JP6492376B2 - 弾性表面波センサ - Google Patents
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Description
一般に、弾性表面波センサは、圧電性基板上に形成された1対の櫛形電極(IDT(Inter Digital Transducer))と、その1対の櫛形電極の間に形成され、検体である液体が滴下される検出領域とを備えている。
また、各検出領域に個別にバイオ膜を溶液により形成する場合にも、異なる検出領域に流れてしまい、各検出領域に個別にバイオ膜を形成できない場合があった。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るSAWセンサ1の概略的な模式図である。図1(a)は、SAWセンサ1の概略的な上面図であり、図1(b)はSAWセンサ1を切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図1(c)はSAWセンサ1を切断面Bから見た概略的な断面図である。
櫛形電極11−1及び櫛形電極11−2は、送信側電極部を構成する櫛歯状のパターンにより形成された金属電極である。櫛形電極11−1は、送信電極11−1a及び送信電極11−1bを有する。送信電極11−1a及び送信電極11−1bは、電気信号とSAWとの変換を行う電極である。櫛形電極11−2は、送信電極11−2a及び送信電極11−2bを有する。送信電極11−2a及び送信電極11−2bは、電気信号とSAWとの変換を行う電極である。なお、上述した電気信号とSAWとの変換は双方向で可能である。
圧電素子基板10と反応領域薄膜13との重なる部分が、検体である液体が導入される検出領域(センサ表面となる領域)となる。上述したように、本願では反応領域薄膜13と反応領域薄膜13上に固定されたバイオ膜とから検出領域が構成されているものとする。この検出領域は、SAWの伝播路に配置され、検体である液体が導入される。
送信電極部側の封止構造14−1は、封止壁14−1aと封止天井14−1bとを備えている。なお、封止壁14−1aと封止天井14−1bとの間には両者を接着するための接着層が設けられるが、図1においては省略している。
また、封止天井14−1bは、封止壁14−1aの上側を塞ぎ、櫛形電極11−1及び櫛形電極11−2を外部から密閉するための天井である。封止天井14−1bは、封止天井14−1bの平面領域内に封止壁14−1aが収まるように封止壁14−1aの上側に配置される。封止天井14−1bは、例えばガラス基板で構成される。なお、封止壁14−1aと封止天井14−1bとの間には、不図示の接着層が設けられ、封止壁14−1aと封止天井14−1bとの間を密封して接着する。
図3(b)は、SAWセンサ1の反応領域薄膜13へ検体液を滴下したときの一例を示す図である。
以下、図面を参照して第2実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係るSAWセンサ1aの概略的な模式図である。図4(a)は、SAWセンサ1aの概略的な上面図であり、図4(b)はSAWセンサ1aを切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図4(c)はSAWセンサ1aを切断面Cから見た概略的な断面図である。なお、図4において図1に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
凸部材21は、第1実施形態の凸部材21の+X方向(弾性表面波の伝搬方向)の長さを封止構造14の下部まで伸長したものである。
凸部材21−3及び凸部材21−4(総称して凸部21Bと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。凸部21Bは、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。また、凸部21Bの各々は、封止壁14−1a及び封止壁14−2aに垂直に交わっている。
凸部材21−5及び凸部材21−6(総称して凸部21Cと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。また、凸部21Cは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。また、凸部21Cの各々は、封止壁14−1a及び封止壁14−2aに垂直に交わっている。
図5は、第3実施形態に係るSAWセンサ1−1の概略的な模式図である。図5(a)は、SAWセンサ1−1の概略的な上面図であり、図5(b)はSAWセンサ1−1を切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図5(c)はSAWセンサ1−1を切断面Bから見た概略的な断面図である。なお、図5において図1又は図4に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
以下、図面を参照して第4実施形態について説明する。図6は、本実施形態に係るSAWセンサ1−1aの概略的な模式図である。図6(a)は、SAWセンサ1−1aの概略的な上面図であり、図6(b)はSAWセンサ1−1aを切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図6(c)はSAWセンサ1−1aを切断面Cから見た概略的な断面図である。なお、図6において図5に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
凸部材22は、第3実施形態の凸部材20の長さを封止構造14−1の下部まで伸長したものである。
凸部材22−3及び凸部材22−4(総称して凸部22Bと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。また、凸部22Bは、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。また、凸部22Bの各々は、封止壁14−1aに垂直に交わっている。
凸部材22−5及び凸部材22−6(総称して凸部22Cと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。また、凸部22Cは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。また、凸部22Cの各々は、封止壁14−1aに垂直に交わっている。
以下、図面を参照して第5実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係るSAWセンサ1−1bの概略的な模式図である。図7(a)は、SAWセンサ1−1bの概略的な上面図であり、図7(b)はSAWセンサ1−1bを切断面Aから見た概略的な断面図である。また、図7(c)はSAWセンサ1−1cを切断面Cから見た概略的な断面図である。なお、図7において図5に示したものと同一の構成には同一の符号を付け説明を省略する。
凸部材23−3及び凸部材23−4(総称して凸部23Bと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。また、凸部23Bは、反応領域薄膜13−1と反応領域薄膜13−2との間に配置されている。また、凸部材23−3及び凸部材23−4は、一方が封止壁14−1aに垂直に交わっている。凸部材23−3は、他方が壁部40−1に接続されている。凸部材23−4は、他方が壁部40−2に接続されている。
凸部材23−5及び凸部材23−6(総称して凸部23Cと呼ぶ)は、互いに交わらずに、間隔が反応領域薄膜13の距離dの10分の1以下の長さである。また、凸部23Cは、反応領域薄膜13−2の外側(−Y方向側)に配置されている。凸部23Cの各々は、一方が封止壁14−1aに垂直に交わっており、他方が壁部40−2に接続されている。
次に、図8を参照して、第1実施形態のSAWセンサ1−1及び第2実施形態のSAWセンサ1−1の各1チャネル分のセンサの駆動及び検出のための回路(以下、「駆動回路」という。)の構成例について説明する。
弾性波検出器103は、分配器102で分配された高周波発振信号と、櫛形電極11−3(又は11−4)により受信された弾性表面波に基づく信号との振幅比、位相差及び伝搬遅延差を検出し、検出した振幅比、位相差及び伝搬遅延差に基づく信号を処理部104に出力する。
処理部104は、弾性波検出器103から供給される信号に基づき、被測定物の物理的特性を求める。なお、物理的特性とは、例えば、被測定物の粘度、密度等である。処理部104は、例えば、反応領域薄膜13に何も滴下されていない状態で、供給された信号の振幅変化、位相変化を求める。反応領域薄膜13に何も滴下しない場合、被測定物は空気である。次に、反応領域薄膜13に被測定物が滴下されている状態で、供給された信号の振幅変化、位相変化を求める。処理部104は、この2つの測定データの算出することで、滴下された被測定物の粘度や密度等を算出する。
SAWセンサ1の測定者は、SAWセンサ1の反応領域薄膜13−1、13−2に被測定物を滴下する。この場合、櫛形電極11−1、11−2は、封止構造14によって密閉されているため、櫛形電極11−1、11−2に被測定物が付着することで測定精度が低下する事態を回避することができる。なお、被測定物としては、液体状のものであれば、例えば、純液、混合液のいずれであってもよく、メタノール、エタノール等のアルコールの物理的特性を測定する場合に特に有効である。また、被測定物に抗原、抗体、バクテリア等が含まれる状態においても、物理的特性を測定できることは言うまでもない。
櫛形電極11−1、11−2は、供給された高周波発振信号に基づいて励振して弾性波を発生させる。ここで、櫛形電極11−1により発生された弾性波は、圧電素子基板10の表層部分を伝搬し、被測定物が滴下された反応領域薄膜13−1に沿って矢印X方向に伝搬する。そして、櫛形電極11−3は、弾性波を受信し、受信した弾性波を弾性表面波信号に変換する。
次に、図9を参照して、第3実施形態、第4実施形態及び第5実施形態のSAWセンサの各1チャネル分のセンサの駆動及び検出のための回路(以下、「駆動回路」という。)の構成例について説明する。
SAWセンサ1の測定者は、SAWセンサ1の反応領域薄膜13−1、13−2に被測定物を滴下する。この場合、櫛形電極11−1、11−2は、封止構造14によって密閉されているため、櫛形電極11−1、11−2に被測定物が付着することで測定精度が低下する事態を回避することができる。なお、被測定物としては、液体状のものであれば、例えば、純液、混合液のいずれであってもよく、メタノール、エタノール等のアルコールの物理的特性を測定する場合に特に有効である。また、被測定物に抗原、抗体、バクテリア等が含まれる状態においても、物理的特性を測定できることは言うまでもない。
櫛形電極11−1、11−2は、供給された高周波発振信号に基づいて励振して弾性波を発生させる。ここで、櫛形電極11−1により発生された弾性波は、圧電素子基板10の表層部分を伝搬し、被測定物が滴下された反応領域薄膜13−1に沿って+X方向に伝搬する。そして、反応領域薄膜13−1を伝搬した弾性波が反射器30−1によって反射された後、反射波となって、再度、反応領域薄膜13−1を伝搬し、櫛形電極11−1で受信される。
10 圧電素子基板
11 櫛形電極
13 反応領域薄膜
14 封止構造
20、21、22、23 凸部材
30 反射器
40 壁部
100 段部
Claims (7)
- 弾性表面波を伝播する圧電素子基板と、
前記圧電素子基板上に設けられており、電気信号と前記弾性表面波との変換を行う電極と、前記弾性表面波の伝播路に配置され、検体である液体が導入される複数の検出領域とを有し、伝搬方向の垂直方向に複数設けられた複数のチャンネルと、
隣り合う前記チャンネルの前記電極間の領域までは延在せずに、前記検出領域間を伝搬方向に延在し、前記検出領域に対向する辺より長い二つ以上の凸箇所を有する部材と、
を備える弾性表面波センサ。 - 前記検出領域の外側に前記部材をさらに設ける請求項1に記載の弾性表面波センサ。
- 前記部材は、中央部分に所定の深さの溝を設ける請求項1又は請求項2に記載の弾性表面波センサ。
- 前記部材の溝の幅は、前記弾性表面波の伝搬方向に対して垂直方向の前記検出領域の距離の10分の1以上長い請求項3に記載の弾性表面波センサ。
- 前記部材は、高さが異なる複数の段部から構成される請求項1又は請求項2に記載の弾性表面波センサ。
- 前記電極が液体と接触することを防ぐ封止構造とをさらに備え、
前記二つ以上の凸箇所は、互いに交わらずに前記封止構造まで伸長する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の弾性表面波センサ。 - 前記二つ以上の凸箇所は、表面が疎水性である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の弾性表面波センサ。
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