JP6604602B2 - 弾性表面波センサ - Google Patents
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Description
一般に、弾性表面波センサは、圧電性基板上に形成された1対の櫛形電極(IDT(Inter Digital Transducer))と、その1対の櫛形電極の間に形成され、検体である液体(以下、「検体」という。)が滴下される検出領域とを備えている。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るSAWセンサ1(弾性表面波センサ)の概略的な模式図である。図1(a)は、SAWセンサ1の概略的な上面図である。また、図1(b)はSAWセンサ1を切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図1(c)はSAWセンサ1を切断面Bから見た概略的な断面図である。
櫛形電極11−1及び櫛形電極11−2は、送信側電極部を構成する櫛形電極である。櫛形電極11−1は、送信電極11−1a及び送信電極11−1bを有する。送信電極11−1a及び送信電極11−1bは、電気信号とSAWとの変換を行う電極である。櫛形電極11−2は、送信電極11−2a及び送信電極11−2bを有する。送信電極11−2a及び送信電極11−2bは、電気信号とSAWとの変換を行う電極である。なお、上述した電気信号とSAWとの変換は双方向で可能である。
凸部材20−1〜20−3(総称して凸部20Aと呼ぶ)の各々は、所定の間隔毎に配置されている。凸部20Aは、反応領域薄膜13−1の外側(+Y方向側)に配置されている。
凸部材20−4〜20−6(総称して凸部20Bと呼ぶ)の各々は、所定の間隔毎に配置されている。凸部20Bは、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。
凸部材20−7〜20−9(総称して凸部20Cと呼ぶ)の各々は、所定の間隔毎に配置されている。凸部20Cは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。すなわち、凸部材20は、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2とが対向している間、及び反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との対向する辺の外側にそれぞれ設けられている。上記所定の間隔とは、表面張力により検体が凸部材20の各々の上面で結合しない間隔である。すなわち、上記凸部材20は、伝搬方向にストライプ状に延在している。
図2(c)は、本実施形態のSAWセンサ1の反応領域薄膜13へ検体を滴下したときの例を示す図である。
凸部材200−1は、反応領域薄膜13−1の外側(+Y方向側)に配置されている。凸部材200−2は、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。凸部材200−3は、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。例えば、測定者は検体Aをマイクロピペット等で反応領域薄膜13−1に滴下する。また、例えば、測定者は検体Aとは異なる検体Bをマイクロピペット等で反応領域薄膜13−2に滴下する。すると、検体A、Bの液面は、毛細管現象により上昇し、凸部材200−2の上面で結合する。これより、従来のSAWセンサは、反応領域薄膜13毎に検体を一定に保つことができない。
凸部材200−1〜200−3は、反応領域薄膜13−1の外側(+Y方向側)に配置されている。凸部材200−4〜200−6は、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。凸部材200−7〜200−9は、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。すなわち、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間及び反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との外側に樹脂で形成された複数の凸部材が設けられている。例えば、測定者は検体Aをマイクロピペット等で反応領域薄膜13−1に滴下する。また、例えば、測定者は検体Aとは異なる検体Bをマイクロピペット等で反応領域薄膜13−2に滴下する。すると、図2(a)に示したSAWセンサよりも反応領域薄膜13毎に検体を保持することができる。しかしながら、検体A、Bの液面は、毛細管現象により上昇し、凸部材200−4〜200−6の上面で結合する。これより、従来のSAWセンサは、反応領域薄膜13毎に検体を一定に保つことができない。
以下、図面を参照して第2実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係るSAWセンサ1aの概略的な模式図である。図3(a)は、SAWセンサ1aの概略的な上面図であり、図3(b)はSAWセンサ1aを切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図3(c)はSAWセンサ1aを切断面Bから見た概略的な断面図である。なお、図3において図1に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
凸部材20a−1〜20a−3(総称して凸部20Aaと呼ぶ)の各々は、台部14−1の上面に設置され、所定の間隔毎に配置されている。台部14−1の上面に設置された凸部20Aaは、反応領域薄膜13−1の外側(+Y方向側)に配置されている。
凸部材20a−7〜20a−9(総称して凸部20Caと呼ぶ)の各々は、台部14−3の上面に設置され、所定の間隔毎に配置されている。台部14−3の上面に設置された凸部20Caは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。すなわち、凸部材20aは、台部14の上面に設置され、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2とが対向している間、及び反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との対向する辺の外側にそれぞれ設けられている。上記所定の間隔とは、表面張力により検体が凸部材20の各々の上面で結合しない間隔である。すなわち、上記凸部材20aは、伝搬方向にストライプ状に延在している。
図5は、第3実施形態に係るSAWセンサ1bの概略的な模式図である。図5(a)は、SAWセンサ1bの概略的な上面図であり、図5(b)はSAWセンサ1bを切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図5(c)はSAWセンサ1bを切断面Bから見た概略的な断面図である。
凸部20Baの各々は、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。
凸部20Caの各々は、台部14bの上面に設置され、所定の間隔毎に配置されている。凸部20Caは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。すなわち、凸部材20aは、台部14bの上面に設置され、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2とが対向している間、及び反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との対向する辺の外側にそれぞれ設けられている。上記所定の間隔とは、表面張力により検体が凸部材20の各々の上面で結合しない間隔である。すなわち、上記凸部材20aは、伝搬方向にストライプ状に延在している。
図6は、第4実施形態に係るSAWセンサ1−1の概略的な模式図である。図6(a)は、SAWセンサ1−1の概略的な上面図であり、図6(b)はSAWセンサ1−1を切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図6(c)はSAWセンサ1−1を切断面Bから見た概略的な断面図である。なお、図6において図1に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
図7は、第5実施形態に係るSAWセンサ1a−1の概略的な模式図である。図7(a)は、SAWセンサ1a−1の概略的な上面図であり、図7(b)はSAWセンサ1a−1を切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図7(c)はSAWセンサ1a−1を切断面Bから見た概略的な断面図である。なお、図7において、図2に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
次に、図8を参照して、第1実施形態のSAWセンサ1の各1チャネル分のセンサの駆動及び検出のための回路(以下、「駆動回路」という。)の構成例について説明する。なお、第2実施形態及び第3実施形態のSAWセンサの駆動回路は、第1実施形態のSAWセンサの駆動回路と同様であるため、説明を省略する。
弾性波検出器103は、分配器102で分配された高周波発振信号と、櫛形電極11−3(又は11−4)により受信された弾性表面波に基づく信号との振幅比、位相差すなわち伝搬遅延差を検出し、検出した振幅比、位相差すなわち伝搬遅延差に基づく信号を処理部104に出力する。
処理部104は、弾性波検出器103から供給される信号に基づき、被測定物の物理的特性を求める。なお、物理的特性とは、例えば、被測定物の粘度、密度等である。処理部104は、例えば、反応領域薄膜13に何も滴下されていない状態で、供給された信号の振幅変化、位相変化を求める。反応領域薄膜13に何も滴下しない場合、被測定物は空気である。次に、反応領域薄膜13に被測定物が滴下されている状態で、供給された信号の振幅変化、位相変化を求める。処理部104は、この2つの測定データを算出することで、滴下された被測定物の粘度や密度等を求める。
次に、図9を参照して、第4実施形態のSAWセンサの駆動回路の構成例について説明する。なお、第5実施形態のSAWセンサの駆動回路は、第4実施形態のSAWセンサの駆動回路と同様であるため、説明を省略する。
図10(a)は、凸部の形状が水玉模様である場合を示す。図10(b)は、凸部の形状が市松模様である場合を示す。図10(c)は、凸部の形状が波線模様である場合を示す。図10に示すように、上述した実施形態の凸部の形状を、水玉模様、市松模様又は波線模様としても、凸部の形状をストライプ状とした場合と同様の効果を得ることができる。なお、凸部は、図10に示す変形例の他に、例えばマーブルパタ−ン、ブロック状パタ−ンなど、種々のパタ−ンに自由に成形できる。
また、上述した実施形態において、凸部材の各々の構造は、四角形としたがこれに限定されない。例えば、凸部材の上面が所定の深さの溝を1つ以上有していてもよい。その場合、凸部は、1つの凸部材で構成されてもよい。
10 圧電素子基板
11 櫛形電極
13 反応領域薄膜
14、14b 台部
20、20a 凸部材
30 反射器
100、200 駆動回路
Claims (3)
- 弾性表面波を伝搬する圧電素子基板と、
電気信号と前記弾性表面波との変換を行う電極と、前記弾性表面波の伝搬路に配置され、検体である液体が導入される複数の検出領域とを有するチャンネルが伝搬方向の垂直方向に複数設けられ、隣接する前記検出領域に対向する凸部材と、
を有し、
前記凸部材は、金であることを特徴とする弾性表面波センサ。 - 前記検出領域の外側に前記凸部材をさらに設ける請求項1に記載の弾性表面波センサ。
- 前記凸部材が上面に設置される台部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の弾性表面波センサ。
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