JP2007093239A - Qcm分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、QCMセンサとして利用する水晶発振子の封止方法は、Oリング、接着剤、プラスチック板などを組合せて行っていたが、水晶発振子に大きな負荷がかかったり、表面に接着剤が盛り上がるなどの不安定要因が存在していた。このため、水晶発振子の両電極が短絡せず、かつ水晶発振子に余計な負荷を加えることなく安定して封止する封止方法がなかった。
【解決手段】 封止方法として、磁石による磁力の引張り力と弾性体による柔軟な支持により、水晶発振子に大きな負荷をかけずに、安定した発振が行えると同時に、抗原抗体反応の標識体として磁気粒子を用いる場合には、この磁力を利用して、磁気粒子を水晶発振子の電極表面へ引きつけて反応効率を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体中に存在する被測定試料を計測するQCM分析装置に関する。
従来から水晶発振子を利用して、その圧電効果から微量な物質を検出する技術(QCM)が知られている。水晶発振子は、その電極表面に物質が付着すると、その物質の重量に応じて共振周波数が変化する。これを利用すると、極めて微量な物質の重量を、この周波数変化から読み取ることができる。
これを利用した測定方法として、例えば特許文献1に記載のものがある。図7に、その構成を示す。この発振子バイオセンサは、水晶板6の表面と裏面に電極4を蒸着したものである。電極4の表面には、洗浄処理を行った後に、抗ヒト抗体を固定化する。それぞれの電極4は、リード7によってセル8の外部へ引き出され、引き出されたリード7は、発振回路110に接続される。さらに、発振回路110はカウンタ79に接続され、カウンタ79はコンピュータ100に接続される。コンピュータ100は、カウンタ79からのデータを収集する。この水晶板6は、セル8内に設けられており、セル8には、液を循環させるためのパイプ9が接続されている。このパイプ9から、被測定試料であるヒトIgGの混入した溶液を流すと、抗原抗体反応により電極4の抗ヒト抗体と反応する。この抗原抗体反応によって、電極4に被測定試料であるヒトIgGが付着すると、その付着した質量に応じて共振周波数が変化する。この変化が、Sauerbreyにより提案された理論式と一致することは、実験的に証明されている。コンピュータ100は、この理論式から電気的に得られた共振周波数を質量値に変換する。そして、どの程度の質量が付いたのかを判別するものである。
このように、溶液中においても水晶発振子をQCMセンサとして使用することができるが、このままでは、各々の電極4が短絡してしまい、これを防止する必要がある。特に導電性の溶液においては、水晶発振子自身による信号以外の成分が大きくなり、不安定な結果やノイズの多い結果となり、微量物質の測定は行えない。
これを防止する方法として特許文献3に記載されているOリングによって水晶発振子を挟む方法がある。図8(a)が平面図、図8(b)が正面断面図である。このように水晶板10をOリング50、52で挟みつけることで、水晶板10とOリング50、52との間に溶液が浸入することを防止する方法である。
図8(c)は、前述の構成に締付具を加えた構成を示している。上部締付具60は、Oリング50を保持し、下部締付具62は、Oリング52を保持する。こうすることで、電極14は密閉された空間に保持される。この容器に溶液を浸漬させると、電極12は溶液にさらされるが、電極14はさらされないため、電極12、14が短絡することを防ぐことができる。
また、短絡を防止する方法として特許文献2に記載のものがある。図9に特許文献2に記載されている短絡防止方法の構成図を示す。電極14側の水晶板10の面にシリコーンゴム82を接着剤84で接着し、シリコーンゴム82にはさらに接着剤86によりプラスチック板80が接着される。これにより、電極14は密閉された空間に保持される。よって、電極12と電極14は短絡しない。
さらに、短絡を防止する方法として特許文献3がある。図10に特許文献3に記載され
ている短絡防止方法の構成図を示す。図10(a)は平面図、図10(b)は正面断面図である。片面被覆材30は、電極14を覆い、片面被覆材30の内壁32は水晶板10の側面に接している。内壁32は表面10a側に延びている。この内壁32と表面10aとの間には封止材40が設けられている。なお、封止材40は内壁32と表面10aとに接着している。よって、電極12側には溶液があるが、電極14側には溶液が浸入しない。
特開昭63−11835号公報(図2(a)) 特開平10−38784号公報(図2) 特開2001−153777号公報(図1、図5)
しかしながら、上記の方法にはそれぞれ欠点がある。まず、Oリングで挟む方法は、溶液が浸入することを防止するために、Oリングで直接水晶発振子を挟むため、水晶発振子が発振しにくくなる。また、Oリングで強く挟む場合には、水晶発振子を破壊してしまう。逆に、Oリングで緩く挟む場合には、溶液が浸入する。このように、適正な力で挟むことが困難であり、水晶発振子を挟む力が不均一になりやすい。
シリコーンゴムとプラスチック板で電極を覆う方法も、水晶発振子が発振しにくくなるという欠点がある。シリコーンゴムを水晶発振子に接着するためには、接着部位が水晶発振子の中心によってしまい、水晶発振子の端部で固定した場合と比べると、水晶発振子の発振を妨げる。加えて、シリコーンゴムやプラスチックも振動させることになるため、その分余計に振動エネルギーが必要になる。製造という点においても、接着材の塗布位置が水晶発振子の表面に塗布するため、塗布の仕方で大きく特性が悪化する。製造毎のバラツキも大きくなるため、実用性にも欠ける。
水晶発振子の端部と内壁とを接着剤で固定する方法は、Oリングやシリコーンゴムとプラスチックによる封止方法の欠点を改善する方法ではあるが、接着剤で固定するという点においては、水晶発振子の発振を妨げることになる。また、溶液を流すような場合には、内壁と発振子との間に空所が生じ、空所は泡を保持するため、水晶発振子の発振が不安定になる。さらに、水晶発振子の表面に接着剤が塗布されるため、発振子の端部において盛り上がりを生じる。このような接着剤の盛り上がりは、水晶発振子の固定を不均一にする。さらに、水晶発振子の表面に、多孔質メンブレンを利用する場合には、これと水晶発振子との接触の妨げになって、溶液反応の効率を減少させる結果となる。
そこで、本発明は、水晶発振子の発振を妨げることなく、電極間の短絡を防止し、多孔質メンブレンを利用する場合でも、溶液反応効率を妨げないQCMセンサを提供することを課題とする。
そこで本発明のQCM分析装置は、以下に示す構成を採用する。
表面と裏面とを有する水晶板と、水晶板の表面と裏面に設けられた電極とを有する水晶発振子を有し、抗原抗体反応によって電極に吸着した被測定試料を分析するQCM分析装置であって、水晶板を保持する封止材と、封止材を保持する基板と、水晶発振子を封止材に引きつける引張り手段を有することを特徴とする。
また、封止材は弾性体であることが好ましい。
また、電極の材質は磁性材料を含むことが好ましく、特にニッケルであることが好ましい。
また、引張り手段は磁石による磁力を利用することが好ましい。
また、抗原抗体反応は、被測定試料に対する抗体又は抗原を電極の一方と、磁気粒子に固定化し、被測定試料を電極の一方と磁気粒子の両方に吸着させる反応であることが好ましい。
また、磁石による磁力は電極と磁気粒子の両方に作用することが好ましい。
また、基板はフローセル内に配置されることが好ましい。
また、フローセルは被測定試料を含む溶液を流すための多孔質メンブレンを有することが好ましい。
本発明のQCM分析装置においては、下記に記載する効果を有する。
水晶発振子を、弾性体で保持することによって安定した発振を行うことができる。
水晶発振子の封止方法として、引張り力を使うことで、従来のような両面圧着や接着剤による封止方法を使用する必要がなくなり、発振を妨げる要因を減少させることができる。
引張り力で封止することにより、水晶発振子表面に接着剤の盛り上がりやOリングが配置されることを回避し、溶液中での不安定要因を排除することができる。
抗原抗体反応に磁気粒子を利用する場合、磁石による磁力は、電極を基板へ引きつける引張り力として働くとともに、磁気粒子を電極へ引きつける引張り力としても働き、安定して封止するだけでなく、より多くの被測定試料を電極へ反応させる効果を兼ねることができる。
水晶発振子へ溶液を誘導する多孔質メンブレンを利用する場合でも、封止方法として接着剤やOリングを使用していないため、水晶発振子表面に接着剤やOリングによる盛り上がりがなくなり、水晶発振子と多孔質メンレブンが密着されて、効率良く抗原抗体反応が行われる。
以下図面を用いて本発明を利用したQCM装置の最適な実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照数字及び記号は同じ又は同様の構成要素を指すものとする。
(第一の実施形態)
図1は本発明の実施の形態にかかるQCM分析装置内に配置されたQCMセンサ111を示す図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)に示す線A−Aに沿う断面図であり、図1(c)は図1(a)に示すB−B線に沿う断面図である。水晶板10は、表面、裏面を有しており、表面と裏面には、それぞれ電極12、電極14が蒸着されている。このような構成の水晶板10を水晶発振子1という。水晶発振子1は、ATカット発振子が好ましく、その温度特性は特に優れている。図1(a)に示すように電極
12、電極14にはそれぞれリード電極2、リード電極3が設けられている。電極12、電極14は、金属の薄い層から構成され、金・クロムや金・ニッケルなどで構成される。好ましくは、電極12、電極14は金・ニッケルで構成される。ニッケルは強磁性体であり、磁化しやすい。クロムも磁性体であり磁化することができるが、ニッケルの磁化率の方が高いため、磁化しやすい。水晶板10の厚さにおいて、その厚さは薄いほど共振周波数を高くすることができるが、薄すぎるために水晶板10が破損したり、不安定な発振をする場合がある。このため、本発明の実施形態においては、40μmの厚さの発振子を採用している。その基本共振周波数は、38MHzであり、安定に発振する。
水晶発振子1は、基板72の上面に配置される。図1(b)のように、基板72の上面と対向する電極を電極14、もう一方の電極を電極12とする。リード電極2、3は、それぞれ外部端子と電気的に接続するために設けられている。図1(b)及び図1(c)に示すように、リード電極2は、水晶板10の表面から端部へ至り、側面を通って下へ延び、そのまま裏面へと続いている。リード電極3は、水晶板10の裏面のみに配置され、水晶板10の端部までは至らない。図1(c)に示すように、基板72には、これらリード電極2、3と電気的に接続するための内部配線71、69が作られており、少量の導電接着剤68により接続される。内部配線69、71は基板72の内部を通り、基板72の下面に続いている。基板72の下面には、この内部配線69、71とを、外部へ接続するための外部端子74、67が配置されており、内部配線69、71と電気的に接続されている。この外部端子67、74に外部から交流電圧を印加することにより、水晶板10を振動させることができる。
続いて、水晶発振子1の封止方法について図1を用いて説明する。基板72には、あらかじめ弾性体70を配置しておく。弾性体70は、好ましくは、シリコーン樹脂が適しており、図1(a)に示すように、水晶板10の外周と同程度の枠で配置される。さらに、その厚さは、電極14の厚みよりも大きく、水晶板10の厚さ(40μm)程度が好ましい。また、弾性体70は、電極14に触れることがあってはいけないため、電極14の端部から300μm以上離して配置することが好ましい。弾性体70が直接電極14に接触すると、その接触により共振周波数が大きく変化してしまう。この弾性体70に水晶発振子1をのせると、支持体となる弾性体70が、水晶発振子1の振動を大きく阻害することなく柔軟に支持するため、安定した発振を行うことができる。ただし、弾性体70に水晶発振子1をのせただけでは、弾性体70と水晶発振子1との間に隙間が存在してしまう。この隙間が存在すると、溶液に浸漬させた場合に、弾性体70と水晶発振子1との間に溶液が浸入する。この場合、水晶発振子1の電極12と電極14とが、溶液を通じて導通し、電極同士が短絡する。このような状況では、水晶発振子1の本来の特性よりも、短絡成分による影響が大きくなり、安定した発振が得られなくなる。
そこで、本発明の実施形態においては、磁石73による磁力を用いた引張り手段によって、弾性体70と水晶発振子1の隙間に溶液が侵入することを防いでいる。図1(b)に示すとおり、磁石73は基盤に72下部に配置されている。この引張り手段は、電極14の電極材料に強磁性体が含まれていることを利用し、磁石73で電極14を基板72へ引きつける手段である。この磁石73の引張り力(磁力)により、電極14、即ち、水晶発振子1は、基板72へ引きつけられ、弾性体70との隙間を塞ぐ。この際に、水晶発振子1に物理的な力が加わるが、弾性体70によりその外周部を柔軟に固定されるため、水晶発振子1への応力を緩和させることができる。これにより、溶液浸入による電極短絡を防ぐとともに、安定した発振を達成する。
次に、図2を用いて、QCMセンサ111の作成方法を説明する。なお、図2中において、内部配線69と外部端子67は記載されていないが、図1(c)に示すように配置されている。図2(a)に示すように、まずは内部配線69、71が作成された基板72を
作成する。このときに、外部端子67、74を内部配線69、71に接続しておく。基板72は、熱、湿度などにより歪むことのない材質のものが選択される。好ましくは、ガラス・エポキシ基板により構成される。次の作成工程は、図2(b)に示すように、水晶発振子1が配置される位置に、マスクシール76を貼り付ける。そして、そのマスクシール76の上から、撥水剤75が塗布される。この撥水剤75は、QCMセンサ111が溶液に浸漬される際に、溶液中の被測定試料が、水晶発振子1以外の部分に吸着してしまうことを避けるために塗布する。次の作成工程は、図2(c)に示すように、初めに貼り付けたマスクシール76を剥がす。これにより、水晶発振子1が配置される部分以外は、撥水性になり、被測定試料の吸着を防ぐことができる。次の作成工程は、図2(d)に示すように、弾性体70を配置する。弾性体70の材質、配置方法については、先に説明した通りである。次の作成工程は、図2(e)に示すように、内部配線69、71の上面側に、少量の導電接着剤68を塗布する。この導電接着剤68を塗布後、即ち導電接着剤68が硬化する前に、水晶発振子1のリード電極2、3が内部配線69、71に対向するようにのせる。この状態は、導電接着剤68により、リード電極2、3がそれぞれ内部配線71、内部配線69と導通している。ただし、上からのせただけなので、水晶発振子1と弾性体70との隙間は存在している。次の作成工程は、図2(f)に示すように、磁石73を基板72の下面に貼り付ける。磁石73は、外部端子67、74に接触する部分のみに、穴があいている。ここで、磁石73が基板72の下面に貼り付けられると、水晶発振子1が基板72の上面へ引きつけられて、水晶発振子1と弾性体70との隙間が塞がる。以上のような作成工程により、QCMセンサ111は作成される。
ここからは、水晶発振子1を利用して、抗原抗体反応を行う仕組みについて説明する。水晶発振子1を用いて抗原又は抗体を測定する基本的な方法としては、水晶発振子1の電極12上に、抗原又は抗体に特異的に結合する物質を吸着もしくは結合させておき、目的とする抗原又は抗体をその特異的結合体により補足し、生じる周波数変化から目的成分量を求めるものである。実際には、この抗原抗体反応だけでは十分な検出感度が得られないため、一般的には次に説明するような方法により目的成分量を求める。第一の方法は、水晶発振子1の電極12に結合した、目的成分に特異的に結合する物質と目的成分とを結合させた後、この結合物と標識物質の結合した目的成分に結合する第二物質とを反応させ、間接的に電極12に結合した標識物質量を測定する方法(サンドイッチ法)である。第二の方法は、水晶発振子1の電極12と結合した、目的成分に特異的に結合する物質に、標準物質の結合した目的成分とを競合させて結合させ、間接的に電極12に結合した標識物質量を測定する方法(競合法)である。このような方法により、微量な目的成分を、それよりも大きな標識物質として測定できるため、検出感度をあげることができる。目的成分に特異的に結合する物質としては、目的成分に特異的に結合する物質であればどのようなものでもよく、例えば目的成分が抗原である場合には、その抗原の抗体であるし、目的成分が抗体である場合には、その抗体に対する抗原である。目的物質がIgGの場合にはプロテインAやプロテインGなどがあげられる。
ここで、標識物質を磁性粒子とし、かつ競合法を利用した場合について、その仕組みを説明する。図4(a)に示すように、標識物質である磁性粒子103には、抗原104と特異的に結合する抗体105が結合している。磁性粒子103としては、フェライトやマグネタイトなどの粒子が一般に用いられる。また、競合法より、この結合体と抗原104はあらかじめ結合させておく。この磁性粒子103と抗原104と抗体105が一体となった結合体を磁性結合体とする。水晶発振子1の電極12上には、抗原104と特異的に結合する第二抗体が結合されている。このような状況において、磁性結合体を含む溶液を、図4(a)のように流すと、図4(b)のように磁性結合体の抗原104と第二抗体102が吸着する。また、QCMセンサ111の基板72の下面には、磁石73が結合されており、図4(b)の矢印に示すような磁力90が働く。これにより、抗原抗体反応の吸着だけではなく、磁力90によっても磁性結合体が引きつけられるため、検出感度をあげ
ることができる。このように、磁石90は、水晶発振子1と弾性体70との隙間を塞ぐだけでなく、磁性粒子103を引きつける効果もある。
目的成分の吸着による周波数変化と目的成分の質量とには相関があり、以下のSauerbreyの式1によって表すことができる。
ΔF=−2×Fre×Δm/(A×√(μ×ρ))(式1)
ここで、Freは目的物質吸着前の基本共振周波数、Aは電極の面積、μは水晶発振子のせん断弾性係数、ρは水晶発振子の密度、ΔFは重量付加による周波数変化、Δmは重量変化である。この式1をΔmについて解けば、電極12上に吸着した目的成分の質量を求めることができる。
以下に本発明の第一の実施形態における構成を説明する。図3は、本発明のQCMセンサ111をフローセル101に内蔵した構成を示している。フローセル101の内部は撥水処理が施されており、溶液中の被測定試料が、電極12以外に付着しないような構成になっている。試料容器91は、溶液を流す際の入り口となり、シリンジポンプ115は、その溶液を引き抜くために用意されている。試料容器91、シリンジポンプ115には、それぞれチューブ113、114が接続され、溶液がフローされる。ソケット78は、QCMセンサ111の外部端子74と接続され、発振回路110による交流電圧を水晶発振子1に印加する。これにより、水晶発振子1は、固有共振周波数で振動する。フローセル101内の底面には、磁石77が配置されており、QCMセンサ111の基板72下面に配置されている磁石73と引きつけあう。このように、磁石73は、外部セルに組み込む際においても、安定してセルに固定することができる。発振回路110からの共振周波数は、カウンタ79によりカウントされ、コンピュータ100により解析され、溶液中の被測定試料の質量などを表示する。
次に本発明の第一の実施形態における測定方法を説明する。まず、図3の水晶板10の電極12上に、目的成分に特異的に結合する抗体又は抗原を結合させておく。抗原抗体反応に関しては、競合法による測定方法について説明する。即ち、フローセル101に流す被測定溶液として、目的成分と目的成分に特異的に結合する抗原又は抗体が結合された磁性粒子とを結合させた磁性結合体と、緩衝液とを、よく攪拌させた溶液を作成しておく。この被測定溶液は、水性媒体として緩衝液が使用される。緩衝液に用いる緩衝剤は緩衝能を有するものならば特に限定されない。緩衝液として、好ましくはPBSを用いる。次に、図3において、試料容器91に磁性結合体を含んでいないPBSのみを添加する。図5に、測定中に水晶発振子1の共振周波数がどのように変化するかを示す。横軸は、経過時間で、時間0から共振周波数測定を開始し、PBSを添加する以前は、水晶発振子1は、空気中での共振周波数F0で発振している。PBSを添加した時間がT1を示している。このとき、空気中での共振周波数F0は、ΔF0減少し、T1時間において、共振周波数F1に変化し安定する。これは、PBSの溶液の粘度、圧力によって共振周波数が減少するために起こる。続いて、共振周波数がF1で安定した後、試料容器91に磁性結合体を含んだ被測定溶液を添加する。磁性結合体を含んだ被測定溶液は、フローセル101内を移動し、この磁性結合体を検出部位である水晶発振子1の電極12上に結合された抗原または抗体に供給する。基板72の下面には、磁石73が配置されているため、磁性結合体は、電極12へ引き寄せられる。図5に示すように、被測定溶液を添加する直前T2時間の共振周波数F1は、T3時間のF2へと減少して安定する。このときに、共振周波数はΔF1減少したことになる。このΔF1は、磁性結合体が電極12上に間接的に吸着したことを意味し、式1のΔFに代入することで、Δm(質量)として求められる。これら共振周波数の変化は、発振回路110、カウンタ79を介して、コンピュータ100により解析される。
(第二の実施形態)
以下、第二の実施形態について説明する。なお、第一の実施形態と同じ構成には、同一番号を付け、その説明を省略する。まず、図6を用いて、本発明の第二の実施形態における構成を説明する。メンブレン型フローセル112は、試料保持メンブレン107と、通液メンレブン81と、反応空間200と、第二の通液メンブレン201と、吸収メンブレン106と、QCMセンサ111とを有している。試料保持メンブレン107、通液メンブレン81、201は、多孔質メンブレンであり、被測定物、標識体が吸着せずに流れるものであれば特に制限はない。部材としては、ガラス繊維、ニトロセルロース、各種のクロマトグラフィー用紙がある。メンブレン型フローセル112の内部は、第一の実施形態と同様に、撥水処理が施されている。吸収メンブレン106は、反応液、廃液を吸収でき、メンブレン型フローセル112内に配置できれば、特に制限はない。部材としては吸水性高分子化合物を使用することができ、セルロース、グラスファイバー、コットン、ポリウレタンなどがあげられる。QCMセンサ111は、磁石73により、メンブレン型フローセル112内の磁石77と引きつけあって結合している。このような構成により、第一の実施形態において必要であったシリンジポンプ115や、試料容器91が必要なくなり、小型化が可能になる。
次に本発明の第二の実施形態における測定方法を説明する。まず、図6の水晶板10の電極12上に、目的成分に特異的に結合する抗体又は抗原を結合させておく。抗原抗体反応に関しては、競合法による測定方法について説明する。即ち、フローセルに流す被測定溶液として、目的成分と目的成分に特異的に結合する抗原又は抗体が結合された磁性粒子とを結合させた磁性結合体と、緩衝液とを、よく攪拌させた溶液を作成しておく。緩衝液として、好ましくはPBSを用いる。次に、図6において、試料保持メンレブン107に磁性結合体を含んでいないPBSのみを添加する。図5に、共振周波数と経過時間に関するグラフを示す。PBSを添加した時間がT1を示している。このとき、空気中での共振周波数F0は、ΔF0減少し、T1時間において、共振周波数F1に変化し安定する。続いて、共振周波数がF1で安定した後、試料保持メンブレン107に磁性結合体を含んだ被測定溶液を添加する。磁性結合体を含んだ被測定溶液は、通液メンブレン81内を移動し、反応空間200に達し、磁性結合体を検出部位である水晶発振子1の電極12上に結合された抗原または抗体に供給する。基板72の下面には、磁石73が配置されているため、磁性結合体は、電極12へ引き寄せられる。反応空間200を通過したPBS及び被測定溶液は、通液メンブレン201内を移動し、吸収メンブレン106に吸収される。図5に示すように、被測定溶液を添加する直前T2時間の共振周波数F1は、T3時間のF2へと減少して安定する。このときに、共振周波数はΔF1減少したことになる。このΔF1は、磁性結合体が電極12上に間接的に吸着したことを意味し、式1のΔFに代入することで、Δm(質量)として求められる。これら共振周波数の変化は、発振回路110、カウンタ79を介して、コンピュータ100により解析される。
このように、フローセル内の流路を多孔質メンブレンによって構成することにより、小型化と構成の単純化を可能にし、使用者に使いやすい構成とすることができる。また、これに加えて磁石73を利用することで、高効率で正確な測定結果を求めることができるようになる。
本発明のQCM分析装置内に配置されたQCMセンサにおける構成図を示しており、(a)が平面図、(b)が(a)のA−A間で切断した断面図、(c)は(a)のB−B間で切断した断面図である。 本発明のQCM分析装置内に配置されたQCMセンサを作成するための作成工程を示しており、(a)〜(f)は、それぞれ第一〜第六の作成工程である。 本発明のQCM分析装置における第一の実施形態を示す構成図である。 本発明のQCM分析装置において、磁気粒子と磁石を利用した抗原抗体反応を説明する図であり、(a)は反応直前の状態、(b)が反応中の状態である。 本発明のQCM分析装置において、共振周波数の変化と経過時間との関係を示すグラフである。 本発明のQCM分析装置における第二の実施形態を示す構成図である。 従来例におけるQCMセンサの流路適用例の構成図である。 従来例におけるOリングを利用したQCMセンサの構成図であり、(a)が平面図、(b)が断面図、(c)が封止例の断面図である。 従来例におけるQCMセンサの断面図である。 従来例における弾性接着剤を利用したQCMセンサの構成図であり、(a)が平面図、(b)が断面図である。
符号の説明
1 水晶発振子
2、3 リード電極
10 水晶板
12、14 電極
70 弾性体
72 基板
73、77 磁石
79 カウンタ
81 通液メンブレン
90 磁力
91 試料容器
100 コンピュータ
101 フローセル
102、105 抗体
103 磁性粒子
104 抗原
106 吸収メンブレン
107 試料保持メンブレン
110 発振回路
111 QCMセンサ
112 メンブレン型フローセル
113、114 チューブ
115 シリンジポンプ

Claims (9)

  1. 表面と裏面とを有する水晶板と、該水晶板の表面と裏面に設けられた電極とを有する水晶発振子を有し、抗原抗体反応によって前記電極に吸着した被測定試料を分析するQCM分析装置であって、
    前記水晶板を保持する封止材と、該封止材を保持する基板と、前記水晶発振子を前記封止材に引きつける引張り手段とを有するQCM分析装置。
  2. 前記封止材は、弾性体であることを特徴とする請求項1に記載のQCM分析装置。
  3. 前記電極の材質は、磁性材料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のQCM分析装置。
  4. 前記電極の材質は、ニッケルを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  5. 前記引張り手段は、磁石による磁力を利用していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  6. 前記抗原抗体反応は、被測定試料に対する抗体又は抗原を前記電極の一方と、磁気粒子に固定化し、前記被測定試料を前記電極の一方と前記磁気粒子の両方に吸着させる反応であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  7. 前記磁石による磁力は、前記電極と前記磁気粒子の両方に作用することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のQCM分析装置。
  8. 前記基板は、フローセル内に配置されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  9. 前記フローセルは、被測定試料を含む溶液を流すための多孔質メンブレンを有することを特徴とする請求項8に記載のQCM分析装置。
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