JP2015053059A - データの安全ケース - Google Patents
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Abstract
Description
特に、フレームの少なくともひとつを、金属材料で構成して、側壁部を簡単に貫通できないようにしたので、収容エリアへのアクセスをより確実に防止でき、収容エリア内に配置した電子部品の安全性がより向上することになる。
破壊検知層32は、ガラスエポキシ材からなる絶縁性の基材の両面に銅箔からなる配線パターンが設けられて形成されており、下壁部30の破壊を検知するために設けられている。ここで、破壊検知層32の基材の板厚は、例えば0.2mm、銅箔の厚さは、0.018mmである。
図3の(a)に示すように、下壁部30(基板層33)の上壁部10との対向面には、安全ケース1内の収容エリア40に露出する載置部34と、載置部34を囲むリング状の凹溝35とが設けられている。
挿通孔36は、第1溝部35a、35bの長手方向において所定間隔で二つ設けられており、第1溝部35aと第1溝部35bの中間を第1溝部35a、35bに対して平行に延びる仮想線IM1を挟んで対称に位置している。
凹溝15は、凹溝35と同様に、基板層13を厚み方向に貫通しない深さh1で形成されており、互いに平行な第1溝部15a、15bと、第1溝部15a、15bの端部同士を接続する互いに平行な第2溝部15c、15dと、から構成される。
挿通孔16は、第1溝部15a、15bの長手方向において所定間隔で二つ設けられており、図中上側に位置する挿通孔16は、第1溝部15aと第1溝部15bの中間を、第1溝部15a、15bに対して平行に延びる仮想線IM1を挟んで対称に位置している。
挿通孔16と挿通孔36とが同軸に設けられて、上壁部10と側壁部20と下壁部30とが共通のネジを使用して互いに連結されるようになっていると、共通のネジを外すだけで、安全ケース1が簡単に分解されてしまうからである。
配線パターンは、1本線(一筆書き)の検知ラインの両側をグランドラインで挟んで構成され、パターンは渦巻きを基本単位として、これを繰り返して基材の表面全域を覆っている。
図5は、破壊検知層32の部分拡大図で、基材50の一方の面における複数個の渦巻きを含む配線パターン60の一部を示す。実線が検知ライン71で、破線がグランドライン72である。なお、グランドライン72は、1本線とする必要はなく、また検知ライン71の両側のグランドライン72、72間は絶縁しなくてよい。
ここでは、基本単位の渦巻き70(70a、70b、70c、・・・)はそれぞれ角型で、検知ライン71は外周から右巻き(時計回り)に中心ヘ向かい、中心で折り返して左巻き(反時計回り)で外周へ戻ってくる。
渦巻き70の形状や巻き数は配線パターン60を配置する基材50の平面形状に収まるように調整されるが、検知ライン71の直線部分Dが10mm以下となるように設定される。
各線幅および間隔を0.15mm以下、検知ライン71の直線部を10mm以下としたのは、ドリルやナイフ等での作業時間を含めた物理的攻撃が極めて困難になるためである。
すなわち、下中央の右下角から始まった第1の渦巻き70aの検知ラインの最終辺71abは、左方の第2の渦巻き70bの開始辺を兼ねている。
第2の渦巻き70bの検知ラインの最終辺71bcは上方の第3の渦巻き70cの開始辺を兼ね、第3の渦巻き70cの検知ラインの最終辺71cdはその右方の第4の渦巻き70dの開始辺を兼ねている。
すなわち、基本単位の渦巻き70は任意の位置からその上下左右のいずれの方向にも連続的につなげてゆくことができるので、多数個の渦巻き70が基材50の壁面全体を覆うように配置される。
裏面の配線パターン60’は、表面の配線パターン60に対して例えば図5において斜め45°方向にずらしてあり、透視したとき裏面の配線パターン60’の検知ライン71’が表面の配線パターン60における対応検知ライン71と当該検知ラインを挟む一方のグランドライン72間の間隙に位置するようになっている。したがって図6の配置は基材上辺およびA線に対して近づいている。
配線パターンの検知ライン71、71’およびグランドライン72、72’は、セキュリティ確保が要求される電子部品の電源系統に挿入し、あるいは断線や短絡を検知する回路に接続される。
図5における符号73はグランドラインのコネクタ端子部、符号74はスルーホール部である。
破壊検知層12については、破壊検知層32と同様なので説明を省略する。
図8の(a)は、図7の(b)における矢印Xで囲んだ領域を拡大して模式的に示した図であり、(b)は、図7の(a)におけるE−E線断面を拡大して模式的に示した図であり、(c)は、図7の(a)におけるF−F線断面を拡大して模式的に示した図である。
図8の(a)に示すように、側壁部20は、厚み方向に複数のフレーム(インナフレーム210、センタフレーム200、アウタフレーム220)を並べて形成された多層構造を有しており、センタフレーム200とインナフレーム210との間と、センタフレーム200とアウタフレーム220との間には、それぞれフレキシブル基材230、240が設けられている。
センタフレーム200と、インナフレーム210およびアウタフレーム220とは、モールド成形により一体に形成される。
図9の(a)はアウタフレーム220の平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線断面であり、(c)は、(a)におけるB−B線断面であり、(d)は、(b)における矢印Xで囲んだ領域を拡大して模式的に示した図である。
このアウタフレーム220では、第1フレーム部220a、220bと第2フレーム部220c、220dとの接続部となる四隅が、曲率の大きなR形状とされている
アウタフレーム220の内周側は、全周に亘って、外周側よりも上下方向にそれぞれh1ずつ突出しており、アウタフレーム220の内周側は、断面視において略リング状の凸部224、225が上下に形成されて、全体として高さh3を有している。
上壁部10と下壁部30の間における側壁部20の位置決めを容易に行えるようにすると共に、側壁部20の周方向から見て、側壁部20と、上壁部10および下壁部30との間に隙間を生じさせないようにするためである。
よって、実施の形態では、凸部224、225の高さh1は、凹溝15、35の深さh1と同じに設定されている。
このセンタフレーム200では、第1フレーム部200a、200bと、第2フレーム部200c、200dとの接続部となる四隅の近傍領域が、センタフレーム200の内側に膨出しており、この膨出した部分は、後記するインナフレーム210との係合部205とされている。
センタフレーム200とインナフレーム210とアウタフレーム220とを組み付けて形成された側壁部20において、フレキシブル基材240の接続部242を内側に折り曲げて、先端のコネクタ端子部242aを、側壁部20の内側に形成される収容エリア40内に配置させるためである。
そのため、切欠き201の幅方向長さL2は、接続部242の幅寸法L3(図11の(b)参照)よりも大きい幅寸法に設定されている。また、切欠き201の深さdも、接続部242の厚みよりも大きい深さ寸法とされており、側壁部20と上壁部10とを組み付けた際に、側壁部20と上壁部10との間に、接続部242に起因する隙間が生じないようにされている。
また、センタフレーム200の外周204には、後記するフレキシブル基材240の挿通孔244、244aを挿通させる円筒形状の突起208、208aが、外側に突出して設けられている。
なお、以下の説明において、突起207と突起207a、突起208と突起208aを特に区別しない場合には、単に突起207、208と標記する。
第1フレーム部200a、200bの突起207、208は、第1フレーム部200a、200bの中間を、第1フレーム部200a、200bに対して平行に延びる仮想線IM1を挟んで対称に設けられている。
第2フレーム部200c、200dの突起207、208は、第2フレーム部200c、200dの中間を通り、かつ仮想線IM1に直交する仮想線IM2を挟んで対称に設けられている。
すなわち、突起207と突起208は、センタフレーム200の周方向において、互いにオフセットした位置に設けられており、センタフレーム200を周方向から見た場合において、突起207と突起208とが同軸上に配置されないようになっている。
図11の(a)は、フレキシブル基材230の平面図であり、(b)は、フレキシブル基材240の平面図であり、(c)は、(a)におけるA−A線断面を模式的に示した図であり、(d)は、(b)におけるB−B線断面を模式的に示した図である。
実施の形態では、上記した樹脂層230b、240bは、可撓性の樹脂材料で形成されており、フレキシブル基材230、240は、内部に形成された図示しない配線を断線することなく曲げることができるようにされている。
接続部232、242は、本体部231、241の一端側の側面から本体部231、241に直交する方向に延出して設けられている。
接続部232、242の先端側の一方の面には、コネクタ端子部232a、242aが露出して設けられている。コネクタ端子部232a、242aは、フレキシブル基材230、240に形成された配線と、下壁部30内の配線(配線パターン)との接続に用いられる。
そのため、本体部241では、センタフレーム200の突起208に対応する位置に、突起208が挿入される挿通孔244が厚み方向に貫通して設けられている。
そのため、本体部241の先端側では、接続部242との干渉を避けるための矩形形状の切欠き245が接続部242側の側面に設けられている。
そのため、本体部231の先端には、接続部232との干渉を避けるための切欠き235が、接続部232側の側面に設けられている。
なお、配線パターンの詳細は、前記した下壁部30の配線パターン60、60’と同じなので、ここでは、その説明を省略する。
インナフレーム210は、互いに平行な第1フレーム部210a、210bと、第1フレーム部210a、210bに直交する方向で互いに平行な第2フレーム部210c、210dと、第1フレーム部210a、210bと第2フレーム部210c、210dの端部同士を接続すると共に、センタフレーム200に嵌合する嵌合部210eを有している。このインナフレーム210において同じ対角線上に位置する嵌合部210eは、互いに平行に設けられている。
切欠き211、212は、第2フレーム部210c、210dの内周214から外周215までの範囲に、深さdで形成されている。
センタフレーム200とインナフレーム210とアウタフレーム220とを組み付けて形成された側壁部20において、フレキシブル基材230、240の接続部232、242を内側に折り曲げて、先端のコネクタ端子部232a、242aを、切欠き211、212により干渉することなく、側壁部20の内側に形成される収容エリア40内に配置させることができる。
そして、センタフレーム200の突起207を、フレキシブル基材230の挿通孔234に順次挿入しながら、フレキシブル基材230を、センタフレーム200の内周203に沿って設けたのち、フレキシブル基材230の先端側の挿通孔234b(図7参照)に突起207aを挿通して、センタフレーム200の内周にフレキシブル基材230を接着保持させる。
そして、センタフレーム200の突起208を、フレキシブル基材240の挿通孔244に順次挿入しながら、フレキシブル基材240を、センタフレーム200の外周204に設けたのち、フレキシブル基材240の基端側の挿通孔244aに突起208aを挿通して、センタフレーム200の外周にフレキシブル基材240を接着保持させる。
この状態で、フレキシブル基材230、240の接続部232、242をセンタフレーム200の内側に折り曲げて、先端のコネクタ端子部232a、242aを、図2の収容エリア40内に配置させものが、図13である。
なお、フレキシブル基材230、240の各々において重なる部分は、接着剤で互いに接着される。
また、フレキシブル基材230、240は、センタフレーム200の内周203および外周204において、それぞれ多重に設けられていても良い。
また、フレキシブル基材240の接続部242の位置に、インナフレーム210の切欠き211と、センタフレーム200の切欠き201が、側壁部20を周方向から見て直線状に位置するので、接続部242をこの切欠き211、201側に折り曲げて、先端のコネクタ端子部242aを、収容エリア40となる側壁部20の内側に位置させることができる。
始めに、図2の(d)に示すように、側壁部20の下側嵌合部22を下壁部30の凹溝35に嵌合して、側壁部20を下壁部30に載置する。
この状態において、下壁部30の挿通孔36を貫通したネジN2を、取付部221a〜221d(図9参照)のネジ孔223に螺入して、下壁部30と側壁部20とを互いに連結する。
この状態において、上壁部10の挿通孔16を貫通したネジN1を、取付部221a〜221d(図9参照)のネジ孔222に螺入して、上壁部10と側壁部20とを互いに連結することで、図1に示す安全ケース1が形成される。
さらに、フレームの少なくともひとつを、金属材料で構成して、側壁部を簡単に貫通することができないようにしたので、収容エリアへのアクセスをより確実に防止でき、収容エリア内に配置した電子部品の安全性がより向上する。
これにより、フレキシブル基材が、側壁部の厚み方向で2重に設けられるので、側壁部からの収容エリアへのアクセスがいっそう難しくなり、収容エリア内に配置した電子部品の安全性がより向上する。
さらに、検知ライン71、71’とグランドライン72、72’の各線幅がそれぞれ0.15mm以下、検知ラインとグランドライン間の所定の間隙が0.15mm以下としてあるので、とくに小径のドリルを用いても孔開け時に確実に断線または短絡を招き、破壊検知の精度が高い。
まず、図14は渦巻きの簡略化の過程を示す説明図である。
図14の(a)はスタート地点S1から右巻き(R)に11折れして中心に達し、それから左巻き(L)に折り返して11折れして終点T1に終わる複数巻き渦巻きを示す。(b)は巻き数を小さくして、スタート地点S2から右巻きに5折れして中心に達し、それから左巻きに折り返して5折れして終点T2に終わる渦巻きを示す。
このように折れ回数を減じてゆき、片側2折れとしたのが(d)に示される。すなわち、スタート地点S4から右巻きに中心側へ2折れしたあと、左巻きに折り返して2折れして終点T4に終わっており、実質半巻きの渦巻きとなる。
図15は、図14の(c)と(d)の渦巻きを組み合わせた配線パターンを、リボン状のフレキシブル基材に適用した場合を示す図である。
この配線パターン60Aでは、検知ライン71Aの両側をグランドライン72Aで挟んで構成され、1面の配線パターン60Aにおいて検知ライン71Aは1本線となっている。そして、検知ライン71Aの直線部分の長さDが10mm以下となるように設定してある。
さらに、フレキシブル基材250の挿通孔255を適切に避けつつ、フレキシブル基材250の全体に亘って配線パターンを密に設けることができる。
図16の(a)は変形例にかかる側壁部20Aの平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面であり、(c)は(a)におけるB−B線断面図であり、図17は、変形例に係る側壁部20Aの分解斜視図である。
そのため、前記の側壁部20のセンタフレーム200における突起207、208に相当するものは、インナフレーム210Aの外周と、アウタフレーム220Aの内周とに設けられており、インナフレーム210Aの突起219と、アウタフレーム220Aの突起229とが、突起207、208に相当する。
具体的には、インナフレーム210の嵌合部210eが断面視においてC字形状を有しているのに対して(図7の(d)参照)、インナフレーム210Aの嵌合部210e’は、断面視においてコ字形状を有している(図16の(c)参照)。
そのため、変形例にかかる側壁部20Aでは、嵌合部210e’は、均一な高さ(厚み)で形成された係合部205’に、センタフレーム200Aの内側から外嵌して設けられている。
このような構成の側壁部20Aとすることによっても、前記の実施の形態と同じ効果が奏されることになる。
この場合、基材が埋め込まれていない壁部の収容エリア40側の表面には、破壊検知用の配線パターンが形成された基材が接着剤などにより固定されて、壁部の破壊を検知できるようにすれば良い。
また、回路基板の一部に破壊検知用の配線パターンを形成して上壁部10や下壁部30とすることができるため、回路基板の任意の位置に安全ケースを設けることができる。
かかる場合、フレキシブル基材は、厚み方向で最も外側に位置する側壁構成部材よりも内側の側壁構成部材の内周と外周にそれぞれ設けられている、または側壁部20を構成する側壁構成部材の間のうちの任意の2カ所以上に、フレキシブル基材が設けられていれば、前記の実施の形態と同じ効果が奏されることになる。
10 上壁部
20、20A 側壁部
30 下壁部
11、31 外壁層
12、32 破壊検知層
13、33 基板層
14、34 載置部
15、35 凹溝(嵌合溝)
16、36 挿通孔
40 収容エリア
50 基材
60、60’、60A 配線パターン
71、71’、71A 検知ライン
72、72’、72A グランドライン
200、200A センタフレーム(側壁構成部材)
205 係合部
207、207a、208、208a 突起
210、210A インナフレーム(側壁構成部材)
210e 嵌合部
219 突起
220、220A アウタフレーム(側壁構成部材)
221a〜221d 取付部
222、223 ネジ孔
224、225 嵌合凸部
229 突起
230、240、250 フレキシブル基材
230a、240a 破壊検知層
230b、240b 樹脂層
231、241 本体部
232、242 接続部
234、234a、234b、244、244a 挿通孔
C1、C2 コネクタ端子
N1、N2 ネジ
P 電子部品
Claims (3)
- セキュリティを要する電子部品を封入してデータの安全を確保するデータの安全ケースであって、
前記安全ケースを、前記電子部品を収容する収容エリアを囲む側壁部と、前記側壁部の上下に固定した上壁部および下壁部と、から構成し、
前記側壁部は、厚み方向に複数の筒状のフレームを並べた多層構造で形成し、
前記フレームの少なくともひとつを、金属材料より構成し、
破壊検知用の配線パターンが形成された基材を、前記上壁部と前記下壁部と前記側壁部とに設けると共に、前記側壁部に設けた基材をリボン状のフレキシブル基材から構成し、
前記側壁部において前記フレキシブル基材を、前記側壁部の厚み方向で隣接するフレームの間で、周方向の全周に亘って設けたことを特徴とするデータの安全ケース。 - 前記側壁部では、外側から順番に、アウタフレームと、センタフレームと、インナフレームとが位置しており、
前記センタフレームが前記金属材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータの安全ケース。 - 前記金属材料は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータの安全ケース。
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