JP2015052524A - 弾性表面波センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体を検出領域に導入する際の多孔性基材による検出領域へのダメージの発生を抑える。
【解決手段】SAWセンサ1は、弾性表面波を伝播する圧電素子基板10と、電気信号と弾性表面波との変換を行う電極11−1と、弾性表面波の伝播路に配置され、検体である液体が導入される検出領域と、検出領域上に配置され、液体が浸潤する多孔性基材13と、検出領域と多孔性基材とを、少なくとも多孔性基材に液体が浸潤していない状態で所定距離だけ離間させる凸部材21−1、21−2とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性表面波センサに関する。
弾性表面波センサ(SAW(Surface Acoustic Wave)センサ)の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている弾性表面波センサは、弾性表面波によって免疫反応を測定する弾性波バイオセンサである。特許文献1に記載されている弾性表面波センサは、圧電性基板上に形成された1対の櫛形電極(IDT(Inter Digital Transducer))と、その1対の櫛形電極の間に形成された検出領域と、その検出領域に接触するように設けられた多孔性基材とを備えている。そして、検体である液体を多孔性基材に滴下及び浸潤させることで、液体を検出領域に確実かつ均一に導入することを可能としている。
特開2013−96866号公報
特許文献1に記載されている弾性表面波センサは、検出領域に液体を導入するため、検出領域に多孔性基材を直接接触させている。そのため、振動などによって多孔性基材が動いた場合、検出領域を構成する薄膜の表面自体と薄膜表面に固定されたバイオ膜(以下、本願では薄膜とバイオ膜とから検出領域が構成されているものとする)のどちらかに擦り傷等のダメージが発生する場合があった。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、液体を検出領域に導入する際の多孔性基材による検出領域へのダメージの発生を抑えることができる弾性表面波センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の弾性表面波センサは、弾性表面波を伝播する圧電素子基板と、電気信号と前記弾性表面波との変換を行う電極と、前記弾性表面波の伝播路に配置され、検体である液体が導入される検出領域と、前記検出領域上に配置され、液体が浸潤する多孔性基材と、前記検出領域と前記多孔性基材とを、少なくとも前記多孔性基材に液体が浸潤していない状態で所定距離だけ離間させる凸部材とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の態様の弾性表面波センサは、前記検出領域を複数備え、前記凸部材を前記検出領域間に設けたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様の弾性表面波センサは、前記検出領域を挟んで前記電極に対向する位置に設けられた反射器を備え、前記多孔性基材が、前記反射器側の前記圧電素子基板端部近傍上に前記液体の滴下領域を有していることを特徴とする。
また、本発明の他の態様の弾性表面波センサは、前記多孔性基材が、前記液体を前記検出領域に導入する際に前記液体が滴下される滴下用多孔性基材に所定の押圧力によって接触されるものであることを特徴とする。
本発明の弾性表面波センサによれば、凸部材によって検出領域と多孔性基材とが離間されているので、液体を検出領域に導入する際の検出領域へのダメージの発生を抑えることができる。
本発明の第1実施形態の弾性表面波センサ(以下、SAWセンサ)の概略構成を示した模式図である。 図1に示したSAWセンサ1への液体の導入過程を説明するための説明図である。 図1に示したSAWセンサ1への液体の導入過程を説明するための他の説明図である。 図1に示したSAWセンサ1への液体の導入過程を説明するための他の説明図である。 本発明の第2実施形態のSAWセンサの概略構成を示した模式図である。 本発明の第3実施形態のSAWセンサの概略構成を示した模式図である。 本発明の第4実施形態のSAWセンサの概略構成を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のSAWセンサ1の駆動回路の一例を説明するためのブロック図である。 図8に示した駆動回路100の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図8に示したSAWセンサ1の動作波形の一例を説明するための波形図である。 本発明の第3実施形態のSAWセンサ1−1の駆動回路の一例を説明するためのブロック図である。 図11に示した駆動回路100aの動作を説明するための説明図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るSAWセンサ1の概略的な模式図である。図1(a)は、SAWセンサ1の概略的な上面図であり、図1(b)はSAWセンサ1を切断面Aから見た概略的な断面図である。SAWセンサ1(弾性表面波センサ)は、圧電素子基板10、送信電極11−1a、送信電極11−1b、受信電極11−2a、受信電極11−2b、反応領域薄膜12、多孔性基材13、封止構造14−1、及び封止構造14−2を含んでいる。SAWセンサ1は、さらに、凸部材21−1及び凸部材21−2を含んでいる。
圧電素子基板10は、SAWを伝播する基板である。圧電素子基板10は、水晶基板である。
送信電極11−1a及び送信電極11−1bは、送信側電極部を構成する櫛歯状のパターンにより形成された金属電極である。以下、送信電極11−1a及び送信電極11−1bを総称してIDT11−1と呼ぶものとする。送信電極11−1a及び送信電極11−1bは、電気信号とSAWとの変換を行う電極である(なお、この変換は双方向で可能である)。
また、受信電極11−2a及び受信電極11−2bは、受信側電極部を構成する櫛歯状のパターンにより形成された金属電極である。以下、受信電極11−2a及び受信電極11−2bを総称してIDT11−2と呼ぶものとする。受信電極11−2a及び受信電極11−2bは、SAWと電気信号との変換を行う電極である。
IDT11−1及びIDT11−2(総称してIDT11と呼ぶ)は、圧電素子基板10上に構成される電極である。IDT11は、対向した一対の電極である。IDT11は、例えばアルミニウム薄膜によって構成される。
反応領域薄膜12は、金を蒸着して生成した薄膜である。反応領域薄膜12は、表面に抗体を担持した薄膜である。反応領域薄膜12は、圧電素子基板10上であって、圧電素子基板10上に対向して設けられた一対のIDT11の間の領域に形成される。
圧電素子基板10と反応領域薄膜12との重なる部分が、検体である液体が導入される検出領域(センサ表面となる領域)となる。上述したように、本願では反応領域薄膜12と反応領域薄膜12上に固定されたバイオ膜とから検出領域が構成されているものとする。この検出領域は、SAWの伝播路に配置され、検体である液体が導入される。
多孔性基材13は、反応領域薄膜12に対して所定の隙間G(所定距離)を有して設けられる基材である。この多孔性基材13は、上記検出領域上に配置されていて、検体である液体が浸潤する。多孔性基材13は、例えばニトロセルロースなどの物質から構成される。多孔性基材13は、凸部材21−1及び凸部材21−2の上面に接するように設置され、凸部材21−1及び凸部材21−2の高さによって決定される所定の距離だけ離間して反応領域薄膜12上の領域に設置される。多孔性基材13は、反応領域薄膜12を完全に覆うように又は特定の領域を限定的に覆うように設置される。また、多孔性基材13は、反応領域薄膜12とは別の平面領域に形成されている凸部材21−1及び凸部材21−2に重なる大きさを持つ平面形状を有している。多孔性基材13は、例えば、凸部材21−1及び凸部材21−2の両方あるいは一方に接着剤等によって固定される。多孔性基材13は、滴下された溶液を保持し、その内部及び表面に溶液を浸潤させる。そして、多孔性基材13は、滴下された溶液を、毛細管現象により多孔性基材13内部で移送するとともに、多孔性基材13が膨潤することで、あるいは、多孔性基材13表面から凸部材21−1や凸部材21−2を伝わることで、表面張力の作用などによって、反応領域薄膜12の表面やバイオ膜に(すなわち検出領域に)移送し、保持する。つまり、SAWセンサ1は、滴下された溶液を多孔性基材13内部及び反応領域薄膜12の表面に保持する。その際、多孔性基材13と反応領域薄膜12の表面とは、全然接触しないか、あるいは接触したとしても短時間、低い接触圧もしくは全面ではなく一部の領域のみでの接触となる。したがって、特許文献1のSAWセンサように、多孔性基材と反応領域薄膜12とを全領域に渡って直接接触させ、固定する場合に比べて、接触圧や接触面積を零とすることができるか、あるいは少なくとも小さくすることができる。
凸部材21−1及び凸部材21−2は、少なくとも多孔性基材13に液体が浸潤していない状態で、あるいは液体が浸潤している状態であっても、反応領域薄膜12と多孔性基材13とが直接接触しないよう離間させるために設けられた凸部である。すなわち、凸部材21−1及び凸部材21−2は、反応領域薄膜12と多孔性基材13との間に所定の大きさの隙間Gが確保されるように、多孔性基材13を支持する部材である。凸部材21−1及び凸部材21−1は、後述する封止構造14−1及び封止構造14−2と同様な構造を有するものであってもよいし、あるいはワイヤーボンディングなどの保護で使用されるエポキシ樹脂や、ダイボンディングなどでパッケージと圧電基板を接着する目的で利用される樹脂(主にエポキシ樹脂)等であってもよい。また、凸部材21−1及び凸部材21−1は、図1に示した形状及び配置と異なり、封止構造14−1又は封止構造14−2と一体として形成されていてもよい。あるいは、凸部材21−1及び凸部材21−1は、図1には示していないSAWセンサ1のプラスチック製等の外部筐体と一体として形成されるものであってもよい。
SAWセンサ1では、多孔性基材13内を移送された溶液は、反応領域薄膜12の特定の領域を濡らす。ここで、特定の領域とは、多孔性基材13と反応領域薄膜12との重なる部分によって面積が定められる領域である。例えば、反応領域薄膜12の全面を多孔性基材13で覆う場合、反応領域薄膜12の全領域となる。
検体である溶液中の抗原は、反応領域薄膜12上に担持された抗体と反応し、反応領域薄膜12上の特定領域に抗原抗体結合物を生成する。すなわち、反応領域薄膜12では、その表面に抗原を含んだ液体試料を滴下することにより、反応領域薄膜12上に担持された抗体と、液体試料中の抗原との間で抗原抗体反応が起こる。その結果、反応領域薄膜12上には、反応領域薄膜12上に担持した抗体と抗原が結合した抗原抗体結合物が生成する。なお、反応領域薄膜12は、金以外であっても抗体を担持できるものであればいかなるものでもよい。また、本願では反応領域薄膜12上に固定された抗体がつくる膜(あるいは層)をバイオ膜と呼ぶ。
送信電極部側の封止構造14−1は、封止壁15−1と封止天井16−1とを備えている。なお、封止壁15−1と封止天井16−1との間には両者を接着するための接着層が設けられるが、図1においては省略している。
封止壁15−1は、IDT11−1を覆う壁であり、圧電素子基板10上に矩形状に形成される。封止壁15−1は、例えば感光性樹脂により構成される。
また、封止天井16−1は、封止壁15−1の上側を塞ぎ、IDT11−1を外部から密閉するための天井である。封止天井16−1は、封止天井16−1の平面領域内に封止壁15−1が収まるように封止壁15−1の上側に配置される。封止天井16−1は、例えばガラス基板で構成される。なお、封止壁15−1と封止天井16−1との間には、不図示の接着層が設けられ、封止壁15−1と封止天井16−1との間を密封して接着する。
封止構造14−1は、IDT11−1(端部を除き)を外部から密閉してIDT11−1上に空間を形成するように覆い、IDT11−1が液体と接触することを防ぐ封止構造である。
また、受信電極部側の封止構造14−2は、封止構造14−1と同様に、封止壁15−2と封止天井16−2とを備え、IDT11−2を外部から密閉してIDT11−2上に空間を形成するように覆い、IDT11−2が液体と接触することを防ぐ封止構造である。これら封止構造14−1及び封止構造14−2により、検出領域における雰囲気(例えば湿度)の変化があったとしても、IDT11−1、及びIDT11−2は、その影響を受けにくくなる。
また、図1では、多孔性基材13を封止構造14−1及び封止構造14−2の封止天井と重ならないように配置する例を示しているが、多孔性基材13は、反応領域薄膜12が配置されるセンサの検出領域を覆うように配置されていれば、封止天井と重なるように配置してもよい。
図2は、図1に示したSAWセンサ1への液体の滴下過程の一例を説明するための説明図である。なお、図2では図1に示した構成に同一の符号を付け説明を省略する。図2(a)は図1に示したSAWセンサ1の上面図であり、図2(b)は切断面Bから見た概略的な断面図である。図2に示した滴下過程の一例では、SAWセンサ1の多孔性基材13と重なるように滴下用多孔性基材51を配置し、図2(b)に示したように、滴下用多孔性基材51の上から固定ピン61を所定の押圧力で下向きに押し当てることで、多孔性基材13と滴下用多孔性基材51とを接触させ、固定している。ここで固定ピン61は、多孔性基材13が検出領域からずれてしまうことを防止する作用も奏する。滴下用多孔性基材51は、多孔性基材13と同じ特性を有する材質であってもよいし、異なる特性を有する材質であってもよい。また、固定ピン61は、多孔性基材13や滴下用多孔性基材51に対してどのような位置で押し当ててもよい。すなわち、多孔性基材13が検出領域からずれてしまうことを防止したり、多孔性基材13と滴下用多孔性基材51とを接触及び固定させる作用を奏したりするものであれば、固定ピン61の位置、設置箇所もしくは接点数、または形状は、特に限定されない。
また、図2(b)において滴下用多孔性基材51は治具62及び治具63によって下方向から支えられている。また、治具63は多孔性基材13の水平面より高くなる位置に固定されていて、滴下用多孔性基材51は右から左に向かって固定ピン61の端部周辺まで下り方向に傾斜している。図2に示した例では、液体を検出領域に導入する際に、図2(a)に示した滴下用多孔性基材51上の滴下領域52に、図2(b)に矢印で示した方向で検体となる液体を滴下する。
滴下用多孔性基材51の滴下領域52に滴下された液体は、毛細管現象によって滴下用多孔性基材51を浸潤し、滴下用多孔性基材51と多孔性基材13とが接触している部分で滴下用多孔性基材51から多孔性基材13へと浸潤する。
図3及び図4は、図2(b)の概略断面図において、多孔性基材13に浸潤した液体が、反応領域薄膜12の表面に移送する過程を説明するための模式図である。図3は、多孔性基材13が膨潤することで、多孔性基材13と反応領域薄膜12との隙間が小さくなることを利用して多孔性基材13から反応領域薄膜12の表面に液体71を移送する例を模式的に示している。図3に示した例では、液体によって多孔性基材13が膨潤することで多孔性基材13に膨張部13aが発生し、多孔性基材13表面を濡らしていた液体71が、表面張力によって反応領域薄膜12へ移り、反応領域薄膜12の表面を濡らしている。一方、図4は、液体が、多孔性基材13の表面から凸部材21−1や凸部材21−2の表面に移り、さらに凸部材21−1や凸部材21−2の表面から反応領域薄膜12の表面に移動する例を模式的に示している。
なお、図3及び図4に示した多孔性基材13から反応領域薄膜12の表面への液体の移送例は、一例であって移送過程はそれらに限定されない。少なくとも多孔性基材13と、反応領域薄膜12の表面自体あるいは表面に固定されたバイオ膜とが、全面にわたって(あるいは一定以上の接触圧力を有して)直接接触することなく、多孔性基材13から反応領域薄膜12の表面等の検出領域に液体が移送することができるものであればよい。例えば図3に示した多孔性基材13の膨潤による反応領域薄膜12の表面の濡れと、図4に示した多孔性基材13から凸部材21−1及び凸部材21−2を伝っての反応領域薄膜12の表面の濡れとの両方が発生する場合などであってもよい。
本実施形態によれば、凸部材21−1及び凸部材21−2を圧電素子基板10上に配置したので、多孔性基材13と検出領域(すなわち反応領域薄膜12の表面あるいは表面に固定されたバイオ膜)とが直接接触しない。そのため、SAWセンサの検出領域と多孔性基材とが直接接触している場合に発生する、振動などによる擦れ傷やダメージの発生を避けることができる。また、図2等に示したように、固定ピン61等を用いて多孔性基材13に圧力を掛ける場合でも、多孔性基材13は直接検出領域に接触しないようにすることができるので、固定ピンの設置圧力によってSAWセンサ1の特性がバラツク(変化する)ことを防ぐことができる。つまり、固定ピン61の設置圧力が仮に異なっても、検出領域に多孔性基材13が直接接触しておらず特性に影響しないようにすることができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るSAWセンサ1aの概略的な模式図である。図5(a)は、SAWセンサ1aの概略的な上面図であり、図5(b)はSAWセンサ1aを切断面Cから見た概略的な断面図である。なお、図5において図1に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
図5に示したSAWセンサ1aは、図1に示したSAWセンサ1の検出領域を2個に増やしたものである。つまり、センサ出力を1チャネルから2チャンネルに増加させたものである。この場合、SAWセンサ1aは、図1に示したSAWセンサ1が含む構成に加え、新たに送信電極11−3a及び送信電極11−3b(総称はIDT11−3)と、反応領域薄膜12−2と、受信電極11−4a及び受信電極11−4b(総称はIDT11−4)とを含んでいる。なお、図5において、反応領域薄膜12−1が、図1に示した反応領域薄膜12に対応する構成である。また、IDT11−3とIDT11−4とは、IDT11−1とIDT11−2と同じ封止構造14−1と封止構造14−2とによってそれぞれ封止されている。
多孔性基材13は、凸部材21−1及び凸部材21−2を覆う形の平面形状を有していて、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2上に所定の隙間Gを有して設置されている。また、多孔性基材13への液体の浸潤は、例えば図2を参照して説明した第1実施形態と同様に滴下用多孔性基材51と固定ピン61とを用いた構成にて滴下用多孔性基材51に液体を滴下することで行うことができる。図5(a)には、その場合に、固定ピン61に押さえられる領域13bを一点鎖線で示した。この場合、多孔性基材13への液体の浸潤は、反応領域薄膜12−1と反応領域薄膜12−2との中間中央部付近から行われるので、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2(つまり反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2上の各検出領域)に対して同一の液体が均一に浸潤する。ただし、多孔性基材13への液体の浸潤の仕方はこれに限らず、例えば、領域13bに直接液体を滴下することで行うこともできる。
なお、図5に示したSAWセンサ1aでは、反応領域薄膜12−1と反応領域薄膜12−1とに、異なる特性のバイオ膜を固定したり、一方にバイオ膜を形成して他方にバイオ膜を固定しなかったり、あるいは、同一のバイオ膜を固定したりすることができる。
第2実施形態のSAWセンサ1aでも、第1実施形態と同様に、凸部材21−1及び凸部材21−2を圧電素子基板10上に配置したので、多孔性基材13と各検出領域(すなわち反応領域薄膜12の表面あるいは表面に固定されたバイオ膜)とが直接接触しない。そのため、SAWセンサの検出領域と多孔性基材とが直接接触している場合に発生する、振動などによる擦れ傷やダメージの発生を避けることができる。また、図2等に示したように、固定ピン61等を用いて多孔性基材13に圧力を掛ける場合でも、多孔性基材13は直接検出領域に接触しないので、固定ピンの設置圧力によってSAWセンサ1a全体としての特性やチャネル毎の特性がバラツクことを防ぐことができる。つまり、固定ピン61の設置圧力が仮に異なっても、検出領域に多孔性基材13が直接接触しておらず、特性に影響しない。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るSAWセンサ1−1の概略的な模式図である。図6(a)は、SAWセンサ1−1の概略的な上面図であり、図6(b)はSAWセンサ1−1を切断面Dから見た概略的な断面図である。なお、図6において図1又は図5に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
第1実施形態のSAWセンサ1及び第2実施形態のSAWセンサ1aが送信用のIDTと受信用のIDTとを個別に設けるトランスバーサル型と呼ばれるSAWセンサであるのに対して、第3実施形態のSAWセンサ1−1は、反射型と呼ばれる構造を有している。すなわち、第3実施形態のSAWセンサ1−1は、一方のIDTを無くして代わりに検出領域を挟んで送信用電極に対向する位置に反射器22−1又は反射器22−2を設けている。この構成では、1個のIDTを例えば時分割で切り替えることで送信用と受信用とで共用することができる。なお、第3実施形態のSAWセンサ1−1は、第2実施形態のSAWセンサ1aと同様に、2チャンネルのセンサである。
なお、図6において、反射器22−1はIDT11−1から送信されたSAWを反射する。この反射器22−1は、IDT11−1と反応領域薄膜12−1を挟んで対向する位置に配置され、例えば、IDT11−1と同様の電極材を使用するSAWの1波長の1/4の線幅を持ち2分の1波長の間隔で複数整列させた構造を有している。また、反射器22−2はIDT11−3から送信されたSAWを反射する。この反射器22−2は、IDT11−3と反応領域薄膜12−2を挟んで対向する位置に配置され、例えば、反射器22−1と同様の構造を有している。図6に示した構成例では、反射器22−1及び反射器22−2は、圧電素子基板10上に露出した形で形成されていて、反射器22−1及び反射器22−2上には封止構造14−1のような封止構造は設けられていない。なお、図6に示した例ではSAWを反射する構造物を、電極を用いて電気的に反射する反射器を用いて構成しているが、SAWの反射は機械的反射とすることもできる。例えば、圧電素子基板10の端面より弾性表面波を反射することも可能である。すなわち、SAWを反射する手法は、反射器を設置する以外のものであってもよい。
また、図6において、多孔性基材13−1が図1等に示した多孔性基材13に対応する構成である。また、凸部材21−3及び凸部材21−4が図1等に示した凸部材21−1及び凸部材21−2に対応する構成である。多孔性基材13−1は、図1等に示した多孔性基材13と同一の材質を有しているが、平面形状が次のように異なっている。すなわち、多孔性基材13−1は、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2と、凸部材21−3及び凸部材21−4とを覆うとともに、反射器22−1及び反射器22−2と、反射器22−1及び反射器22−2側の圧電素子基板10の端部近傍までとを覆うような平面形状を有している。また、凸部材21−3及び凸部材21−4は、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2と多孔性基材13−1とが平行する領域に加えて、反射器22−1及び反射器22−2と多孔性基材13−1とが平行する領域にわたるような平面形状を有している。したがって、凸部材21−3及び凸部材21−4は、多孔性基材13−1と、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2並びに反射器22−1及び反射器22−2との間に所定の隙間Gを確保する構造物として機能する。
また、多孔性基材13−1への液体の浸潤は、例えば図2を参照して説明した第1実施形態と同様に滴下用多孔性基材51と固定ピン61とを用いた構成にて滴下用多孔性基材51に液体を滴下することで行うことができる。図6(a)には、その場合に、固定ピン61に押さえられる領域13−1bを一点鎖線で示した。この場合、多孔性基材13−1への液体の浸潤は、反応領域薄膜12−1と反応領域薄膜12−2との中間中央部付近から行われる。したがって、反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2(つまり反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2が構成する検出領域)に対して同一の液体が均一に浸潤する。ただし、多孔性基材13−1への液体の浸潤の仕方はこれに限らず、例えば、領域13−1bに直接液体を滴下することで行うこともできる。
さらに、第3実施形態のSAWセンサ1−1では、多孔性基材13−1への液体の浸潤を次のようにして行うことができる。すなわち、図6(a)で多孔性基材13−1上に2点鎖線で示した領域(滴下領域)13−1cに液体を直接(あるいは他の多孔性基材を介して)滴下することで多孔性基材13−1へ液体を浸潤させることができる。この領域13−1cは、反射器22−1及び反射器22−2側の圧電素子基板10端部近傍上に設けられている。第3実施形態のSAWセンサ1−1は、反射型のSAWセンサであるため、反射器22−1及び反射器22−2側の端部にはIDT11のようにSAWセンサ1−1の外部と電気的に接続される端子を備えていない。そのため、反射器22−1及び反射器22−2側の端部であれば、IDT11側の端部に比べ液体による濡れを回避する必要性が低下する。すなわち、液体を滴下する場合に、液体が検出領域以外で圧電素子基板10を濡らしてしまうこと避ける必要性が低下する。よって、多孔性基材13−1へは比較的容易に液体を直接滴下することができる。また、領域13−1cに液体を滴下した場合、各検出領域に対する液体の浸潤速度を比較的容易にチャネル間で同一とすることができる。つまり、各検出領域上の領域13−1bに直接液体を滴下する場合、滴下位置が一方の検出領域の方向にずれてしまうと一方の検出領域への液体の浸潤が早く進むことが考えられる。他方、領域13−1cに液体を滴下する場合には、領域13−1cと各検出領域との間に一定の距離があるので、滴下位置のチャネル間での偏り(あるいはずれ)による影響は受けにくくなる。
第3実施形態のSAWセンサ1−1でも、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、凸部材21−3及び凸部材21−4を圧電素子基板10上に配置したので、多孔性基材13−1と各検出領域(すなわち反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2の表面あるいは表面に固定されたバイオ膜)とが直接接触しない。そのため、SAWセンサの検出領域と多孔性基材とが直接接触している場合に発生する、振動などによる擦れ傷やダメージの発生を避けることができる。また、図2等に示したように、固定ピン61等を用いて多孔性基材13−1に圧力を掛ける場合でも、多孔性基材13−1は直接検出領域に接触しないので、固定ピンの設置圧力によってSAWセンサ1−1全体としての特性やチャネル毎の特性がバラツクことを防ぐことができる。つまり、固定ピン61の設置圧力が仮に異なっても、検出領域に多孔性基材13−1が直接接触しておらず、特性に影響しない。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るSAWセンサ1−1aの概略的な模式図である。図7(a)は、SAWセンサ1−1aの概略的な上面図であり、図7(b)はSAWセンサ1−1aを切断面Eから見た概略的な断面図である。なお、図7において図6等に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
図7に示したSAWセンサ1−1aは、図6を参照し説明したSAWセンサ1−1に対して、さらに、1個の凸部材21−5を反応領域薄膜12−1及び反応領域薄膜12−2の中間部に追加した構成を有している。凸部材21−5は、例えば他の凸部材21−3及び凸部材21−4と同一構造を有している。このSAWセンサ1−1aでは、凸部材21−5を設けたことで、図6に示したSAWセンサ1−1に対して、多孔性基材13−1のたわみ等の変形を抑制することができる。
(第1実施形態及び第2実施形態のSAWセンサの駆動回路)
次に、図8から図10を参照して、第1実施形態のSAWセンサ1及び第2実施形態のSAWセンサ1aの1チャネル分のセンサの駆動及び検出のための回路(駆動回路と呼ぶ)の構成例について説明する。
図8は、駆動回路100の構成例を説明するためのブロック図である。図9は、図8に示した駆動回路100の各部の波形を示すタイミングチャートである。図10は、SAWセンサ1の出力信号の一例を示したグラフである。
図8に示したように、駆動回路100は、発振回路101、クロック発生回路102、入力制御ロジック103、出力制御ロジック104、高周波スイッチ105、位相・振幅検出回路106、サンプルホールド回路107、サンプルホールド回路108、A/D(アナログ・デジタル)変換回路109、及びA/D変換回路110を備えている。
発振回路101は、所定の周波数の高周波信号を発振する。発振回路101が生成した高周波信号は、高周波スイッチ105の一方の入力端子と位相・振幅検出回路106の一方の入力端子へ入力される。クロック発生回路102は、所定の周波数のクロック信号を発生し、入力制御ロジック103と出力制御ロジック104とに入力する。
入力制御ロジック103は、図9に示したように、一定のバースト周期t1で繰り返して、バースト間隔時間t2だけH(ハイ)レベルとなる信号を生成し、高周波スイッチ105へ出力する。出力制御ロジック104は、入力制御ロジック103がLレベルとなってから一定の時間tdが経過した後、一定時間t3だけHレベルとなる信号を生成し、サンプルホールド回路107及びサンプルホールド回路108へ出力する。高周波スイッチ105は、入力制御ロジック103の出力信号がHレベルの場合、発振回路101が出力した高周波信号を出力し、入力制御ロジック103の出力信号がL(ロー)レベルの場合、グランドレベルの信号を出力する。この高周波スイッチ105の出力信号がSAWセンサ1(あるいはSAWセンサ1aの一方のチャネル)のIDT11−1(あるいはIDT11−3)へ入力される。
位相・振幅検出回路106は、発振回路101が出力した高周波信号と、SAWセンサ1(あるいはSAWセンサ1aの一方のチャネル)のIDT11−2(あるいはIDT11−4)の出力信号を入力する。位相・振幅検出回路106は、入力した高周波信号を基準信号として、SAWセンサ1から入力した信号の位相変化(=位相差)と振幅変化(=振幅減衰量)とを表すアナログ信号を求めて、サンプルホールド回路107とサンプルホールド回路108とへ出力する。
サンプルホールド回路107は、位相・振幅検出回路106が出力した位相変化を表す信号を、出力制御ロジック104の出力信号がHレベルの間に取り込み、Lレベルの期間取り込んだ信号を保持しA/D変換回路109に対して出力する。サンプルホールド回路108は、位相・振幅検出回路106が出力した振幅変化を表す信号を、出力制御ロジック104の出力信号がHレベルの間に取り込み、Lレベルの期間取り込んだ信号を保持しA/D変換回路110に対して出力する。そして、A/D変換回路109とA/D変換回路110とは、それぞれ入力されたサンプルホールド回路107の出力とサンプルホールド回路108の出力とをデジタル信号に変換して、位相出力と振幅出力として出力する。
次に、図9及び図10を参照して図8に示した駆動回路100の動作について説明する。図8に示した駆動回路100は、バースト信号方式のSAWセンサ1(あるいはSAWセンサ1aの一方のチャネル;以下SAWセンサ1を代表して用いる)の駆動回路である。すなわち、図8に示した駆動回路100は、高周波信号を間欠的にオン・オフしてSAWセンサ1へ入力し、高周波信号をオフしている期間に検出領域によって生じたSAWの位相及び振幅変化を検出する。図10は、SAWセンサ1の出力信号の時間応答を表すグラフである。
SAWセンサ1の時間応答は、波長λ(音速と周波数の関数で決める)と音速(伝搬速度)Vと伝搬距離Lで決定される。図10の時間応答が計測されたSAWセンサ1の場合、主信号の伝搬応答は約2.3μである。グラフ上で判断できるその他の信号は、時間0μsからの直達と時間7μsの主信号のTTE(triple transit echo)である。ここでTTEは入力電極で発生したSAWが出力電極で受信されるとともに、一部は反射し、入力電極へ戻り、さらにそこでもう一度反射して再び出力電極で受信される現象である。直達はセンサの伝搬を直接介さない変化で主信号が変化しても変化しない。TTEは反射が影響した信号のため3回通過するため3倍変化する。
バースト信号を利用した回路方式は、主にこの直達とTTEの影響を除く回路方式と言える。SAWセンサ1を通過した信号は、直達の信号をまず初めに出力し始める。そして、主信号の遅延時間後から主信号の成分を出力する。同様にTTEの遅延時間後からTTEの成分を出力する。単純に考えるために仮に主信号と直達の差よりも小さなバースト信号をSAWセンサ1へ入力した場合、信号はそれぞれのタイミングで容易に分離可能である。
位相・振幅検出回路106は、発振回路101より出力される基準信号とSAWセンサ1の出力を比較して直流電圧として出力する。振幅検出は基準信号に対してレベル差を振幅レベルを調整して検出する。位相検出は基準信号とSAWセンサ1の出力を掛け算器に入力し位相差を検出する。
次にサンプルホールド回路107及びサンプルホールド回路108の仕組みについて説明する。SAWセンサ1の出力を検出する位相・振幅検出回路106は主信号や直達成分の位相変化や振幅変化を表す信号を出力する。そこで主信号の信号のみを検出するためにサンプルホールド回路107及びサンプルホールド回路108を利用する。サンプルホールド回路107及びサンプルホールド回路108は直流電圧をメモリする役割を担っている。それは、出力制御ロジック104の出力信号がLレベルの場合ホールド回路の出力電圧を維持する。他方、出力制御ロジック104の出力信号がHレベルの場合にはその場での入力電圧に出力電圧を更新する。このホールドを用いることで主信号のみの信号を長い時間維持することが可能である。その後アナログ成分である直流電圧の出力信号は、A/D変換回路109及びA/D変換回路110でデジタル信号に変換されて、図示していないCPU(中央処理装置)側へ出力したり、ディスプレイに出力したりされる。A/D変換回路109及びA/D変換回路110によるアナログ/デジタルの変換は1回分のホールド信号に対して複数回行い、平均値を求めることが可能である。この場合、変換は平均回数を増やすことによってノイズ成分を低いレベルに落とすことが可能であり、図9に示した構成で検出信号をサンプルホールドしている主目的となる。駆動回路100内の各回路はコンデンサーなどにより立ち上がりで時間応答を持つものがあるが、複数回の変換後の平均化処理によってこのような回路自体の時間応答も解決することができる。この平均か処理は、例えば、外部のCPUで行ってもよいし、A/D変換回路109及びA/D変換回路110の内部に平均化処理を行うための構成を設けてもよい。
なお、図9に示した各時間t1、t2及びt3は、次のように設定される。すなわち、t1はバースト間の間隔に対応する時間であり、妨害波の影響により調整する。t2はバーストの間隔に対応する時間であり、SAWの遅延時間未満に調整する。そして、t3は位相・振幅検出回路106の出力のサンプルホールド時間に対応するものであり、SAWセンサ1の出力に含まれる目的の主信号のみを取得する時間に対応するように調整する。位相・振幅検出回路106の出力には、変化の立ち上がりと立ち下がりに誤差が含まれている。そこで出力制御ロジック104がHレベルを出力する時間t3は、時間t2の間隔より短く設定して安定なポイントでサンプルホールドの書き換えを実施している。
(第3実施形態及び第4実施形態のSAWセンサの駆動回路)
次に、図11及び図12を参照して、第3実施形態のSAWセンサ1−1及び第4実施形態のSAWセンサ1−1aの各1チャネル分のセンサの駆動回路の構成例について説明する(以下、代表してSAWセンサ1−1について説明する)。図11に示した駆動回路100aは、反射型SAWセンサであるSAWセンサ1−1の駆動回路である。駆動回路100aは、図8に示したトランスバーサル型SAWセンサの駆動回路100に対して、高周波スイッチ111を新たに追加して備えている。そして、高周波スイッチ105の出力は高周波スイッチ111の一方の入力端子へ入力される。また、高周波スイッチ111の一方の入出力端子がSAWセンサ1−1のIDT11−1(あるいはIDT11−3)に接続される。そして、高周波スイッチ111の他方の入出力端子が位相・振幅検出回路106の入力端子へ接続される。高周波スイッチ111は、入力制御ロジック103の出力信号がHレベルの場合、高周波スイッチ105の出力信号をSAWセンサ1−1のIDT11−1等へ入力し、入力制御ロジック103の出力信号がLレベルの場合、SAWセンサ1−1のIDT11−1等からの出力信号を、位相・振幅検出回路106へ入力する。
図12(b)に示したように、反射型のSAWセンサ1−1の伝搬距離L2を、トランスバーサル型のSAWセンサ1の伝搬距離L1の半分に設定した場合、反射型もまったく同様でSAWの時間応答は図10のままである(したがって図12(a)のタイミングチャートに示したように出力タイミングは同一となる)。この場合、図10に示した伝搬応答が2.3μsのトランスバーサル型SAWセンサに対して伝搬時間を同等とするには、反射型では反射器により反射されて電極へ戻ることから伝搬距離はトランスバーサル型に対して半分に設定すればよい。弾性表面波の大きな特徴は遅延時間が数μsオーダーと駆動回路100aの内部回路の一般的な動作速度の数nsオーダーに比べはるかに遅い。したがって、図11に示したような構成によって適切なタイミングで高周波スイッチ111に制御信号を入力すればSAWセンサ1−1の入出力を容易に切り替えることが可能である。
なお、本発明の実施形態に係る構成は、上記に限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更をすることが可能である。例えば、第4実施形態で設けた複数チャネルの検出領域間の凸部材を、第2実施形態のSAWセンサに設けることも可能である。
1、1a、1−1、1−1a SAWセンサ
10 圧電素子基板
11 電極
12、12−1、12−2 反応領域薄膜
13、13−1 多孔性基材
13−1c、52 滴下領域
14−1、14−2 封止構造
51 滴下用多孔性基材
21−1、21−2、21−3、21−4、21−5 凸部材
22−1、22−2 反射器

Claims (4)

  1. 弾性表面波を伝播する圧電素子基板と、
    電気信号と前記弾性表面波との変換を行う電極と、
    前記弾性表面波の伝播路に配置され、検体である液体が導入される検出領域と、
    前記検出領域上に配置され、液体が浸潤する多孔性基材と、
    前記検出領域と前記多孔性基材とを、少なくとも前記多孔性基材に液体が浸潤していない状態で所定距離だけ離間させる凸部材と
    を備えることを特徴とする弾性表面波センサ。
  2. 前記検出領域を複数備え、
    前記凸部材を前記検出領域間に設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波センサ。
  3. 前記検出領域を挟んで前記電極に対向する位置に設けられた反射器を備え、
    前記多孔性基材が、前記反射器側の前記圧電素子基板端部近傍上に前記液体の滴下領域を有している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性表面波センサ。
  4. 前記多孔性基材が、前記液体を前記検出領域に導入する際に前記液体が滴下される滴下用多孔性基材に所定の押圧力によって接触されるものである
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の弾性表面波センサ。
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