5Lにおいては、基本的には、100W、300W、500W、700W、900W、1400Wが提供可能な消費電力であるが、800Wも実現することができる。このような基本的な消費電力以外の消費電力は、基本的な消費電力の間欠的な運転によって実現するようになされている。
例えば、左加熱部5L(の誘導コイル44A)については、駆動構成で提供可能な900Wを利用して、800Wの提供を実現するには、900Wの駆動を連続的に24秒間行った後、3秒間停止させ(言い換えると、0Wの駆動を連続的に3秒間行い)、このような27秒を周期とする間欠運転を行うことにより、平均的にみて800Wの消費電力の駆動を行ったと等価な駆動状態を形成している。図10は、このような間欠運転のイメージを示す説明図である。
第2の実施形態においても、制御部45には、ソフトタイマとして機能する処理プログラムも用意され、CPU45aは、加熱部5L若しくは5Rについてタイマ設定された際には、設定時間を計時するようにソフトタイマが起動される。また、第2の実施形態の場合、上述した間欠運転を実行させる際にも、適宜、間欠運転でのオン期間及びオフ期間を計時するソフトタイマが起動される。
以下、第2の実施形態の電磁調理器1Xにおける特徴的な動作である、右加熱部5Rに係る「加熱」キー73、奥加熱部5Rに係る「加熱」キー82、左加熱部5Lに係る「加熱」キー60がオン操作されたときの動作を順次、図面を参照しながら説明する。
まず、右加熱部5Rに係る「加熱」キー73がオン操作されたときの動作を、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
右加熱部5Rに係る「加熱」キー73がオン操作されると、制御部45は、図11に示す処理ルーチンを開始し、まず、他の2つの加熱部5L及び5Bの少なくとも一方が加熱を行っている状態か否かを判別する(ステップ200)。
他の2つの加熱部5L及び5Bが共に加熱を行っていないと、制御部45は、直ちに、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。
一方、他の2つの加熱部5L及び5Bの少なくとも一方が加熱を行っていると、制御部45は、行われている加熱が、揚げ物加熱又は湯沸かし加熱か否かを判別する(ステップ201)。左加熱部5Lが揚げ物加熱又は湯沸かし加熱を行っている状態であると、制御部45は、今回のオン操作を拒否する旨を利用者に通知する処理を行った後(ステップ202)、図11に示す一連の処理を終了する。湯沸かし加熱も揚げ物加熱と同様に、左加熱部5Lの最大加熱能力で加熱しており、他の加熱部5R、5Bに幾分かの消費電力を回した場合には、湯沸かし時間が余りにも長期となるため、この第2の実施形態では、湯沸かし加熱時には、他の加熱部の加熱を禁止することとした。
左加熱部5Lが揚げ物加熱も湯沸かし加熱も行っていない場合には、制御部45は、通常の加熱動作しているのが、他の2つの加熱部5L及び5Bのどれであるかを判別する(ステップ203)。
奥加熱部5Bだけが通常加熱を行っていると、制御部45は、直ちに、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。奥加熱部5Bの最大消費電力が300Wであって、右加熱部5Rのデフォルト段階の消費電力である500Wを合算しても、許容できる最大消費電力1400W以下となるので、右加熱部5Rに係る「加熱」キー20のオン操作を直ちに受け入れる。
左加熱部5Lだけが通常加熱を行っていると、制御部45は、左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)か否かを判別する(ステップ204)。
左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)であると、制御部45は、第1の実施形態の場合と同様に、左加熱部5Lの加熱段階を5段階目に切り替えた後(ステップ205)、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。一方、左加熱部5Lの加熱段階がハイパワー(6段階目)以外であると、制御部45は、直ちに、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。
左加熱部5L及び奥加熱部5Bが共に通常加熱を行っていると、制御部45は、2つの加熱部による現状の合算消費電力に、右加熱部5Rのデフォルト段階の消費電力を加えた新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えているか否かを判別する(ステップ207)。ここで、奥加熱部5Bが保温加熱を行っている場合の消費電力は、「強」(2段目)と同様の300Wで計算する。ここで、新合算消費電力を実際に算出することなく、各加熱部の加熱段階の組合せに基づいて、新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えているか否かを判別するようにしても良い。
新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えていない場合には、制御部45は、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。
これに対して、新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えている場合には、制御部45は、第1の加熱段階変換情報記憶部を参照し、左加熱部5L及び奥加熱部5Bについての加熱段階を切り替え(ステップ208)、その後、右加熱部5Rの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ206)、図11に示す一連の処理を終了する。
図12は、第1の加熱段階変換情報記憶部の記述内容の説明図である。新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超える場合は、図12に示すように、(ケースR1)左加熱部5Lの加熱段階(図12では「火力」と表現している;後述する図14や図16も同様)が消費電力900Wの「5」、奥加熱部5Bの加熱段階が消費電力300Wの「2」であって新合算消費電力が1700Wの場合、(ケースR2)左加熱部5Lの加熱段階が消費電力700Wの「4」、奥加熱部5Bの加熱段階が消費電力300Wの「2」であって新合算消費電力が1000Wの場合である。
ケースR1の場合には、左加熱部5Lの消費電力600W、奥加熱部5Bの消費電力300Wに変更すると、右加熱部5Rのデフォルト段階の消費電力500Wを合算しても1400Wとなり、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400W以下を満足する。左加熱部5Lの消費電力600Wは、左加熱部5Lの駆動可能な基本的な消費電力100W、300W、500W、700W、900W、1400Wにはないので、600Wより大きい消費電力(例えば、700W)の間欠運転により実現する。また、600Wに対応する発光素子の点灯パターンもないので、基本的な消費電力100W、300W、500W、700W、900W、1400Wの中で、600Wより大きく、しかも、最も600Wに近い700W(加熱段階「4」)の発光素子の点灯パターンを適用することとする。
ケースR2の場合には、詳述は避けるが、左加熱部5Lの消費電力600W、奥加熱部5Bの消費電力300Wに変更すると共に、発光素子の点灯パターンをそれに応じて変更する。
上述した第1の加熱段階変換情報記憶部には、以上のような変換を実行できる情報が記述されている。
次に、奥加熱部5Bに係る「加熱」キー82がオン操作されたときの動作を、図13のフローチャートを参照しながら簡単に説明する。
奥加熱部5Bに係る「加熱」キー82がオン操作されたときに、制御部45が実行する動作は、上述した右加熱部5Rに係る「加熱」キー73がオン操作されたときに、制御部45が実行する動作とほぼ同様である。
奥加熱部5Bにおける加熱段階の割当てと、右加熱部5Rにおける加熱段階の割当ての相違に応じて、具体的な消費電力の設定等が、上述した右加熱部5Rに係る「加熱」キー73がオン操作されたときに制御部45が実行する動作と異なっている。
例えば、奥加熱部5Bのデフォルト段階の消費電力は300Wとなっており、デフォルト段階の設定(ステップ306)では、300Wの消費電力で加熱するように制御部45は、各部を制御する。
また、左加熱部5L及び右加熱部5Rが共に通常加熱を行っているときに、2つの加熱部による現状の合算消費電力に、奥加熱部5Bのデフォルト段階の消費電力を加えた新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えている場合には、制御部45は、第2の加熱段階変換情報記憶部を参照し、左加熱部5L及び右加熱部5Rについての加熱段階を切り替える(ステップ308参照)。
図14は、第2の加熱段階変換情報記憶部の記述内容の説明図である。新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超える場合は、図14に示すように、(ケースB1)左加熱部5Lの加熱段階が消費電力900Wの「5」、右加熱部5Rの加熱段階が消費電力500Wの「3」であって新合算消費電力が1700Wの場合、(ケースB2)左加熱部5Lの加熱段階が消費電力800Wの「5」、右加熱部5Rの加熱段階が消費電力600Wの「4」であって新合算消費電力が1600Wの場合、(ケースB3)左加熱部5Lの加熱段階が消費電力700Wの「4」、右加熱部5Rの加熱段階が消費電力700Wの「4」であって新合算消費電力が1700Wの場合である。ケースB1は、左加熱部5Lの加熱段階が消費電力900Wの「5」、右加熱部5Rの加熱段階が消費電力500Wの「3」であった状態で、右加熱部5Rの加熱段階を1段階上げる操作がなされた場合に、最大消費電力1400W以下という条件を満たすために、制御部45がそれ用の変換情報記憶部を適用して変化した場合である。
ケースB1の場合には、詳述は避けるが、左加熱部5Lの消費電力600W、右加熱部5Rの消費電力500Wに変更すると共に、発光素子の点灯パターンをそれに応じて変更する。ケースB2の場合には、詳述は避けるが、左加熱部5Lの消費電力600W、右加熱部5Rの消費電力500Wに変更すると共に、発光素子の点灯パターンをそれに応じて変更する。ケースB3の場合には、詳述は避けるが、左加熱部5Lの消費電力500W、右加熱部5Rの消費電力500Wに変更すると共に、発光素子の点灯パターンをそれに応じて変更する。
上述した第2の加熱段階変換情報記憶部には、このような変換を実行できる情報が記述されている。
次に、左加熱部5Lに係る「加熱」キー60がオン操作されたときの動作を、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
左加熱部5Lに係る「加熱」キー60がオン操作されると、制御部45は、図15に示す処理ルーチンを開始し、まず、他の2つの加熱部5R及び5Bが共に加熱を行っている状態か否かを判別する(ステップ400)。
他の2つの加熱部5R及び5Bが共に加熱を行っていないと、制御部45は、直ちに、左加熱部5Lの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ401)、図15に示す一連の処理を終了する。左加熱部5Lのデフォルト段階の消費電力が500Wであるため、右加熱部5Rが最大の消費電力700Wで加熱していても、合算消費電力は1200Wであって、オン操作を直ちに受け入れることができる。同様に、左加熱部5Lのデフォルト段階の消費電力が500Wであるため、奥加熱部5Bが最大の消費電力300Wで加熱していても、合算消費電力は800Wであって、オン操作を直ちに受け入れることができる。
右加熱部5R及び奥加熱部5Bが共に通常加熱を行っていると、制御部45は、2つの加熱部による現状の合算消費電力に、左加熱部5Lのデフォルト段階の消費電力を加えた新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えているか否かを判別する(ステップ402)。
新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えていない場合には、制御部45は、左加熱部5Lの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ401)、図15に示す一連の処理を終了する。
これに対して、新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超えている場合には、制御部45は、第3の加熱段階変換情報記憶部を参照し、右加熱部5R及び奥加熱部5Bについての加熱段階を切り替え(ステップ403)、その後、左加熱部5Lの加熱段階をデフォルト段階に設定して(ステップ401)、図15に示す一連の処理を終了する。
図16は、第3の加熱段階変換情報記憶部の記述内容の説明図である。新合算消費電力が、当該電磁調理器1Xが適用可能な最大消費電力1400Wを超える場合は、図16に示すように、奥加熱部5Bの加熱段階が消費電力300Wの「2」、右加熱部5Rの加熱段階が消費電力700Wの「4」であって新合算消費電力が1500Wの場合である。この場合、詳述は避けるが、奥加熱部5Bの消費電力300W、右加熱部5Rの消費電力600Wに変更すると共に、発光素子の点灯パターンをそれに応じて変更する。
上述した第3の加熱段階変換情報記憶部には、このような変換を実行できる情報が記述されている。
以上のように、第2の実施形態によれば、「加熱」キーがオン操作された加熱部のデフォルト段階の消費電力を適用したときに、新合算消費電力が、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力を超える場合には、少なくとも一方の他の加熱部の段階を強制的に下げて受け入れるようにしたので、当該電磁調理器の使い勝手を良好なものとすることができる。
(C)他の実施形態
上記各実施形態においては、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力以下という条件を満たすように動作する際においても、「加熱」キーがオン操作された加熱部のデフォルト段階の消費電力をそのまま適用する場合を示したが、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力以下という条件を満たすために、「加熱」キーがオン操作された加熱部の消費電力をデフォルト段階より小さい段階の消費電力を適用するようにしても良い。
上記各実施形態においては、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力以下という条件を満たすように動作する際においても、「加熱」キーがオン操作された加熱部のデフォルト段階の消費電力をそのまま適用する場合を示したが、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力以下という条件を満たすために、「加熱」キーがオン操作された加熱部の消費電力をデフォルト段階より小さい段階の消費電力を適用するようにしても良い。
上記各実施形態では、全ての加熱部が複数の加熱段階から加熱段階を選択できるものであったが、一部の加熱部は加熱段階が1つであって、加熱段階の選択を行うことができないものであっても良い。
上記各実施形態においては、100Vの商用電源で動作する電磁調理器を示したが、200Vの商用電源など、他の動作電圧の電源で動作する電磁調理器に対しても、上述した技術思想を適用することができる。
上記各実施形態においては、卓上型の電磁調理器を示したが、据置き型の電磁調理器に対しても、上述した技術思想を適用することができる。
上記各実施形態においては、加熱部が2個又は3個の電磁調理器を示したが、加熱部の数はこれに限定されるものではない。誘導加熱に基づく加熱部が2つ以上ある場合には、誘導加熱以外の原理による加熱部を有するものであっても良い。
1、1X…電磁調理器、2…上蓋、5L、5R、5B…加熱部、7…電源スイッチ、40…100Vの商用電源、41…整流回路、42…電力分配器、43L、43R、43B…インバータ回路、44L、44R、44B…誘導コイル、45…制御部(マイクロコンピュータ)、47…タッチパネル部。
Claims (5)
- 誘導コイルに交流電流を流すことで加熱動作を行う複数の加熱部を備えた電磁調理器において、
少なくとも1つの上記加熱部は、異なる加熱段階から選択された加熱段階の加熱動作を実行できるものであり、
上記各加熱部による加熱のオン、オフを指示する、上記各加熱部毎に設けられた加熱起動・終了指示手段と、
いずれかの上記加熱部に対応する上記加熱起動・終了指示手段に加熱の起動操作がなされたとき、起動操作された加熱部の起動時用の消費電力を追加したと仮定した新合算消費電力が、当該電磁調理器が適用可能な最大消費電力を超過するか否かを判断し、超過する場合には、少なくとも一部の加熱部の加熱段階を低下させ、起動操作された上記加熱起動・終了指示手段に対応する上記加熱部の加熱を開始させる起動操作時制御手段とを有する
ことを特徴とする電磁調理器。 - 複数の加熱部として、最大の加熱能力が異なる第1及び第2の加熱部を備え、
上記起動操作時制御手段は、最大の加熱能力が小さい方の上記第2の加熱部に対応する上記加熱起動・終了指示手段に加熱の起動操作がなされたときにおいて、他方の上記第1の加熱部が最大の加熱能力を発揮する加熱段階で動作している場合に、上記第1の加熱部の加熱段階を低下させ、上記第2の加熱部の加熱を開始させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器。 - 少なくとも1つの上記加熱部は、揚げ物加熱若しくは湯沸かし加熱が該当する特殊加熱に対応できるものであり、
上記起動操作時制御手段は、いずれかの上記加熱部に対応する上記加熱起動・終了指示手段に加熱の起動操作がなされたときにおいて、他の上記加熱部が特殊加熱を実行している場合には、上記起動操作を無視する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器。 - 100Vの外部電源を動作電源として動作することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁調理器。
- 可搬可能な卓上型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁調理器。
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